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1951-01-30 第10回国会 参議院 本会議 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年一月三十日(火曜日)    午前十時十八分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第六号   昭和二十六年一月三十日    午前十時開議  第一 国務大臣演説に関する件(第四日)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、国務大臣演説に関する件(第四日)。  昨日に引続き順次質疑を許します。細川嘉六君。    〔細川嘉六登壇拍手
  4. 細川嘉六

    細川嘉六君 私は日本共産党を代表して、総理大臣吉田茂君の施政演説に関する質問をいたします。吉田君の施政演説を貫くものは講和に関する方針であり、その方針根本となつているものは国際情勢に関する現内閣認識であります。私はこの認識を中心として質問します。吉田君は、日本極東共産主義制圧の一勢力として期待される国際的環境にあると述べられた。昨日労農党議員木村君も指摘されたが、私もここに吉田君の国際情勢に関する考え方の根本があると思う。ここに嚴粛に考うべき重大問題があります。日本の現在の国際的地位はますます重大となつて来ております、この地位世界平和の確保と独立と繁栄の方へ、或いは第三次世界戰争の惹起と破滅の方へ向けるか。平和と独立。そして生活の安定と向上を願う日本国民にとつて吉田君のこの極東共産主義制圧方針は一体果して如何なる結果を生むであろうか。この方針民族の将来を憂え、国を愛する者の途であるか。この方針は又日本民族に隣接するアジア十億民衆の憎悪と反抗とを一層激成し、我々日本人アジアにおいて孤立させないと言えるか。吉田君は講和について安全保障が問題となると述べられた。無論その安全を求めることは当然である。ところで現実我が国の安全を脅しておるものは何であるか、どの国であるか。吉田君らは中華人民共和国朝鮮人民業利国、或いはソ同盟我が国侵略するかのごとく強弁し、国民大衆にこれを呑み込ませることにこれ努めている。これは全く古くさい手である。それは三十年前から、近くは吉田君も一役買つた洲事変以来の日本帝国主義者宣伝であつたものである。一体この三十年間に何が起つたか。ソ同盟及び中国からの侵略はあつたか。事実は逆にソ同盟侵略をしかけたものは日本帝国主義であり、フアシスト・ドイツであつたことは明らかである。ソ同盟は革命の当初から終始一貫平和政策を堅持し続けて来たことはすでに三十余年の実績がこれを証明している。冷静な事実に即した国際情勢の判断のためにこの点に関し吉田君の答弁を求めます。(笑声)  今日、アメリカを初めいわゆる自由諸国軍備拡張体制の強化に狂奔し、人民を苦しめている。これに反し、ソ同盟人民の福祉を拡大する平和建設の発展のために戰後第二回目の五カ年計画の実行に直進している。これは誠に際立つた世界的対照であります。根本的に言つてソ同盟には独占資本もない。経済資本主義諸国のごとき経済恐慌には襲われず、従つて戰争手段として他国侵略することによつて社会体制を維持しようとする何らの根拠もないのであります。この点については我が党の兼岩議員が先きの国会で述べられたことであるが、吉田君はそれに対してそれは宣伝であると答えられた。世界政治に最も重要な地位と役割を持ち、アメリカよりもより地理的に近い隣国ソ同盟及び中国に関する三十年来変らぬ盲目振りは驚きにたえたものであつて、戰前の軍部内閣と全く異なるところがありません。第二次世界大戰の惨禍の中から生まれた中国朝鮮人民民主主義諸国のいずれにしても、他国から侵略される場合を除き、ソ同盟同様平和政策国策として堅持していることは事実の証明しておるところであります。現に中ソ同盟條約第一條には、日本、或いは直接間接に侵略行為の上で日本と結託せんとする他の如何なる国家の新たな侵略と平和の破壊をも制止すると述べ、第二條には、中ソ両国は、第二次世界戰争のときの同盟国と共にできるだけ短期間の間に共同で対日講和締結を獲得することを保証する旨を述べているのであります。想像もできない侵略デマ宣伝をするよりも、身近の我が国内の状態を見るがいい。我が国の工業はどしどし軍需工場化されている。軍事道路は続々建設されている。重装備にいつでも転化し得る警察予備隊海上保安隊は傭兵として訓練され、増強されんとしておる。軍事基地は増強されている。経済財政の自主権はどこにあるか。国民は重税の下敷となつて働く意慾を失いかけておる。現に我が国侵略するものはどこの国であるか。現在日本状態は、戰前日本帝国主義が作つたいわゆる独立国洲帝国と何の異るところはないのであります。(拍手)このことは国民大衆が毎日の生活において苦しみ、体験しているところである。ここに我が日本共産党全面講和早期締結、再軍備反対━━━━━即時撤退を主張して、労働階級は無論、農民、中小企業者民族資本家を含む広汎な民主民族戰線の先頭に立たざるを得ない根拠があります。(「嘘をつけ」と呼ぶ者あり)総理大臣吉田君及びその同調者共産主義者による第五列的侵略危險がありと言われるが、それはかくのごとき現実事態国民大衆の眼から蔽い隠し、その当然の権利を主張し、興起する人民大衆に対する彼らの恐怖心を合理化する手段である。(「そうだ」と呼ぶ者あり、笑声我我国民に取つて外国の力による安全保障の必要がどこにあるか。その必要は現政府の代表する内外の大資本家のための主張である。総理大臣吉田君がこの道理を否認するとすれば、それは白を黒とする思考力の狂いである。(笑声)事実として日本侵略する国はない。従つて国民に取つて軍備の必要はない。総理大臣吉田君は、再軍備は軽々に言うべきではないと言つているが、必要がないとは言つていない。(「そこだ」と呼ぶ者あり)日本をして反共、反ソ、反中国基地たらしめようと声明している限り、その再軍備が如何なる形にせよやがて表面化することは明々白々であります。社会党議員勝間田君の言によれば、両軍備は橋の袂に差しかかつていると言われておるが、事実としてはすでに橋を渡つておる。ここに中ソ同盟條約の指摘している危險があるのであつて、この事実は何びとの限をも蔽うことはできません。総理大臣吉田君は、全面講和理想論であつて、実現不可能であるとしてその責任を中ソ両国に帰しているが、隣国に対し一方の手でかような重大な脅威を與え、実害を與えながら他方の手でこれとの講和の身振りをするがごときことは、果してものの道理に適つたものでありましようか。(「適つておらん適つておらん」と呼ぶ者あり)即ち実に隣国を敵国視し、全面講和を妨げつつある張本人は現政府とその同調者である。日本産業平和産業として発展し、軍事基地が廃除され、警察予備隊が解散され、人民大衆民主主義が徹底する場合、善隣諸国との平和友好関係が直ちに実現することは、火を見るよりも明らかである。このことを期待しているものはソ同盟であり、中華人民共和国である。この中ソ両国がこれを内容とした講和を直接に政府に提起した場合どう対処されるのでありましようか。総理大臣吉田君の御答弁を求めます。(「答弁」「はつきり答弁」と呼ぶ者あり)いわゆる国連軍朝鮮において今日危機に立つておりまするが、この際アメリカ独占資本代表者は対日講和の下準備として、カイロ宣言ヤルタ協定ポツダム宣言に違反し、琉球、奄美大島、小笠原諸島を軍事基地たらしめんとし、更に南樺太、千島、澎湖島、台湾の帰属を未決定のものとする方針を示している。これは戦争中に連合国一致して確立したる国際秩序蹂躪せんとするものである。国際協定破壊せんとする国際帝国主義者陰謀は、戦前日本帝国主義の夢が醒め切れない吉田政府とその追随者を煽つているのである。これはあたかも吉田君が曾つて言われた、いわゆる人魚の魅惑的な歌声に合せ踊つているものと言つて差支えない。国際協定を勝手に破棄して世界の平和が保てるか、我が国の安全が保障されるか。総理大臣吉田君の御答弁を求めます。  吉田君は二つ世界共存し得ないという信念を持つて、昨年八月の外交白書においても、又この度の施政演説においてもこの趣旨を述べられた。更に吉田君はアメリカとこれに追随するいわゆる自由諸国の目的が必ず究極の勝利を改めるであろうと述べられた。この二つ世界共存が不可能であるという認識根拠について吉田君の所信をお聞きしたい。そもそもこの二つ世界共存し得るという確信は、故ルーズベルト大統領の提案に基き、連合国一致国連憲章において拒否権が規定されたことによつて明らかであります。この拒否権国連の創立当初から、特に社会主義国資本主義国との共存を確認しなければ、世界平和が確保され得ないという五大国の確認に基いたものであります。然るにこの数年間、特に最近に至つて━━━━━━━独占資本世界支配を反映して、ソ同盟国連安全保障理事会における拒否権を制限し、剥奪するために全力を挙げ、お互いの立場をそれぞれ認め合うというこの原則をふみにじらんとしているのであります。このことは五大国の確認した世界平和に対する挑戦であり、第三次世界大戦の危険を増大させている根本原因であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)総理大臣吉田君がこの二つ世界共存し得られるものではないと主張し、更に領土の帰属に関する国際協定を破棄せんとする陰謀に乗ろうとするならば、国連憲章ポツダム宣言を蹂躪し、第三次世界戦争挑発着たる罪を負わなければなりません。(〔その通り〕 と呼ぶ者あり)吉田君の御答弁を求めます。  ところが現実世界の平和を擁護せんとする勢力は、驚くべき急速度で世界的規模において増大し、強化されておる。昨年ワルシャワにおける第二回世界平和擁護大会には、積極的に平和の意思を表明した世界人口五億の代表者が集つておる。今やソ同盟東ヨーロッパ諸国中国等約八億の人民大衆世界平和の擁護に起ち上つている。又インド、フイリツピン、マレー、ビルマ、インドネシアの諸民族は、朝鮮民族と同様に国際帝国主義侵略に対し全力を挙げ、常々と戦いながら独立と自由と平和の旗を高く掲げている。フランス、イタリー、イギリス等はもとよりアメリカ勤労大象も又平和擁護陣営に参加しております。(「三百万」と呼ぶ者あり)この十幾億の平和愛国勢力を何人がいかなる力でこれを征服し得るか。(拍手ソ同盟中国東ヨーロツパの平和を国是とする諸国生産力は又戦前以上に飛躍し、原子爆彈水素爆彈アメリカ専有物でなくしておる。更に平和を守り抜かんとする巨大なるこの民衆平和勢力は、前古未曾有に強化しておるのであります。(「それが新らしい世界の事実だ」と呼ぶ者あり)更に資本主義諸国間の関係はどうかと見るに、他の同僚議員諸君も言及されたが、朝鮮停戦問題、新中国国連加盟問題をめぐつて、現在アメリカイギリスその他諸国の間にもそれぞれの対立が増大しておる。これらの諸国内においては、又━━━━━軍備拡張の負担に耐え切れない勤労大衆反抗勢力はますます増大しておる。吉田君はこの資本主義諸国状態と、このヨーロッパからアジアにかけての外国資本の暴圧と戦争挑発に対して戦争反対平和擁護のために、全面講和のために起ち上つておる十何億人民大衆の巨大な平和勢力とを比較する能力がありますかどうか。吉田君はアメリカ外交評論雑誌フォーリン・アフエアーズ正月号に「来るべき講和條約は、日本歴史始つて以来最初の敗戦国としての條約である。恐らく日本国民にとつては苦い條約と思うが、我々は懲罰としてこれを受け入れる用意がある」と述べておられる。何たる腰抜けである、(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)何たる不見識である。我々はポツダム宣言によつて軍国主義の根絶と民主主義の完成という二大義務を課せられておる。この二つ義務を遂行するところ、何の懲罰がありまするか。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手吉田君の言う懲罰というのは何の意味でありまするか。この点御答弁をお願いいたします。懲罰どころか、我々日本人は光栄ある大使命を担い得る立場にあります。周知のごとく我々は帝国主義支配階級のために前古未曾有の大破壊を蒙むらされました。併し諺に「艱難汝を玉にする」(「よく聞いて置け」と呼ぶ者あり)というこの大艱難そのものの中にこれを克服し、生き栄える日本民族大道があります。即ちアメリカ合衆国、英連邦政府ソ同盟中国人民共和国政府との協調による全面講和締結、即ちこれであります。(拍手ソ通がこれに賛成しておる。中国が賛成しておる。イギリスも又これを賛成する方向にだんだん向つておる。(「その通り」と呼ぶ者あり)これをよく考えて御覧なさい。これはもとより日本民族を救う大道であるばかりではない、今日激化しつつある世界的対立と抗争、そうした第三次世界戦争危險を解消させ、世界語民族の平和と不断、の進歩とを確保する大道であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)ここに我が民族の持つべき大理想が存しているではありませんか。敗戦国々々々と言いなさるな。(「そうだそうだ」「自分から卑下するな」と呼ぶ者あり)敗戦国敗戦国言つて求められている單独講和は何になるのだ。孤立と戦争だ。民族奴隷化破滅だ。この一語しかありません。(「よく胸にしまつて置け」と呼ぶ者あり)  同僚議員諸君、以上のごとき世界的環境に恵まれながら、我が民族を救う全面講和の達成ができない理由は毫もないではありませんか。否、世界情勢は毎日報道されておるように、全面講和こそが最も可能性のある現実であることを示しておるのではありませんか。(「その通りその通り」と呼ぶ者あり、拍手建設破壊か、光明か暗黒か、これを決する日本を含めた世界史上未曾有重大危機に当つて建設光明の道をとつてこそ、我々国政に当る責任を果すというのではありませんか。  我が日本共産党は、政治的見解の差異を問いません。今日この難局を打開せんとするあらゆる愛国者と共に、全力を挙げてこの大道を邁進するものであります。(拍手)御答弁をお願いいたします。    〔国務大臣吉田茂登壇拍手
  5. 吉田茂

    国務大臣吉田茂君) お答えをいたします。  私の国際情勢に対する認識は間違つておると言われるが、むしろ細川君の認識のほうが間違つておると思います。(「その通り」「具体的に」と呼ぶ者あり)黙つて聞きたまえ。反共陣営に味方するということは、日本独立を失うことであると言われるが、私は味方いたしたいと思いますけれども、そちらで味方させないであろうと思います。一体申すと、今日今お話のように民主主義でありますか、自由主義陣営反共陣営が相対立しておるときに、味方いたしたいと思つてつても味方ができない。何となれば、民族独立のために味方するわけに行かないのであります。(拍手、「帝国主義者だからよ」と呼ぶ者あり)又全面講和はできるようなお話でありますが、できれば結構であります。あえて全面講和に反対しておらないのである。反共陣営なるものが一致して自由を求めたいと思うときに、或いは平和を求めたいと思うときに、この平和を害し、自由を阻害するものは共産陣営であるということは、これは事実を挙げなくてもわかつておることであつて、わからないのは共産主義者諸君だけであるかも知れない。(「帝国主義者だけだよ」と呼ぶ者あり)又朝鮮事変に例をとつて見ても、三十八度線を侵したものは共産軍であります。(「国連会議録を読め」と呼ぶ者あり)又国内において治安を乱す、或いは又現に裁判その他において裁判所の秩序を乱しておるのは共産党諸君であるということは国民がよく認めておる点であります。(拍手、「宣伝だ」と呼ぶ者あり)  その他は宣伝演説と思いますから、お答えしない。(「卑怯者だ」と呼ぶ者あり、拍手
  6. 細川嘉六

    細川嘉六君 再質問いたしたいと思います。
  7. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 数分間余つておりますから、許可いたします。    〔細川嘉六登壇拍手
  8. 細川嘉六

    細川嘉六君 只今の総理大臣質問は全くなつておりません。(笑声細川こそが国際情勢認識を誤まつておると言われました。なぜ誤まつておるか、事実を以て答えるのが責任ある答えであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)私は簡單ながら主要な事実をここに指摘して来たのであります。これは反駁せずして、認識のお前さんのほうが誤まつておるというのは、一体どこからそういうことが言えるのか。(「そうだ」「卑怯者だよ」と呼ぶ者あり)これは全く卑怯な話であります。(笑声)更に又講和を妨げておるというのは共産党側であるのだとおつしやる。これは前からこういうことを言つておられるのであります。これは全く事実に反しておる。その反しておることは私先ほど述べました。(「その通り」と呼ぶ者あり)それがわからないのである。(「聞いてないのだ」と呼ぶ者あり)そういうことを言つて、結局裏であれだ、これだと外国人会つて国策を昔の帝国主義者の夢の通りに遂行しておる肚が、こういうことを言わしておるのである。(「そうだ」「つまりそのものだ」と呼ぶ者あり)我々国民といたしましては、今度こそは何としても嘘にはごまかされない。(拍手国民熱意はここにある。これを無視して何事をやろうとしてもこれは失敗するに相違ない。(「そうだ」と呼ぶ者あり)私は総理大臣のかれこれの御答弁は問題にしない。国民のこの熱意、そんな馬鹿ではありません。この力が終戦以来、殊に戦争経験から顧みて、でかくでかく生きて来ておる。これがわからないようで政治ができますか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)このできない者が、こういう能力のない者が、これを見る力のない者が今日の政治に当つておることは、今日日本国民の困難のもとである。(「その通り」と呼ぶ者あり)私はこれ以上は申しませんが、申したことは事実に印して、重大な事実に即して言つたことである。これを理解する力のない者に返答を求めない。求めるのは無理である。(「そうだ」と呼ぶ者あり、笑声拍手)     —————————————
  9. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 佐多忠隆君。    〔佐多忠隆登壇拍手
  10. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ここに私は(「大蔵大臣はどうした」と呼ぶ者あり)日本社会党を代表しまして、政府施政方針とその施策について、吉田総理大臣以下各大臣に対してお尋ねをいたします。  先ず第一にお尋ねしたいのは、現在の世界危局に直面して、吉田総理は今後の日本経済体制を、システムをどの方向に持つて行こうとしておられるのか、この点であります。トルーマン大統領は、昨年の暮に非常事態宣言を発して、共産主義脅威に対抗するために厖大な軍備拡張をする決意を示し、年頭一般教書でその態度を更に全般的に明らかにしました。次いで一月十二日に議会へ送つた経済報告書において、アメリカとその同盟諸国軍事力を増強し、アメリカ軍需産業を拡張し、その基礎をなす基幹産業生産力を拡充する方策を具体的に示し、国防経済への転換を声明しました。  これより先、アメリカではすでに昨年の九月初めに、経済統制基本法として、非常に広汎な戦時権限を持つ国防生産法が制定されております。又経済統制機関も必要に応じて再開され、又は新設され、非常事態宣言後はそれらが一元的に統一されて、その機能を強化しつつあります。これらに基いて先ず信用が統制され、次いで軍需優先権が與えられ、民需の使用制限という形で割当制が広汎に実施され始めました。年頭経済報告では、更に進んで物価賃金の直接統制の必要が明らかに示され、過ぐる二月二十六日にはアメリカ政府は遂に物価賃金を二十五日夜半現在の水準で釘付けし、凍結することを決定し、発表しました。自由企業制度的資本主義擁護を最も大事に考えているアメリカにおいてすでに然りであります。社会主義国是とするイギリスでは、第二次世界大戦当時の非常時権限法が現在でも非常時法令法需給調整法の形で生きていて、いろいろな統制が残つております。のみならず、最近では軍需資材、船腹、労働力などの不足のために、割当制その他の統制が新たに実施され始めました。殊に昨年末のトルーマンアトリー会談意見一致を見ました重要物資の国際的な輸出割当統制が近く実施され、その国際協定を結ぶために自由主義諸国の間で国際機関を設けることを折衝中だと言われております。かかる国際的な環境の中に置かれて、日本だけが依然として自由放任政策を持ち続けられると吉田総理大臣は考えておられるのかどうか。勿論私たちといえども統制を好むものではありません。殊に戦時中や終戦後のあの拙ない統制国民がさんざん悩まされた経験を思い起すならば、これは絶対に嫌う心理状態はよくわかります。併し昨今は鉄鉱石や粘結炭、塩、羊毛や綿花やパルプ、大豆や米麦などの食糧、これらのものの入手がなかなかうまく進捗しないで、或いは価格が上り、又は非鉄金属の三、四のものや、鉄鋼の二次、三次製品の二、三のものは絶対的不足すら来たしつつあります。こうなると、これらの物資に対して、或いは価格統制し、又は使用制限割当を考えねばならなくなるでありましよう。かかる実情に直面しまして、政府事務当局が何らかの統制準備をすることに対しまして、吉田総理大臣を初め、自由党は強い反対態度を示して政策を混乱させつつあるとすら言われておりますが、その真相はどうであるか。場合によつて特定物資輸出制限すら考えなければなりませんし、生糸のごときは、昨今のアメリカにおける物価凍結冷に照応して、価格統制を急ぐべきだと思いますが、横尾通産大臣はこれらの問題をどう処置されるおつもりか、所見を承わりたい。  客観的な事態は、好むと好まざるとにかかわらず、統制を不可避なものとすることは明らかであります。今からそれをはつきりと見通して、それに対処する方法を具体的に考究し、準備することが、むしろ統制を円滑に適正に運営するゆえんだと思いますが、周東経済安定本部長官はどうお考えになりますか。少くとも物資需給調整法の期間を延長し、物価統制令の存続をいたし、鉄鉱石、強粘結炭、塩などの輸入物資については何らかの統制準備しなければなりますまい。周東長官演説に言われる物資需給調整物価の安定について適当な方式による調整措置をとる、こういうような言葉のごまかしでは、事態は決して乗り切れません。そんなごまかし言つてぐずぐずしておるから、ドクター・フアインにきつい警告を突き付けられて狼狽せねばならんことになるのであります。統制方式は従来の官僚統制方式でない、業界の自主的な統制方式を、而も曾つてカルテル的独占資本統制方式でない、経営者労働者消費者の社会民主的な新らしい統制方式を創案すべき時期だと思いますが、周東経済安定本部長官はかかる新体制を検討されておるかどうか。新聞紙の伝えるところによりますと、一月二十日に開かれた自立経済審議会で決定した報告書には、次のように述べられておると言われております。「現在のように国際的、国内的な環境が目まぐるしく変動しておる時期に、長期的な経済計画を策定することは甚だしく困難である。併しそれと同時に、経済政策の運営は又長期的、総合的な基礎に立脚して、最も合理的且つ効果的に行われなければならない。その意味からすれば、現在のように重要な時期においてこそ、長期的な、総合的な経済計画が必要である。」、こう報告書は述べておると言われております。この審議会の会長は吉田総理大臣でありますから、これは吉田総理意見であると考えてよいと思います。とすれば、曾つては長期的な、総合的な経済計画のごときは、現在のように変転極まりない時期にはこれを立てることが不可能である。のみならず、かかるものはむしろ有害無益であるとして、葬り去つた吉田総理が、今や我々の年来主張してやまないところの長期的、総合的経済計画を採用されたことになり、我々の甚だ欣快とするところであります。  質問の第二点は、我が国自立経済計画について、特にその目標についてであります。この自立経済計画政治的自主性を回復する前提として、昭和二十八年までにはアメリカの対日援助から離脱することを最高の目標とし、三年後には我が国の国際収支をアメリカの援助なしに完全に均衡することを期しております。即ち昭和二十八年度までに国民生活水準を戦前の約九〇%に維持しつつ、十七億ドル程度の規模で国際収支を均衡させ、鉱工業生産指数を戦前の一三一%に高め、農業では昭和二十九年度に約一千二百万石だけ米麦を増産し、国内自給度の向上を図ることになつております。政府我が国経済政策の最高目標を自立経済の達成に置いております。併し周知のように、第二次大戦後の経済政策の最高目標は、どこの国でも国民の完全雇用と生活水準の引上げに置かれております。尤も戦争直後はそうであつたが現在では非常に変つて来て、米英その他では戦力増強であり、日本では経済自立そのものであるとの主張がありますが、今年の初めに開かれた英連邦首相会議は、その閉会に際しまして、世界の後進国民生活水準を向上させることは現在最も必要であり、英連邦諸国はこのためにできる限りの援助をする決心であると宣言しております。経済政策の最高目標は、今もなお依然として国民生活水準の向上でなければなりません。すでに戦前から非常に低い生活水準の下にあり、終戦後は殊にひどく、現在でも漸く戦前の八〇%程度に過ぎず、朝鮮動乱以後はあまつさえ低下の傾向さえ示しつつあります。加うるに雇用の状態は非常に悪く、政府が定期的に発表する完全失業者数は約五十万人でありますが、一週三十四時間以下しか就業しない不完全就業者、いわゆる半失業者は八百万人を超えております。又年々新たに増加する労働力は五十万人に達します。憲法第二十五條によつて、我々日本国民は健康で文化的な生活を営む権利を持つております。従つて働く意思のある者すべてに職場を與え、少くとも戦前の一〇〇%の生活水準を保障することこそ自立経済政策の最高目標でなければなりません。我が日本社会党は、それを可能にする経済自立四カ年計画をすでに計数的に打立てております。周東経済安定本部長官は、かかる見地に立つて自立経済審議会報告書根本的に修正さるべきだと思いますが、長官にその意思があるかどうかお答えを願いたい。生活水準を戦前の九〇%程度に近付けることで安心をし、五十万人の完全失業者をそのままに残し、雇用の増加を殆んど考えないで、労働力の組織的、合理的配置のごときは少しも顧慮しないようなこの経済計画を、保利労働大臣はそのままに承認される気かどうか、保利労働大臣の所見をお伺いいたします。こういう雇用、生活水準を考えない政府政策の結果の一例として、数カ月に亘つて企業整備の結果としての争議を続けておる長崎の川南造船所のストライキを思い起さざるを得ません。ここでは八千人を超える労働者諸君が非常な苦闘の下に生活権確保の要求を出しております。而もこれに対して曾つての社長某は追放の身でありながら、この争議に関與して労働者の彈圧に狂奔をいたしております。保利労働大臣はこれに対してどう対処されようとしておるのか、法務総裁はこれをどう取締らんとしておられるのか、明確にお答えを願いたい。  現在のような世界情勢の下で自立経済を打立てることは、輸出を振興して單に国際収支を均衡するだけでは問題になりません。現在はむしろ更に進んで輸入を確保し、国内資源の開発を通じて原料と食糧の自給度を向上することに重点を置くべきだと思います。自立経済審議会報告書がこの点を強調していることは、我々も又全く同感であります。併しその主張が実現していないので不満に堪えないのであります。報告書は三カ年に水力、火力を合せて九十七万キロワットの電源開発を計画しておりますが、我々の主張のように動力の石炭ベースを電力ベースに切替えるためには、公益事業委員会の計画によつてすら二百六十万キロワットの増強を必要としております。その他海運、鉄鋼、化学肥料、合成繊維等の設備の合理化や新設拡張を急がなければなりません。食糧増産については後に同志江田君が詳しく述べる通りであります。  このように我が国経済計画はすでに安定の時期を脱して、生産力拡充の積極的、建設的段階に大転換すべきときであります。然るに政府においては未だ安定を固執して、瘠せ細つた規模で自立を達成しようとしておるとしか思えません。この点について政府の所見を明確にお示し願いたい。殊に日本の鉱工業生産指数が、昨年の十一月は戦前水準を突破して一一一%に達したことを政府は誇りやかに示されたのであります。一九三六年を一〇〇とする場合、西ドイツは昨年の十月にすでに一二八%に達しておりますのに、日本では漸く九〇%に過ぎません。又政府日本の貿易の昭和二十五年度推計実績を、輸出は特需を含んで十億ドル、輸入は援助を含めて十一億ドルと見込み、貿易規模の拡大を喜んでおられます。成るほど過去数年に比ぶれば非常な発展と言えましよう。併し昨年一月から六月に至る半カ年の数量から見た貿易水準は、戦前を一〇〇として、輸出では西ドイツが七六%に達しているのに日本は僅かに二四%に過ぎません、三割に満たないのであります。輸入では西ドイツが一〇九%という戦前水準を突破しているのに、日本は三四%という低いところにあります。かかる現状にある日本経済の規模を少々引上げた形で自立さしたとしても、それは日本経済の合理的な自立とは言えますまい。少くとも我が日本社会党が主張するように、鉱工業を一六四%まで高め、国際収支バランスを約二十億ドル程度に置かなければ、国民大衆生活水準を合理的に引上げ、国民を完全雇用に近付けることはできないと思います。周東経済安本長官は、これらの点をどうお考えになるのか、見解をお示し願いたい。  第三の質問は、輸入の確保についてであります。我が国経済の活力素であるところの原材料の輸入が極めて困難になつております今日、輸入の促進が何よりも緊要な課題であることは周知の通りであります。吉田総理も、周東長官も、池田蔵相も異口同音にこのことを強調されました。このことはすでに昨年中からその必要が叫ばれておるのに、政府の施策は何ら実績として現われておりません。昨年一カ年の輸入推計は九億ドルで、前年の実績をやや上廻る程度に過ぎません。物価の上りを考慮に入れますならば、輸入の数量はむしろ前年より下廻つております。政府は昨年七月から本年六月に至る一カ年間の食糧輸入を三百二十四万トンと計画しましたのに、昨年末までの半カ年には九十三万トンを入れただけで、達成率は三〇%にも満ちません。主要工業原料である鉄鉱石、強粘結炭、塩、大豆などの輸入達成率も、上半期にはいずれも同じく三〇%前後に過ぎません。政府の施策の失敗がここに数字的に明瞭に示されております。(拍手)そこで周東長官も、池田蔵相も、輸入資金の確保だとか、保有外貨の活用だとか、緊要物資輸入基金制度の設置だとか、今後の施策をいろいろと列挙されました。だが現実の問題はもつと前進しております。国民政府に聞きたいのは、もつと具体的にこの国際情勢の緊迫化に伴つて備蓄輸入をどうするのか、どんな物資を幾ら、どこから入れて備蓄するのかというこの点であります。吉田外務大臣は、かかることは機密を要するから答えないと言われるかも知れませんが、世界市場はあけすけであります。知らぬは日本国民ばかりなりという川柳がはやらなければ幸いです。我々の計算によりますと、その金額は五百億を超えますが、その資金の調達を政府はどう準備されつつあるのか。池田大蔵大臣は得得として、そのために二十五億円の緊要物資輸入特別会計を設けたと言われるかも知れませんが、それを年四回転としても百億に過ぎません。それが固定化することを考えると、その半分にも廻りません。そこで我々に言わせれば、見返資金から二百五十億から五百億くらいの資金を輸入基金に繰入れるなり、外為委員会が保有する余裕外貨を基金に投融資するなり、又はそれを直接に輸入業者に貸付けるなりして備蓄輸入を急がなければなりません。事はタイミングの問題なのに、政府は何をぐずぐずしておられるか。伝えられるところによりますと、通産省、大蔵省、外為委員会、関係当局が三つ巴、四つ巴になつて小田原評定をやつているとも言います。これでは商機を逸するのは当然でありましよう。官僚統制の煩壇、無責任を最も嫌うはずの自由党政府がこのていたらくであります。国民はこれを坐視するに忍びません。若し関係当局との折衝に暇取つているというのならば、こういう点にこそ経済自主性の回復を、講和を待たずして、緊急に而も強力に主張すべきではないでしようか。それをあえてやらないから、自由党政府はイエス・マンに過ぎないとして国民に愛想をつかされるのであります。(「ノー」と呼ぶ者あり)これらの点に関して明確な而も具体的な答弁を、吉田総理周東長官、池田大蔵大臣並びに横尾通産大臣にお願いいたします。  輸入確保についていま一つお尋ねしたい問題は、対中国貿易の問題であります。吉田総理はフオーリン・アフエアーズ一月号の論文で、対中国貿易の重要性を余り過大評価してはならないと言つておられます。成るほど対中国貿易の最近の二、三年の状況は、輸出において日本貿易総額の僅かに一—二%、輸入において二形から四%程度で、誠に微々たるものに過ぎません。それでも昨年の上半期には相当の増加を示しつつありました。ところが朝鮮動乱が起り、中共がそれに介入するに及んで、政府はスキヤツプ覚書によつて、鉄鋼製品を中心とし、機械類その他の物資中国輸出を禁止しました。これは言うまでもなく、アメリカ中国に対する経済制裁、輸出禁止の措置に同調するものでありましよう。ところが中国に対する経済制裁、経済封鎖が如何に無価値であり、不可能であるかは、我が国の先の戦争でつぶさに経験したことであります。世界各国も、アジア、アラブ諸国は勿論、イギリスなどの西欧諸国に至るまで、それを見通して中国に対する経済制裁に反対しております。この点についてのものと突つ込んだ批評はこの際差控えますが、ただ我々が見逃せないのは、対中国貿易中止によつて生ずる我が国の打撃であります。通産省の報告によれば、この措置によつて輸出において鉄鋼製品を中心とし、機械類の輸出に相当な打撃を受けることは勿論であり、又我が国のかかる措置に反対して、中共側が報復的措置に出るならば、石炭、鉄鉱石などの製鉄原料、油脂原料などの輸入が困難になり、不可能になり、本年度以降のかかる物資需給計画は大きな齟齬を来し、経済再建途上の我が国にとり重大な影響になると言われております。輸入の障害は特に大きいです。鉄鉱石中国からの要輸入九十三万トンをアメリカとカナダに振向けても、現在見込み得るものは三十万トンに過ぎません。強粘結炭、毎四半期十五万トンの中国からの要輸入額をアメリカとカナダに振向けると言つておられますが、それもなかなか困難であります。物資の入手がなかなかむずかしく、物の入手の見込が付いても値段や運賃が非常に高く、船腹の手当も全くできない場合が多々あります。心ならずもアメリカの対中国政策に同調せしめられたためにこうむるかかる損失を、政府アメリカに対してどう補償してもらおうと思つておられるのか。この物資的、資金的補償の要望又は見込を、周東長官又は横尾通産大臣から具体的にお示し願いたい。なお進んでは、我が国に対する中国貿易の重要性を改めて認識することが必要であります。戦前我が国の対中国貿易が、外国貿易全額のうちに占める割合は、吉田総理も先の論文で挙げられておられるように、輸出額において二二%、輸入類において一三%に及んでおります。今後の中国の発展を考えるならば、この重要性は更に一段と増すでありましよう。吉田総理のように、これを余り過大評価してはならんなどとうそぶいて、これを過小評価することは自己欺瞞に過ぎません。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)我々はよろしく関係当局に対してこの点を究明し、日本アメリカの対中共貿易政策に追随せしめられることは、日本の特殊的地位を無視するものであり、日本経済自立のためには勿論、世界の特にアジアの平和保持のためにとらざるところであることを、この際強く主張すべきであります。(拍手)ほかならん吉田総理自身が、フオーリン・アフエアーズの論文に次のように断言しておられるではありませんか。「赤だろうと白だろうと、中国我が国隣国である。地理的並びに経済的法則は、遠い将来にはイデオロギーの違いや、技術的な通商障害を乗越えて突き進むであろうことを私は信ずる。」と。この総理の自信を遠い将来の成行きに任せず、この経済法則を早急に確立すべく努力することこそ、日本政治家が現在この瞬間において大勇を振つて果すべき使命であると思いますが、吉田総理の見解を伺いたい。吉田総理は、この見地から対中国貿易を再開し、対日講和中国を引入れるべきことを関係当局に、ダレス氏に強く要望すべきだと思いますが、吉田総理はどうお考えになるか。  お尋ねしたいことの第四は、長期資金の確保、資金の蓄積の問題であります。貿易を振興し、生産の規模を拡大し、経済基盤を充実するためには長期資金の確保が必要であります。それには池田大蔵大臣を初め政府の諸公は、ドツジ氏の教えに従つて民間資本の蓄積が緊要な課題だと見われます。そのために池田大蔵大臣は減税その他の方法で企業資本や利子附資本に対して、殊に軍需利得に脂肥りしている大資本に対して思い切つた優遇措置を講じようとしておられます。だが私たちの見るところによりますと、資金の蓄積を阻んでいるのは、むしろ政府日本銀行が行き過ぎた金融引締めをやつているからにほかなりません。この点を適正にするならば、貨幣資本の蓄積のごときはそれほど重大な問題ではなくなります。むしろ問題は蓄積された資金の運用の面にあります。もつと正確に言えば、貨幣の形で蓄積された資金を現実態の資本に転化すること、設備投資することに問題があります。このためには特に財政資金の運用が重大問題となります。池田大蔵大臣演説によりますと、昭和二十六年度は日本輸出銀行、農林漁業金融などによつて巨額の財政投資を行い、見返資金や資金運用部などを通じて、政府資金により産業に供給する資金は九百七十六億に上り、昭和二十五年度の六百五十六億に対して三百二十億の増加になるとのことであります。ところが私の計算によりますと、二十五年度に比べて二十六年度は成るほど財政支出で九十三億円、資金運用部の金融債において二百億円、合計二百九十三億円の増額になつておりますが、その半面において見返資金が三百三十億円の減額をしておりますので、差引きむしろ四十七億円だけ財政投資は少くなつております。ここにも大蔵大臣の数字の魔術があります。池田大蔵大臣と私とそのいずれが正しいかは委員会で詳しく争うことにいたしたいと思います。ただ一つ明白なことは、資金の蓄積が不足するのではなくて、蓄積された政府資金が徒らに握り込まれ、余裕金として金庫の中で空しくあくびをしており、巨額のものが次年度に繰越されていることであります。昭和二十六年度予算では、周知の通り五百七十億円を超えるインベントリー・フアイナンスが無理やりに強行されております。政府計画によりますと、見返資金では二十五年度末には五百三十億円の余裕金を残して二十六年度に繰越し、二十六年度末には又七百五十一億円の留保金を次年度に繰越すこととなつております。預金部資金でも二十五年度末に六百六十六億の余裕金を二十六年度に繰越し、二十六年度末には四百三十億の余裕金を次年度に繰越します。資金の欠乏が気違いのように叫ばれておる昨今に、政府は以上のような無理な金融引締めをやつて、ひたすらに金融資本の支配力確立に奉仕しております。その犠牲はすべて労働者に、地方の農漁民に、中小企業者に、一口に言えば勤労大衆にしわ寄せされつつあります。かかる行過ぎた超均衡予算、超引締め金融は早急に修正され、組替えらるべきものと思いますが、他出大蔵大臣はどうお考えになるか。財政と金融を適正にし、国民経済に適応させるには我々がかねて主張し続けていますように、国民経済予算を編成し、総合的な資金需給計画を立て、経済全体を総合的に、計画的に運用すべきでありますが、これに関する周東長官の御意見を伺いたい。  長期資金の調達に関連して、池出大蔵大臣日本開発銀行ともいうべきものに言及されました。これは我々のかねての主張、則ち日本では長期資金、特に電力、海運、鉄鋼、公共事業等の設備資金の調達は民間銀行のコンマーシヤル・ベーシスには乗らないのであつて、国家資本による特設金融機関によらざるを得ないという我々の主張に池田大蔵大臣が屈伏し、追随をして来られたものとして我々の欣快に堪えないところであります。池田大蔵大臣はこの銀行の基本構想を具体的にお示し願いたい。  最後に第五の問題として、地方財政についてお尋ねをいたします。池田大蔵大臣は地方財政平衡交付金と地方債の発行限度を増額し、地方財政の充実を図つたと言われました。ところが地方財政委員会は昭和二十六年度地方財政平衡交付金の総額千百億円を一千二百九億円に修正するように勧告をしております。百九億円の増額を要求しているわけであります。更に又二百七十五億円の地方債の増額の要求も出ております。地方の財政が非常に困窮している半面において、中央の一般会計はかなりなゆとりがあり、預金部資金に多額の余裕金や繰越金がある現状としては、地方財政委員会の増額要求はこれを容れて然るべきものと思いますが、どうですか。池田大蔵大臣、岡野国務大臣おのおのの御所見を承わりたい。  更に、平衡交付金百九億円の増額要求は、百七十八億を超える地方税の増徴を前提しておるのでありますが、池田大蔵大臣の言われる国税地方税を通ずる租税負担の合理化とはこの増税を意味されるのかどうか。岡野国務大臣は地方税の増徴はやる必要がないと声明されたと伝えられていますが、とすれば、三百億円を超える平衡交付金の増額が必要となります。岡野国務大臣はこれを容認されるのであるかどうか。一体地方財政に関して毎度内閣と地方財政委員会の見解が食違うのでありますが、各所管大臣は両財政の調整をされたのかどうか、吉田総理大臣は予算閣議においてこれをどう裁定されたのか。各大臣の明快な御答弁を要求する次第であります。(拍手)    〔国務大臣吉田茂登壇拍手
  11. 吉田茂

    国務大臣吉田茂君) お答えをいたします。  第一の御質問は、今や世界的に統制経済の転換期に入つておるのであるが、日本経済態勢はどうするかという御質問のようでありますが、お示しのように過去の統制経済については国民は今や甚だその弊に苦しんでおつた経験が今なお記憶に新たにあるために、統制については全般的に反対であると思います。又我が党といたしましても、同じくでき得べくんば自由経済で行きたいと思うのですが、併し原料その他は外国輸入に待つておる今日、輸出国が統制経済をした場合に、自然又日本においても統制を加えなければならん場合があるのでありましようが、その場合といえども最小限度の必要の程度にとどめたいと考えておるのであります。又統制方式等についても従来とは違つた方式で行きたい、その方法については当局において頻りに研究いたしております。  又中国貿易を過小に評価しているというお話でありますが、戦前においては満洲において日本の投資の結果、或いは日本との特別な関係の結果、中国貿易全体としては相当の割合に上つておつたが、併し今日においては、その資本の活動その他がなくなつたために、満洲を含めても現に甚だその割合は少くなつているのであります。少くなつているから、私は少いという事実を申すだけの話であります。将来は如何。これは将来に属することでありまするから、将来の中国貿易については私は今日ここに申しません。  又中国との、或いは全面的講和についてのお話があつて、ダレス氏に中国との間の関係も要望すべきじやないかというお話でありますが、これは全面講和は始終申している通り結構な話であるが、相手が承知いたさない限り仕方がないということを常に申していることであります。この考えは今なお少しも変りません。(拍手)    〔国務大臣周東英雄君登壇拍手
  12. 周東英雄

    国務大臣(周東英雄君) お答えします。  第一の統制問題については、只今総理からお話がありましたので附加えて申しませんが、最小限度の統制をなすに必要な法制的措置につきましては、近く国会に御審議を求める運びになると考えております。  第二の自立経済を立てるについて、完全雇用の計画がないかどうかということであります。もとよりお話のように完全雇用を考えることは理想でありまするが、日本の現在の経済並びに佐多さんも十分御承知の通り、七、八百万人の引揚者その他で急激に増加したる人口を包容しているところの完全雇用は、佐多さんといえども理想論であつて、急速にこれが実現を図ることの困難なことは十分御承知の通りであります。私どもは少くとも来々年の経済援助打切の際を目指しつつ、でき得る限りの全面的な雇用に関する安定化の方針をとつて進んでおつたのでありまして、これによつて不完全雇用の、不完全就業の関係は或る程度これは漸減して参ります。従つてかくすることによつて経済の内面的充実と雇用の機会を殖やすことによつて、次に完全雇用の方向に進み得るものと確信しております。  第三の生活水準についてのお話でありますが、自立経済審議会における内容は、佐多君は御承知の通り、我々は国際収支の均衡を得せしめることのみを以て経済自立とは考えておりません。御承知の通り飽くまでも国際経済の、国際貿易の均衡をし得ることを中心として、而も国民生活の水準の向上については、でき得る限りこれをよくしたいと考えております。併し只今申しましたように、内面的にいろいろな脆弱性を持つておる日本経済として、急速にこれを一〇〇%以上に上げることは困難である。従つて先ず来々年を目指して戦前の七—十一年の九〇%ということは、現在の状態におきまして空理空論にあらずして、実質の形において可能な限度として我々は立てておりますので、これで満足しているわけではありません。できる限りあらゆる條件を整えて更に高くすることは当然我々がなすべき仕事であります。  第四の電力の問題であります。これは佐多さんの御意見通り、私どもも結局日本経済自立が達成されるかどうか、又工業生産を目標通り達成することができるか否かということの大きなネックは電力の問題であり、資金の問題である。従つて電力につきましては、あの計画にも示しておりました範囲において先ず第一の目標を立てておりますが、これも資金なりその他の関係を考慮して、でき得る限り増加はいたしたいと思いますが、只今のところはあの計画にとどまつております。而も私どもの考え方は、電力は重要でありますが、この方面へばかり資力を集中して行くことになれば、ほかの産業調整ある形をとることができません。私どもは今日の状態において日本経済復興について最も必要なことは、片ちんばにならずに、総合的に長期の産業復興の計画が必要だと思います。電気だけ伸びてもほかの産業が伸びなければなりません。ですから電力と他の産業を見合いつつ、総合的な復興計画を立てておるということを御了承願いたいと思います。  而して第五の長期資金の問題でありますが、これは只今申しましたように、資金と電力が問題であります。でき得る限り我々は長期の資金について考えなければなりませんが、只今自分の説に屈伏して大蔵大臣のやつたことは御賛成だということでありますが、屈伏したかどうかは知りませんが、あなたの説を容れたことは非常に結構なのであります。私ども国民と共に非常にいいことはやつて行きたいのでありまして、我が党としては、日本の短期資金の金融機関はありましたが、戦後において長期金融機関はすべてなくなつており、これは将来日本産業復興のために当然とらなければならん、こしらえなければならん問題であります。その意味において我が政府といたしましても、党といたしましても、長期資金の金融機関の設定は前から考慮しておることでありますが、幸いにして機が熟しまして、大蔵大臣が申上げましたように開発銀行というものを、これは仮称でありますが、これの設立に今努力を傾けております。私は、あなたのお話のように、貨幣資本だけが溜つても駄目だ、これを物的資本に転換さすべきたということは私も同感であります。金が溜つても物がなければ駄目でありましよう。従つて我我は資金の計画といたしまして、演説にも申上げましたように、今後における日本の脆弱なる経済規模で国際貿易に立ち、国際競争場裡に立ち得るために良質の物を作るということを第一とすれば、貿易産業はもとよりのこと、全産業に亘つて産業資金、設備の合理化、近代化が必要である、これは一つの点であります。こういう点について資金の集中的な疏通を図りたいと考えておりますから、この点は全く同感であります。(拍手)    〔国務大臣池田勇人君登壇拍手
  13. 池田勇人

    国務大臣(池田勇人君) 佐多君にお等え申上げます。  先ず輸入資金の確保の問題でございます。お話通りに輸入は十月までは余り思わしくございません。あなたの数字は、昨年度はガリオア資金が相当ありまして、今年度はないので、十一月までは輸入の額は減つておりまするが、十一月からはガリオア資金が減りましても相当の輸入でございます。数字を以て申上げますれば、昨年の七月には二百二十五億円の輸入で、十月にはこれが二百五十八億、十一月は三百二十五億円と、七月に比べまして五割の増加になつております。十二月はこの三百二十五億がもつと殖えまして、一月にはもつと殖えて来ましよう。これは今国会中に事実が証明しますから、御覧願いたいと思います。而して輸入資金につきましては、お話通りに二十五億円の回転基金もやります。これを四回転くらい廻すつもりでありますが、ほかに貿易特別会計の契約外の金額或いは剰余金でもやります。この手あの手でいろいろやつておりますが、先ず輸入を増強するために船舶が第一でございまして、船舶におきましても相当の金融の途を付けておりますし、又輸入の障害でありましたポンド資金の不足につきましては、一月の二十三日から四千二百万ポンドのユーザンスを開始いたしました。これによりまして、ポンド地域からの輸入が資金的に制約がなくなりまして相当伸びると思うのであります。で、一——三月におきましては、私の見通しでは、輸出よりも輸入が相当伸びて来る考えでおるのであります。これはここで申上げても議論になりますから、事実で見て頂きたいと思います。而してこのボンド資金とか、船舶増強資金以外にも、この輸入ユーザンスの期間を私は調整いたしたいと思います。三カ月とか、四カ月でなしに、品物によつて長くしたり短くしたり、又そのユーザンスが切れても、スタンプ手形等によりまして相当の金融を付ける覚悟でおるのであります。外貨資金を渡して輸入したら、それが国内金融で困るというようでは、これでは仏を作つて眼を入れない類でありますから、御覧を頂けば十分の外貨資金の融通、国内資金の融通に万全を期しております。従いまして相当輸入は伸びて来るのであります。  次は、長期資金の問題のお話がございましたが、昨日は木村禧八郎君から、今度の予算はインフレ予算だ。今日は佐多君から非常なデフレ予算だ。金があつても使わないでいる。こういう議論があるのでありますが、これは見方が余り思い詰めた見方であります。全体を見て頂きたいと思います。政府が金を引締めているかどうか御覧になつたらわかりましよう。今頃におきましても昨年に比べまして八百億円余りの通貨の増加、この八百億円を余り増加させないように、浦賀インフレにならないようにするためには、政府に置いてある金も使わずに置かなければならん。私は昭和二十五年度末におきまして、見返資金におきまして千百億円、預金部につきまして六百億円ばかりの手持を置きます。なぜこれだけの手持を置くかといつたら、輸出増加、輸入の思わしくないために、昨日までで日本銀行は輸入ユーザンスとして二千億円以上の通貨の増発をやつておる。これを何で補いますか、これをこのままにして置くということは、これはインフレの要因を胚胎させるのであります。丁度木村君が心配するように、これは何とかして片一方のほうに金を置いて置かなければならん。而も又見返資金は来年度において減るのだ、長期資金が要るのだということで、今年一遍に使われやしません。こういう財政資金の全体を見て日本銀行の信用等を考えてやらないと、とんでもないことになるのであります。あつたからといつてすぐ金を使えるわけではございません。ほかで使う場面があれば片一方で抑える。全体としての通貨の膨脹は恐れませんが、金があるからといつて日本銀行は貿易でどんどん出す、政府もある金をどんどん使つてしまつたら大変でありまして、片山内閣のやつたようなインフレになるのでございますから、それはできない。全体を御覧下さい。  次に、開発銀行につきましては、大体の構想は日本輸出銀行と同じような組織にしたいと思つておりまするが、何と申しましても、この財政資金をどれだけ取入れるかその財政資金の入れ方に、債券発行のこともあります。又国内金融との関係もあります。或いは銀行の今までの長期貸付を開発銀行で肩替りするだけにとどめるか、或いは新規の貸付をやるか、いろいろな業務の範囲につきまして検討する点が多々ありますので、只今折角検討中でございます。今国会中には何とか区切りを付けたいという考えで進んでおります。  地方財政の問題につきましては、所管の岡野国務大臣がお答えになりましようが、私は只今のところ、昨年当初予算の平衡交付金千五十億円を千八十五億円、今度は千百億円で一つ我慢をして頂く。又地方の税収入につきましても、今までの欠陷と申しまするか、法人の事業税を申告納税にしなかつた等によりまする歳入欠陥を申告納税等にいたしまして、早期に收入を確保して行くならば大体賄えると考えておるのであります。(拍手)    〔国務大臣保利茂君登壇拍手
  14. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) お答えをいたします。  最近の労働状況につきましては、常傭関係におきましても、日雇の関係におきましても、七、八月を転機といたしまして、爾来今日に至るまでかなり堅実の足取りを以て改善せられて参つております。佐多さんはだんだん悪くして行つておるのではないかというお話でありますけれども、事実は堅実な足取りを以て改善せられつつありますから、これは他の機会に詳細に又御説明を申上げたいと存じます。  なお自立計画と雇用の問題につきましては、只今安本長官から御説明を申上げましたところによつて御了承を頂きたいと存じます。  次に、川南工業の問題でありますが、川南工業は今日最も大事な造船施設と技術並びに多数の従業員を擁しております相当大事な企業体だと存ずるのでありますが、その川南におきまして、経営陣の内部の紛糾の結果、非常な憂慮すべき事態に立至つておる。そのために従業員の諸君が非常に不安の状態に陥つておられるということにつきましては、私ども労働省の立場からいたしましても、基準行政の上からも相当関心を拂い、今日まで、解決に私どもの及ぶ限りにおいては努力を拂つて来たつもりでございますけれども、まだ解決に至りませんことは非常に遺憾に思つております。併しながら今日多数の従業員が不安の状態にありますことは誠に心配せられますから、できるだけ善処いたしまして解決に努力いたしたいと存じます。    〔国務大臣横尾龍君登壇拍手
  15. 横尾龍

    国務大臣(横尾龍君) お答えいたします。  統制問題に関しましては、総理大臣、安本長官等により詳しく答弁がありましたので、さよう御了承願います。ただ私といたしましては、重要物資の輸入を確保することに努力したいと思うのでございます。備蓄のお話でございますが、これは相当国内にできない資源もありますので、そういうものに対しましては、極力輸入をいたしまして、多く、或る程度以上の量をストックしたいという考えであります。これらの金融につきましては、大蔵大臣の御説明で御了承を願います。  中共貿易に対してでありますが、只今の段階におきましては、現在とりつつある手段はいたしかたないと考えますので、これに対して重要物資の輸入の困難なるものは他地区に転換いたしまして、現に鉄鉱石、粘結炭は昨年の十—十二月、今年の一月—三月におのおの三十万トンずつこれの許可を得ておるのでございます、又価格は多少上騰いたしますが、これは運賃等の上騰でいたしかたないと思うのであります。且つ中共からも或る程度のものがバーターで、許可を要しないものを日本から輸出いたしまして、それとバーターして、幾らかずつは入つて来ているのであります。私のほうといたしましては、成るたけ船舶の増強を願いまして、輸送の強化を見ますならば、只今のところでは余り悲観をせなくてよろしい、楽観はいけませんけれども、悲観もせなくてもよろしいと考えるのであります。(拍手)    〔国務大臣岡野清豪君登壇拍手
  16. 岡野清豪

    国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。  来年度の地方財政需要額が増加いたしまして、これに対する財源措置について、政府案と地方財政委員会案との間に開きがありますことは、これは御指摘の通りであります。平衡交付金及び地方債の額の増額に対しては考慮しなければならんわけでございますが、来年度におきましては、地方財政が窮屈であると同時に、やはり国庫財政も相当に圧縮されるのでございまして財政運営並びに国民経済計画的運営に鑑みまして、政府案以上に平衡交付金及び地方債の増額をいたしますことは困難な状態に立ち至つております。かように現状でございますから、地方団体においては行政規模の圧縮をいたし、又既定経費の節約を図るなどのことを講じまして、そうしてこれによつて生ずる余裕財源を以て賄うよりほかに方法はないと考えておるものでございます。  次に第二の点に移りますが、二十六年度は経済事情の好転が見込まれまして、国民所得もそれに従いまして増加すると我々は期待いたしております。それによりまして、地方税も徴収技術の向上を図り、これが的確な把握に努力いたしたいと存じます。即ちそのためには、給與所得につきましては源泉徴収をして見たいと思つております。又事業税については申告納付制度をとるとか、その他適当な把握のできる方法を講じまして、徴収成績の改善を図り、地方税の増徴ができるものと私は考えております。これを以て御答弁といたします。(拍手
  17. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 法務総裁の答弁は他日に留保されました。  議事の都合により本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十二分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 国務大臣演説に関する件(第四日)