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1951-03-26 第10回国会 参議院 農林委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十六日(月曜日)    午後一時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (農業協同組合再建整備に関する  件)  (農業共済組合連合会事業不足金整  理に関する件) ○農業委員会法案内閣提出衆議院  送付) ○農業委員会法の施行に伴う関係法令  の整理に関する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○食糧管理法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○食糧政府買入数量の指示に関する  法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  本日は去る三月二十三日の当委員会決議によりまして、池田大蔵廣川農林大臣の出席を得ましたので、先日来留保になつております質疑を続行いたします。  先ず最初農業協同組合再建整備の件に関して江田委員から発言を求められております。
  3. 江田三郎

    江田三郎君 この問題につきましては、先般の委員会農林大臣大蔵大臣も三月中に成案を得て国会提出する、こういう言明をなさつたわけでありますが、本日も常任委員長運営委員懇談会がありまして、その席で政府側から岡崎官房長官が、近日中に提出して、三月一ぱいに成立させてもらいたい法案というものが若干出ておりましたけれども、残念ながらこの再建整備に関する案が出ていないのでありまして、私どもは非常に不安を感じておるわけであります。我々が仄聞するところによりますというと、この問題につきましては、去る三月の二十日に閣議決定を見たようでありまして、その内容につきましては私どもは單なる利子補給というような形だけでなしに、長期資金の融通を要するという考え方を持つておるわけでありまして、多少の異論がございますけれども、併しながら今日の情勢で、我々の全部の要求を満たすことは不可能と思いますので、閣議決定まで持つて来られました御努力を多とするものでありますが、問題は閣議決定だけでは仕方がないことでありまして、これを一日も早く実行に移すことでありまして、特にこの問題は財政問題でございますので、何と申しましても大蔵大臣が率先して関係方面との交渉に当られ、そうして過ぐる委員会においてはつきりと明言されましたように三月中に国会提出され、成立するように御努力をお願いするわけでありますが、そういう見地から私がお尋ねしたいのは、この再建整備の問題について政府農林大臣だけでなしに、大蔵大臣関係方面交渉を進めておられるのかどうか。又交渉を進めておられるとすれば、今日までの経緯はどうなつておるか。そうしていつ頃この法律案国会提出される予定であるか、この三点をお尋ねするものであります。
  4. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 農業協同組合進整備に関する要綱案は、お話通りに先般決定いたしまして関係方面折衝に入つております。私がこの問題で自分自身で出かけてはおりませんが、今日も係の者を行かしておりますし、書面では私がサインして出しております。何分にも自分で行きたいと思うのでありますが、こんなことを申上げたら叱られるかも知れませんが、朝から晩まで委員会に引張られまして、今日も公式の書面で来たのでございまするから特に出たのでございまするが、本当に自分自分の時間というものが余りございません。今日も人を行かしまして、いけないなら僕も何とかしなければならん。こういうふうな気持を持つておるのでございます。こういう事情で、財務官をしてたびたび折衝をいたさせております。農林大臣が今日おいで頂いたような情勢で、その結果によりまして、午後から私の代理に財務官が行く、こういう状況であるのであります。従いましていつ向うから返事が来るかわかりませんが、とにかく三月一ぱいには勿論提出いたしまして、提案し得るよう我々は十分な努力は続けておるのであります。
  5. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 只今池田大蔵大臣が御答弁通りでありまして、二人で署名をいたしまして書類は提出いたして、それから又事務のほうからも説明をやつておりますが、私今朝訪ねて、よくとくとお話をして参つて来ておるわけでありまして、提出の期日は前の言葉を食言しないように努力いたす考えであります。
  6. 江田三郎

    江田三郎君 この問題につきましては経過を今承わつたわけでありますか、すでに閣議では決定を見たということで、各末端の農協におきましても殆んどこれが確定したかのように考えており、又地方自治体におきましても、こういうものができるものとして地方自治体としての利子補給等の途を講じておるわけでありまして、これが若し間違つて来ると大変なことになつて来ると思うのであります。大蔵大臣が言われますように、非常にお忙しいということはよくわかりますけれども、何と申しましても、これは非常に関係方面との交渉には難点があるはずでありまして、その点につきましては一つ如何にお忙しくても、すでにこの三月中にやるということをこの前に言明されており、今も言明されたようなことでありますから、忙しい中を是非これだけは一つ実を結んで頂きたいということをお願いして置くわけであります。
  7. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 農業共済組合連合会事業不足資金整理について、この件につきましては去る三月八日当農林委員会において池田大蔵廣川農林大臣がお見えになつて事業不足金の根本的な整理は、農業災害補償法の制度に再検討を要するから、これは十分に善処する。差当つて事業不足金に対しては融資をすることとし、これが近く実行される確信を持つておるような旨のお話があつたのでありまするが、災害共済金支払期を控えまして、関係者言明を信頼して、そうして確信あることとして実は待つておるのであります。そこで二十五年度につきまして融資前提としておるのでございますが、その利子補給もしなければならんことでありますし、これがどういうふうになつておりますか。今にして融資実現がないということになりますと、非常に末端では困ることになつております。三月八日の当農林委員会におきまする言明にもかかわらず、未だにどうもはつきりした途が開いておらんように思うのでありますが、両大臣からどうなすつたか、一応お聞きしたいと思います。
  8. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これも大蔵省の非常に協力を得まして、三月の二十三日に閣議決定をいたしております。ただまだ交渉の点が残つておる点もありまするので、公表を避けておりますが、当委員会意思を十分野重いたしまして、その方向に参るように案は確定いたしております。
  9. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 実は御承知のように年度替りになりますために、ぜひこれを一刻も早く解決を付けませんと、非常に末端で困ることに相成るのであります。そこで先般来御心配願つておりますことは十分承知もいたしておりますし、我々はもうなんぼ聞かれたかわからんほど聞かれておりますし、その点殊に、今大臣お話があるようなことを申上げておりまするために非常に苦境に実は立つております。これはそうむずかしい問題ではないと思うのですが、大蔵大臣のほうで大分お骨折を願わんと、農林大臣ばかりではなかなかうまく行かんと思うのですが、大蔵大臣はどこまで御心配願う、早急に願う御意思を持つておられるか、お聞きしたい。
  10. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) もう大体の計画はできまして、実行に移る段取りになつておりまして、年度内にもやりたいぐらいなつもりでおるのでありますが、仕事は私のところでなしに農林中金のほうへ移しておるのであります。そうお待ちして頂かなくても、一、二週間のうちにはもう実行に移ると思うのです。年度が替れば非常に楽なんでありますが、年度が替らなくても農林中金のほうでできる程度にまで行つておるのであります。
  11. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 前々から農林中央金庫をして融資をさせるというお話を伺つておるのでありますが、今の大蔵大臣お話を承わりますと、もう金庫が出し得るように措置がきまつておるというふうに聞えますが、金庫もそう自己資金を持つておりません関係から、政府当局のほうで金庫が出し得るように措置が終つておるか、もう一度お聞きしたい。
  12. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 話は済んでおるのであります。金庫行動如何によつて、こつちは受入態勢はできております。ただ一部は年度が替つてから、年度が替らないとできん部分もありますが、年度内でも相当部分はできるように手配いたしております。
  13. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 融資の途はそこまでお話になりますと、それ以上お聞きする必要はないのでありますが、少し慾が深いかも知れませんが、これに対する利子補給も当然国が考えるべき責任があると思うのですが、その点どうですか。利子補給……。
  14. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 利子補給の点は、利子を出す財源がまだきまりませんので、一応お困りのところに金を流して、あと財源を見付けよう、こういう閣議申合せになつておるのであります。
  15. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この点について他に御質問はございませんか。  念のために申上げますが、本月中と申しても、あと会期は非常に切迫しておりますので、実質上成立するよう……。
  16. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 非常に御協力を得ました協同組合再建整備法に対して、先ほど江田委員質疑に御答弁があつて、よくこれはわかつたのでありますが、どうも心配し過ぎるか、ひがみかも存じませんが、私はこの状態では休会に入るまでの、即ち三月一ぱいにはこれは提案にならんじやないかということを心配いたすのですが、農林大臣は確かに提案白化がありますかどうか、お聞きしたい。
  17. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 相手がなかなか頑強でありますが、併しこつちも頑強にがん張る考えで、放言にとどまらないようにいたしたいと思います。(笑声)   —————————————
  18. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこの件につきましては、只今農林大臣お話のように、実質上三月に成立するようとくと大臣の御努力を願うわけであります。他にこの件について御質問がなければ、次に農業委員会法案について岩男委員から発言を求められております。
  19. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 両大臣にしつかりした御答弁を煩わしたいと思います。それはこの農業委員会法衆議院で通過いたして、今日本院送付になつておるのでありますが、衆議院農林委員会において農業委員会法採決に先立つて次の三つのことが附帯条件として決議されておるのであります。   一、農業委員会法の成立後、速かに政府は左記の事項実現のため努力すべきである。   二、市町村農業会書記一・二人と予定せられているのを二人に増員し、それに必要なる経費平年額約九億円を増額すること。   三、農業改良事業については部会を設けて運営することとすること。  こういう附帯条件決議要項が出ておりますが、それについて次の三つ事項についてちよつとお伺いしたいと思うのであります。第一にこの附帯条件について先に申上げますが、この事項を両大臣は確認されておりますかどうか。
  20. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 十分尊重いたす考えであります。
  21. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 大蔵大臣はどうですか。
  22. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) そういう附帯決議のあることも聞いておりますし、我々としても今後その線に沿つて努力したいと考えております。
  23. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 農林大蔵大臣ともこの三事項は確認されておることははつきりわかりました。そこでお問いいたしますのは、右の決議に対しては政府は如何なる措置を講ずるか。又その措置実施確実性があるかどうかということをもう一遍確かめて置きます。
  24. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 確実性を持たしまして実施することに努力いたします。
  25. 岩男仁藏

  26. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) そういう決議があることも知つておりますし、それを尊重すると申上げておるのであります。而して又その決議以後におきましても、参議院のかたなんかもお加わりになりましてお話があつたのであります。その際も十分努力して見ましよう。併しその確実性の問題と申しましたり、時期の問題につきましては、私はここではつきり申上げられませんが、できるだけその線に沿うように努力するという程度一つ了承願います。
  27. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 そこが結局問題なんです。これは実は農業委員会法採決、つまり賛否を決する上に非常にこれは重大な問題であると思う。我々はこれによつて態度如何ようにも決定するわけなんでありますが、つい二、三日前私は予算委員会の傍聴に参りました。吉田総理は今年の予算補正はせんと、こうおつしやる。これほど思い切つたことをおつしやるおかただと私は思わん。予算はいわゆる予算であつて情勢の変化によつてこれはすべきものだと思う。なんぼ吉田総理がえらかろうといつたつて、それは予算です。(笑声補正せんというのだから、せんというのだからそこにちよつと問題がある。補正をせんということになれば、あなたがたはこれを善処しようと言つたつて、その措置実施をしようと言つたつて、私はこれはできやせん。そういうことをはつきりお伺いして置きます。そのためにいわゆる補正予算として取るかどうか。恐らく一・二人というものは八月までしかこれは賄えませんよ。それ以後の金はない。二人ということを確認した以上は、結局これは補正の問題である。これは脇道に行きますが、燐鉱石輸入の問題にいたしましても、加里塩輸入の問題にいたしましても、これはしよつぱなからできないことで、補給金を出さなければ……。それを補正せんという吉田総理大臣答弁を私は聞いて、これはどうも善処するとか確認するとか、措置実施についてどうするとか、そこに一つ抜け道があるから、どうもここがはつきりせんから、もう一遍農林大蔵大臣一つ確認してもらいたいと思う。これは結局補正ですよ。農林大臣、あなたは必ずこれをやるということは、補正せんければならんということになるのですが、そこを一つ答弁を願いたい。(笑声
  28. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 補正予算という、予算補正ということはたびたび使われるのでありますが、これは厳格な意味におきまして非常に分けて考えなければならんと思います。昔のように追加予算というふうな意味補正というものを使われておりますし、それから年度の中途におきまして相当大きい部分補正、即ち各科目についての補正、こういうのも補正予算があるのであります。でこの質問をなさるかたが前提を置いてこういう予算補正をするかしないか、こうなると話がはつきりするのでありますが、追加予算のような意味補正に使つてやると、吉田総理はその意味でお答えになつたのではないと思います。いろいろな問題を考えて、予算補正しなければならんような場面が来ることは、これは事実が示しておるのでありまして、昭和二十四年度予算におきましても、通常国会において予算補正しますとは誰も言つておりません。二十五年度にも言つていないのでありますが、二十四年度並びに二十五年度補正をしたのであります。併しこの二十六年度になつて、そういう事態が起つて来るか、起つて来ないかわかりませんので、そういうような情勢がありましたにしても、予算審議中に全面的の補正をやるというようなことは、これは答えるべき筋合のものじやないのです。だから事実二十六年度予算審議中におきましても、日本開発銀行につきましては私は補正予算を出すつもりであります。これは今御審議なすつておる予算を変えるという意味でなしに、追加予算意味補正予算、こういうものはこれは起つて参ります。そういうものを絶対にやらないと総理は言われたのではないのでございまして、質問者はいろいろな問題を捉えて、では補正予算を出すかという言葉はいろいろな意味があるので、吉田総理の言われることも確かなんです。(笑声)それで私はそのあとこの補正予算はいろいろな種類のものがあり、個々的なものについては補正予算を組まなければならん。現に年度が変つているのじやないから……。今明日中に補正予算を出そうとしておる。これは新聞にも出ておる通りであります。だから言葉が違いますので、そこをはつきりして頂きたい。そこで全般的の補正予算というものは、総理の言われるように今は出す気持はございません。併し個々の問題については、やはり行政をやつて行く上において、而も国会が開いておりますときには予備金は原則として使わずに、同じ意味追加予算というものを出すのは、これは政治は活きものでございますから、初めから否定してかかるわけには参りません。こういうことで御了承を頂きたいと思います。
  29. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 更に最後に申上げますが、実はこの附帯決議というのは、御承知のようにこれは法律的の効力はありません。ただあなたがたが、今農林大蔵大臣はつきりしたことを御答弁がありましたが、やるかやらんか、これは結局決議したつてだめなんです。政治道徳上の問題でありますから、その意味において両大臣を私は信頼しております。今回に限つて信頼いたします。(笑声)これで質問を打切ります。
  30. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この件に関して他に御質問ございませんか。
  31. 江田三郎

    江田三郎君 この農業委員会のことですが、今岩男委員質問に対しまして何かもう一つはつきりしなかつたようなのでありますが、平年額約九億円の増額として本年度必要な額を、補正予算という言葉はどうでもよろしいけれども、とにかく間に合うように組まれるということなのですか。
  32. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 組むように努力したいと、こういうのであります。組むとは約束しておりません。そういうふうに努力したいということで御了承を得たいと思います。
  33. 江田三郎

    江田三郎君 これは予算のこととは別でありますが、この農業委員会の問題について農林大臣に根本的なことをお尋ねしたい。これは政府農業委員会法案提出されましたものが、御承知のように衆議院において修正されたわけでありますが、その修正個所は、一番肝腎な点は、階層別選挙をなくしたということであります。これは農地改革を推進するのに階層別選挙ということは、一つ農地改革の本質的な性格の問題なんでして、これが階層別選挙がなくなつて来るということは、従来の農地改革の精神とは根本的に違つたことになると思うのです。  それから更に三つ委員会一緒にしてやるというのが狙いであつたわけでありますが、只今岩男委員が申されました衆議院決議にありますように、成るたけ改良事業については部会を設けて運営するということは、この農業委員会農政局仕事になつておりながら、改良事業だけを別に部会を設けて運営するということになると、当初の狙い政府が企図されておつたところと非常に違つて来るのじやないか、更に今の予算の問題についても、一・二人が二人になるということは、これ又大きな変化だと思うのであります。そういう点を数え上げて行きますというと、もはや農業委員会について政府法案提出のときに考えておられたのとその後の経過、特に衆議院における修正なり決議なりということを、本当に政府が尊重して行かれようとするならば、全くこれは性格の違つたものになつて来たと思うのでありますが、そういう性格の違つたものでありますならば、政府としましては、むしろこの法案を撤回されるほうが妥当じやないかと思うのであります。これでもまだ積極的な意義を認めておられるのかどうかということであります。
  34. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この法案を出した根本趣旨が、階層別選挙に関して衆議院修正されたので、意義をなくしているのじやないかというお話でありますが、我々といたしましては、立案した当初からあなたの考え通りにやつておるのであります。ただ国会意思がそこに参れば、これは国会意思に従わなければならんと思つております。まだ衆議院終つたばかりでありまして、参議院のほうへはこれからでありますので、私たちは国会意思を尊重する考えであります。  それから、その次の改良事業について部会を設けて、これ又三位一体にした構想が取れるのじやないかという話でありますが、これは今後事務運営で、最初方針通り一つ運営妙味を発揮してやつて参りたいと考えております。これをそういうことになつたら撤回したらどうかというお尋ねでありますが、国会意思に飽くまで我々は従う考えでおるのでありまして、そうして、この案を通してもらいまして、最初我々がやつたような方向で、そうして、運営の上でその妙味を発揮するということにいたしたいと考えております。
  35. 江田三郎

    江田三郎君 私がこれからお尋ねするのは、予算のことは関係ないのでして、農業委員会に関する質問なんですが、若しほかに大蔵大臣にお尋ねされる人があるならばいいのですが、そうでなかつたならば、この際大蔵大臣には早く帰つてもらつて、それよりも先ほどの公約を(笑声実現するためにやつて頂きたいと思うのです。農林大臣にはこれからお尋ねいたします。  国会意思に従うのだということでありますが、併し大体この法案というのは、先ほど私が申しましたように、政府最初提案されたときと非常に変つて来たというだけでなしに、もともとこの法案というものは、妙なものでありまして、この主管農政局がやるということになるならば、農業改良なり、或いは農地改革なり、或いは調整仕事なり、この三つについて調整仕事が主でなければならんということがはつきりしているわけであります。然るにその調整仕事は、この委員会性格からいいますと、初めに委員会ができて、それよりあとから附いて来るようなことになつて来まして、法案の体裁としてもおかしいものだと思うのであります。更にこの中心が、政府考えているようにいわゆる主管の問題からしまして、食糧調整仕事にあるとしますならば、この買入手続法関係一緒にこの問題を審議して行かなければならんわけでありますが、この買入手続法の問題については、先般片柳委員からも、この調整仕事を順調にやつて行くためには十五名の委員ではできないじやないか、少くとも各郡市に一名ずつの委員がおらなければ、この仕事は円満に行かんのではないかという質問があり、更に修正をするかもわからないということの言明があつたわけであります。更にそれだけでなしに、この買入手続法によるところのこの調整仕事が、諮問機関でいいかどうかということも問題があるわけでありまして、いやしくも供出につきまして農民に罰則を適用する以上は、罰則が適用されるのに、民主的な立法、こういう立法において、調整仕事がただ諮問機関でいいはずはないわけでありまして、これも恐らく委員の中からそういう修正意見が出るのではないかと思うのであります。かれこれやつて行きますと、全くこれは政府最初考えておつたものと別個のものが生れつつあるわけでありまして、こうなつて来ると、もはや私は農林大臣としてもあつさりこういう面倒なものは、自分意思と違つたものになるようなものについては、撤回なさることが適当ではないかと思つて、重ねてお尋ねするのであります。
  36. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) どうもだんだん審議して来るうちに性格が変つて来るのではないか、これは率直に引つ込めたらいいじやないかというお話でありますが、併し我々としては、この農村における団体を一つにまとめて行きたいという希望はやはり同じであると思うのであります。  その他のことは運用の上で万遺憾ないようにいたしたいと考える次第であります。  なお細かい点は政府委員から一つ説明いたさせます。
  37. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 只今江田さんから都道府県の農業委員会委員の数十五名の問題及び供出関係いたしましての諮問機関性格決議機関にしたらどうかというような御意見についての問題であります。これはこの前の委員会にも答弁をいたしましたのでありますが、我々といたしましては、委員十五名で大体支障ないのではないかということを考えておるわけであります。この点についてはなお十分の御審議を頂きたいと考えております。  それから諮問機関の問題は、これはいろいろ部内でも研究いたしたのでありますが、一般の委員会等の基本的な方向もございまするし、食糧事情相当緩和をいたして参つております。なお又農業委員会性格から考えまして、あえて決議機関とせずとも、諮問機関といたしまして、その諮問の趣旨は十分尊重するということによつて大体同様の効果を挙げるのじやないかというふうに考えております。
  38. 江田三郎

    江田三郎君 そういう細かいことはあとから問題になるのだからいいのでありまして、そのときに問題にいたしますが、ただ私が申上げたいのは、この法案は、法案として非常に恰好のおかしなものであるということ、そうしてこの性格がうんと変つて来出したということ、而も若し農地改革ということを本当に考えておられるならば、飽くまでこの委員会というものは階層別選挙でなければならんはずでありまして、階層別選挙をなくするということは、もはや農地改革については従来と全く方向が逆、逆とは申しませんけれども、違つて来るわけなのであります。そういう点につきましては、今日も朝日新聞でありましたか、読売でありましたか見ると、イギリスの輿論として、日本の民主化が逆行しつつあるのではないか、その一つとして農地改革というものが歪曲されつつある、こういうようなことも出ておるわけであります。もともとこの三つ委員会一つにするということが無理なんであつて性格の違つたものを一つにするがために他の委員会、つまり改良事業なり或いは調整事業については、これは階層別選挙ということは異議がない、併しながら農地改革の面においては、飽くまで階層別でなければならん。そういうはつきりつた二つのものを一緒にして、そうしてこの農地改革以外の仕事の面から、この階層別選挙というものを抜きにしてしまうということは、これは農地改革だけでは、農地改革單独の問題としては、階層別選挙を曲げるような、これを抹殺するような反動的な措置政府としても恐らくできないから、他の委員会仕事に便乗してごの農地改革を打切ろうとするのではないかということを強く感ずるわけであります。それは私が感ずるのではなしに、先ほど申しましたように新聞に現われておる、イギリスあたりの意見として相当そういう問題が出ておるわけでありまして、今講和を前にいたしまして、本当に世界の各国に日本の民主化が逆行しつつあるというようなそういう印象を与えることは、果してどんなものだろうかということをお考え願いたいと思うのでありまして、この階層別選挙については、私は重ねて大臣一つ見解を承わりたいと思うのでありますが、先達て本委員会におきまして関係政府委員答弁によりますというと、階層別選挙が抹殺されたということは遺憾であるということを言つておられた。大臣は一体どう考えておられますか。
  39. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 私もその通り考えております。(笑声
  40. 江田三郎

    江田三郎君 大臣みずからが遺憾であると考えておるようなことをこれ以上言うたつて何もならんのかも知れませんけれども、常識としてはこれは変なものです。
  41. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今の問題と関連があり、又折角大臣のお見えの機会でありますので、根本的な問題について一つお伺いして置きたいのであります。それは現政府、もう少し局限すれば農林省の農林政策というものに対して私たちは一つの疑を持たざるを得ないのであります。それは結論を申しますると、一貫性がない、行き当りばつたりの思い付きであるというふうに考えられるのであります。それは一方におきましては農業協同組合等は経済的な団体でありまして、農民の経済を守る組織でありまするから、こういうものは成るたけ統合して強力なものにするということが必要であるにかかわらず、農協が皆反対しておるのに、林業協同組合といつたようなものを用意せられる、或いは又農協の中には非常にたくさんの部門に分れまして、それぞれに仕事をするというようなことが認められておる。併しながらたくさんあるからといつて、そう大して経費のほうでも問題にならないようなものはこれを統合して行く。又最近安本のほうから出ております国土調査法等を見まするというと、一応農地改革或いは供出制度等も終つた、そこで農地改革の進行過程におきましては土地の台帳等が不備のために非常に困りまして、或る場合には農民から一筆調査の料金を取つて、それでやつとやつた。或いは又供出制度におきましても、その基本的な土地の調査が不完全だつたために非常に困つておる。ところがそれは一応見通しがついて終つた政府は言つておるのでありますが、その後において今度は三百億もの費用を要するところの国土調査を今からやる。こういうふうに考えて来ますと、私は政府の農業政策というものに一貫性がないのではないか、或いは又今江田君が言われました性格の全く違つたものでも、遺憾ではあるがこれをばやる。これは惡意に解釈すれば、実は政府自体が今の修正案でやりたかつた。ところが、農林省部内で、農地局等でいろいろな意見があつたので、こういうことで出して置いて、国会の責任において自分の望む方向に持つてつたのだと、こういうふうに解釈されないこともない。農林大臣が私の郷里の宮崎に見えられたときに、新聞にモクマオという木をば海岸に植えて、その下に豆科植物を植えて搾油をやつたらいいと言われたということを新聞記者が書いておるが、モクマオというものは見たこともない、又私のほうにもその言によりまして郷里からどんどん註文が参りまして、農林大臣からこういうお話があつたから、その種子や苗を林業試験場で取り寄せてもらいたいということであつたけれども、それは林業試験場にもないということで、熊本かどつかでお聞きになつたことを宮崎で言つておられる。こういうことがあつたのでありまして、こういうことが農林省の林業政策にも感ぜられてならない。このことについては一つはつきりしたことをこの機会に大臣からお伺いして置きたいのであります。
  42. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 最初協同組合等が非常に分れておるのを放つて置いて、こういつたような性格の違うものを一緒にするということは、政策が一貫しておらないのじやないかというお話でございますが、これは協同組合が自主的に一緒になるものについては、決して我々はこれを云々するものではありません。自主的に一緒になるものについては決してこれは反対いたさないのであります。ただここに掲げた三つ委員会をまとめることによつて、少くとも村の各末端の農業に関して一つ委員会を持つて、それが全部の推進力になることがよろしいという考えでやつておるのであります。又土地調査のことでありまするが、これは日本の国土総合開発その他において、どうしてもしなければならないことだろうと考えて、安本の計画いたしておるものに我々は賛意を表しておるのであります。最後にモクマオの話でありますが、これは私が東京を立つ前にすでに発表をいたしておるのであります。又現地の長崎、或いは熊本等においてはすでにそれが繁茂いたしております。モクマオ自体が豆科植物でありまして、これが土壌を非常に豊穣にさせる植物であります。而も又遠くから見ると松によく似た木でありまするので、あの松食虫に荒されたところではあれを植えるのが妥当であると考えております。種は近いうちに入る予定になつておりますので、どしどし御注文に応じます。
  43. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと申上げますが、三時ちよつと前に農林大臣は他に行かれますので、政府委員にお尋ねする問題は後刻に願いまして、特に農林大臣に御発言ある場合これを続行することにいたします。  なお先日も当委員会江田委員から農業委員会法案について衆議院修正部分について、衆議院農林委員の出席を求められておりましたが、只今衆議院議員野原正勝君が御列席になりますので、この点も併せて申上げて置きます。
  44. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 なかなか大臣の御出席を求めても思うように出席がないのでありますが、この際少し根本のことを聞いて置きたいと思いますから御答弁願います。私がお聞きをしますことは、重要な問題であるのにどうも軽視されかけておるという心配をいたしておりまするからお尋ねをいたしまするが、日本の、食糧が非常に重要であり、国内で増産をするように努力をしなければならんし、努力をしておるわけであります。そこでとかく日本人は、米を主食と考える傾向が非常に強いのでありまして、これを何とか避ける方向に持つて行かなければならんと、実は前から心配いたしておりますが、今度政府のお考えになりました麦の統制撤廃の経過を見ますると、又政府も米のみを国民の主食として取り上げて行こうとすることがはつきり見えるのでありまして、これは甚だ我々は実に放任して置くことができないのであります。それは大臣は、いや、そうでない、麦も食うのだと、こうおつしやるかも存じませんが、私は麦と米は絶対に離すことができない日本の主食と思つております。あとのものはそこまで行かないでもよいと思いますが——この際そういう軽い考えをしたのでは、日本の将来は非常に心配が多いと思います。先般本会議で安本長官は、八百八十万石の麦の買入れは、希望があれば買うのであつて、配給ルートには乗せなくてもよいのである、こういう御答弁をされておりましたが、聞けば聞くほど誠に遺憾でありますし、そういう政府の政策では、我が国の食糧はいつまで経つても自立をしないという結論になると思つております。そこで問題は、日本人の今までの政府のやり方は、増産をすれば価格を下げる傾向に持つてつたり、又統制を緩めたりすることが現在の政府考え方でありまするが、生産をします者が、ほかのものは増産をすればそのものの価格は当然下がるのが当り前であります。日本の食糧だけは、増産をすれば逆に価格を上げて行かなければならん実情にあると私は考えております。これは実は重要なことで、外国から大麦、小麦の相当輸入をいたしまするが、私はそういうものは、一物も輸入しないで、他の工業原料を輸入して、初めて日本は安定をし向上されると思つております。ところがそういうことはちつともお考えにならないで、高い小麦や大麦を輸入しても、日本の国内に生産されるものは買わないわけじやないが、放つて置こうという態度を見せたり、農家にいたしましても折角作つた麦が、あとから価格をいろいろ事情を参酌してきめるとは書いてありまするが、希望値段に売れないことは当然であります。そこで前にも大蔵大臣は、国際価格に鞘寄せするのだから、それでこういう価格になるのだという話をされておりますが、日本の食糧は国際価格ばかり考えてやつておりますととんでもないことになると思います。私はどこまでも、少くとも米と麦は当然大事な主食として、将来まだ年限はわかりませんが、殆んど半永久的に取上げて、しつかり政府が握つて、それに農家が協力する建前でなければならんと思つております。それでありますから米でも麦でも増産をすれば価格が上つて来る、こういうことにならんといかんと思います。その理由は、例えば米が普通でおれば一反歩に六俵取れる、少し努力すれば七俵取れる、もう一層増産したいというので八俵取ろうといたしますと、その一儀のために全部の生産価格がぐつと上つて参ります。そういうために、どうしても多く生産をすれば価格を上げてやらなければ日本の農業は成り立ちません。それでありますから考え方を根本に変えて、そうして麦と米はどこまでも日本の主食でなくちやならんという建前でやるのでなければ、やがて非常に困る事態が来やせんか。若し多く作つて安くなれば、百姓は少く作つて、決して強いて苦労はしない。価格を下げる必要はありません。六俵取れるものは四俵にし三俵にして、その価格に売れば同じであつて、そういうことを考えることは実に遺憾なことであり、慎しむべきことであると考えておりますが、どうも政府の今考えております案は、私の非常に遺憾とする逆に行きそうな傾向がありまするが、大臣は一体どこまでお考えになつているか、お聞きしたいと思います。
  45. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 食生活においてこの麦、米の占める重要な位置のことは、あなたのおつしやる通り私もそう考えております。ただ戰後におきまして非常に米に依存するよりも、粉食に依存することが実際に勧奨されまして、パン食或いはその他に転換いたしておることは非常によろしい傾向であると私も考えておるのであります。ただここで、そういう場合に一体どうして麦を、米のみ残して麦だけ最初に外すのかというお尋ねのようでありますが、これはたびたび私申上げている通り、この麦の大事なことを決して没却しているものではないのでありまして、ただ農村から希望があれば八百八十万石は買取るということで、この八百八十万石の数字は、大体今までの政府の買入れの基準量であります。この基準量を置いておきますれば、決して農村において仮に売叩かれたようなときがあつて政府が買いに出れば、地方で売叩かれたようなことがあつて政府が買入れれば、必ず私は値が上昇すると、こう考えておるのであります。  それからあなたのおつしやるように増産すれば安くなるというようなことはないと私は思うのでありまして、これもたびたび申上げておりまするが、それ相当の価格に、その当時の価格にいろいろな物価指数や何かを見て、価格は適当に変えて行きたいと、農村の希望するような価格にしたいと、こう言つておるのでありまして、決して麦を私は低位に置く考えはないのであります。ただ統制を外しまして、そうして能率を挙げて、最も能率のよろしいようなもののあり方にしたいということが主体であるのであります。でこの麦についても、我々は農林省といたしましては、全国の農地の拡張といいましようか、拡大といいますか、これを懸命に努力いたしておりまして、農地局においてはすでに只今案を脱稿いたしておりまして、農地の拡張に全力を挙げて、そうして日本の食物が日本で全部賄えるような方向に行きたいと思うのであります。只今あなたのおつしやつておられますように、麦を輸入しないで、それだけのお金を工業の基礎原料を得るために使つたほうが最もよろしいということはその通りであるのでありまして、私たちもさように考えて、本年度予算も非常に少いことを皆さんにお叱りをこうむつておりまするが、これについても懸命に努力をいたしておるような次第であります。
  46. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 一応政府が麦を自由にするだけで、何も軽視しておらんというような形でお話でありますが、保障価格といいますか、そういつたような価格を一応政府はおきめになると思います。そうしまするとそれより少し高くに又商人が買う。そうしますると農家も十分な生産費に足りるような価格がとれないし、消費者もその商人のために結局高いものを買わなければならん結果になつております。これは辞退が多うかつたということが言われておりまするが、これは米も麦も同じような辞退がありますが、麦の辞退は、喜んで食うように仕向けないから、ああいう辞退が起きるのだと思つております。そこで政府のほうで、麦を完全にルートに乗せて、自由ではあるが買入れるようにするには途があります。その途も何も講じておらんと私は思つております。地方で聞きますと、これから西の麦ははや五月、六月になると取れます。ところが政府に売る以外にどうしようも方法がない立場に協同組合があるのであります。そうなりますと、結局政府のきめます保障価格というものは私は安い価格にきめられる、六四%ではありますまいが、それにしても決して高い価格には私はきめないと思つております。そうすると、安く買うとは考えておらんというお話でありますが、安く貰われる結果になると思う。若し政府が買わなくても商人が少し高く買つて、そうしてそれを加工をして儲けるのは中間商人がするということは間違いない。若し政府が十分な価格をおきめになるという意思があるならばお聞かせ願いたいと思いますが、私は米の比率の六四%でありまするから、パリテイーにいたしましてもほかの物価が上つておりまするから多少は上りましようが、決して日本の農家が生産費に見合うような価格を政府はきめないと思つておりまするが、その点どういうふうにお考えになつておるか聞きたいと思います。
  47. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは前々申上げておる通りその当時の価格として、決して農民に嫌われない価格に我我はしたいと、こういう考えでおるのでありまして、閣内においでもこの問題は話合つておるような次第でありまして、あなたの御懸念のような点は、我々は十分考えて善処いたしておるのであります。それから又買入れる場合のルートのお話でありますが、これもやはり今のように協同組合等を通じて正式のルートで我々は買入れたいと、こう考えております。
  48. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 さつきの質問でもちよつと触れたのでありますが、農業委員会法衆議院に上程される前に、与党である自由党の政務調査会等でも相当これは研究されたことであろうと思うわけであります。その絶対多数を以ておられるところの政府与党が、政府提出したところの法案をば、これをばかように根本的に性格を変えるような修正をするということは、これはちよつと常識で考えられないのであります。ですからさつき私が申上げました疑心暗鬼が起きて来るのであります。これはどういうことでありますか。政府はもともと修正案のようなものは本当は、本心では望んでおられたわけですか、そうでなければ与党に対する対策が不手際でありましたか、そのいずれでありますか、ちよつとはつきりして頂きたいと思います。
  49. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この法文を作つて出す場合にも、やはり政府は与党である政調会の了解を得てやつておるのでありまして、あなたのおつしやるような惡意を持つて決して政府は臨んでないのであります。事務当局で十分積み上げて検討いたしたのであります。最初から我々は階層別選挙を主張して参つて来ておるのでありますが、ただ政府の者が党に対しての政治力が足りないためにかようになつたと私は思つております。
  50. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 階層別選挙がなくなつたということは、これは非常に大きな意味を持つのでありまして、農業委員会の中における、過去における農地委員会の携つておりました仕事の重さというものが非常に変つて来ることを意味するのであります。併しながら現実に政府考えておられるように、農地改革は完了もいたしておりませんし、現在すでに闇売買の事実も全国各地に相当見られるのであります。又農地改革の最終の目的であるところの大きな仕事として考えられております交換分合等も将来の仕事として残されてあるわけであります。そういつたように決して政府考えられておられるように農地改革は終つておりません。まだ重要な段階にあるわけでありまするが、そういう状態において修正案によつてできまする農業委員会が、その重要な仕事を一体果し得ると確信を持つて考えになりますかどうか、この点お伺いいたします。
  51. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 若し国会において修正されました場合におきましても、最初我々が考えたように農地改革の有終の美を飾るように十分努力いたしたいと思います。
  52. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 時間もありませんから極めて簡單に御質問いたしますが、実はこの前の委員会農林当局に御質問いたしまして実は麦の統制撤廃に絡みましてのその後の需給推算につきまして、どうも見方が多少甘いという感じがいたしますので、直接大臣にお尋ねいたします。と申しますのは、十一月から米だけで一合五勺の配給にする、こういうことでありまするが、そうなつて参りますると、麦のほうは自由販売、自由消費、誰がどういうふうに消費してもよろしいということになるわけでありまして、そうなつて参りますると、外国からの輸入量は私は当然に殖えて来るのではないだろうか、計画配給をしておりまして、主要食糧以外の消費を相当抑えておりまするから、それで例えば二百八十万トンであるとか或いは三百二十万トンという数字が出て来るのだろうと思いまするが、米だけの配給にして、差額の一合二勺が完全に人間の腹に入ればよろしいのでございますけれども、或いは動物の腹に入つてしまつたり、或いは他の工業原料に廻つてしまいますると、当然にその分だけは外国から入れて参りませんと、とかく人間の主要食糧の消費量は足らなくなつて参りまするので、従つて麦の消費が勝手になりますれば、数量はなかなかむずかしいと思いまするが、当然観念的には相当量殖えて参る、輸入量が……。それからもう一つは、麦なりいも等だけしか作つておらん農家が相当あるわけでありまして、この農家も当然米の配給を要求して来ると思います。そうなつて参りますると、やはりその方面からも農家配給が、米だけでも相当殖えて参つて来るということで、実は政務次官あたりの御答弁では、大して殖えないだろうというようなお見通しでありましたが、これは私は非常に簡單な理窟でありまして、勿論今まででも闇で使つておりましたから、相当のものが蔭の消費はあると存じますが、併し大ぴらにとにかく麦を誰がどうして使つてもいいことになりますると、当然人間が喰べる以外に用途が相当殖えて参ります。そうしますると、大体従業煙りの人間の食糧を確保することになりますれば、それだけ輸入数量が殖えて参らなければならんだろうという点をお伺いしたいわけでありますが、これに対しまして大臣の御答弁を伺いたいと思います。  それから一括して御質問いたしまするが、これは大臣は御承知がないかと思うのでありますが、多少これは皮肉めいた質問になるかもしれませんが、麦の統制を外すということで今いろいろお考えになつているようでありますが、ただ最近に、麦の副産物であるふすまとか糠の統制を一部やつておるわけであります。これは政府の通牒で、これ以上にふすまというようなものに変つてはいかん、これはまあ非常に行政的な措置ではありまするが、もとを全部政府が握つておりまするから、これは聞かざるを得ないというわけであります。そうしますると、肝腎の麦は外しましても、副産物のほうの統制をすでにやりかけておるということは、頗る主義一貫せんではないだろうか、副産物さえ一部統制に着手しておるくらいでありますれば、これはやはり麦そのものも統制いたしませんと、理窟に合わないのではないか、又実態に反しはしないかということであります。これは或いはお聞きになつておりませんかと思いますが、重大な問題であると思いますので、お答えを頂きたいと思います。  それから第三の点は、これは私が特に心配をいたしておる点でありますが、なかなか外国から食糧を入れるということについては、まあ非常に強気な御意見を承わつておりまするが、やはり私は依然としてまだ心配をいたしておりまするが、その場合に、日本国内では麦なら麦の統制を外しまして、そうしてアメリカその他の連合国に対しては、日本に対してぜひとも二百八十万トンは優先的に一つ入れて欲しいと、こういう要求は少くとも矛盾をしはせんだろうか、で私も多少の知人を先方に持つておりますので、いろいろその方面の意見も聞いておるわけです。国内でもう統制を外して、勝手に消費なりを認めておつて、そうしてアメリカ等に対して、日本に優先的に多量に食糧一つ出して欲しいということは、如何なることがあつても理由が立たないのではないだろうかということで、やはり今後の外国食糧の優先確保という点にも相当の心配がありはせんだろうかという点を、実は心配をいたしておるのであります。これに対しましてどういうお考えを持つておられるか。  それからもう一つは、七月以降のガリオアが殆んど見込薄であるという情報を聞いておりますが、これを正確に、何か大臣といたしまして最近の情勢をお聞きになつておりますかどうか。  以上三点につきまして一つお答えを頂きたいと思います。
  53. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 最初の、この麦の統制についてのお話、或いは又輸入の見通し等についてのお話でありまするが、それについて、国内の食糧が実際に今までやつてつただけのものが一般に配られるかどうかという御懸念のようでありますが、私は現在のこの粉食その他のものの辞退の量等を見て、私は決してそういう心配はないと思つております。それから又これが工業原料或いはその他家畜等に侵蝕されるんじやないかというお話でありますが、これは成るべく我々といたしましては、この家畜の飼料等はそれに相応したものを入れたいと考えておるのであります。それから又工業原料等に至りましては、ブタノール或いはその他のことを御指摘のようでございますが、これもそれに比較して、安いものを輸入するのがやはり工業家としての私は行き方であると考えておりまするので、多少これはほかに流れましても、やはり食糧として一つの大きな潮流で流れると私は考えておるのであります。それから次の麦の統制を外しても糠や何かはまだ縛つておるじやないかというお話でありますが、これも麦糠、或いはふすま等についてももう外してあるそうであります。ただこれを委託いたしておるものでありまするから、その価格が上昇しないように指導いたしておるんだそうであります。それから最後のお話の点でありますが、ガリオアのお話でありますが、これは正式な通知を政府はまだ受けておりません。資料を持つておりません。それから又先方のほうに二様の見方があることを私よく承知をいたしておりますが、国内の情勢をよく判断されて、我我の意見に同調して頂けると私は思つております。
  54. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 時間もありませんから、詳しいことはやめますが、ふすま、麦糠は指導というお言葉ですが、実は御承知通り部分が現在は委託加工になつておりまして、而も原料を握つておることが一番強力なあれでございますので、私は実際には指導以上の強制措置考えております。
  55. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 成るべく御期待に副うようにいたしたいと思つております。
  56. 江田三郎

    江田三郎君 農業委員会について衆議院のほうで階層別選挙の点を修正されたわけでありますが、この点につきましては、私は本委員会におきまして政府側にたびたび質向いたしましたように、農地改革をやつて行くならば階層別選挙ということは一つの本質的な性格の問題だと思うのでありまして、これは階層別選挙をするということは、何もそれによつて農村の内部に強いて階級対立を起すということでなしに、何と申しましても長い間の我が国の制度によりまして、小作農という者は下積にされて来たわけでありますし、若し農地改革を推進するところの農地委員会が一般的な選挙によりますというと、どうしましてもこれらの小作農の立場を代弁する諸君が委員に選ばれる機会が少いのでありまして、そういう点を公平に発言をさして、そうしてこの農地改革を円滑に推進して行こうというのが階層別選挙の行き方だと思うのでありまして、この階層別選挙ということは、農地改革というものがなお続けて行かれる限りはこれは抹殺してはならん本質的なものだと思うのでありますが、そういう点を衆議院のほうで修正をなすつたのは、一体どういうような立場に基いておられるのか、その点を御質問申上げたいのであります。
  57. 野原正勝

    衆議院議員(野原正勝君) 階層別選挙をやめるようにいたしました理由と申しましては、政府のほうからいろいろとお話もあつたと思いますが、農地改革も一応の段階に達したことはすでに皆さんのよくおわかりの通りであります。そこで農地改革は一応の段階に達したと言いながらも、まだ残された問題がたくさんあることも私ども承知しております。併しながら今度の農業委員会の持つ本質的な使命と申しますものは、むしろ私ども農地改革をしてより一層その意義を徹底させる、有終の美を収め、そうして非常に苦しい今後の農村の経営をもつと技術的にも高める。そうして農業の生産性を高めて窮極のところは耕作農民の生活の向上、文化の向上にまで高めて行くためのいわゆる建設的な農業委員会であらしめたい。そのためには小作階層というものに特にこだわる必要はないじやないか、御承知通り農地改革の過程におきましては元の地主、或いは小作という者のいろいろな利害関係の対立もあつたのであります。従つて小作階層に対する特別なその主張を代弁する委員会の役割というものも当然あるべきであつたと思うのでありますが、すでに農地改革も一応の段階に達した。今後残された問題としましては、未耕地の取得であるとかいうふうなものもすでにそうたくさんはないのであります。いわゆる交換分合というような仕事はむしろこの農業経営の合理化のための一つの大きな仕事としてこれはやらなければならん仕事かと思うのでありますが、こういつたものはすべて農業の進歩と発展のために、地主も小作も全く過去における日本の地主制度というものがもう全然なくなつてしまいました今日におきましては、むしろ相互の理解と協力以外にはその解決の方法はない。その今までの農地改革を行い来たつた過程におきましていろいろな対立、中には好ましからざる闘争もあつたのでありますが、すべてそうした過去のことは一切を水に流して、むしろ農村全体がお互いに理解と協力を以て手を握り合つて今後の農村の振興と発展を期する以外には途がない。さように私ども考えまして、そうしてむしろ大きな意味においては今後農業委員会というものの使命は、いわゆるあり方は、そうした何と申しましようか、本当の村作りをこれからやるのだという仕事、そうした面に重点が置かれて行くべきであろう。さように考えましてむしろそういうことに農業委員会というものの大きな使命を持つて行くとするならば、小作階層というようなものに余りにこだわりを持つということは、今後の日本の農村の向上と発展、それを期待する上においてはこれは無意味である、むしろこれは弊害を伴うのじやないかというような点を考慮いたしまして、実は私ども民主党側ともいろいろ相談いたしました結果、これはむしろ政府は一応農地局側等の主張を考えて、階層別ということにしてあつたけれども、むしろ委員会としましては、独自の立場からこれはその階層別選挙というものをやめたほうがよろしいという結論になりまして、今回のような階層別選挙をやめるということにした次第でおります。
  58. 江田三郎

    江田三郎君 今のお答えを聞いておりますというと、今後の農村の問題は、あえて地主とか小作と言わずに、一丸になつた村作りをして行くということなんでありますが、併しながら一体今までの農地委員会というものは、それでは今言われましたような弊害を非常に伴つてつたかどうかということなんであります。成るほど若干の部分的には摩擦を起したかもわかりませんが、併し何と申しましたところで、長いこの小作制度、封建的な制度、これを新しい制度に改めますためには、むしろ私はあの程度の摩擦なら少いほうではないかと思うのでありまして、而も今度の委員会になつて来るというと、小作農の内容は十五名のうちの僅か五名であつて、その他の者が本名を占めておるということ、この小作農の諸君の代表が如何に強引にやろうとしたところで、数の上でできないようになつているわけなんです。そういう点では今御心配になるようなこの小作農の代表を出すことが、農村の円満な村作りを阻害するということは、私にはどうしても肯けないのであります、  更にもう一つの問題は、農地改革が完成の一段階に来ておるというような御発言がございましたが、一体それならば衆議院のほうでは、今の日本における小作農の数というものをどの程度あるというようにお考えになつておるのか、或は又もはや交換分合等残された問題はあまりないようにおつしやいますけれども、我々はそうは考えないのであります。例えば政府が発表しましたあの自立計画、三カ年計画によりましても、三カ年間に十六万町歩新しい耕地を作り出すという計画が出ておるわけであります。或いは又今度提案になりました国土調査法は、これによつて土地の分類をし、そうして新らしい利用の途を開こうということになつているわけでありまして、そういう点から、又或は先ほど農林大臣がこの席で言われましたように、全国の農地の拡張に全力を挙げておる、こういう言葉も出ておる。そうなるというとまだまだ未墾地の開墾等の問題がこれから新らしく次々に出るわけでありますが、そういうような今後の未墾地の解放の仕事がどのくらいあるとお考えになつておるのか、或は現在小作農という者はどの程度あるとお考えになつておるのか、若し現在の小作農の仕事というものが問題にならん少数であるならば、これならば何も階層別の必要はございません。これは階層別がないことが理想なんでありまして、一日も早く農村で階層別をなくしたい、階層別はなくしたいが、現在は私はまだこれは無視できない相当の数があると考えておるのでありますが、一体あなたがたのほうでは小作農の数をどの程度にお考えになつておられるか。あの衆議院提案説明を見ますというと、小作農家戸数は二%であつて、小作兼自作は四・二%であると、こういうような説明をやつておられたように聞くのでありますが、そういう御認識でやられたのかどうかということであります。そういう点をお答え願いたいと思うのであります。
  59. 野原正勝

    衆議院議員(野原正勝君) 現在の小作農、全農民の中における小作農の占める割合というものに関しましては、農林省からの資料に基きまして、私どもは農家の戸数におきましては約一割強、又面積等におきましては六割強であるというふうに承知しておりますが、併しながら私どもは先ほどの江田さんのお話で、私どもがこの階層別選挙をやめた理由の一つとして、農地改革がすでにもう大分終つたと、今後殆んどないという認識でやつたのかというお話のようでありまするが、私はさようには考えてないのであります。まだまだこれからやらなければならん仕事がかなりたくさんあるということを十分実は承知しております。併しながらいわゆる日本における農地改革という非常に大きな仕事、農地委員会が果された大きな業績というものはよく知つておりますけれども、今回の農業委員会性格と申しますものは、私が申すまでもないことでありますが、その農地改革の残された部門を今後も続けてやり、なおそして又食糧供出の面であるとか農業計画の面におきましては、従来の農業調整委員会が果して来たいろいろな役割をこれ又承継いたしまして、そうして同時に又我々が今後のいわゆる終戰直後のあの不安と混乱のうちで果し来たつた、落着のない農業のあり方から、今後はむしろ農業の経営というものももつと科学的に或いは技術的にこれを向上させ、そうして真に民主主義時代にふさわしいところの農業の本当の立派な健全な姿というものを想定いたしまして、我々はその大きな農業の進歩と発展を目指して今後の委員会を進めて行き、農業の発展のための委員会にしたいということで、いわゆる農業改良等の大きな部門をも同時に果して行く。従つて農地改革であるとか、或いは又食糧供出或いは又農業改良と、こういつたいろいろな目的が一つの大きな一丸となつて一つ委員会をこしらえて村作りをやつて行くということを私どもが期待しておりまするが故に、あえて従来の何か農地委員会の延長でもなければ、或いは又農業調整委員会の延長でもあつてはならない。そうしたものを含めて、いわゆる農業改良等の大きな今後の仕事にだんだんと重点が移つて行くという段階にあろうかと私どもは思うのであります。従いましてここにあえて小作階層一割二分ほどでありますが、その一割二分の小作階層に対しまして、三分の一、三三%という比率を以て小作階層から特に委員を選ぶということの必要が果してあるかどうか、私ども只今江田さんの御説明にもございましたが、この十五人のうち僅か五人の小作の委員を選んだところで大した発言の力はないのじやないかというお話がございましたが、そうであるならば何もその小作階層から三分の一を選ぶまでもなく、むしろ全体がなぜもつと徹底した村作りのために素裸になつて日本の再建、農業の建設を図らないかという点は、むしろ小作階層というものを残すことが私どもは無意味であり、弊害を伴うものである。さような認識の上に立ちましてこの階層別をやめたのであります。
  60. 江田三郎

    江田三郎君 小作階層を残すことが弊害を伴い無意味であると言われますけれども、小作層というものは現実にあるのでありますから、そういう現実にはつきりとした階級的な区別があるものを、私はあえて無視するという行きかたは、これは間違いではないかと思うのであります。ややもいたしますと、或いは国の問題については挙国一致が唱えられ、或いは愛国心が唱えられ、或いは愛郷心が唱えられ、そういうようなことを以て現実の矛盾というものを覆い隠すというような行き方がしばしばあるわけでありまして、そういう行き方が一つの根本的な問題としましては、我々をあの悲惨な戰争に追い込んだのではないかと思うのであります。現実にこの区別のあるときはやはりその区別を認めて、そうしてその区別をなくするようにやつて行くことが我々の仕事でなければならんと思うのであります。なお今小作農の戸数は一割二分だということをおつしやいましたけれども、これも農林省の統計によりまして一割七分二厘という数字が出ておるわけでありまして、そういう点にもあなたがたの少し誤解があるのじやないかと思うのであります。それからこの問題、農業委員会の問題を我我が取上げるのに一つの根本的な反省が必要だと思うのであります。それは妙な一つの条件から出発しているわけでありまして、本来性格の違うものを三つ一緒にして置いて、その違つたものを三つ一緒にして置いて、それで一本のものを割出そうとするからして、辻棲の合わないようなことばかりをしばしば議論して行かなければならんのでありまして、むしろこういう問題は、はつきり三つ委員会は別だという、そういうことに持つて行くほうが私は妥当ではないかと思うのであります。現に衆議院におきましても、改良事業についてはこれは別な部会を作つてやろうということをおきめになつた。若しこの委員会が本当に結構なものでありますれば、ああいうふうな改良事業についてだけは別な部会を作ろうというような御決定決議はなさらなかつたと思うのであります。或いは又この予算の行使の方法を聞いて見ましたところで、農政局長の言によりますると、旅費、事務費等は三つ委員会、旧来の三つ委員会仕事に均分に三等分するというやり方をとつておる。一つ予算があつて一つ委員会があつて、そのうちの金の使い方については三つに均分して使わなければならんというところに、この委員会がもともと無理な委員会であるということであるわけでありまして、そういう無理な委員会、本質的には一つでないものを一つだという条件を出されて、その無理な条件に立つて問題を究明して行こうとする、問題を検討して行こうとするから私はいろいろな間違つた結論に到達するのではないかと思うのでありまして、そういう点は衆議院のほうで、改良委員会は別個の部会を作るというようなことを御決定なさつたのでありまするならば、若し参議院におきまして、この委員会は本来三つ委員会に分つべきであるというような、そういう決定をしました場合には、あなた方はこれに応じて両院協議会等で御協議下さるかどうかということをお尋ねしたい。
  61. 野原正勝

    衆議院議員(野原正勝君) 小作階層の問題等、私ども農業委員会をどういう形でとりまして、小作階層別選挙を行わないで、小作階層の利益を全然考えないというふうな理論の上に立つておるのでは全然ないのでありまして、むしろあらゆる角度から考えまして、この小作階層というものを特に取上げて、そこから委員を選ぶというふうな見かたをすることが何かこだわりがあるのではないか。農村の本当の健全な姿になろうとして、率直に申すならば、農地改革の当時におけるところの小作農民が抱いて来ましたいろいろな立場における、いわゆる階級闘争的な立場をとつた小作層もあつたようであります。今日におきましては全くそれが平静に戻つております。そうしてむしろ自分たちは折角農地改革によつて自作農にはなつた、或いは又多少の小作を持つておる者も、持つておるけれども、併しながら今後、何としてこの苦しい農業生活を我々はやつて行くかというようなことで、いろいろと過去の事柄に対してもすでに反省をしておる向きも多いようであります。私どもは現実に農村を廻つて見て、そういう部面にたくさんぶつかつておるのでありまして、従いまして何もここに小作層が多少でもあるから、その代弁をするところの委員を持たなければならんということになりますというと、あらゆるものがすべてそうした数的比例を以てことごとに委員の選任に当つてその比例で以てやるというふうなことが、果して日本の農村に役立つかどうかということは、私どもはどうしても納得の行かない点なんであります。そうして又只今特に農業改良の問題につきまして部会を設けたという話もございましたが、これは先般の衆議院農林委員会における一つの希望の事項として、特に農業改良に対して十分な考慮を払わなければならんという意味における決議であつたのでありまするが、私どもは飽くまでもこの農業委員会なるものは、そうした農業改良の仕事も、或いは又農地改革の残された部門も、或いは又必要に応じては国民の食糧供出というような重大な仕事、これらのものをやはり一つにした大きな仕事を果して行くべき委員会であつて、それがてんでんばらばらに三つ委員会が存在してそうしてやるというようなことは、今日におきましては考えていないのであります。我が国の、日本の農村の現状を見ましても、その三つ委員会を置くほど、それほど楽な農村ではないのであります。むしろ委員会の数を減らして、そうしてでき得べくんばそこに強力な事務局を持つて、そうして指導員を置いて仕事をやるということがむしろ望ましい段階ではなかろうかと、私は考えております。
  62. 江田三郎

    江田三郎君 どうもいろいろ御説明聞きますけれども、私どもとしては納得できないのでありまして、一つ委員会一つ委員会ということを言われますけれども実質は先ほど申上げましたように一つ委員会でありながら、農業改良に関するものは別な部会を作らなければならないという決議が生まれて来る。そうして予算の使いかたについては、三つ仕事にそれぞれ均等に配分して行く、而もこの委員会関係のあるのは政府機関でいうと農政局と農地局と、改良局と三つの局がある。全くこれは支離滅裂だと思うのであります。而も或る場合にはこれは決議機関であるし、或る問題については諮問機関である。そういうようないろいろな異つたものを一つにして行つて一つなつたような気分になるかもわかりませんけれども、現実は只今私が申しましたようなことからして、一つも一本になつておるのじやないと思うのであります。それはともかくといたしまして、この農業委員会から階層別選挙修正したという点につきましては、政府のほうでも廣川農林大臣も、只今もこの席でこの修正は遺憾であるということを表明されておる。而もこの修正が野党側からの修正というならまだ私たちは肯けるのでありますが、偉大なる廣川農林大臣の与党である自由党が中心になつてそれを修正をされたということは、全くこれは不可解至極でありまして、そういう点は全くこの農業委員会法案は奇怪なる存在だと、二言で言えばそう言わざるを得んと思うのであります。誠に奇怪なる存在ということだけ申上げまして、余り長くなりますから質問はやめます。
  63. 野原正勝

    衆議院議員(野原正勝君) 先ほど私小作農の割合で面積を六割というふうにちよつと申上げましたと思いますが、六%の間違いでございます。
  64. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 議事進行について動議を出したいと思います。  農業委員会法案及び農業委員会法の施行に伴う関係法令整理に関する法律案質疑は本日を以て打切り、明二十七日午後の農林委員会において討論及び採決を行い、討論をする人は、各会派一人以内として、討論時間はおよそ一人で十分以内、こういう動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  65. 江田三郎

    江田三郎君 只今の動議に反対でありまして、何と申しましてもこの農業委員会というものは、今後の農村の非常に大きな機関になるわけであります。それを私はどういうような政府関係者、或いはこれを修正されたところの衆議院の諸君の答弁を聞きましたところで納得が行かないのでありまして、更にこの問題についての逐条審議は終つていないわけなんです。全然触れていないのでありまして、例えば代表者会議の会長は一体どうなるのかという問題、或いは一つの村を二区分したときの委員の数は一体どうなるかというような問題、或いは選挙区の問題、そういうような細かい問題について逐条的にまだ検討しなければならん問題がたくさん残つているわけでありまして、今すぐにこの質問を打切るということは反対であります。
  66. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 私の判断でありますが、これはお話合いがつかないと私は考えますので、この際今の岩男さんの動議を採決したいと思います。岩男さんの動議に賛成のかたの御起立を願います。    〔起立者多数〕
  67. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 起立多数でありますので、岩男さんの動議は成立いたしました。  なおこの機会に食糧管理法一部改正法律案についても同時に上げたいというような御意見もあるように見受られますが、何か御発言はないでしようか。
  68. 小林孝平

    ○小林孝平君 食糧管理法の問題につきましては、非常に重要でありますので、なお質疑を行う必要がありますので、明日中質疑を行うことを希望いたします。
  69. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 食管の一部の改正は、私は農業委員会法と何も一緒に上げなければならん必要はないと思います。これは切り離して十分審議をして差支えないと思います。
  70. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは只今の岩男さんの動議は成立いたしましたので、明日午後農業委員会法採決に入りたいと思います。なお只今の岩男さんの動議は、今日を以てということでありますので、まだ時間が残つておりますが、この際この質疑を続行するか、なお若し時間がありますならば農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案審議に入りたいと思います……。農業委員会法についてなお御意見のあるかたは質疑を続行願います。お疲れと思いますけれども、なお只今農林水産関係法律案について本日いま少し質疑を続けたいと思いますので御了承願います。
  71. 江田三郎

    江田三郎君 農業委員会の問題について。
  72. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 結構であります。
  73. 江田三郎

    江田三郎君 二十八条の「都道府県農業委員会委員は、各選挙区において選挙する。」という、この選挙区というのはどういう意味ですか。
  74. 桧垣徳太郎

    ○説明員(桧垣徳太郎君) 立案の事務を担当いたしました関係で御説明を申上げますが、政府原案の二十八条の選挙区は、都道府県におきましては、少くとも二以上の選挙区を置いて委員選挙を執行するという意味でありまして、選挙区の数等につきましては、第二項に規定をいたしておりますように、知事が都道府県の選挙管理委員会と御協議を遂げまして、選挙の執行の便宜及び代表数の適否を判断いたしました上で定めるということになつておるのであります。そうしてその選挙区を設置いたしますやりかたは、従来の農地委員会の都道府県の委員会の構成の場合にもとつておるのでありまして、大体私ども考えかたといたしましては、従来の農地委員会の都道府県委員選出の方法と同じような選挙区を設けることが妥当であろう、こういうふうに考えております。
  75. 江田三郎

    江田三郎君 この委員会が従来の農地委員仕事だけをするならば、そういう考えかたでいいとも思いますけれども改良事業及び食糧調整仕事もやつて行くわけでありますが、それについては前の委員会において片柳委員から御質問がありましたように、調整関係仕事をするのには、どうしても一つ供出の單位でありますところの郡市というものから代表が出ないと、そこに非常に摩擦を起すということが我々の経験からして予想されるわけであります。従つてこの選挙区というものをそういうような考えかたに立つて政府のほうはお考えになる意思はあるや否やということをお尋ねします。
  76. 桧垣徳太郎

    ○説明員(桧垣徳太郎君) 御説明を申上げます。選挙区の設置及び選挙区から選出されるべき委員の数につきましては、先ほど御説明を申上げました通り都道府県知事が選挙管理委員会と協議の上で決定をするわけでありまして、その際に今回の委員会の所掌の事務の内容が必ずしも従来の農地委員会の所掌事務と一致をしておるわけでありませんので、従つて選挙区に割り振りせられます委員の数等は、おのずから郡市の数等を勘考いたしまして知事が定めるようになるであろう。又そういうふうにもいたして参りたい。ただ問題はやはり農民の代表という資格で農業委員会を構成する委員でございますから、有権者数その他の要素も又加わつて、そういう委員の定数の割り振りが行われるということに相なるだろうと考えております。
  77. 江田三郎

    江田三郎君 政府の説明員のおかたは、一体今まで食糧調整仕事をやつておられた人かどうか、私知らんのでありますが、食糧調整仕事をやつておられたならば、どうしてもこれは選挙区というものが郡市であつて、そこから代表が出て来なければならんということをお考えになるのじやないかと思います。一つの県を二つの選挙区に分ちまして、それで或る一定の定員を以て選挙をやつた場合には、そこに必ず小さな郡、或いは特に小さな市においては必ずそうなりますが、そういうところからは決して代表は出られません。そうなつて来るというと、食糧調整の面においてはこの委員会は、非常な混乱を来たすことが必至だと思うのでありまして、そういう点について従来食糧調整仕事をやつておられた政府委員なり説明員のおかたはどう考えられるか。
  78. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) 御承知通り農業委員会仕事は従来の農地関係仕事、それから食糧調整仕事、それから改良委員会仕事、その三つのものをやるわけであります。従いましてそれぞれの場合をよく考えまして最も適合するようにこれをきめて行くということがいいと思います。それでこの点については先ほど大体の考えかたは檜垣事務官から御説明いたしましたような考えかたでおるのであります。併しこの点はむしろ法律的には何ら細かい規定はないわけであります。御懸念の点等につきましては一応私どもはさように考えておるわけでありますが、今後その点につきましてはなおよく研究をいたしましていろいろの仕事をする上に支障のないようにきめて参りたい。かように考えております。
  79. 江田三郎

    江田三郎君 そういう点に大体この法案の無理があるわけでありまして、あとで研究すると言つたところで、どう研究してもどうにもならんような状態に落ち込んでおると思うのであります。違うものを一つにしておるところにそういう問題が出て来るわけでありまして、恐らく施行の面においていろいろ苦労されたところで、私はこの解決はできんじやないかと思う。その点はその点といたしまして、次にお尋ねしたいのは、代表者会議の場合の一体会長という者は、委員の代表、若くは県の職員、そういう者から知事が任命するという規定がございましたが、この際一体どこに重点を置こうとせられるのか、この委員会は飽くまで民主的でなければならん。併しながら農地改革についてのことだけは、これは特別だから委員長を知事にしたという説明がございましたが、代表者会議のときには一体誰を会長にされるおつもりなのか。
  80. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これも法律的には代表者会議の会長はその職員、又は選ばれました代表者の中から都道府県知事が任命する。こういうふうに書いてあるわけであります。従いまして法律的には、選ばれました代表者の互選によつてこれをきめる場合も予想いたしております。或いは又地方のその代表者会議の区域というものは、いわゆる郡なら郡の区域になり、而も食糧供出等の関係がありまする場合にはやはり供出関係に携わつているところの職員という者が会長というようなことをやつて行く場合もこれは予想されます。従つてこれについては必ずどちらでなければならないということは私はきめておりません。又代表者会議の作り方についても、法律的には詳細の規定は全部譲つてしまつている。従つてその代表者会議の区域なり或いはその事項によつて、先ほど申しました職員なり或いは代表者のうちから任命するという適当な方法をおのずからとつて行くということでやつて参りたいと考えております。
  81. 江田三郎

    江田三郎君 何でもかんでも適当な方法でというのでは答弁にならんわけでして、私ども原則としてこの代表者会議というのは、地域ということを考える場合もありますけれども、地域というよりも、主としてこの際お聞きしたいのは、調整関係の代表者会議、或いは農地関係の代表者会議、改良事業関係の代表者会議というような仕事の性質によつて、そういう三つ仕事があるとしたならば、その仕事の性質によつて委員の互選による場合と、知事が職員を任命する場合と、そういう分ち方を考えておられるかどうかということをもう一遍お尋ねします。
  82. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) この代表者会議の扱います仕事は、これは法律に出ておりますように、いわゆる農地改革部分にはこれがないのでございます。主としていわゆる総合的な農業計画の部門についてこれをいたすということに相成つておる。従つて予想いたされますのは、やはり従来の仕事で申しますと農地調整関係、或いは改良事業関係、こういうふうなことに相成るわけです。従いまして我々といたしましては、どちらが、いわゆる代表者の中から互選したほうがよいか、或いは職員のうちから選んだらよいかというような問題でございます。供出のような関係が主になるということを考えますれば、私は常識的に考えましてやはり職員ということのほうが事務が円滑に行くのではないかということを予想しております。併しながらこれは必ずしもこれを押しつけることも考えてはおりません。従つて先ほど申しましたようにこれはやはりその作り方によつて適当にきめて行くという建前をとつております。
  83. 江田三郎

    江田三郎君 この法律に関する限り、いろいろな質問をすると、答えはいつもきまつておるのでありまして、適当でやるということだけでありまして、そういう説明では我々は非常に不満足なんであります。もう少し前以て研究をされておると思うのでありまして、もう少しはりきりして頂きたいのであります。そういう点がはつきりできないのならそれでよろしいが、問題を変えてもう一つお伺いしたいのは、第四条の、たびたび質問いたしましたが、経費の負担の場合でありますが、この際には市町村農業委員会代表者会議に要する経費も含むということになつておるわけでありますが、あなたのほうから資料として出されたものを見ますというと、代表者会議の経費というのはどこにも見当らんわけですが、あれは一体どういうわけなんですか。
  84. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これは本来の委員会が市町村の農業委員会と都道府県の農業委員会しかございませんので、特に予算上はそれが別に独立した市町村農業委員会代表者会議というような項目にはなつておりません。我々といたしましては、併しながらこれは都道府県の農業委員会の本来補助的になつて参る、従つていわゆる会議事務に要するようなものについては、これは都道府県の農業委員会の経費からこれを割いて行くというふうに考えております。ただ併しながらこれは市町村の農業委員会委員が出て来るわけです。その委員の旅費等につきましては、これは或いは市町村の農業委員会のほうで計上するというふうにいたしたらばいいのではないか、こう思つております。
  85. 江田三郎

    江田三郎君 重ねて言いますけれども、局長の答弁は全く答弁にならんのでありまして、こうであるけれどもこうであるというので、いつでも二つのことを二元論でずつとやつて、そして適当に適当にと言う。誠にそういう答弁では話にならんと思う。一体代表者会議にしても、県の補助的な機関として持つ場合、例えば調整関係あたりもそういうような行き方をとる、ところが改良関係の場合に、一体そういうような性格をとるかどうか、改良関係という、改良事業というものが県の補助的な仕事であつたならば、改良事業というものはもはや何もないと思う。改良事業の場合に代表者会議を作るのは、やはり下から盛り上る行き方であつて、上からの補助機関として代表者会議を作られる場合には改良事業というのは全く性格を一変するわけです。だから重ねて言いますけれども、違つた性質のものを一つにやろうとするからあなたの答弁のように二元論になるのであつて、こうでもあるがこうでもある。あとは適当にやろうということになるのであつて、そうなると阿呆らしいから質問はやめます。
  86. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私も毎回言つておりまする県の委員会の定数の問題でありますが、どうもやはりさつき江田さんの言われたような、実際の運営上には非常な支障が出て来ると思うのです。政府でこれはどうしても通したいという勿論御意思のようですが、これがまあ仮に通つた場合に、実際県の委員会は収拾つかないと思うのですが、何か実際的な措置をお考えになつておりまするかどうか。実はこの農業委員会法案審議の際には、実は前からずつと見ておりまするというと、食糧庁の関係官は殆んど出席されておらない。ですから供出割当の実態を知つている人がなあるとしますれば、私はかような無茶案はできなかつたと思う、殆んど食糧庁の関係官は出ておらん点から見ても、何かその辺に実態を非常に研究されておらんと申しまするか、食糧庁からの意思が余り通じておらんというような実は感じを率直ながら感ずるのであります。これは収拾が私はつかんと思うのです。各郡市の代表が出ない限りは。ですから何かこれで行つた場合に実際上、例えば思いつきでありまするが、委員の出ておらん郡市からは実際上オブザーバー的に出てもらうようにして、十分その意見を尊重するとか何かのことがなければ、私は絶対動かんと思うのであります。私は單に言いがかりではないのであつて、どうもその辺が非常にまだ実態と反しておるという点。それからこの前非常に揚げ足取りのような議論をいたしましたが、何か議事参与の制限の規定なんかも、実は供出関係を余り頭に置いておらんじやないかというような感じさえするのであります。あれで行けば、全員がその決議には退席をしないといかんというようなことになつてしまう。何か供出関係のウエイトが軽く見られておるというような感じがするのでありますが、実際上の、仮に通つた場合の欠陥をどうするか、一つ打明けてのお考えをお聞かせ願いたい。或いは更に近い機会にそれを直すような意思もありますのかどうか。
  87. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これを十五名にいたしましたのは、郡の平均等も考えまして、そのくらいで今御懸念のような点も支障ないのではないかというふうな考慮からいたしたのでありますが、特別に地方によつて更にたくさんの数になる、而も出て来てないところに供出割当についての諮問をいたします場合に、委員に選出されてないところの、郡の利益を代表するというその方面からの意見を聞く機会がなく、公平な決定ができないというような場合を懸念しましてのことでございますが、私どもといたしましては、一つそのことは十分頭に置きまして、実際の動し方については供出割当の諮問の場合については、少くとも各郡の意思はつきりして、ただそれをこの代表者会議としてどうきめるかは別であります。よくその意志がはつきりするような、何と申しますか、本来の法的な会議ではございませんが、何らかそういうふうな補足的な会議等も設けることを考えまして、それによつて万全を期して行きたいと思います。それからこの前もお答えしたのでありますが、今後ともこの法案の施行後の実施の状況を考えまして、非常に不都合な事態が万一生ずるような場合がございましたらば、その改正等につきましても十分考えてよいだろうと私は考えております。  それから議事の制限の問題でございますが、これはお話の点も当然予想をしておつたのです。中でも議論をしたわけです。議論をいたしました結果、この案の但書の解釈によつてその点はやつて行けるというふうな見極めがつきましたので、一応この案で出しておりますわけです。
  88. 小林孝平

    ○小林孝平君 衆議院でこれを通過いたしました際に決議文が附いておりますが、その中の書記を二人にするということは、先ほど農林大臣大蔵大臣がこれについて努力するというお話があつたのでありますが、その際に農林大臣は、この農業改良事業については部会を設けて運営するよう措置を講ずること、これにつきましても同様にこの決議を尊重してやる、こうおつしやつたのでありますけれども、私はこの委員会にこういうような部会を設けるということは、実際問題として非常に困難であるということと、それからこういうふうな部会を設けなければならないということが、すでに農業委員会というものは質の異つた三つ委員会一緒にするというところに無理があるということを、はつきり表わしておるように思うのであります。それでこの三つ委員会を一本にして運営するためには、むしろこういうような部会を設けないでそうして運営したほうがいいと思うのでありまして、こういうふうな決議がありますが、これに対して農政局長はどういうふうにお考えになりますか。
  89. 藤田巖

    政府委員藤田巖君) これは農業委員会はいろいろの仕事をやるわけでありますからして、私は当然その委員会運営のやりかたといたしまして、それぞれ専門的な事項に亘つて部会というものは当然考えられるであろうと思います。それによつて能率的に仕事を進めて行くということも、あえて排斥すべきものではないと思います。ただそれによつてばらばらになるとか、或いは農業委員会一つにいたしましたところの効果が達成されないような運営では、これはいけないと思うのであります。従つてやはり根本的な考え方としては、すべての観点から総合的に大きな基本方針がきめられて、そのきめられた方針に副つてそれぞれ仕事を能率的に効果的に運用するための部会制度ということによつて、いわゆる運営妙味を発揮して行くということは当然考えられて然るべきである。さようなふうに動かして行くことが適当ではないかと思つております。
  90. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  91. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて。それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後三時五十二分散会  出席者は左の通り    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岩男 仁藏君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            小林 孝平君            三輪 貞治君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            三浦 辰雄君   衆議院議員    野原 正勝君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   政府委員    農林農政局長 藤田  巖君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林事務官    (農政局農政課    勤務)     桧垣徳太郎君