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説明員(
井上綱雄君) 御
説明申上げます。
中京競馬の
設置場所のことでありますが、
只今部長から
お話がありましたように、昨日の暮押し
詰つてから、私ほか二名の
技術者が
参つて現地の
調査をいたしたのであります。我々として考えましたことは、
参議院の
申入れのこともありますので、先ず第一に、
競馬場建設のためには
耕作地を潰廃させないということと、第二に、
競馬開催の際に
名古屋は勿論
競馬開催の
当該地区その他の
地区から
現地への来場が実際に容易であること、第三として
競馬場施設の
建設及びその維持が容易であるということ、第四として常時馬を放馬するに適当な
環境であるということ、これを重点といたしまして
調査をいたしたのであります。お配りした
資料で地図があると思いますので、御覧を願いたいと思いますが、従来ありました
候補地としては
一宮、
春日井が二カ所、
守山、
鳴海、
大府、この五つにな
つておるのであります。先ず
一宮について申上げますと、
一宮は、
予定敷地にな
つておりますところは、
一宮の町から五キロばかり東北に当る所であります。
現場が桑畑、麦畑、又松の林が相半ばしておるのであります。
且又一部に宅地があり、五軒ばかり家があります。
現場は農地でございますので、
競馬場建設には適当でないというふうに考えまして、これは省きました。次に
春日井の
予定地のうち、
鳥井松という所は
中央線の
春日井駅と勝川駅の中間でありますが、これは
陸軍の
工廠が近くにあ
つて、現在
相当建物が残
つております。
交通機関は
中央線及びバスによるほかはございませんが、
土地が庄内川よりも低いという
関係もあり、水も
飲料水としては惡いのであります。且又現在苫小牧の
工場敷地にその半分ぐらいはなるということに
決定したそうでありまして、この点
競馬場敷地として最もよいということば言えないと思うのであります。
次に
春日井のうち
鷹来工廠跡、これはやはり
陸軍の
工廠跡でありますが、
交通事情からいうと小牧の駅から東方に三キロ半くらいあるのであります。
中央線の
春日井駅からは北に約三キロメートル、この
敷地といたしましては比較的いい所でございまして、土質、
環境もいいのでございますが、
交通機関が
何分にも不便でございます。
次に
守山は現在これは
緑地帶に入
つておりまするが、
名鉄の
瀬戸線北山駅から北に十キロ半くらいあります。この
守山の
予定敷地は
名古屋市内でも
中央にあり、
環境としてもよろしうございますが、
交通事情から申しますと、もう
名鉄の
瀬戸線の支線が
名古屋駅に入れない
事情にな
つております。現在約二町ぐらい離れて、それから
敷地内に大きな
砂防用の池が三つばかりございます。この
扱い方にも相当な苦心が要りますし、且つ又実現するまでには困難がいろいろ伴うことと考えおります。さような
事情で
守山も省かざるを得ない
事情にな
つております。
鳴海を
最後にいたしまして、
大府のほうを申上げますが、
大府の
予定敷地は旧飛行場でございます。いろいろ当議会にも
反対陳情等が出ておりました。
耕地の部分を除きましては現在格納庫のある所でございまするが、これは
何分にも
交通機関の
関係が
東海道線一本でございまして、比較的列車の間隔の長いというようなことから、
交通事情から申しましてよろしくないと思います。
最後に
鳴海でございますが、
鳴海はこれは
名鉄線の本線に近い所でございまして、有松町の裏になりまして
行政区分からは
鳴海町の一部に入
つておると思います。
丘陵地帶で、全然
耕地を含んでおりません。それから現在
野球場が、これは
廃場に
なつたそうでございますが、
野球場がございます。工事は
丘陵地の
関係で多少困難も予想されまするが、できんという地帯ではございません。いろいろ注文がございまするが、先ずこれらの
敷地をいろいろ勘案いたしますと、現在の
事情から申しますれば
鳴海が最も適当である、こういうふうに
決定したのであります。詳細はこの
附表がございますので、これについて御覧置き願いたいと思います。
で
最後の結論として申上げますと、現在の
競馬場というものは、結局
交通の
事情ということが最も大きく作用がございます。現在ございます府中の
競馬場、或いは
中山の
競馬場といつた所は自動車の便が非常によか
つた時代、即ちガソリンその他が豊富であ
つた時代に、外国の
競馬場にもございますように、自家用車で乗付けることを
建前として設計いたしてあるのであります。そういう
時代でございますと、相当
交通事情が惡うございましても
競馬場として成り立つのでございまするが、
現状甚だそれらが不便な
時代には、都市から離れておるということは
競馬の運営上最も困る点でございます。特に
名古屋のごとく、
名古屋市内の人間とその附近だけでは、我々の予期するような成績は上りません。多分に
京阪地区からの観衆を考えなきやならん
事情にある場合には、特にその点を強調いたしたいのでございます。さような
事情から
鳴海を
最適地と認めましたのであります。以上御
報告申上げます。
それから次に
控除率が
引下げになりまして
只今局長から御
説明もございましたが、ここに出しております
材料は、前にありましたときは
京都について申上げますれば、十月乃至十一月の気候のよろしいとき、それから次に
控除率が下
つてからやりましたのは、一月に入りましてからの嚴寒の候で、而も天候が思わしくなかつたといつたような
関係で、直ちにこの
材料を以てすぐに判断はできかねると思うのであります。総括的に申しますれば、
国営競馬におきましても、
地方競馬におきましても、大体下るものは下らんで済んだし、
下り方が少かつた。且つ又昨日、今日の
大井競馬場の
状況を見ますと、一律に
控除をいたしておるのであります。一方
競輪のほうは、同時にやりました場合でも従来よりも相当その繁栄さが失われておる。
控除率を
引下げることによりまして、
競輪との対抗が十分にできるというふうな予想をいたしております。細かい
数字は今申上げたような
事情でございますので、
説明を省いて置きたいと思います。