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矢嶋三義君 私は本
法案に賛成の意を表するものでございます。我が国の
民間研究機関の実態というものは、戦前においても貧弱でありしまたが、戦後特に貧弱である。この
民間学術研究機関の
助成ということは、私は
学術会議の民主化という立場からも極めて重要なものと把握いたしておるものでございます。歴史があり、相当の
功績を残し、而も特色ある
研究をや
つているところの
機関で、現在さらにつぶれようとしているような
研究機関もあるわけでございますが、今日まで十分の
助成かでできずにこれは遺憾に思
つておりたものでございまするが、このたび市町村民税並びに
固定資産税の免税、これは各
研究機関で非常に切なる要望のあ
つたところでございますが、それが実現のできることと、更に今まで行政的
措置においてなされておりましたところの
補助というものが、ここに立法化されて、
法的措置が講ぜられるということは、我が国の
民間学術研究機関の実態からして極めて適切なものである。こういう
意味において賛成申上げるものでありまするが、ただ希望を申上げまするというと、私のひがみからいたしまして、どうも
学術及び
産業振興、こういうようなところから
自然科学を非常に重視して、
人文科学を継子扱いにするのではないかというような気持がいたします。更にこの
文化国家の再建を標傍しておる我々として、この軍事化或いは
基礎科学、そういうものの興隆、
助成、延いては軍事
産業に携わるものに流れる慮れがありはしないか、こういうような危惧を抱くものでありまして、
文化国家の再建を標榜しておる我が国として、断じてそういう
運営に陥らないように私は切なる要望をいたすものであります。更に次に要望いたす点は、先ほどからも若干
予算の問題が出ましたが、極めて我が国の
実情と一致したところの適正なる
予算が確保されるということが大事でありまして、行政当局において十分の資料を整え、適正なる
予算が確保されるように努力することを要望すると共に、最後に私はこの
法案において、特にこの
運営に要望する点は、第五條のところでございます。第五條の第二項に、我が国の
学術国会とも申すべき
日本学術会議に諮問して審査の
方針及び
対象の
範囲をきめる、
学術会議の意見を尊重するということが書かれておりますが、この
運営をこの條文に謳われておる
通りに行うということは、私はこの
法案の
立案の
趣旨を十分達成する
意味におきまして最も大事なことと
考えるものでありまして、その点特に強く要晒して賛成の意を表するものであります。