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1951-05-23 第10回国会 参議院 農林委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十三日(水曜日)    午後一時四十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件(農業協  同組合に関する件) ○家畜伝染病予防法案衆議院提出) ○森林法案衆議院提出) ○森林法施行法案衆議院提出) ○通商産業委員会からの申入れに関す  る件   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  最初森林法について建設委員会から連合審査の要求がございましたが、会期切迫の折でありますので、意見のあるかたは委員外発言を求められることにして頂くように建設委員会のほうに回答いたしたいと思います。この点御了承願います。  最初に本日は農業協同組合に関する問題で江田議員から発言を求められておりますので、この問題から入りたいと思います。
  3. 江田三郎

    江田三郎君 農業協同組合現状及びこのあり方ということについて本委員会調査の対象として取上げてもらうことをお願いしておつたわけでありますが、それは申すまでもなく、農業協同組合役割というものは非常に大きいわけでありますが、ただそういうような大きな役割を果すような方向農業協同組合が行つておるかどうかということになると、我々としましては、非常に疑問を持つておるわけでありまして、この問題については政府としても先般農協再建整備措置をとられたわけでありますが、一体あの再建整備法によりまして果して農協再建或いは整備できるのかどうか。実際にはああいうような法律ができ、措置がとられましたところで、もはやあの基準に持つて行けないような協同組合相当出て来るのじやないか。そういうようなものに対しては一体どうするのか。或いは又そういうようなものがないと、殆んどすべての今行詰つておるところの農協が、再建整備措置で救い得るというなら、それでいいのでありますけれども、実情は果してその点はどうなつておるか。その見通しを知りたいということ。或いは又今日この再建整備と並行いたしまして、その一部といたしまして各事業連統合等が行なわれておりますが、この統合状態というものはどういうようになつておるのか。又この再建整備に当りまして都道府県農協に対しまして特別な援助をやつておるところが相当あるようでありますが、そういう特別な援助というものは政府のほうの調査では一体どうなつておるか。こういうことにつきまして先ず政府のほうのお調べになつておるところをお知らせ願いたいと思うのであります。  なおこの事業連でなしに、指導農業協同組合の問題につきましても、一時指導農業協同組合が解散をしたところがございましたが、その後の指導農業協同組合状態はどうなつておるのか。聞くところによりますというと、指導連自身といたしましても今後の行き方についていろいろ苦慮しておるのじやないかというように聞くのでありますが、そういうことは政府としてはどういうように状況調査しておられるのか、或いは又好ましいあり方としては指導連はどうやつてつたらいいのか。こういうことにつきまして、これはただ今政府答弁を、調査お答えを聞くというだけでなしに、必要に応じまして関係者証言を求める。或いは又現地へ出張いたしまして調査をする。あらゆる手段を講じましてこの農業協同組合が本当に軌道乘つた活動ができるようにして行くということが本委員会といたしましても大きな仕事であると思うのでありまして、今日の農産物価格の問題につきましても、すでに国際価格と殆ど同じようなレベルに到達するような見通しがありまして、今後この日本農業というものが国際農業といよいよ本格的に競争して行かなければならないというような段階に来ましたことは、いよいよ以て農業協同組合の果さなければならない役割が大きいわけでありますから、そういう点につきまして、只今申しましたように現地調査或いは関係者学識経験者証言等を必要と考えるのであります。先ずその前に直接指導監督しておられるところの政府のほうの農協現状なり或いはこれをどう持つてつたらいいかということにつきましてのお話を承わりたいのであります。
  4. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 農業協同組合につきましては、終戰以来日本における農業団体民主化という一つ理想を以ちまして農業協同組合法が生れ、五カ年間発展をして来たのであります。遺憾ながらその間経済が非常に変動を来たしまして、波にもまれまして、農林協同組合自身理想というものが、現実経済関係が非常に弱体化するという結果を招いたことは皆さん御承知の通りであります。大きな固定資産を抱え、不良資産を抱え、赤字を持つておる農業協同組合並びに連合会が非常に多いことは、これは現実の事実でございます。先に通過いたしました農漁業協同組合再建整備法は、その根本的考えといたしまして、政府から増資、奨励金、或いは固定化債権その他の利子補給という考えでございますけれども、根本的にやはり我々は農業協同組合の、いわゆる農民自主的団体であるという一つ根本的な考え方については毛頭変化はないのであります。ただその活動というものが往々にして農業そのものが零細、貧困であるために出資その他が非常に過少である。そういうような点等につきましては或る程度政府において助成をする、指導をするということによつて、これをやはり強い経済団体として盛り上げる力にいたしたいというのが根本でございます。果して六億五千万円の助成農協再建できるかどうかという実は御質問でございますが、率直に申しまして、我々といたしましてはこれで再建できるのだということをここで申上げるだけの信念はございません。ただ我々といたしましては、飽くまであらゆる点、殊にこの補助金のみならず、いろいろな今後起ります条件等整備をいたしまして、農協経済的に強くなりますような指導をいたしたいということを信念といたしておりまして、現に従来政府そのもの民主化ということのために検査監督指導等に対してやつておらなかつた点も、我我農協そのものの御相談相手なつていろいろな問題等につきまして今後ますます指導育成をするという方向に昨年来参りました。この僅かな資金というものを手掛りにいたしまして、農民自体農協に対する認識を高め、或いは出資の増加を図りますれば、我々は今日の農協そのものよりはより強力な農協再建ができる。併し今日の経済状況によりましては、これだけではなかなか満足できないと思いまして、先ず農協が真の民主化された協同組合として発展する一つの基盤、前提というものができるのではないかというので、目下この法律実施につきまして苦心をいたしておる実は次第でございます。この法案そのものが下からだんだん実は積上つて参りますために、先ず單協そのものが強く、単協組が強くなりますことによつて連合会というものを強くして参るということを理想といたしておりますので、目下のところは我々は先ず單協指導ということに專念をいたしております。その見通しがつきますれば連合会そのものの強化というものの見通しがつくと思います。この実施はやりつつあるのでありまして、今後どういう結果が生まれますかは、本年の十一月頃に大体の見通しがつくようであります。それまではまだ我々としましてもどういう結果になるかということをここで確信のある実はお答えを申上げる段階に今ございません。  もう一つ事業連の問題についての統合状況であるます。具体的な統計を実は持つて参りませんでしたけれども、我々としましては複雑な連合会が非常にたくさん成立いたしますこと自体が、或る意味において協同組合そのもの弱体性を導くということを考えまして、経済的活動をする事業連的なものの統合を漸次図りつつあります。現実に各県において統合のできましたもの、統合の話の進みつつあるものといろいろございます。順次現段階におきまして、いわゆる販売購買組合的な連合会経済連合会というものが統一化されるというように考えております。もう一つ指導連の問題でありますが、現実農業協同組合発足の当時におきましては、農業のいろいろな技術的指導であり、或いは農政活動的なものにつきまして相当の実は期待をしておりましたこと自体は事実でございます。肝心の経済団体としていろいろ弱体性のために、技術指導をいたします場合におきましても、或いは農政的活動をいたします場合におきましても、農民自体からそういう多額の資金というものを取れなかつたために、連合会の形においてそのいわゆる経費そのものがなかなか集められにくいということのために、理想通り活動が実はなかなかできない問題でありますが、経済活動そのものがだんだんと活溌に行くと同時にそういう資金的な解決等も漸次図つて行きますれば、いわゆる我々が当初考えました農業協同組合そのもの農政的活動面も順次行けるのではないかというふうに実は考えておりますけれども、農業委員会制度が成立いたしましたり、指導連が成立いたします過程において、末端における農政的活動、或いは農民組織問題等につきましては、更に我々のほうとしてはもつとより合理的なことにつきまして目下研究を実はいたしております。
  5. 江田三郎

    江田三郎君 只今お答えがありましたが、これはよほど突込んで検討しなければならんと思うのでありまして、ただ通り一遍の質問をしお答え願つただけでは問題は一歩も前進しないのでありまして、私たちは今日の農協再建整備について、国なり或いは地方自治体なりで助けるべきところは助けて行かなければならんが、同時に農協自体も非常に反省をしなければならん点があると思うのでありまして、例えば事業連統合にいたしましたところで、実際にこの出すべき膿を全部出して統合しているのかどうかというと、必ずしもそうはならないで、臭いものに蓋をするような工合で、その尻を全部国なり地方自治体のほうへ持つて行こうというような傾きもあると思うのです。そういう点につきまして、現在の農協のこれまでの幹部或いは役職員が、本当にこの責任体制をとつているのかどうかということについても私は非常な疑問を持つておるわけです。それから農協活動状況につきましてもいろいろ疑問があるわけでありまして、例えば全国団体事務所が集まつておりますところのあの数寄屋橋事務所あたりへ行つて見ましたところで、一体あの辺に何か特定料理屋等があるようでありますが、ああいうところへ毎晩出入りしておられる諸君が何を一体やつているのか、果してあれで農協が正しい方向へ向いて行くのかどうかということについても多くの疑問を持つておるわけであります。そこでそういう問題についてもつと根本的に堀り下げて検討する必要がある。少なくも国会におきまして我々が農協再建整備について相当額の国の支出をするという以上は、これに伴いまして、これが本当に軌道に乘るような、その目的を達するような措置を十分に見極めて行かなければならんわけでありまして、ただ今日この問題をそういう工合に掘り下げて行こうというのではないのでありまして、会期あと僅かでございますし、又問題も山積しておりますので、私は今すぐにそこまで行こうというのではないのでありますが、ただそういうことのために委員長のほうから或いは必要な証言を求め、現地調査する、休会中にでもそういうような措置をされて、もつと農業協同組合現状なりやり方なりについて検討されるということでありますればそれでいい。或いは若しそういうことをしないということになれば、相当まあ突込んでお尋ねしなければならんのですが、その点についてこれは委員長から皆さんにお諮り願つて頂きたいと思います。
  6. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この問題は先日も一度お諮りいたしたことでありますけれども、他日当委員会におきまして懇談的な形式でもう一度御相談を申上げたいと思いますが、それでよろしうございますか。
  7. 江田三郎

    江田三郎君 結構です。
  8. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではそういうことにいたします。   —————————————
  9. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは次に日程にあります通り家畜伝染病予防法案につきまして前日に引続いて質疑を続行いたしたいと思います。なお衆議院からは原田議員が出席されております。
  10. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は法案の第三十六條の第一項の第一号で「省令で定める地域」とありまするが、この省令で定める地域はどういう地域を予定されておりまするか。それから更に同号の最後に「農林大臣の指定するもの」とありまするが、この指定物資はどういうものを予定されておりまするか、先ずこの点をお伺いしたい。
  11. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは便宜政府側から答弁があります。
  12. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) 省令で定める地域とはこの省令中華民国、シベリアとか、ああいうような中疫、牛肺疫口蹄疫その他激甚な伝染病の蔓延しております地域を定めたいと思つております。これはこういと地域から入りますもので牛馬であるとか、動物であるとか、その肉、骨、皮、毛類であるとかいろいろなものがございます。そういう検疫を要する、病毒を伝染蔓延いたします虞れの多いものを指定いたして、肉、骨、皮、毛類、こういうものでございます。
  13. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は実体的には今の御答弁で異議がありませんが、ただ多少心配になりまするのは、対外的な関係を考慮しますと、明瞭に法律なり省令地域はつきりきめて、例えば今お話のあつたような中共地区であるとか或いは朝鮮から牛とか馬とかそういうものを絶対入れてはいけないということになりますると、講和会議も近い昨今の情勢から見て参りまして、余りはつきりすることは対外的な関係が多少どうかということを心配するわけでありますが、その辺の御心配がありませんかどうかですね。  それからもう一つは、今言つたような地区になりますると、従来からも問題になつておりまするような、戰争前に日本の農村で相当使つてつた朝鮮牛のごときは、試験研究の用に供する以外には全然輸入ができないということになると思うのでありまするが、その辺どういう見解を持つておられまするか、特にその対外関係が少し、余りはつきりし過ぎやせんかということを実は一番心配しておるのでありまするが、その辺を一つお伺いして置きたいと思うのであります。
  14. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) お答えいたします。対外関係につきましてはこの家畜伝染病予防に関しましては国際條約がございまして、国際獸疫事務局をパリーに創設する国際條約というものが一九二三年からございます。一九二七年から日本も加入してやつております。その後なお国連の機構にFAOの関係がございまして、やはりその中にも国際関係のこういうことをやつております。各国とも同一歩調で以ていろいろ防疫対策を進めておりまして、輸出入検疫の大体の基準各国に勧告しましてやつております。で日本国際獸疫事務局には戰後もすでに代表が出ておりまして、いろいろの基準従つてつておるのでありますが、一応この三十六條で原則としてこういうような地区輸入禁止しまして、三十七條で以てこういうような條件の下においては輸入ができる。三十六條で禁止された以外のものについて、三十七條以下書いてありますようなこういう條件の下には輸入ができるというふうに書いてございます。それでただ中華民国シベリヤとかああいうような地区輸入禁止、殊に生きた家畜輸入禁止につきましては、従来も伝染病予防法におきまして省令で以てその輸入禁止をしておりました。大体対外的には大した関係はないというふうに考えております。  それからなお朝鮮の牛の問題でございます。これはお話がありましたように、戰前には多い年には七万頭以上に上ります輸入があつたのでございます。その当時には朝鮮日本との間に二重検疫制度を設けまして完全な検疫実施をやつておりましたが、牛疫牛肺疫とかいう伝染病が従来入るのを防いでおりましたのですが、現在ではありませんので、非常に昔よりも危険が増しております。なお情勢がさつぱり……、朝鮮伝染病状況又それに引続きます旧満洲国地区、それから中華民国地区シベリヤ地区状況はつきりわかりませんので、今のところはただ従来の通り入れますというと非常な危険があると考えられるのであります。ただ最近の状況はいろいろ聞きますというと、朝鮮地区がああいうような状況で、殆んど牛もこつちに輸入……、この一、二年から盛んに日本の業者が輸入をしたいしたいというようなことで、向う韓国政府といろいろ交渉がありましたけれども、結局向うに物がなくて入らなかつたような状況でございまして、最近ではこつちから更に牛を出すというようなことを言つておりますので、今のところこの朝鮮牛輸入を禁止しましても余り大した影響はないというふうに考えております。
  15. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 その次に第六十條の第四号の問題でありますが、牛疫が一番恐ろしいことは先ほどお話にあつた通りでありますが、国が牛疫血清購入費又は製造費全額を補助する。これは非常にいいと思いますが、これはむしろ牛疫血清国自身血清を作るというお考えはないのですか。
  16. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) そういう方針で以ていろいろとこの一、二年以来盡力をしているのでございますけれども、まだ遺憾ながら実施に至つておりません。
  17. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうすると現在血清を作つておりますのは、どこでどういうふうになつておりますか。
  18. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) 兵庫県の牛疫血清製造所が赤穂にございます。それが殆んど大多数の製造をやつております。あともう一つは国の衛生試験場鹿兒島県谷山支場でございます。それで牛疫研究のための製造をやつております。それは極く少数、六十万CCでございます。
  19. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 第六十條で第三十條及び第三十一條実施につきましては助成の途が開かれておるのかどうかということをお伺いしたいのです。若しそうであるとしたならば、その助成実施方法はどうであるか、それから更にこれに違反した場合においては五万円以下の罰金に処せられることになつておりますが、農家の経済現状に鑑みまして、これが余り酷にならないように善処するお考えがあるかどうかということをお伺いしたいと思います。
  20. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) 第六十條の負担の問題でございますが、これに関しましては、六十條の負担区分にございます家畜防疫員の旅費の全額、それから第三の雇い入れした獸医師に対する手当の二分の一、なお第四の牛疫血清購入費又は製造費全額、第五がその他の予防薬類購入費又は製造費の二分の一、それから農林大臣の指定します消毒薬品でありますとか、寄生虫駆除の薬の購入費、こういうものが全額国費負担なつております。それからこれにつきまして罰則がございますが、これについては只今お話のありましたような形で善処することにしたいという考えを持つております。
  21. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 それから第五條第三項の健康証明書発行有料でありますか無料でありますかということ、有料であります場合はその料金の標準を指定する意思がありますかどうか。なお又検査しないで検査したかのごとく手数料を取りまして証明書発行するような惡質獸医の発生を防止する対策なんというものを考えておられますかどうか。
  22. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) 移動のための健康証明書発行手数料は、この法案には書いてございませんけれども、現行法地方行政手数料令で以て取れることになつております。これからも行政手数料としまして手数料を取れるようにいたしたいと思つております。それからそれを獸医師が不当な、基準に従わないで発行したり、そういうような場合の監督でございますが、これはこの証明書発行します場合には省令の定める基準によつて発行しなければならないことになつております。それでその基準に違反した者は職医師法の第五條によりまする獸医師不正行為ということになりますので、同法の八條の規定によりまして営業の停止であるとか、或いは免許証の取消ということができ得るわけでございます。
  23. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 第五條でございますが、第五條において移動をされる家畜健康証明書に該当するかどうかということを、これはどういうふうにして識別するかということと、それから第七條において検査済の表示にらく印及びいれずみを行うことになつておりますが、これとの関係がどういう工合なつておりますか。
  24. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) この識別をやりますには、鉄道輸送でありますというとその駅であります。それからトラツクで個人輸送の場合には家畜防疫員とか或いは家畜防疫官であるとか、或いは警察官が勿論健康証明書と照合しましてこれを調べることができます。この調べる規定はずつとあとの五十一條であつたと思います。それで以て検査ができます。  それから第七條標識でございます。これは都道府県知事検査、注射、薬浴、投薬をやるわけでございますが、それを実際にやるのは家畜防疫員がやるのであります。そうして家畜防疫員らく印なりいれずみなり、そういうものをつけまして、健康証明書発行いたします獸医師は別にこの標識ということは附せない、と申しますのは獸医師はここに定める一般の獸医師として、行政力を持つていない者でございます。第七條によりますものは都道府県知事行政力を持つてやるものでございます。
  25. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 第三十一條の「省令で定める牛又は馬の所有者」とは、どういうものを指すのであるかということを伺いたいと思うのであります。
  26. 齋藤弘義

    説明員齋藤弘義君) これは牛にありましては例えば食用に供する牛であるとか、それから種牡牛であるとか或いは乳用牛等、非常に感染接触の機会が多くて同じ構内におりますものとか、それからその他府県知事が防疫上必要と認めた家畜であるとか、それから又伝貧につきましては伝染病予防法上必要な種類の馬、重要さによりまして、例えば放牧馬であるとか、そういうような特定の形にございます、一番その病気の伝染上重要なものを指定しまして、それで以て検査を行うわけであります。
  27. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと申上げて置きますが、この法律省令事項が非常に多くありますので、この点につきましては参考資料を提出して頂くことにして成るべくそれによつて了解をお願いしたいと思います。この点よろしく願います。
  28. 加賀操

    加賀操君 提案の理由にありましたが、この法律が通過いたしますと一億六千万円程度の追加を要求する、こういう説明でありましたが、この一億六千万円は了解程度と、こう聞いておりまするが、実はこれをお聞きする点は、昨年特に伝染病が蔓延いたしまして、農林省も私たち大蔵省交渉するのに実に困つたのです。評価額を九万円と法律できめてあるのを大蔵省が勝手に三万円に下げて、その三分の一ですから一万円しかよこさん、それでしようがないから農林省や私たちが頭数を殖やしたと、こういう非常に面倒な問題が起つたのです。ですから了解程度でありましたら又これを繰返さなければならん、こう思いますので、了解程度か、或いは大蔵省はつきり出しますと、こう言つたのか、一つその点を最初にお伺いいたします。
  29. 原田雪松

    衆議院議員原田雪松君) 御尤もの御意見と思います。どうしても補正予算が通らなければこの問題が解決いたしませんので、実は数回に亘り交渉を重ねたのでありますが、最初の間はどうも数が大きいのでうまく参りませんでした。それからだんだん話を進めまして、補正予算に入れることを了承してもらつたのでありますが、その内容は、成るべく金を出すことを控えるのには補障金を三分の一にしてくれないか、こういう交渉が大分ございました。併しどうしても伝貧と結核だけは少くも五分の四でなければ畜主が困るのだと、こういうことで大臣並びに主税局長も漸く了承いたしまして、それなら出してもいいと、その代りに若しこれが法の完璧を期して、こういうものがなくなつた場合は下げてもいいと、こういう條件補正予算に入れることに決定いたしております。さよう御了承を願います。
  30. 加賀操

    加賀操君 この点につきましては只今評価額は私は大体妥当だと思つております。併し経済界がどう変るかわかりませんが、下がれば問題ありませんが、そう下がるとも今のところ家畜については私は思つていないのでありまして、若し上つた場合には、その点で大体規定はしてありまするが、今後提案者及び農林省で特に骨を折つて頂くことを希望として申上げて置きます。  次に現行法の二十四條によりますと、知事が手当金を交付することに相成つております。改正法ではこれを国が交付すると、こう変つておるのでありまするが、その理由をお尋ねいたします。
  31. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 本案に国の負担と書いてありますもの以外の経費につきましては、原則として地方財政法の規定によりまして都道府県負担になるというふうにしたいと考えております。
  32. 加賀操

    加賀操君 次に改正法によりますと、交付金を決定する者は農林大臣であります。現行法では知事が決定しまして、それによつて国が拂う、こういうように規定してありまするが、知事は意見を附けるということになるわけです。大臣が拂うときに評価員及び知事は意見を具申する、こうなつておるわけです。現行法では只今申しますように知事が決定しておるわけであります。これを逆に言いますると、新らしい法律によりますと、改正法によりますると何だか知事を信用しない、こう裏からも考えられるのですが、どういうわけでその最終の決定を大臣のところへ持つてつたか、こういうわけであります。
  33. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 殺処分等の命令はお話のように知事が具体的にやるのでありまするが、元来こういうような、殺処分というような処分は、これは国の事務だというふうに感ぜられますので、殺処分の命令であるとか或いは手当金の交付の金額を幾らにするかというようなことは、その責任者たる農林大臣がみずからきめてやるということが、その責任を明らかにする意味においていいのではないか、こういうわけで変えたわけであります。県知事の御意見を信用しないとか何とかいうわけではないのであります。
  34. 加賀操

    加賀操君 では重ねて念を押して置きますが、特別不合理は評価でなければ大体知事の意見通り大臣は決定されますか。
  35. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) そういうふうに考えております。
  36. 加賀操

    加賀操君 改正法におきましては国が経費を負担する部分だけははつきり明文になつておりまするが、あと自治体が負担する部分には少しも触れておりませんが、只今話を聞きますと大体わかりますが、自治体が條令を置かなくともこの伝染病予防法による経費を自治体は徴収できるかどうか、こういう点をお伺いいたします。
  37. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 地方財政法の規定によりますると、国と府県とがその費用を負担するということになつておりまして、この法律では国の負担部分だけをきめておりますから、あとの不足分は当然、改めて條令を設けるまでもなく府県においてあと負担するということになると、一応考えております。
  38. 加賀操

    加賀操君 この点につきましては私ももう少し研究しなけりやならんのですが、政府のほうでも御研究を願つて置きます。  次にこれは前の伝染病予防法を改正するときに話があつたと思うのですが、いつの機会か私は忘れましたが、結核と伝貧とを改正法によりまして、三十一條によつて年一回検査をしなければならんと、こう書いてあるのであります。これは非常に大きな仕事でありまして、経費が相当かかるのであります。それでこの前もこの経費を自治体で取つてもらわなければ、国が出さないのだから困るから一項入れたと、こういうことになつたんですが、この委員会では、それは国が持つほうがよろしいと、こういうのですが、地方自治体が入れてくれと、こういう話があつたもんですからあのときに入れたように思つておるのですが、今度のやつは一回せねばならんとなつておるわけであります。これは非常な大きな金が要るのですが、この点から、考えまして、この伝染病予防法を先ず完全にとは私申しませんが、この法を出しました最低の効果を挙げるに定る経費を、現在のところ国と地方の負担分に分けて、余り地方の負担が多くなるかどうか、こういう大体う見通しでございます。計算しなきやわからんでしようが、まあ余りに地方の負担が多過ぎた場合にはやれない、こういう結果になるかと思います。この点の見通しでよろしうございますからお答えを願いたい。
  39. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 伝貧だとか結核の検査に要する費用でありますが、これは成るべく国費で支弁をするというふうに考えておるのでございまして、若干は地方にもお願いしなければならないと考えますが、今回この法案を改正しましたことによりまして、地方の負担がそう大きくなるというふうには考えておりません。
  40. 加賀操

    加賀操君 今度は本当に法規的なことですが、第一、十一條と十二條に化製場に、まあ「省令で定める」と書いてあるのですが、特別な施設をしなまればならん。或いは競馬場、それから家畜市場、共進会場にも設備をしなければならんと書いてあるのですが、設備をしなければならんことはわかりますが、設備をしたかしないかは誰がこれは検定するわけでございます。
  41. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 化製場だとか或いは集合施設の設備につきましては、お話のように家畜伝染病予防の見地からいろいろ細かいことを規定しておるのであります。この検査家畜防疫官とか或いは家畜防疫員が行う。こういうふうに考えております。
  42. 加賀操

    加賀操君 それは何か根処があるのでございますか、はつきり……。読んでも、ないような気がするのです。
  43. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 先ほど衛生課長からもお話いたしたように、これらのものは五十一條規定に基きまして立入検査の権能を五十一條規定してあるわけであります。
  44. 加賀操

    加賀操君 第九條及びそのほかにもありますが、必要な場合には消毒だとか或いは清潔方法だとか或いは虫の駆除だとかいうものを命じてやらせることができると、こう書いてあるのでございます。やらせることはよろしいのですが、やらなかつた場合には罰則がありますから罰則の適用ができますが、併しやらなければこの法を出した効果がないわけです。その場合に誰か当事者がやらない場合に、これに代つて自治体なり或いは団体なりがやらせることをお考えなつておるかどうか。又やらした場合の経費は自治体でなく、団体がやつた場合に取れるか取れんか、こういう点をお尋ねしたいと思います。
  45. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) お話通りにやらなければ本法の趣旨が達成せられないのでありまして、その場合にはやはりお話のように代執行を命ずる必要があるのでありまするが、代執行につきましては、御承知のようにほかに行政執行法という法律がありますので、そのほうで当然今のような場合には代執行で都道府県知事が代つて執行をする。その費用は本人から取ると、こういうふうになるように考えております。
  46. 加賀操

    加賀操君 この際畜産に関係がありますので、四月の十六日から効力を発生いたしておりまする牛乳の処理の問題ですが、その点についてお尋ねいたしたいと思います。先ずこれは食品衛生法から出ているものだと思いますが、この省令を厚生省でお出しになる趣旨でございます。それは手続は別として、趣旨において牛乳を低温殺菌しなければならんというよりも、低温殺菌したほうがよろしいと、こういうお考えか。又その場合には高温殺菌をしたものと低温殺菌をしたものとの栄養的効果が非常に違うから、非常な経費をかけ、国民に迷惑をかけてもいたしたほうがよいという科学的な根拠にお立ちになつてこれをお出しになつたか、それを最初にお尋ねします。
  47. 恩田博

    説明員(恩田博君) 局長も課長も今日不在ですから私代つてお答えいたします。  牛乳を栄養食品としまして、十分にその効力を発揮して頂くということで低温殺菌ということにお願いしたわけであります。それから低温殺菌いたしますと大変費用がかかるように今承わつておりますが、実は私どもといたしましてはそれほどかかるものではないと、かように考えております。でなほこの件につきましては、過日衆議院の農林委員会でいろいろ御意見、御注意がありまして、生産を担当しておる農林省と完全なる打合せをしておらなかつたということのお叱りがありまして、只今大至急に農林省と打合せ、協議をいたしまして、なお関係業者の意見も徴しまして、改正すべきところは改正したいと、こういう工合考えております。
  48. 加賀操

    加賀操君 大体厚生省のお考えはそこにあるなら私よろしいと思いますが、大体私が考えて見ますと、こういう省令をお出しになる場合に、農林省なり或いは業者に十分に意見をお聞きになつておやりになつたとすれば、私は農林省なり業者なりはかなり意見が出たと思うのです。実際上の問題ですから……。私はよく覚えているのですが、ですから結果から申しまして、余り御相談がなかつたのでないかと思います。一つお尋ねしたいのは、厚生省が本当の厚生省の立場において、この省令をお出しになつたものか、或いはその筋から何らかの指示があつてお出しになつたか、こういう点をお尋ねしたいと思います。
  49. 恩田博

    説明員(恩田博君) 今の御質問お答えしたいと思います。この改正は終戰直後に、厚生省としても何とかしなくてはいけないという考えがありましたところへ、たまたまその筋から早くやれと、それでなお一応の原案が示されましたので、それを一応検討いたしまして、大部日がかかりましたんですが、かようなことになりまして、なおこの改正いたしたいということにつきましても大かたの折衝はいたしておりますので、早急に直すべきところは直したい、かように考えております。
  50. 加賀操

    加賀操君 厚生省がお直しになるということになりますと、私意見でなしに希望になりますが、この希望は、厚生省が農林省及び関係の業者の意見を十分にお聞き下さつてお直しになるということを前提にして申上げますが、大体先ず牛乳の生産者の立場から申しますると、私はつきりとここで申上げて置きます。私も牛を飼つております。そして市乳を売つています。ですからはつきりわかりますが、生産省の立場から申しますれば、攝氏十五度で自分の搾乳したものを加工場へ持つて行くということは実際は私できんと思うのです。特別な市乳でありましたら、これは経済的にも合理化すればできると思いますが、それ以外の本当の牛乳を加工する場合というときには、これは事実ではないと思うのです。経済関係からいい、或いは設備の関係から申しまして、特に北海道は寒いところですが、併し夏の間非常に遠いところから運んでおりますので、これは無理かと思うのです。それからもう一つは、いろいろ規定的に見まして、そこに出されておりまする省令が罰則を持つておりますので、指導の意味でお考え下さるならこれはわかりますが、省令で縛られる、こうなりますとこれはできん、私はやつて見ましてできんと、こういうことを一つ申上げて置きます。何らかそこに考えて頂かなければならぬと思いますし、又こういう加工する段階におきましては、その最終の製品においてお考えになるのが普通でないかと思います。途中ではそれほどやかましく言つて頂かなくともよろしいじやないかと思います。市乳はこれは別であります。そういう点を一つ考え願いたいと思います。それから私自身も科学的に言い理論的に言えば、私は低温殺菌のほうがいいと思います。むしろ厚生省もそういうお考えであろうと思いますが、日本の生活状態からいいますと、例えば私の牧場で乳を出しまして、まあ大体厚生省のいわれるような設備はしていますが、すぐそれを処理しまして、そうして攝氏十度以下でこれを消費者の台所へ運びますが、消費者のほうではそれを二時間も三時間も放つてあるのです。それも恐らく日本人である以上、配達した牛乳をもう一遍温めないで飲む人はないと思います。そのときには大がいもう八十度か百度ぐらいになつているじやないかと思います。そうすれば下のほうでやかましい規則を作つて実行しましても、普通の家庭にすぐそのまま飲んで頂けばよろしいのですが、そのままでないと思いますので、何だか非常にちぐはぐになつていると思います。ですからこの点が何とかなりませんと、折角製造の過程においては非常に合理的だが、腹に入るときは何も変らんと思います。こういうところへ行きますと、非常に牛乳も高くなりますのでそのために牛乳の生産も減ると、こういう結果になりはせんかと思う。これは実際問題です。それからもう一つは、これは東京とか大阪とか大都市は理想通り行くと思います。併し東京で牛乳を配達しておる人を見ましても、恐らくその配達の中間で攝氏十度以下で配つているのは特定な場合以外はないと思います。ですからこれは実際問題としてかなりむずかしいのではないか、こう考えておるわけです。いろいろやつて下さることは非常に結構ですが、併し本当に腹へ入るときには元の木阿彌だと、こういう結果になつておりますので、その点も実情をよくお調べになりまして、科学的にいいことであり、又衛生上いいことでありますなら、やつて頂くことはよろしいと思いますが、併し実効が上らなければこれ又罰則だけが適用されるという、こういうことになる。一例をとつて申上げますというと、いろいろ御指示によつて自記寒暖計を置けとこういう、その自記寒暖計は八千円から一万円という。私は八千円から一万円の自記寒暖計というものは恐らく役に立たないものだと思うのです。ですが買うならば家に買つて置けと、こう言つて置きました。そういう点をよく御研究なつて、生産者も消費者も共にこれによつて利益が上る、実効の上るようにお直し願いたいと思います。特に布望を申上げて置きます。以上でございます。
  51. 羽生三七

    委員長羽生三七君) これについて衆議院の農林委員会で御検討された点を原田さんから御報告をして下さるそうですが……。
  52. 原田雪松

    衆議院議員原田雪松君) 只今加賀さんのお話なつたと同様な意見で、実はこれは農林委員会で取上げましたが、御承知の通り二十万頭に近い乳牛を日本に持つておるのでありますが、この酪農振興地帶の人たとが非常に困つておる。この設備をしなければいけないという理由で非常なシヨツクを與えておる。農林関係では生産事業をやるし、厚生関係ではその製品をやるというところでちよつと食い違いを生じておると思いますが、全面的にどうも工合が惡い。而もその筋からの指示ならば、なぜ今日本の国に即するような省令を作らないのか。これが主なる意見の根拠でありまして、結局簡潔に申上げますと、この法案は国民が喜ばないから芳しくない。だから全面的に修正をするということを局長が言明しておりますから、どうか本委員会衆議院の農林委員会も、有畜農業のためにこの問題は大きく取上げて頂きまして、共同戰線でこの法案の修正に皆さんがたの御協力を得たいと、衆議院ではさように考えております。このまま結局畜産局と厚生省でよくお話なつてやるんだと、こういう結論が出ておる次第でございます。  ただ簡潔に申上げますと、そういうふうに修正をするということは最後にきめられた問題でございます。御報告を申上げて置きます。
  53. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この問題につきましては只今原田さんから衆議院の農林委員会の経過の報告がありましたので、厚生省公衆衛生局におきましても同様この問題について善処あることを恩原技官を通じて要望いたして置きます。  他に御発言ありませんか。別に御質疑がなければ、本法案については本日は質疑はこの程度で終了いたしまして、明日採決をいたしたいと思います。本日は民主党のかたが御都合で御出席がありませんので、そういう取計らいをするわけであります。引続いて森林法案について質疑を行いたいと思います。衆議院からは野原議員、井出議員が列席されております。なお森林法案と共に森林法施行法案につきましても一括して審議を行いたいと思いますが、取りあえず本日はこの概要について野原議員から御説明があるようですから……。
  54. 野原正勝

    衆議院議員(野原正勝君) 森林法につきまして概要を申上げたいと思います。  御承知の通りこの法案は八章二百十五條に上つている非常に大きなものでございます。詳しく申上げますと非常に長くなりますが、できるだけ簡潔にその要点だけを申上げたいと思います。  第一章の総則でありますが、第一章でこの法律の目的を論じております。森林計画、保安林等の森林についての基本的事項を定め、又森林所有者の団体制度としての協同組織の制度を確立し、森林の保続培養と森林生産力の増進を図り、以て国土の保全と国民経済の発展とを期することにあることを明らかにしたのであります。第二條は定義の規定でありまして、森林及び森林所有者、国有林、民有林についてそれぞれ定義をしております。即ち森林につきましては、従来現行森林法におきましてはその定義の規定がないのであります。従つてその解釈もまちまちであつたのでありますが、このたびの改正におきましてはこれを明らかにしたのであります。即ち木竹が集団して生育をしている土地、その土地の上にある立木竹を総称して森林と言います。それから木竹が現在生育していなくても、木竹の集団的な生育に供されることが明らかである土地も又森林の範疇に入れたのであります。但しこれらの土地及び立木竹でありましても、その土地が農地として、又は住宅地として或いは住宅地に準ずる土地として使用されているものは、その上にある立木竹をも含めて森林の範疇外であることを明らかにしたのであります。なお住宅地に準ずる土地としましては、工場の敷地、公共建築物の敷地、宗教法人令第三條に定める神社、寺院等の境内地の中にある土地が含まれております。庭園も又その意味で森林ではないのでありまして、従つて後楽園であるとか、偕楽園等の、昔庭園であつた現在の公園であるとか、或いは上野公園、日比谷公園等の小公園は勿論住宅地に準ずる土地として取扱われることになるわけであります。それから森林所有者でありますが、これは権原に基いて森林の土地の上に立木竹を所有し、及び育成することができる者といたしました。即ち所有権のみならず、地上権、賃借権、その他土地についての使用収益の権利に基いて森林たる土地の上に木竹を所有し、並びにその木竹について育成することができる者を森林所有者としているのでありまして、森林たる土地の所有者の範囲とは必ずしも一致しておりません。即ち森林の土地所有者でありましても、その土地について地上権者があり、その地上権者が立木竹を所有し、育成している場合は、その地上権者が森林所有者でありまして、土地の所有権者は森林所有者ではないであります。又杭木の業者であるとか、パルプ業者、素材生産業者等が、單に立木のみを所有いたしまして、その土地について立木を伐採し且つ搬出する等の、伐採に伴う使用権だけしか持つていない者は、勿論森林所有者ではないのであります。国有林、民有林の区別でありますが、その森林の所有者が国であるか否かによつて定めるわけでありますけれども、国有林野法第四章の部分林につきましては、部分林契約等による造林者が所有者であると考え得るので、本来民有林に入れべきものでありますが、これは国有林として規律して行くことが妥当であると考えられますので、特に国有林であることを明らかにしました。なお公有林野官行造林地につきましては、国が地上権者であるので、国が当然森林法でいう森林所有者である。従つて国有林の範疇に属するものであるということに規定をしております。民有林は以上の国有林以外の森林でありまして、この中にはいわゆる公有林、社寺有林、私有林のすべてが包含せられているのであります。  第三條は、承継人に対する効力に関する一般例文規定でございます。  第二章の営林の助長及び監督のことでありますか、第二章におきましては森林計画に関する規定、森林計画で定める伐採に関する規定、火入等森林についての危害防止に関する規定から成立しております。その目的とするところは、現在の施業案の制度る改めまして、行政庁の責任の下に森林生産の保続を図り、森林施業の合理化に資するように、森林施業の基準としての森林計画を設定実施いたしまして、戰時戰後を通じて急激に荒廃と減耗の一途を辿りつつある我が国の森林資源の保続培養に努めて行こうとするものであります。森林計画の設定、その内容、構成等は細かに申上げますと非常に長くなるのでありますが、これに対しましては基本計画と森林区施業計画、それから森林区実施計画の三つに分れておるのでありまして、森林基本計画のほうはすべて農林大臣が決定者であります。施業計画及び実施計画は都道府県知事が責任を持つて計画を決定することになつておりまして、細かな内容等につきましては法文を御審査願いたいと存じます。なお森林計画は森林生産の保続を図ることと、幼齢林の保護、伐採跡地の急速なる造林、急傾斜地の皆伐作業を抑制することを旨といたしております。且つ施業の合理化に資すべきことを目途として改正されなければならないのであります。右のようにいたしまして森林計画につきましては、森林の現況、経済事情等に著しい変更があつた場合等におきましては、森林計画を変更することができるのでありますが、森林区実施計画に異議のある者は、この公表の日から二十日以内に異議の申立ができるようになつております。森林計画で定められました事項につきましては、一般的に森林所有者はその計画に従つて施業することを旨としなければならないということに第二十條で規定しております。特に植裁に関する事項につきましては、森林区実施計画で定めたところに従つて植栽しなければならないのであります。これに違反のあつた場合は行政代執行法又は臨時造林措置法の運用によつて造林の実現を期すのでありますが、違反者に対しましては格別罰則の規定は設けてないのであります。次に  伐採については森林を制限林、普通林、特用林及び自家用林の四つに区分をしておりまして、それぞれ適切な取扱をすることになつております。即ちこの四つの区分の仕方は、制限林は、保安林、保安施設地区の森林、砂防指定地区の森林、国立公園の特別指定地区の森林等、その立木竹の伐採を制限されている民有林が制限林であります。普通林は、制限林、特用林及び自家用林以外の民有林といたします。特用林は、省令で定める樹種、例えば「はぜ」「くり」「うるし」「あべまき」その他を主とする森林で、その立木の果実の採取その他省令で定める用途に主として供されておるものです。いわゆる特産樹を主とした森林でありまして、森林所有者の申請によつて指定したものであります。自家用林は、森林所有者が自家の生活の用に充てるための必要な木材、薪炭等の林産物採取の目的に供するものを五反歩以内で申請によつて指定することになつております。この四つの森林の中で特用林と自家用林につきましては、その立木の伐採に関しての制限は加えないことになつております。普通林につきましては、その立木の中で適正伐齢期級以上の立木の伐採につきましては、届出でよろしいことになつておりますが、普通林の伐期齢級以下のいわゆる幼壯齢林であるとか、又制限林の立木につきましては都道府県知事の許可を受けなければ伐採ができない規定なつておるのであります。この場合の都道府県知事が伐採を許可し得る限度というものは、森林区実施計画で定める伐採許容限度数量、これは森林の成長量を基準として定められるわけでありますが、この許容限度の範囲内で行われるわけでありますが、特に必要がある場合は二割の範囲内で許可限度を殖やすことができることになつております。普通林の立木の中で適正伐期齢級以上に属する立木は、先ほどお話しましたように伐採前六十日までに都道府県知事に文書を以て届出ることによつて伐採ができのであります。この場合の適正伐期齢級は省令において定めるわけでありますが、地域別或いは樹種別によつて適正にきめられるべきでありまして、おおむね成長量の最も多い時期を基準としてきめられるはずであります。  なお非常災害等が起きて緊急の用に充てるための伐採、又は公共の施設に対する支障木、危険木の伐採等の例外措置を認めまして、或いは試験研究の用に供される森林等につきましては、森林計画に関する規定、伐採制限に関する規定等は適用しないことを明らかにしております。又普通林の立木の伐採の許可制に伴いまして、一部の幼壯齢林の伐採が制限されることになるのでありますが、その場合に、その立木の伐採を制限された森林の森林所有者に対しましては、その森林を担保として原則として森林組合を通じまして平均年四分の低利資金を農林漁業資金触通法の定めるところに従つて融通する途を開きまして、この法律と同時に提案中の森林法施行法で所要の改正を図ることになつております。第二十一條から第二十三條までは、火入等に関する規定でございます。  第三章は保安施設でありますが、この章は第一節、保安林、第二節、保安施設地区の二節に分れておりまして、第一節は現行法第三章、保安林に相当するものでありますが、第二節は新設の規定でございます。第一節の内容は、保安林の指定又は解除、保安林における制限、保安林に指定された場合の損失補償並びにこれらに関する手続を定めたものでありまして、現行法と殆んど同様であります。ただ指定又は解除の手続に多少の補正を加えましたのと、保安林指定の事由として新たに火災の防備及び干害、雪害又は霧害の防備を附加えまして、新たに保安地区とすることができるようにしたのであります。第二節の保定施設地区は、従来国又は都道府県が行なつておりましたいわゆる治山工事の主体、事業の態様等について法律上の根拠を與えましたもので、おおむね次の内容を含んでおります。国又は都道府県が森林の造成事業又は森林の造成若しくは維持に必要な事業を行う場合には、保安林の指定の場合と同様の手続によつて農林大臣が森林又は原野等をその事業実施に必要な限度で保安施設地区として指定することになつております。都道府県が保安施設事業を行う必要があるときは、保安施設地区の指定を農林大臣に申請するのであります。それから保安施設地区指定の有効期間は七年として必要があるときは三年を限つて延長のできることになつております。なおその後十年間は国又は都道府県はその保安施設事業にかかわる施設の維持、管理を行うことができるのであります。次に国又は都道府県が保安施設事業をやめたときは、農林大臣は遅滞なく保安施設地区の指定を解除しなければならないものとしております。又地区指定の後一年を経過しても国又は都道府県がなお事業に着手をしていないときは、その指定は効力を失う規定も設けております。次に保安施設地区の土地の所有者その他その土地に関して権利を有する関係人は、国又は都道府県がその地区内で行う造林、森林土木事業、その他保安施設事業を行うこと、及び期間満了の後におきまして施設の維持管理をする行為を拒んではならないものとしております。次に国又は都道府県は、保安施設事業を実施することによりまして関係人が受けた損失を補償しなければならない規定を設けております。次に国は保安施設事業によつて利益を受ける都道府県に対しまして、その事業費の三分の一以内を負担させることができるのであります。都道府県の行う事業に対しましては、その事業費の三分の二以内を国が補助することのできる規定もあるのであります。保安施設地区の有効期間が満了しましたときに森林であるものでまだ保安林でないものは、そのときに保安林として指定されたものとみなされまして、従つてそれ以後は保安林になるのであります。  第四章は土地の使用の規定でありますが、この章は現行法第四章、土地の使用及び収用に相当するものであります。この章におきましては、森林から林産物を搬出するため他人の土地を使用することが必要な場合における使用権の設定に関する事項を規定しておりまして、現行法と殆んど同様であります。即ち使用権の設定に関する都道府県知事の認可、使用に関する協議が整わない場合の都道府県知事の裁定、使用される土地の所有者のその土地の収用の請求、使用の際の損失の補償、損失の補償に関する訴訟等を規定いたしまして、更に水の使用権の使用についてもこれらの規定を準用するほか、水流における工作物の使用等に関する規定を置いたのであります。改正を加えました点は、土地の使用権を設立し得る場合を明確にいたしまして、森林から木材、竹材若しくは薪炭を搬出いたしまして、林道、木林集積場その他森林施業に必要な設備をする場合として、林産物の範囲を明らかにすると共に、設置しようとす設備の範囲を拡張したことであります。なお土地の使用に関する規定のほかに立入調査規定を置きまして、森林所有者又は権原に基いて森林の立木竹の使用若しくは収益をする者が、森林施業に関する測量又は実地調査のために必要があるときには、都道府県知事の許可を受けて他人の土地に立ち入り、又は測量調査の支障となる立木竹を伐採することができる規定を置いております。  次に第五章の森林審議会でありますが、森林に関する重要事項につきまして農林大臣又は都道府県知事の諮問に応ぜしめるために農林省に中央森林審議会を、都道府県都道府県森林審議会を設けることになつておりまして、従来の地方森林会はこれを廃止するのであります。本法によりまして森林審議会に諮問される事柄は、森林計画の設定、保安林の指定又は解除及び保安森施設地区の指定に関する事項、及び森林に関する重大な問題がそれぞれ審議されるのであります。中央森林審議会の委員は学識経験者十七人、農林省その他関係行政機関の職員十人といたしまして、農林大臣が内閣総理大臣の承認を得て任命するのであります。又農林大臣は專門の事項を調査させる必要があると認めた場合には、委員のほかに專門員を置くことができる規定であります。都道府県森林審議会の委員は、学識経験者十人、都道府県その他の関係行政機関の職員五人といたしまして、都道府県知事が任命するのであります。  第六章の森林組合と森林組合連合会でありますが、これにつきましては先ず組合の目的であります。森林組合及び森林組合連合会は、森林所有者の協同組織によりまして森林施業の合理化と森林生産力の増進とを図り、併せて森林所有者経済的、社会的地位の向上を図ることを目的とするということを明らかにしております。それから独占禁止法との関係でありますが、森林組合組合員は、独占禁止法の適用につきましては、法人たる組合員であつて、常時使用する従業員の数が百人を超え、又はその経営する森林の面積が三千町歩を超えるものを除いて、同法第二十四條第一号の小規模事業者とみなされるのであります。森林組合は、施設組合と生産組合、事業及び組合員は、それぞれ施設組合及び生産組合によつて細かく規定をしておりますが、これは法案の御審議を頂きたいと思います。施設組合は、林道を設け、拡張し、或いは復旧したときは都道府県知事の認可を受けまして、その事業の実施によつて特に利益を受ける者(組合員を除く)に、その事業に要した費用の一部を負担させることができることにしております。施設組合の倉荷証券の発行組合施設の員外利用等については、一般の協同組合と同じように規定を設けております。加入、脱退は自由でありまして、従来のようないわゆる強制加入ではないのであります。議決権及び選挙権などは、一人一票とするほかに、組合員の権利義務につきましては、一般の協同組合と同様な規定を設けております。管理規定でありますが、組合の管理に必要な事項として、定款、規約、総会、総代会、財務等に関しまして、一般の協同組合の例に倣つて必要な規定を設けたのであります。なお組合員から信託を受けて森林の経営を行う施設組合につきましては、信託法の適用の特例を設けております。設立、解散、清算、登記及び監督等でありますが、これらのことは、組合を設ける場合、施設組合にありましては十人以上、生産組合にあらましては五人以上の森林所有者たる個人が発起人となることを必要といたして規定しております。その他の解散や清算等につきましては一般の協同組合と同じでありす。次に森林組合連合会の事業と会員でありますが、森林組合連合会は次に申上げるような事業の全部又は一部を行うことができることにしております。一は連合会を直接又は間接に構成する者のためにする森林の経営に関する指導、二、会員の行う事業に必要な資金の貸付、三、会員の行う事業に必要な物資の供給、四、所属員の生産する林産物の運搬、加工、保管又は販売、五、所属員の行う林業に必要な種苗の採取又は育成に関する施設、六、所属員の行う林業に必要な林道の設置その他共同利用に関する施設、七、防火線の設置、病虫害の防除その他所属員の森林の保護に関する施設、八、所属員の福利厚生に関する施設、九、林業に関する所属員の技術の向上及び組合事業に関する所属員の知識の向上を図るための教育並びに所属員に対する一般的情報の提供に関する施設、十、所属員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結、十一、以上のほかに会員の指導及び連絡に関する施設、十二、前各号に掲げる事業に附帶する事業、以上であります。連合会の会員たる資格を有する者は定款によつて定めるのでありますが、地区の全部又は一部を地区とする森林組合又は森林組合連合会を以て会員としております。それから連合会地区の全部又は一部を地区とし、他の法律に基いて設けられた協同組合であつて前号に掲げるものの事業と同じような事業を行う者も準会員としてこれを加えることができるようにしております。  第七章は雑則でありまして、各章に組入れることを不適当と思われるような規定を一括いたしましてこの章に挙げたのでありますが、その主なるものは、共有林の分割請求の制限、林業技術普及員及び林業経営指導員の設置、この法律又は法律に基く命令の規定による行政庁の処分に不服のある者の訴願、都道府県の費用負担、造林、林道、試験研究に対する国庫の補助、林業経営指導員及び林業技術普及員を設けるため都道府県の費用に対する国の補助、森林区施業計画又は森林区実施計画の作製、その他都道府県の事務の費用に対する国庫の補助等に関する規定であります。第八章は罰則であります。一応森林法の概況の説明を終ります。  次は森林法の施行法であります。簡単に申上げますが、これは第一條は、森林区実施計画の期間が開始するまでは、現行法によつて定められている施業案が依然として効力を有するという規定であります。第二條は、新森林法が施行後、森林区実施計画に基く伐採許可の制度が発動するまでの間、森林の立木の伐採は経過措置として伐採の届出を必要とする旨を規定しております。第三條に森林計画の特例として、新法により最初に定められる基本計画は、明年三月三十一日までのものといたしまして、その後の施業千画は直ちに森林区実施計画を定め得る旨を規定しております。森林の実施計画は昭和二十六年十月三十一日までに決定さるべきものとしております。第四條は、森林計画の特例についての規定についての規定でありますが、これは明年四月一日を始めとして森林基本計画が設けられるわけでありますが、それに基く森林区施業計画の期間は五年及び四年、三年、二年、一年の五つの段階において、一カ年に五分の一ずつが定められて、今後五カ年間にすべての森林区につきましてその施業計画が立てられるように規定しております。第五條は、保安林についての効力の存続期間の規定であります。第六條から第十五條までは、現在の森林組合が新らしい組合に移行する経過の規定でありまして、その主要な点は現在の森林組合は定款の変更の手続によつて新らしい方法によるところの森林組合に移行できることにいたしました。その手続は、旧法による旧組合の定款変更手続と、新法による新組合の定款変更手続との双方の條件を備えるごとき愼重な議決方法に上るものとしております。なお組織変更に際しての届出の変更、出資一口金額の減小等はできないことといたしまして、組織の変更は行政庁の認可を受けまして登記をすることを必要とすることにしているのであります。第八條から第十一條までは組織変更は伴う組合員又は会員の脱退の規定。第十二條は新組合員と旧連合会との関係。第十三條は旧組合と新連合会との関係規定で、それぞれ組織変更に際しての組合員と組合員、連合会と会員との関係及び経過的に混乱することを調整するための規定であります。第十四條は、組織変更後の組合員又は会員の責任についての規定でありまして、第十五條は新組合の事業の旧組合の事業より縮少した場合についての経過の規定であります。第十六條から二十三條までは、関係法律の改正規定でありますが、この中で特に第二十三條による農林漁業資金融通法の改正が載せられております。これは新森林法によつて幼壯齢林の伐採が許可制度となる結果、特に零細な森林所有者が、森林を処分して或る程度まとまつた金を必要とする場合に、その森林の換金が困難でありますので、これらの人々に対しまして、森林の立木が伐採し得るまでの期間、長期低利資金を貸付け得るように農林漁業資金融通の改正を行うものであります。即ちこの改正によりまして農林漁業資金融通特別会計から年四分貸付期間二十五年以内の長期低利資金がいわゆる伐採調整資金として今後は融通せられることになるのであります。その貸付の直接の対象としましては森林組合を原則として、森林所有者には森林組合から転貸する方法によるものとしております。その貸付金の限度は、利用伐期齢級以上、適正伐期齢級以下の森林の立木の評価額といたしまして、且つその毎年の新森林所有者に対する貸付金額は三十万円を限度とする方針であります。なおこの資金の償還は定期一時償還の方針を採用しているのであります。第二十四條は、罰則の適用及び旧法の規定又はこれに基く命令の規定によりました処分、議決、申請その他の行為についての当然の経過規定を定めておるのであります。  以上を以ちまして、簡単でありますが、森林法と施行法の概況の御説明を申上げました。
  55. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 質疑を願う前に御報告申上げることがありますが、それは通産委員長深川榮左エ門君から当委員長宛、森林法案の取扱に関する件という申入れがありましたので、簡単でありますから全文を読んで御報告に代えます。内容は、「貴委員会に付託御審議中の森林法案は、森林の保続培養と森林生産力の増進を図り、以て国土の保全と国民経済の発展に資すべく極めて重要な法案であります。然るところ同法施行の際、年産四千五百万トンを目標としている石炭業者が、その所用坑木一千一百万石の確保が果して可能なりや否やについて頗る懸念いたしておりますことは、業界関係者の数次に及ぶ陳情等によつてすでに御承知の通りであります。石炭の増産に多大の関心を持つ我が通産委員会といたしましては、その点について特に留意し、その成り行きについては大いに注目している実情であります。貴委員会における審議に際しては、通商産業委員会の意のあるところを了とせられ、格段の御配慮を賜わりたくお願い申上げます。」以上の通りでありますので御披露申上げて置きます。  本日はこの程度で散会いたします。    午後三時三十分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岩男 仁藏君    委員            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            加賀  操君            三浦 辰雄君   衆議院議員            原田 雪松君            野原 正勝君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省農政局長 東畑 四郎君    農林省畜産局長 長谷川 清君    林野庁長官   横川 信夫君   事務局側    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省畜産局衛    生課長     齋藤 弘義君    厚 生 技 官    (公衆衛生局乳    肉衛生課勤務) 恩田  博君