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小笠原二三男君 どうも変な話を聞くもので、
愛犬家の、犬のための
負担を軽くするということのために射倖的な
行為を伴う
競技方法をや
つてもいいということが、そもそも私は問題であろうと、こう
考えるのであります。これは、そういうことが不当に
負担過重であるということであれば、国の、或いは
地方の
行政施策が悪いのであ
つて、その
方面について我々国
会議員なり或いは
地方の議員が努力したらいいのではないか、こうしたギャンブル的なことから起
つて来る、世上に捲き起
つている
各種の家庭或いは社会上の問題が如実にある現在において、それらを何ら勘案することもなく、
愛犬家の
負担を軽からしめる、そのことのためには賭博的な
行為に伴う損をする者が出てもいい、或いは家庭的に、社会的に問題が起
つてもいい、こういう
ようなことはあり得ない。而もそう申上げますと、
発議者はその点については取締を厳重にして不正
行為等の行われない
ようにやると、多分
お話でありまし
ようが、厳重な取締により或いは違反者を出す、或いはこれらに伴う犯罪者を出すという
ようなことは、これは国の
施策として不幸な問題であるというふうに私は
考える。どうして正当な手続によ
つて、余りに不当な
愛犬家の
負担であるということならば、この
方面について全力を挙げて御努力をなぜなさらないのであるか。
発議者は百二十何名の多数を以て
発議しておるのでありまするから、この意思を結集し、
政府与党さえ結束するならば、こんな
愛犬家の
負担なんということは簡単に済んでしまう問題ではないかと、そう私は思う。而もあの自転車の
競技等においては、非常に殷賑を極めて
地方財政に寄与すると、こう
言つておりまして、年間四十億ぐらいの収益を挙げるという
ようなことを
言つておりますけれども、だんだんあらゆる経費を差引いて行きますと、真にどれだけが
地方財政に寄与しているかわからん。而もそのことによ
つて起
つて来るいろいろな治安上の問題、或いは家庭における、いわゆる昔言葉で言いますと淳良なる風俗を破壊する。こういうことまでやらなくてはならんということは、私どうも解せない。例えば今
都道府県における県税としての、この税目等で申しますと、入場税、遊興飲食税というものが主たる
財源である、そうしてその他今度は自転車、
畜犬、
モーターボート、
小型自動車、競馬、この
寺銭収入で県財政を賄
つて行くという
ようなことは、私は根本的におかしいと思うのでありまして、少くも今県税にな
つている狩猟者税等で見ますならば、
東京都あたりの都会の
かたがたが鉄砲をたくさん持
つて、そうして一人当り三千円の税を
東京都に納めながら、長野県、岩手県等の雉その他の繁殖地にどんどん出掛けてこれを獲る、そうして地元は何ら利益を受けない。こういう
ような税目を例えば国の税とするという
ようなことにして、この
目的税によ
つて年間三億にも上るところのお金をこういう
方面に使う、こういうふうに
はつきり
一つ財源的な
裏付けをすることも
考えたらできないわけはないと思う。そういうことを
考えることなしに、今世上問題にな
つている中に、なおこれを以て、あらゆる
畜犬の
改良とか輸出とか、非常にうまいことをやるということは、私はこれを
考えるだけでも国
会議員として非常に不幸である、
国民に対して相済まんとさえ思
つている。でこういうことを正常な事業或いは
財源の分配等によ
つて、こういう真に御尤もな
趣旨の貫徹する
ような方策をなぜ
発議者において御検討をなさらなかつたかということが、私から申しますと遺憾だと
考えるのでありまするが、この点について御研究がありましたら御
答弁願いたい。