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江田三郎君 時間がございませんから、簡単に要点だけ質問をいたしたいと思いますが、言うまでもなく今農協の増資が行われておるわけでありまして、特に今回バツク・ペイがきまりましたので、ところによりますというと、バツク・ペイを以てそつくり増資の方向へ、まあ一〇〇%というわけじやございますまいが、大部分を増資の方向へ半ば強制的に振向けるというようなところも出ているように私は聞いておるのでありますが、そういうような増資の仕方というものは一体いいのか悪いのかという問題、更にこの増資をします場合によく検討して見ますというと、増資によ
つて何ら事業分量は殖えない、殖えないということになると、増資したものに対する配当を若し出すということになると、それだけ経費はたくさんかかるわけでありまして、更に余計の赤字を加えて行くということになるわけでありますが、そういうような増資の仕方というものは、もとよりこれは経済的なべースに乗
つたものでないわけです。そういうような増資が行われておる。而もそういう増資がバツク・ペイを半ば強制的に振向けるというような形で行われるというようなことになると、これは農協の増資というものが、もはや経済的な問題でなしに、まるで
農民であるための賦課金と言いますか、負担金と言いますか、そういうような半ばまあ封建的な性格を持
つたような感じがいたすのでありますが、さような増資のやり方について一体
農林省としてどういうような方針を持
つておられるのかということが
一つ。それから更に農協の事業を我々今度の視察にもいろいろ検討して見ますというと、例えば農機具なら農機具を扱いましてそれを購連が手数料を取り、更に単協が手数料を取り、更に購連はその間の輸送した農機具が出るとすぐに利子を取るというような形で持
つて行くと、明らかにこれは商人から買
つたほうが安いわけなんです。そういうことが農手なり或いは
農業協同組合からの借入金その他の
関係で否応なしにそういう高い
価格を押し付けられてお
つて、農協というものが
農民に対するサービスの機関でなくして何か農協の役員なり職員なりを養うための動きをしているのじやないかというような印象を受ける部面もあるわけなのでありますが、さような一連の問題について一体
農林省としてどういうような指導をなさ
つて行かれるのかという問題です。
それから第二の問題は、今農政活動というものが非常にやかましくな
つて参りました。そこでその農政活動につきまして勿論我々も大いにやらなければならんのでありますが、ただその農政活動の中心になるのは一体どういう機関が適当だと
農林省のほうではお
考えにな
つておられるか。先般の
地方議会の選挙におきましても、或る二、三の府県の指導連のごときは特定の候補者に対しまして選挙
資金を出しておる。こういうような形をどうお
考えにな
つておられますか。或いは指導連というものは現在の農協の経営が非常に困難な状態に立ち
至つて、我々から
考えるというとその経営自体の指導なり或いは刷新なりという大きな役割があると思うのでありますが、そういうことよりも農政活動だけや
つておればいいとお
考えにな
つておられるか。又そういうような農政活動を強力に展開されるところの指導連というようなものの会長がこの間変
つたようでありますが、荷見さんが会長になられたのでありますが、荷見さんという人は私は日銀のポリシイ・ボードの一人だと思うのでありますが、一体日銀のそういうような役にある人が農政活動を強力に展開するところの指導連の会長になるということを適当と
考えておられるかどうか。
更にもう
一つ最後にお尋ねしたいのは、昨日も
農林大臣は準備が整えば米の自由販売をするというような御発言があ
つたわけでありますが、若しそう
なつた場合に一体農協の経営というものをどういうようにお
考えになるか。そういうときにも或いは農手制度というものは続くのかどうか。若しそういうような農手制度というものがありましたところで、自由販売ということにすると相当量農協の
取扱量は減
つて来るわけでありますが、そのときの農協の経営は何を基本としてやらそうとするのであるか。恐らく今日この主食の
取扱制度が変りまして、農手の制度或いは農手の
取扱分量がうんと減
つて来るということになりますと、全国の農協の大部分というのは余り誇大かも知れませんが、多くの部分がこれによ
つて致命的な打撃を受けることは必至だと思うのでありますが、そういうことに対しましてどういう将来指導をされようとするのか。時間がございませんから簡単にそれだけをお尋ねいたします。