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1951-03-31 第10回国会 参議院 本会議 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月三十一日(土曜日)    午前十一時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第三十四号   昭和二十六年三月三十一日    午前十時開議  第一 中小企業金融促進に関する決議案(深川榮左エ門君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)  第二 港湾運送事業法案(鈴木恭一君外四名発議)(委員長報告)  第三 有線放送業務の運用の規正に関する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第四 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第五 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第六 農産物検査法案衆議院提出)(委員長報告)  第七 結核予防法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第八 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第九 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一〇 郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一一 郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一二 農林漁業資金融通特別会計法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一三 公庫の予算及び決算に関する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一四 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一五 退職金に対する所得税免除の請願(二件)(委員長報告)  第一六 山林富裕税に関する請願(委員長報告)  第一七 種苗業に対する課税適正化の請願(委員長報告)  第一八 国民金融公庫法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第一九 たばこ事業民営移管反対に関する請願(十四件)(委員長報告)  第二〇 たばこ小売利益率引上げに関する請願(委員長報告)  第二一 とうもろこしおよびこうりように対する輸入関税反対に関する請願(委員長報告)  第二二 原油の関税免除に関する請願(委員長報告)  第二三 石油コークス関税免除に関する請願(委員長報告)  第二四 関税定率法第十條改正に関する請願(委員長報告)  第二五 とうもろこし、こうりようおよび種卵に対する輸入関税反対に関する請願(委員長報告)  第二六 石油関係品関税免除に関する請願(委員長報告)  第二七 漁業用石油類関税免除に関する請願(委員長報告)  第二八 関税法第九十九條開港失格條項撤廃に関する請願(委員長報告)  第二九 嚴原港の開港維持に関する請願(委員長報告)  第三〇 標準教育費法制定に関する請願(二件)(委員長報告)  第三一 教育財政確立に関する請願(十八件)(委員長報告)  第三二 教育予算額に関する請願(委員長報告)  第三三 六・三制施設費国庫補助増額等に関する請願(委員長報告)  第三四 六・三制学校建築費国庫補助増額に関する請願(三件)(委員長報告)  第三五 福島県立郡山盲ろう学校郡山分校移管促進に関する請願(委員長報告)  第三六 高知県公立高等学校費特別交付に関する請願(委員長報告)  第三七 岐阜県大垣市立興文中学校建築促進に関する請願(委員長報告)  第三八 義務教育費全額国庫負担に関する請願(委員長報告)  第三九 職業教育法制定に関する請願(十五件)(委員長報告)  第四〇 職業教育法案中に高等学校家庭科加入の請願(委員長報告)  第四一 博物館法制定に関する請願(委員長報告)  第四二 結核教職員身分保障に関する請願(十三件)(委員長報告)  第四三 学校給食法制定に関する請願(七件)(委員長報告)  第四四 横浜市外四市の府県立高等学校を各都市教育委員会に移管の請願(委員長報告)  第四五 新制大学教育部学生奨学資金国庫助成に関する請願(委員長報告)  第四六 国立大学施設費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第四七 北海道学芸大学緊急拡充に関する請願(委員長報告)  第四八 大学附属病院放射線従業員の待遇改善に関する請願(委員長報告)  第四九 私学助成対策に関する請願(委員長報告)  第五〇 私立学校教職員共済組合法制定に関する請願(委員長報告)  第五一 松本城国宝保存工事費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)  第五二 嚴島神社国宝建造物修理費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第五三 奈良文化財研究所設置に関する請願(委員長報告)  第五四 本興寺宝物館建設費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第五五 ニユース、教育映画事業保護助成に関する請願(委員長報告)  第五六 支那学振興に関する請願(委員長報告)  第五七 教員免許法認定講習費全額国庫負担に関する請願(委員長報告)  第五八 図書館法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第五九 公民館專任職員給與国庫負担に関する請願(委員長報告)  第六〇 書道教育振興に関する請願(委員長報告)  第六一 指導教鍮設置に関する請願(委員長報告)  第六二 対馬の通信整備拡充に関する請願(委員長報告)  第六三 郡山電話局電話交換方式変更促進に関する請願(委員長報告)  第六四 郡山市に裸線搬送電話中継所設置促進の請願(委員長報告)  第六五 九州西回り線地下ケーブル工事促進に関する請願(委員長報告)  第六六 会津高田、会津坂下両局間直通電話線復活促進に関する請願(委員長報告)  第六七 福島県三神村電話回線変更促進に関する請願(委員長報告)  第六八 郡山、福島両市間の電話即時通話制度実施促進に関する請願(委員長報告)  第六九 郡山電報局独立庁舎新築促進に関する請願(委員長報告)  第七〇 郡山市に電気通信省逓信病院又は仙台逓信病院分院設置促進の請願(委員長報告)  第七一 郡山放送局放送設備拡張促進に関する請願(委員長報告)  第七二 中野、郡山両局間直通電話線新設促進に関する請願(委員長報告)  第七三 二本松電報電話局局舎新築および電話交換方式変更等促進に関する請願(委員長報告)  第七四 郡山電報局を福島県第二中心局とするの請願(委員長報告)  第七五 白河電報電話局共電式電話改式促進に関する請願(委員長報告)  第七六 静岡県岩松、東田子浦両局電話を富士局に統合等の請願(委員長報告)  第七七 松尾寺に国宝物件火災報知施設電話架設または移転の請願(委員長報告)  第七八 宮崎県都農町東都農郵便局区内電話架設の請願(委員長報告)  第七九 大阪、神戸両市間の電話回線増設等に関する請願(委員長報告)  第八〇 岡山県神島外村飛島電話架設の請願(委員長報告)  第八一 岩手県一関電報電話局および電気通信管理所新築に関する請願(委員長報告)  第八二 田辺市に大阪中央放送局中継放送所設置促進の請願(委員長報告)  第八三 長崎電話局電話交換方式変更に関する請願(委員長報告)  第八四 足利電話局電話交換方式変更に関する請願(委員長報告)  第八五 甲府電報局庁舎建設に関する請願(委員長報告)  第八六 人吉電報電話局移転および改式に関する請願(委員長報告)  第八七 小樽電話局電話交換方式変更に関する請願(委員長報告)  第八八 大垣電報電話局舎新築等に関する請願(委員長報告)  第八九 大阪府守口市の電話交換方式変更に関する請願(委員長報告)  第九〇 岐阜県神岡町、高山市間の直通電話回線新設等に関する請願(委員長報告)  第九一 北九州地区総合市外電話局設置に関する請願(委員長報告)  第九二 奈良県斑鳩町の電信、電話両局の統合設置に関する請願(委員長報告)  第九三 上高根沢簡易郵便局電話架設の請願(委員長報告)  第九四 大宇陀、奈良両局間直通電話回線増設促進に関する請願(委員長報告)  第九五 愛知県三谷、蒲郡および形原三電話局の統合等に関する請願(委員長報告)  第九六 大垣電話局電話交換施設に関する請願(委員長報告)  第九七 長岡電話局電話交換法式変更に関する請願(委員長報告)  第九八 鳥取電報局庁舎新築に関する請願(委員長報告)  第九九 鹿兒島県志布架町田之浦、四浦両郵便局に電話架設の請願(委員長報告)  第一〇〇 岩手県田頭村の電話増設に関する請願(委員長報告)  第一〇一 福島県飯豊村浮金簡易郵便局電話架設の請願(委員長報告)  第一〇二 長良川長良橋架替に関する請願(委員長報告)  第一〇三 鹿兒島県下シラス地層防災緊急対策に関する請願(委員長報告)  第一〇四 和田川上流砂防工事継続施行に関する請願(委員長報告)  第一〇五 関門国道トンネル工事促進に関する請願(委員長報告)  第一〇六 島崎土尻地区沿岸防災工事促進に関する請願(委員長報告)  第一〇七 滑川改修工事施行促進に関する請願(委員長報告)  第一〇八 昭和橋の永久橋架替等に関する請願(委員長報告)  第一〇九 川口川上流砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一一〇 山入川一部改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一一一 久米川改修工事中小河川指定に関する請願(委員長報告)  第一一二 阿武隈川下流改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第一一三 南会津街道開通促進に関する請願(委員長報告)  第一一四 国道第二十号線中一部改良工事促進に関する請願(委員長報告)  第一一五 岩手県道小川盛岡線改良工事費増額に関する請願(委員長報告)  第一一六 岩手県附馬牛村、岩根橋駅間県道改良工事施行に関する請願(委員長報告)  第一一七 北上川改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一一八 勝浦川災害復旧助成工事施行に関する請願(委員長報告)  第一一九 国道第四号線中一部改良工事施行に関する請願(委員長報告)  第一二〇 雄物川改修工事に伴う農村等損害補償の請願(委員長報告)  第一二一 見槻川砂防工事施行に関する請願(二件)(委員長報告)  第一二二 国道特第三十七号線改良工事施行に関する請願(委員長報告)  第一二三 都市計画事業費国庫補助増額等に関する請願(委員長報告)  第一二四 戦災復興特別都市五箇年計画事業費認証に関する請願(委員長報告)  第一二五 災害復旧事業費国庫負担の範囲拡大に関する請願(委員長報告)  第一二六 新潟県の治水、地すべり砂防工事予算増額に関する請願(委員長報告)  第一二七 兵庫県矢野村大谷筋砂防えん堤工事施行に関する請願(委員長報告)  第一二八 国道第十五号線中一部改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第一二九 鳥取県八頭郡西部道路改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一三〇 内川および支流改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一三一 昭和二十六年度災害防除工事費増額に関する請願(委員長報告)  第一三二 治水予算増額に関する請願(二件)(委員長報告)  第一三三 河川災害復旧事業費増額に関する請願(委員長報告)  第一三四 災害防除施設費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)  第一三五 箒川の中小河川工事指定に関する請願(委員長報告)  第一三六 十勝川に恒久橋架設の請願(委員長報告)  第一三七 五ケ莊開発に関する請願(委員長報告)  第一三八 県道小川盛岡線中一部改良工事促進に関する請願(委員長報告)  第一三九 国道第十号線中本莊町以南地区改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一四〇 建築士法第三條第二項に基く法律制度の請願(委員長報告)  第一四一 広瀬川改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一四二 庄内川砂防工事予算増額に関する請願(委員長報告)  第一四三 住宅金融公庫法中一部改正に関する請願(二件)(委員長報告)  第一四四 兵庫県福良町沿岸防潮工事施行に関する請願(委員長報告)  第一四五 災害防除工事費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)  第一四六 耐火建築融資助成の請願(委員長報告)  第一四七 長良橋架替に関する請願(委員長報告)  第一四八 桂川改良工事施行に関する請願(委員長報告)  第一四九 国道第四号線中白石町、越河村間舗装工事施行に関する請願(委員長報告)  第一五〇 埼玉、群馬両県境志賀峠および長野、群馬両県境十石峠の開さくに関する請願(委員長報告)  第一五一 江合、鳴瀬両河川の合流工事促進に関する請願(委員長報告)  第一五二 三陸沿岸道路整備改良工事施行に関する請願(委員長報告)  第一五三 呉市、昭和村間道路改良工事施行に関する請願(委員長報告)  第一五四 新潟県片貝、塚山両村間道路開さく費国庫補助の請願(委員長報告)  第一五五 田吹川災害復旧工事促進に関する請願(委員長報告)  第一五六 中川外四河川改良工事施行等に関する請願(委員長報告)  第一五七 新川改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一五八 根之谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一五九 広島県上蒲刈島村田戸大川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一六〇 広島県船木村矢谷砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一六一 吉野川改修工事促進等に関する請願(委員長報告)  第一六二 立谷沢川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一六三 大滝川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一六四 石子沢川砂防工事継続施行に関する請願(委員長報告)  第一六五 小鶴沢川砂防工事継続施行に関する請願(委員長報告)  第一六六 実渕川えん堤工事継続施行等に関する請願(委員長報告)  第一六七 府県道勝沼大月線整備改善に関する請願(委員長報告)  第一六八 住宅金融公庫融資條件に関する請願(委員長報告)  第一六九 庶民住宅甲型住宅国庫補助増額に関する請願(委員長報告)  第一七〇 猿ケ石川、荒川および東禅寺上流防災築堤工事施行に関する請願(委員長報告)  第一七一 伊與野川砂防工事促進に関する請願(委員長報告)  第一七二 北上川上流左岸築堤工事促進に関する請願(委員長報告)  第一七三 東の川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一七四 下の加江川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一七五 藁科川堤防築設に関する請願(委員長報告)  第一七六 滑川改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第一七七 久冨川砂防工事促進に関する請願(委員長報告)  第一七八 国道第六号線中一部改良工事施行に関する請願(委員長報告)  第一七九 船坂川砂防工事継続施行に関する請願(委員長報告)  第一八〇 黒川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八一 細屋川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八二 白水、大江両河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八三 別所川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八四 石見川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八五 小江尾川外二河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八六 本谷川外二河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八七 雨滝川砂防工事の施行に関する請願(委員長報告)  第一八八 阿毘縁川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八九 宝谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九〇 波多川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九一 洗川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九二 勝田、矢笠両河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九三 忰谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九四 小鴨川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九五 矢送、滝両河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九六 福本川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九七 河内川砂防工事施行に関する請願(二件)(委員長報告)  第一九八 水谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九九 勝部川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇〇 上地、袋両河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇一 矢戸川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇二 白坪川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇三 湯河川外二河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇四 舎人川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇五 野上川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇六 春米川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇七 曳田川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇八 野坂川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇九 有富川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一〇 砂見川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一一 甲川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一二 羽佐利用砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一三 阿弥陀川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一四 坪谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一五 加勢蛇川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一六 大内地内砂防工事継続施行に関する請願(委員長報告)  第二一七 蒲生川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一八 名和川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二一九 谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二二〇 田後川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)  第二二一 吉井川上流防災護岸工事継続施行に関する請願(委員長報告)  第二二二 吉井川上流郷地先防災護岸工事施行に関する請願(委員長報告)  第二二三 北上川姉体堤防工事促進に関する請願(委員長報告)  第二二四 住宅金融公庫住宅資金融通に関する請願(委員長報告)  第二二五 統制経済に関する請願(委員長報告)  第二二六 電気事業の再編成に関する請願(委員長報告)  第二二七 電気工事法制定に関する請願(委員長報告)  第二二八 国立療養所電力割当増加等に関する請願(委員長報告)  第二二九 大淀川発電所復元に関する請願(委員長報告)  第二三〇 猪谷、中山両発電所復元に関する請願(委員長報告)  第二三一 山林課税に関する陳情(委員長報告)  第二三二 大豆かすの輸入関税課税反対に関する陳情(委員長報告)  第二三三 沖縄、大島諸島生産品関税撤廃に関する陳情(委員長報告)  第二三四 印紙税法中一部改正に関する陳情(委員長報告)  第二三五 教育財政確立に関する陳情(委員長報告)  第二三六 六・三制学校建築費国庫補助増額に関する陳情(委員長報告)  第二三七 六・三制施設費国庫補助増額等に関する陳情(委員長報告)  第二三八 六・三制学校特別教室校舎建築費国庫補助に関する陳情(委員長報告)  第二三九 義務教育費全額国庫負担に関する陳情(委員長報告)  第二四〇 六・三制教育費全額国庫負担に関する陳情(委員長報告)  第二四一 職業教育法制定に関する陳情(八件)(委員長報告)  第二四二 結核教職員身分保障に関する陳情(二件)(委員長報告)  第二四三 金沢大学夜間短期大学設置の陳情(委員長報告)  第二四四 桜島火山研究所建設に関する陳情(委員長報告)  第二四五 博物館法案に関する陳情(委員長報告)  第二四六 倉敷、西阿知両電話局を同一局とするの陳情(委員長報告)  第二四七 石川県輪島電報電話局電話交換方式変更に関する陳情(委員長報告)  第二四八 仙台、酒田両市間の長距離ケーブル線架設工事促進に関する陳情(委員長報告)  第二四九 長野県阿南地方のラジオ聴取に関する陳情(委員長報告)  第二五〇 全国各都市の電話復旧、改式および拡張に関する陳情(委員長報告)  第二五一 吉生川沿岸補強工事施行に関する陳情(委員長報告)  第二五二 由良川えん堤築造に関する陳情(委員長報告)  第二五三 京福道路改良工事施行に関する陳情(委員長報告)  第二五四 災害復旧工事費国庫補助に関する陳情(委員長報告)  第二五五 住宅金融公庫法改正に関する陳情(二件)(委員長報告)  第二五六 海岸法制定に関する陳情(委員長報告)  第二五七 阪神、四国連絡道路実現に関する陳情(委員長報告)  第二五八 災害復旧事業費全額国庫負担に関する陳情(委員長報告)  第二五九 建築士法中一部改正に関する陳情(委員長報告)  第二六〇 府県道一宮、大垣線中一宮地内にこ線橋架設等に関する陳情(委員長報告)  第二六一 電気事業の再編成に関する陳情(二件)(委員長報告)  第二六二 阿武川第二発電所新設等に関する陳情(委員長報告)  第二六三 電気事業再編成に関する政令運用に関する陳情(委員長報告
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、中小企業金融促進に関する決議案深川榮左エ門君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。  本決議案につきましては深川榮左エ門君ほか十八名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。深川榮左エ門君。    〔深川榮左エ門君登壇、拍手〕
  5. 深川榮左エ門

    深川榮左エ門君 只今議題となりました中小企業金融促進に関する決議案の提案の趣旨を説明いたします。  先ず決議案全文を朗読いたします。   中小企業金融促進に関する決議   わが国産業構造の中に占むる中小企業の地位は極めて大なるものあり、政府中小企業対策重要性を常に唱えつつあるにも拘らず、その実効甚だ挙らざるの感なきを得ない。殊にそれは中小企業金融政策において著しく、大部分の中小企業者金融機関より資金融通を受けることが殆ど不可能に近い状態である。そのため中小企業合理化は遅れ、日本経済自立達成に大なる障害を来たす危険さえある。よつて、本院は政府に対し   一、日銀中小企業別枠資金、対日援助見返資金預金部資金その他政府資金の注入による中小企業金融資金源充実   二、商工組合中央金庫、国民金融公庫信用協同組合その他各種の中小企業金融を專門とする金融機関整備拡充   三、中小企業信用保険及び信用保証制度活用中小企業の経営並びに経理の指導による金融受け入れ態勢の強化  等の諸方策を速やかに検討し、これが実現積極的努力を傾注すべきことを要求する。   右決議する。  以上が決議案全文でありますが、以下私どもがこの決議案を提出するに至つた動機決議案の内容とについて御説明申上げます。  御承知のように我が国では中小企業とも称すべき産業の階層が非常に多いのであります。この日本産業構造の中で重要な位置を占める中小企業が、いつも金融難に喘ぎ金詰りに苦しんでいることは、常に諸君の親しく見聞されているところであります。政府もこの事実を知らないわけではない。従つて常に中小企業金融重要性を唱え、施政方針演説などにも必ずこれに言及し、又これが対策についても手を打つているが、その実、効果は殆んど挙つていないのであります。遺憾ながらこれ又実情であります。何故に効果が挙らないのかと言えば、それは政府中小企業金融難に対する認識が頗る浅く、これが解決に対する熱意が甚だしく欠けているということにあります。現在のままでは現下の中小企業金融難はなかなか解決される見込はありません。中小企業合理化は遅れ、延いては日本自立経済達成にも障害を来たす虞れがあると存ずる次第であります。政府の猛反省と積極的な熱意とを要請したというのが本決議案の提出の動機でございます。  そもそも中小企業が何故に金融に苦しまねばならいかと言えば、一つには、中小企業の不健全性、即ちその信用力、担保力を欠いているものが多いという点にもありますが、金融機構が中小企業向きになつていないという事実であります。戦前に存在していた多くの地方銀行、特殊銀行が集中合併されて大銀行となり、中小企業との関係が極めて稀薄になつて参りました。国民の蓄積資本は勿論その若干は企業内部に保有されますが、大部分は租税その他の形をとつて政府資金となるか或いは大銀行へ預金として集中する。ところがこれらの資金並びに見返資金ようなものがどれだけ中小企業に廻されるかと言えば、著しく貧弱であると言わなければなりません。我が国産業は大企業も中小企業もいずれも御多分に漏れずこれら資金に依存しなければならない状態でありまするが、中小企業に対する割当がその地位の重要性に比して甚だ少いということは、即ち資金源が枯渇しているということであります。それが中小企業金融難の原因をなしております。こういう点からいたしまして、私どもは中小企業金融資金源を充実すること、中小企業金融機関を整備拡充すること、更に中小企業の金融受入態勢を補強すること、この三点を特に政府に要請したいと存ずる次第であります。  資金源の充実確保ということは、勿論その金額を増すということが第一の要点でありまするが、それだけでは不十分でありまして、その資金は現実に中小企業へ融資され得るような形で増額しなければならない。例えば見返資金のごとき、たとえ四半期ごとの枠を三億から十二億に拡げたといつても、中小企業には及びも付かぬ煩瑣な手続や担保を要求し、或いは対象規模が狭小に過ぎて貸出額が予定よりも遙かに少いというような現状では、果してこれは貸したいのか、それとも見せるだけで実は貸したくないのか、その真意を疑いたくなるのであります。その対象とする企業の規模は、現在資本金五百万円、従業員三百人未満となつていますが、産業の種類によつては、たとえ一千万円以上の資本金であつても中小規模と称し得るようなものが少くないのであります。これを一律に資本金融と従業員で杓子定規に縛つていることは甚だ実情を無視するものでありまして、産業の種類により対象規模に相当な弾力性を持たせる必要があると痛感する次第でございます。又日銀の別枠資金にしましても、その適用金融機関が少いために、中小企業者はわざわざ遠方まではるばる旅行をして行かなくては借りることができない。甚だ以て不親切であります。即ち資金源は真に中小企業が借り得られるよう資金として増額することを要請したいと思うのであります。中小企業金融機関の整備拡充は、右に述べました資金が円滑に中小企業に向つて流れる途を作つてやるために必要でありまして、総じて、銀行、待に大銀行は中小企業に対して常に冷淡でもります。従つて中小企業金融には特殊の金融機関を必要とする。現在はまさに政府出資によつて中小企業專門の金融機関を設置する段階に来ているものと私は考えるのであります。然るに商工中金のごとき、組合金融の中枢機関として、特殊の任務を持つものでも、組会員の預金すら受けるにとができない、又為替業務もできないという、いわば不具の金融機関であります。国民金融公庫にいたしましても、債券発行ができず、資金借入れの途が開かれていないのであります。これらの点を急速に改善すべきではなかろうかと思う次第でございます。その他、無盡会社、信用協同組合並びに地方銀行など、中小企業と密接なる関連を持つ金融機関に対して預金部資金或いは政府余裕金の預託の途を講じて、その活動を積極的に援助することが中小企業金融の円滑化を図る捷径であると思うのでございます。中小企業においては、金融の受入態勢ができていないとよく言われるのでありまするが、小企業などにおいては、しばしば経理内容などは、はつきりせず、銀行の望むような帳簿組織などできていないものも多いことは事実であります。併しこのよう中小企業が果して不健全かと申しますと、さようではないのでありまして、そういう企業が個人から高利の金を借り、高い税金を拂つて、而も立派にやつて行く実例も決して少くないのであります。即ち銀行の要求する形の担保力なり信用力なりはないけれども、個人的信用は大きい。従つて銀行が融資する際、たとえ現在は担保はなくとも、若しこれから新設又は増設さるべき設備機械等を担保として貸出すなら、それでも経営者の個人的信用から見て決して貸倒れの心配はないという場合も多く見られるのでありますが、それが見返資金その他で実行できていないのでありまして、又大銀行が中小企業金融に対して冷淡であるという他の一つの理由は、少額の融資にも巨額の融資と同じような手続と信用調査を必要とし、而も利子は一定限度に限られております関係上、採算上から見ても面白くないという事実があります。これ又無理からぬことと思いまするが、このような場合に、貸倒れの危険に対する手段を講ぜしめ、信用調査を簡単にするために、中小企業信用保険、並びに信用保証制度が作られておるのでありますが、この信用保険制度の利用状態は期待に反して頗る振わないものであります。尤もこの制度が実際に動き出してから僅々二カ月余に過ぎないのでありますが、そういう言いわけもありましようが、最近二カ月間の契約貸出額は、三月二十九日現在にて百三十一件、一億八千五百四十八万円という貧弱さであります。政府が要求した一―三月の契約限度の三十六億という額に対し、実績はその二十分の一という状態であります。これには金融機関の協力が乏しいという原因もあり、その不協力の裏には、制度そのものが不備という点もありまするが、根本的には政府当局の中小企業金融に対する怠慢があるのではないかと疑わざるを得ないのであります。私どもは中小企業金融難を打開するために、政府の積極的な協力を強く要望してやまない次第でございます。  以上を以ちまして提案趣旨の説明といたします。(拍手)
  6. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 本決議案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。小野義夫君。    〔小野義夫君登壇、拍手〕
  7. 小野義夫

    ○小野義夫君 私は自由党を代表いたしまして、本決議案に賛成の意を表するものであります。  その理由を簡単に申上げます。先ず、我が国産業上又国民経済上におきまする中小企業が如何に重大な役割を占めておるかということは、皆様御承知の通りであります。従いましてこれが育成発達の対策は非常に重大な問題でありますし、又その対策は多くあると思うのでありますが、なかんずく金融促進の方策を講ずることが政府今後の中心目標でなければならぬと存ずるのであります。然るに、この点に関し、政府日銀中小企業別枠資金、見返資金、商工組合中央金庫、国民金融公庫信用協同組合中小企業信用保証制度等、各種の機関を設けて、專ら中小企業の金融に努力しておることは相当の敬意に値いするものでありますが、その実績は誠に不振な状態にあると言わざるを得ないのであります。例えば中小企業に対する見返資金の状況を見ましても、先刻決議案の説明にもありましたごとく、昭和二十五年度第四・四半期一―三月におきまして、三月二十日現在までに、前期繰越金五億五千万円、又第四・四半期の枠九億円、合計十四億五千万円に対しまして、これが借入申込件数は百七十二件、二億七千二百万円でありまして、その承認件数は百二十六件、一億七千五百万円を貸出したばかりでありまして、現に十二億七千五百万円という余裕資金を残しておるような状態であります。かような状態で参りますというと、昭和二十六年度における中小企業に対する見返資金の繰越及び割当額は四十億もあるのでありますが、実際においては貸出は頗る困難で、実行が危ぶまれるのであります。而して一方におきましては、窮迫せる業者をして徒らに怨嗟と羨望の的として余裕資金を残すようなことに至るの虞れが多分に存するのであります。何故にかくのごとき多額の資金を持ちながら中小企業資金が廻らないかという実情を少しく調べて見ますると、銀行側の申し分によりますと、銀行は救済事業ではないから、どうも返済の見込のないような者には貸せない。又融資の対象としての中小企業は余りにも信用薄弱であつて、且つ事業の欠点が多過ぎる。又事業資金と生活資金との区別も付かず、バランスシートもないような経営者が多い、などの諸点を挙げて非難しておるのであります。これに対して又業者側では、一体、市中銀行は我々を相手としない。申込んでも受付けてくれない。銀行は見返資金に手を出すと大蔵省の検査を受ける面倒があるから、成るべく触らないようにしておる。又銀行は自己の営利的立場に汲々として中小企業者を顧みないのだと、強い非難の声を浴びせておるような次第であります。以上の例を見ましても、既設の各種の金融機関というものは、中小企業特有の隘路に迫られまして、実際その機能を発揮し得ざるの状態にあるのであります。これが改善意見として中小企業銀行のごとき特殊銀行を設立する必要があるのではないかと思われるのであります。  次に現在政府が実施しつつあるところの中小企業金融の対象範囲というものは、先にもお話がありましたごとく、日銀中小企業別枠資金におきましても、見返資金におきましても、又信用保証制度におきましても、常に資本金の一定額或いはその他の條件、例えば資金で申せば五百万円以下とか、従業員は三百人以下とか、こういうような限度を各種産業を通じて一律一体にきめておるのでありますが、何が中小企業であるかという決定基準というものはそれぞれの業種によつて決定すべきものでありまして、一律に決定すべきものではないと考えるのであります。  最後に一言附言して置きたいのは、よく中小企業中小企業と申しますというと、ややもすれば中小炭鉱であるとか中小鉱山、例えば亜炭の山、或いはマンガンの山というようなものを取り残すような虞れが多分にありまして、これがため、折角政府が用意した中小企業資金の恩典に浴し得ないというような憾みがあるのであります。この際、特別の御考慮をお願いしたいと存ずる次第であります。このような処置によりまして、若しこの中小の鉱山及び炭鉱に資金を貸付けて頂くならば、目下最も必要とせちるるところの地下資源の産出に大いに寄與するところがあると考えるのであります。なお、この点につきましては、目下創設過程にありますところの日本開発銀行に是非とも中小鉱山に対する部門を設けて、そうして、これらの所へ專門の技術的の見解を持つところの貸付係を置く必要があると存ずるのであります。  以上の諸点から本決議案に対しまして全幅の賛意を表すると同時に、政府熱意を持つてこれが遂行に当られんことを希望するものであります。(拍手)
  8. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 栗山良夫君。    〔栗山良夫君登壇、拍手〕
  9. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 日本社会党は只今提案されました決議案に対しまして賛成をいたすものでございます。  中小企業金融難が依然として打開されないのは、本決議案の提案趣旨の弁明にもありましたように、政府資金の注入による中小企業金融資金源が極めて乏しいこと及び中小企業金融を專門とする金融機関が手薄なところに問題があるのであります。長きに亘りまして且つ深刻な業界の熱望にもかかわらず、金融難の隘路の積極的打開が講じられない最大の原因は、我が国産業経済に占める中小企業の位置及び使命に関する基本的認識が欠けでおるところにあると確信いたすものであります。中小企業昭和二十二年の事業所統計で見ますると、国内事業所総計に対しまして、従業員二百名未満の事業所は九九・〇%、従業員は七七・四%、生産額は六二%を占めておるのであります。又商業にありましては、従業員五人未満の零細経営だけで以て、店舗は九三・七%、従業員は六七%という高い比率を持つておるのであります。このことは農業と相並びまして中小企業が我が国の国民経済の支柱となつておること、及びこれが育成を図ることは我が国経済民主化のために如何に重要であるかを明らかにいたしておるのであります。我が国における経済の民主化は、農地開放と並行いたしまして、財閥の解体、過度経済力の集中排除、私的独占の禁止などの措置によりまして、その基礎が與えられたのでございますが、これらの措置による成果を確保し、将来を保障するためには、中小企業の健全なる発展を図らなければならないのであります。企業が順調に発展いたしまするには、大企業、中小企業のいずれを問わず、必要な資金が必要なときに得られることが最も重要な点でございますが、日今まで金融機関中小企業に臨んでおる融資に対する態度は、大企業と同様か或いはそれ以上に厳格なものであります。担保力、信用力のいずれにおきましても、到底大企業に比肩し得ない中小企業に対しまして、このような条件を強いますることは、卒直に申しまして金融機関からの積極的協力が得られないということになるのであります。  昭和二十三年八月総司令部から金融機関の民主化の要請を我が国が受けたのでございますが、政府はこれに対し日本銀行法の改正、特殊銀行の普通銀行化を行なつた程度でありまして、中小企業に最も関係のありまする地方銀行のごときは現在もなお戦時中の一県一行主義が堅持されておるのであります。かくて中央及び地方銀行ともにその営利的性格からいたしまして大産業優先融資の方針がとられておりまして、中小企業の持つ基礎の弱体性、融資受入態勢の不備等からいたしまして、中小企業が融資を受ける機会は非常に限られているのであります。即ち弱体企業がその資金需要を営利機関たる金融機関から充足しようとするところに矛盾があるわけであります。現金融機関が営利を主としておる限りにおきまして、このことも止むを得ないことでありましようが、国がこの金融機関の態度に同調いたしまして、中小企業の弱体から来る危険を恐れて積極的な金融難打開の道を講じないといたしますならば、中小企業の振興による日本経済の大衆的安定に対しまして熱意を欠くものであると申さざるを得ないのであります。本決議案はこのような観点からいたしまして各種の中小企業向け金融機関の強化拡充を要請いたしておるものであります。政府は、早急に且つ重点的に、中小企業の真の熱望に応えられるように、金融面からする格段の措置をいたされたいのであります。  実は昨年暮第九国会におきまして政府提出による中小企業信用保険法が可決に相成りましたことは、今日まで中小企業金融のために設けましたところの一般銀行の中小企業金融の窓口に、商工中金、国民金融公庫等によるには種々限度がございまして、中小企業者の要求に完全に副い得ないことを認識せられた結果、危険の大部分を国の負担において金融難の打開を図つたものと了解しておるのであります。然るにこの信用保険が鳴り物入りで宣伝せられたにもかかわらず、今日まで見るべき成果を挙げていないのは、甚だ遺憾なのであります。具体的に申上げまするならば、昭和二十五年一月乃至三月までの保険契約予定額三十六億円に対しまして、三月二十九日現在僅かに百三十一件、一億八千五百万円、比率にいたしまして五%、一件の平均貸出額百四十万円に過ぎないのであります。このうちで一千万円を超えましたものは、商工中金の八千二百万円、地方銀行の六千六百万円、信用組合の一千八百万円の三部門のみであります。旧特殊銀行は一件、三十五万円、十一大銀行団で僅かに四件、六百三十八万円に過ぎないのであります。全体的にも極めて不成績でありまするが、特に大銀行筋が割当保険額の一%に過ぎませんのは、如何に一般金融機関が非協力であつたかを証して余りあるのであります。政府は二十六年度分といたしまして百四十四億円の保険契約を予定いたしておりまするが、このままではまさに計画倒れになる公算が極めて大であります。従いまして、この点だけに限りましても国において一〇〇%の危険負担をいたしまするとか、或いは又貸金不足のためには中小金融債券の発行を認めまして、積極的に政府資金の投入を図るとか、具体的に法的措置を講じなくては、仏を作りまして魂を入れないのと全く同様であろうと思うのであります。  英国は我が国と経済状況が似通つているのでありますが、この国におきましては全産業に亘りまして金詰りということを聞かないということであります。それは投資の計画化ということが徹底いたしておりまして、政府が年々各省に命じ必要な投資額を見積らせ、それを中央経済計画本部に提出をさせます一方におきまして、国民所得を正確に測定をいたしまして、インフレーシヨンを抑制しつつ、投資に向け得る金額の枠を国全体の経済の安定と発展という見地から重点的に資金の割当をするということであります。重点の度合は、ドル獲得に必要な生産資金、又ドル地帯からの輸入を抑え得るための生産資金を最優先的にいたしまして経済安定のためには、急ぐ必要のない官庁会社のオフイスとか或いは享楽的部面への投資を大幅に減らしているということであります。  我が国の中小企業は、申すまでもなく輸出産業といたしましても極めて高い地位を有しているのでありまして、総輸出額の六〇%にも及んでいるのであります。又国民生活に密接な関係を有する工業製品の生産及び一般生活必需品の供給は多く中小企業の担当するところであります。この際、政府は大英断を以ちまして、本決議案趣旨により、既存の中小企業金融機関の実質的整備拡充を図られたいのであります。更に願わくば、中小企業金融公庫等の制度を創設いたしまして、国家資金の投入によつて中小企業の特性にマツチした完全な專門的中小企業金融機関を完備せられたいのであります。  以上企業の金融難打開に対する日本社会党の基本的な所信を表明いたしまして、本決議案に賛成をいたすものでございます。(拍手)
  10. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 須藤五郎君。    〔須藤五郎君登壇、拍手〕
  11. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は日本共産党を代表いたしまして、次の諸点を申述べて、この決議案に賛成をするものであります。  そもそも吉田内閣の中小企業対策は、池田蔵相のあの有名なる放言第一号、「中小企業者の五人や十人死んでも止むを得ない」という言葉にも明らかなように、(笑声)全中小企業関係者たちの怨みの的となつております。朝鮮動乱以来一部においては特需の名の下にやや活況を呈して来たかのように言われておりますが、これらはすべて軍需品の製造でありまして、日本人民の生活には何の利益もないどころか、却つてあべこべに隣国友邦の人民諸君を苦しめる結果となつておるのであります。いわんや、これらの企業におきましては、独占資本の支配する親工場の驚くべきやらずぶつたくりの方針により、めちやくちやな安い単価による入札が行われるために、物凄い労働強化と低賃金による操業が行われているのであります。  日本共産党は、このような現実の上に立つて、特に次の諸点を申添えてこの決議案に賛成いたしたいと思います。  即ち見返資金その他の融資はいつでも紐が付いていて、人民生活の発展のための産業ではなく、独占資本家の、帝国主義者の必要とする産業に投資される。我々は日本人民の税金が本当に日本人民のための平和産業の無限の発展のためにのみ投資されることを要求するものであります。又本決議案では、中小企業の経営、経理の指導による金融態勢の受入強化と言つておりますが、吉田内閣の強行せんとしている日米経済協力の線によつてこれが実行されるならば、現在の特需の下請にも優る労働強化と低賃金が強行されるのであります。太平洋戦争中の東條の中小企業対策を見るがよいと思います。協力工場の名の下にこれら中小企業が如何に悲惨な状態に置かれたか。我が党は、この決議案が再びこのようなよこしまな方向にねじ曲げて取上げられることなく、真に日本人民のため必要な産業発展のために実現されることを積極的に要求して本決議案に賛成するものであります。(拍手)
  12. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  13. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて決議案は全会一致を以て可決せられました。  只今の決議に対し、通商産業大臣より発言を求められました。横尾通商産業大臣。    〔国務大臣横尾龍君登壇、拍手〕
  14. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 中小企業が我が国の産業に占める位置の極めて重大なるに、これらに対しまして金融の途が、種々方策を講じておりましたにもかかわらず、その不円滑なることが多く、そのコンプレイントを抱くものでございます。政府といたしましては甚だ遺憾に考え、これの打開に苦慮しておるものでございます。本日只今上程され、満場一致を以て可決されましたる決議趣旨を体しまして、且つ又賛成の議員のかたがたの申されたることごとをよく考えまして、その打開に今後一層積極的に努力をしたいと思うのであります。一言政府の所信を申上げて置きます。(拍手)      ―――――・―――――
  15. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第二、港湾運送事業法案鈴木恭一君外四名発議)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長植竹春彦君。    〔植竹春彦君登壇、拍手〕
  16. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 只今議題となりました港湾運送事業法の提案の理由及び審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本法案は鈴木恭一君ほか四名の提出にかかるものでありまして、その目的とするところは、現在無秩序の状態にある港湾運送業に秩序を與え、公正なる競争と施設の改善を行なつて、港湾運送荷役の増強を図り、船腹増強施策に対応せんとするものであります。法案の要点の第一は、港湾運送業を飽くまで自由営業の原則に立ちながら又登録制度としたことであります。第二点は、公正な競争と利用者の利益の保護とを併せ考えて、運賃、料金、運送約款につきまして届出制度をとると共に、利害関係人の異議申立により運輸大臣が公聴会を経て不当な者について是正を命ずることであります。第三点は、運送施設改善のために設備資金の円滑なる融資を助けるため港湾運送事業財団の設定を規定したことであります。  委員会におきましては慎重審議をいたしました結果、妥当なる立法であると認めて、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。質疑、討論の内容の詳細につきましては、委員会の速記録によつて御了承をお願いいたします。以上御報告を申上げます。(拍手)
  17. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  18. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  19. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第三、有線放送業務運用の規正に関する法律案衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員長寺尾豊君。    〔寺尾豊君登壇、拍手〕
  20. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 只今議題となりました有線放送業務運用の規正に関する法律案について、電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ずその提案理由といたしますところは、最近北海道を初め各地におきまして、ラジオの共同聴取及び主としてその施設によつて諸般の連絡周知事項の告知等を行う者が急激に増加いたし、又いわゆる街頭放送の業務を行う者も次第に増加の傾向にありますので、この滲透性及び拡散性に鑑みまして、この業務の運用について一定の基準を與える必要を認めまして、本法律案の提出となつたものであります。  次にこの内容といたしますところは、以上三つの態様の業務を行わんとする者は届出を要することとし、その業務の運用については放送法に定むる諸規定を準用することとし、又本法律案の規定の施行を確保するための規定及び違反者に対する罰則を規定してあります。本案は衆議院電気通信委員長の提出でありますが、この問題は、昨年九月当委員会の委員が所管事項実施調査のために地方に出張をいたしまして、北海道班の委員から報告がありましたことに端を発しまして、当委員会においても検討をいたし、更に本年二月には他の地方の実地調査をもいたし、又衆議院の電気通信委員会とも数次に亘つて連絡検討を進めて参つたものであります。本案が当委員会に付託されまするや、改めて愼重審議をいたし、各委員より熱心なる質疑が行われ、提案者より懇切なる答弁があり、又関係官庁より詳細な所見の開陳がありました。質疑応答によつて明らかになりました主なる点は次の通りであります。  先ずこの法律案は業務運用の規定であつて、機械施設につきましては電信法によつて電気通信大臣の許可を受けなければならないこと。次に本法施行について電波監理委員会では二十七名の増員と約一千五百万円の経費を要する見込であつて、その具体的措置は適当な機会に講ずるつもりであること。次に、極めて素朴的な業務を対象とした本法に極めて高級なテレビジヨンを包含するような字句を入れましたのは、単に将来起り得るかも知れないというだけの理由であること。又官庁の行うものを適用除外としたことは公務員の行動を特別に信頼したことによるものである等であります。その他各般の事項について綿密なる検討が行われましたが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。  かくいたしまして質疑を終え、討論に入りましたところ、山田委員より日本社会党を代表して、本法律案の対象となるものは極めて素朴単純な態様のものであるからテレビジヨンを包含することは妥当ではないこと、及び本法律の適用除外の対象に不合理の点があるから、第二條及び第十條の一部を修正の上、本案に賛成の意見を述べ、続いて緑風会の新谷委員より山田委員の修正案に賛成の意を表し、且つ、共同聴取はできるだけ助長することとし、その手続は極力簡略にせられたいとの希望を附し本案に賛成、次いで自由党の鈴木委員、労働者農民党の水橋委員よりも山田委員の修正案に同意して本案に賛成の意見を述べ、次いで採決に入りまして、山田委員提出の修正案につき採決いたしましたるところ、全会一致を以てこれを可決いたし、次に修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、これ又全会一致を以て可決すべきものと決定をいたした次第であります。  御報告を申上げます。
  21. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  22. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。      ―――――・―――――    〔佐々木良作君発言の許可を求む〕
  23. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 佐々木良作君。
  24. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私はこの際、電力再編成について緊急質問をすることの動議を提出いたします。
  25. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 佐々木君の動議に賛成いたします。
  26. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 佐々木君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。佐々木良作君。    〔佐々木良作君、拍手〕
  28. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私は今日三たびこの電力再編成の問題に対して緊急質問をしなければならぬことを極めて遺憾に思い、残念に思う次第であります。  先だつてこの議場におきまして満場一致の議決がされて、公益事業委員会に対し、この問題に対する本院の意図が明確に要請の形を以てなされたことは、皆さんのまだ記憶に新たなところと思います。それに答えて松永委員長代理は、本院の議決をそのまま尊重して、その意図を十分汲み入れて、この決定指令によつてそれを補うことを言明されたわけでありますが、昨日から今日にかけて、二つに分れて出された電力再編成問題に関する決定指令は、まだ幾多の問題を残しており、正面から形式的に見ますならば、一応決定指令によつて落ちつくかのごとくに見えましても、私はこの問題は決してこれで落ちつかないだろうということを皆さんに御報告すると共に、同時に今後の公益事業委員会の態度並びにこれが監督の立場に立つところの政府の所信を質したい。こういうふうに考えるわけであります。  内容につきましては簡単に触れるだけでお許しを願いたいのでありますが、要するに先ず第一に資本の問題、つまり株式統合比率の問題につきまして、本参議院におきまして最も討議されましたものは、新らしくできる会社に対して、現在の配電と日発がなくなつて新らしい会社ができるのだが、この新らしい会社に対して、現在ある十の会社がなくなつて引継ぐべき資産を中心として、どういうふうに本格的な資料と本格的な調査に基いて株主の利益を擁護して資産の評価がされて、新らしい株式の比率が決定されるかというやり方の問題と、内容の問題と、二つ含んでおつたわけです。併しながら皆さん殆んど全員が御承知のように、あの決議が行われました後におきましても、公益事業委員会の態度自身は決して従来の態度とは変つておらずに、飽くまでも、まだ十分な記録もなければ十分な討議も盡されず、妙な恰好できめられつつあることは御承知の通りでありまして、決定指令案の際に述べられた態度は決定指令において一つも改められていない。決定指令案のときに述べられたところの一対一の原則に対して、本院におきまして数度に亘る追及がなされた。その不合理なことが質された。併しながら今度出た指令につきましても同じような一対一の原則をそのまま踏襲し、何ら改められていない。特に私が附加えたいと思いますことは、今度の指令の中で、前に十億と称した金を十三億に殖やしておる。そうして十三億の中から清算費用と、それから必要があるならば株主の損失を填補するだけの金を出す。こういうふうな言い方にしてあるわけです。併しながら実際問題としましては、若しこの清算に当り日発が必要な経費と称するところの七億というものをそのまま使うならば、特別配当として廻す金は前と同じ金であつて、十円を一つも出ない。そういう意味におきまして、これは何らの変更も加わつていないと同じであります。のみならず本来この原則が、一対一という原則を認めるならば、日発の株主の損害はないわけでありますから、これを填補する必要はない。従つて何にも問題はないわけでありますけれども、一対一の原則を認めながら、どこか、どうもその工合が悪いところがああるものだからまあまあという、まあまあという金とプラス・アルフアという金を十円と出した。その理由が付かないものだから、日先の根主の損害を受けるのは、この九つに会社が分れると株式が分散するという不利益を、これを填補するという理由にしておる。それが特別配当の理由になつておるわけであります。この特別配当金を殖やそうとするならば、今日のような理由をそのままの理由としておる限りこれを殖やしようがない。だからこれを改めるならば、一対一の原則を変更しない限り株主の損失を填補することができないわけです。この原則を変更することにやぶさかであるがために、これを三億か四億かの金を出して、そして日先が清算費用に使おうと或いは株主に配当しようと、どうでもよかろうという、責任を転嫁しようという方法で投げられたこと、従いまして私は本院におきまして、太田哲三氏以下経済專門家がはつきりと述べた原則は完全に蹂躙されて、一元のままの形で責任が完全に薄れておるということをはつきりと申上げて置きたいと思います。我々が要求したのは、内容の如何よりも、はつきりと根拠と理由を以て内容を出せということであつたが、それは一つも改められていない。  それから更に人事問題につきましては、これは私余り申上げたくないのですけれども、人事問題につきましても同様であります。特に人事問題におきましては、一般の批判の的になつたところの人数を殖やす殖やさないの問題、つまり人間が多過ぎるからこれを重役の数を減らすということと、それから社外の重役を取入れること、これだけが、社外の重役を取入れることと人数を減らすことだけを承認しまして、そして問題の一番最初の出発点であるところの松永人事に対する批判、これは一つも決定指令の内容においては受取られていない。念のために申上げますが、我々が決議をした原因になつたところの仮指令案におきますところの日発と配電の人事の比率は、配電が十に対して日発が四でありました。今度の人数総体の枠は減りましたけれども、中の比率は同様に配電が一〇に対して日発が四・二、〇・二だけの変更があつたということであります。今のは取締役についてでありますが、監査役についても大体同様のことが言える。取締役、監査役両方合せましても、同じように、前の決定指令案の場合におきまして一〇対三・七であつたのが今度は一〇対三・九という程度であつて、殆んど変更がないということを御承知を願いたいと思います。なお社外重役の割合が増加いたしましても、それは配電系の推薦した人が非常に多いのでありまして、内容は松永人事をちつとも変更していない。特に私はここで申上げて置きたいと思いますことは、日発側から社外重役をたくさん入れろという一番中心的なものは、本院におきましても証人として意見を述べられておつたところの例えば関東の新井章治氏であるとか、或いは関西の池尾芳藏氏であるとか、或いは九州の村上巧兒氏であるとか、或いは同じく関東の名取和作氏であるとか、こういう、こちらから推薦したところの、日発側から推薦したところの人は一顧だに加えずに、全部これはそのまま剥奪されておる。そして一番最初、こういう問題が起きない前から、一番最初から松永氏自身が推薦し、強力に推しておつたところの社外の者、第一には宮川竹馬氏を初めとしまして、鈴木鹿藏、海東要造、竹岡陽一、進藤武左エ門という松永直系のかたがたは、一番強い内容を以て今度の中には、はつきりと現われておることを、私は皆さんにここではつきりと申上げたいと思います。重役の数は確かに減りましたが、重役の数の減つた中で、減れば減るほど中の一人二人の大物の発言権は大きくなります。その一人二人の大物はそのまま一番先に言われたように松永人事そのものである。特に関東におきまして問題になつたところの高井亮太郎氏に対しましては、電産の労働組合からいろいろな意味の提訴がなされ、そして贈収賄の疑いの事実さえも挙げてこれが告発されておるにもかかわらず、これはそのまま残されておるということは、私は重大なる問題であると思います。  なお附加えるならば、関東、中部、関西、中国、九州、この地区は日本の経済におきまする一番中心的な地域でありまして、電気の需用の中心であります。この地域におきましては、今の日発からというのはおのおの一人しか入つていないわけです。重役はたつた一人です。特に私はこの中でも例を引いて申上げたいのは、関西におきましては、関西は何としても火力が運転されなければあすこの経済は麻痺いたします。それであるのにもかかわらず、関西の火力を掌るところの責任者は誰もいなくなつています。今まで関西の日発の支店長であつた武田氏は、これは火力の復旧状態その他が非常に進んで、うまく行くというので、GHQからたびたびお褒めの言葉さえもらつておる。それさえもなくなつて、同時に土木の中心であるところの日発の土木部長もどこかに飛んでしまつておる。私はこの人事の問題の中で、将来、電気並びに土木の開発の、或いは運営の技術の中心にならなければならぬものが完全に飛んでしまつておる。そうして今のような色彩の強い人事で以て塗りつぶされておることを御承知を願いたいと思うわけであります。  以上申上げましたように、株式比率の問題におきましても、人事の問題におきましても、抽象的な、形式的な修正が行われたごとくに見えますけれども、内容はそのままであること、私は今その内容を詳しくここに申上げる余裕を持つておりませんが、ともかくも一番最初問題が起つたときと同様な状態に完全に引き戻つておること、従いまして恐らくこの問題は決定指令後なお紛争を続けるであろうこと、四月に入りましてもこの問題は必ず紛争を続けるであろうこと、特に強調したいことは、人事の問題につきましては、将来の電気の開発と運営の中心を担うところの技術陣が完全にボイコツトされて、非常に落胆のままに今置かれておるということ、それから電気の運営をやつておるところの電気の従業員の希望は完全に蹂躙されたということ、諸君、電気の従業員の希望が完全に蹂躙されて、技術陣が完全に希望を失つた場合に、将来の電気の運命は以て知るべしと言うことができると思います。それを飽くまでも色彩濃厚な松永人事を以て強行し、そして公正であるべき経済的な問題、公正であるべき株式比率の問題も同様に考えまして、決して理論的な根拠も或いは理論的な討議もなさずして、おのおの同じ恰好で推進されておる。問題が必ず将来に残つて行く、四月に入つて紛糾が続くということと、紛糾が続いた以後、将来の電気事業に問題が残るということをはつきり御承知を願いたいと思います。  そこで、私は時間もありませんから、最後に問うて置きますが、公益事業委員会で本院の決議を十分に尊重してやつたというのはこの内容だけであるか。そして、これだけで以て四月以降の紛糾を解決する自信が十分にあるか。この新会社発足までになお紛糾を重ねた場合に、公益事業委員会は如何なる態度を以て臨むかという検討をされて、押切れる自信を以てやられたかどうかということ、そして、これがそのまま行われた場合におきましては、五月一日以降新会社発足後におけるところの電気事業の運営に対して完全な自信を持つておられるかという、この点をはつきりとお答えを願つて置きたいと思います。併しながら、今日見るところによりますと、公益事業委員会からはどなたも見えておりません。事務局長が見えておりますが、事務局長では恐らく御答弁はむずかしかろうと思います。従つて私は事務局長を決して突つきはいたしませんが、今の状態を公益事業委員会の今日からの任務としてはつきりと御確認を願つて、そうしてその方法をはつきり出されることを私は希望すると同時に、適当の機会にこの自信をはつきりと見せて頂きたいと思います。  なお最後に、問題は総理に移つて行きます。四月以降は問題は政府と総理に移つて行く。四月以降は異議申立によつてこの問題は紛糾するからであります。その場合に結論は総理の判断に任されることになるわけでありますが、その責任はまさに重大でありまして、而も総理は電気には素人でござる。そして公益事業委員会の意図を立てなければならぬ立場に置かれていると思います。併しながら、そういう現在の人情論や或いは感情論に支配されずに、現在の電気事業と将来の電気事業のために総理が公正妥当な判断を下して、この問題をはつきり元に立ち返つた出発ができるように判断されんことを特に私は希望したいと思います。本来ならば総理もここに直ちに求めて私は答弁を要求するはずでありますけれども、急でありまして、総理も出られんそうであります。私はあえて政府の代表者から御答弁を求めません。従いまして、恐らく今日以降の問題が総理に直接に繁がれて行くのであろう。従いまして総理が今の判断を的確に下される意味におきまして、内容を見詰められて、公正妥当なる判断が下せるように、下せなかつた場合の責任を明らかにして、下せるように、十分に政府関係者から総理にお伝え願いたいと思うわけであります。実はもう少しはつきりと内容を申上げたいと思いましたけれども、時間の関係もありますし、会期末のことでありますから、私はこれで打切ります。ただはつきり皆さんに申上げて置きます。決議案によりまして、本院のこの問題に関する責任は一応公益事業委員会に投げ付けた。それで終つたことになつております。併しながらあの討論の際に私が申上げましたように、これは完全に公益事業委員会は実質的に本院の議決を尊重しておらなかつたという結果になると思います。内容を諸君が御検討の上で十分に御承知を願いたいと思いますが、結果はそうなると思います。そうして又問題は必ず紛糾して来ると思います。どうか本院が更に責任を以てこの問題に対処されんことを私は皆さんに対してもお願いしたい気がするわけであります。公益事業委員会のこの問題に対する決定指令をめぐつての私の意見に対しまして、責任を以つての答弁が恐らくむずかしかろうと思いますけれども、公益事業委員会の所信のほどをはつきりとお示しを願いたいと、こう考えるわけであります。(拍手)    〔政府委員松田太郎君登壇〕
  29. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 今日は公益事業委員会の委員長又は委員長代理に御出席の御要求があつたのでございますが、両委員とも健康を害しまして休んでおりますので、私から簡単に御答弁を申上げることをお許しを願いたいと存じます。  電気事業の再編成の問題につきましては、かねて本院におきますところの電力特別委員会において、数回に亘りまして貴重なる御意見を拝聴しております。又先般は本院の決議を頂いておるようなことでございましてその点、委員会としましても十分恐縮に存じておるのでございます。この電力事業の再編成に関しまする指令案に対しまして、は、その後一週間に亘りまして聴聞会を開きまして、昨日最後の決定をいたしまして、本日附の官報を以て決定指令の公告をいたしたのであります。その点の内容につきましては、時間もございませんので、多く触れることはできませんが、委員会といたしましても十分利害関係人のかたがたの御意向は尊重いたしたのであります。なお只今佐々木議員からお話のあつた点につきましては、十分私から公益事業委員会の各委員にその趣旨を御報告申上げるつもりでおります。いずれにいたしましても、公益事業委員会といたしまして、この電気事業の再編成が速かに施行されまして、言い換えれば速かに新会社が発足されまして、円滑なる電気事業の運営が図られますことを心から希つておりますことを申上げまして、私のお答えを終りたいと思います。(「答えにならんぞ」と呼ぶ者あり)
  30. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時四十八分開議
  31. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際、日程第四、地方税法の一部を改正する法律案日程第五、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。    〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
  33. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず政府の提案理由を御紹介いたしますと、新地方税制施行の結果等に顧み、住民負担の合理化及び税務行政の効率的運営を図るため、これに若干の改正を加えることが適当であると考えた折柄、シヤウプ第二次勧告が公表されたので、その示唆するところをも参考として本法律案を提出するに至つたというのでありまして、その要点を挙げれば次の六つであります。  第一は附加価値税に関するものでありまして、附加価値税の課税標準を算定するに際し、本税の実施前に取得した固定資産の減価償却額を総売上金額から控除することを認めると共に、青人色申告をする法に対しては、その選択によつて、現行の控除方式によるほか、所得、給與、利子、地代及び家賃り合計額を以てする加算方式によるここを認め、併せて課税標準の分割方法、申告納付の手続等を簡易化しようとするのであります。  第二は市町村民税に関するものでありまして、その一は新たに法人に対しても所得割を課する、いわゆる法人税割の制度を設け、税率は法人税に対し標準を一〇%、制限を一一%として、個人及び法人間の課税上の不均衡を是正することとし、その二は六十五歳以上で十万円未満の所得者を非課税とし、その三は、個人の所得割の課税標準に課税総所得金額を採用する場合において、特別の事情がある市町村では、総所得金額から基礎控除額を控除したものを課税標準とすることができるものとし、その四は給與所得について源泉徴収の方法を採用することができるものと定め、そのほか、これらの改正に伴い、徴収の方法について、特別徴収、申告納付の方法等に関する詳細の規定を設け、納期前の納付に対する報奨金を税額の月百分の一に引上げることなどを定めてあります。  第三は固定資産税に関するものでありまして、庶民住宅の居住者等使用者に対する課税を廃止し、償却資産に対する免税点を現行の一万円から三万円に引上げ、評価及び価格の決定、報奨金の引上げその他徴収の方法等に若干の改正をしようとするのであります。  第四は事業税に関するものでありまして、法人の事業税について申告納付の制度を採用し、又附加価値税の場合と同じく、二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う場合の課税標準の分割基準は、原則として従業者の数とするが、電気ガス供給業、地方鉄道軌道事業及び倉庫業にあつては、固定資産の価格と従業者の数の二者とすること等の改正を企てております。  第五は国民健康保険税を創設することでありまして、国民健康保険を行う市町村は、保険料に代えて保険税を課することを得るものとし、その標準課税総額は、療養の給付に要する費用の総額の百分の七十に相当する額と定め、納税額は所得割、資産別、被保険者均等割及び納税義務者均等割によつて算定するのでありますが、一人の限度を一万五千円とするのであります。  第六はその他に関するものでありまして、その一は、国税と地方税との徴収順位は、差押の場合において先着手の順位によるほかは、同順位によるものとし、それぞれの債権額に按分して収納することとし、その二は狩猟者税、自転車税、荷車税等の罰則中体刑を廃止して合理化し、その三は各税目に亘つて規定の整備を図ろうとするのであります。  以上の改正案について当委員会において予備審査中、更に内閣から修正の申出がありました。その趣旨とするところは、国税徴收法及び租税特別措置法の一部改正に伴い、地方税法との規定の調整を図り、以て租税負担の合理化と地方税務行政の改善に資するにあるとし、修正の要点は次の五つであります。  第一は徴収猶予の制度を設けることでありまして、納税者又は特別徴収義務者が罹災、盗難、廃休業、疾病、事業上の甚大な損失等により、又は一年以上たつて課税されたことにより、一時に納税することが困難なときは、その申請により一年以内徴収猶予の途を開き、この場合には担保を徴するものとし、期限内に納税しないときはこれを換価して税に充当することができるものとするのであります。  第二は、納税者又は特別徴収義務者が地方団体の徴收金を滞納した場合において、その所有する同族会社の株式又は出資が換価できず、且つ滞納者の他の財産について滞納処分をしても徴収できないときは、地方団体において、その同族会社に対し、滞納者の所有する株式又は出資の時価の限度内において、納税義務を負わせるものとすることであります。  第三は、納税者又は特別徴収義務者が滞納した場合において、差押を免れるために、故意に親族その他使用人等特殊関係ある者又は同族会社に財産を贈與し、又は不当に低い価額で譲渡し、且つ滞納者の他の財産について滞納処分をしても徴収金の徴收ができないときは、財産の贈與又は譲渡を受けた者に対し、その財産の時価の限度内において納税義務を負わせるものとすることであります。  第四は、納税者又は特別徴収義務者が納税管理人を定めないで、当該地方団体の区域内に住所、居所、事務所、事業所等を有しなくなつたときは、繰上徴収をすることができるものとすることであります。  第五は、租税特別措置法の改正に伴い、銀行預金の利子等にかかる所得税で源泉課税したものについては、市町村民税を課さないものとすることであります。  本委員会においては、右の改正案並びにその修正について連日会議を開き、各種資料の提出を求め、填重に審議を行いました。先ずこの法案と密接の関係を有する地方財政平衡交付金の問題が論議されました。御承知の通り昭和二十六年度の予算に計上された平衡交付金の額については、内閣は千百億円を計上し、地方財政委員会の勧告一する千二百九億円との間に著しい差があり、若しこのままで推移すると地方財政の窮乏はいよいよ甚だしく、延いては地方自治を混乱に陷れる虞れがあるので、各委員と地方財政委員会並びに大蔵、文部、労働各省政府委員等との間に、意見の相違点並びに増加額算定の基礎について詳細に亘る検討が行われました結果、地方財政委員会の勧告通り交付金の増額計上を必要とする結論に達し、これを予算委員長に要望する措置をとりました。  次に政府の税制改革に対する根本方針、今回の改正案とシヤウプ第二次勧告との関係、改正案による税の増収見込額、経済情勢及び物価騰貴の税収に及ぼす影響、道府県税制の欠陷に対する是正方策、地方税徴収の実績、徴収猶予制度の運用、国民健康保険税を創設する理由等に関する質疑応答が行われ、次いで凾條審議に入り、各委員に政府当局との間に活溌な質疑応答が行われましたが、これらの詳細は速記録について御覧を願うことといたし、ここにその主なる事項の二三を御紹介いたします。西郷委員から、今回の提案は税法の最終案かとの問に対して、岡野国務大臣から、税法の研究は困難であり、一面において新地方税法施行の結果を見ると共に、地方行政調査委員会議の勧告等を検討する必要があるので、今回の提案は手直し程度にとどめたとの答えがありました。又同委員から、徴税の実績は悪く、而も物価高騰のためにますます徴税は困難視されるのに、増収を見込む理由を質したのに対し、岡野国務大臣は、経済情勢等により増収がある見込であると答え、更に同委員から、道府県税は浮動性が多いが対策如何と尋ねたのに対し、将来根本改革の際研究する旨を答えました。次に中田委員から、まだ実施しない附加価値税に改正を加える理由を尋ねたのに対し、政府当局から、従来保留若しくは研究中であつたものを取上げ、又はシヤウプ勧告の主旨を取入れるために改正するものであるとの答弁がありました。入場税と遊興飲食税については、西郷、竹中、中田、小笠原各委員から、何故にこれを軽減しないかとの理由並びに軽減した場合の税収見込等について質疑を行なつたのに対し、岡野国務大臣並びに政府委員から、この税は漸減の方針であるが、重要財源であるから、代りの財源なき限り現在のままとしたい。仮に軽減したとすれば、入場税は下げた税率の半分減収となり、遊興飲食税は率によつて収入が変るので、率を下げても収入は確保し得るとは考えられぬとの答弁がありました。市町村民税について高橋委員から、今回の改正による減収見込を尋ねたのに対し、法人で四十一億円を増し、個人で八億円を減じ、差引三十三億円の増収となり、結局市町村民税の総額は五百七十一億円となる旨の答えがありました。又国民健康保険税の創設に対しましては、特に厚生大臣の出席を求めて、高橋、吉川、小笠原、堀の各委員からの質問に対し、黒川厚生大臣から、国民健康保険の事務費は全額国庫負担としたが、給付費の一部国庫負担は実現を見るに至らなかつた。今回これを税とするのは、社会保障制度への一歩前進であるから、今後も大いに努力するとの答弁がありました。  以上の政府原案に対し、衆議院は若干の修正を加えて可決し、三月二十八日を以てこれを本院に送付して参りました。衆議院の修正点を挙げれば次の通りであります。  第一は遊興飲食税について、大学以外の学校生徒兒童等の修学旅行の場合の旅館における飲食及び宿泊に対してはこれを非課税とすること。  第二は市町村民税について、一、非課税の範囲に健康保険組合、国民健康保険組合及び農業共済組合並びにこれらの連合会、漁船及び木船の保険組合並びに森林組合、農業水産業の協同組合、消費生活協同組合又は中小企業等協同組合若しくは連合会で政令の定めるもの、公務員の団体等を加えました。二、個人均等割の標準税率及び制限税率を現行よりそれぞれ百円ずつ引下げました。三、法人税割の標準税率百分の十を百分の十五に、制限税率百分の十一を百分の十六に引上げました。  第三、事業税について、非課税の範囲を森林組合、農業水産業の協同組合、消費生活協同組合及び中小企業等協同組合又は連合会で政令の定あるものが行う事業並びに政令で定める新聞業に拡大したわけであります。  委員会においては前尾衆議院地方行政委員長かち修正の趣旨について説明を聞き、更にこの修正による税政の増減見込を尋ねましたところ、減収見込額は、遊興飲食税において四千万円、市町村民税において非課税の範囲の拡大によるもの六千万円、個人均等割の引下げによるもの十七億七千二百万円、事業税において協同組合等の非課税によるもの一億二千万円、新聞業の非課税によるもの三千万円、合計二十億二千二百万円であり、増収見込額は市町村民税法人税割の引上げによるもの二十億五千四百万円であるとのことでありました。又政令で定める新聞業には日刊紙を予定し、雑誌を除く旨の説明がありました。更に堀委員から新たに法人税割を設けた理由及びこの税率を衆議院で修正したことに対する所見並びにこの法案と関係ある事務再配分の実施に対する見通し等を尋ねたのに対し、岡野国務大臣から、資本蓄積のためには非課税を可とするが、個人負担との均衡を保つため、政府は原案を適当と認めた。併し衆議院の修正もこの程度ならば堪えがたいとは思わない。又将来更にこれを増税する意思はない。なお事務再配分は第三次勧告の出るのを待つて善処するとの答弁がありました。最後に委員長から、衆議院の修正案によれば、市町村民税の非課税団体中に水産業協同組合共済会が漏れているが差支ないかと質したのに対し、政府当局から、この団体は他の非課税団体と同性質であるから、農業共済組合と同様に措置するように善処するとの答弁がありました。  以上を以て質疑を終了し、討論に入りましたところ、小笠原委員から、社会党としては幾多の主張を持つているが、すでに衆議院で修正可決した法案であるから、遺憾ではあるが賛成の意を表明する旨の討論がありました。次に高橋委員から自由党を代表して、本案に賛成するが、政府は行政事務の再配分を促進し、地方税法に再検討を加え、特に入場税及び遊興飲食税の軽減、市町村民税及び事業税の非課税範囲の拡大を図り、更に国民健康保険制度に対する国庫の負担を増大し、法人税割の運営に完璧を期するように要望するとの討論がありました。次いで採決に入りましたところ、全会一致を以て衆議院の修正通りこれを可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申上げます。(拍手)  次に地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。  今回内閣がこの法案を提出した理由は、昨年度創設された地方財政平衡交付金制度は全く新らしいものであるので、その運営の実績を検討した結果、差当り必要な二三の点について改正を加えようとするものでありまして、その内容はおおむね次の通りであります。  第一は基準財政収入額の算定に用いる基準税率について、現行の標準税率の百分の七十とあるのを百分の八十に改めるのであります。その理由とするところは、平衡交付金の算定額は基準財政需要額から基準財政収入額を差引いた額でありますが、昭和二十六年度以降は、給與基準の改訂その他によつて、全地方団体を通じて確保すべき最小限度の所要財源は更に増額を余儀なくされ、かたがた地方税収入はますます偏在する傾向にありますので、一面には基準税率を引上げることによつて全地方団体を通じて保証すべき基準財政需要額を引上げることとし、これによつて税収入の乏しい団体にも相当の財源を與え、半面には、各地方団体の基準財政収入額の算定に加える割合を引上げることによつて、地方税収入の偏在する地方団体に対しては交付金を交付しないこととし、以て地方財政平衡化を一歩前進させたいというのであります。  第二は、都等の特例について改正を加えることでありまして、現在交付金の算定に関しては、都を道府県とみなし、特別区の存する区域を市とみなしていますが、こうして算定された結果をどう計算するかということについては明文を欠いているので、今回、法の精神に則つて新たに規定を設けようとするのであります。  第三は、基準財政需要額の算定に用いる単位費用は法律で定める建前でありますが、差当り昭和二十六年度においても二十五年度と同様地方財政委員会規則で定め、又厚生労働費にかかる測定単位は二十六年度においても委員会規則で特例を設けられることとするのでありまして、その理由は、これらは現在なお研究の段階にあり、又は補助金の整理及び行政事務の再配分が確定しない状態にあるから、本年度と同様にしたいというのであります。  第四は、昭和二十六年度においても、地方財政法、予防接種法等の国費地方費の負担区分に関する規定の適用を停止することでありまして、その理由は前項とほぼ同様であります。  地方行政委員会におきましては、種種重要なる質疑応答を交しましたが、その二三を紹介いたしますと、標準税率の百分の七十を百分の八十に改めることについて、鈴木、西郷、石村の各委員から、その差額は幾らであるか。差額の全部が弱小団体へ廻ることになるか。結果において交付金が減ることになりはせぬか等の質疑があつたのに対し、政府委員から、差額は税収二千八十七億円の約一割に当る二百億円と見るが、その全部が各弱小団体に廻るのではない。財政需要は団体によつて大差はないが、税政には大差がある。弱小団体は需要の八〇%を保証されるので楽になる。併し交付金の総額に変りはないとの説明がありました。  次に西郷委員から元来交付金の総額が少いので、苦肉の策として基準財政収入の基準税率を上げたのではないか。その結果、現行の自由財源たる百分の三十を百分の二十にすれば、地方財政を圧迫することにならぬか。政府は先ず交付金の増額に力を盡すべきではないかとの質疑があつたのに対し、岡野国務大臣から、交付金増額には努力する。七〇%のほうが自由財源の点では望ましいが、それでは徴税意欲を弱くする虞れもあり、一面、財政需要の増大に苦しんでいる税収入の少い農村に財源を與え、他面、税収入の偏在する地方団体に交付金を交付しないこととして平衡化を前進させる必要に追られたのであり、又努力すれば八〇%としても徴税が向上して自由財源を得られるであろうとの答弁がありました。小笠原委員から、この改正は地方財政を圧迫するから時期尚早ではないか。又単位費用の定め方を二十六年度も規則で規定するのは国会軽視ではないかとの質問に対し、岡野国務大臣は、まだ法律で定めるだけの自信がない。実績に徴して改正する必要があるので、明年度に限つて規則で定めたいのであるとの答弁がありました。最後に高橋委員から、朝鮮動乱の勃発により地方税収入に異状を来たしたことが平衡化の必要を生じたのであつて、この改正によれば、農村地方の配分が増加し、大都市方面が減ることとなると解してよいかとの質問に対し、おおむねその通りとの答弁がありました。  その他幾多の重要な質疑応答が行われましたが、速記録によることをお許し願います。  次いで討論に入りましたところ、西郷、竹中、小笠原の三委員から、お手許に配付いたしました修正案が提出されました。この意味するところは、即ち基準財政収入の基準税率を百分の八十と改正するのを取りやめ、現行通り百分の七十にとどめることを意味するのでありまして、西郷委員の提案理由の説明によれば、今回政府が提出した標準税率の百分の七十を百分の八十に改める案については、当委員会においてしばしば質疑を試みたが、政府の答弁に確信が認められないので、この改正規定を留保する意味において修正するというのであります。次いで竹中委員より、昨年制定したばかりの規定を又改正することに疑いを持つので、修正に賛成するとの賛成意見が述べられました。これに対して、高橋委員はこの修正案に反対する旨を明らかにし、地方財政の現状を見るに、地方税法制定後、朝鮮動乱が起つて、経済情勢は変り、大都市方面と農村地方の税収入に大差を生じたので、これらの地方団体間に財政調整を加える必要があるので、政府原案に賛成するとの討論がありました。  次に採決に入りましたところ、修正案に賛成する者六名、反対する者五名となり、多数を以て修正案が可決せられ、次いでこの部分を除く原案は全会一致可決となりました。よつて内閣提出案は多数を以て修正可決すべきものと決定された次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手)
  34. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 先ず地方税法の一部を改正する法律案の討論に入ります。討論通告者の発言を許します。岩間正男君。    〔岩間正男君登壇、拍手〕
  35. 岩間正男

    ○岩間正男君 日本共産党は地方税改正法案に反対するものであります。  この世界にたぐいない悪法、地方税法案に対しましては、第七国会以来我々は徹頭徹尾これに反対して来たところであります。その見通しが如何に正しかつたかは、その後、起つた地方財政のもろもろの破壊現象を見れば、何よりもよくこれを物語つているのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)然るに性懲りもなく政府は又再びかかる改悪法を以て国会並びに人民の前に臨まんとしているのであります。これは甚だ無謀なやり方である。なぜこのようなことを、あえてしなければならないのであるかといますと、それは言うまでもなく国の予算が、いわゆる国家予算が軍事的支出を中心にすべて編成され、産業、金融、財政のすべてを挙げて外国の支配者に奉仕せざるを得ない結果、それによつて起るしわを全部地方財政に転嫁しているからであります。(「ごまかすなごまかすな」「そうだ」と呼ぶ者あり)  先ず行政事務の再配分によつて地方自治体の事業は今後著るしく増加されようとしています。又平衡交付金の大幅削減によりましては、公共事業費、教育費、厚生費、失業対策費、社会保障費等の地方負担は非常にこれは強化されようとしているのであります。元来これらのものは、国家はそれを財政的に保障することによつてのみ初めてその完全な遂行が期待されるところのものであるにもかかわらず、平衡交付金をこのように大幅に削減し、その欠陷を無理やりに地方に押し付けられているのであります。それのみか軍事道路、港湾の建設、或いは警察、消防、納税機構等の拡大強化を図りまして、戦時、準戦時態勢の強化費までもこれに加重されているのが実情でありますこのようにしまして、地方財政は著しく弱化し、新年度の予算編成期に当りましても、その予算を地方においては組むことができないという事態が起つている。止むなく形だけの骨格予算或いは暫定予算を組んで一時を全く糊塗しているというのがその実態であります。これによつては又公務員や教職員の給料その他の諸支拂が停頓し、地方財政は目下全く死線を坊律しておるというような有様なのであります。こうした財政の結果は勢い税金の強化となり、物凄く大衆のふところを圧迫せざるを得ないのであります。(「簡単々々」と呼ぶ者あり)これがこのたびの地方税法改正の真の狙いであります。(「ノーノー」呼ぶ者あり)政府はこの改悪法を通じて百七十八億以上の大増税を見込んでいるのであります。併し約二千百億にも達するこれらの地方税金が果して取れるかどうか。二千百億は二千百億でも、これは国税の約四千四百億と並行して取られるところの二千百億であります。何よりも昭和二十五年度の徴税の実績がこれを物語つているのであります。例えば昭和二十五年度の十二月末におきましては、国税は六四%徴収されているのでありますが、道府県税は僅かに四三%に過ぎない有様であります。これは、国家がその重要な財源は殆んどこれを吸い取つて、地方にはまるで滓のような財源をしか残していない結果であります。いわば、これらの滓からなお搾れるだけ搾り取ろうとするのが本法案の改正の狙いであると言わなければなりません。この改正法案にはこうした性格がよく現われております。先ず住民税は大幅に増徴されるのであります。その内容は所得割の増税であります。第一に、所得税に対しては二〇%まで取れることになつておる。第二に、課税所得に対しましてはその税額一〇%、或いは課税所得から所得税分を差引いたものに対しまして二〇%かけられるように、そのいずれを選んでもいいようになつているのであります。併し課税所得の計算に当つては、扶養控除も、医療控除も、災害控除等も認めないというようなやり方をやつております。これによつて今まで所得税のかからなかつた約三百万人の零細所得者にも新たに所得割が課税されることになつているのであります。これについて政府は課税対象を大量に増加することがどうしても必要だつたと、うそぶいている有様であります。自治体財政の窮迫から見ますときに、大部分の市町村がこの第二の方法を勢いとらざるを得ないということが明らかであります。こうして、たとえ修正案が均等割を百円ぐらい引下げても、住民税は現在の三倍から四倍に引上げられるというような情勢が起るのであります。次に最も悪辣なのは勤労所得者に対して源泉課税の方法をとつたことであります。その結果は、目下低賃金で苦しんでおる俸給生活者に対しまして有無を言わさず天引取立をすることになりまして、これは明らかに労働者に対しては実質賃金の切下げを意味しているのであります。次に国民健康保険税の新たな設置があります。保険の掛金を税金とし、今まで医療費さえ拂えなかつた貧困者からも、これを差押や公売で嚇かし無理に強奪する結果が起るのであります。吉田内閣の政策も全くここに至つて極まれりというべきであります。このようにしまして大衆への負担を非常に強化している半面、何が起つているかと言いますと、一方では大資本への擁護が物凄くなされておる。附加価値税につきましては、固定資産の購入代金を控除するほか減価償却費をも控除することにしているのであります。これによつて、軍需生産のために年々設備の新拡張をやる企業や、資産再評価によつて大幅に減価償却のできる大企業も、殆んど附加価値税が取られなくなるのであります。たとえ新たに法人に対する住民税の所得割が課せられましても、その差引しましての利益は大資本にとつては莫大であります。なお特需によつて最近物凄い利潤を上げている大企業のことを考えれば、修正案の一五%の住民税でも低きに過ぎると言わなければならないのであります。更に特定の外国人に対しましては税法上の規定を無視して殆んど税金を取つていないというのが日本の現状であります。このような大衆の犠牲により資本蓄積を強化せんとする税金政策は、吉田内閣の本質を現わすものであり、一方、徴税機構の強化によつて取れない税金を何とか収奪しようとしているのであります。そのために税務吏員三万人の増員を企らみ、一方、昨日通過した徴税法の改悪によりまして大衆の反対闘争を弾圧し、親戚友人に贈つたものまでも税金の「かた」に取上げるというようなことが新たに決定されているのであります。併しこれらの税金は取れるのであろうか。先ほども述べました通り、二十五年度の徴税実績から考えるときに、これは全く無理な努力と言わなければならないのであります。本年の一月末における住民税の徴収状況を見ますというと、東京では四八%、大阪では三二%という悲しむべき状態が示されております。その結果、京都では公務員の給料をも差押えなければならないというような事態が起つているのであります。  以上その一部分を我々は検討したのでありますが、本改正案は戦争協力体制の強化はこれを至上命令として、地方財政の破綻と人民生活の破壊を顧みず、その徹底的な収奪を狙うものであります。これこそは吉田内閣の単独講和、再軍備政策の現われであります。我々日本共産党は、かかる改悪法案に対しまして、目下悪税のために塗炭の苦しみをなめております人民大衆と共に断乎反対せざるを得ないのであります。我々はかかる政府の暴政に抗議すると共に、次のことを要求するのであります。  先ず第一に、一切の犠牲を大衆に転嫁する税制を廃止すると共に、中央地方を通じて高度累進の所得税一本とすること。第二点としましては、人民のための平和建設予算を作り、平衡交付金を大幅に増額すること。第三点は、外国人に対する税法上の特典を一切廃止すること。第四点としましては、生活を破壊し、人権を蹂躪するような徴税機構を即時中止すること。以上のことを要求いたしまして、日本共産党は本法案に断乎反対するものであります。(拍手)
  36. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて地方税法の一部を改正する法律案に対する討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより地方税法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  37. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  38. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案委員会修正案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。高橋進太郎君。    〔高橋進太郎君登壇、拍手〕
  39. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 私は自由党を代表いたしまして、地方財政平衡交付金法一部改正政府原案に賛成し、修正案に対して反対するものであります。  政府原案によりますれば、現行平衡交付金の算出の一つの基礎となつておりまする地方財政収入の繰入れの率を引上げて、各地方公共団体間の経済的偏差による財政調整をなさんとするものであります。換言いたしますれば、現行平衡交付金の算出に当つては、各地方公共団体の収入見積額はこれを平衡交付金算出上全部繰入れることなく、その七〇%のみを繰入れ、残余の三〇%は各公共団体の自由財源として保留せしめておるのであります。然るに現行平衡交付金制度制定後、朝鮮事変に伴う経済的変動によりまして、各地方公共団体はその基盤とする産業的経済構造により著しく税財政収入に差異を生じて参つたのであります。例えば東北の農業を中心といたしまする或る県の二十五年度の財政収入は約五億二千万円であり、二十六年度の見込額は約六億四千万円で、その増加額は僅かに一億一千万円でありまするのに、中部地方のいわゆる金へん糸へんの工業を中心とする或る県の財政収入は、昭和二十五年度約三十七億であつたのが二十六年度の見積額は約四十七億円でありまして、その増加額は実に約十億円に達するのであります。従つて現行平衡交付金の算出方法による保留財源について見まするに、一方は二億一千万円でありまするのに他方は十六億円が保留財源となり、二十六年度の増加比率についてこれを見ますれば一方の増加額三千万円に対し他方は約三億円となりまするから、実にその間十倍の増加比率を示しておる状態でありまして、その間著しく均衡を失するのでございます。換言すれば、現行地方税制度においては、従来各市町村の経済的産業的構造によりましてその自由財源に著しく差異を生じ、その結果、一方は辛うじて地方団体として最低限度の活動をなし得るに過ぎないときに、少数の或るものは相当余裕のある活動をなし得ることと相成るのであります。而して大多数の地方団体が辛うじて最低限度の活動をなし得るに過ぎないときに、他方には特殊な経済変動によりその財政的余裕を持つものがある場合には、幾分でもその相互間の調整を図らんと企図することは、当面せる地方財政の困窮せる実態に鑑みまして当然の措置であると共に、(拍手)是非なさなければならない措置と言わなければなりません。これを要するに、現在地方税が、特に府県税におきましては入場税、事業税、遊興飲食税等が主たる税収入でありまして、景気の如何に左右せられることが誠に多いという根本的な問題を内蔵しておるためでもございまするが、それだけに、これが相互間の調整を図り、各地方団体間に余りに均衡を欠かないように努力することも、又当面せる平衡交付金制度運営に当つて必要なる命題であると存ずるものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)従つて現在の社会的経済的諸情勢に鑑み、この際、保留財源の三割を二割程度にとどめ、それによつて生じましたるところの一割を平衡交付金に繰入れまして、これを各地方団体相互の調整に充当せんとすることは止むを得ざる措置と言わなければなりません。これが趨勢を各府県について政府の提出いたしましたる表について見ますれば、工業を中心とする約十府県は現行よりもその交付額が減少を招来いたしまするが、農業をその産業構造の中核といたしまする残余の三十数県は若干ずつ増加交付となり、かくて工業地帯と農業地帯、都市と農村との均衡化に役立つものと言わなければならないのであります。勿論、一部論者のごとく、平衡交付金の相当なる増加計上を図り、困窮せるところの地方財政の要請に応えるということは、最も緊要なる問題であり、我々も強く主張するところでありまするが、我が国財政の現状に鑑み、内にあつては平衡交付金制度の精神に基き地方団体相互間の調整均衡を図ることも又等閑に付すべき問題ではございません。あたかも一家族の生活において、要求したるところの俸給の増額がないからといつて、家族相互間の分け前の均衡を図らなくともよいという理窟にもなりませんし、国民の所得の絶対額の増加がないからといつて、各国民相互間の調整均衡を図らなくともよいという議論が成立たないと同様であると存じます。むしろ貧しければ貧しいだけに、その貧しさを分ち合うということが公共団体間の民主化であり、且つ又相互扶助的な隣保精神の徹底を期するものでありまして、(拍手、「うまいもんだな」と呼ぶ者あり)この政府の原案こそは(「金持論理」 と呼ぶ者あり)我々の日頃の理念と合致するものと言わなければなりません。(拍手)  かくて我々は、朝鮮事変後現下の置かれておる各地方公共団体の産業的繰済出的構造とその財政的関係において、これが相互調整を図らんがだめ、当面の措置として提出いたしました政府原案に、強く賛成の意を表すると共に、これが削除をなさんとする修正案に対して反対の意を表するものであります。(拍手)
  40. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 中田吉雄君。    〔中田吉雄君登壇、拍手〕
  41. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今議題になりました地方財政平衡交付金法の一部を改正する政府原案に対しまして反対し、修正案に賛成する意見を開陳せんとするものであります。  今回の改正は六つの主要点からなつておるのでありますが、改正の第一たる基準財政収入の標準税率を百分の七十から百分の八十に引上げることに対しまして反対し、現行法通りに据置くべきものであることを主張するもので、他は政府原案に賛成いたすものであります。  先ず第一に、昭和二十六年度の地方財政は、二十五年度の行政規模を維持いたしますためだけでも、教職員を含みますところの地方公務員の給與ベースの改訂等を考慮いたしますると、大蔵省の査定額より七十六億円の増を必要といたします。更に失業対策事業費に対する地方負担増を見ますると大蔵省の査定額より二十四億増を、又厚生施設費等に対する地方負担は大蔵省の査定額より十七億の増を妥当とするものであります。かくて地方財政平衡交付金は昭和二十六年度予算に計上されました一千一百億ではなくして、地方財政委員会が政府並びに国会に勧告いたしましたように一千二百九億七千五百万円を妥当といたしまして、政府原案より百九億増加すべきであります。更に地方債も地方財政委員会の勧告通りに二百七十五億増とすべきことを、我々はその正当性を信ずるものであります。従つて昭和二十六年度予算に計上されました平衡交付金額並びに地方財政の総額を以ていたしましては、地方財政は四百億の地方税の増税なしには現行の地方行政の規模を維持できないわけであります。更に朝鮮事変以来の物価騰貴によります単価増を考慮いたしますなら、地方財政の窮乏は想像以上に激化するものでありまして、シヤウプ博士も昭和二十六年は地方財政にとつて問題の年であるということを指摘しています。従つて中央と地方との一体的な構想の下に国家財政より強力なる援助をなしまして、初めて地方財政は直面する危機を打開し得るわけであります。然るに政府日本再建の基盤たる地方自治体に対しまして温かい関心を示さないのみか、国税においては七百億の税法上の減税を調いながら、最も弱い一環たる地方財政に対して四百億に及ぶところの増税をしわ寄せいたしますがごときは、昨年度の地方税の増徴四百億を合計いたしますなら、殆んど八百億になるところの地方負担が昨年度と本年度とで増加するわけでありまして、自由党の一千億を標榜される減税のごときはまさに羊頭を掲げて狗肉を売るものと言わなくてはなりません。今回国会に提案されましたる地方税法の一部改正法案並びに只今提案されたる地方財政平衡交付金の一部改正法案は、実に地方財政に転嫁されたる負担をその枠内で糊塗せんとするところの一連の彌縫策である点において、我々は反対するものであります。  第二に、現在の平衡交付金の算定基準たるところの基準財政需要額は、政府から指示されましたところの地方行政を自治体が行いまするに必要なぎりぎりの最低限を測定したものでありまして、必要額を邊かに下廻るものであります。従つて政府が期待します通りの地方行政を運営いたしますためには、どういたしましても基準財政収入において若干のゆとりがありまして、財政需要が低く査定されましたことによつて起きる弊害をカバーすることによつて、初めて円滑なる地方行政の実施が可能であります。然るにこれを百分の七十から八十まで一〇%引上げますことは、運用上の妙味を全く失わしめまして、地方自治にとつて重大なる支障を来たすものであります。  第三に、基準財政収入を一〇%引上げますことは、地方公共団体の徴税実績の現状からいたしまして全く実情に副わぬものであります。昭和二十五年度の徴税率は本年三月現在で約六〇%強という極めて不良な状態であります。昨年は地方税制の画期的な大改革があつたことを考慮いたすといたしましても、昭和二十六年度百分の七十から八十に高めることは地方住民の担税力の実態に全く即しないと言うべきであります。  第四に、基準財政收入を一〇%高めますことは、地方自治体が自治体といたしまして固有の財源を持つて地方特有の施策を展開することを不可能にするわけであります。三〇%から二〇%に低減いたしますことは事態と逆行するものであります。地方財政の裏付けなしに地方自治の振興を唱えるごときは全くナンセンスと言うべきであります。  第五に、昨年の朝鮮事変以来の特需景気によるところの税収入の偏在せ、基準財政收入を二百億即ち一〇%引上げることによつて調整せんとするごとき地方財政の平衡化は、当然、国家が所得税、法人税等で徴税いたしまして平衡交付金として交付することによつてなすべきであります。それを地方財政に転嫁いたしまして地方自治体から一〇%余計吸い上げましてなすというごときは、全く従来と同様に自治庁並びに地財委が大蔵省に対して屈服したことを示す有力な証左と言わなくてはなりません。(拍手)  第六に、基準財政収入の標準税率を引上げることは、国家財政による地方財政の圧迫をすることを是認し、且つ国税における減税を地方税に転嫁することを肯定いたすばかりでなく、平衡交付金が一千百億より増額不能であることを予定し、その前提に立つてのみこの標準税率の引上げを是認し得るわけであります。従つて緑風会の各位のごとく、平衡交付金の増額を昭和二十六年度の国家予算を是認することの前提とされました会派においては、その理論的帰結といたしまして、基準財政収入の標準税率を百分の七十から八十に引上げることに賛成する理論的な根拠を発見することは全然できないわけであります。  第七に、最も重要な点は、地方財政の不均衡は標準税率の引上げによらずしても十分調整し得る問題であります。地方財政の規模別の単位費用補正係数並びに平衡交付金中にありますところの百十億に及ぶところの特別交付金等に十分の着目をいたしますなら、これが調整は決して困難ではありません。(拍手)然るに地方財政を平衡化しますところの一つの方法に過ぎないところの標準税率の引上げを、あたかもその全部であるごとく思われまして、本議場で議論を展開されましたところの高橋君の意見は、地方行政委員会の委員といたしましては、平衡交付金法に対する理解の乏しさを示すところの有力なる証左と断ぜざるを得ないわけであります。(拍手、「ノーノー」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  以上のごとく我々は、現行税率を以ていたしましても地方財政は十分その不均衡を是正する途のあること、並びに何よりも本改正原案は、国家財政の負担を地方財政に転嫁し、且つ平衡交付金を一千百億円でもよろしいということを肯定し、その結果、地方財政を極度に窮乏せしめることを前提としてのみ是認できるところの、(「嘘を言うな」と呼ぶ者あり)事態を糊塗するところの彌縫的な法案であるということを指摘いたしまして、修正案のごとく現行通り据置くべきものであると我々は確信するものであります。  以上我が党の立場を主張いたしまして修正案に賛成するものであります。(拍手)
  42. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにで討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の採決をいたします。委員長の報告は修正議決報告でございます。  先ず委員会修正案全部を問題に供します。委員会修正案の表決は記名投票を以て行います。委員会修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  43. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を参事に計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開銀〕    〔参事投票を計算〕
  44. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数百五十八票、  白色票即ち委員会修正案を可とするもの九十票、  青色票即ち委員会修正案を否とするもの六十八票、  よつて委員会修正案は可決せられました。(拍手、「さあどうする」と呼ぶ者あり)      ―――――・―――――    〔参照〕  賛成者(白色票)氏名   九十名    結城 安次君 村上 義一君    堀越 儀郎君 藤森 眞治君    藤野 繁雄君 早川 愼一君    鈴木 直人君 杉山 昌作君    新谷寅三郎君 西郷吉之助君    小林 政夫君 河井 彌八君    片柳 眞吉君 柏木 庫治君    加藤 正人君 奥 むめお君    岡本 愛祐君 岡部  常君   梅原 眞隆君  伊藤 保平君   紅露 みつ君  木内キヤウ君   竹中 七郎君  有馬 英二君   油井賢太郎君  櫻内 義雄君   西田 隆男君  中田 吉雄君   青山 正一君  金子 洋文君   門田 定藏君  藤原 道子君   島   清君  野溝  勝君   加藤シヅエ君  若木 勝藏君   永井純一郎君  三橋八次郎君   原  虎一君  齋  武雄君   片岡 文重君  吉川末次郎君   小林 孝平君  山花 秀雄君   松浦 清一君  荒木正三郎君   菊川 孝夫君 深川榮左エ門君   山田 節男君  三輪 貞治君   田中  一君  松永 義雄君   小泉 秀吉君  大隈 信幸君   岩男 仁藏君  伊藤  修君  小笠原二三男君  駒井 藤平君   境野 清雄君  木内 四郎君   羽生 三七君  江田 三郎君   大野 幸一君  曾祢  益君   中村 正雄君  細川 嘉六君   須藤 五郎君  岩間 正男君   兼岩 傳一君  木村禧八郎君   水橋 藤作君  梅津 錦一君   重盛 壽治君  森 八三一君   佐多 忠隆君  松原 一彦君   羽仁 五郎君  内村 清次君   栗山 良夫君  山下 義信君   矢嶋 三義君  佐々木良作君   木下 源吾君  棚橋 小虎君   三木 治朗君  下條 恭兵君   河崎 ナツ君  上條 愛一君   森崎 隆君   平林 太一君     ―――――――――――――  反対者(青色票)氏名  六十八名    溝口 三郎君  高木 正夫君    島村 軍次君  小野  哲君    楠瀬 常猪君  長島 銀藏君    木村 守江君  秋山俊一郎君    高橋進太郎君  仁田 竹一君    宮田 重文君  上原 正吉君    石川 榮一君  九鬼紋十郎君    深水 六郎君  加納 金助君    平沼彌太郎君  大矢半次郎君    城  義臣君  植竹 春彦君    岡崎 真一君  西川甚五郎君    小野 義夫君  鈴木 安孝君    寺尾  豊君  黒田 英雄君    石坂 豊一君  岩沢 忠恭君    中川 幸平君  一松 政二君    黒川 武雄君  横尾  龍君    徳川 頼貞君  中山 壽彦君    小串 清一君  工藤 鐵男君    小杉 繁安君  中川 以良君    飯島連次郎君  廣瀬與兵衞君    野田 卯一君  加藤 武徳君    長谷山行毅君  松平 勇雄君    古池 信三君  平井 太郎君    白波瀬米吉君  安井  謙君    岡田 信次君  愛知 揆一君    瀧井治三郎君  石村 幸作君   池田宇右衞門君  島津 忠彦君    鈴木 恭一君  大島 定吉君    郡  祐一君  山田 佐一君    西山 龜七君  堀  末治君    團  伊能君  大屋 晋三君    泉山 三六君  平岡 市三君    左藤 義詮君  小林 英三君    三浦 辰雄君  松浦 定義君      ―――――・―――――
  45. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に、只今可決せられました修正の個所を除き、残り全部を問題に供します。残り全部に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  46. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて残り全部は可決せられました。  よつて本案は修正議決せられました。      ―――――・―――――
  47. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、国際放送の再開促進に関する決議案(寺尾豊君外九名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては寺尾豊君ほか九名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。鈴木恭一君    〔鈴木恭一君登壇、拍手〕    〔議長退席、副議長着席〕
  50. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 只今上程されました国際放送の再開促進に関する決議案趣旨を御説明申上げます。  先ず案文を朗読いたします。    国際放送の再開促進に関する決議   国際放送は、国際親善と文化の交流に欠くべからざる役割をなすものであるが、わが国のそれは終戦以来中絶の状態にある。   戦争以来長い間国際社会から離れ、しかも戰後非常な変化を来したわが国としては、国の実情を外国に紹介できないことは、重大な損失である。今や講和の機運極めて濃厚なる秋に当り、平和を愛する民主的、文化国家としてのわが国の成長の実情につき、国際放送によつて、諸外国の認識を深めることは、喫緊重要のことである。   本院は、政府が速やかに必要な措置を講じて国際放送の再開を図ることを要望する。   右決議する。  国際放送の使命といたしますところは、国の実情を他国に紹介し、その理解を深め、国際間に信頼と親善を増すことにあるのであります。今日世界の各国においては国際放送に非常な力を注いでおりまして、例えば米国では一日三十二時間、英国では実に九十時間の放送を行なつておるのでございます。日本においては戦前は十五方面に向け二十ヵ国語を以て一日三十三時間以上の放送をいたしておつたのでありますが、終戰後はこれを禁止せられておるのであります。その後情勢が好転し、昭和二十五年度から日本放送協会をしてその業務を行わしめることができそうな機運になつたのでありますが、更に最近の情勢の変化によりまして依然中絶のまま今日に及んでおるのでございます。敗戰後五ヵ年半を経た今日、国民は占領各国の好意ある援助によつて漸く安定の緒につきつつありまして、国の姿も民主的文化国家として着実な成長をなしつつあるのであります。このような変化は戰前においては夢想だにもできなかつたことでありまして、戦前の日本を知る外国人には殆んど信ぜられないところと存じます。然るに只今申しましたごとく、国際社会から孤立いたしておりますため、終戰後におけるかかる急激な而も重大な変化、即ち日本が平和を愛好する文化的民主国家としての姿が広く国際間に知られていないことは、我が文化の上からも産業貿易の上からも誠に重大な損失であります。今日まで、或いは会議に、或いは研究に、或いはスポーツに、団体又は個人が外国旅行を許されておりまして、日本紹介の一端の役割を勤めているのでありますが、直接に正確に多数の人に日本を紹介するには国際放送に優るものはないのであります。今や外国との接触が次第に増大いたし、日本に対する外国の感情も次第に好転し、講和の機運が極めて濃厚となつているこの際におきまして、我が国の実情をあまねく世界に正しく知らせることは誠に肝要なことと信ずるのであります。  よつて私は政府に対し、現在中絶の状態にある国際放送の再開につき必要な措置を講じ、一日も早くこれが実施を要望するものであります。なお、ここに一言いたしたいことは、再開せられました暁におけるこの放送が、国際関係の微妙なることに鑑み、よくその本来の使命たる国際親普及び文化の交流に遺憾なき貢献をなすよう、番組の編集、放送の時期、態様等につきまして、最も慎重な注意を必要とすることであります。  以上簡単ながら私の本決議案についての趣旨弁明を終ります。何とぞ満場各位の御賛同を賜わらんことをお願いいたします。(拍手)
  51. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  52. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて決議案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)  只今の決議に対し官房長官より発言を求められました。岡崎官房長官。    〔政府委員岡崎勝男君登壇、拍手〕
  53. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 国際放送の高間が、国際親善関係を増進し、且つ内外文化の交流を盛んならしめるというような見地からいたしましても、我が国として最も重要視すべきことであるのは申すまでもない次第であります。従いまして只今の決議は誠に時宜を得たものと存ずる次第であります。ただ我が国の置かれておりまする現在の状況は直ちにこれを実現することを困難とする点もなきにしもあらずでありまするが、政府といたしましては十分にその御趣旨を体しまして、今後国際放送の再開にできるだけの努力をいたす所存であります。右一言申上げます。(拍手)
  54. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 日程第六、農産物検査法案衆議院提出)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。農林委員長羽生三七君。    〔羽生三七君登壇、拍手〕
  55. 羽生三七

    ○羽生三七君 只今議題となりました農産物検査法案について、農林委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  曾つて府県によつて行われておりました主要農産物の検査は、一時單独法による国営検査への切替が企図せられていたことがあつたのでありますが、併し食糧管理の強化に伴つて、食糧管理法に基いて、政府が買入する際の検査によつて今日に至つておるのであります。  ところが食糧事情の緩和によりまして、昨年から「いも」類、又最近は雑穀等、順次政府の買入が廃止せられ、従つてこれら品目についての検査を行うことができなくなるわけでありますから、この際、主要農産物検査についての法的根拠を明らかにして、国営検査制度を確立することが、これら農産物の公正且つ円滑な取引とその品質の改善を助長し、併せて生産の発展と消費の合理化に寄與するゆえんであるとの見解を以て本法律案が提案せられたのでありまして、その内容とするところは、ここにいう農産物とは、もみ、玄米、精麦、大麦、はだか麦、小麦、精大麦、精はだか麦、精小麦、小麦粉、大豆、小豆、えんどう、いんげん、緑豆、とうもろこし、なたね、甘しよ、馬鈴しよ及び甘しよ生切干の二十種となし、もみ、玄米、大麦、はだか麦又は小麦等のいわゆる米麦は原則として強制検査とし、その他のものは都道府県が條例によつて規定する場合を除いては希望検査となし、而して農林大臣は検査規格を定め、施行期日の三十日前に公告しなければならないこととなし、検査を受けようとする者は政令で定める額の検査手数料を納付しなければならないことになつており、品位の格付を行つたときは、受検者に検査証明書を交付し、検査の結果については、異議の申立の道を開く等の手続、その他、罰則等の規定を設けんとするものでありまして、委員会におきましては、提案者並びに政府当局との間に検査を行うべき農産物の種類の拡大、農産物資規格法との調整、庭先検査の必要性、経費予算の確保及び手数料の調整等について質疑が行われたのでありますが、これが詳細は会議録に譲ることといたします。  次いで討論に入り、岡村委員は、本法律案には幾多の不備があるが、できるだけ早い機会にこれが改正を期して賛成せられ、池田委員は、検査の徹底と農家の便益とのため庭先検査制度の速かなる実現を希望し、同時に検査員の待遇の改善を希望して賛成せられ、片柳委員は、検査すべき農産物の範囲の拡大及び検査員の質の向上と待遇の改善を希望して賛成、江田委員は、検討修正を要すべき点は少くないが、時間的に制約せられ審議を盡し得なかつたことを遺憾とし、今回のような唐突な法律案の提案を避くべきことを警告して賛成、最後に岩男委員は、以上各委員の所説に同感であつて、これが速かなる実現を期待して賛成せられました。  かくして討論を打切り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決せられました。以上御報告市上げます。(拍手)
  56. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  57. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  58. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 日程第七、結核予防法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長河崎ナツ君。    〔河崎ナツ君登壇、拍手〕
  59. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 只今議題となりました結核予防法案の厚生委員会におきまする審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。  先ず政府の提案理由につきまして説明申上げます。結核は我が国におきましては国民病と言われるほどに蔓延しております。即ち患者総数は全国約百五十万人と推定せられ、十世帯に一人の患者がいることになると言われております。又死亡率は昭和二十四年では人口一万に対しまして一六・九名で、諸外国のそれの数倍となつております。この結核によりますところの直接間接の国民経済に與える損失は極めて大きく、推定一千億円に上ると言われているのでございます。この結核の予防を図るために、すでに大正八年に現行結核予防法が制定され今日に及んでいるのでありますが、この法律は何分にも三十年も以前に制定されたのでありまして、その後、医学の進歩がもたらしました新らしい予防、治療の方法、例えばBCGの接種、ツベルクリン反応検査、エックス線検査によりますところの早期発見予防、胸部外科手術、人工気胸術、ストレプトマイシンその他の新薬の使用によりますところの早期治療につきましては規定されておりませんので、現行法のこの欠点を改め、現代医学の長所を十分に行政面に取り入れると共に、社会保障制度の一環として患者の医療費負担を軽減し、以て我が国の結核を撲滅しようとする点でございます。  次にこの法案の内容を要約して申上げますと、  第一に、最も結核にかかりやすい状態にある一定範囲の国民に対しまして、毎年定期の健康診断を行うべきことを規定しております。この健康診断の実施義務者を、事業場、学校、兒童收容施設等集団生活をなす者についてはそれぞれその責任者と、結核の蔓延しておる地域に居住する一般住民については市町村長といたしております。なお都道府県知事及び保健所を設置する市の市長に対しまして、結核にかかりやすい職業の者、患者と同居する者など、特に感染の虞れの多い対象につきましては、定期外の健康診断を随時実施する権限を與えて、患者発見に万全を期しておる点でございます。  第二には、第一のところで申上げました集団生活をなす者につきまして定期の健康診断を行なつた者は、ツベルクリン反応が陰性又は疑陽性であつた者に対して予防接種を行うべきことを規定しております。又健康診断の対象者以外の一般国民に対しましては、定期に市町村長が予防接種を行うべきことといたしております。なお、都道府県知事に感染の虞れの多い対象者については定期外の予防接種を行なう権限を與えております。  第三に、現行法によつて行われておりますところの医師の届出の結果が結核対策上十分に活用されていないので、居住地の保健所において患者を登録して、必要に応じて患者の家庭を訪問して指導を行わせることといたしております。  第四に、結核撲滅の実際的効果を期待いたしまして、適正な医療の普及を図ると共に、結核の治療に著しい効果の認められておる胸部外科手術、人工気胸術、ストレプトマイシン及びバスの投與などの医療につきましては、公費を以て医療費の半額を負担することといたしました点でございます。  第五に、結核対策の根幹である結核病床を積極的に増加させるために、厚生大臣は地方公共団体に対しまして結核療養所の新設及び拡充を勧告し、これに要する費用に対しましては国庫は二分の一の補助をすることとし、又営利を目的としない法人に対しましても補助し得るようにいたした点でございます。  その他に医師の患者に対する指示義務、都道府県知事の行う予防措置の指示、結核を伝染させる虞れのある患者の従業禁止、入所命令の規定、これらの患者に対する医療費の公費負担の規定、又結核対策全般に関する厚生大臣の諮問機関として結核予防審議会を設置することといたしております。なおこの法律施行について地方公共団体の支出する費用につきましては、一定率の国庫補助を出すよう規定しておる点であります。以上が提案理由とその内容の概略でございます。  厚生委員会におきましては、つとに結核対策の重要なることを痛感いたしまして、第一国会以来、鋭意研究を続けて参りまして、第七国会におきましては結核対策確立に関する小委員会を設けまして調査研究の結果、結核予防対策確立に関する方策を報告いたしまする一方、本会議におきましては結核予防対策確立に関する決議を上程、全会一致可決されたのでございました。爾来、第九国会及び今国会におきましても引続きまして結核予防に関する小委員会を設けて調査研究を続け、その間、現地について実情を把握するため、院議に諮り、二月二十五日より中国及び九州地方に委員を派遣いたしまして視察を行い、或いは三月二十八日には参考人として学界の権威者、結核専門医家、臨床家の出頭を求めて、結核対策についての意見を聞くなど、愼重を期して参つたのでありますが、本法案が提出されますや、その重要性に鑑み、特にこれを小委員会に付託いたしたのであります。小委員会におきましては愼重審議の結果、  一、本法案の一適用範囲が広汎であり、且つ責任の所在も国及び地方公共団体、保健所、学校、工場、事業場などに分れており、又関連する幾多の法令があるので、それらの緊密な連絡及び調整と円滑な運用を必要とすること、並びに関係諸機関、諸団体との協力関係の確立を図るほか、本法案の趣旨の普及徹底を図ること。  二、保健所の人的物的強化拡充を図り、十分な機能の発揮に努め、本法実施の万全を期すること。  三、健康診断、予防接種に要する費用は将来全額国庫負担とすること。四、在宅患者にもストレプトマイシンによる療法、パラアミノサルチル酸による療法など適正な医療を受けさせるようにすること。五、従業禁止又は命令入所を命ぜられた患者に対しては、国は本人及びその家族の生活を保障する措置を講ずること。六、健康診断、予防接種及び結核療養所設置に要する費用について地方公共団体に対する国庫補助率を増大すること。七、保養所、養護施設、後保護施設について根本対策を考究すること。以上の結論を得まして、次の事項を政府に対して要望することを決定いたしました旨、小委員長から報告がございました。  その要旨は、一、健康診断、予防接種の実施を徹底させるためには、医師その他医療機関の全幅的協力を得られるよう考慮すること。二、健康診断、予防接種に要する医薬品その他資材の確保に遺憾のないようにすること。三、健康診断、予防接種に要する費用は全額国庫負担とするよう予算措置を講ずること。四、ツベルクリン反応検査、エックス線検査、予防接種等、実施技術者に対して専門的再教育訓練の徹底を図ること。五、従業禁止、命令入所を命ぜられた患者に対する医療の保護は十分でなければならぬと共に、その家族の生活の保障についても万全を期するよう考慮すること。六、結核患者が適正なる医療を受ける費用に対して公費負担の枠を拡大すると共に、国庫の補助率を高くすること、特に在宅患者も適正なる医療を受けられるよう考慮すること。七、在宅患者、同居家族に対しては、医師、保健婦の訪問指導を徹底せしめること。八、保健所、療養所の医師、保健婦、看護婦、エックス線技術者、病理細菌技術者、栄養士の待遇を改善し、定員の確保に努めると共に、専門技術の研修を徹底し、それぞれの機能を十分発揮せしめるよう考慮すること。九、後医療、後保護施設について根本方策を考慮すること。十、結核発病防止のため保養所、養護学校、養護学級について根本的方策を考慮すること。十一、結核の感染予防のため乳兒院、託兒所、保有所について考慮すること。十二、結核の予防、治療に関する国の研究を振興すると共に、民間における研究に対しても積極的に助成を行うこと。十三、従業禁止、入所命令をなす場合の基準を明示して、都道府県の取扱が区区にならぬようとくと考慮すること。十四、結核診査協議会が治療担当部門の運営を阻害しないよう特に考慮すること。以上。  本委員会におきましては小委員長の報告を全面的に承認いたしました。  なお、本法案の審議に入る前に山下委員より、厚生大臣は政府の結核予防対策に対して如何なる態度で臨んでおられるか、所信を求めたのに対して、厚生大臣より、来年度以降実施を計画している結核対策は、第七国会において衆参両院一致の決議の線に沿つたもので、全国民の要望に応えた民主的な立法及び施策であると確信する。又大綱においては社会保障制度の勧告にも合致するものと考えているが、国家財政に制約される関係上十分なものとは言えないので、国民の真摯な批判は十分取入れるにやぶさかでないというような意味の答弁がありました。なお、本案に対して各委員より重要なる質疑応答が重ねられたのでありますが、この間の詳細は速記録によつてこれを御承知願いたいと存ずるのであります。  かくて三月三十日の委員会におきまして質疑を打切り、討論に入りましたところ、自由党を代表して中山委員より、本法案は結核の予防治療に対処する極めて重要なる法案であり、全国民の期待するものである。結核予防に関する小委員長報告の要望事項を速かに実現するよう努力し、又本案は関係機関が広範囲であるから、よくその方面と連絡を密にし、本法の運営に万全を期するよう強く政府に要望して本法案に賛成するとの意見の開陳がありました。次に国民民主党を代表して有馬委員より、本法案に窺われる不備と、政府の結核対策の現実上今後改善さるべき点を指摘されました。即ち一、政府の結核対策に必要なる経費の算出が実際に即しないものが多い。二、保健所の整備の状態が今日のごとき有様では、到底政府対策を実行できないものと思われる。三、診査協議会の運営は実行上懸念がある。むしろ保健所長に任せたほうがよいと思われる。四、BCGについては、政府は近代医学の進歩と一段の接触を図り、その実効を顯著ならしめなければ所期の予防効果が挙らない。五、結核予防に関する費用の増加と研究委託は、ひとり結核予防会のみならず、広く公私の研究機関にも行い、研究を助成すべきである。以上の諸点を指摘いたしまして、小委員会の要望事項の実行を政府が固く約束することを條件として本案に賛成するとの意見の開陳がなされました。次に山下委員より社会党を代表して本案に賛成の意見の開陳がありました。理由といたしまして、本法案の実施によつて結核対策が国政の重要施策として国家の責任において遂行すべきことが明らかにされたことは、憲法第二十五條の精神、社会主義政策に合致するものと認められるからであるが、なお次の点を指摘して、政府に対し本法運営上考慮することを強く要望されたのでございます。一、本案のごとき専門的立法は、将来、学問的科学的な詳細を規定した法の体裁でなければならぬと考えられること。二、BCGについては、先般参考人の意見もあり、政府は本法案実施上十分考慮すること。三、在宅患者については何ら見るべき対策がないので実施上万全を期すること。四、本法案のうち結核対策の重点がいずこにあるか不明瞭である。従つて本案の成果について責任の所在が判然とするよう計画がなされなけなばらぬこと。五、医療扶助についての各法との関係が明瞭でない。政府の方針が一貫していないこと。六、結核対策に要する厖大な予算が必ずしも実態に即しない濫費に流れぬよう篤と注意すること。以上であります。次に緑風会を代表して藤森委員より、本法案は結核対策の万全を期したものとは言えないが、現行結核予防法よりは躍進したものであり、将来改善を加えることを予想せられるので、国民にとつては喜ばしい。その意味において本法案に賛成するものであるとの意見の開陳がありました。最後に第一クラブを代表して松原委員より、本法案に結核小委員長報告の要望事項を添えて賛成する。特に在宅患者と住宅の関係において組織的施策が必要であり、保健所の医師、保健婦について待遇を改善するよう考慮せられたいとの意見の開陳がありました。  以上で討論を終り、採決に入りましたところ、全会一致を以て本案は政府原案通り可決すべきもりときめられたのでございます。  以上御報告申上げます。(拍手)
  60. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  61. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  62. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程第八、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案日程第九、郵便貯金法の一部を改正する法律案日程第十、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案日程第十一、郵便法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出衆議院送付)、以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。郵便委員長大野幸一君。    〔大野幸一君登壇、拍手〕
  64. 大野幸一

    ○大野幸一君 只今議題となりました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案郵便貯金法の一部を改正する法律案郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案及び郵便法の一部を改正する法律案に関しまして、一括して郵政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず提案の理由及びその内容を説明いたします。  第一に郵便法の一部を改正する法律案から申上げますと、本法案は、郵便取扱制度の改善を図り、併せて郵便事業運営の円滑化を図らんとするものであります。即ち郵便取扱制度を改正するものとしては、小包葉書、料金受取人拂及び速達小包の諸制度を設定すると共に、書留及び保險扱制度を統合してその亡失に対する賠償最高額を大幅に引上げ、小包郵便物の容積及び重量制度を拡張すると同時に、現行の均一料金制を地帯料金制に改め、その他サービス改善を目的にした若干の改正を施さんとするものであります。なお第三種郵便物の認可條件に関する規定中、一部衆議院において修正の上、本院に送付されておるのであります。次に事業運営の円滑化を目的とするものとしては、信書送達の独占に関する規定を明確にして、いわゆる私設郵便局の取締を嚴重にし、又郵便に対する国民の信頼感を確保するため、郵便を不正に利用する罪を新たに規定せんとするものであります。  本法案に関しましては、現行郵便料金制、特に葉書の料金について改正の要がないか。いわゆる私設郵便局の取締方法如何。小包葉書の私製を禁ずる必要があるか。小包料金を距離制にする理由如何。その他郵便を不正に利用する罰についての具体的事例、日曜、休日における郵便配達休止の問題等について、委員と政府当局者との間に熱心な質疑応答がありましたが、その内容は速記録によつて御了承を願いたいと存じます。  かくて質疑を終り、討論に入りましたところ、別に発言もなく、直ちに採決の結果、全会一致を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  第二に、郵便貯金法の一部を改正する法律案は、定額貯金の利率を引上げ、預金者の請求によつて預拂局を特定する制度を新設し、郵便貯金本人票を発行する等、預金者の利便を増進すると共に、利用度の少い据置貯金、特別据置貯金及び証券保管の制度を廃止して、郵便貯金事業の簡素化を図らんとするものであります。  第三に、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、公金に関する振替貯金制度を公共事業令による事業者にもその利用を認めると共に、債券に関する振替貯金制度を廃止して事業の簡素化を図らんとするものであります。  第四に、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案は、証券整理貯金の整理を促進し、併せて証券整理貯金に関する預金者の権利消滅に関する規定を改めて、預金者の利益を保護せんとするものであります。  以上貯金関係三法律案中、郵便貯金法の一部を改正する法律案に関しまして、現行の郵便貯金預入制限額三千円は物価情勢乃至貯蓄奨励の観点よりして低きに過ぎるから、これを引上げる意図はないか、又通常貯金の利子年二分七厘六毛も引上げる必要があるではないか等、委員より熱心な質疑があり、政府側よりも詳細な答弁がありましたが、その内容は速記録によつて御了承願いたいと存じます。  かくて以上三法案に対する質疑を終り、右法案につき討論に入りましたところ、これ又別に発言もなく、直ちに採決の結果、いずれも全会一致、各原案通り可決すべきものと決定いたしたのであります。  以上を以て報告を終ります。
  65. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。四案全部を問題に供します。四案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  66. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて四案は可決せられました。      ―――――・―――――
  67. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程第十二、農林漁業資金融通特別会計法案日程第十三、公庫の予算及び決算に関する法律案、(いずれも内閣提出衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事大矢半次郎君。    〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
  69. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 只今上程せられました農林漁業資金融通特別会計法案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本案は、今国会において成立いたしました農林漁業資金融通法に基き、農林漁業者に対し資金の貸付を実施いたすことになります場合、新たに農林漁業資金融通特別会計を設置いたしまして、一般会計と区分してその経理状況を明確にいたそうとするものであります。次にこの法案の要点を申上げますと、本特別会計は農林大臣が管理し、その資本は一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計からの繰入金に相当する金額を以てし、その歳入は、貸付金の償還金及び利子、一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計からの繰入金、資金運用部からの借入金並びに附属雑收入とし、その歳出は、貸付金、資金運用部からの借入金の償還金及び利子、事務取扱費、その他の諸費といたしておるのであります。又この会計の経理の健全性を維持するため、毎会計年度末における借入金の利子及び事務取扱費、その他の諸費の支出済額の合計額が、当該年度末における貸付金の利子及び附属雑収入の牧納済額の合計額を、超えないよう経費支出の制限をいたすほか、この会計の予算及び決算の作成及び提出に関する手続等、特別会計に必要な事項を規定いたそうとするものであります。さて、本案審議に当りましては、各委員と政府委員との間に熱心なる質疑応答が交されたのでありますが、その詳細は速記録により御了承願いたいと存じます。  かくて質疑を終り、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、公庫の予算及び決算に関する法律案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本案は国民金融公庫及び住宅金融公庫の予算及び決算に関しまして、その業務の特殊性に鑑み、今回新たに法律を制定し、これら公庫の業務の自主的運営に資し、且つ予算の執行を適正ならしめようとするものであります。  次に本案の要点について申上げます。  第一点は、公庫の予算につきましては原則として収益及び費用の収支予算といたそうとするものであります。即ち貸付金の利子その他資産の運用にかかる収入及び附属雑収入を以て收入となし、国民金融公庫においては、借入金、恩給債券の利子、事務取扱費、業務委託費、固定資産の取得に要する経費並びに附属諸費を支出となし、住宅金融公庫においては、借入金の利子、事務取扱費、業務委託費、固定資産の取得に要する経費及び附属諸費を支出といたしております。又公庫の予算予算総則及び収入支出予算とする等、予算の形式及び内容についても規定いたそうとするものであります。  第二点は、追加予算予算の修正及び暫定予算の規定を設けるのほか、移用、流用、繰越及び予備費に関する規定を設けようとするものであります。  第三点は、大蔵大臣が公庫の予算の執行の適正を期するため必要であると認めるときは、收支の実績若しくは見込について報告を求め、又は予算の執行状況について実地監査を行うことができるようにいたそうとするものであります。  第四点は、公庫の決算は翌年度の七月三十一日までに完結することとし、決算報捨書は予算の区分に従い毎事業年度作成の上、大蔵大臣の承認を経た財務諸表を添え、主務大臣を経由して大蔵大臣に提出することといたそうとするものであります。  なお本案は衆議院において修正議決されたものでありまして、その修正の、要旨を申上げますと、今国会において別途提出を予定されておりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案が提出されないこととなりましたので、関係法規の整備を行うため、本案の附則において住宅金融公庫の一部改正を規定しようとするものであります。  さて、本案審議に当りましては、各委員と政府委員との間に熱心なる質疑応答が交されたのでありますが、その詳細は速記録により御了承願いたいと存じます。  かくて質疑を終り、討論、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申上げます。(拍手)
  70. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  71. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。      ―――――・―――――
  72. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 日程第十四、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます建設委員長小林英三君。    〔小林英三君登壇、拍手〕
  73. 小林英三

    ○小林英三君 只今議題となりましたる公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法案につきまして、建設委員会の審議の経過及び結果を御報告申上げます。  本法案は、公共土木事業施設の災害復旧につきまして、地方公共団体の財政力に適応するよう国庫の負担を定めまして、災害の速かなる復旧を図ることを目的とするものでございます。  政府の提案理由の説明によりますると、我が国連年の災害は莫大なる額に上り、その復旧の負担によつて地方財政は破綻に瀕する虞れがあるのみならず、これがために迅速適切な復旧事業の遂行を不可能ならしめ、更に災害を累増せしめる原因となつつております。この問題に関しましては、先にシヤウプ使節団の勧告の次第もあり、昭和二十五年度公共土木施設の災害復旧事業に限りまして暫定措置として全額国庫負担の特例が設けられておつたのでありますが、その後、本問題に関する地方行政調査委員会議の調査審議の結果が先に国会及び政府に提出されまして、政府はしの勧告を尊重しながら、国家財政の実情を勘案検討した結果、本法案を提出した旨の説明があつたのでございます。  法案の内容中、主なる点を申上げますると、一、公共土木施設の復旧事業費の国庫負担は、地方団体の標準税収入を基準といたしまして、三分の二以上全額まで逓次スライドすることといたしたものでございます。その二は、一カ所の工事費は二十五年度の特例通り十五万円以上といたしまして、昭和二十五年以前の災害につきましても、国庫負担金未交付のものにつきましては、昭和二十五年度標準税收入を基準といたしまして本制度を準用することとし、又北海道につきましては従前八割の補助をいたしておつたのでございつまするが、そういう事情もございまして、特に当分の間最低五分の四といたしておるのであります。  建設委員会といたしましては、熱心なる質疑応答を繰返したのでございまするが、その質疑の主要なるものを申述べますると、この国庫負担制度と対応して、平素の維持修繕に力を用うることは防災の根本であるから、この点に関する措置如何、将来更に十分なる研究を望む。なお、そのほかの質問といたしましては、国庫負担の対象は一カ所の工事費十五万円以上であるために、これ以下のものはこの限度に達するまで放置される虞れがあるが、この限度を引下げることを研究したらどうか。又一カ所の工事として取扱われる範囲はどうか。こういう質問もございました。又来年度予算は一応従前の三分の二負担の見込を以て計上してあるが、本年度より負担割台が改められた結果その予算措置はどうするか。こういう質問もございました。又全額国庫負担から本制度に改めるときは、地方団体は負担に堪え得るか。又これに関する措置如何。こういう質問もございました。それから北海道に対して従前通り特例を囲めた理由はどうであるか。又一カ所の工事費十五万円以上の限度について二十五年度特例以前のごとく府県と市町村との間に差異を設けることが均衡上適当ではないか等の質があり、これらの質問に対しては政府又極めて親切なる答弁があつたのでありますが、これらの詳細は速記録により御承知願いたいと存じます。  かくて質疑を打切り、討論を終結し、採決の結果、全会一致、原案の通りこれを可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手)
  74. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  75. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  76. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際お諮りいたします。本日厚生委員長河崎ナツ君から委員長を辞任いたしたい旨の申出がございました。これを許可するとに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ない認めます。よつて許可することに決しました。      ―――――・―――――
  78. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) つきましては、この際、日程に追加して、欠員となりました厚生委員長の選挙を行いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。
  80. 大野幸一

    ○大野幸一君 只今の厚生委員長の選挙は、成規の手続を省略して、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  81. 小川久義

    ○小川久義君 只今の大野君の動議に賛成いたします。
  82. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 大野幸一君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつて議長は厚生委員長に山下義信君を指名いたします。(拍手)      ―――――・―――――
  84. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第十五より第二十九までの請願及び日程第二百三十一より第二百三十四までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事杉山昌作君。
  86. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 只今上程せられました請願二十九件及び陳情四件につきまして、大蔵委員会におきまする審議の経過及び結果を報告いたします。本委員会におきましては、特に小委員会を設けて審議に当らせましたが、小委員会におきましては、紹介議員の説明並びに政府の見解を聽取し、更に質疑応答等値重なる審議をいたしたのであります。而してその結果は次のごとくであります。  先ず請願第千四百十五号、第千四百十六号は、停年又は病気等で勤務先を退いた場合、退職金は将来に対する唯一の保障でありまして、退職時の臨時余剰の収入ではないのであるから、これに対しましては所得税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第千三十八号は、帝国造林株式会社の造林地帶は不便な山岳地帶にありまして、立木価格は安く、且つ森林法施業案によつて、自由に伐採売却ができない実情であるから、富裕税の株価査定に当つては収益力を基準とする一般会社の算定と同方法をとられたいとの趣旨であり、陳情第三百五十六号は、山林経営は長期に亘つて経費を要し、利益率は極めて低いにもかかわらず、高額の租税を課せられるため、これが納税の必要上濫伐投売をせざるを得ない実情であつて、これがため伐採跡地の造林は殆んど不可能であり、由々しき事態を招来する虞れがあるから、山林関係の課税を実情に合うよう適正化を図られたいとの趣旨であり、請願第千三百七十号は、種苗業は一般生産業及び商業に比して生産が不安定であること、品質の維持改良経費が増嵩すること、在庫品評価に期待が持てないこと、資金回転率が低いこと等の特殊事情にあるから、所得税等の課税価額の算定には十分実情を考慮されたいとの趣旨であり、請願第千六十三号は、国民金融公庫は、中小企業者、特に零細企業者の唯一の金融機関であつて、これが借入希望は相当大であるにもかかわらず、貸付はせられたいとの趣旨であり、請願第九百四十二号、第九百六十六号、第九百八十八号、第九百九十八号、第九百九十九号、第千三十四号、第千三十六号、第千三十七号、第千六十二号、第千百九十一号、第千二百二十四号、第千二百九十三号、第千三百二十八号、第千四百十号は、いずれも「たばこ」極めて少ししかできない現状であるから、同公庫の資金量の拡充、機構の整備等、国民金融公庫法の一部を改正専売事業の民営移管に反対するとの趣旨であり、請願第千百九十九号は、たばこ小売人の手数料は売上高の六分に定められ、他の商品に比して極めて低く、営業に対する熱意を失うに至る虞れがあるので、これを一割程度に引上げられたいとの趣旨であり、請願第千二十二号は、とうもろこし及びこうりよう等の飼料はその多くを輸入に仰いでいるが、国内における飼料の市価の高騰を抑え、畜産経営を保護するため、これらに対する関税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第千二百二十五号は、輸入原油は石油総需要の九〇%を占めており、これに一〇%の関税を課することは、原油精製業者の採算を悪化せしむるのみならず、一般需要着たる各産業に犠牲を強いることとなるから、原油に対する関税は無税とせられたいとの趣旨であり、請願第千三百七十一号は、石油コークスは強粘結炭の代用として製鉄に十分使用できるものであるから、製鉄保護の見地からこれに対する関税を無税とせられたいとの趣旨であり、陳情第百九十六号は、大豆「かす」は現在国民食生活に関連する重要消費に充当されているが、畜産業等にとつては経済的な蛋白飼料として欠くことのできないものであるから、これに対する関税は無税とせられたいとの趣旨であり、陳情第二百八十九号は、沖繩、大島の諸島は、実質的に日本経済の一環であり、現地側では関税を設けていないのであるから、これら諸島の生産品に対しては当方においても関税を課せないようにせられたいとの趣旨であり、請願第千三百五十三号は、船舶の建造又は修繕に使用する特殊工作機械又は塗装用機械で新規発明のもの、及び国内において製作困難なものについては、輸入税を免除できるよう関税定率法改正せられたいとの趣旨でありまして、これらはいずれも願意至当と認めて採択いたしました。  次に、請願第千二十三号は、養鶏業の復興と発展のために「とうもろこし」「こうりよう」等の養鶏飼料及び種卵に関税を課することに反対するとの趣旨でありますが、種卵に対して関税を免除することば不適当であるが、「とうもろこし」「こうりよう」を無税とすることは請願第千二十二号と同じく適当と認められますので、願意の一部を採択することといたし、又請願第千二百九十四号、第千二百七十二号は、原油を初めとする石油関係品に関税を課することは、国民の生活に重大な影響を與えるのみならず、特に漁業経営に大打撃を與える等の見地から、石油関係品に対する関税は無税とせられたいとの趣旨でありますが、精製油に対しても一切無税とすることは考慮を要すると思われますので、これ又願意の一部を採択することといたしました。次に請願第二百四十四号、第七百九十四号は、開港失格に関する関税法第九十九條の規定は、現下の貿易情勢では実情に即応しないから、この條項を削除せられたいとの趣旨でありますが、同僚項の削除は不適当であるが、これに但書を附して実情に適するような措置を認め得るようにすることの妥当なるを認め、その意味におきましてこれを採択いたしました。最後に陳情第二百七十三号は、薬業者の最近の取引状況からして、記載金額千円以上の受領証に限り印紙を貼付することとし、単なる物品受取書は印紙の貼付を必要としないよう印紙税法改正を図られたいとの趣旨でありますが、来たる四月一日から実施されまする改正印紙税法によつて願意は達せられますので、採択をいたしました。以上御報告申上げます。
  87. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  88. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  89. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第三十より第六十一までの請願及び日程第二百三十五より第二百四十五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員会理事木内キヤウ君。    〔木内キヤウ君登壇、拍手〕    〔副議長退席、議長着席〕
  91. 木内キヤウ

    ○木内キヤウ君 只今上程されました文部委員会付託の請願及び陳情に関し、委員会における審議の経過及びその結果を御報告申します。  請願第百七十九号ほか二十件及び陳情第二百八十三号は、義務教育に関する財政の確立を要喫したものであり、請願第四百八十三号ほか七件及び陳情第二十一号ほか四件は、六三制教育施設の完成を期するため国庫補助の増額を要望したものでありまして、いずれも趣旨妥当と認めました。請願第二百二十九号ほか十五件及び陳情第六十三号ほか七件は、職業教育法の制定を要望したものでありまして、我が国産業経済の発展のため適切妥当であると認めました。請願第四百十二号ほか十二件及び陳情第二百二十五号ほか一件は、結核教職員の身分を保障して安んじて療養させることを要望したものでありまして、教育の能率と学童の健康保全の点から妥当であると認めました。請願第二百四十一号ほか六件は、学校給食法を制定して給食を一般化することを要望したものであり、請願第千二百三十六号は、五大市内にある県立の高等学校を市の所管に移して一元的にしたいとの要望であり、請願第五百五十三号は、新制大学教育学部、学芸学部の学生に対し奨学資金を国庫から助成して欲しいとの要望でありまして、いずれも趣旨妥当と認めました。請願第五百五十一号、第九百八十九号、第千七十一号、陳情第三十二号は、国立大学の施設費増額、北海道学芸大学の拡充、大学附属病院放射線従業員待遇改善金沢大学に夜間大学設置に関するものでありまして、いずれも願意妥当と認めました。請願第百二十二号、第七百九十二号は、私立大学の教職員共済組合の設立等に関し助成金を要望したものであり、妥当と認めました。次に請願第六百二十号ほか三件は、文化財に関するものでありまして、国宝の修理保存、文化財研究所の設置等に関するものであり、いずれも趣旨妥当と認めました。請願第八百八十号及び陳情第四十一号は、博物館法の制定を要望したものでありまして、これも又妥当と認めました。請願第三百九十二号ほか六件は、ニユース教育映画の保護助成、支那学の振興、書道の振興、教員免許法認定講習費の国庫負担、図書館法の一部改正、公民館の専任職員の給與国庫負担、指導教諭設置等に関するものであり、陳情第二百四十号は、桜島火山研究所設置に関するものでありまして、いずれも願意妥当と認めました。  文部委員会におきましては、以上百三件に関して愼重審議の結果、ずれも趣意妥当と認め、これを採択することに決定いたしました。  以上御報告申上げます(拍手)
  92. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、日程第三十九より第四十一までの請願日程第二百四十一及び第二百四十五の陳情のほかは内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  93. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情肝全会一致を以て採択し、日程第三十Aより第四十一までの請願日程第二百四十一及び第二百四十五の陳情のほかは内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  94. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第六十二より第百一までの請願及び日程第二百四十十より第二百五十までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めすす。電気通信委員長寺尾豊君。    〔寺尾豊君登壇、拍手〕
  96. 寺尾豊

    ○寺尾豊君 只今議題となりました対馬の通信整備拡充に関する請願ほか三十九件及び倉敷、西阿知両電話局を同一局とするの陳情ほか四件につきまして、電気通信委員会は愼重審議の結果、いずれも願意を妥当なものと認めてこれを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
  97. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  98. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  99. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第百二より第二百二十四までの請願及び日程第二百五十一より第二百六十までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか、    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長小林英三君。
  101. 小林英三

    ○小林英三君 只今議題となりましたる日程再三より二百二十四に至る請願百二十七件及び日程二百五十一より二百六十に至る陳情十一件について、建設委員会の審議の結果を報告いたします。  先ず治水に関するものは治水十カ年計画による事業費の増額を要請するもののほか、北上川、其の他十七カ川の改修工事並びに猿ヶ石川ほか三カ月のえん堤築造に関する請願であります。  砂防に関するものは、鳥取県下の河川に亘るもののほか、一部六県下におけるそれぞれの砂防工事と、新潟県下の治水及び地辷り防止のための砂防予算の増額を要請するものであります。  災害の復旧防除に関しては、復旧室業費の増額の要望のほか、南九州の二県下のそれぞれに対する防除施設に関するもの、徳島県、広島県、岡山県及び鹿児島県のそれぞれの河川復旧工事並びにシラス地層緊急対策福島県、兵庫県下のそれぞれの沿岸防潮工事に関するものであります。  このほか災害事業費全額国庫負担に関するもの、及び秋田県雄物川改修に伴う農村の損害補償に関する請願海岸法制定に関する陳情であります。  道路の改良改修に関するものは、国道については第二十号線ほか六カ線及び関門トンネル工事の促進並びに阪神四国連絡道路の実現に関するものであります。又府県道としては、京都府下、京福線ほか八カ線に関する改良工事及び開さくに関する請願でありすす。  橋梁については、岐阜県長良橋ほか三件に関するものであります。  次に建築及び住宅について、住宅金融公庫の運用、貸出條件の緩和拡大に関するもの、耐火建築の助炭、低家賃庶民住宅建設に関するものと、建築士法改正、建築代理士に関するものであります。都市計画事業については、戰災復興特別都市五カ年計画事業費及び街路、鋪装等のための国庫負担増額に関する要望であります。このほか熊本県五箇荘の開発のため各般の施策の要請をいたしております。  以上の諸件は、治水、災害防除、交通、都市建設、住宅建築等に関するものでありまして、いずれもこれを委員会としては院議に付して内閣に送付すべきものと決定した次第であります。右御報告申上げます。
  102. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  103. 佐藤尚武

    ○議員(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  104. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第二百二十五を後に廻し、日程第二百二十六より第二百三十までの請願及び日程第二百六十一より第二百六十三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。電力問題に関する特別委員会理事栗山良夫君。     ―――――――――――――    〔栗山良夫君登壇、拍手〕
  106. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 只今議題となりました請願五件、陳情四件の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます、  委員会の審査に当りましては、政府側の意見を参考として慎重を期しました。以下簡単にその趣旨の大要を申上げますると、先ず再編成関係といたしましては、請願第八百二十二号、電気事業の再編成に関する請願は、福岡県は日本経済の再建に不可欠の重要産業地帯であり、これらの産業の生産コストは、我が国の生産業に重大な影響を及ぼすから、再編成に際しては料金の地域差を縮小し、融通については本州よりの受電を確保すると共に、電源開発とその資金の調達とを円滑にするよう図られたいとの趣旨であり、又陳情第百四十七号及び第二百四十二号、電気事業の再編成に関する陳情は、再編成運用に当つては、九州の特殊事情を考慮して、前の請願と同様の措置を講ぜられたいとの要望であり、又陳情第二百七十八号、電気事業の再編成に関する陳情は、今度の再編成によつて、宮城県及び東北地方は、産業振興の上に重大なる影響があるので、電源、送電設備の帰属、水火力調整と地帯間融通及び日発株の処分等について格段の措置を講ぜられたいとの趣旨であります。  次に割当関係としまして、請願第千二百十七号、国立療養所電力割当増加等に関する請願は、医療用、照明用電力は、療養生活に重大なる影響を持つので、国立療養所に対して電力予算及び割当を増加せられたいとの趣旨であります。  次に復元関係としまして、請願第千四百二号、大淀川発電所復元に関する請願及び請願第千四百二十二号、猪谷、中山両発電所復元に関する請願は、いずれも多量の電力を必要とする重要産業で、現在の電力事情では生産計画にも支障を来すので、本来自家用とし建設され、その後いろいろの経過を経て強制出資させられた前述の発電所を、それぞれの会社に復元することを要望したものでございます。  又開発関係について、陳情第百四十八号、阿武第二発電所新設等に関する陳情は、山口県の電力不足を補うため、阿武川第二、及び小野田火力発電所第二次拡充を、見返資金による昭和二十六年度新規電源開発計画中に編入されたいとの趣旨でございます。又請願第千十二号、電気工事法制定に関する請願は、雷の被害の甚だしい地域に関するものでありまして、現在電燈線引込口には何ら避雷装置がないため危険であるから、避雷装置をするよう電気工事法を制定せられたいとの趣旨でございます。  以上委員会としましては慎重審議いたしました結果、願意妥当なるものと認め、採択することとし、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定した次第でございます。  以上御報告申上げます。
  107. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  108. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  109. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
  110. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 参事に報告いたさせます。    〔海保参事朗読〕 本日議員から左の議案を提出した。よつて議長は即日これを水産委員会に付託した。  漁船保険法の一部を改正する法律案(入交太藏君外四角発議)本日委員長から左の報告書を提出した。  漁船保険法の一部を改正する法律案  可決報告書  納税貯蓄組合法案可決報告書      ―――――・―――――
  111. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、漁船保険法の一部を改正する法律案(入交太藏君外四名発議)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。    〔木下辰雄君登壇、拍手〕
  113. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 只今緊急上程になりました漁船保險法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本案は議員入交太藏君外四角の提案であります。その提案の理由並びにその内容を申上げます。近年瀕発する漁船の捕獲、拿捕、抑畜等の事故は、我が国の置かれておりまする特殊な国際的環境によるものでありまして、これによつて漁業者が受ける精神上並びに経済上の打撃は誠に深刻なものがあるのであります。漁船の拿捕事件は、昭和二十年の韓国によるものを初めといたしまして、引続き韓国、ソ連、中国、及び中共により年々増加を見ておるのでありまして、本年二月末までの累計は実に三百三十七隻に達し、このうち抑留未帰還のもの百十二隻に及んでおります。殊に昨年末、上海水産公司の手によつて送還せられました拿捕漁船乗組員五十数名の言明によりますると、中共側はマッカーサー・ラインの存在を否定しておるばかりでなく東支那海全体を中国の領海であると主張をしておる有様でありまして、漁業関係者に非常な衝動を與えると共に、又これを契機としてこの種の事故は更に瀕発する趨勢を示しているのであります。これがために、関係漁業者の不安は申すまでもなく、関係金融機関にまでその不安が波及し、殊に東支那海を漁場とする以西底曳網漁業は勿論、千島、樺太に面する北海道各種漁業は、前途誠に暗澹たるものがあるのであります。この窮状を打開することは、もとより関係漁業者の熱望するところでありまして、先般参議院においても、外務、水産連合委員会を開き、証人を喚問し、詳細に実情を聴取した結果、政府に対して至急これが対策を講ずることを強く要望いたした次第であります。政府においては、それに基いて、過日連合單総司令部に対し切実な懇請を行なつたのでありまするが、一方、漁業経営上の不安を除去するためには、取りあえず国の再保險を建前とする漁船保險法を改正し、この種の危險を保險する道を開く必要がありますので、同法に対し次の改正を行わんとするものであります。  即ち、一は、現行の漁船保險制度におきましては、前に述べましたような漁船の拿捕抑留による損害を、慎補する道が開かれていなかつたのでありますが、今回の改正によつて新たにその道を開くことといたした次第であります。但しこの場合におきましても、法令に違反して航行又は操業をした場合には損害を填補しない建前をとつております。第二は、組合員は保險の目的たる漁船が拿捕抑留せられ、三十日間解放されないときは、これを組合に委付て保險金額の全部を請求することができることとしたのであります。以上が提案理由とその内容の概要であります。  本件につきましては、水産委員会ではかねてからその必要を認め、研究を重ねていたのでありまして、殊に去る三月六日、外務、水産連合委員会を開き、東支那海で拿捕連行されました乗組員四名を証人として喚問し、証言を求めた結果、事態容易ならぬものがありますので、爾来委員会といたしましても本案の立案に協力して参つたのであります。かような次第でありますので、本案に対しては別段質問もなく、討論採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告申し上げます。(拍手)
  114. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  115. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  116. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、納税貯蓄組合法案(衆議院提出)を議願とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事大矢半次郎君。    〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
  118. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 只今上程せられました納税貯蓄組合法案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本案は、現在すでに存在する納税貯蓄団体に一定の基準を與え、且つ若干の助成措置を講じて、その活動を活溌ならしめ、以て滞納の発生を防止し、堅実なる納税が行われるようにしようとするものでありまして、納税貯蓄組合の目的、定義を初め、納税資金の貯蓄方法、租税納付の委託、課税関與の禁止、所得税及び印紙税の非課税、補助金の交付等に関する諸規定が設けられております。本案の審議に当りまして種々質疑応答が行われたのでありまするが、その詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。
  119. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  120. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。  議事の都合により暫時休憩いたします。    午後四時三十四分休憩      ―――――・―――――    午後七時三十五分開議
  121. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際、お諮りして決定いたしたいことがございます。久松定武君、中井光次君及び森下政一君より、議員辞職の申出がございました。参事に辞表を朗読させます。    〔佐藤参事朗読〕     …………………………………        辞職願               私儀  今般愛媛県知事立候補につき議員辞任を御許可願います    昭和二十六年三月二十九日      右参議院議員 久松 定武   参議院議長佐藤尚武殿     …………………………………       辞職願               私儀  今般大阪市長に立候補致したいから議員辞任を御許可願います   昭和二十六年三月三十一日    参議院議員  中井 光次   参議院議長佐藤尚武殿     …………………………………       辞任願  今度大阪市長に立候補の為め参議院議員を辞任致します  右御承認を御願申します   昭和二十六年三月三十一日              森下政一   参議院議長佐藤尚武殿     ―――――――――――――
  122. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 久松定武君、中中井光次君及び森下政一君の辞職を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて久松定武君、中井光次君及び森下政一君の議員辞職は、これを許可することに決しました。      ―――――・―――――
  124. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 参事に報告いたさせます。    〔海保参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  熱管理法案修正議決報告書  国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書  船舶職員法案修正議決報告書  外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案可決報告書  外資に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書  昭和二十六年度政府関係機関予算補正(機第一号)可決報告書  本日衆議院から左の内閣提出案は同院において本院の修正に同意しないことを議決し、国会法第八十四條により両院協議会を開くことの請求書を受領した。   日本国有鉄道法の一部を改正する法律案  関税定率法の一部を改正する法律案本日衆議院から左の内閣提出案は、本院においで否決されたから同院において両院協議会を求めることを議決し、国会法第八十四條により両院協議会を開くことの請求書を受領した。  食糧管理法の一部を改正する法律案      ―――――・―――――
  125. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に関する両院協議会協議委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。協議委員の数は十人でございます。
  127. 大野幸一

    ○大野幸一君 只今の日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に関する両院協議会協議委員に選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  128. 上原正吉

    ○上原正吉君 只今の大野君の動議に賛成いたします。
  129. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 大野君の動議に御異議ございませんか。口異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。両院協議委員の氏名を参事に朗読いたさせます。    〔海保参事朗読〕 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議委員    植竹 春彦君  岡田 信次君    仁田 竹一君  内村 清次君    菊川 孝夫君  高田  寛君    前田  穰君  小川 久義君    堀木 鎌三君  鈴木 清一君      ―――――・―――――
  131. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、関税定率法の一部を改正する法律案に関する両院協議会協議委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 佐藤尚武

    ○議員(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。協議委員の数は十人でございます。
  133. 大野幸一

    ○大野幸一君 只今の関税定率法の一部を改正する法律案に関する両院協議会協議委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  134. 上原正吉

    ○上原正吉君 只今の大野君の動議に賛成いたします。
  135. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 大野君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。両院協議委員の氏名を参事に朗読させます。    〔海保参事朗読〕   関税定率法の一部を改正する法律案両院協議委員     大矢半次郎君  岡崎 真一君    小串 清二君  下條 恭兵君    松永 義雄君  三輪 貞治君    小林 政夫君  小宮山常吉君    駒井 藤平君  堀木 鎌三君      ―――――・―――――
  137. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、食糧管理法の一部を改正する法律案に関する両院協議会協議委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。協議委員の数は十人でございます。
  139. 大野幸一

    ○大野幸一君 只今の食糧管理法の一部を改正する法律案に関する両院協議会協議委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  140. 上原正吉

    ○上原正吉君 只今の大野君の動議に賛成いたします。
  141. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 大野君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。両院協議委員の氏名を参事に朗読させます。    〔海保参事朗読〕 食糧管理法の一部を改正する法律案両院協議委員    金子 洋文君  小林 孝平君    野溝  勝君  羽生 三七君    赤澤 與仁君  加賀  操君    片柳 眞吉君  岩男 仁藏君    小川 久義君  三浦 辰雄君
  143. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今指名されました三案の両院協議委員はそれぞれ直ちに両院協議委員の正副議長を選挙せられんことを願います。      ―――――・―――――
  144. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員の指名を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本院において指名する委員の数は三名でございます。
  146. 大野幸一

    ○大野幸一君 只今の積雪寒冷単作地帯振興対策審議会の委員の指名は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  147. 上原正吉

    ○上原正吉君 只今の大野君の動議に賛成いたします。
  148. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 大野君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、積雪寒冷軍作地帯振興対策審議会の委員に小林孝平君、鈴木直人君、小川久義君を指名いたします。      ―――――・―――――
  150. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、船舶職員法案(内閣提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長植竹春彦君。    〔植竹春彦君登壇、拍手〕
  152. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 只今議題となりました船舶職員法案につきまして、本委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず本法案の提出の目的を申上げます。現行の船舶職員法は明治二十九年に制定されました古い法律でありまして、船舶航行の安全を確保する上におきまして不十分な点が認められるに至りましたので、このたび現行法を全面的に改正いたしまして船舶航行の安全の確保に一層寄與するために本案が提出せられた次第であります。  本法案の要点を申上げますると、その第一は、船舶職員の免許制及び免許更新制の採用であります。第二は、小型船舶に対する船舶職員制度の採用であります。小型船舶の海難の瀕発しております実情に鑑みまして、これら船舶にも小型船舶操縦士という資格を新設いたしておることであります。第三は、船舶職員の資格定員表の設定であります。第四は、海技従事者に対する監督規定の整備でありまして、海上保安庁長官に懲戒処分の権限を與えますると共に、この処分を愼重に行わせて海技従事者を保護いたしまするために聴聞の規定を設けたこと等であります。  以上御報告いたしましたうち最も中枢的規定である船舶職員の資格定員表の適用につきましては、この表が画期的な改正である点に鑑みまして、約三カ年間の準備期間を設けておりますほか、現行法により現在交付されている海技免状、試験の免除等につきまして、それぞれ妥当な経過措置を講じております。  本法案につきましては極めて熱心なる質疑が行われたのでありますが、討論に入りまして、小泉秀吉委員及び仁田竹一委員より修正案が提出されました。修正案の主要なる点につきまして御説明申上げますと、修正の第一点は、海上保安庁長官の行う懲戒処分と試験の実施に関する重要事項につきましては、海上保安審議会に諮問させることとしたことであります。第二点は、水産委員会の要望をも斟酌いたしまして、本法案施行当時、総トン数二十トン未満の小型船舶の船長の職務を行なつている者に対しましては、市町村長の証明があつた場合に限りまして、無試験で小型船舶操縦士の免許を與え得ることとしたことであります。第三点は、学術試験免除の範囲を拡張いたしまして、在学生も卒業生も、昭和二十九年八月末日、即ち新らしい船舶職員の資格定員表が実施されるに至るまでは、学術試験を免除することとしたことであります。  本委員会におきましては愼重審議の結果、本法案は修正可決すべきものと全会一致を以て議決した次第であります。なお、委員会の審議の内容の詳細は速記録にて御承知をお願いいたします。以上御報告申上げます。(拍手)
  153. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  154. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。      ―――――・―――――
  155. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、熱管理法案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  156. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事廣瀬與兵衞君。    〔廣瀬與兵衞君登壇、拍手〕
  157. 廣瀬與兵衞

    ○廣瀬與兵衞君 只今議題となりました熱管理法案につきましての通商産業委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。   本法案は衆議院議員中村純一君外二十九名の提出になるものであります。本法案の趣旨は、臨時物資需給調整法に基く熱管理規則が臨時的統制的な性格を有しておりますので、熱管理の重要性に鑑みて値久的且つ民主的な性格をその基調とする軍行法として立案されたものであります。  次に本法案が現行規則と相違する主なる点について申上げます。その第一は、指定工場の範囲に関する点であります。即ち現行規則では年間石炭使用量五百トン以上の約二千四百工場を指定しているのに対し、本案では大体年間千トン以上の約千八百工場に縮小するようになるのであります。第二点は、指定工場の事業主の義務に関する点であります。即ち現行規則では工場長に義務を課しているのでありますが、本案ではすベて事業主を対象としているのであります。第三点といたしまして、指定工場以外の中小企業に対する取扱であります。指定工場以外の中小企業に対しては、その事業主の熱管理に関する心がまえを明文化し、国又は府県庁が適切な指導を與えるという條項が入つております。  次に質疑でございますが、詳細は速記録によつて御覧願いたいと存じますが、その論点は、熱管理に対する事業主の責任と熱管理士の責任との調整に関してであります。その他、本法案全部に亘つて十分検討し、愼重な審議の結果、討論に入りましたところ、境野委員より修正案が提出されたのであります。その内容は、同法案第六條第五項、即ち「事業主は熱管理者の意見を尊重せねばならない」の項を全文削除いたしたのであります。  かくて修正案を含めた本法案を議題といたしましたるところ、社会党を代表して栗山委員より、修正案には反対、原案に賛成の意見の開陳があり、続いて民主党を代表して西田委員より、原案に反対、修正案を含めた本案に賛成の意見の開陳がございました。以上で討論を終結し、先ず修正案につきまして採決いたしましたるところ、多数を以て可決し、次いで修正案を除く原案について採決いたしましたが、これは全会一致を以て可決いたしたのであります。よつて当委員会といたしましては、本衆議院提出案は修正議決すべきものと決定いたした次第でございます。  右御報告申上げます。
  158. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。正委員長の報告は修正議決報告でございます。  先ず委員会修正案全部を問題に供します。委員会修正案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  159. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて委員会修正案は可決せられました。  次に、只今可決せられました修正の個所を除き、残り全部を問題に供します。残り全部に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  160. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。残り全部は全会一致を以て可決せられました。よつて本案は修正議決せられました。      ―――――・―――――
  161. 佐藤尚武

    ○君長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案内閣提出)、外資に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  162. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員長佐々木良作君。    〔佐々木良作君登壇、拍手〕
  163. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 只今議題となりました外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案並びに外資に関する淡律の一部を改正する法律案の両案の経済安定委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。  先ず外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。  この改正法案は、外国為替管理委員会の所掌事務及び権限を現状に即して明確にすると共に、所要の規定について整備を図ろうとするものであります。  即ち第一点は、現在外国為替及び外国貿易に関する事務は、外国為替管理委員会のほかに大蔵省、通産省、経済安定本部等に分散されております。これらの取引の手続についで、外国為替管理委員会が主となつて調整を図り、官庁相互間の事務を円滑ならしめるため、第三條の同委員会の所掌事務に一号を追加して、この点を明らかにしようとするものであります。  第二点は、この調整機能を円滑ならしめるため、第四條の同委員会の権限の第八号を書き改め、他の関係行政機関との間に協議を交換することを明らかにするものであります。  第三点は現行法では、同じく第四條の第十号において、同委員会は外国為替銀行に対し一定の制限及び條件の範囲内で監督を行うことになつております。併し関係法令の規定によりますと、この範囲を拡大し、且つ外国為替銀行以外の関係金融機関、例えば両替商のごときものでありますが、これに対しても監督を行う必要があります。そこで、この第四條第十号をこの趣旨に副うて改正ようとするものであります。  以上三点は、いずれも現にその趣旨のことを実際に外国為替管理委員会におきまして行なつており、これを條文の上におきまして明確ならしめる措置であります。なお、先日、本院を通過成立いたしました外国為替資金特別会計法により、外国為替特別会計が廃止されて外国為替資金特別会計が設けられたのでありますが、この点の字句の改正が附け加わつております。以上が本法案の大綱であります。  これに対しまして、本法案の内客及びこれと関連しまして最近の貿易、為替事情、外貨収支等の状況、それからユーザンスによる通貨増発の問題、外国為替管理委員会の機能、権限等、為替管理政策について種々質疑応答が行われましたが、その詳細は速記録に譲ることにいたします。時間の関係を以ちまして途中で質疑が打切られまして、討論に入りましたところ、藤野委員より希望意見を付して賛成、野田委員より賛成、兼岩委員より反対の意見を述べられ、採決の結果、多数を以て可決すべきものと決定した次第であります。  次に外資に関する法律の一部を改正する法律案につきまして簡單に御報告を申上げます。  政府の提案理由及び内容の説明によりますと、この改正法案は、外国投資家の投資を容易にして外資導入の促進を図るため、外国投資の株式取得に関する制限を緩和しようとしておるのであります。即ち現行法におきましては、制定当時における事情から、外国資本の投下について認可又は届出の制度をとり、日本経済の自立発展及び国際収支の改善に寄與するものに限つて投下を認めることとしておるのであります。殊に外国投資家による既存の株式の取得については、その取得が投資計画の一部であり、且つその対価が外貨又は外貨と同等の価値のあるものによつて行われる場合に限り、認められることになつております。これを本改正法律案によりまして、次のように三、四の改正をしようとするものであります。即ちその第一は、新株については配当金の海外送金を保証する必要のないときにおいては外資委員会に届出れば足りることにいたしておりますし、第二番目には、旧株につきましては依然認可制でありますけれども、その取得が外貨又は外貨と同等の価値のあるものを対価として行われる場合には、投資計画の一部でない場合でも認可し得ることと改めたのであります。なお、このほかに三番目といたしまして、外国投資家が本邦において所有する財産が強制的に収用又は買収されました場合における補償金の海外送金を明確にし、次に、外資に関する法律施行前に外国人の財産取得に関する政令の規定に基いて取得した株式についても、妥当と認められますものには、爾後配当金の海外送金を保証する途を開くために所要の改正を行おうとするものであります。  以上が本法案の内容であります。  これに対しまて各委員から熱心な質疑が行われましたが、その二三を簡單に御紹介いたしますと、第一に、資産再評価によつて発行する株式が外国投資家に割当てられた場合は新株として取て扱うべきか、旧株として取扱うべきかという質疑に対しまして、これは旧株と同様として扱つて認可を與えることになるという答弁がありました。それから二番目に、外資法施行前に取得した株式の再審査前の配当金は外貨と同等と認められない虞れがあるが、そのため、この配当金を以てすでに購入している株式については、配当金の送金保証がないわけであります。これは少し片手落ちではないかという質問に対しましては、法律の解釈運用によつて片手落ちのないようにしたいという答弁がありました。そのほか最近の安い株価の状況では、重要産業の株式を不当に買占められる心配がありはしないか。或いはこの改正は、外資法の目的であるところの経済の再建、国際收支の改善に寄與しない虞れはないだろうかというような点。又この改正に対して財界の意見がどのように盛り込まれているかというような点につきまして質疑が行われましたが、詳細は速記録に譲りまして省略することをお許し願います。  かくて質疑は打切られまして、討論を省略いたしまして採択に入りましたところ、従来本法案に対して反対的な質疑を行なつておられましたところの共産党の兼岩君が退席されておりましたので、そのほか全会一致を以て可決すべきものと決定した次第であります。  以上で報告を終ります。(拍手)
  164. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 両案に対し討論の通告がございます。発言を許します。兼岩傳一君。    〔兼岩傳一君登壇〕
  165. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私は日本共産党を代表して、只今上程された外国為替管理委員会設置法の一部改正並びに外資に関する法律改正案に反対するものであります。  現在日本の貿易は、すベて外貨予算と、その運用の任に当つております外国為替管理委員会によつて左右されております。この運営が根こそぎ自主性を失い、ひたすら外国の利益のために奉仕しているということは天下周知の事実であります。(「そんなことはないぞ」と呼ぶ者あり)日本政府自身がこれを認めておるところであります。(「ノー」と呼ぶ者あり)今回の改正は、この自主性を回復するどころか、却つてこの外国に隷属した外為委員会を強化する改悪であります。外貨予算及び外為委員会が全く自主性を失つている結果、日本人民は不当にして且つ多大な損害をこうむつたのであります。  第一に私は外貨予算運用について指摘いたします。朝鮮事変後、特需と輸出の増大によつて外貨手持は著しく増大し五億ドルに達しました。併しこのドルは、植民地的な低賃金とインフレ即ち大衆の汗と脂によつて蓄積されたものであります。従つてとのドルは速かに日本経済と国民の生活の安定のための輸入に使用されなければならなかつたのであります。然るに吉田内閣は、輸入促進については何らの手を施さず、外貨手持の増大を日本の国際信用が増したとうそぶいて、国際的物資買付におくれをとり、全く、バスに乗り遅れてしまう結果になつたのであります。世界資本主義国の大軍備拡張は着々進められ、アメリカではインフレーションが進行してドルの価値は急速に減少しつつあります。アメリカの朝鮮事変後の物価騰貴は少く見積りましても一四%に達しております。従つて、このため日本は五億ドルの、一四パーセント即ち七千万ドル、邦貨に換算して約二百五十億円余の損害をこうむつたことは明瞭であります。金はあつても物は買えず、金の価値は減少する。これは宝の持ち腐れであり、ドルの軍票化を意味するものであります。やがて輸入の促進の大事なことに気が付き、慌てて外貨予算を増加しても、博すでに遅く、相手に足許を見すかされて、べらぼうに高い物を買わねばならなかつた。今度は逆に外貨が不足となつて自動承認制をストップするという醜態を演じておる有機であります。これこそ外貨予算が自主性を失つて右往左往している誠に惨めな姿であります。  第二に、私はユーザンス及びインベントリーについて指摘したいのであります。外為の甘銀外貨貸付制度、いわゆるユーザンスによつて、輸入代金の支拂は遅れ、輸出の増大と相待つて外国為替会計の赤字は二千七百億円に上りまして、今日インフレーションの唯一にして最大なる原因となつているのであります。ユーザンスの恩典にあずかつている紡績、金属などの大資本家は、莫大な利益を上げておりながら、拂う輸入代金の支拂を遅らせ、手持資金の増大で全く悦に入つておられる。「糸へんに金と書いたがユーザンス」というのが財界の常識になつているのであります。(笑声)  こうして自主性を放棄し、大資本家にあまい汁を吸わせながら、インフレの負担は一切大衆から税金を取立てることによつてつております。人民から五百億余円の税金を收奪して外国為替会計の赤字を埋める、これがインベントリー・フアイナンスの正体であります。  第三に、外国為替会計及び外為委員会の性格について指摘いたしたい。中日貿易が禁止されましてから、日本の輸出の大部分は帝国主義者の單備拡張と朝鮮作戦のための物資でありまして、輸入の多くはこれらの戰略物資生産に必要な資材であります。これら戰時貿易のための輸出入金融を行なつております外国為替会計には、曾つての我々苦しい経験を持つたあの臨時軍事費のような性格があり、外国為替管理委員会は帝国主義の現地調弁の機関になつておるのであります。このように、外国為替管理委員会は日本人民のためにあるのではなくて、内外独占資本の利益のため、戰争経済を促進する機関となつておるのであります。吉田自由党内閣は、これを挺子として産業の軍事的再編成を促進し、いわゆる日米経済体制を着々と整備しているのであります。更に政府は、この軍事産業強化のため、必要な外資を導入し、日本産業に対する外国の支配を強化しようとしている。そのために第二の法律案として、外資に関する法律改正が、外国資本に日本の株式取得を容易にさせるために提出されたのであります。これに関連のある税法、商法等の改正と相待ちまして、日本の企業は次第にその身を外国に委ねる結果となりつつあるのであります。日本の財界の中でも、今必要なのは物資であつて外資ではないと、この法案に反対しておられるのでありますが、私はこれについては時間の関係上省略いたしたいと思います。  以上述べたように、この二法案は日本民族の将来にとつて極めて重大な問題であります。吉田自由党内閣は、講和体制が着々整備されて前途に明るい光明が輝いていると、(「その通り」と呼ぶ者あり)このように宣伝をしておられますが、事実はかくのごとく、ますます自主も独立も失い、日本の軍事的植民地化を推准ずるという、日本民族に対する最大な政治的責任を果しつつあられるのであります。これが吉田内閣の單独講和政策の本質であり、全内容であります。以上の見地から我が党はこの両案に反対するものであります。(「共産党の宣伝じやないか」「何が宣伝だ」と呼ぶ者あり、拍手)
  166. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  先ず外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案令部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  167. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  168. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に外資に関する法律の一部を改正する法律案全都を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  169. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  170. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  171. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。人事委員長木下源吾君。    〔木下源吾君登壇、拍手〕
  172. 木下源吾

    ○木下源吾君 只今議題となりました国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、人事委員会における審査の経過及び結果を御報告申上げます。  先ずこの法律案の提案の理由を申上げます。現行法は三月三十一日限りその効力を失う臨時法であり、来たる二十六年度以降においては、別に法律を以て、恩給法による恩給、国家公務員共済組合法による退職給付、この法律による退職手当及びこれらに準ずる退職給與を総合する新たな恒久的退職給與制度を制定実施することになつているのでありますが、その実施準備の状況に鑑みまして、取りあえず現行法の効力を一年間延長するため所要の改正を行おうとするものであります。  この法律案は去る二月十七日政府より提出せられ、三月二十九日衆議院において修正議決後送付せられたのであります。その修正の第一点は、別途この国会に提出せられました行政機関職員定員法の一部を改正する法律によつて、二十六年度において若干定員の削減が行われますので、その退職者にも前年度と同様な退職手当を支給しようとするものであります。修正の第二点は、政府原案においては施行期日が公布の日となつておるのでありまするが、来る二十六年度予算実行上の要請により退職した職員で閣議で定める者に対しては、改正施行前においても附則に定める有利な退職手当を支給しようとするものであります。本法案に関しましては、三月五日提案理由の説明を聴取し、数回に亘り審議を行なつたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることといたします。かくて本日に至り質疑も終了し、討論に入りましたところ、千葉委員より反対、紅露委員、森崎委員よりはそれぞれの要望を付して賛成、加藤委員より賛成の討論があり、採決を行いました結果、多数を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。
  173. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 本法律案に対し討論の通告がございます。発言を許します。千葉信君。    〔千葉信君登壇〕
  174. 千葉信

    ○千葉信君 私は労働者農民党を代表いたしまして、本法案に反対の意見を表明するものでございます。  国家公務員等の退職手当に関する現行の法律は、過ぐる第七国会において、僅か二三日の期日を残す切羽詰まつた終末の二十五年の四月三十日に本人事委員会に付託せられ、十二分の審議を盡す余裕もなくして可決制定せられた経緯を持つものでございまして、今回も又前回同様法律の有効期限ぎりぎりに衆議院から送付せられて参つたものでございます。現在の法律を審議した第七国会における提案理由の説明によれば、昭和二十六年度以降においては退職手当に関する恒久的な制度が新たに制定実施されることとなつているので、従前の政令の規定をそのまま踏襲することを前提としたという説明でございました。法律の名称にも明らかな通り飽くまでも臨時措置として了解せられておつたものであることは明らかな事実でございます。然るに政府は、その後の経済事情の急激なる変動、失業者は巷に溢れ、一度仕事を失つた者の就職の見通しは極めて困難である現状に眼を蔽いまして、昭和二十四年に提出されました政令の内容をそのまま適用せしめんとするものでありまして、その間、立案に当つての一片の誠意すらも酌み取ることもできないと言わざるを得ないのでございます。具体的内容の一例を挙げて言うならば、近く解散を予定される公団その他政府関係機関の例をとつて見ても、かかる困難なる経済情勢下において、従来通り動続三年以上のものは三カ月分という規定等にも何らの改正を加えず、そつくりそのまま適用しようとする、これが如何に現在の情勢にそぐわないものであるかということは、次の例によつても明らかなことでございます。即ち三月十二日衆議院大蔵委員会の速記録によりますれば、全会一致を以て弐のような修正案が可決せられているのでございます。即ち「従来の本法附則の適用を受けておつた公団その他政府機関は、成立後二年或いは三年という短期間のものが多かつたので、特に附則を設けて特別の退職手当を規定しているのでありますが、これらは昭和二十六年度に亘つても整理を続けられるものであり、一方、恩給法の改正も間に合わなかつたので、一年間この法律の適用を延期することになる。従つて勢い動続期間も延びることになるので、特に動続四年以上のものにはそれ相応の手当を出そう」という、極めて尤もな修正理由に基いて提出せられ、而も総員起立、全会一致を以て修正議決せられておるのでございます。不十分とは言いながらも一応この大蔵委員会の努力には全く敬意を表して本院に回付せられるのを待つておりましたところ、三月二十九日に至りまして、突如として前述の点を除いて骨抜きになりました形骸だけの修正案が自由党提出案の名の下に回付せられて参つたのでございます。御承知でもございましようが、こういう態度というものは、私どもの経験を以てすれば、我々の同僚小川友三議員が曾つて変節政論の理由を似て除名された経験を持つておるのでございます。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)これは非常にこの大蔵委員会の態度というものは奇々怪々なものであると私は言わざるを得ないと思うのでございます。(拍手)  次に本決案が国鉄専売職員をそのまま適用範囲に包含しようとする問題でございます。即ち本改正案によつて殆んど現行のままの形の法律が一年延長されることとなれば、その第一條に明らかなごとく、日本専売公社及び日本国右鉄道の職員は当然本法の適用が延長実施される結果となるのでございます。これは国鉄、専売公社のいわゆる公共企業体としての存在意義を無視するものと言わざるを得ないのでございまして、即ち公共企業体労働関係法第八條にも明らかな通り、これらの職員の賃金その他労働條件に関しては明らかにこれを団体交渉の対象として、これに関する労働協約を締結できることを規定しているのでございます。従つて当然これは法律によつてその額を規定すべきものではなくして、当事者間の協約に委ねるべきことは明らかでございまして、法的見地よりいたしましても、又実情から考えましても、これらの職員に対し本法の適用を除外すべきものと結論せざるを得ないのでございます。  以上の諸点より考えましても、従来政令を間に合せに踏襲したこの臨時措置を更に一年間そのまま延長実施せしめんとする本改正案に対しましては、我々労農党の立場から絶対に反対の意を表明せざるを得ないものでございます。以上を以て私の反対討論といたします。(拍手)
  175. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  176. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。1正十重
  177. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、昭和二十六年度政府関係機関予算補正(機第一号)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  178. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。予算委員会理事佐多忠隆君。    〔佐多忠隆君登壇、拍手〕
  179. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 只今議題となりました昭和二十六年度政府関係機関予算補正(機第一号)につきまして、その内容及び委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。  この補正予算は近く設立を予定されております日本開発銀行に関するものであります。日本開発銀行は、長期資金の供給を行うことにより、経済の再建及び産業の開発を促進するため、一般の金融機関が行う金融を補完し又は奨励することを目的として設けられるものでありまして、その資本金は設立当初におきましては百億円とし、政府昭和二十六年度において米国対日援助見返資金特別会計からその全額を出資することといたしております。なお必要があるときは、大蔵大臣の認可を受けて予算の範囲内でその資本金を増加することができることとなつているのであります。日本開発銀行の收入支出予算は、日本輸出銀行の例に倣い、事業損益のみを計上いたしておりまして、資金の貸付、余裕金の運用等は収入支出の予算外に経理いたすこととなつております。日本開発銀行の昭和二十六年度の收入予算は、貸付金利息、余裕金運用利息及び雑收入を合せまして、事業益金として五億二千六百余万円を予定し、又支出予算は、役職員の給與その他の事務費及び税金を事業損金として八千五百余万円、予備費として四千万円、合計一億二千五百余万円を計上いたしております。日本開発銀行の設立に伴いまして、復興金融金庫は昭和二十六年度末までに政令の定める日を以て解散いたすこととなつておりまして、その権利義務は解散の時に日本開発銀行が承継することとし、復興金融金庫の解散の時における政府の同金庫に対する出資金は、日本開発銀行に対する貸付金となつたものとみなすことにいたしております。  さて、本案の審査に当りましては、池田大蔵大臣より提案理由の説明を聞いた後、質疑を行なつたのでありますが、その詳細は会議録によつて御承知を願うことといたしまして、ここでは専ら財政に直接関連した問題だけに限つて若干御報告いたすにとどめたいと存じます。  先ず第一に、日本開発銀行の資本金百億円は米国対日援助見返資金特別会計の経済再建費から支出するとのことであるのでありますが、昭和二十六年度の総合資金計画では、この経済再建費七百五十四億円は一応予備として、支出されない計算になつているのであるから、この支出によつて総合資金計画は変更されるかとの質疑に対し、開発銀行の資本金は経済再建費から支出されるが、他方、私企業支出三百五十億円のうち四十五億円を不用額に立て、又資金運用部の金融債の枠四百億円を五十五億円だけ圧縮する等の措置をとれば、総合資金需給見込には変更はないとの答弁があり、更にこれに関連して、見返資金私企業支出のうち四十五億円はこのように不用額となることが当初からわかつておるとするならば、その予算を修正する必要があるのではないかとの質疑があり、これに対し、項の金額の一部を不用額とするかどうかは予算執行上の技術的な問題で、法制上予算修正の必要は認められないとの答弁がありました。  第二に、日本開発銀行の資本金は設立当初において百億円であるが、これでは到底不十分なことは明らかである。将来その資本金を増加するについてどのような方法を考慮しているかとの質疑に対し、差当り見返資金からの出資金百億円のほかに復金回收金等による法定出資がこれに加わるのであるが、なお、将来更に必要に応じて見返資金の支出或いは一般会計よりの繰入れによつて資本金を増加することができるとの答弁がありました。  第三に、日本開発銀行の予算には損益収支のみが計上されており、資金の貸付、余裕金の運用等は予算から外されておるのであるが、この銀行の業務が政府産業資金計画と合致して行くように、大体の枠と大きな方向とを與えるために、これを予算に計上するのが合理的ではないかとの質疑に対し、銀行業務は産業経済の実情と必要とに即して機動的に行わるべきで、有能な理事者が政府の意を対して、而も独自の立場において自主的に運営に当るのが最も適当で、予算で縛るのは却つて不合理だと思うとの答弁がありました。  第四、日本開発銀行の設立に伴い、復興金融金庫は本年度までに解散することとなつているが、復金の功罪をどのように評価しているのか、又復金と開発銀行との間にはどのような性格の相違があるのかとの質疑に対しまして、復金の欠点は、第一に政府の復金業務に対する監督が余りに強く、運営上に相当の統制が加えられたことと、その資金を日銀の信用造出によつたため、生産が増強される以前にインフレを引き起した点にあるが、開発銀行においてはこれらの点を是正して、銀行の業務運営に政府が直接關與しないで、銀行自体が自主的にこれに当ることとし、又その資金はすべて政府に蓄積されたものであつて、日銀の信用造出によるものではないとの答弁がありました。そのほか日本開発銀行に関する金融上或いは経営上の諸問題について質疑応答が行われたのであります。  以上を以て質疑を終了し、討論に入りましたところ、先ず木村委員より労働者農民党を代表して原案に反対、平岡委員より自由党を代表して原案に賛成、岩間委員より日本共産党を代表して原案に反対、山田委員より日本社会党を代表して原案に賛成、藤野委員より緑風会を代表して原案に賛成、竹中委員より国民民主党を代表して原案に賛成、最後に東委員より第一クラブを代表して原案に賛成の旨を述べられました。  かくて討論を終局し、採決の結果、本委員会に付託されました昭和二十六年度政府関係機関予算補正(機第一号)は多数を以て可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手)
  180. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。木村禧八郎君。    〔木村禧八郎君登壇、拍手〕
  181. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 私は労働農民党を代表いたしまして只今上程されました補正第一号に反対するものであります。  只今佐多君から説明がございましたように、この日本開発銀行は、長期資金の供給を行うことによつて経済の再建及び産業の開発を促進するため、一般の金融機関が行う金融を補完し又は奨励することを目的とするということになつておりまして、この目的自体は私は賛成なのであります。日本経済自立の三カ年計画、これを実行するためにも、長期資金の蓄積、又この投資が重要であるということは、これはもう言うまでもないことなのであります。併しながらこの予算の裏付けとなるこの日本開発銀行の中身を検討して見ますと、どうしても我々の承服できない点があるのであります。その承服できない点は大体四つでございます。  その第一は、その資金調達によりまして中小金融或いは農漁業金融が圧迫される公算が非常に大きいということであります。言葉を換えて言えば、これは中小金融或いは農漁業金融圧迫の銀行になると思うのであります。その証拠には、この資金の百億を調達するために、そのうち四十五億を見返資金の中の私企業に投資する分からこれを割愛して、そうして日本開発銀行のほうにこれを振向ける。そのために見返資金で予定しておりました私企業投資分、これはその枠を外されて開発銀行のほうの投資に振向けられるのであります。更に又残りの五十五億円は先ほど佐多君から説明がありました通り、預金部で引受ける金融債四百億のうち五十五億、これを圧縮しまして、そうして開発銀行のほうにこれを振向けるということになるわけであります。この預金部で引受ける金融債四百億のうち五十五億、(「政府委員まじめに問いとれ」と呼ぶ者あり)この枠を圧縮するということになりますと、農林中金、商工中金、或いは興銀、こういう所に行く預金部の金融債引受の資金がそれだけ削られるわけなんです。大蔵大臣の答弁によりますと、成るべく農林中金のほうの資金融通の枠に食い込まないようにしたい、そうして興銀の枠に食い込むようにいたしたいと、こういう答弁をいたしているのですが、そうすると興銀を通ずる中小金融を圧縮すると思うのですが、大蔵大臣は興銀は必ずしも中小金融ばかりに投資しているのではないと言われましたが、併し実際においては結局中小金融のほうの枠を圧縮するという、そこに「しわ」が寄つて来ることは明らかであります。こういうよう資金調達の方法はこれは適正でない。中小金融、中小企業者、或いは農漁村において金融の非常に詰つて、非常に困つている際に、こういう資金の調達の仕方をして、そういうような方面に対する金融を圧縮して、開発銀行が大企業融資のほうにこれを振向けるという仕方は、私は適正でないと思うのであります。更にまたこの銀行法案自体には金融債を発行する規定はないのでありますが、将来大蔵大臣が金融債を発行して預金部で引受けるような、而もそれはです、見返資金のうちに経済再建費として予定されている七百四十億のうちからこれを振向けたいと、こういうふうに言つておるのであります。見返資金のうちの七百四十億の経済再建費については、これは補正予算を組まなくてもよい、国会で七百四十億という運用の枠を與えられたのであるから、これはもう補正を組む必要がないのだと大蔵大臣は言つているのでありまして、七百四十億はどういうふうに使われようともすでに国会において政府の使うままに任されてしまつたわけであります。その中から将来この開発銀行のほうにこれを振向けられる。又債券を発行して預金部にこれを引受けさせますと、地方金融、又こういう中小企業、農漁村金融を圧迫するようになつて中小企業金融、農漁村金融と大企業金融との調整、これが私は適正を欠いて行くと思うのです。そういう点について、そういうことにならないようにするという、又ならないようになるという規定はないのであります。こういう意味でこの予算案に賛成できないのであります。  それから第二に反対せざるを得ない理由は、この予算案の裏付けとなる銀行の性格かはつきりしないのです。而も非常に不明朗なわけであります。復興金融金庫とこの銀行との違いはいろいろありますが、特に重要な点は、復金が資金の貸付については委員会、そういうものを作つて資金の貸付については監督があつたわけであります。紐が付いておつた。ところが今度の銀行の場合には紐がないのです。そうしてその運用は一に総裁或いはその他の役職員に任されるのでありまして、全く監督の機会がないのであります。而もこの銀行は復金を引継ぐのでありまして、復金が解散して、そうしてこの銀行がこれを引継ぐのであります。これまで復金は世上いろいろな疑或を招いたのであります。復金が清算の段階にあり、整理の段階に入る場合に、どういうふうにしてこれを整理するかということが非常に重要なのでありますが、それをこの銀行に引継いでしまうと、今度はもう監督がないのでありますから、紐が付かないのでありますから、どういう形で復金のこれまでの貸付が整理されて行くか、これはわからない。私はなぜ復金をこの銀行に吸収するか理由がわからない。復金は復金として、これまでのように非常に世上に疑惑を招いたのである。或いは整理銀行として残して置き、そうして復金で回收した資金を開発銀行に出資すればよろしい。復金をこの銀行が引継いでしまう。引継いで、そうして監督の紐をここで切つてしまうということは、非常に我々に疑惑の目を向けさせるものであります。こういう非常に性格に承服しがたい点があるのであります。(「知つててごまかしているのだ」と呼ぶ者あり)  それならば、監督の紐が切れるならば、この銀行においての資金運用の計画が大体我々に明らかにされておるのならば、まだ了承できると思うのです。ところが当局の説明を聞きますと、全然資金計画がない。資金計画がないのが特徴である。そうして総裁及びその役職員に、どこに貸すか全部仰せるのである。(「そうだ」と呼ぶ者あり)こういうことになつておるのです。日本経済自立三カ年計画、或いけ又それが二十六年度予算の裏付けになつておるのですが、それに関連して資金計画というものがあるのでありますけれども、この資金運用については、全然資金の計画がないのであります。その点、我々は賛成できない第三点でありますが、  その資金計画がないということを仮に我々が譲るとしましても、そういう資金計画がないならば、この運用は総裁及び役職員に任されるでありますから、この総裁及び役職員の任命ということが非常に重要であると思うのです。この総裁、役職員が適正な人物であるならば、まだ我々は了承できると思うのですけれども、従つて非常に立派な人物を総裁その他役職員にするらば、これは任命については、国会の承認を得るべきであります。(「焦り」と呼ぶ者あり)ところが国会の承認は要らない。総理大臣が任命すればいいのであります。而もすでに伝えるところによれば、この総裁は非常に政党色の強い小林中氏が予定されておるのです。(「そうだ、不都合だ」と呼ぶ者あり)小林中氏は周知のごとくいわゆる吉田側近の人と言われ、白洲氏と非常に昵懇の間であつて、政党色が著しく強いことはもう明らかであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)伝えられるところによれば、金融界でもこれは反対であり、大蔵省の役人も反対である。そういう人を総裁にしてどうして大蔵省が公正にこの資金運用を監督できるか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)その責任は持てないというので大蔵事務当局は反対であるのです。(「よく聞いておけ」と呼ぶ者あり)而も金融界においても反対であると言われています。併しながら一万田日銀総裁は、反対すると日銀総裁の椅子が危いというので、あえて反対しないので、妥協して、そうして日銀総裁の椅子に(「黙つて聞け」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)居据るのに成功したのではないかと伝えられておるのですが、そういう疑惑が起るだけでも私は非常に不明朗だ。(「勝手なことを言うなよ」「勝手じやない、事実だぞ」「独断だ」と呼ぶ者あり)私は銀行局長に聞いたのですが、こういう非常に重要な(「そんなことはわかりやしないよ」と呼ぶ者あり)この銀行の総裁を任命する場合、政党色があつていいかどうか。銀行局長は原則論としてそれはよろしくないと、こう言つております。併しこの開発銀行については、総理大臣が総裁を任命するのであるから、意見は述べられないと言つておるのです。このように非常に政党色が強い人が予定されておるのです、すでに。これは非常に不明朗だと思います。これは第二の復金になる公算が大きい。まあそういう疑惑を持たれても仕方がない。或いは又これは自由党の私設機関になる危險もある。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そういうようにも疑われても仕方がない。(「その通りだ」「嘘を言うな」「事実だ」と呼ぶ者あり)若しそういう疑いを持たれることがいやであるならば、この総裁の任命についてはもつと公正な方淡によるべきで、国会の承認を得るようにしたならば、そういう疑惑を封ずることができると思うのです。なぜ国会の承認を得ることがいやなのか。(木村守江君「労農党の批判は要らんよ」と述ぶ)なぜ国会の承認を得て公正にそういう人の人選をすることに反対なのか了解に苦しむのであります。(「労農党の批判は要らん」「ノートを取つて筆記しろ」「覚えておけよ」「何を言つてる」と呼ぶ者あり)  実はこの法案の中身を検討して見ますと、(木村守江君「労農党の口出しは要らん」と述ぶ)不明朗極まるのであります。(「勉強しろ」「少し教えてやらんと…頭が悪いから」と呼ぶ者あり)木村さんはこの法案の内容を御存じないのです。ないから、そういうことを言われておるのであります。よく御検討になれば、そう木村さんが、がみがみ言われるようなことはないのです。(笑声)こういう非常に重要な法案であります。非常に重大な法案でありますので、こういう法案、而もこれの総裁をきめることは最も公正な方法においてやるべきです。(「勝手なことを一人できめて言うなよ」と呼ぶ者あり)このようないろいろな点は仮に譲るとしましても、最後のこの人事の問題に関してはどうしても我々は譲ることはできない。(「そうだ」と呼ぶ者あり)こういう意味において、甚だ遺憾でありますが、(「木村はもつと勉強しろ」と呼ぶ者あり)労働者農民党としてはどうしてもこの予算案に賛成することができないのであります。(拍手)
  182. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了しました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。(「恥を知れ、恥を」と呼ぶ者あり)    〔起立者多数〕
  183. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手      ―――――・―――――
  184. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 参事に報告させます。    〔佐藤参事朗続〕 本日内閣から、予備審査のため左の議案が送付された。よつて議長は即日これを農林委員会に付託した。  農漁業協同組合再建整備法案本日衆議院から、予備審査のため左の議案が送付された。よつて議長は直ちにこれを厚生委員会に付託した。  保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案(青柳一郎君外九名発議)本日衆議院から、左の内閣提出案を受領した。よつて議長は即日これを農林委員会に付託した。  農漁業協同組合再建整備法案本日衆議院から、左の議案を提出した。よつて議長は直ちにこれを厚生委員会に付託した。  保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案本日委員長から左の報告書を提出した。農漁業協同組合再建整備法案可決報告書  保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案可決報告書      ―――――・―――――
  185. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、農漁業協同組合再建整備法案(内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  186. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員会理事西山龜七君。    〔西山龜七君登壇、拍手〕
  187. 西山龜七

    ○西山龜七君 只今議題となりました農漁業協同組合再建整備法案について、農林委員会における審査の経過及び結果を御報告申上げます。  先に成立いたしました農業委員会法に関する審査報告の際にも申上げましたように、只今我が国農政上速かに解決しなければならない問題は数多くあるのでありますが、取分け農業協同組合及びその連合会等の再建整備を図りますことは極めて緊要な問題と考えられますので、参議院農林委員会におきましては、かねてこの問題の解決のため鋭意努力を拂い、速かにこれが対策の確立を推進いたしておりましたところ、本日漸く本法律案が提案の運びとなつたのであります。その内容についてはなお満たされないところはありますが、併し今回の措置に対しましては、農林委員会においては関係者の労を多とし、以て本案の審査に当つたのであります。  本法律案の内容は、不振組合又は連合会をして、一定の期日から五ヵ年以内に固定化債権又は固定化在庫品を資金化し、自己資本から欠損金を控除した金額を固定資産の価額以上たらしめ、その他財務状況を所定の基準に適合せしめる等、再建整備の目標條件を満たすように、方針の確立、組合員の協力強化、事業執行の改善、欠損金の補填、出資金の増加並びに債務の更改及び弁済等を内容とする再建整備計画を立てしめ、これに対し行政庁は、助言、斡旋及び指導等の援助をなすと共に、増資奨励金及び固定化資金利子補給金を交付することとなし、併せてこれに伴つて行政庁の検査等の措置を規定せんとするのが主眼でありまして、委員会におきましては愼重且つ迅速な審議を遂げ、討論に入り、池田、片柳、江田、岩男各委員よりそれぞれ希望を付して賛成せられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決せられました。右御報告申上げます。(拍手)
  188. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  189. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      ―――――・―――――
  190. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  191. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員会理事小杉繁安君。    〔小杉繁安君登壇、拍手〕
  192. 小杉繁安

    ○小杉繁安君 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案委員長報告要旨。  只今議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきましての厚生委員会における審議の経過並びにその結果について御報告申上げます。  本案は衆議医院員提出の法案であります。先ず提案理由の大要を申上げます。現行法は第二国会において制定されたものでございます。当時におきましては、素質の向上を図るために、甲種看護婦養成所、乙種看護婦養成所ともに厚生大臣の指定を必要とし、その設置條件は厳格であつたために、現状におきましてはその設置数は従前より減少し、卒業生も又減員いたしたために、国民保健上必要な数を確保することが困難となつて参つたためであります。厚生委員会におきましては、愼重審議をいたしましたところ、各委員より極めて熱心なる質問がありましたが、質疑応答の詳細は速記録により御覧願いたいと思います。かくて質疑を打切り、討論を省略して採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手)
  193. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  194. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)議事の都合により暫時休憩いたします。    午後九時四分休憩      ―――――・―――――    午後十時二十九分開議
  195. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。参事に報告させます。    〔海保参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。日本開発銀行法案可決報告書      ―――――・―――――
  196. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、日本開発銀行法案(内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  197. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事大矢半次郎君。    〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
  198. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 只今上程せられました日本開発銀行法案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本案は、我が国の経済再建及び産業開発に必要な長期設備資金を供給する政府機関として、日本開発銀行を設立しようとするものであります。  御承知のごとく、長期産業資金の緊要性については、つとに唱道されて来たところであり、政府としても従来より証券市場の育成、証券投資思想の普及による自己資本の充実化、又は金融債の発行による産業資金の確保を図る等、種々の施策を実施いたしておりますが、何分にも資本蓄積の乏しい現段階においては所期の成果を挙げ得るものとは期待されませんので、この際、全額政府出資による独立の金融機関を設立し、一、開発資金で銀行その他の金融機関から供給を受けることが困難なものに貸付ける。二、開発資金の調達のために発行される社債で証券業者等が応募又は引受をすることが困難なものに応募する。三、銀行その他の金融機関の貸付にかかる開発資金の返済に必要な資金を貸付け、又は返済資金を調達するために発行される社債で証券業者等が応募又は引受をすることが困難なものに応募することの業務を行おうとするものであります。  而してその運用資金としましては、昭和二十六年度において差当り百億円を米国対日援助見返資金特別会計からの出資を以て充当いたそうとするものであります。なお、日本開発銀行の設立に伴いまして、昭和二十六年度の一定の時期において復興金融金庫を解散いたすこととなりますが、その権利義務を承継した後におきまして、回収金は原則として一般会計からの新らしい出資金となることといたしております。更に日本開発銀行の業務運営の基本方針として、全額政府出資からなる金融機関たる性格に鑑み、役職員の地位、大蔵大臣の監督、予算編成及び執行、経理その他の面において可及的に無用の拘束を少くし、その能率的運営を期そうといたすものであります。  さて、本案審議に当りましては、各委員と政府委員との間に熱心なる質疑応答が交されたのでありますが、その詳細は速記録により御了承願いたいと存じます。かく工質疑を終局し、討論に入り、下條委員より希望を付し賛成、小林委員より日本開発銀行の融資実績を委員会に提出されたいとの希望を付した賛成意見が述べられ、次いで木村委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申上げます。(拍手)
  199. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。岩間正男君。    〔「しつかりやれ」「ゆつくりやれ」「簡單心々」と呼ぶ者あり〕[岩間正男君登壇、拍手〕
  200. 岩間正男

    ○岩間正男君 日本共産党は只今議題となりました日本開発銀行法案に対しまして反対するものであります。  反対理由の第一点といたしましては、開発銀行の性格に関してであります。そもそもこれは誰のための如何なる銀行であるか。伝えるところでは、これはダレス特使の構想に基くものだと言われておるのであります。日米経済協力問題との関連で、開発銀行のことが予算委員会で論議の焦点となつたのでありますが、この問題につきまして池田蔵相に質しましたところ、開発銀行は最初から政府が予定していたところのものであつて、今更事新らしい問題ではないと、うそぶいているのであります。併しながらその後の情勢の推移によつて蔵相の最初考えておつた構想に大きな変化を生じたことは争えない事実であります。そして、それが又法案の提出が遅れて、今日ここに、こういう形で通過しなければならないようにこれが提案されておるというような原因でもあるのであります。先ずその資金内容を見ますと、見返資金百億がここでは出されることになつておるのでありますが、見返貸金の経済再建費からの出資百億円ということになつておりますが、そのために私企業投資四十五億は削除されることになるのであります。つまり経済再建費からの五十五億と私企業投資からの四十五億がその内容をなしているのであります。ここで先ず考えられることは見返資金の性格であります。講和後の━━━━の目的を明らかに持つた紐付き投資によりまして今後開発銀行が運営されるのであろうということは、この銀行の性格を考える上に非常に重要であります。開発銀行が外国の利益奉仕をその第一の任務としていることは、これによつても明らかだと言わなければならないのであります。吉田内閣の経済再建とは、およそ、こうした意味のものであることを我々は銘記しなければならない。更に資金としまして今後繰入れられるものに復金の回収金があります。復金につきましては国民のにがにがしい経験があるのであります。終戰後のどさくさにまぎれまして、日本の大資本は復金融資でさんざんあまい汁を吸つた。その額は一千四百億にも上つているのであります。而もこれによつて生じたいわゆる復金インフレの尻拭いはすべて国民の税金で行われたのであります。おまけに貸付けられた金はなかなか返されない。漸く返されたと思えば、それはもう国民のふところには戻つて来ないで、再びこの開発銀行を通じまして大資本の利益のために奉仕することになるのであります。これでは全く踏んだり蹴つたりでありまして、いつも犠牲にさらされるのは大衆と言わなければならないのであります。こうしたやり方は、單にこれにとどまつているわけではないのであります。更にこの開発銀行は数百億の債券を発行いたしまして資金運用部に引受けさせようとしているのであります。言うまでもなく資金運用資金は、これは後ほども上程されて問題になることと思うのでありますが、大衆の零細な預貯金から成つておるのであります。その性格から言つても、当然これは大衆の利益増進のために還元さるべきものであります。それは今更言うまでもないことなんであります。それを地方債増額の血の出るような要求には一切耳をかさないところの政府も、開発銀行にはこのような莫大な出資をやすやすと許そうとしておるのであります。否、むしろ、こうした企みを暗々裡に推し進められておつたればこそ、下からの大衆の叫びには固く殻を閉ざしていたというのがその真相であろうと思うのであります。このようにしまして、大衆の犠牲によつて一方的に注ぎ込まれた金は、市中銀行では貸せない、つまり採算のとれない緊急な時局産業に投資するというのでありますから、これほど大衆収奪による資本蓄積を露骨に現おした銀行はないのであります。なお、この運営につきましては、内閣総理大臣の任命した総裁が直接これに当り、融資の決定その他多くの権限は殆んど総裁に一任されることになつておるのであります。而もこのことは表面上のことであり、これは今までも例がたくさんあることでありますが、これによつて蔭からの外国支配が、より一層たやすくなされることは明瞭な事実であることを、我々は指摘しなければならないのであります。  反対の第二の理由といたしましては、この銀行を通じて日本の経済は今後ますます外国に隷属し、金融の源を一切(「簡單々々」と呼ぶ者あり)外国に握られるということであります。これは平和産業とはおよそ縁遠い方向に日本の経済を導くことにほかならないのであります。すでに述べましたように、開発銀行は、復金回收金、見返資金或いは資金運用資金などの国家資金を将来一手に握り、これを時局産業に注入するものであります。日本産業がいわゆる日米の経済協力体制に再編成されつつあります今日、時局産業とは言わずと知れたアメリカ軍拡経済の下請であるところの軍需産業であると言わなければならないのであります。(「共産党はソヴイエトの下請じやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)伝えられるところによれば、この銀行は将来外債を発行するなどの方法で外資導入の受入機関になると言われておるのであります。野次るならもつとはつきわわかるように野次つてもらいたい。(「共産党はソヴイエトの下請だ」と呼ぶ者あり)こうして開花銀行は、曾つて日本の対満対安投資機関、或いは朝鮮、台湾の拓殖銀行のように、帝国主義者の軍事的植民地化を促進する道具となることは明らかである。これは国際開発銀行の日本支店であると言うことができる。(「共産党はソヴイエトの支店でやないか」と呼ぶ者あり)政府は開発銀行は自主的に運営できると言つているのでありますが、このように頭のてつぺんから足の爪先まで外国に隷属するように仕組まれておるのであつて、これは、あたかもあの西遊記の孫悟空を思わせるものがあるのであります。(「共産党はソヴイエトの支店じやないか」と呼ぶ者あり)つまり政府の言う自主性とは、自分で如何に三千世界を飛行したような昂奮と錯覚を覚えていようとも、要するにそれは支配者の掌から一歩も抜け出すことのできないところの奴隷の自由であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)一たびどこかで誰かが呪文を唱えますと、頭の金の輪がきりきりと骨肉に深く嵌り込んで、全身はそのためにしびれ、全くその自由を失つてしまうのであります。その嵌金花帽の金の輸こそは、ほかならないこの開発銀行でありまして、国際帝国主義者の奴隷的支配の機関であることには何ら変りはないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)言うまでもなく民族の真の自由と独立を求めて闘う我我日本共産党は、このような奴隷的支配機関でありますところの開発銀行創設の法案に対しましては断乎反対せざるを得ないのであります。(拍手)
  201. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。  討論は絡局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  202. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)      ―――――・―――――
  203. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第二百二十五の請願議題といたします。  先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員九鬼紋十郎君。    〔九鬼紋十郎君登壇、拍手〕
  204. 九鬼紋十郎

    ○九鬼紋十郎君 只今議題となりました請願第千三百七十六号、統制経済に関する請願について、経済安定委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。  この請願日本中小企業連盟から提出されたもので、最近の情勢から再び世人の重大関心事となつた経済統制について中小企業の立場から意見を述べております。その内容は、統制は極力避け、止むを得ざる物資についてのみ最少限度の統制を行われたいとの趣旨であります。委員会におきましては、審査の結果、統制が中小企業の圧迫にならないようにという観点から、この請願の要旨を妥当と認め、議院の会議に付して内閣に送付を要するものと決定した次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手)
  205. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本請願委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  206. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ―――――・―――――
  207. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 参事に報告させます。    〔海保参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  資金運用資金法案可決報告書  資金運用部特別会計法案可決報告書  資金運用資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案可決報告書  郵便貯金特別会計法案可決報告書会計法の一部を改正する法律案可決報告書      ―――――・―――――
  208. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、資金運用資金法案、資金運用部特別会計法案、資金運用資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、郵便貯金特別会計法案、会計法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出衆議院送付)、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか、    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  209. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長小串清一君。    〔小串清一君登壇、拍手〕
  210. 小串清一

    ○小串清一君 只今上程せられました資金運用資金法案、資金運用資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案資金運用部特別会計法案、郵便貯金特別会計法案、会計法の一部を改正する法律案の本委員会における審査の結果について御報告を申上げます。(「落ちついてやつてくれ」と呼ぶ者あり)  これら法案の提案の理由並びにその内容、その他質疑応答は、委員諸君が非常な熱心を以て微に入り細に亘つてお調べになりましたが、これらはすべて速記録によつて御了承を願いたいと存じます。(拍手)  討論採決の結果、一部反対の意見もありましたが、多数を以て原案通りに可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。  なお、この案の決議の後に杉山委員より、かよう決議に対する意見として発表がありましたから、このことをちよつと読んで御報告申して置きます。「資金運用資金法による簡易保險及び郵便年金積立金の統合運用は、現下の経済事情に鑑み非常臨時の措置として止むを得ないものと認めるが、能う限り近い将来において、郵政省にその運用移管し、両事業経営の正常化と資金の地方還元とに支障なからしめる必要がある。」という意見が(「元気がないぞ」と呼ぶ者あり)発議されまして、各委員諸君からこれについて多数の賛成があつたことを附加えて報告いたして置きます。  以上簡單でありますけれども御報告いたします。(「ひどいよ」「非民主的だ」と呼ぶ者あり、拍手)
  211. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。千葉信君。    〔千葉信君登壇、拍手〕
  212. 千葉信

    ○千葉信君 私は労働者農民党を代表して本法案に反対いたします。(「簡單簡單」と呼ぶ者あり)  第五回国会において、衆議院、参議院とも全会一致を以て決議案を可決し、(「簡單々々」「議長、取締つて下さい。時間内に討論できない」「時間の外になるぞ」と呼ぶ者あり)「簡易生命保險及び郵便年金積立金の(「もつとはつきりしろ」と呼ぶ者あり)運用は、元来、(「時間が過ぎてもいいのか」と呼ぶ者あり)事業経営と不可分一体をなし、(「できないならやめてろ」と呼ぶ者あり)事業者みずからこれに当ることを本則とする」から、「政府は速かに適当の措置を講じ、本積立金の運用管理を常態に復すべきである。」と、その意思を明らかにしておる。この決議趣旨が未だに種々の事情に妨げられて実現を見なかつたことは止むを得ないとしても、本決議の根本精神は、国会みずからが理由を明らかにして撤回しない限り、国会の権威にかけて飽くまでも守り通すべきものであつて、本法案の目的が郵政省に属する簡易生命保險積立金の運用権を無條件に剥奪せんとするにある以上、この意味からは、不遜にも国会に対して真正面から挑戰するものと言わざるを得ないのであります。(「その通り」「全く頭がいい」と呼ぶ者あり)政府昭和二十四年九月十六日の閣議において(「違うぞ、しつかりやれ」と呼ぶ者あり)第五回国会における参議院及び衆議院の決議趣旨に鑑み、簡易生命保險及び郵便年金積立金は郵政省において直接運用すべきであることを決定しこの旨、関係方面に懇請しているのであります。更に昨年七月二十五日の閣議においても、簡易生命保險及び郵便年金特別会計の予算は、昭和二十六年一月以降両積立金を郵政省が直接運用するものとして編成すべきことを決定し、既定方針を確認しているのであります。然るに政府はこれらの方針に反して今回の法案を提出して参りました。かかる政府の無節操振りは徹底的に糺彈されなければならないし、又そのことこそが国会の最大の責務であると思うのであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)今回のドツジ書簡によつて、本積立金の運用管理を常態に復することは当分の問はむずかしいかも知れないが、併しながら国会の決議に言う本積立金の運用は事業者みずからがこれに当ることを本則とするという基本的観念は、いささかも変更の必要はないわけであり、将来必ず木積立金の運用管理を常態に復すべきことは論議の余地がないのであります。従つて国会の権威にかけて、郵政省の本積立金運用権を恒久的に剥奪せんとするこの法案を修正して、将来適当の時期に必ず本積立金の運用管理を常態に復すべき旨が本法案の上に明記されることが当然必要となるのであります。  本法案に対する衆議院本会議の討論は、賛否の両者ともいずれも簡易生命保險及び郵便年金事業に同情する論調を以て終始したのでありまして、党議によつて原案賛成を余儀なくされた與党議員諸君は、採決の状況を目のあたり見るに忍びなくて、これに先だつて早くもおのおの退席してしまつたたねに、議場は定足数を欠きなが而も強引にこれを可決してしまつておるのであります。    〔「その通り」と呼ぶ者あり〕  その事実を以てしても、本法案が如何に無理無体なものであるかということをはつきりと立証するものであると考えるものであります。(「そうだ」「同感」と呼ぶ者あり、拍手)我が参議院は良識を以て、衆議院のこの轍を踏まないように、少くともこの際、諸君がまじめな気持を以て本法案の(「異議なし」と呼ぶ者あり)採決に当られんことを衷心から希望するものであります。(「賛成々々」「その通り」と呼ぶ者あり)  以上を以て私の討論を終ります。(拍手)
  213. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 大野幸一君。    〔大野幸一君登壇、拍手〕
  214. 大野幸一

    ○大野幸一君 私は只今上程されました資金運用資金法案に対し、日本社会党を代表して反対を表明せんとするものであります。(拍手)  本法案は、今国会における政府提出法律案中、最も重要なるものの一つでありますが、それだけに我々も国民も納得し了解し得る内容のものでなければならぬのであります。然るにこの法案は、その内容に重大なる欠陷を包蔵しておるものでありますが、この点は後に述べることとし、先ず諸君の心配になるのは、本法案の通過を見なかつた場合に、第一は、金融債の引受が不可能となり、ために財界の混乱を引起すという不可解な主張が行われておることでありましよう。併しこれは何らの根拠がないものであります。その理由を申上げますれば、即ち昭和二十一年一月二十九日のマーケット指令第四項により、国債及び地方債の需要を充たした後、なお余裕金あるときは、銀行に対する貸付乃至銀行債の買入をなすことが認められ、ただ実行上の條件として司令部の承認を要することになつており、又国内法的に見ても、預金部預金法第四條及び預金部資金運用規則第一條により、銀行、金庫等の発行にかかる債券の応募、引受若しくは買入又はこれらに対する貸付ができることになつておるのであります。現に大蔵省は、本年一月及び二月中において、金融債の引受及び買入九十七億円を実行し、三月中において四十九億五千万円の引受及び買入を予定しておるほか、いわゆる金詰り緩和のため今日まで約百億円を市中銀行に預託し、滞貨金融のため約八十一億円を預金部から放出しておるのであります。故に、本法案が不成立になつても、司令部に懇請して承認を受くるの努力をなすならば、四月以降においても金融債の引受をなす途は開かれているのでありまして、財界を混乱させる、こういう説をなすものは、本当に一部の者の官長に過ぎないのであります。この宣伝にごまかされてはいけません。  次に、第二は、本法案不成立とならば、郵便貯金の利子支拂が不可能となり、預金部職員の給料支拂にも支障を生ずるという説をなす者がありますが、簡単な予算の修正を施すか、或いは二十六年度予算中、資金運用部とあるは預金部と読み替える旨の單行法を出し、その間は郵政特別会計において貯金利子を、共済組合等において職員給料を立替えればよいのであつて、価ら懸念を要しないのであります。一首でこれらの救済の法案は通過するものであります。  さて本法案の実体について最も重大なる欠陷は、政府資金の統合運用に急にして、角を矯めて牛を殺すがごとき愚をあえてしておる点であります。即ち簡易保險や郵便年金のごとき任意加入の保險事業において、積立金の運用管理は当然事業経営と一体をなすベきであります。ここで皆様に御紹介申上げたい記録を読みましよう。松本烝治先生は簡易保險法の生みの親であります。この人が九十三回の簡易生命保險積立金の委員会におきまして、簡単に省略いたしますが、「詰り簡易生命保險の仕事は一つの一体の仕事である。契約の募集維持等の現業から、資金運用等の管理まで、すべて一体を一なして一つの保險事業ができている。これを分けて他省に持つて行くということは飛んでもない間違いである。」(拍手)「そういうような考えはどういうイデオロギーから出ておるか知りませんが、少くとも実際から言つても話にならぬ間違いである。」こう喝破されておるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)而も簡易保險が世界に誇る発展を遂げたゆえんも、創始以来いわゆる資金の地方還元を忠実に実行して、事業と加入者と地方団体との三者の利害が一致したためであるのであります。現に今次の大戰中においてさへ簡易保險積立金の一部を地方還元に向けておつたではありませんか。  若しも本法案がそのまま通過成立るにおいては、これこそ二十六万郵政従業員の士気を阻喪せしめるほか、六千万加入者に還元すベき利差益を減少せしめ、折魚の簡易保險事業を衰退せしめ、ために資本蓄積に逆作用を引起すことは必至であるのでありましよう。これは単なる杞憂にとどまらず、殷鑑遠からずイギリスの郵便保險にあるのであります。つとにわが参議院においてはこの修理に照らし、又澎湃たる国民の輿論に顧みて、第五国会において各党共同提案の下に運用権の郵政省復元を決議したこと、特に、つい数日前にも数多のこの運用権の郵政省復元の請願陳情をこの議場において満場一致を以て採択し、内閣に送付した事実あることは、與党諸君といえども記憶に新たなるところと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)  これを要するに、従前のごとく郵政省をして金融財政国策に順応しつつ資金運用を行わしめるにおいては、大蔵省に何らの支障を與えず、而も事業の加速度的発展と資金蓄積とに至大の効果をもたらすのであつて、この観点より近き将来において運用権を郵政省に復元する法的措置を講ずることが絶対必要であります。このみやすい道理を見失い、徒らに統一を焦る原案に対し、私は絶対に反対せざるを得ないものであります。  又ここにおきまして、この簡易生命保險の作られたる当時の一ページをあなたがたに御紹介いたしまして参考に供したい。  そもそも大正五年三十七回帝国議会における積立金の運用に関する質疑応答中……、よく読んで見ましよう。積立会の運用に関しては次のような論争が行われております。当時の小山松壽君、「斯業により蓄積せる資金は社会政策的に使用する由なるも、如何なる方法か具体的に明示ありたい。」箕浦逓信大臣が答えられている。「或いは産業組合に或いは労働者に対し家屋等の供給に使用する等、その方面は種々あるも、財政上の急に応ずるため使用するが如きは絶対に避ける。」と書いてある。吉植庄一郎氏の間は、「零細なる地方の資金を集めてこれを中央の金庫に集中するは一層地方金融を洞、渇せしめる結果となる。資金運転に関する政府の意見如何。」こうあります。箕浦逓信大臣は、「資金は勿論一般財政の運用に供するが如きは絶対に避くべく、」一般財政の運用にそれをするがごときは絶対に避くベきと、こう言われております。「或は産業組合その他に貸付け、或は細民の為に貸長屋を建つる等、專ら社会政策の事業に使用する。」と、こう言つておられるのであります。又更に「他日違反の行為あれば、いわゆる行政監督権を有する議会においてこれを責むる力を有し、国論もこれを許さないのである。」と答えておるが、現に政府は臆面もなくこの法案を出して来た。我々は行政監督権を持ち、而も新憲法による最高主権者としてこれを責むる力がどうしてないでありましようか。(「その通り」と呼ぶ者あり)続いて国論もこれを許さないのである。」国論はすでに統一されています。衆参両院においては満場一致でこの復元を決議したではありませんか。国論はすでに統一されているのであります。我が参議院は先般国会審議権尊重の決議をこれ又満場一致で可決しております、我々はみずから今日国会の自主権を確保したいと念じます。衆議院においても参議院においても、本法案には全く不満で、各党一致した修正案を用意いたしました。関係方面は正式にはこれに対してイエス、ノーの回答はまだありません。これは我が国会の審議權を尊重されておるものであると解して何ら差支えないではありませんか。(拍手)民主主義陣営の一角から民主主義の原則が崩れるようなことはあり得ないものであるということを我々は確信いたさなければなりません。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)我ら議員は、口に独立を唱えながら心の底に独立心を養うべき心がなかつたならばどういたしましよう。財は一夜にして雲散霧消のごとくにして失われるときがある。大衆のために残された先輩箕浦逓信大臣、大衆のため、零細民のため残された箕浦通信大臣のこの記録は、燦として光つて、今や諸君に紹介されました。賢明なる同僚諸君ならば本法案に対して反対せられるものと確信いたしまして、私の反対の意見を表示したことにいたします。(拍手)
  215. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 須藤五郎君。    〔須藤五郎君登壇、拍手〕    〔「簡単に願います」と呼ぶ者あり〕
  216. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 ゆつくりやります。  私は日本共産党を代表して資金運用資金法案並びにこれに関連する法案に反対するものであります。  第一に「これらの法案は、郵便貯金、簡易保險及び郵便年金等の国民大衆の零細な預貯金や、二十数種に上る特別会計の積立金、余裕金を集中統合して、予算上は一千五百億と言つているが、余裕金等を合せると実に二千億以上に上る厖大な資金を大蔵省が独占的に支配運用ようとする画期的な制度の確立を目指しておるものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)そもそもこれらの資金は、本来これを生み出したところの国民大衆の生活向上と発展のために使われなければならないことは言うまでもないところであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)然るに内外の独占資本は、二千億に達するこれら資金を一切独占し、これを挙げて軍需生産に動員しようとしておるのであります。郵便貯金、簡易保險等が預金部に統合されたのは、実に昭和十八年、日本帝国主義支配者が戰争を強行するために大衆の零細預金までも戰費に投入するためであつたのであります。これが第一の反対の理由であります。  第二に、国会の審議権を無視されておることであります。実に自由党の諸君までが「両院で決議され、閣議で二回も決定したものがどういうわけで短かい間に引つくり返つたのかわからない」と、国民に納得の行く説明を求めておるのであります。池田蔵相は、「あれが間違いで、これが正しいのだという問題でなくて、こうしたこともあろうし、ああしたこともあろう」と答えておるのであるが、国民を愚弄するも甚だしいものであります。(拍手)日本共産党は、国会の審議権を飽くまでも守るために、政府のかかる態度を断乎追及するものであります。  第三に、それでは政府は何故このようにしてまでこれを強行するのであるか。戦後種々の美名の下に、政府は旧支配体制の温存と復活政策をとり続けて来たのでありますが、今や朝鮮問題を契機として、大軍拡計画に歩調を合せ、その下請として日本経済を隷属せしめんと全力を挙げているのであります。池田蔵相は金融債の発行について、「預金部には余つている金がある。簡易保險や郵便貯金等の急速な資本の蓄積を国債或いは地方債にのみ運用しておるのでは、預金部の金が溜るばかりで、寝かして置くようなものだ。そういう金を早く出したいというので、本年度二百億、来年度四百億の金融債を出す」と言うておるのであります。又見返資金の肩替りは、対日援助資金の減少によつてその威力を失いつつある外国独占資本の支配力を、いつまでもその肩替りという名称の下に温存しようとする企らみであることは明らかであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)又我々がしばしば指摘したごとく、いつでも再軍備のために使える資金を余裕金の名で四百三十億も抱え込んでおるのであります。これは誠に驚くべきことであります。地方財政委員会では地方債二百七十五億の増額を要求しておるのに対して、政府は僅か九十億しか認めていないのであります。これらは治山、治水、教育費、失業対策等々のために地方自治体が求めておる血の出るような声であります。預金部資金があるではないかという人民の声は、全国の知事会議や市町村長会議にも強く反映され、本院にも続々とその増額要求の決議が寄せられておるのであります。全逓信労働者二十六万も又声を合せてこれに反対しております。これは彼らが激しい労働強化と職制の圧迫の下に血の歩むような苦心をして集めた金であるからであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)官側の威圧によつて加入成績を挙げるために、百姓の手伝いをしてそこの人たちを加入させたり、自分自身や家族までも加入させて、自腹を切つてまで目標達成に追い立てられて集められた金であります。(「考えて見ろ」と呼ぶ者あり)このようなでたらめなやり方は、三割、四割にも及ぶ失効、解約となつて現われておるのであります。政府は実に、このように人民をおどし、労働者を搾り上げて集めた資金まで、挙げて公共の利益のためにという美名をかぶせて独占的支配の強化のために提供しようとしておるのであります。この結果、中小企業や平和産業資金の途を閉ざされ、破壊し盡されてしまうでありましよう。首切り、労働強化と弾圧によつて、人民の窮乏と奴隷化は更に促進されるでありましよう日本人民の生活の安定と向上のために、平和産業の確立と発展のために闘つておる日本共産党は、このような悪法に断乎反対するものであります。(拍手)
  217. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。   これより採決をいたします。   先ず資金運用資金法案全部を問題に供します。本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色葉を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  218. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 投票漏れはございませんか……投棄漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を参事に計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  219. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百二十七票、白色票即ち本案を可とするもの八十四票、(拍手)青色票即ち本案を否とするもの四十三票、(拍手)  よつて本案は可決せられました。(拍手)      ―――――・―――――    〔参照〕  賛成者(白色票)氏名 八十四名   結城 安次君  村上 義一君   前田  穰君  藤森 眞治君   藤野 繁雄君  早川 愼一君   高田  寛君  田村 文吉君   杉山 昌作君  島村 軍次君   西郷吉之助君  小林 政夫君   小宮山常吉君  片柳 眞吉君   加藤 正人君  加賀  操君   小野  哲君  楠瀬 常猪君   長島 銀藏君  木村 守江君   宮本 邦彦君  秋山俊一郎君   高橋進太郎君  仁田 竹一君   宮田 重文君  上原 正吉君   石川 榮一君  九鬼紋十郎君   加納 金助君  平沼彌太郎君   大矢半次郎君  城  義臣君   植竹 春彦君  岡崎 真一君   西川甚五郎君  小野 義夫君   鈴木 安孝君  寺尾  豊君   黒田 英雄君  岩沢 忠恭君   一松 政二君  黒月  武君   横尾  龍君  中山 壽彦君   小串 清一君  工藤 鐵男君   小杉 繁安君  中川 以良君   飯島連次郎君  廣瀬與兵衞君   野田 卯一君  加藤 武徳君   長谷山行毅君  松平 勇雄君   古池 信三君  平井 太郎君   白波瀬米吉君  安井  謙君   岡田 信次君  愛知 揆一君   石村 幸作君 池田宇右衞門君   入交 太藏君  島津 忠彦君   木内キヤウ君  鈴木 恭一君   大島 定吉君  郡  祐一君   山田 佐一君  西山 龜七君   堀  末治君  團  伊能君   大屋 晋三君  平岡 市三君   左藤 義詮君  小林 英三君   深川榮左エ門君  岩男 仁藏君   駒井 藤平君  小川 久義君   境野 清雄君  木内 四郎君   森 八三一君  三浦 辰雄君  反対者(青色票)氏名 四十三名   新谷寅三郎君  柏木 庫治君   金子 洋文君  門田 定藏君   藤原 道子君  野溝  勝君   若木 勝藏君  三橋八次郎君   原  虎一君  高田なほ子君   片岡 文重君  荒木正三郎君   菊川 孝夫君  山田 節男君   三輪 貞治君  田中  一君   松永 義雄君  大野 幸一君   曾祢  益君  細川 嘉六君   須藤 五郎君  岩間 正男君    兼岩 傳一君  千葉  信君    木村禧八郎君  堀  眞琴君    水橋 藤作君  鈴木 清一君    梅津 錦一君  重盛 寿治君    東   隆君  佐多 忠隆君    千田  正君  堀木 鎌三君    松原 一彦君  内村 清次君    矢嶋 三義君  木下 源吾君    棚橋 小虎君  三木 治朗君    下條 恭兵君  上條 愛一君    森崎  隆君      ―――――・―――――
  220. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に、資金運用部特別会計法案、資金運用資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案以上両案を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  221. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。(拍手)      ―――――・―――――
  222. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に郵便貯金特別会計法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  223. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)      ―――――・―――――
  224. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  225. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)      ―――――・―――――
  226. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 参事に報告いたさせます。    〔佐藤参事朗読〕 本日議員杉山昌作君外二名から委員会審査省略要求書を附して左の議案を提出した。    資金運用資金法に関連する簡易保一險郵便年金積立金運用に関する決議案  内容を朗読いたします。     資金運用資金法に関連する簡易保險郵便年金積立金運用に関する決議    資金運用資金法による簡易保險及び郵便年金積立金の統合運用は、現下の経済事情に鑑み非常臨時の措置として止むを得ないものと認めるが、能う限り近い将来において、郵政省にその運用権を移管し、両事業経営の正常化と資金の地方還元とに支障なからしめる必要がある。  よつて政府においては、以上の趣旨に基き、誠意をもつて善処するとともに、運用権を郵政省に移管する以前においても、右の趣旨実現に努力せられんことを強く要望する。   右決議する。      ―――――・―――――
  227. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、資金運用資金法に関連する簡易保險郵便年金積立金運用に関する決議案(杉山昌作君外二名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  228. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては杉山昌作君ほか二名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  229. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。杉山昌作君。    〔杉山昌作君登壇拍手〕
  230. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 只今上程されました資金運用資金法に関連する簡易保險郵便年金積立金運用に関する決議案につきまして、提案の趣旨を説明申上げます。  先ず決議案文を朗読いたします。    資金運用資金法に関連する簡易保險郵便年金積立金運用に関する決議   資金運用資金法による簡易保險郵便年金積立金の統合運用は、現下の経済事情に鑑み非常臨時の措置として止むを得ないものと認めるが、能う限り近い将来において、郵政省にその運用権を移管し、両事業経営の正常化と資金の地方還元とに支障なからしめる必要がある。   よつて政府においては、以上の趣旨に基き、誠意をもつて善処するとともに、運用権を郵政省に移管する以前においても、右の趣旨実現に努力せられんことを強く要望する。   右決議する。  簡易保險及び郵便年金積立金の運用につきまして、戦時中からこれを大蔵省預金部に統合運用して参つたのであります。併しながらこの保險事業或いは年金事業の運営から申しますと、この積立金の運用を保險の募集若しくは年金の募集と切離しまして運用するということは、事業全般から考えて甚だ不得策であるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)必ずこの両方はこれを一括運営することにおきまして初めて保險又は年金の事業というものは栄えるものであります。(「然り然り」と呼ぶ者あり)従つて本院におきましても、この趣旨を以ちまして、かねてこの資金運用を郵政省に移管すべきであるという決議をいたしたのでございます。今回、資金運用資金法の制定に当りましては、あたかも郵政省に運用権を移管するの好機であると我々は考えまして、この機会に両事業経営の正常化と資金の地方還元とに支障ないような方途を講じたいということを期待もし、又その実現に努力いたしたのでありまするが、四囲の情勢上その実現を見るに至らなかつたことは誠に遺憾とするところであります。(「悪いのは大蔵大臣だ」と呼ぶ者あり)かくのごときことを長く継続するにおきましては、将来におきまするところの簡易保險或いは郵便年金事業を衰退せしめ、従つて政府が企図しておりまするところの資金の収益、貯蓄の増加ということもできないのでありまして、私は一日も早くこれを郵政省に移管いたしまして、両事業の正常化を図ることの必要を痛感するものであります。(拍手)  以上の趣旨を以ちまして、私は本院の今まで考えて参つたところの決意を更に確認すると共に、政府に向いまして速かにこれが善処を要望したい。これが私のここに提案をいたした理由でございます。何とぞ御賛成あらんことをお願い申上げます。(拍手)
  231. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  232. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて決議案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)  只今の決議に対し大蔵大臣より発言を求められました。池田大蔵大臣。    〔国務大臣池田勇人君登壇〕
  233. 池田勇人

    ○国務大臣(池田勇人君) 只今の御決議に対しまして、我々も至極尤もだと感じておるのであります。もともと本院並びに衆議院におきましてもこの趣旨決議がございまして、来年度予算編成に当りましても、その決議趣旨によつて一応予算を組んだのでありまするが、現下の金融財政諸事情から、又いろいろな点から、只令御決議のありました法案を提出いたした次第でございまするが、これは臨時的の措置でございまして、将来適当な機会に只今の御決議に副うように善処いたしたいと考えておるのであります。(拍手)      ―――――・―――――
  234. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 参事に報告させます。    〔海保参事朗読〕 本日関税定率法の一部を改正する法律案両院協議委員において正副議長を左の通り互選した。         議長 大矢中次郎君        副議長 松永 義雄君本日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議委員において正副議長を左の通り互選した。         議長 植竹 春彦君        副議長 内村 清次君本日食糧管理法の一部を改正する法律案両院協議委員において正副議長を左の通り互選した。         議長 野溝  勝君        副議長 片柳 眞吉君本日両院協議委員議長から左の報告書を提出した。  関税定率法の一部を改正する法律案  両院協議会成案成立報告書本日衆議院から左の両院協議会成案を受領した。  関税定率法の一部を改正する法律案  両院協議会成案      ―――――・―――――
  235. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会成案(衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  236. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  参事に成案を朗読させます。    〔海保参事朗読〕  関税定率法の一部を改正する法律  案両院協議会成案  衆議院議決案附則第一項中「四月一日」を「五月一日」に改め、同第五項別表乙号七〇五を次のように改める。   七〇五      合成染料       六 建染染料        乙 その他             二割   その他は、参議院議決案の通りと  する。
  237. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 先ず協議委員議長報告を求めます。両院協議委員議長大矢半次郎君。    〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
  238. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 只今から関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会の審議の結果及び結果を御報告申上げます。  両院協議会の本院側の議長としては不肖私が、副議長としては松永義雄君が互選されましたが、なお、衆議院側の議長は石田博英君、副議長は倉石忠雄君でありました。先ず抽籤により衆議院側の石田博英君が議長となり、衆議院側から政府提出案に対する衆議院修正の内容に関し次のような説明がありました。  その修正の第一点は、「とうもろこし」ほか七品目について一年間無税とすること。その第二点は、炭化水素沖中ガソリンその他についてそれぞれ一割の減税を行うこと。その筑三点は、人造藍を除いた建染染料に関し、政府原案において二割五分の課税を、当今の間一割五分としておるのに対し、一年間とすることにしたことであります。  次いで本院側から、衆議院送付案に対する修正の内容につき、一、こうりやん、菜種及びからし菜の種についての一年間の免税、二、産業近代化促進のため、国内生産の困難な産業設備機械類に対する一年間の免税、更に第三点として、建染染料工業近代化の完成が期待される現状に鑑み、その保護の趣旨から、これが減税措置を行わないこと等の説明があつたのであります。  かくて協議に入り、衆議院側より、建染染料を除く他の部分については本陣の主張を容れ、建築染料については税率を向う一年間二割とすることの提案があり、本院側はこれに同調することに決定いたしたのでありますが、更に衆議院側より関税定率法改正のごとき重要な法律は、公布の日から施行期日までの問に通常は一カ月くらいの余裕期間を設けるのが常識であるから、本法律施行を一カ月延長して、昭和二十六年五月一日から実施することについての提案があり、本院側もこれに同意して、その成案を得、採決の結果、全会一致を以て決定した次第であります。  次にその成案を朗読いたします。   関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会成案   衆議院議決案附則第一項中「四月一日」を「五月一日」に改め、同第五項別表乙号七〇五を次のように改める。   七〇五 合成染料        六 建染染料         乙 その他               二割   その他は、参議院議決案の通りとする。  以上簡單ながら御報告申上げます。(拍手)
  239. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより成案の採決をいたします。関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会成案全部を問題に供します。成案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  240. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。(拍手)よつて本案は可決せられました。    〔「進行々々」「議長休憩宣言」「変なものくつつけるなよ」「休憩だよ、議事がなければ」と呼ぶ者あり〕
  241. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 議事の都合により暫時休憩いたします。    午後十一時四十四分休憩      ―――――・―――――    午後十一時五十三分開議
  242. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  参事に報告させます。    〔海保参事朗読〕 本日衆議院から左の議案を提出した。よつて議長は直ちにこれを大蔵委員会に付託した。  関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案本日委員長から左の報告書を提出した。  関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案可決報告書      ―――――・―――――
  243. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程に追加して、関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  244. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長小串清一君。    〔小串清一君登壇、拍手〕
  245. 小串清一

    ○小串清一君 只今上程せられました関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の委員会における審議の経過を御報告申上げます。  本案の提案理由並びにその内容は速記録を以て御了承を願います。なお、その内容は、只今配付されました印刷物にありますから、これによつて御了承を願いたいと思います。  委員会においては討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決しました。  右御報告申上げます。
  246. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  247. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。  次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後十一時五十五分散会      ―――――・――――― ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 中小企業金融促進に関する決議案  一、日程第二 港湾運送事業法案  一、日程第三 有線放送業務運用の規正に関する法律案  一、電力再編成に関する緊急質問  一、日程第四 地方税法の一部を改正する法律案  一、日程第五 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案  一、国際放送の再開促進に関する決議案  一、日程第六 農産物検査法案  一、日程第七 結核予防法案  一、日程第八 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案  一、日程第九 郵便貯金法の一部を改正する法律案  一、日程第十 郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第十一 郵便法の一部を改正する法律案  一、日程第十二 農林漁業資金融通特別会計法案  一、日程第十三 公庫の予算及び決算に関する法律案  一、日程第十四 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法案  一、常任委員長辞任の件  一、常任委員長の選挙  一、日程第十五乃至第二十九の請願  一、日程第二百三十一乃至第二百三十四の陳情  一、日程第三十乃至第六十一の請願  一、日程第二百三十五乃至第二百四十五の陳情  一、日程第六十二乃至第百一の請願日程第二百四十六乃至第二百五十の陳情  一、日程第百二乃至第二百二十四の請願  一、日程第二百五十一乃至第三百六十の陳情  一、日程第二百二十六乃至第二百三十の請願  一、日程第二百六十一乃至第二百六十三の陳情  一、漁船保險法の一部を改正する法律案  一、納税貯蓄組合法案  一、議員久松定武君、中井光次君及び森下政一君辞職の件  一、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員の選挙  一、関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員の選挙  一、食糧管理法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員の選挙  一、積雪寒冷單作地帶振興対策審議会委員の指名  一、船舶職員法案  一、熱管理法案  一、外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案  一、外資に関する法律の一部を改正する法律案  一、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案  一、昭和二十六年度政府関係機関予算補正(機第一号)  一、農漁業協同組合再建整備法案  一、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案  一、日本開発銀行法案  一、日程第二百二十五の請願  一、資金運用資金法案  一、資金運用部特別会計法案  一、資金運用資金法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案  一、郵便貯金特別会計法案  一、会計法の一部を改正する法律案  一、資金運用資金法に関連する簡易保険郵便年金積立金運用に関する決議案  一、関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会成案  一、関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案