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政府委員(篠原義雄君) ここで先ず第一号から申しますれば、本殿、拝殿とございます。これは御
承知のように神社
関係で祀神等を奉祭しているこんな建物を本殿、それから拝殿はそれらの参拝のために專ら用いられている建造物、これは御
承知と存じ上げます。本堂、会堂、これにつきましては仏教の御本尊をお祭りしてあるところの建物、これを本堂と申します。会堂につきましては、これは仏教
関係にもございましよう。なおキリスト教あたりの
中心的な礼拝堂と申しましようか、そういつた二つの面を
考えている次第でございます。僧堂、これも仏教
関係の、これは御
承知と思いますので略しておきますが、僧院、これはいわゆるキリスト教
関係のカトリツクなどにございますところの修道院の、導ら礼拜を
中心とした建物を僧院、信者修行所と申しますのは、先ほど第二條に規定いたしますところの信者の教化育成という一つの目的のために掲げられておる次第でございまして、これらの目的を十全に果し得ますためのしつらえ、これを信者修行所こういうように了解しております。社務所は御
承知のように神社の事務所、庫裏は御
承知のごとく仏教におきますところの住職がそのお寺、寺院の教化能力を全うするため、或いは
宗教財産を管理するために如上の目的のために止住しているところのその場所を、その建物を庫裏と一応概念しております。教職舎と申しますのは、專らこの用語でございますが、牧師館、祀祭館等を総称いたしておりますが、これにつきましてなお神社
関係の向のものも
考えられるわけでございます。宗務庁、これは御
承知の仏教
関係の包括教団の事務所に
相当するものでございます。教務院などは、この実例はキリスト教
関係の教団の事務所並びに教派、神道等の一部の宗派的な存在の
宗教団体の事務所などがこれに入
つております。教団事務所と申しますのは、キリスト教その他の団体に普通通例使われておりますところの
宗教上の事務をとる所、こう
考えております。それからここで第三号の参道と申しておりますのは、必ずしも「参道」と申しますもののみを
意味しませんで、横に付いていたり或いは裏からその社寺に通ずるところのいわゆる裏参道、或いは表参道といつたようなものをこの参道として概念しておる次第でございます。四、ここで申しますところの神せん田というのは、御
承知の神社
関係で奉祭祀神等を祭るための神前の穀物、野菜、そういつたものを専用の田で作る、その田を申しております。仏供田につきましては同じように仏に差上げるものを栽培し、生産するところの田、それから修道耕牧地と申しますのは、キリスト教、特にカトリツク教団にありますところの修道僧が專ら瞑想に耽り、苦行或いは
宗教上の行事をしながら、そこに一定の場所に生産をしつつ、且つ祈りの生活の中に自分たちの生活の糧を生産する。こういつた専らそういつた信者の、信者と申しますか信仰者のためにその信仰を続ける
意味におきまして、又その農産をするそのこと自体の中に、
宗教的な活動を、
宗教的な信念を深めて行く、こういつたような
関係から、そういうふうな主に黙祷のために用いられるところの土地をここでは修道地と概念しておる次第でございます。
それから第六号にあります「
歴史、古記等によ
つて密接な縁故がある土地」と申しますのは、例えばここで開山がこういうふうなことをされた、或いはその社寺にと
つて最も記録上におきまして大事な場所がよくございますが、そういつた特に或いは
歴史上において直接にその当該社寺と密接な
関係があるという土地をここで総称しております。なおその前の尊嚴保持のために必要な土地、この場合におきましては、必ずしも何と申しますか
一般的な概念はございませんが、
宗教団体の特性といたしまして、その建物、土地自体が一つの
宗教の
中心、或いは信仰の感情、こういうものをまとまつた一体としての土地というものとの
関係におきまして受けるところの感情でございますので、そういつたような一体感を持つところのもの、神聖を保持せしめるに足るところの土地、こういうふうに我々は
理解しておる次第でございます。なおそのほかの点につきまして、又個別的な事項につきまして御
質問があればお答えしたいと存じます。