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1951-05-25 第10回国会 参議院 法務・地方行政連合委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十五日(金曜日)    午前十時五十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○住民登録法案衆議院提出)   —————————————
  2. 鈴木安孝

    委員長(鈴木安孝君) これより法務地方行政連合委員会を開きます。  前回に引続き御審議を願います。
  3. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 前回提案者にはいろいろの質問をしましたので、或る程度の認識を得たのでありまするが、ただ今回のこの住民登録事務が、市町村固有事務であるような建前になつたのでありまするが、これが実施について市町村が現実にどういう必要性を感じているか、又事務上の便宜という点を中心にしていろいろ本法案考えてみなければならんと思うのでありまするが、発議者におかれましてはこの法案を立案いたします過程において、地方市町村団体との間に意見を徴するようなどういう手続をとり、地方の意向をどういうふうにこの法案に汲み入れたものであるか、この点指摘して頂きたいと思うのであります。
  4. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) これは我我が今まで調べましたところによりますると、昭和二十三年十一月に寄留制度改革審議会なるものを設けまして、これに関する研究に着手したのであります。その審議会委員地方自治庁地方財政委員会事務局全国選挙管理委員会事務局等、それに地方公共団体代表という意味を以ちまして、東京都及び東京都の区の職員のうちから代表者を選んで審議をし、その意見に基きまして大体の要綱を作りまして、その要綱に基いてこの法案を作られたように知つているのであります。
  5. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、この法案については地方公共団体も相当了解し、納得しているという域に達しておらなければならんというふうにも考えられるのでありますが、ところが全国町村会或いは市長会等は期せずして同様なこの法案に対する反対意見を以て我々に陳情しておるのでありますが、それでこの前もお伺いしたのでありますけれども、本日は一つこういう地方要望或いは疑念に対して解明を与えるという意味において、私代つて一つ端的に地方要望について質問いたしますので、お答えを願いたいと思うのであります。  その第一は、寄留選挙配給納税等に関して本法一本でこと足りるようにして、特に選挙人名簿というものはこの住民登録を基本にしてやつて行政簡素化に資せられたい、こういう要望地方では強いのでありまするが、この点についてどういうお考えを持つておられるでしようか。  それから二は、これはこの事務を執行するに当る経費負担の問題でありまするが、これはこの前いろいろ質問しておりますので、関係財政当局に本日は質問しますので保留いたします。  その次に、これも質問をこの前いたしましたのでありますが、衆議院において修正した第三十九条或いは追加しました三十条について地方固有事務にした以上はこうした勧告、或いは助言などという一般的な監督権は不必要である、或いは報告させることができるという国、或いは都道府県知事のこういうやり方も町村事務を徒らに煩雑ならしめ、而もこの統計的な資料作成するに当つてはやはり所要経費がかかるのであるが、何らこれらの裏付なしに一方的にこういう報告聽取権などというものを発動するということはけしからん、従つてこの二条は削除してほしい、こういう希望が地方側に強いのでありますが、これについての所見もお伺いしたいのであります。
  6. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) 最初の問題でありまするが、要するに今のお話を聞くと、我々も今まで聞いておりまするところによりますると、折角この住民登録というものをこしらえても、これに権威がないと、今までの寄留と同じようになつて有名無実に終りはせんかという懸念であろうと思うのであります。その点について選挙人名簿或いは学齢簿等はすべてこれによるのだということに確定したらどうかという意見は前からあつたのでありまするが、勿論これができまする以上は、その基礎はこれによることは当然だと考えるのであります。但しこれ以外にそれじや資料が絶対に得られないというわけにも行くまいと思われまするから、その精神は何かほかの方面で十分現しておけば、当然さような仕事はこれによらなければならん、又それによらせるためにこれを作つておるのだから、その目的を達せられるのではないかと考えておるわけであります。  その次の市町村の心配は、これによつて経費市町村に特にかけられるかという問題だと思いまするので、これは財務当局においても十分考慮して頂きまして、今後平衡交付金を定められる場合においてもこれに関する一項目を置いて十分これを実現し、市町村に過重な負担をかけないようにして頂きたいというので、今までも事務当局からいろいろ折衝しているそうでございまするが、本日幸いその係のかたが出ておりまするから、ここで十分一つ意見を聞いて頂きたいと思うわけでございます。  それから二十九条、三十条でありまするが、二十九条はこれは主として各町村でまちまちにならないように、それから又従来面倒なような問題があるならば、それらのことも一定して一応きめておけば、これはこういうようになつておるのだと、こういうことで法務総裁のほうでそういう問題をまとめて全国的に成るべく統一させるほうが便利だ、却つてそのほうが市町村のために便利だという。これは公聽会における専門家の切なる要望でありましたので、これを入れたわけでございます。それから三十条につきましては、成るほどかようなことをたびたび言うて来られると面倒くさいというお考えも出るかも知れませんが、これは考え方でありましてこれは主として統計のほうが多いと思います。そういうような場合には仮にこれになくても、そのほうから市町村へこういうものを調べてくれとか、今までこれは随分例のあつたことでありまして、くれと言われればやらせておつたのでありますから、そういうものをこの住民登録基礎としてやつたほうが却つて簡単に行くのじやないかという、こういうところからこれを入れたわけであります。但しそれに伴いまして、又それじや経費が要つたらどうなるかといつたような問題は、これは財務のほうでありますから、これらの点は財務のほうで十分考慮して頂きまするならば、双方のために却つて便利に事柄が行くのじやないかと、かように考えております。
  7. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 発議者から聞くと、至極まあ御結構な御答弁なんですが、この選挙人名簿の問題は、ただそういう話だけではこれは済まんのであつて公職選挙法のほうによつて選挙人名簿作成は煩雑な手続を以てやらなければならんということになつておるのですが、まあ利用はされるだろうということで、地方は納得するのではなくて、この住民登録のこの資料によつて選挙人名簿を作るということを明文化することによつて、一切の単独な選挙人名簿作成のための行政事務というものをやめてしまいたい、そしていろいろな選挙人名簿からの脱落その他についての疑義解釈、或いは紛争をこれによつて解決したいというのが多分地方要望であろうと思うのであります。従つてこの点はつきり御答弁願いたい。
  8. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) 御尤の御意見なのでございまするが、ただこの選挙人名簿作成ということになりますると、これは市町村選挙管理委員会で作ることになりますものですから、そのほうでこれによると言つてきめることは誠に結構だと思いまするが、この法律によつて、これがすぐ選挙人名簿になるのだということはちよつと問題があるのじやないかと思われるのであります。但し選挙管理委員会市町村との間で今後は、これができた以上は選挙人名簿はこれによつて作るのだと、こういうことを別の方法できめますることは、これは誠に結構なことだと思いますが、この法律選挙法自体を縛るということはどうかと思いまするので、それで我々はこう申しておるわけでございます。併し事実においてはもうこれができますれば、これ以外にはないわけでございまするから、実効は確かにあるものとかように考えますから、あとのほうは現在のところでは行政事務として双方の間において何かそれによることを明確にして置くこと以外にないのじやないかとかように考えておる次第でございます。
  9. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは私はちつとも樺わん問題だと、選挙管理委員会は何かの法律規定さえあれば、この住民登録によつて選挙人名簿作成すると、一本にそういうふうになつて行くと思うのであります。このほうが都合がいいと思う、その地方々々でいろいろな考え方でこれを使うというようなことは、それは結構なことだろうという程度ではいろいろな紛争を排除することはできないのじやないかと考えるのであります。いわゆる確かに何カ月前に住居しておつたとか、おらんとか、こういう証明はすべてこれによつてやられるというようなことになると、はつきりして来るだろうと思うのでありますが。
  10. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) 我々もその考えは同一に考えておりまして、いろいろ研究したのですが、この選挙人名簿選挙管理委員会においてこれを作るということなつておりまするので、若しそういうことにいたしまするならば、この公職選挙法の第二十条にそのことを入れるほかはないと考えまするので、それでない限りにおいては何かこちらの施行細則とか、それから選挙管理委員会と打合せして選挙管理委員会施行規則等において入れるとか、そういうふうなことを今後考えなければならんと思うのであります。併しそのことは誠に我々も結構なことだと思いまするから、是非何らかの方法を講じたいと思つておりますので、これは今直ちに言明するわけに行きますまいが、将来に関する考え方について法務府の係の着から一つ意見を述べさせることにいたしますから、御了承願います。
  11. 平賀健太

    説明員平賀健太君) 只今質問の点は誠に御尤な点でございまして、市町村の側からもその点は非常に要望が強いのであります。この住民登録法案施行期日は附則のところにもございますように、来年の七月一日までの間において政令で定める日から施行されるということになつておりまして、実はこの法律伴つて住民登録法施行法というものが別に制定されなくちやならん建前になつておるのであります。この施行法の中で以て関係法律の整備、例えば寄留法の廃止というような措置を講ずるのが適当ではないかと思つております。  只今質問の点は結局公職選挙法の問題に相成りますので、この施行法の立案の際におきまして、公職選挙法の改正ということを問題にいたしまして十分研究をいたして参りたい、こういうふうに考えております。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だんだんの御答弁でよく了解したのでございますが、是非そういう点は慎重に御検討をして頂きたいと思うのでありますが、ただそれが仮にならないとしても、只今発議者の御答弁のように地方自治団体もそれぞれの意思によつてこういうものを基礎にして選挙人名簿作成すると、その他の煩雑な手続は省略するということをでき得るということだけははつきり了解して置く次第であります。  それから次に続いて質問いたしますが、公聴会等で熾烈なる意見がありましたので、第三十条を追加したと言うんですが、その公聴会における熾烈なる要望というようなことは、この事務市町村固有のものであるか、国の事務であるものか、委任された事務であるかというような点が根本的に論議せられて、そうして市町村固有事務であるという建前でなおこういう監督権なり、報告聴取権なりの発動できるような法律を作るべきだと、こういう主張であつたのかどうか、お伺いいたします。
  13. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) もとより固有事務であることを前提としてであります。固有事務ではありまするが、この固有事務を成るべく全国的にまちまちでないほうがいいから、その監督という意味より固有事務便宜のためにという意見が多かつたわけであります。それから三十条に至りましては、固有事務ではありますけれども、国のほうで市町村に対してこういうことを始終やるのでありますから、そのときは又選挙法に基いてやるということにしたら、却つて市町村のほうが楽だとこういうことからこれは実際今までの実例を並べて述べられました。その意見を徴して我々も審議し直してやつた、こういう実情であります。
  14. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その市町村のほうは楽だという意見だからやつたと言いますが、全国市長会全国市町村会もその組織団体が大体こんなものを必要でないと反対をしておるのであるから、私はどうもその点はおかしいと思うのです。而も先ほど政府委員からも御説明がありましたが、この法律施行法が伴い、又施行令も出て事務上のいろいろな規定をなさるんでありましようが、この法律に基いたいろいろな施行法施行令等統一的な行政事務の能率的な面を考えて行けば、私は一切二十九条、三十条は要らんのではないか、こう考えるのであります。法律建前から言つて……、そうしてなお且つそれでも疑義がある場合、地方からこの法律主管大臣に対していろいろな疑点を質疑されて回答して行くという原案のほうが非常に何といいますか、地方分権的な法の建前じやないだろうかと思うのであります。而もこの三十条はどうせやつているものだから明文化しただけのことだということでありまするが、これらについても他に統計上の国の統一した事務があるのであつて、そのほうの法律規定その他でこれはやればいいのであつて住民登録法そのもの建前から行く場合、こういうものは必要でないのではないか、こういう意見に対して一つ答弁願いたい。
  15. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) これは考え方の……。
  16. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこなんです、考え方の……。
  17. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) 固有事務であることにはこれは誰も異論がありません。絶対固有事務としておりますか、固有事務であるからそこで固有事務だといつたからといつて、ほうぼうでまちまちになつては困るから、こういうものがあるほうが却つて固有事務を取扱う上において便利だ、こういう事柄なのであります。それ以上はこれは考え方のなになんで……。それから三十条につきましても、これを以ていつも何でもやれるという考えではないのです。必要があるときいつもやつているのだから、そうすればどれかでやられるよりもこれに基いてやる、こういうようにしておいたほうがこれにも権威が付くし、又市町村のほうでも楽だ。そうでないというと、そのときどきでいろいろな調査を命ぜられて何しているからこれでやるのだと、こうやつておけば却つて市町村が便利だ、こういう意見なのであります。これは少しこれに至ります前にも、原案を作るときにもいろいろな意見があつたのが結局ここに現われて来たわけなのであります。
  18. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうもしつこいようですが、考え方だという、その考え方が我々としては重大な問題なんです。それで二十九条については事務が不統一になることを御懸念になつておられるのですが、私はその点は事務がこの施行令でどしどし統一的ないろいろな基準をおきめになつて、それぞれ細かく細則をきめて施行させればいいのであつて、その後において疑義が起つて来るものは受けて立つという態度がやはり行政事務の配分の建前から言つて私はいいのじやないかと思うのであります。それで又うまくないということであれば、施行令でどんどんこれは仕事がやつて行けるのでありますし、又それに基いて地方公共団体に対して通牒といいますか、通達といいますかを出してそれぞれ善処方要望することもこれはどこでもやつておるのであつて、何もこういうふうに法律で国が国がということを言わんでもいいのじやないか、こういうのが私の考え方なのであります。それからこの三十条では「国の行政機関は、」とあると、どこがやるのかわからんのであります。で農林省農林省のほうの何かの統計的な資料が欲しいというので出す、法務総裁法務総裁文部大臣文部大臣予算措置その他の資料地方に求める、こういうことはままありがちじやないかと思うのです。地方府県においても農務課がやる或いは衛生課がやる、何がやるというふうに同一町村団体に対して同じ統計資料をあらゆる角度から要求しておる、こういうことで事務が非常に煩雑であるということは事実なんです。そうしてこの点から言つても、この三十条の規定解釈のしようによつては従前のその不統一なる統計を要求する上級機関の越権的な行為是認という建前がこの中にある、そこで私はこういうものは要らんのじやないか、それでやつておるならやつておる通りにやればいいので、明文化する必要がないのじやないかという質問をしておる次第なんであります。非常に便利なものですから、さまざま使うのです。
  19. 鍛冶良作

    衆議院議員鍛冶良作君) いや、御懸念は御尤もでございます。それ以上は議論になりますから……。二十九条はこれは勧告をし又は助言するのです。何といいますか監督という意味じやございません。ただこうしたらどうだと聞かれたら、こういうふうにしたほうがよかろうというその程度のものなのでありまして、決して監督意味でないということは十分この際明確にしておきたいと考えます。それから三十条はそれは御尤もなのですが、今まで聞いたところでは随分やられておるのだ。そのときごとにどうもいろいろなことを言われて困るからこれでやるのだ、こう言つておいたほうが却つて便利だ、こういうのでしたが、ただ、今ここで考えられるように、これがなかつたら気兼ねしてやるのにこれがあるので堂々とやつて来られるということも考えられないでもありませんが、若しこういうものがあれば、統計なら統計に対してまちまちにやらないで、こういうことで例えば内閣の統計局でまとめる、さようなことをこれは考えなければならんものじやないかと御注告によりまして考えましたので、それらについて施行令を定めます際に十分考慮に入れて特に煩雑に亘らない、双方のために便宜であるように何か考えさしたい、かように考えております。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは先ずその点もくどくなりますので了解したといたしまして、次にこの前からのいろいろ財政的な裏付の問題でありまするが、今日は地財委のほうからも御出席がありますのでお伺いいたしますが、大体この事務を発足させるがための諸度調弁費として来年の七月までに用意しなければならない住民登録のカードの作成、その他事務職員等手当等もあろうかと思いますが、よくはつきりしませんが、四、五億か八億程度金がかかる、それから実施後においては一年間約十九億ぐらいその事務費がかかる。こういうようなお見込みを法務府のほうから伺つたのでありまするが、そこで私たちはその初度調弁費は新たに国の法律によつて地方が支出を余儀なくされる経費であるから、国が独自に一つこの財源の裏付をする必要があるのではないかという意見に対しまして大蔵省のほうといろいろ話合つておるのである、次の機会の予算にこれを見てもろうようにして地方には負担をかけないという建前考えておるのであるという御尤もな御答弁であつたのでありまするが、これについては地財委もこれに関係することでありまするが、今までどういう連絡があり、そうして財務当局とはどういう程度の話合いになつておるのか、地財委側のお考えをお伺いしたいというのが第一点であります。  それから第二点としましては、平常の年度における十九億からもかかる事務費については、法務府においてやはり我々の意見を了とせられて、平衡交付金算定の際に住民登録事務の一項を設けてもらつて、そうして特に平衡交付金でこれを見てもろうというようにしたいということであつたのでありまするが、これらについてやはり地財委とはどういう御連絡があり、又現在地財委としてはどういうお考えをお持ちになつておられるか。この際お伺いしたいのが第二点であります。
  21. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 第一点は財政負担の問題であります。御承知のように住民登録法は三年越しの問題でありますので、法務府とは密接な連絡をとりながらやつてつて来たわけであります。二十六年度におきましてはなお準備の段階でありますので、地方負担はないというお話を聞いておるわけであります。又将来におきましても臨時的な経費、例えて申上げまするならば、調査員手当でありまするとか、域い調査票に記入する事務費でありまするとか、或いは又住民票附票というようなものは経費負担するという話であります。併しながらそういう点は法律には何にも保障はないじやないかというふうに疑問を持たれるかと思うのでありますが、二十六年度においてすでに附票作成が国の予算に計上せられておりますので、法務府のそうした約束を信頼してよろしかろうというような考え方を以ちまして、単に内部的に文書を交換しておるというわけであります。平常年度におきましてはどうかという問題もあるわけでありますけれども、現に寄留法がありまするし、又配給関係世帯台帳を作つておりまするし、又これらに相当の人員を市町村が擁しておる関係もございますので、大体大同小異考えてよろしいのではなかろうかというような考え方を持つておるわけであります。法務府の調査によりますと、世帯台帳関係で一万九千五百人であります。寄留関係で四千七百人、合計二方四千二百人という数字であります。この数字は或いは兼務の関係で全部が全部その事務に当つておるということは言えないと思いますが、住民登録関係大体大ざつぱに人口四千人に一人の職員を要すると考えまするならば、二万人余りになつて来るわけであります。又年間の移動人口を仮に三千万人と見ました場合に、世帯で言いますと七百万くらいの世帯があるわけであります。我我の所で一世帯について通信費その他のものについて二十円ばかりかかるというような大ざつぱな計算をいたしますと、そのために一億四千四百万円であります。そうした経費世帯台帳寄留関係調査費とを一つにすることによつて生みだされる人件費の節減で出て来るのではなかろうかという考えを持つておるのでありまするけれども、併しこの法案が成立しましてから後に更に厳密に調査をいたしまして、所要経費を当つて行きたいと思つておるのでありまするけれども、今のところ大同小異であろうというような見方をしておるわけであります。なお平衡交付金算定に当りまして、住民登録の一項を設けて行くことについてどう考えておるかという問題であります。私は平衡交付金算定に当りまして、行政項目ごとに分けながらそれぞれの財政需要計算して行くわけでありますけれども、これは結果においてその地方団体に幾ばくの平衡交付金を交付しなければならないかという総額を算出するための手段に過ぎないわけであります。それを余り行政項目を細かに分けてしまいますと、如何にも国が個々の地方団体に対しまして予算の枠を作つてしまうという虞れがあるのであります。何か国のほうで地方団体予算統制をやるというようなことにならないとも限らないのであります。従つて理論的には成るたけ大きな行政項目計算しながら、結果として所要のその地方団体に交付すべき平衡交付金の額を算出したほうがいいと思います。併しながら一面その平衡交付金法に謳つておりまするように、国が基準の設定を通じまして地方行政の計画的な運営を図つて行くということも考慮せられなければならないのであります。現在戸籍につきましては、その他の行政費という中に一括して計算をしておるわけであります。もとよりその他の行政費算定いたします際には、戸籍関係だけでは幾ら経費を必要とするか、或いは寄留関係では経費を幾ら必要とするかということを仔細に分祈して算定をして行かなければならないと思うのでありますが、それを表面に出しますには、成るべく市町村財政運営府県財政運営方面を拘束することのないような試みがなされて行かなければならないと思うのであります。そういうような考え方を持つておるのでありますので、今直ちに住民登録行政項目の一項目として計画するということは申上げかねるわけでありまして、将来なおよく検討して参りたいというふうに考えておるのであります。
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 第一点の質問については法務府の見解も一致しておるようでありますから、国が財源的な裏付をするという建前であるということを確認しまして質問を終りますが、この第二点の平衡交付金の配分の問題に関しては、只今の奥野さんのお話もその通り聞いておるということ、誠にいい話なんであります。大変結構でありますが、ただそれほど地方を拘束しない、又そのためには大束に金を考えて行くのだということは、意地悪い考え方をしますと、非常に政治的に考慮された配分というものが結果出て来る余地を残すのじやないかと思われる点があるのでありまするし、又実際私たち地元の側にあつてこういう方面行政費をたくさん使つて欲しいという或る考えを持つておる者から言うと、或る程度は拘束されるくらいに国が十分金を見てくれるということのほうが地方にとつてはいいという考えもあるわけであります。ところが只今の問題になつておる点は、これからまあ検討して見ましようという程度のことなんですが、これは法務府側の御見解とは相当違う。何かこう雲か霞のごとくすつと消えてなくなるよううな心細い感じを持つのでありますが、一つ法務府側の御意見をお伺いしたい。
  23. 平賀健太

    説明員平賀健太君) 前回の会議の際私申上げました点と、只今奥野課長から御答弁された点、そう食い違つていないと私は思うのでありますが、ただ一つ食い違いがあつたと申しますか、違う点は結局住民登録事務費というものを地方財政平衡交付金法の中にはつきりと一項目立てるかどうかという問題だろうと思うのであります。この点につきましては前回も私たしか一項目をはつきり立てるという点についてまだ地財委とは十分了解が付いていないというふうに申上げたと記憶するのでありますが、問題はその法律の体裁をどうするかということに帰着するのでありまして、実質的にこれを見て行く、経費裏付をして行くという点においては法務府と地財委事務局との間には考え方に食い違いはないのじやないかと、こういうふうに考えております。なお地方財政平衡交付金法の中にはつきり一項目立てるかどうかという問題は、これは結局先ほど申しました住民登録法施行法の中で関係法律を制定する際に、その際平衡交付金法の一部改正をやるかやらんかということに結局帰着いたしますので、我々といたしましても、この点はなお地財委事務局と十分協議をしてみたいと、こういうふうに考えております。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いろいろの点がわかつたのでありまするが、奥野さんにお尋ねしますが、今後検討して、そして科学的な平衡交付金の配分の制度を打ち立てるというためには項目を起す、起さないは一応保留しましても、実際の実態に触れて調査し、その資料に基いて一通りの算定基準というものを打ち出すということにおいてはこれは変らない点であろうかと思うのですが、今後の住民登録関係の費用というものについて推定をしてみる、或いは実施の暁においてはこれが調査をして、そして或る確定された範囲の財政需要というものが考えられて来る場合には、やはり一項を起すというようなところまでお考えになつて行かれるものであるかどうかお伺いしたい。それは私の聞きようが悪いかも知れませんが、金額が大して全体的には大きなものではないから、その他という大枠で適宜やるんだという考え方に対して如何かと思われる点があるので、伺つておく次第なのであります。
  25. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 住民登録関係平衡交付金の配分の中に一項目を起すか起さないかということにつきましては、いろいろな角度から検討しなければならないわけでありますけれども、併しながらいずれの項目になりましても、それぞれ項目の内容につきましては仔細に検討し、その結果としての数字を出して行かなければならないと思つております。御承知のように個々の行政項目ごとの単位費用につきましては、二十七年度から法律できめることになつておりまして、今その作業をいろいろやつておるわけであります。只今つております作業は各行政項目ごとに更にその仕事の内容を分祈いたしまして、それぞれの細目における行政所要経費につきましてあるべき予算というものを作成しておるわけであります。もとより仮に住民登録経費をその他の行政費でみることにいたしましても、戸籍関係で幾ら、住民登録関係で幾らというように個々の行政の細目につきまして、あるべき数字というものを出して行きたいと思つております。こういうものを基礎にして、結果としての単位費用を国会において決定して頂きたい。こういうふうに考えておるわけであります。なお戸籍住民登録の問題を仮にその他の行政費といたしました場合に、その他の行政費は人口で測定することになつておるわけであります。仮にこれを別枠にいたしましてもやはり測定数値は人口を使わなければならないのじやないか。そうしますと、殊更に戸籍を分離し、或いは住民登録を分離することは如何なものであろうかと思うのでありますが、又半面に、戸籍住民登録地方行政費中にかなり大きなウエイトを占めておるわけであります。こうした場合には或いは特例的な扱いをしてもいいのじやないかというような意見も出て来るのであります。両論ございまして、平賀さんからいろいろ御意見も承わつておるので、なおいろいろ研究して行きたいと思つております。
  26. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 奥野君に、今の小笠原君の質問に関連しているのですが、地方団体に交付すべき昭和二十五年度分の地方財政平衡交付金の仮決、定額の算定に関する基礎というものがありましたね。二十五年度、二十六年度についてもこういうものがあるわけですが、二十七年度分からは今の法律が出て行くということになるだろうと思います。その中に二十五年度については市町村分を例にとつてみますと、今あなたがおつしやつたように、七、その他の行政費とこう細分があつて、徴税費、戸籍事務費、その他の諸費とある。三つ分けてある。それで小笠原君が言われる意味戸籍事務費があるくらいなら住民登録という法律ができて、これが市町村固有事務にまでされるのだから、その他の諸費をもう一つ分けて頂き、住民登録事務費というものを設けたらいいのじやないか。そうすれば町村のほうも納得できるのじやないか。こういうふうに私は聞いたのですが、この点はどうですか。
  27. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 住民登録関係につきまして、更に行政項目として上げるか上げないかということにつきましては、先ほど申上げましたように成るべく同一の測定数値を用いられるなら一緒にしたほうがいいのじやないかというふうな考え方もあるわけでありますし、又金額が他の行政項目とどのようなバランスになつているかというふうなことも見なければなりませんし、又余りその項目を小さくし過ぎましても、又先ほど申上げましたように予算統制的な弊害も生じて来るというふうなこともございますので、総合的に考えて行きたいというふうに思つておるのでして、なおこれは将来における問題でございますので、御意見等を十分拝聴しながら検討させて頂きたいというふうに思つております。
  28. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 今のはこういう意味でしようか。つまり戸籍事務費を特に取出してあるのは本籍人口に関係があるから別に取出してある。それから今まで寄留事務とか、その他のものをその他の諸費でやつているのは、いわゆる人口ということが同一なんだから、その他の諸費と同一なんだから突込んじやおう、こういうふうに言われる意味ですか。
  29. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 大体岡本さんのおつしやつた通りでして、住民登録経費の場合には、本籍人口よりも人口でこれを補正したほうがいいんじやないかというふうに思つているわけですけれども、なお併し研究問題として考えて行きたいと思います。
  30. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 立案者に一、二お尋ねいたしておきたいのですが、大阪市でございましたか、地方行政委員会のほうに言つて来ている意見の中に、一体戸籍というようなものは庭止したらいいじやないかというようなことを言つているのです。でこの法案をお作りになるに当つて、そういう御研究をなすつたか、それから戸籍の不要ということが非常に問題になる、これが是非とも必要だという必然性、そういうものについてもう少し御説明を願つて置きたいと思います。
  31. 平賀健太

    説明員平賀健太君) 只今大阪市から意見が出ているというお話でございましたが、私どもも大阪市の要望を聞いてよく知つているのであります。市町村の中には、大阪市のような要望をしている所が他にもございますし、結局これは経費の問題になりますので、来年度予算を組みます際に十分これは考慮に入れまして、なお実情等もよく調べまして、予算を組みます際に十分考慮に入れたいと思つております。それから第二の点でありますが、戸籍住民登録を一本にしたらどうかという意見は、これは各方面にございます。私どもといたしましてもこれは十分考えたのでございますが、只今戸籍というのが昔でありましたら家を単位にしてできております。今でありますと、夫婦と、その間にできた子供、更に細く言いますと、夫婦とその間にできた氏を同じくする子供、というのを単位にして戸籍というものができているわけであります。でありますから、夫婦と子供が戸籍の中に同居している形になつているのでありますが、現実の生活の実態、これはいわゆる世帯でありますが、世帯は必ずしも戸籍と一致しない場合が非常に多いのであります。その関係で以ちまして、これを今のままで一本にするということはちよつとこれは技術的に不可能なのであります。これを一本にしようということになりますと、どうしても戸籍というものを分解いたしまして、個人単位の身分登録制度、丁度ヨーロツパの諸国、アメリカなんかでやつておりますように個人単位にしてしまう、戸籍をばらばらにして個人単位の戸籍にするというように考えるよりほかないのであります。ところが現在の戸籍を個人単位にばらすということ、これはなかなか一朝一夕の仕事ではありませんし、経費も莫大な費用がかかりますし、又これをばらすことにいたしまして実益があるかと申しますと、住民登録と一本になれるという可能性はありますけれども、他方現在の戸籍にはとにかく夫婦、親子の間柄、その個人の身分関係というものが一目瞭然でわかる身分関係の証明が非常に容易であるというようなヨーロツパの個人単位の身分登録制度の持たない非常な長所を持つておるのであります。この長所が全部失われてしまうということになりますと、これはかなり不便を来たすわけであります。でそういうような実情にありますので、戸籍住民登録、これが一本にできたら非常に有利なところがありますが、この実現ということは差当つて非常に困難であるというふうに考えております。それからこの戸籍附票というものをやめるようにしたらどうか事務も簡易になつて経費も少なくて済むのじやないかという意見、これもあちこちにあるのでありまして、私どもも十分その点は考えられるわけであります。で、この戸籍と全然関係なく住民登録をするのは現在の世帯台帳などであります。ところがこの世帯台帳におきましては、これは結局住民の申告に基いてそれだけで作つておるわけであります。戸籍との関係がありませんために、同一人が二重に登録されておるというような例が非常に多い。それから申告されておりますところの生年月日が本当の生年月日と一致していない。それから配偶者でないものが世帯台帳には配偶者として載つておるというようなことになりまして、この戸籍とやはりそういう関係を持ちませんために、住民票というものの公証力というものが非常にこれは減殺されるわけであります。例えば選挙人名簿調製の基礎にいたしまする場合には、年齢というものが非常に重要な意義を持つて来ますが、戸籍と関連して作られた住民票でございませんと、年齢の点において信用が置けないということになりまして、選挙人名簿の調製にも十分信頼をおいて使えないというような結果になると思うのであります。そういうわけでなお経費がかかり、手数もかかるのでありますけれども、戸籍住民登録との統一ということができない現状においては止むを得ない措置じやないかと、こういうふうに考えております。
  32. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 今一点お聞しておきますが、現在の寄留制度で我々実際非常に困りますことは、法律並びにそれに基く法令におきましては寄留というものは届出でよいということであるのですが、いざ届出を持つて来ますと、それは戸籍謄本が要る、これは配給の何とかを持つて来いというようなことになりまして、二度も三度も足を運んで随分面倒でやめてしまうというようなことが多いのです。規則ではそんなことになつていないのですが、今度折角この住民登録法ができまして、規則において一般の民衆が登録されるようになつておりますけれども、又そういう面倒なことになる虞れはないのかどうか、政府においてその用意があるのかないのか、それをお尋ねしたい。
  33. 平賀健太

    説明員平賀健太君) 現在の寄留制度で届出の際に配給通帳を持つて来いとか、或いは戸籍抄本を持つて来いというようなことは、これは実際問題としては或いはやつておる所があるかも知れませんが、法律建前はそういうふうにはなつていないのであります。で届出がありますと、届出を市町村役場で受理いたしまして、本籍が別にありますと、本籍地のほうにその届書を送ることになつております。で本籍地のほうではその届出書と戸籍とを対照して間違いがあれば、届出書を受理した市町村に向つてこういう点で食違つておるという点を言つてもらつて、届出書を受けた市町村では更に本人に確かめて、この点間違つておるのじやないかというようなことを確めまして、寄留簿の訂正をする、或いは職権で例えば生年月日なんか間違つておるとか、名前の文字が違つておるというようなときには簡単に大体職権で直すことができるわけであります。そういう仕組に現在の法律はなつておるのであります。でありますから、戸籍の抄本を出せとか、或いは配給通帳を持つて来いというようなことは現在の建前ではできない建前まであります。で住民登録実施の暁においてそういうことでやりますと、これはやはり届出をしようという住民の協力を阻害するということになりますので、これは市町村としては十分慎んで頂かなければならんことだと思うのであります。ただこれは先ほどの御質問にございましたように、そういう場合に法務総裁が何らかの職権の権限がないということになりますと、実は困りますので、そういう場合のためにも二十九条がやはり役立つのじやないだろうか、そういうことがないようにということを勧告する、この勧告、助言の権限をそういう場合に使うべきではなかろうかというふうに考えております。
  34. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 寄留制度においてそういうことがないように法はなつておるということは私もよく知つておる。ところが私はこの一月に杉並区から世田谷区へ越して参りました。それで地方選挙もあるから早く寄留しようというので寄留を私自身はやりませんでしたけれども、子供や家内が両三日行きましたけれども、なかなかそれが片が付かない。もう選挙人名簿を作る期日が遅れてしまうというような……、ところがそれは配給の通帳を持つて行けばそれでいいのだということで解決は付きましたけれども、とにかく寄留はなかなかできない。十四日でやれとか何とかと言つたつて故郷へ戸籍謄本を取りに行かなければならない、それを送つて来なければできないのです。それはこういう制度をやつておる二十三区の行政区が悪いと言つてしまえばそれまでですけれども、これはやはり何かそうしなければならん法の欠陥があるのではないか。無理なことをここできめても、これは法律だけが簡単になつてしまうだけで、実際はそうは行かないということになるのですから、だから法を簡易化することは結構ですけれども、実際に簡易な手続でそれが正確にできるような仕組にして頂きたい。その点を私は憂うるのでありまして、そういう虞れがあれば、法律でなになにのところではやらなければならんというふうに規定すべきだと思う、そのすればみんなも成ほど法律がそうなつておるのだからそうしなくちやならんということになりますが、我々の割切れないのは、我々は法律の端くれを知つておりますから、寄留法や何かでこうなつておるのに、なぜ戸籍謄本を取りに行かなければならないのかということに疑問を持つのです。だから折角住民登録法をお作りになるのに、法律だけが簡易でも仕方がない。非常に不正確なものができるとすれば、勧告とか助言とかでそういう手続をとらざるを得ないということになるのであります。その点はどうですか、この法案のように規定がしてあれば大丈夫正確なものができるのか、その点を伺つておきたいと思います。
  35. 平賀健太

    説明員平賀健太君) この住民登録におきましては、市町村固有事務ということになりまして、国のほうの監督権というものはないということになりますので、ただ勧告、助言ということでまあ賄つて行くよりほかないのでありますが、併し市町村といたしましても、やはり届出が励行されない、又市町村当局の側で届出をしようとする熱意を殺ぐようなことをいたしますと、結局やはり住民登録がうまく行かないということになりますし、市町村のほうでも事務に支障を来すということになると思いますので、市町村でも実施上これは十分こちらで言わずとも、その点は考慮するのではないかというふうに考えられます。なお現在の寄留事務につきまして、お話のような事情がございましたら、幸いに寄留事務につきましては、今国の事務ということになつておりまして、法務総裁監督権があるのですから、実情をよく取調べまして、或いは地にもそういう例があるかも知れませんので、こちらのほうで何らか監督上必要な措置を講じたいと思つております。
  36. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 先ほどから私の言うのは国から助言や勧告をしなければならないような法の組織が完全かどうかという問題なのです。つまりこれは二十三区はそうしなければやり切れんだろうと思う。寄留ということが何が何やらわけがわからない、だから戸籍謄本を出せ、それから配給通帳も出せということになるのありまして、難きを強いるようになりますが、何かそこに届出のときにどうしろといういい規定ができないかどうか、よく御研究になつたのかどうか、これで皆がやつて行けば正確なものができるとお考えになつておるのかどうか、それでも政府のほうでできるのだというような自信があるようなきめ方になつておれば、勿論そのほうが結論なのでありますが、又何か面倒なそういうことを区役所や町村がする気遣いもないのですから、非常に不正確なものができるから、止むを得ずそういう措置をとつた、こういうふうに思うのです。その点をもう少し私の質問に正確に答えて頂きたい。
  37. 平賀健太

    説明員平賀健太君) 結局繰返し同じことを申上げるようでありますが、法律規定としては戸籍法、それから現行の寄留法などとも対照いたしまして、この程度で十分じやなかろうかと私ども考えるのでございますが、御懸念の点は実際の運用の点におきまして十分賄つて行けるのじやないか、こういうふうに考えております。
  38. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 これ以上押し問答になりますから申上げませんが、これは単に世田谷区だけじやない。その他の東京都に住んでいるかた、又移転をした人なんかに聞いてみると、ことごとくそう言われている。だから寄留法の現行法視には、単に届出でいいということになつておるから、これをそのままこの法律に採用したというのじや御返答は不正確だと私は思います。簡易な届出でなければ届出る人が少くなる。だから多少は不正確を忍んでも、この簡易な届出にしたのだ。だから中には現在の二十三区が憂うるような欠陥があるかも知らんけれども、それにもかかわらずこの簡易な届出でいいのだ、こういう御答弁をあなたがなさらなければ本当はいけない。それだけ申上げておきます。
  39. 鈴木安孝

    委員長(鈴木安孝君) 他に御質問はございませんか。……御質疑がないようでありますから、連合委員会はこの程度で閉じたいと思いますが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 鈴木安孝

    委員長(鈴木安孝君) 御異議がないと認めまして、連合委員会は閉じることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分 散会  出席者は左の通り。   法務委員    委員長     鈴木 安孝君    委員            北村 一男君            左藤 義詮君            長谷山行毅君            齋  武雄君            岡部  常君            中山 福藏君            須藤 五郎君   地方行政委員    委員長     岡本 愛祐君    理事            堀  末治君            吉川末次郎君            竹中 七郎君    委員            石村 幸作君            岩沢 忠恭君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            中田 吉雄君            西郷吉之助君            岩木 哲夫君            石川 清一君   衆議院議員            鍛冶 良作君   政府委員    地方自治政務次    官       小野  哲君    地方自治庁財政    課長      奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会専門    員       長谷川 宏君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   説明員    法務府民事法務   長官総務室主幹  平賀 健太君