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1951-03-28 第10回国会 参議院 内閣委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十八日(水曜日)    午後二時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件厚生省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○運輸省設置法等の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。  厚生省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。この案につきましては、すでに相当質疑が進んでおるのであります。なお引続いて御質疑がありますれば、この際御発言願います。
  3. 梅津錦一

    梅津錦一君 厚生省設置法の一部を改正する法律案はすでにもう微細な点に亘るまで政府答弁も聞いておりますので、質疑の点はすでにもう盡きたと私は考えますので、採決に入ることの動議を提出いたします。
  4. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 梅津君のは、質疑が盡きたから、討論に入りませんかという……。    〔「討論省略」と呼ぶ者あり〕
  5. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 討論を省略して採決ようという動議でありますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないものと認めます。それではさようにいたします。……ちよつとまだお見えにならないかたがありますので、採決は暫く延ばします。次の問題に移ります。そして適当な時期において採決することにします。御了承願つておきます。   —————————————
  7. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に運輸省設置法等の一部を改正する法律案、これを議題といたします。これにつきましてはまだ相当質問が残つておると思いますから、この際御質疑を願います。  なお政府委員に、ここに出してある法律案要綱というのがありますね。この要綱について説明をして頂きたいのです。
  8. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) このお配りいたしました要綱に即しまして御説明申上げたいと思います。  今度の設置法等の一部を改正する法律案の主なる目的は、運輸審議会審理官を設けるということでございます。その審理官を設けます目的は、現在審議会におきましては、その補助機関が給仕のようなものを入れまして僅かに六名に過ぎないのでありまして、本当の事務的スタツフというものがございません。そこでその補助機関といたしましてこの審理に当らせることによりまして、審議会意思決定に更に適正な効果を及ぼすようにするために審理官を置く、そうしてその審議を能率化するということを図るのでございます。この審理官の任務は公聽会において諮問事項公聽に付しまして、その事実の発見に努めて、そうしてその報告書を作りまして、運輸審議会に提出する。その運輸審議会に提出せられた報告書申請者その他の利害関係人に提示いたしまして、利害関係人において若しその報告書に事実の誤認があると考える場合には、報告書の提示を受けて十五日以内に異議申立てをする。その異議が尤もだと思えば運輸審議会において更に運輸審議会みずから、或いは他の委員をして審理に当らしめる。そうしてその公聽会においてできるだけ正確な事実を発見し、皆様の納得した事実に基いて判断を下して免許その他の行政処分をするということにするわけでございます。この任命運輸省職員の中から運輸大臣が補職するわけでございまして、これは一般職員がこれに当る、こういうことになるわけでございます。  二番目は、期間よう船料審議会廃止することでございますが、この以下は大体條文整理に該当する事項でございます。御承知ように昨年四月以来八百総トン以上の船舶政府が期間よう船しておりましたのを、帰還者輸送に当る極く僅かのものを残しまして、全部船主に返しまして、完全な民営の運航になりましたので、そのチャーター料決定することに参画しておりました運輸審議会が不用となりましたので、現在は制度はありますけれども全然動いておりませんので、これを條文整理をする、こういうわけでございます。  次の三番目は、船舶公団廃止するわけでございまして、御承知よう船舶公団は四月より公団法廃止になりまして、実質上廃止になつておりますので、なおその清算事務も本年度一ばいに完了いたしますので、これも條文整理をする意味において運輸省設置法から削除する、こういうわけであります。  四番目は、船舶運営会等による先ほど申しました八百総トン以上の船を原則として自由運航に還元いたしました際に、船舶運営会というものを一応廃止して商船管理委員会というものに改めたのでございますので、それとも字句の整理意味において、船舶委員会商船管理委員会に改めるということであります。  次は鉄道公安の職務に関する法律が制定せられまして、鉄道公安に関する鉄道公安職員運輸大臣任命する、その公安職員事務の執行は運輸大臣が監督するというよう制度ができましたので、その趣旨を明らかにするためにその所掌事項に追加をいたす、こういうわけでございます。  次に六番目は国際観光ホテル整備法通訳案内業法国際観光事業の助成に関する法律がすでに制定されまして、その中の事項設置法上において明らかにするという趣旨でございまして、これも條文整理的な意味合を持つているものでございます。  なお次に運輸省設置法ではなくて、第七といたしまして国家行政組織法を改正いたしますのは、国家行政組織法の別表によりますところの船舶公団を削るわけでございます。   —————————————
  9. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと諸君にお諮りいたします。  先に梅津委員から発議せられました厚生省設置法の一部を改正する法律案について採決するようにということで、これは諸君全会一致の御同意を得ました。つきましてはこの際問題を厚生省設置法の一部を改正する法律案に戻しまして、これの採決をいたします。  本案に賛成諸君挙手を願います。    〔総員挙手
  10. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 全会一致であります。これは可決すべきものと決定いたしました。つきましては賛成委員諸君の御署名を願います。  多数意見者署名    竹下 豐次   郡  祐一    楠瀬 常猪   松平 勇雄    尾山 三郎   林屋亀次郎    カニエ邦彦   梅津 錦一
  11. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なおこの委員長報告委員長に一任することをお願いいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。ではさように取計らいます。   —————————————
  13. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に只今審議を中断しました運輸省設置法等の一部を改正する法律案に戻りまして、これを議題といたします。
  14. 梅津錦一

    梅津錦一君 この運輸審議会が今までの審議会と非常に性格を異にいたしておつて審理官制度を設けて、而も鉄道或いは道路、運送事業定期航路事業等免許、或いは運賃認可等運輸行政の根幹とも言うべき行政について運輸大臣意思決定に参画するという点から考えれば、これは明らかに諮問機関ではないというふうに考えられるので、丁度委員会審議会の中間的な性格を大いに持つておると思うのですが、政府においてはこうした重大なものを決定する運輸大臣意思決定に参画するということをなぜ行われて行くか、行政組織法上の建前からそれに対するいろいろの理由があると思うのですが、その理由を御説明願いたいのであります。
  15. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 運輸審議会は、法律的に申しますとやはり審議会でございまして、運輸大臣はその意見を十分に尊重いたしますけれども、運輸審議会決定が直ちに運輸大臣行政処分となるわけではございません。併しながらこの運輸大臣の行います行政処分の中で、地方鉄道軌道免許とか、自動車運送事業免許とか、小運送業免許とか、海上定期航路免許とか、今回加わりました航空事業免許とかいうよう事柄申請者にとりまして重要な事項でありますのみならず、一般公衆に対する利害関係が非常に深いのでございまして、行政民主化といいますか、いわゆる役所の従来のスタッフだけでなしに、広い経験と深い識見を持つたそうして中立的性格を帶ばしめるよう法的措置を講じておりますが、中立的な公平な意見を出させるということが必要であるというわけで、一応運輸大臣決定をいたします前に運輸審議会に諮問いたしまして、運輸審議会公聽会を開いて十分に関係者意見を拝聽し、正確なる事実を発見し、それに基いて決定をすると、こういう手続をする必要がある、こういう考えの下に運輸審議会という制度ができたわけでございます。運輸審議会会議制でございますから、議決をいたしまして、この事件免許すべし、この事件免許すべからずという決定ができましたならば、その答申運輸大臣に出すわけでございます。運輸大臣はその答申を尊重して行政処分をすると、こういう建前になつておるわけでございます。
  16. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 審議会性格でありますが、前回の新聞用紙等審議会が、これが相当強力なものであるから、これを單なる諮問機関に移すというようなことで政府はこれを出されたのですが、この審議会はそういう意味合いから考えますと、極めて強力なものでないかと考えられるのでありますが、その点について行政管理庁はどういうわけでこの運輸審議会のみにこういう強力な力を持つ委員会を認めておられるのか、この点について伺いたいと思うのであります。
  17. 中川融

    政府委員中川融君) 運輸審議会只今指摘になりました通り、或る程度ほかの審議会に比べますと強力な権限を持つておるということが言えると思うのでございます。併し運輸大臣はその審議会決定されておる答申に全面的に拘束されるというわけではなく、これを尊重しなければならないということになつておるわけであります。その意味におきましては、先般の新聞出版用紙割当審議会が全く審議会決定するところによつて個々割当がきまるというのと比べますと、余ほど違いはあるわけであります。又政府機構全体といたしまして、運輸審議会程度のものにしろ強力な権限を持たすのはどうであろうかというようなことも一応考えられる問題ではありますけれども、現在の状況におきましては、その審議会決定を尊重しなければならないというのが、その多くはございませんが、若干やはりあるのみでありまして、これらはいろいろの関係からして、政府行政機関だけに判断を任して置くよりは民間その他の学識経験者を入れまして、審議会意見を尊重しながら大臣なり長官なりが決定するというのが適当であろうというような観点でできておる機構でありまして、只今指摘もありましたように、行政委員会制度独任制官庁とのいわば中間を狙つたよう機構になつておるわけであります。その一つの例といたしましては、地方行政調査委員会議がございますが、これも形から言いますれば、総理府の諮問機関にはなつておりますけれども、その決定につきましては政府はこれを尊重しなければならないということになつております。併しながらこれらのその決定を尊重しなければならないとされておるよう審議会につきましては、審議会性格なり構成というものにつきましては、特に愼重にいたしておるのでありまして、只今その委員任命に当りましては国会承認を要するというようなことにいたしますとか、又運輸審議会等の例にありますように、委員営利企業との兼職を禁止されておるというようなことになつておりまして、いわば一般職官吏或いは行政委員会委員と或る程度通つた性格を持たしておりまして、行政管理庁としての考えといたしましては、諮問機関でありますところの審議会に或る程度強い権限を持たす、即ちその決定或いは報告につきまして政府が尊重しなければならないというようなものにつきましては、つまり構成なり委員資格等についてやはりこういうような制限をすることが必要であろうというふうに考えております。今回の審議会等審理宮におきましても、大体そういうような見地で案を立てておる次第でございます。
  18. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 運輸省のほうにお伺いするのですが、今まで過去において審議会決定したことを大臣が尊重せなかつたという事例はどういう事例があるのか、具体的にお聞かせ願いたいと思います。
  19. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 今まで運輸審議会答申を取らないで別な決定をしたことはまだございません。
  20. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうしますると、やはり相当強いものであることは窺われるのでありますが、そういつた強い性格を持つ審議会運輸行政の上に是非置かねば困るということがあり得るのかどうか、あり得ればどういう点でこういう強いものがなければ困るのだということをお聞かせ願いたいと思います。
  21. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) できましてから満二年にならないわけでございますが、今までの歴史から見ますと、違う決定大臣がしたということはないのでありますが、将来においてそれが絶対にないという保証はないわけでございます。  なおどうしてこういう委員会を置かなければならないかという点でございますが、先ほどちよつと申上げましたが、御存じように、自動車、小運送海上定期航路、飛行機、地方鉄道軌道免許並びにその運賃決定というよう事柄は、いわば官庁の従来の官吏だけでなしに、いわゆる民間の広い経験と深い識見を持つた人を入れて、そうしてそういう人が公聽会を開いて広く意見を聞いて、正確なる事実の認定を行なつてやるということが必要である。特にこういつた一般公衆に極めて影響の多い事項について、大臣独任制でやるということでなしに、非常に影響するところが多いからしで、行政民主化を行なつて、十分に審議して一般の納得し得るような、そうして最も合理的な決定を行うということが是非必要である、こういう建前でございます。
  22. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今の御説明では、そう是非こういう強力なものを置かねば運輸行政ができ得ないというようなことには私は考えられないじやないか。と申しますのは、運輸省行政官の中にもかなり相当なやはり専門家がたくさん寄つておられるのですから、又業界のそういつた意見を聞くならば、こういつた強力なものを運営しなくとも十二分に反映できるはずである、こう思うのですが、特にこれを設置して而も強力なものにしなければならないということはあり得ないと思うのですが……。
  23. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 御存じように、一昨年六月前にはこういう機構はなかつたわけでございますから、これがなければ絶対にできないというわけではございませんけれども、先ほども申上げましたように、こういう重要な事項決定するについて、独任制大臣がやるよりも、行政委員会に近い制度を以てやるということのほうがより公平であつて、より適切である、こういうふうに考えるわけでございます。
  24. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういう意味でより公正にやると、公平にやるというためにということになれば、これは構成の人の面で考えて見て、もう少し公正にやり得る人を中に入れて来たらどうか。というのは、しばしばこの問題では、各全国の何百万の交通労働従業員側代表者からもこの審議会の中に一人くらいは入れて欲しいという要求がしばしばあるのですが、そういうものをなぜ入れていないか。而もこの委員顔触れを見ますると、終連事務局長をしておつた人、或いは又日東汽船の専務で大阪商船参與を兼ねておられるとか、或いは又運輸省役人局長の古い人が来ておるとか、或いは又松浦工業代表取締役であるとか、或いは鉄道省国際観光局長等を経て来たやはりこれも鉄道役人の古い人がなつておるというような面で、ただ民間人として公平に我々判断でき得るものは東京の弁護士会長くらいのものであつて、他は大体そういつたところに片寄つておるのではないか。一応形においては成るほどこれは民間人であります。併しながら、考えようによつては紐付ではないということは断言でき得ないと思うのです。こういう意味において、今あなたがおつしやるように公平にというなら、何も役人の古い人を集めたり或いは会社重役だけが専門家ではありません。全国幾百万の労働者の中にも専門家はたくさんあるはずです。その中から一人くらいは選んで選べない理由はないと思うのです。ただ運輸行政はあなたのお考えになつておるように、そういう人たちによつて公平になされるものでなくして、あらゆる階層の経験者が寄つてやられるというのなら、あなたが今仰せになつような公平にして且つ適切なという言葉が当てはまるのです。この場合は当てはまらないのではないか、而もこれらの審議会決定がそのままいわゆる決定として少くとも過去においてはなされて来ておるのです。而もそれらの決定は重要な利権に関することのみが大多数は決定されて来ておるのです。だからこそ全国の各労働者がやかましくそれを叫んでおるのも私は当然じやないかと思う。そういう形で行われるのならこれは五十歩百歩である。だからそういうことならば、運輸省運輸省のいわゆる責任において行政を行い、徹底されることのほうがむしろよいのではないか、こういう考え方で私はお伺いをしておるのであります。で今後運輸省はそういうよう趣旨でこの審議会を飽くまでも継続し存置して行くというのなら、将来そういうような面も考慮してやるというのか、やらないというのか、併せてそういう点も明確に御答弁を願いたいと思います。
  25. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 委員会は七人でございますが、一人は次官が当然なるということになつておりますので、いわゆる普通の委員は六人でございますが、その六人は今お話のございましたようにいろいろな経歴を持つた人を選んでおるわけでございます。この運輸審議会メンバー構成については、これは労働者代表であるとか、使用主代表であるとかいうよう建前ではございませんで、いわゆる広い経験と深い高い識見を持つておる人を選ぶ、こういう建前でやつておるわけでございまして、労働者出身であるからこれを排斥する、或いは資本家出身であるからこれを排斥するというよう建前ではないわけでございまして、一に運輸に関しまして、運輸に関するという限定はございませんが、広い経験と深い識見を持つておる年齢三十五歳以上の人を任命する、こういうことになつておるのでございます。従つて労働者出身でありましても、この要件に該当する適任者があるならば、この審議会メンバーたり得る資格はあり得ると考えるわけでございます。なお各方面から候補者を選びまして、法律にも規定してありますように、国会同意を得て任命されるわけでございまして、国会において十分御審査を願つておることと考えておるわけでございます。
  26. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 勿論国会承認を得ておられることはもうこれは当然であります。併しながらその推薦されるのは国会自身がきめるのじやないのです。政府が推薦されて、そして国会がきめておるのです。だからその場合常識的に考えてみても、その政府が推薦して来た者をいちいち実際問題として国会がそれを徹頭徹尾調べ上げてそしてやるということは、実際問題としてはこれはあり得ないのです。だからそれは理窟としてはあなたのおつしやられるようにあることですよ。併し実際としてはやはりそれは選択されるあなたのほうで、運輸省のほうでそういう点を考慮に入れるかどうかということ。それから今言われるように、勿論これは広い経験と高い識見を有する者と言われますがね、全国運輸交通関係者労働者側の中に、何も一人や二人ぐらいは広い経験なり、或いは高い識見を有している者がいないというようなことはこれはないと思う。あなたの言われることだつたら、なかなかそれがないというようなことを或いは前提としておられるようにこれは聽き取れるのでありますが、何も運輸省がそれを公平にやろうと思えば、やはりやり得るのじやないか。それと又実際運輸行政というものがそういう運輸省の古い役人とか、或いは又会社重役等によつてやらなければそういうことがわからない、又それのみにおいて運輸行政というものは成り立つておるのじやないでしよう。幾百万の労働者の協力を得て初めて私は成り立つておるのじやないかと思う。そうすれば、労働者の中から六人のうちの一人ぐらいを選んだところで、別にそれは不思議じやないじやないか、こう思うのです。従つて今までのことはまあこれでできて、国会承認しておるのですね、だから今後においてはそういうよう考え方一つ人選をやる、そういうよう趣旨でやるというのか、いやそうじやないというお考えか、その点をはつきりお聞きしておきたい、こういうのですよ。
  27. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 先ほども申上げましたように、労働者出身であるからどうの、資本家の、使用主出身であるからどうのということではございませんで、そういうことは別に考慮いたしませんで、いわゆる広い経験と深い識見を持つておるという人の適任者があれば、それを選び出す、こういうことでございまして、別にその偏見を持つとかなんとか言いますことは毛頭ないわけでございます。
  28. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 偏見を持つということでなくして、私が今説明したように、現在のメンバーを見れば勢い偏見になつておるのですよ、現実には偏見になつておる、何と言われたつてそういう意味では……。だから労働者を特に代表に入れるという意味でなくして、そういうことも一応考え考慮に入れるべきであるかどうか。今後そういうような方法で一応考えるか、考えないかと、こういうことを聞いておるのです。だからそんなことは考える必要はないのだ。今まで通りの解釈でこういうよう顔触れメンバーでやるのだという考えなのかどうなのか、その点だけはつきりつてもらえばいいのですよ。
  29. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) これはどうも大臣として候補者を選んで国会承認を得まするに当つては、広く人材を求めるという考え方から労働者出身についても、或いは又そうでない資本家出身についても、或いは法曹界の出身についても、或いは地方自治関係の人についても、あらゆる広い面から全般的に人を探して推薦すると、こういうことになると思います。
  30. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで先ほどお話になりました審理官、新たに置く審理官というものは何名ぐらい置く御予定になつておるのですか。
  31. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 六人でございます。
  32. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この六人は現在の運輸省の中からどの程度の地位の人を選ぶかという、具体的にまだきまつていないのでしようか。大体きまつておるとすればその説明を願いたいと思います。
  33. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 六人でございまして、まだ具体的に何の誰がしという人選はいたしておりませんが、大体職級のほうから申しますと、最高一人ぐらいが十二級で、あとまあ十級から十二級程度の人を選ぶことにいたしております。
  34. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 十六條の二の規定により、運輸審議会公聽会を自分から主宰してやつた場合においては、その審議の條の第三項に規定するがごとき報告書を作成する必要がないのかどうかという点ですが、必要がないというならその理由一つ聞かして頂きたい。
  35. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 運輸審議会全員が揃いまして主宰する公聽会におきましては、人数も十分多うございますし、十分目が届くと思いますので、事実の誤認はなく、一応異議申立てるということを認める必要はないのではなかろうか。全員がやりますときには、十分の人員においてもう一度公聽会のやり直しをしなければならんという事態は起きないではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。
  36. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 併し全員が出ておるから、それでいいのじやないかということを断定しておやりになるということはどうかと思うのですが、やはりそういう場合でも異議のある場合ができるのじやないかとこう思うのですが、その場合にはどういうような運用をされるのですか。
  37. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) その場合には、ここに規定しておりませんけれども、公聽会を開くことの決定運輸審議会がみずからやりますので、全員がやつて見まして、或いは異議といつても正式の異議でなくて、どういうところがおかしいとか、或いは審議会のほうであとで議論して見たところが、あすこが不鮮明であるという場合には、運輸審議会みずから決定いたしまして、もう一度公聽会を開くという手続は残されておるわけであります。
  38. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで行政管理庁のほうに伺うのですが、こういつた強い審議会を置くと、而もその審議会委員の身分等についてもかような拘束の中にやつて行くということであれば、一層これをはつきり委員行政官なら行政官にしてしまつたらどうか。将来そういうようにして審議会委員会に変えて行くというようなお考えがあるかないか。その点を伺つておきたいと思います。
  39. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 關説明員から説明を聞くことにいたします。
  40. 關道雄

    説明員(關道雄君) お答えいたします。明確に行政委員会という形になりますと、やはり現在の日本の制度におきましては非常に当り触りの多い面が出て来ると思いますが、それはどういう点かといいますと、いろいろな現在の行政委員会におきましては、非常に限られた範囲において法律の枠内で決定するというようなものが原則でございますので、その点においては差支えございませんが、運輸審議会ような性質の非常に政策的な問題につきまして行政委員会制度をとりますときには、内閣制度における内閣とそれから委員会との関係におきまして、いろいろ問題が出て来ると思いますが、現存の運輸審議会においては尊重はするものの、やはり運輸大臣決定権を持つておりますので、そういう問題が起らないということで、やはり審議会から正式の行政委員会ということになりますと、むずかしい問題が出て来るのではないかというふうに考えます。
  41. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 何條でしたか、五條ですか、この審議会決定運輸大臣が尊重しなければならないという言葉が使つてありますが、これは審議会によりましては、尊重するという言葉の使つてある條文と、ない條文と二通りになつていると思いますが、私が判断したところによりますと、諮問機関意思決定があつて答申があつた以上は、その決定を尊重するというのはこれは常識上当然なことであつて、言葉があるから、ないからということによつて違いのあるはずのものじやない。この尊重という言葉の書いてない諮問機関であつても、その意思決定が表示された場合にはこれを尊重するのは当り前である。但しそれに服従すべき義務は大臣にはないのだ、こういうふうに解釈しなければならないだろうと私は思うのです。そうでないというと、そう差別されますと、たまたま尊重という言葉が書いてあるところはいいけれども、ないところは馬鹿にされるわけです。運輸審議会は尊重という言葉があるからその決定は尊重するけれども、君の方はそんなことは書いてないのだからというふうには言えないわけですね。これは書いてありますから、これは邪魔にはなりません。邪魔にはなりませんけれども、こういう言葉が書いてあるから、それで運輸審議会できめられたものは、ほかの審議会答申よりも重く見なければならないというふうに考えることはおかしいじやないか。私はそう思うのであります。併し書いてあるからというて邪魔になる言葉ではありません。当然尊重するのが当り前だという考えから見れば……。だから書いてあることが悪いとは申上げませんけれども、先ほどの御説明を聞きますと、そこに差別の考え方を持つていらつしやるかのように聞えるのでありますが、これは如何でございますか。
  42. 關道雄

    説明員(關道雄君) お説の通りでありまして、苟くも諮問機関として政府が設置しております以上は、その諮問機関答申に対しまして、全然これを無視するというような態度をとるべきでないことは当然であり、尊重しなければならない。書いてあると否とにかかわらず尊重すべきものと考えます。特に議決を経なければならないことになつておりますよう審議会につきましては、まさにそういうことが考えられると思います。ただ尊重しなければならないと特に書いてあります点は、その点を念のため非常に強調してあるという意味において、多少その他の審議会よりもその傾向が強いのじやないかというふうに考えます。
  43. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 その強いとか弱いということを言われますと、ほかのほうは、これは言葉が少しどうかと思いますけれども、侮辱されたような感じを持たれるだろうと思うのです。それは運輸省だけの立場からお考えになればこれはいいのです。行政監理庁の立場から見れば、どうも今の御説明じややはり私は納得できない。我々としては差別待遇はしちやいけないのだ、どの審議会つてそういいかげんな審議会があるはずはない。但し現在の状態はそういう審議会とか協議会というものが二百幾つかありますから、その中には国会の議を経ずに政府のほうで勝手にお作りになつたものがある。議会の議を経たものについても、まだ今日になつてみるとさほどの必要がないというので、今度それをうんと思い切つて整理される。これはいいところに思い当られたと思つておりますが、そういうふうなことで整理されたりしているのでありますけれども、どうも建前としてはやはり差別待遇をしてはいけないのじやないか。今日やめられなければならないようなものをうつかりお作りになつたのは失態だと思うのです。それを改められるということは非常にいい思い付きだと思つております。建前としては差別待遇はいけないのです。それでこういうふうに思うのですが、やはり私の言うことは正しくはありませんか。それでこういうふうに書分けしてありますと、運輸省の方は大変都合がいい。解釈する人によつてはこうだと書いてあるからこれは特別に重い審議会だというふうに解釈する人があるだろうと思う。私は解釈が違うので、先に申しましたように尊重しなければならないのは当然のことであるから書いてある。書いてあつても邪魔にならないからまあ見逃しておくという気持でおりますけれども、人によつてはそう解釈しないで、特に重く見るというようなことで、解釈としてはですね、まあ念を入れてやろうというよう考え方から見ますれば大変都合がいいことだというようにも考えられますが、ほかのほうで見ると、軽く扱われておるというようなことになるので、行政管理庁の立場としてはこれはよほどお考えにならなければならないのじやないか、こう思うのであります。これはこの問題は今ここで行政管理庁のほうから即答を得ませんでも、よくお考え下さいまして、管理庁としては全体を見て何とか将来においては少くとも統一する、この條文も統一する方針でやつて頂かなければならないかと思つております。書分けた條文が付いているということについては……、過去のことについては我々議員も責任がないわけではありませんけれども、気が付いたあとは適当にやはりこれを整理して行くということが必要じやないか、かよう考えます。
  44. 城義臣

    政府委員(城義臣君) 只今竹下委員から仰せられましたことは私誠に適切だと思います。ただこれまでのどれどれの審議会については尊重せよということを明示してあるとか、或いは又書いてないという具体的な例も只今私は存じませんので、管理庁といたしましては、よく御趣旨を尊重いたしまして、近々に確答を申上げたいと思います。今日のところはこの程度で御容赦を願いたいと思います。
  45. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 社会保障制度審議会はどういう言葉を使つておりますか。
  46. 中川融

    政府委員中川融君) 尊重しなければならないと書いてあります。
  47. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 まあ大きい所はそういうふうに使つている、或いは軽重を付けておるのかも知れませんが、社会保障審議会のほうは相当大きな組織を持つている、調査の範囲、或いは問題によりまして、諮問機関事務的に見ればいろいろ量が少いのじやないかというような違いがあるので、或いは使い分けしていらつしやるのじやないかと思いますが、そういう点もなお御研究願いたいと思います。  それからこの間もこの席で話が出たと思つておりますが、審議会制度を設けるということは、こういうものができるというと、折角の七人の委員がそれに引きずられるというようなことになる心配はないか。それも懇談会なんかの席でちよつと出たような記憶がありますが、それも考えなければならないことだと思うのです。ただ事務の手伝いだけされる、よほど下級なもので書いたりするというようなことだけでありましたら、そんな心配はありませんが、相当に高級な人が六人揃つてやるということになると、それが対立して、七人の専門の知識を持つているかたがやはり対立し合つて行くということになつたら、現在の運輸省役人が案を立てて、それに引きずられるのと同じ結果になつて参りやしないか、こうも思われるのでありますが、その点は如何ですか。ただ事務的に量が多いからこれだけのものを置かなければならないということになるわけですか。
  48. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 今お説のような御懸念を持つのは尤もでありますが、委員会委員諸公ともよく話をいたしましたところが、そういうことは気にしないということでありますし、なお且つこの制度運輸審議会で、行政委員会ではございませんけれども、特にアメリカでは州際商業委員会、I・C・Cというところでやつておるわけでありますが、こういう免許可をやつておるわけでありますが、そこでは例えば運賃決定をするというようなときにおきましては、非常に詳細な報告書が出ておるわけであります。それから同時に自動車免許にいたしましても、全部その理由を明らかにして、こうこういう條件であるからこういうふうにするということを全部記録に残しましてそれが図書室にありまして、向うでは公聽会を開くのに本人が出ないでプラクチーシヨナーという弁護士のようなものが出ております。その弁論によつて得た事実を基礎に置いて判断しております。そういうような記録を整理して、運輸省免許可についてはどういうプリンシプル、どういう方針でやるということを十分明らかにしたいというわけであります。実はそういつた記録が現在におきましては非常に少いわけなんであります。そういつた点に力を入れて同時に現在におきましても、公聽会の速記を全部取りましても金が非常にかかりますし、それから速記の翻訳が国会ようなわけに行きませんで、なかなか速記が読めるように翻訳ができないというようなこともございまして、公聽会の記録が必ずしも正確にできていないというようなこともございまして、そういつた面に力を入れて行きたいというふうに考えているわけでありまして、それらのものが委員を引きずるというようなことでございませんで、十分委員審議を容易ならしめ、委員審議の調査を補助するといつた、飽くまでそういつた考え方で行くつもりでございます。人選もそういつた方針でやるつもりにいたしております。
  49. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 そういう場合に、そういう種類の事務的の補助、いろいろな資料を提供したり説明したりするのは、運輸省役人のほうで事務的に質問に応じて提供されたり説明されたりするというわけには行かないのですか。同じようなことじやないかという気がするから尋ねるのですが……。
  50. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) そういう考え方も成り立つわけなんでございますけれども、委員会自体といたしまして報告書を、まあ例えば国鉄の運賃改正の答申をするとか、或る事業の免許をするというようなことになりまして、いろいろな調査を各原局でやるわけでございますが、いわゆる答申書とか何とかいうようなことになりますと、やはり委員会審議できまるわけでございまして、それを受けてそれを書くのにはやはり原局の人間ではまだ十分でないのでございまして、何としましても一般に公表して突つ込まれる機会が多いものですから、十分に検討して、且つ委員諸公の検討を受けて論議の対象にするということになりますと、やはりとかく原局の人間ですと、身が入らないと申しますか、しますので、やはり特に今のところ少うございますけれども、それを審議会のコントロールの中に入れたほうがよろしかろうというよう考えております。
  51. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 私などどういう答申が今日まで出ているのやら、その実例もよく存じておりませんからよくわかりませんですが、普通この諮問機関答申としては、専門家が集つて細かい説明は聞くけれども、併し実際判断をしてそうして大臣答申をするというのが普通の諮問機関答申だと思つてるのですが、運輸審議会ではなかなかそういうことでなくして細かい点までやはりおやりになるわけですか。
  52. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) こちらから諮問しました以上は、まあなかなか立派なかたがたでございまして、やはり委員の相互において御専門もございますし、ここのところの決に至つた経緯も十分考慮いたしまして、その結論を書いて出すと同時に、事件によりましてはどうせ六人、七人で決定しますが、二人ぐらいは反対意見があるわけであります。その少数意見もこれは附記して答申してくれろ、こういう事件もございまして、やはり今までの、そういつちや悪うございますけれども、御用的な委員会と趣を異にいたしておりますので、大体昔の委員会ですと、幹事会で案を作つて議論して、そうして大体幹事会の案に落付くというようなお座なりといつては悪いのでございますが、そういうものが戰前随分多かつたのでございますけれども、そういうようなことになつてくれては困りますし、又現在もそういうことになつてはいないのであります。
  53. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 それはずつと前の御説明に、先ほども承わつておりまするというと、この尊重するというようなことの使い方ですけれども、何だかこう審議会決定大臣を拘束するともおつしやらないけれども、拘束しそうなふうの口振りにも聞える非常にあいまいなものだという感じがいたします。外はまあ普通のものは拘束しない。諮問機関であるということは法律はつきりつてありますから、拘束すべき性質のものじやないのです。法律解釈としては私はそう思うのです。で御説明によると、何だかその中間にあるような、如何にもぼかされた御説明ですね、どうかと思うのです。で実は昨日新聞の問題で私は言つたのですが、まあ我々議員としては総理を指名して、そこから反対された人もありますけれども、今では指名して国会できまつた総理大臣にいろいろな決議案などをたくさん作つて、その決議によつて総理大臣の手足を縛り上げるということは、総理大臣の見ようによつては責任を軽くするというようなことであると、それじや困る。僕らが信頼して指名した総理大臣にできるだけ腕を動かしてもらい、常軌を逸しない限り自由に活動をしてもらう。いろいろなことで以て手足を縛るということはいけないと思う。こういう気持を持つておるわけでありまして、その意見から委員会が余りでき過ぎるというようなことについても私としては反対の意見を持つておるのであります。而も今度諮問機関である審議会法律で書いてある諮問機関である審議会に、なお且つその決議によつて総理大臣やら各省の大臣を拘束するというような結果になつていることはおかしいのじやないかというようなことを昨日新聞の問題についても私は言つたわけなんです。でこの問題についてもこれらの気持がやはりまああるわけなんです。それは尊重するのはもとより尊重しなければならんが、何だかこう拘束しそうなふうの考え方を持つということは、私は法律違反だと思います。少くとも法律趣旨に抵触する諮問機関というですね、そういう考えを持つておりますのですが。
  54. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 今申上げましたのは、大体この委員会答申というもののでき上る過程を申上げたわけでございまして、御存じようにこの委員は二人ずつ逐次代つて行くということで、いわゆるスタツガード・システムということになつておりますが、このおのおの同一政府任命した者が六人揃うということでなしに、ぐるぐる廻つて政府の異なるもので任命された者がいろいろまざつて来ることによつて、非常に中性的といいますか、ものになつて来るということをまあ企図して、向うのサゼツシヨンによりましてそういうことを企図としておるわけでございますが、そういう性質の委員会であります関係からして、委員会の結論が出る過程において相当議論があるということを申上げたわけでございまして、従つてそういつた議論の過程を経て来たものでありますために、十分尊重するという気持になることはこれは事実だと思いますけれども、法律的には拘束されませんで、如何ような過程を経て出て来た結論といたしましても、運輸大臣運輸政策を施行する見地から考えまして、どうしてもこの答申に従うことが適当でないと考えた場合におきましては、その答申と異なる決定をすることは法律上可能であるし、又そういう建前になつております。ただ今までの歴史から見てその事実がなかつたというのにとどまるわけであります。
  55. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 それで一番初めの御説明の中に、何だかこう諮問機関と決議機関の中間であるような印象を與える説明がございましたから、それじや困るというので質問したわけで、今の御説明ならば私はまあ結構だと、こういう言うに思つておるわけであります。
  56. 梅津錦一

    梅津錦一君 運輸省設置法等の一部を改正する法律案の原案はもとより運輸省で作られたと思いますから、その点を明らかにしたいと思います。
  57. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 正身正銘運輸省で作つたものでございます。
  58. 梅津錦一

    梅津錦一君 その間ですね、行政組織法上の建前から、当然これは行政管理庁がこの立案に対しては参画しておるのが当然と考えられるのですが、参画しておつたか、おらなかつたか、正直に一つ御披瀝を願いたいと思います。
  59. 城義臣

    政府委員(城義臣君) 参画をいたしております。
  60. 梅津錦一

    梅津錦一君 おりますか。当然参画しておると考えられますが、併しこの運輸省審議会の、或いはその審理官制度が設けられるまでの過程においては、相当運輸省自体がこの件に関しては議論があつたろうと思う。それで運輸省の、ことによると一方的な圧力が行政管理庁のほうに加わつたのではないかと私は考える節がある。それはですね、この前の運輸委員会で私は傍聽におつたのですが、相当数のこの問題に対しては証人或いは傍聽人ですか、相当数入つておつたわけです。非常にこの問題に対しては議論が沸騰しておつたように見て参つたわけですが、そういう関係からですね、ことによると運輸省の圧力が行政管理庁意見を排撃、或いは退ぞけておるのではないかと、更に行政管理庁意見が織込まれておらないのではないかという節を、意思決定に参画する機関でありということから考えて、中間的な、今運輸省のほうの政府委員から言われるように中性的なものになつておる。こういう点から行政管理庁としては、これを中性的なものでなく、更にこの諮問機関にする意思があるかどうか、その点を明らかにしてもらいたいとこう思うのです。
  61. 中川融

    政府委員中川融君) 今の運輸審議会性格を、今後純粋の諮問的なものにする考えがあるかというような御質問であつたかと思うのでありますが、運輸審議会性格はほかの一般審議会と違いますところは、先ほどから問題となつております尊重しなければならないという点が、まあ違う点でございます。こういう尊重しなければならないというような性質の審議会を将来どう扱うかということは、我々行政管理庁といたしましても、今後十分研究して行きたいと考えておるところでございます。全体的に申しますれば、審議会はできるだけ純粋の諮問的な性格に統一するということが、行政機構全体からすればよかろうと思うのでありますけれども、いろいろ個々の審議会につきましては、従来の経過、或いは経緯というようなものがございますし、又その審議会によつて現在達成とようとしておるところのいろいろな目的というものも、いろいろ事情によつて違うものがありますので、必ずしも統一的にはまだできかねる状況でございますけれども、将来ともこの問題は十分検討して行きたいというふうに考えておるのであります。
  62. 梅津錦一

    梅津錦一君 では更に、新聞、出版用紙割当に関する法律の一部を改正するこの法律案の起草はどこでやつたか、行政管理庁のほうからお聞きしたいと思います。
  63. 中川融

    政府委員中川融君) 新聞、出版用紙割当審議会の今度の改組につきましては、これは総理府におきまして起草いたしました。行政管理庁もその協議に與かりまして、その結果政府案としてでき上つたものでございます。
  64. 梅津錦一

    梅津錦一君 そういうふうに新聞用紙割当の場合には、総理庁と行政管理庁のほうがスムーズに……ああした特に新聞は毎日配ばられる用紙であり、出版はすでに多くの購読者があるわけです。そういうような日常生活に直結しているような問題であるならば、結局その性格において運輸事業ですね、に対する国民生活の直結と同様に考えてよいのではないかと私は考える。然るに運輸省においては更に審議会答申、参画できるような幅を置くばかりでなく、審理官制度というような、これによつて審理官鉄道事務に精能の者を特に当てるということになつておりますけれども、こういうように更にこの審議会を強化するような形をとつておるのです。言い換えれば組織法の見方から言えば事務局のような、特に事務局も單純な事務局でなくして、専門的な知識の豊富なる者をここに当てはめて更に一層強化するような形が見えるわけです。これは明らかに運輸省行政管理庁との立場が違つておると、行政管理庁という独特の、特別の機関があるならその機関においてこれをなさらなければならないのに、恐らくこの原案は運輸省の原案通りであろうと私は考える。ですから今の答弁で将来においてはということは、将来ではなくしてすでに新聞出版用紙の問題では、今国会においてああした決議機関であるものを諮問機関にしたのだから、これがすでに決議機関でない以上、建前から言えば決議機関でない以上、これは当然諮問機関になし得る行政管理庁法律上の建前があると思う。それをここで一歩譲つたような形に何故にそういうことになつたか、その真相をこの際公開してもらいたいと考えます。
  65. 中川融

    政府委員中川融君) この運輸省設置法の件につきまして、行政管理庁運輸省からの圧力に屈したのではないかというような御質問でございますが、この点はさような事実は全くございません。(笑声)運輸省から来ました案を十分検討いたしまして、こちらのほうも完全にそれに対して了解いたしておるという状況でございまするし、どうしてそれでは新聞出版用紙割当審議会のほうは改組いたしまして、運輸審議会のほうは改組いたさなかつたかという点でございます。これは先ほどちよつと申上げましたけれども、運輸審議会のほうはその委員構成につきましては、国会承認を得ると、又営利企業との兼業を禁止するというふうに愼重な方法でこれを選任いたしております。従つてこれによつてこの政府のいわば公平なる行政というものに及ぼす、いわば悪い影響と申しますか、心配を或いはしなければならないというような状況は比較的除去されておるのではないかというふうに考えられるわけであります。従つて全体の問題といたしましてさような強い審議会を今後どうするかという問題は残されておるのでありますけれども、目下のところ差当りすべき措置といたしましては、この問題はそのままにしておいていいのじやなかろうかというふうに考えておるわけであります。一方新聞出版用紙のほうは委員構成につきましては、純然たる関係業界の代表がそのまま入つて来ており、而も国会承認というようなふうな形がとつてありません。さようなことで、而もその権限運輸審議会の場合よりももつと強力でありまして、事実上の決定をこれがするということになつておりますので、まさしくこれは諮問機関である。審議会性格から離れておるというふうに考えましたので、この機会に改組すべきではなかろうかというふうに考えた次第でございます。
  66. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 只今政府委員の御説明でですね、いろんな今日までの経過もあつたというお話はまあ御尤もだと思つております。私などはこういう制度は今が始まりだというような気がする。こういう制度ができてから何年も経つていない。これからずつと長く続かなければならないものでありますから、今のうちにはつきりした方針をきめておかないと、いよいよ長い間の経過で引ずられてもう手が付けられなくなるということになるのを虞れるわけでありますから、この際しつかり急いで御研究して下さいまして、はつきりした何をきめて頂きたいと思います。
  67. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 問題の点であります第六條の末尾の決定を尊重しなければならないという、これは先ほどから何回も竹下委員も言つておられるように、尊重するのが建前であり、当り前なんだから特にこういうことは必要でないじやないか、だからこういう紛らわしい議論の余地を多く残すような文字はこの際削除したらどうかと私はこう思うのです。そこでお伺いするのは、これを削除するということについて先ずどうかという考え方と、これを削除すると一体日本の運輸行政の上に著しい大きな支障があるのかどうかということ、あるとすれば具体的にどういう支障が起きて来るかということをはつきりお答え願いたい。
  68. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 先ほど中川政府委員も仰せられましたように、諮問機関を置いてその答申政府が求めます以上は、やはりそれを尊重するということが建前でなければならんと思うのでございまして、すでに現行法にありますその字句を削る必要はないのではなかろうか、審議会を設置して政府がその委員任命国会同意を得て任命しており、又特別職として相当な高給を拂つておりますよう委員会決定を、わざわざすでにありますものを創る必要はないんじやなかろうか、建前からしても審議会できめた答申は愼重に決定するのが当然であつて、よくよくの場合は別ですが、運輸政策の上から見て拒否すべきものは拒否するということになつておりますので、審議会制度上の建前から言つてこのままにして置く、尊重するという字句は残して置くほうが適当ではなかろうかと、かように思います。
  69. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それを適当だという意見はともかく、これを削除するということになれば、今言うようにどれだけ日本の運輸行政の上に大きな支障が起るのかと、起きるとすればどういうふうな支障が起きるかと、具体的に説明してくれとこういうことです。削つたと、削ることは何も国会の意思ですから我々が必要だと思えば削るのですから、その場合そういう国家の大きな運輸行政の上に重大な支障を来たすということになるとなかなか削れないのですから、だから聞いておるのですよ。これを具体的にどういう場合が非常に日本の運輸行政の上にこれを削られると困るかということを、それをはつきり事例を挙げて御説明を願いたいと思います。
  70. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 非常に辛辣な御質問でございますけれども、この字句がなかつたら具体的にどうなるかということは今思い出せませんけれども、行政上の民主的な建前からこういうことをして、すでにそういう字句があるものを削らなければならんという積極的理由はないのじやないかと、こう思うのです。今御質問の、これをとつたらどういう不都合が直接具体的の事案において起るかという御質問に対しましては、私は今こういう事態が起きますということを申上げる具体的な事実はちよつと思い付きません。
  71. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで私は、これを削るということは、あなたのほうではそれは削られたところで大した大きな支障は具体的に起きるというようなことは今考えられんというような御答弁ですが、私のほうはこれを削らなければ、こういうものが全部各審議会にあるのならいいんですが、各審議会にあるところとないところとあるのですよ。だから結局この審議会というものの性格が非常にあいまいなんですよ。あるものとないものと、ものによつてはある、だからそういうことでは国の行政機関の全般の上から見て非常にこれは今後困ると、だからそれほどあなたのほうにそういうよう理由がなければ、一律に大体他の審議会と同じようにすべきであるという、こういう非常に重要な理由があるからお伺いしておるのですよ。あなたのところだけのことを我々が考えているのなら、あなたの御説明でいいんですよ。そうじやないんです。日本の国を、幾十かの審議会のことを睨合わせて我々が考えて行かなければならんからこういうことを御質問申上げておるのですから、だから支障があるならある、こういう支障があつてそれは困る、運輸省としては……ということになれば、これは重要な問題ですから、じやあ特に運輸行政だけはこういうものを一つ末尾に付け置こう、付けて置かねば困るというのなら、これは付けなければならんからお伺いをしているのですよ。その点はつきり……。
  72. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) これは非常に作るときから問題のあつた審議会でございまして、この運輸行政先ほど申上げましたように、非常に利権に関係しておる事項が多いわけでありまして、それを決定するについては十分に審査して公平にやるということ、行政民主化ということがこういう免許可の事項については極めて重要であるというわけでございまして、その意見民主化するという意味において特に国会同意を得た委員を以てその諮問をして答申させるという建前になつております関係からして、私は普通の委員会といいますか、普通の委員会と言つては失礼でございますけれども、特にこういうものについては愼重にいたして、こういう愼重な手続を以てきめたものに対して尊重するということを書いて置くのがむしろ当然じやないかと、こういうふうに考えるわけでございます。
  73. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 私の気持は先ほどから申上げておる通りで、あつても邪魔にはならないということです。ただ書き分けてあるのでそこに疑問が起る欠点があるのだろうと、こういうことを申上げたのですが、今カニエ委員の言われるように、尊重という言葉を削つてしまつたときには運輸省として、審議会としての方式を考えて見ますと、今までなつているものを削つてしまつては、何だかもう尊重せんでもいいんだぞというようなふうに誤解がある心配もある。審議会なり運輸省では大分この際お困りじやないか。削るならば尊重の方針をはつきりおきめになつて、そうして社会保障制度審議会の規定などにもこういう言葉が使つてあれば、それもみんな一緒に削るのだ、ないものにはみんな加えるのだというふうにまとめておやりになるのがいいんじやないか。今ちよつと頭だけ削られるのでは、これは私は困るのじやないかと思うのですが。
  74. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 誠にその通りでございまして、私どもの委員会の他にも労働通信委員会等もございまして、それは終戰後できたものでございますが、皆尊重すると、こう書いてございまするので、特に現在ありますのを削るということは非常に困るわけでございます。
  75. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 削るなら一緒ですね。
  76. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 如何ですか、委員諸君が議場に去つてしまつたから、ここで休憩いたしまして、本会議散会後お集まりを願うことにいたしましよう。一旦一時ここで休憩いたします。    午後四時十六分休憩    —————・—————    午後五時二十四分開会
  77. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 休憩前に引続いて再開いたします。  本日は都合によりこれで散会いたします。    午後五時二十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            楠瀬 常猪君            梅津 錦一君            尾山 三郎君    委員            郡  祐一君            松平 勇雄君            横尾  龍君            カニエ邦彦君            竹下 豐次君            林屋亀次郎君   政府委員    行政管理庁政務    次官      城  義臣君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    運輸大臣官房長 荒木茂久二君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君   説明員    行政管理庁管理    部第一課長   關  道雄君    厚生大臣官房総    務課長     高田 浩運君