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説明員(
平賀健太君)
只今大阪市から
意見が出ているという
お話でございましたが、私どもも大阪市の
要望を聞いてよく知
つているのであります。
市町村の中には、大阪市のような
要望をしている所が他にもございますし、結局これは
経費の問題になりますので、来
年度の
予算を組みます際に十分これは考慮に入れまして、なお実情等もよく調べまして、
予算を組みます際に
十分考慮に入れたいと思
つております。それから第二の点でありますが、
戸籍と
住民登録を一本にしたらどうかという
意見は、これは各
方面にございます。私どもといたしましてもこれは十分
考えたのでございますが、
只今の
戸籍というのが昔でありましたら家を単位にしてできております。今でありますと、夫婦と、その間にできた子供、更に細く言いますと、夫婦とその間にできた氏を同じくする子供、というのを単位にして
戸籍というものができているわけであります。でありますから、夫婦と子供が
戸籍の中に同居している形にな
つているのでありますが、現実の生活の実態、これはいわゆる
世帯でありますが、
世帯は必ずしも
戸籍と一致しない場合が非常に多いのであります。その
関係で以ちまして、これを今のままで一本にするということはちよつとこれは技術的に不可能なのであります。これを一本にしようということになりますと、どうしても
戸籍というものを分解いたしまして、個人単位の身分登録制度、丁度ヨーロツパの諸国、アメリカなんかでや
つておりますように個人単位にしてしまう、
戸籍をばらばらにして個人単位の
戸籍にするというように
考えるよりほかないのであります。ところが現在の
戸籍を個人単位にばらすということ、これはなかなか一朝一夕の
仕事ではありませんし、
経費も莫大な費用がかかりますし、又これをばらすことにいたしまして実益があるかと申しますと、
住民登録と一本になれるという可能性はありますけれども、他方現在の
戸籍にはとにかく夫婦、親子の間柄、その個人の身分
関係というものが一目瞭然でわかる身分
関係の証明が非常に容易であるというようなヨーロツパの個人単位の身分登録制度の持たない非常な長所を持
つておるのであります。この長所が全部失われてしまうということになりますと、これはかなり不便を来たすわけであります。でそういうような実情にありますので、
戸籍と
住民登録、これが一本にできたら非常に有利なところがありますが、この実現ということは差当
つて非常に困難であるというふうに
考えております。それからこの
戸籍の
附票というものをやめるようにしたらどうか
事務も簡易にな
つて経費も少なくて済むのじやないかという
意見、これもあちこちにあるのでありまして、私どもも十分その点は
考えられるわけであります。で、この
戸籍と全然
関係なく
住民登録をするのは現在の
世帯台帳などであります。ところがこの
世帯台帳におきましては、これは結局住民の申告に基いてそれだけで作
つておるわけであります。
戸籍との
関係がありませんために、同一人が二重に登録されておるというような例が非常に多い。それから申告されておりますところの生年月日が本当の生年月日と一致していない。それから配偶者でないものが
世帯台帳には配偶者として載
つておるというようなことになりまして、この
戸籍とやはりそういう
関係を持ちませんために、
住民票というものの公証力というものが非常にこれは減殺されるわけであります。例えば
選挙人名簿調製の
基礎にいたしまする場合には、年齢というものが非常に重要な意義を持
つて来ますが、
戸籍と関連して作られた
住民票でございませんと、年齢の点において信用が置けないということになりまして、
選挙人名簿の調製にも十分信頼をおいて使えないというような結果になると思うのであります。そういうわけでなお
経費がかかり、手数もかかるのでありますけれども、
戸籍と
住民登録との
統一ということができない現状においては止むを得ない
措置じやないかと、こういうふうに
考えております。