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衆議院議員(野原正勝君)
森林法につきまして概要を申上げたいと思います。
御承知の
通りこの
法案は八章二百十
五條に上
つている非常に大きなものでございます。詳しく申上げますと非常に長くなりますが、できるだけ簡潔にその要点だけを申上げたいと思います。
第一章の総則でありますが、第一章でこの
法律の目的を論じております。森林計画、保安林等の森林についての基本的事項を定め、又森林
所有者の団体制度としての協同組織の制度を確立し、森林の保続培養と森林生産力の増進を図り、以て国土の保全と国民
経済の発展とを期することにあることを明らかにしたのであります。第二條は定義の
規定でありまして、森林及び森林
所有者、国有林、民有林についてそれぞれ定義をしております。即ち森林につきましては、従来現行
森林法におきましてはその定義の
規定がないのであります。
従つてその解釈もまちまちであ
つたのでありますが、このたびの改正におきましてはこれを明らかにしたのであります。即ち木竹が集団して生育をしている土地、その土地の上にある立木竹を総称して森林と言います。それから木竹が現在生育していなくても、木竹の集団的な生育に供されることが明らかである土地も又森林の範疇に入れたのであります。但しこれらの土地及び立木竹でありましても、その土地が農地として、又は住宅地として或いは住宅地に準ずる土地として使用されているものは、その上にある立木竹をも含めて森林の範疇外であることを明らかにしたのであります。なお住宅地に準ずる土地としましては、工場の敷地、公共建築物の敷地、宗教法人令第三條に定める神社、寺院等の境内地の中にある土地が含まれております。庭園も又その意味で森林ではないのでありまして、
従つて後楽園であるとか、偕楽園等の、昔庭園であ
つた現在の公園であるとか、或いは上野公園、日比谷公園等の小公園は勿論住宅地に準ずる土地として取扱われることになるわけであります。それから森林
所有者でありますが、これは権原に基いて森林の土地の上に立木竹を所有し、及び育成することができる者といたしました。即ち所有権のみならず、地上権、賃借権、その他土地についての使用収益の権利に基いて森林たる土地の上に木竹を所有し、並びにその木竹について育成することができる者を森林
所有者としているのでありまして、森林たる土地の
所有者の範囲とは必ずしも一致しておりません。即ち森林の土地
所有者でありましても、その土地について地上権者があり、その地上権者が立木竹を所有し、育成している場合は、その地上権者が森林
所有者でありまして、土地の所有権者は森林
所有者ではないであります。又杭木の業者であるとか、パルプ業者、素材生産業者等が、單に立木のみを所有いたしまして、その土地について立木を伐採し且つ搬出する等の、伐採に伴う使用権だけしか持
つていない者は、勿論森林
所有者ではないのであります。国有林、民有林の区別でありますが、その森林の
所有者が国であるか否かによ
つて定めるわけでありますけれども、国有林野法第四章の部分林につきましては、部分林契約等による造林者が
所有者であると
考え得るので、本来民有林に入れべきものでありますが、これは国有林として規律して行くことが妥当であると
考えられますので、特に国有林であることを明らかにしました。なお公有林野官行造林地につきましては、国が地上権者であるので、国が当然
森林法でいう森林
所有者である。
従つて国有林の範疇に属するものであるということに
規定をしております。民有林は以上の国有林以外の森林でありまして、この中にはいわゆる公有林、社寺有林、私有林のすべてが包含せられているのであります。
第三條は、承継人に対する効力に関する一般例文
規定でございます。
第二章の営林の助長及び
監督のことでありますか、第二章におきましては森林計画に関する
規定、森林計画で定める伐採に関する
規定、火入等森林についての危害防止に関する
規定から成立しております。その目的とするところは、現在の施業案の制度る改めまして、行政庁の責任の下に森林生産の保続を図り、森林施業の合理化に資するように、森林施業の
基準としての森林計画を設定
実施いたしまして、戰時戰後を通じて急激に荒廃と減耗の一途を辿りつつある我が国の森林資源の保続培養に努めて行こうとするものであります。森林計画の設定、その内容、構成等は細かに申上げますと非常に長くなるのでありますが、これに対しましては基本計画と森林区施業計画、それから森林区
実施計画の三つに分れておるのでありまして、森林基本計画のほうはすべて
農林大臣が決定者であります。施業計画及び
実施計画は
都道府県知事が責任を持
つて計画を決定することに
なつておりまして、細かな内容等につきましては法文を御審査願いたいと存じます。なお森林計画は森林生産の保続を図ることと、幼齢林の保護、伐採跡地の急速なる造林、急傾斜地の皆伐作業を抑制することを旨といたしております。且つ施業の合理化に資すべきことを目途として改正されなければならないのであります。右のようにいたしまして森林計画につきましては、森林の現況、
経済事情等に著しい変更があ
つた場合等におきましては、森林計画を変更することができるのでありますが、森林区
実施計画に異議のある者は、この公表の日から二十日以内に異議の申立ができるように
なつております。森林計画で定められました事項につきましては、一般的に森林
所有者はその計画に
従つて施業することを旨としなければならないということに第二十條で
規定しております。特に植裁に関する事項につきましては、森林区
実施計画で定めたところに
従つて植栽しなければならないのであります。これに違反のあ
つた場合は行政代執行法又は臨時造林
措置法の運用によ
つて造林の実現を期すのでありますが、違反者に対しましては格別罰則の
規定は設けてないのであります。次に
伐採については森林を制限林、普通林、特用林及び自家用林の四つに区分をしておりまして、それぞれ適切な取扱をすることに
なつております。即ちこの四つの区分の仕方は、制限林は、保安林、保安施設
地区の森林、砂防指定
地区の森林、国立公園の特別指定
地区の森林等、その立木竹の伐採を制限されている民有林が制限林であります。普通林は、制限林、特用林及び自家用林以外の民有林といたします。特用林は、
省令で定める樹種、例えば「はぜ」「くり」「うるし」「あべまき」その他を主とする森林で、その立木の果実の採取その他
省令で定める用途に主として供されておるものです。いわゆる特産樹を主とした森林でありまして、森林
所有者の申請によ
つて指定したものであります。自家用林は、森林
所有者が自家の生活の用に充てるための必要な木材、薪炭等の林産物採取の目的に供するものを五反歩以内で申請によ
つて指定することに
なつております。この四つの森林の中で特用林と自家用林につきましては、その立木の伐採に関しての制限は加えないことに
なつております。普通林につきましては、その立木の中で適正伐齢期級以上の立木の伐採につきましては、届出でよろしいことに
なつておりますが、普通林の伐期齢級以下のいわゆる幼壯齢林であるとか、又制限林の立木につきましては
都道府県知事の許可を受けなければ伐採ができない
規定に
なつておるのであります。この場合の
都道府県知事が伐採を許可し得る限度というものは、森林区
実施計画で定める伐採許容限度数量、これは森林の成長量を
基準として定められるわけでありますが、この許容限度の範囲内で行われるわけでありますが、特に必要がある場合は二割の範囲内で許可限度を殖やすことができることに
なつております。普通林の立木の中で適正伐期齢級以上に属する立木は、
先ほどお話しましたように伐採前六十日までに
都道府県知事に文書を以て届出ることによ
つて伐採ができのであります。この場合の適正伐期齢級は
省令において定めるわけでありますが、
地域別或いは樹種別によ
つて適正にきめられるべきでありまして、おおむね成長量の最も多い時期を
基準としてきめられるはずであります。
なお非常災害等が起きて緊急の用に充てるための伐採、又は公共の施設に対する支障木、危険木の伐採等の例外
措置を認めまして、或いは
試験研究の用に供される森林等につきましては、森林計画に関する
規定、伐採制限に関する
規定等は適用しないことを明らかにしております。又普通林の立木の伐採の許可制に伴いまして、一部の幼壯齢林の伐採が制限されることになるのでありますが、その場合に、その立木の伐採を制限された森林の森林
所有者に対しましては、その森林を担保として原則として森林
組合を通じまして平均年四分の低利
資金を農林漁業
資金触通法の定めるところに
従つて融通する途を開きまして、この
法律と同時に提案中の
森林法施行法で所要の改正を図ることに
なつております。第二十
一條から第二十三條までは、火入等に関する
規定でございます。
第三章は保安施設でありますが、この章は第一節、保安林、第二節、保安施設
地区の二節に分れておりまして、第一節は
現行法第三章、保安林に
相当するものでありますが、第二節は新設の
規定でございます。第一節の内容は、保安林の指定又は解除、保安林における制限、保安林に指定された場合の損失補償並びにこれらに関する手続を定めたものでありまして、
現行法と殆んど同様であります。ただ指定又は解除の手続に多少の補正を加えましたのと、保安林指定の事由として新たに火災の防備及び干害、雪害又は霧害の防備を附加えまして、新たに保安
地区とすることができるようにしたのであります。第二節の保定施設
地区は、従来国又は
都道府県が行
なつておりましたいわゆる治山工事の主体、事業の態様等について
法律上の根拠を與えましたもので、おおむね次の内容を含んでおります。国又は
都道府県が森林の造成事業又は森林の造成若しくは維持に必要な事業を行う場合には、保安林の指定の場合と同様の手続によ
つて農林大臣が森林又は原野等をその事業
実施に必要な限度で保安施設
地区として指定することに
なつております。
都道府県が保安施設事業を行う必要があるときは、保安施設
地区の指定を
農林大臣に申請するのであります。それから保安施設
地区指定の有効期間は七年として必要があるときは三年を限
つて延長のできることに
なつております。なおその後十年間は国又は
都道府県はその保安施設事業にかかわる施設の維持、管理を行うことができるのであります。次に国又は
都道府県が保安施設事業をやめたときは、
農林大臣は遅滞なく保安施設
地区の指定を解除しなければならないものとしております。又
地区指定の後一年を経過しても国又は
都道府県がなお事業に着手をしていないときは、その指定は効力を失う
規定も設けております。次に保安施設
地区の土地の
所有者その他その土地に関して権利を有する
関係人は、国又は
都道府県がその
地区内で行う造林、森林土木事業、その他保安施設事業を行うこと、及び期間満了の後におきまして施設の維持管理をする行為を拒んではならないものとしております。次に国又は
都道府県は、保安施設事業を
実施することによりまして
関係人が受けた損失を補償しなければならない
規定を設けております。次に国は保安施設事業によ
つて利益を受ける
都道府県に対しまして、その事業費の三分の一以内を
負担させることができるのであります。
都道府県の行う事業に対しましては、その事業費の三分の二以内を国が補助することのできる
規定もあるのであります。保安施設
地区の有効期間が満了しましたときに森林であるものでまだ保安林でないものは、そのときに保安林として指定されたものとみなされまして、
従つてそれ以後は保安林になるのであります。
第四章は土地の使用の
規定でありますが、この章は
現行法第四章、土地の使用及び収用に
相当するものであります。この章におきましては、森林から林産物を搬出するため他人の土地を使用することが必要な場合における使用権の設定に関する事項を
規定しておりまして、
現行法と殆んど同様であります。即ち使用権の設定に関する
都道府県知事の認可、使用に関する協議が整わない場合の
都道府県知事の裁定、使用される土地の
所有者のその土地の収用の請求、使用の際の損失の補償、損失の補償に関する訴訟等を
規定いたしまして、更に水の使用権の使用についてもこれらの
規定を準用するほか、水流における工作物の使用等に関する
規定を置いたのであります。改正を加えました点は、土地の使用権を設立し得る場合を明確にいたしまして、森林から木材、竹材若しくは薪炭を搬出いたしまして、林道、木林集積場その他森林施業に必要な設備をする場合として、林産物の範囲を明らかにすると共に、設置しようとす設備の範囲を拡張したことであります。なお土地の使用に関する
規定のほかに立入
調査の
規定を置きまして、森林
所有者又は権原に基いて森林の立木竹の使用若しくは収益をする者が、森林施業に関する測量又は実地
調査のために必要があるときには、
都道府県知事の許可を受けて他人の土地に立ち入り、又は測量
調査の支障となる立木竹を伐採することができる
規定を置いております。
次に第五章の森林審議会でありますが、森林に関する重要事項につきまして
農林大臣又は
都道府県知事の諮問に応ぜしめるために
農林省に中央森林審議会を、
都道府県に
都道府県森林審議会を設けることに
なつておりまして、従来の地方森林会はこれを廃止するのであります。本法によりまして森林審議会に諮問される事柄は、森林計画の設定、保安林の指定又は解除及び保安森施設
地区の指定に関する事項、及び森林に関する重大な問題がそれぞれ審議されるのであります。中央森林審議会の委員は
学識経験者十七人、
農林省その他
関係行政機関の職員十人といたしまして、
農林大臣が内閣総理
大臣の承認を得て任命するのであります。又
農林大臣は專門の事項を
調査させる必要があると認めた場合には、委員のほかに專門員を置くことができる
規定であります。
都道府県森林審議会の委員は、
学識経験者十人、
都道府県その他の
関係行政機関の職員五人といたしまして、
都道府県知事が任命するのであります。
第六章の森林
組合と森林
組合連合会でありますが、これにつきましては先ず
組合の目的であります。森林
組合及び森林
組合連合会は、森林
所有者の協同組織によりまして森林施業の合理化と森林生産力の増進とを図り、併せて森林
所有者の
経済的、社会的地位の向上を図ることを目的とするということを明らかにしております。それから独占禁止法との
関係でありますが、森林
組合の
組合員は、独占禁止法の適用につきましては、法人たる
組合員であ
つて、常時使用する従業員の数が百人を超え、又はその経営する森林の面積が三千町歩を超えるものを除いて、同法第二十四條第一号の小規模事業者とみなされるのであります。森林
組合は、施設
組合と生産
組合、事業及び
組合員は、それぞれ施設
組合及び生産
組合によ
つて細かく
規定をしておりますが、これは
法案の御審議を頂きたいと思います。施設
組合は、林道を設け、拡張し、或いは復旧したときは
都道府県知事の認可を受けまして、その事業の
実施によ
つて特に利益を受ける者(
組合員を除く)に、その事業に要した費用の一部を
負担させることができることにしております。施設
組合の倉荷証券の
発行、
組合施設の員外利用等については、一般の
協同組合と同じように
規定を設けております。加入、脱退は自由でありまして、従来のようないわゆる強制加入ではないのであります。議決権及び選挙権などは、一人一票とするほかに、
組合員の権利義務につきましては、一般の
協同組合と同様な
規定を設けております。管理
規定でありますが、
組合の管理に必要な事項として、定款、規約、総会、総代会、財務等に関しまして、一般の
協同組合の例に倣
つて必要な
規定を設けたのであります。なお
組合員から信託を受けて森林の経営を行う施設
組合につきましては、信託法の適用の特例を設けております。設立、解散、清算、登記及び
監督等でありますが、これらのことは、
組合を設ける場合、施設
組合にありましては十人以上、生産
組合にあらましては五人以上の森林
所有者たる個人が発起人となることを必要といたして
規定しております。その他の解散や清算等につきましては一般の
協同組合と同じでありす。次に森林
組合の
連合会の事業と会員でありますが、森林
組合連合会は次に申上げるような事業の全部又は一部を行うことができることにしております。一は
連合会を直接又は間接に構成する者のためにする森林の経営に関する
指導、二、会員の行う事業に必要な
資金の貸付、三、会員の行う事業に必要な物資の供給、四、所属員の生産する林産物の運搬、加工、保管又は販売、五、所属員の行う林業に必要な種苗の採取又は育成に関する施設、六、所属員の行う林業に必要な林道の設置その他共同利用に関する施設、七、防火線の設置、病虫害の防除その他所属員の森林の保護に関する施設、八、所属員の福利厚生に関する施設、九、林業に関する所属員の
技術の向上及び
組合事業に関する所属員の知識の向上を図るための教育並びに所属員に対する一般的情報の提供に関する施設、十、所属員の
経済的地位の改善のためにする団体協約の締結、十一、以上のほかに会員の
指導及び連絡に関する施設、十二、前各号に掲げる事業に附帶する事業、以上であります。
連合会の会員たる資格を有する者は定款によ
つて定めるのでありますが、
地区の全部又は一部を
地区とする森林
組合又は森林
組合連合会を以て会員としております。それから
連合会の
地区の全部又は一部を
地区とし、他の
法律に基いて設けられた
協同組合であ
つて前号に掲げるものの事業と同じような事業を行う者も準会員としてこれを加えることができるようにしております。
第七章は雑則でありまして、各章に組入れることを不適当と思われるような
規定を一括いたしましてこの章に挙げたのでありますが、その主なるものは、共有林の分割請求の制限、林業
技術普及員及び林業経営
指導員の設置、この
法律又は
法律に基く命令の
規定による行政庁の処分に不服のある者の訴願、
都道府県の費用
負担、造林、林道、
試験研究に対する国庫の補助、林業経営
指導員及び林業
技術普及員を設けるため
都道府県の費用に対する国の補助、森林区施業計画又は森林区
実施計画の作製、その他
都道府県の事務の費用に対する国庫の補助等に関する
規定であります。第八章は罰則であります。一応
森林法の概況の
説明を終ります。
次は
森林法の施行法であります。簡単に申上げますが、これは第
一條は、森林区
実施計画の期間が開始するまでは、
現行法によ
つて定められている施業案が依然として効力を有するという
規定であります。第二條は、新
森林法が施行後、森林区
実施計画に基く伐採許可の制度が発動するまでの間、森林の立木の伐採は経過
措置として伐採の届出を必要とする旨を
規定しております。第三條に森林計画の特例として、新法により
最初に定められる基本計画は、明年三月三十一日までのものといたしまして、その後の施業千画は直ちに森林区
実施計画を定め得る旨を
規定しております。森林の
実施計画は昭和二十六年十月三十一日までに決定さるべきものとしております。第四條は、森林計画の特例についての
規定についての
規定でありますが、これは明年四月一日を始めとして森林基本計画が設けられるわけでありますが、それに基く森林区施業計画の期間は五年及び四年、三年、二年、一年の五つの
段階において、一カ年に五分の一ずつが定められて、今後五カ年間にすべての森林区につきましてその施業計画が立てられるように
規定しております。第
五條は、保安林についての効力の存続期間の
規定であります。第六條から第十
五條までは、現在の森林
組合が新らしい
組合に移行する経過の
規定でありまして、その主要な点は現在の森林
組合は定款の変更の手続によ
つて新らしい方法によるところの森林
組合に移行できることにいたしました。その手続は、旧法による旧
組合の定款変更手続と、新法による新
組合の定款変更手続との双方の
條件を備えるごとき愼重な議決方法に上るものとしております。なお組織変更に際しての届出の変更、
出資一口金額の減小等はできないことといたしまして、組織の変更は行政庁の認可を受けまして登記をすることを必要とすることにしているのであります。第八條から第十
一條までは組織変更は伴う
組合員又は会員の脱退の
規定。第十二條は新
組合員と旧
連合会との
関係。第十三條は旧
組合と新
連合会との
関係の
規定で、それぞれ組織変更に際しての
組合員と
組合員、
連合会と会員との
関係及び経過的に混乱することを調整するための
規定であります。第十四條は、組織変更後の
組合員又は会員の責任についての
規定でありまして、第十
五條は新
組合の事業の旧
組合の事業より縮少した場合についての経過の
規定であります。第十六條から二十三條までは、
関係法律の改正
規定でありますが、この中で特に第二十三條による農林漁業
資金融通法の改正が載せられております。これは新
森林法によ
つて幼壯齢林の伐採が許可制度となる結果、特に零細な森林
所有者が、森林を処分して或る
程度まとま
つた金を必要とする場合に、その森林の換金が困難でありますので、これらの人々に対しまして、森林の立木が伐採し得るまでの期間、長期低利
資金を貸付け得るように農林漁業
資金融通の改正を行うものであります。即ちこの改正によりまして農林漁業
資金融通特別会計から年四分貸付期間二十五年以内の長期低利
資金がいわゆる伐採調整
資金として今後は融通せられることになるのであります。その貸付の直接の対象としましては森林
組合を原則として、森林
所有者には森林
組合から転貸する方法によるものとしております。その貸付金の限度は、利用伐期齢級以上、適正伐期齢級以下の森林の立木の
評価額といたしまして、且つその毎年の新森林
所有者に対する貸付金額は三十万円を限度とする方針であります。なおこの
資金の償還は定期一時償還の方針を採用しているのであります。第二十四條は、罰則の適用及び旧法の
規定又はこれに基く命令の
規定によりました処分、議決、申請その他の行為についての当然の経過
規定を定めておるのであります。
以上を以ちまして、簡単でありますが、
森林法と施行法の概況の御
説明を申上げました。