○小野義夫君 私はこの本案の成立することを先ず前提として希望するのでありますが、非常にこの点
議員提出というのは御困難であ
つて、
野原代議士のごときその途の通人といえ
どもやはり多少の手落ちはないと言えないのでありまして、取扱上今後もあることでありまして、こういう経済上の非常に正面衝突、一見そういうふうにも見られるような
法案の取扱につきましては、
衆議院においても
通産委員その他よく熟議をされて、論議を尽されてや
つたほうがいいと思われるのでございますけれ
ども、会期切迫して多岐多端でなかなかそういう暇もなか
つたかと拝察するのでありますが、ここに我々はこの
法案は非常に国家百年の大計の上に是非とも成立を要望するが、併しこれがために起
つて来るところの
支障はですね、極力これを除くことを希望するものでありまして、
先ほど林野庁長官の御
説明、又炭政局長の
説明も、鉱山に要する、いわゆるメタル・マインその他に要するところの
坑木というものは、まるで問題にしない。いわゆる
原単位において二・五、それで四千四百万トン、それはイコール幾らというようなことを言
つて、
先ほどの論議の中に金属山に対する
坑木支給の問題はオミツトされておるのでありますが、私の
承知するところによればですね、やはり金属山も百万石以上の
坑木を必要とするらしいです。そこでですね、今
要請せられておりますところの四千五百万トン内外にやりますと、これだけでも、
石炭だけでも千百二十五万石となるのであります。これを切りつめて一千万石だけ、あとはまあ
節約をしろという
お話、それに鉱山のほうの
坑木は
一つも勘定の中に入れていないということになりますと、私は
坑木のこの
需給関係において甚だこの立法の
基礎が、少し数字が間違
つているんじやないかという危惧があるのであります。それが先ず第一点。それからこの法の第八条その他全面に見えるのが、申請と
許可が年一回とな
つておるんでありますが、これは
先ほどの
説明によりまして、著しき経済的変動ある場合は二回でも三回でも許すから差支えないという
お話でありますが、現在の経済
事情は著しき変動のあるものと認めないのであるかどうか、これは屁理窟的
質問でありますが、私は端的に申上げれば、現在は著しき変動のある時期であろうと思うのです。かかるが故にそういう
行政庁の取扱でなく、年四回にするとい
つたら、
法文の上にはつきりと正確に申請と
許可を年四回にするということで、僅かの修正で目的が達せられるのでありますから、かように修正するのが妥当と思われるのでありますが、これに対する修正
意見はどうであるか。又樹齢ですね、原則として松は三十一年、杉は四十一年と申しますのですが、この
坑木は遺憾ながらこの
保護する樹齢にな
つておるのです。例えばここにパーセンテージを申上げますと、大体私の調査によりますというと、二十年から二十五年くらいのところが大体
坑木の中の三六%、それから二十五年以上三十年未満と見られるものが三一%、合計六七%というものがこの
保護に値いしているところの幼齢樹に該当する。いわゆる
適材でないものに該当するのであります。ですからかように法の
施行目的であるところの七割、六割が除外例を食わなければならんというようなことは、法の
実施上殆んどその迫力を失うことになる。それを一々
許可で許すということは……。でありますから
坑木に対しては又その材木の種類、松とか或いはとど松にして、且つ
坑木に要するものは、というような簡単な例外規定を設けることによ
つて本
法案は完璧を期する。又現下の日米
協力という、
自立経済が
先ほど非常に主張されましたけれ
ども、これはもうすでに
自立経済は古いと
考えるのであります。感覚の上から言
つて古いと思う。自立するくらいで
日本が事足りるかどうか。もう一歩国際経済に直結してやらなければならん。そこで今、将来植林をするとか或いは
奥地林を
開発するとかいう迂遠な問題は、ここに私
どもは耳をかす
余裕はないのでありまして先ず以て電力は本年度に六百万トンの
石炭を使用しなければならんというこの実情が、大いに
坑木に影響しておるのであります。でありますから根本的なことをおつしやるならば、水力電気を先ず以て極力やれば
石炭の
使用量は漸滅する。
従つて坑木も
節約になる、こういう順序になるのであります。植林
計画よりは電力が優先するという問題になりまして
坑木問題に対しては……。でありますから私
どもが今の時差の感激なる
変化に即応して、将来この国家百年の大計を忘れないようにということにするのには、
先ほどから申します一、二の点について
農林委員会において御修正をなす
つてや
つて頂けば、我々
通産委員としてのお願いは十分に達成されるのでありまして、本案の成立にはもう非常に私
ども熱意を持
つて賛成でありますから、その一点を
通産委員として申上げます。