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1951-05-14 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月十四日(月曜日)    午後一時三十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気事業編成経過及び今後の  予定に関する件)  (電気料金改訂に関する件)  (電力割当に関する件)   —————————————
  2. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 只今より電力問題に関する特別委員会を開会いたします。  本日は電力問題に関する調査といたしまして、第一に電気事業編成経過並びに今後の予定について、第二は電気料金改訂に関する件について、第三は電力割当に関する件の三件につきまして関係当局説明を聽取いたします。政府関係官としましては、松永公益事業委員会委員長代理松田事務総長中川経理長平井技術長、それに岡崎官房長官労働委員会に出ておりますのでそれが済むと直ちに出席するそうであります。安本から増岡産業局長物価庁川上第三部長が出席されることになつております。  先ず第一の議題より調査を開始いたします。電気事業編成の実施に関しましては、当委員会としては重大なる関心を拂つて参りました。而して三月二十七日には遂に院議を以て公益事業委員会にその善処方を強く要望いたしました。又四月二十五日には在京委員より諸般の情勢をお伝えして公益事業委員会注意を喚起するところがあつたのでありますが、関係各位の御盡力によつて五月一日とにかく新会社の発足を見るに至りましたことは御同慶に堪えん次第であります。併しながらこの問題は紛糾紛糾を重ねた問題でありますから、形式的な経過報告のみでなく、円満なる荷編成の完了を目的として努力された経過、並びに完成までの予定計画について斡旋の衝に当られた公益事業委員会から御報告をお願いいたします。なお公益事業委員会側説明が終りましてから、総理に対する不服申立の概要並びにこれに対する総理の処理並びにその理由について内閣官房長官から御説明を求めることにいたしております。先ず公益事業委員会側の御説明を求めます。松永公益事業委員長代理
  3. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 第一に厚く皆様にお礼を申上げたいと思うております。かなり難航を続けました電力再編成も漸く四月末を以て日発配電両社の異議の申立並びに他の異議申立等の取下又は却下によりまして、五月一日より再編成は確定指令に基いて出発し得たのであります。その日にち順序等は、あとで事務総長より御報告を申上げまするが、ここに至りまするまでにつきましては当委員会各位におかせられて種々御警告を賜わり、又御指導を賜わり御配慮をかけましたお蔭を以ちまして無事に出発ができたということは、刻下の電気事業の再興に対して誠に御同慶に堪えない次第でありまして心から感謝申上げる次第であります。  再編成に当りまして人事に関する事柄と、計算を合一するために起ります比率の問題、及びこれに伴う旧日発株主の受ける比率以外における株の分合に関するこの三点について、日発並び配電各社の間の話合はかなり困難でありました。大体において比率の問題は一致しておつたのであります。そのプラス・アルフアーの問題については最後までまとまるに至りませんでした。これは遂に決定指令においてきめるよりほかになかつたのであります。清算費用そのほかにつきましては日発の申出を大体に採用しましてごく余裕のある清算費用を給付することができたと思います。給付と申しますのは公益委員会が給付する意味でありまして、新会社において日発清算事務所に給付するというような意味で申上げたのです。人事につきまして日発の申出でもあり又他の御注意もありましたことについて公聽会等の意見を聽取しまして、これは大幅に改革を加えまして、その基ずくところは單に配電、日発両者の頭割できめる、或いは資本の割合できめるというようなことでは、大体日発の仕事というものの性質、配電という性質、それに関係しておりまする技術、経理方面の関係と多少特色を持つております、それを両解散後画一的に数の比較でこれをきめるというようなことは、大工さんの要るところに鍛冶屋さんを当てがうようなことが起ります。又電気界における以前からの経歴に徴しましても非常に不釣合の問題もある、併しながらこれを円満に解決しますことは上の役員或いは上激社員の問題ではなくして、大体において十四万人ばかりおりまする日発、配電全従業員が打つて渾然として一致協力の実を挙げるということの方の気持を考えることが重大であります。殊に今度のやはりこの人の割振りそのほかについては日発側の言われることも大いにこれを尊重することは当然のことであります。然るにむしろその方の問題より上役の人の割振りがややもすると争いの中心になりそうでありましたから、委員会ではこの点につきまして大体の重役の員数を減らすがいいという公聽会の大体の意見、これは日発も含めて公聽会の一般の意見を如何に合理化して行くかという点に鑑みました結果、政府の言葉でボード・オブデイレクターズつまり役員会議というものが決議機関と総会の下にあつて、そうして毎月定例の重役会を開いてそれの会長が会議を決定しておる、その決定に基ずいて社長又は副社長そういう人が業務を執行して行く、アメリカでは社長はボードに参りますが、副社長以下は多くはボードに入らんようで、ボードなどに出て評議をするよりは自分は原案を作つて社長を通じてこれを会に出す、これは甚だ話が長くならんようにと思つておりますけれども、人事解決の基本となつておりますので、少し御迷惑でもそんなことでともかくこのボード会社経営の大綱を持ち、いわゆる重役、取締役というものは名前を理事というふうにむしろ変更して、そうして一生懸命に前の重役同様の権利を持ちただ会に出席しないというだけである、ボードは社長、副社長二、三の人が代表する、そうしてボードに列する人は経験あり、知識あり、且つ社会に重きを置かれておる第三者という人はボードに列することができます。ほかの事業はともあれ公益事業のごとく常に第三者の考え方を織込んで業務を執行するということは必要なことであります。成るべく産業界或いは金融界のかたにできるだけボードに入つて貰おうじやないか、そうして今日争いになつておる社員をあれを何名とる、これを重役、副社長にする、せんというような議論をむしろそれに一定の横棒を引いてしまおうじやないかというようなこと等を考えまして、それで両方から出ました人事の不釣合につきましてはその線に副うて大体きめましたけれども、これを單純に自分たちだけできめるのもどうかと思いまして、日発の主な人、配電の人全部の人を決定前にお招きしてかような方針できめるということを申上げた、又御意見も聞き多分二十九日の晩であつたかと思いますが、夜までかけてその評議をして、三十日の決定指令には人員を減少いたし、例えば東京電燈の重役、三十二名おつたけれども十一名に減少して、その十一名のうちには殆んど半数に近き社外の取締役人づてもらうというようなことでもつて、さしもの力ずくといいますか、つばぜり合のようになつていたものに一部の窓口を開いて、そうして解決をしたのであります。併しこれも過ぎたるは及ばざるがごとしで、東京電力のごときは甚だ働いておる有力な役員それらが余りに少くボードにいるということは業務の運営上できない、アメリカなどはそういうことはできるかも知れんが日本の現状では直ちにそれをやることは非常に困難だということで異議の申立がありますし、日発におきましても多少人を入れたいという希望で異議の申立があつたのであります。それは先刻申上げましたように、三十日までの間に大体の、前のは二月末日でありますが、あとの異議の申立の三十日は三月三十日までに大体これが官房長官から何したのでありますが、そういうことを以てしまして人事、経理ともに大体におきまして五月一日を以て出発いたしております。  で、出発については出発と同時になすべき問題がたくさんあつたのであります。簡單にこれも申上げておきますが、旧来一つ電力の流れを日発という大きな線を通じて各地に同じような料金で配給しているのでありますが、今度は各自、中部は中部、北陸は北陸、中国は中国、又中国から九州につながる関門海峡で連絡しているところのものはそこの変電所に、それぞれ電力計算というものは一応そこに流れは流れて参りますけれども計算というものは一応独立的の計算になります。この間の量とそれからその受渡の料金というものがはつきりしないと計算に非常に苦しむのであります。それがあのごたごたやつておりまして、まだ十分な計算の基礎を五月一日に直ぐにやるまでの準備は整えておりませんので、できるだけ旧来の料金によつて一時やつておりますが、それも近く料金制度も各社間にそれぞれ協定がまとまりましてこれも実行に移ることになりましたことを御報告いたします。  次に各地におきましては相当料金の差が甚だしくありました。殊に石炭の最近更に暴騰したことに基いて地域の原価計算というものは著しく変化いたし、申すまでもなく計算法が完全に一変したのでありますから、いわゆる独立採算の制度というものが旧来のプール制度に代ることになつて、従いまして料金がその地区によつて水力に恵まれ、或いは水力に惠まれず、或いは石炭の補給が遠隔の地であつて石炭費用がかかる、或いは水力は少いけれども地下に豊富な石炭を持つている、四囲の条件が九つの地区では変つております。で、中には九州のごとく島で離れておつても水力の電力で補給できるところもあり、北海道、四国のごときは今日は連絡はありませんが将来はできるかも知れません。従いまして各地区間の独立採算します原価に甚だしく異動を来すのは当然であります。日発という大きな配給会社がなくなつたので各自に配給をし、各自製造をし、各自販売をするという、この三位一体のことを一会社の独立採算でやらんならんということになりますと、昨年の議会にもこの分断はよろしいが各地間の差金が非常に甚だしくなることは困るというお話があつたものと承わつております。又これによつて政府独立採算制と言いながらそこの企業に著しき変革を與えるごときことは避けなければならんという建前で、その当時の電力編成に当られた政府当局からも、この各地の較差を適正に相当緩和することについては注意を拂うように種々案を立つておられたのであります。今回はただ命令するというよりは、むしろ各社の話合の料金を査定し、これを調節し、余り無理のないような話合を進めなければならんのであります。これは当然もう三月四月からその計算に各社ともかかるように私どもから注意しておりましたので大体においてその案を立てたようであります。今度の決算に当りましては、多分火力より水力を如何に補給するか。そうしてその補給したものが各地の又原価計算の基礎をなすというようなことまでに取計らつていると承知いたしております。詳細な御報告を今日御必要とあらば申上げることも事実上できるかと思いますが、これらのごときはいろいろな報告書を、書面でもできまして理由書等をつけて御必要があれば、御請求があればだんだん差出して御研究を願いたいと思います。  次に五月一日から出発して行かなければなりませんのは、帰属の問題も一つであります。これは四カ月間両者で話してまとまらん時分にはあと四カ月ばかり待つて帰属の変更を決定せなければならんことになつております。一日も早くこの方の話合を願いたいと思うのであります。目下その話合を願つております。これもそう何カ月ということを待たず、各地の河川の帰属はそれぞれ適正なお話合によりまして、つまり合理的な話合でお話が済むものと考えております。又その曙光も認めております。公益委員会が余りに口出しをせんでも済みそうに考えております。これは成るべく急いでもらいたいと思いまするのは、だんだん五月一日後我々の監督方針及び産業家等需用家のお立場から見ますると、一体電力というものは公正妥当なる電力料金でなければならん、割当制度というものはあれは公正なものであろうかどうか、種々その点については例えば大口の割合、その振合等につきましては相当利害が混雑している。主な原因は戰争のために設備が荒廃したということ、それから事業場の傾向が著しく歪められておるということと、それによつて電力の絶対量の不足であるとか、キロワツトが足らんというばかりでなく、甚だしきに至つてキロワツトアワーの電力量が足らんというばかりでなく、キロワツト即ち最大設備、負荷の高くなりますものの設備が足りないために、サイクル異常を来たし電圧が下り、それがために電力工業用としても或いは家庭用の電灯ととしても殆んど役に立たない、電気が電気でなくなるような場合がキロワツト設備の最大が足りんために起ることは御承知の通りであります。これらに対しましての割当或いは料金ということを速かに適正に考えなければならんことは、もう独立採算をした以上サービスに対する義務であり、且つ設備を整える義務に徴しましても各社間に早くそういう問題は話合すべきことであります。相当提示は與えてあります、與えてありまするからここに各種の料金割当及び基準率の合計ということが問題になつて来ます場合に、この地域間に亘るこの帰属、本属の河川、既発電所の帰属問題というものは、当然その料金に、影響する、或いは量に影響するものでありますから速かにこれをきめてもらうほうが全体の調和のために、全体の電力事業をよくするために、やはり基礎的な一つでありますからこれに向つてお願いをしております。  地帶間の問題とそれから補給の問題とを申上げておきましたが、更に問題が原価主義に属しますることを以て需用に対する公正を図つて行く、帳簿の整理をすることは将来の監督の上からも必要でありまするが、先ず料金の公正の上からも帳簿の整備を必要とする。この点三月、四月に亘つて政府等からもやかましく指示がありましたけれども、十分まだ本当のところまでは参りませんが、大体において各社間の協議がまとまりました。今回の決算は新らしい帳簿の組織でその原価の公正を期するため、修繕費建設費、或いはその他営業費の各部門に対する割当の公正を期するため、相当完全な計算基準を当てることができました。これを五月から実行してもらうことにほぼ話がなつております。今期の計算までに間に合わせてこの基準で行けることと信じております。  なおこのほか技術的に申上げることはありまするがその方は技術長も参つておりますが、電力の絶対不足ということにつきまして、旧来自立経済で論じられておること、及び通産省或いは安本等が或いはその関係筋とも交渉したその資金として見返資金ということをされております。  電力の開発については甚だしく需用とミートしない、甚だしき夢のごとき安易な計画であると、この前こちらでもさよう申して政府間に行き違いがありはせんかというお話があつたときも無論行き遅いがあると私は申上げております。こういうことを大体最近二度も三度も案を立てられて、最近と申しましても昨年末項大体きまつた案は、見返資金の範囲で日発が開発をやれる範囲であります。細かなことを言うては或いは訂正しなければならんが大体三分六厘くらいな状態であります。このまま参りますと需用は現在一割三、四分或いはものによつては二割四、五分の増加をしている。これは無論朝鮮事変等によつて起つたものは相当暫らく割引をして考えなければならん、けれども日本の産業として興らんならんものが、電力のために興らなかつたというものをちよつと考えて見ますと、電力がないために遊んでいる機械設備というものが到る所そのままになつて電力がないために動かすことができないということがかなり表の上について調べは済んでおります。これらのものは電力によつて動くもので電力がないために動かすことができん。單に動力として使うばかりでなく、原料として使う工業の方は如何に硫化鉱石があつても、如何に石灰があつてもこれを処理することはできないという状態にあります。いわゆる遊休工場というものが到る所にあります。そのほか一般の需用を見ましても一割二、三分ということで、二十五年、二十六年は約一割三、四分或いは一割五、六分、ものによつて非常に変化しております。でありますからこれを初めは一割一、二分ということを考えても、いつまでも継続するものじやありますまいから、しまいには八分くらいに五年後は落すと見ても少くとも平均して一割くらいの増設制度を立てねばならん。そういたしますと、資金の面からいつても今年三億乃至二百五十億でできるというものは、どうしても千三百億の金を必要とする状態になつております。金がないからやらないでいいかというとそうも行かない。金はなくても何がなくても日本に資材はあります、日本に労働力もあります、必ずしも外国から金貨を輸入しなくても日本人の構想と努力とによつて必要なものをやることは、これはもう電気事業者の利益のためにやるというよりも各産業家文化人がその必要の程度において自分で造るという国民的努力があればその目的は達することであろうと思います。まあ資金の問題は暫らくそこに棚上して造るべきものを造ることについて考えなければならんと思つております。併しだんだん石炭事情が非常に以前と違つております。石炭を使うようなことでは電力のコストが非常に高くなる。これはまあ当然説明申上げるまでもないのであります。ただ高くなるばかりじやなくて、今度はその量が今のような冬電力が足りん時分では、キロワツトというものはどうしても火力で補わなければならない、いわゆる補充火力を今の水力のやり方に補つて行きますと、私は数字を詳しく存じませんが日本の現在の石炭が四千万トン余り出ていると承わつておりますが、殆んど何年かするとその全部の四千万トンを電力の補給並びに最大電力に使うために食い潰すということは当然な事情であります。現在といえども昨年あたりまあ豊水、出水の関係がありますけれども、数字が違えば訂正願いますが、三百何万トンというのが或いは四百万トンはかりが二十六年の計算では約六百一万トン、或いは六百五十万トンを処理しなければ、この全体のピークを押える、冬の足りないのを間に合せる、もはや水力の全部の可能出力を全部、三月四月になりますと水が十分あるにかかわらず、未だに石炭を或いは三十億万或いは二十六億万という石炭代を拂つている。而もその石炭が非常に不足である。新全会社に行きまして一番皆さんからでもお咎めを受ける、或いは用意がいかんじやないかという、若しお咎めを受けるとすれば、この石炭手当が十分行つているかいないかという点である。然るにこれは甚だかようのことを申上げては相済みませんが石炭は目下採掘、生産方面一大障害を起しておりますばかりでなく運送の方面も甚だ乱れておる。又不足である。従つて貯炭場我々の貯炭場も殆んどもう泥をさらつて耐えているような状態である、一時は鉄道貯炭等の御融通を冬は何いたしましたが、夏になつてむしろ反対に石炭の奪い合いをしているというような状態である。目下混水でなくこの雨季に非常な電力の供給に困難を感じておるような次窮である。併しこれをどうしても乗切ることは新会社の責任であります。公益委員会としても早くからこれを注意しておつた問題でありまするがために、その点は盛り上げたり或いは管理し合つたり、公益委員会の全局長を督励して日夕出張さしてやつております。幸いに杞憂を抱いておりました人間の、そういう日発の人たもが盡してくれるとか盡してくれんとかいう問題は殆んど痕跡もありません、皆協力して火力発電所におる人たちは十分なる奮闘を日夜続けておる、今日までにまだ世間に叱られるほどの失態を暴露しておりません。今後とも各新会社、努力するだろうと思う。私どもからも常にその監督を怠つておらん次第であります。  以上申上げましたように、これは人体に電源の不足から来ておりまするが、いま一つ御報告申上げたいのは大きな問題として御承知でもありまするが、その戰争後の電力荒廃のために技術面営業面も両方の原因がまとまつて来たものと見えまして電力の非常なるロスであります。戰前私ども自分の経験から見ても電力のロスというものは大よそ二割まであればいかんじやないかというようなことを言うておる。又一割八分にとどめる、多くても二割一厘まで、これはまあ送電線のロスもあります、又配電線のロスもあります、需用家に、メートルの普及しない間は定額電燈の使い過ぎもあります。けれども戰争を中心として需用家全体のお気持も非常に変つたのでありましよう。これは需用家のみに帰するわけには行きませんが、営業の方面もルーズであるとか勉強に精励努力を欠いた点もありましよう。それから技術の荒廃もありましよう。即ち送電配電やり方のまずいところもありましよう。全体で一時著しいときは平均三割くらいの電力の減少になつておる。仮にこれを六百万キロの最大と仮定すると如何でしようか、二百万キロ以上のものというものは日本の電気はいつの間にかなくなつておるというような状態です。併しこれは全部なくなつたわけじやない。一割五、六分或いは二割二、三分くらい、三割くらいの差を回復すればいいわけです。できるだけこの差を回復すればいい。技術方面送電線に求め、配電面に求め、需給関係に求め、それから需用家の末端においてこれを求める、各種のことをやりますために、どうしても少くともこの改善によつて十八万キロワツト電力を設備において取返えすだけのことをしたいという目標を以てこれをやりますために、約八百何十億、九百億の資金をにわかにこれに投じて改善を図るということは、ともかく十八万キロの電力を日本に足らないのをそれができる、同時に一年分うちに回復ができるのであります。これは何としても各社努力してもらいたいというので殆んど各社にそれを割当てまして、それで資金は自己資金でできるだけやつてくれ、見返りなどは電力開発の方面で足りんくらいで何とかして自分でやつてもらいたい、若し足りなければ何とか銀行等の談判もしてみよう、こつちも骨折るからあなた方も自分でおやりなさいというようなことで、この改善努力の関係をぼつぼつ四月末までにやりましたもの、或いは五月からもうすでに部分々々について着手をしておるはずであります、これは全体の費用を入れて二百四、五十億に達するものであります。二十六年度において大体引締めてやりたいと思いますが、資材等の不足のために思うように行きますかどうか、はつきりした御報告をするまでに達しませんが、本年の適当なときになれば議会等にも御報告を申上げることができると思います。これは九会社が責任を持つて離れてやる場合に当然起る問題でありますと共に、やはりその区その区で責任を持つて自分の責任でやるということは、同時にそれだけの利益を生み出し、それだけの企業意欲を奨励します。それで結局は国家に十八万キロの電力を寄與することになる。これは再編成としてどうしても努力してもらいたいというもので、激励というよりもむしろ哀訴歎願ということに当りましよう、そうしてできいいように規則を成るべく寛大に見て、やり得るように一日も早くやるということでやつております。細かなことは又報告書を適当なときに出すつもりでおります。  そういうことのほかに原価計算をやるということになれば、どうしてもこれを再評価をして資産を適正ならしめなければならん。これによつて償却を適当にしなければならない。現在の償却は私が宙に覚えておりますのでも自発そのほかを合して一年十八、九億と記憶しております、恐らく二十億に達していないだろうと。然るに現在の資産を若し再評価する、或いは現在造る元五百円とか千円でできたものを現在造るとなれば六億乃至十億というようなものを償却する、定率償却を考えまする場合に、再評価して適正に評価した場合に、どうしてもこれを一割五分前後の償却をするということになりますというと、約二百五十億ばかりは償却する、つまり今のまま十九億とか、十八億とか、二十億足らずの償却というものは二百五十億の、その何と申しますかな資産を戻さんならん、資産を元の通りにきれいにして戻さんならん経費が二百五十億要るわけであります。償却とは償却して物をよくする意味であります、元の価値を保つのが償却である。そうすれば二百五十億あつて漸く元の価値を保てるものを十八億、二十億にして置くということは二百幾らを或いは配当、或いは自分たちの月給にしてこれを消耗しておると称せざるを得んのであります。  もう一つ大きな言葉でいうと、これを国家社会主義的に考えますと、個々の企業者が国家の実に尊い、そうして機能的な毎年々々修繕し、毎年々々開発して国民の産業及び生活水準を保つて行かんならんものを、勝手にその資産の一割以上再評価しましてどんなふうになりましようか、三千四、五百万円と思います。これが適正なる今の電力のコストを算出する元にたるものと心得ております。それは電力再編成によりまして政府は法令で引延ばした、他の会社はみなやつておる、電力会社だけは前のものを以てそれでそれさえも僅かな償却をしているということは、この私どもの一割四、五分、個人企業でやつておつたことに比べましても、二百何億円というものは国家的資本を單にそういう会社の人たちが食い潰したということになるのであります。これは許されんことでありまして公益委員会では速かに再評価の方法をとつて適正なる償却をしてそうして国家の資本を守らなければならんと思つております。その国家の資本を守るということは何といいましても産業に内国或いは外国の資本が投下される基礎であります。それがでたらめではないということは必要なことであります。そうして毎年千億近くの開発をして行かなければならん立場におるのでありますから、その資本の信用を失う、国家的資本を食い潰しておるという状態は、公益委員会として最も早く着目して整理せねばならん措置であります。目下その再評価そのほかについて各社間にいろいろ注文あります。自分はこうしたい、ああしたいと申しまするが、国家的に考えますとやはり全部が国家的資本であり、又将来はますます国家の開墾事業、水利事業と結び付く資本の根本でありますから、どうしてもこれは公益委員会としてその正規事業を公正に監督する意味からいうと、全国やはり大体再評価の主張というものは一様に揃えたいと思つております。まだそのことについて確定案も立たず各社の多少の自由を許しておりますが、各社から十分な申出がまだ借ておりませんけれども、さような方針で五月一日以後の経理並びに電力料について進みたいという考えを持つております。事務局の人も或いは電力顧問、金融顧問のかたがた皆伴せて御協力をお願いしておりますが、なお遠慮なく又御隔意なく、これらのことについては参議院の当委員会あたりからいろいろ御指導をも、或いは御批判をもお願いしたいという点であります。私ども一生懸命そう思うてやつておるのです。  以上簡單に御報告を申上げます。細かいことは経理長、技術長、それから申し遅れましたが、事務総長から編成の経緯だけをちよつと御報告……。
  4. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 私もう御報告申上げましたから……。
  5. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 只今松永委員長代理かち約五十分に亘つて縷々再編成経過並びに今後の基本的な電力編成に対する考え方についてお話がありました。若し今までの松永委員長代理の御発言に対して御質問がありますならば逐次御発言をお願いいたします。御発言はありませんか。
  6. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ちよつと事務的のことをお伺いしておきますが、前の日発及び配電の清算事務を中心にして行われる再編成業務の跡始末は公益事業委員会でずつと監督を続けられるつもりでおられますか、或いは公正取引委員会に移管される予定なり構想はありますか。
  7. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 佐々木さんにお答えします。公正委員会にお願いするのに大体公益委員会で跡始末は監督して行くつもりでおります。
  8. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) ほかにありませんか。
  9. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) ちよつと発言があります。
  10. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 今の質問の関連ですか。
  11. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 今佐々木さんの御質問に対しましては、現在の法律の建前におきましては、決定指令が確定いたしましてから三十日以内に内閣総理大臣の指示いたします日において、公正取引委員会の方に監督が移るような形になつておりまして、まだその内閣総理大臣の指示はございません。併し遅くとも今月一杯のうちには公正取引委員会の方に移る、かように考えております。
  12. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 移るのですか。
  13. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 移ります。現在の法律の上から申しますと公正取引委員会の権限までも私の方の公益事業委員会には移讓されておりません。移讓されておりますのは持株会社整理委員会の権限が移讓されておりまして、従つて持株会社整理委員会といたしまして本来やるべき仕事を公益事業委員会が代つてつたわけでありますから、その後の問題につきましては持株会社整理委員会と公正取引委員会と同じ関係が、公益事業委員会と公正取引委員会の間において行われております。かようなわけであります。
  14. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 松永さんのお答えはそうだつたのですが、公益事業委員会の方でずつとやるお考えじやなかつたのですか。
  15. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) そういう今の法律的な問題でございましたものですから、松永委員長代理ちよつと感違いなさつておるのじやないかと思いますが。
  16. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 公正取引委員会に移管するのですね。
  17. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) そうでざいます。
  18. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 重ねてお伺いいたしますが、その場合に決定指令決定をめぐつて、例えば評価問題と関連するプラス・アルフアーの内容等について、何か小坂さんとの間に話合があつたようなことを聞いておりますが、その辺の事情も例えば話があつたとすれば、内容を公正取引委員会にそのまま移管することになりますか。
  19. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 今のお話の具体的の問題につきましては私存じませんけれども、今度決定指令の確定しました後におきまして公正取引委員会の方に移管する場合に、この委員会として公正取引委員会の方に申し継ぐべきことがありますれば申し継いで公正取引委員会の方でやる、こういうことになつております。
  20. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 申し継ぐべきことがあればというお話ですが、今の松永委員長代理のお話の中で人事問題が相当詳しくありましたか、プラス・アルフアーの内容については大体話ができたというだけの御報告つたと思うのですが、そしてあのときに何とか話合があつたのではないのですか、それを公正取引委員会に移管できますか、実際問題として。例えばプラス・アルフアーの内容が、あのときに五円か何かになつてつたのを処分をいたして財産があれば云々という話合が若しあつたとすればそういう仕事そのままの約束が公正取引委員会に移管できますか。
  21. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今の具体的なお話につきましては、これは御承知のように決定指令におきましては仮指令案のときと異にいたしまして、日発の方から必要とする清算費用申出がありました額をそのまま認めておるのであります。これがたしか七億四千五百万円程度と思いましたがそれに従来プラス・アルフアー十円といたしまして六千万株、これが六億、これを合せまして十三億四千五百万円ばかりになるのでありますが、仮指令案のときにはこのプラス・アルフアーの六億というものと、それから当時委員会として査定いたしました清算費用の四億というものは、これは別な形において取扱うようにしておりましたのでありますが、これは本来残余財産の処分でありまして、その門に区別すべき法律上の性質のものでない、又飽くまでも清算費用というものは清算の責任者である日本発送電が必要とするものを認めるべきであるという意味で、只今申しました合計の十三億四千五百万円の分につきましては特に区別をつけておりませんので、従つて仮に清算費用の七億四千五百万円というものが若しも四億乃至四億五千万円くらいで済めば、残りの三億というものはやはりプラス・アルフアーに更にプラスされまして株主に入るのでありまして、これはどこまでも残余財産の処分でありますので、その点は当委員会監督権がございましても、又公正取引委員会監督権が移りましてもこの点は同じ問題でございます。
  22. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうするとその問題は、前に問題であつたところの評価問題とからんだプラス・アルフアーということでないということですね。
  23. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) そうでございます。委員会といたしましては、先ほど委員長代理からお話がございましたように、このプラス・アルフアーはどこまでも一対一を是正する意味でプラス・アルフアーを認めているのでなくて、自発が九分割されましたために株主のこうむるべき不利益を特別に見るという考え方でございますので、その点は先ほどお話のように一対一の是正というのでなしに、特別な一つの株主に対する保護という観点から出ております点につきましては前と変りございません。
  24. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 くどいようですが、今松田事務総長の言われた内容のものがプラス・アルフアーであつて、それに今の残余財産の処分であるということであるならばそれは当然の話であつて、その前に五円を認めるとか認めないとかという問題はないんじやないですか。
  25. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) それは何も五円を認めるということを委員会として申したのでございませんで、先ほど申しましたように従来は日発清算費用委員会の方で四億と査定をしておつたのでございます。これは大体清算期間も三年くらいで当然済ますべきである、又関係筋の方におきましても日発にいたしましても各配電会社にいたしましてもその清算の期間というその期間、タームはできるだけ速かにやるようにという話もあるくらいでございます。従つて委員会といたしましては四億で適当と考えておつたのでございますが、先ほど申しましたように本来この清算というものは何も委員会がするのでなしに飽くまでも責任者である日発がせられるわけでありますから、従いましてその責任者である日発がどうしても七億四千五百万円かかる、これが又五カ年かかるわけであります。今後日電といたしましてもこの新会社の協力も得られまして、そうしてできるだけ速かに清算期間を完了するという本来の線に進まれて、仮にこれが三年で済むということになりますればそこにおのずから清算費用の節約が行われるわけであります。仮に清算費用が節約されました場合には、その節約されました分は当然残余財産の処分として株主の方に渡ることは法律上当然でありまして、従つて若しも先ほど申しましたように七億四千五百万円を日発が考えておりますが、これが仮に四億なり四億四、五千万円で済むとなればそこに三億の余裕が出ますので、これを六千万株に振分けますと一株五円という計算になる、こういう無味で申上げておつたかと思います。
  26. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうするとあれですか、今のプラス・アルフアーの内容云云ということは清算費用と関連する残余財産の処分ということだけですか。
  27. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) そうでございます。
  28. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、この前に話がありましたプラス・アルフアーの五円という問題と関係ないんですか。
  29. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その前に五円というお話がそういうところから出たかと思いますが、あれは私ども仮定的の問題といたしまして、この決定指令の場合にはそういうゆとりを見ておるので、若しも七億四千五百万円が四億程度で済むならば五円くらいはプラス・アルフアーに更にプラスされるということを申上げたかも知れません。若しも私が申上げたとすればそういう意味で仮定論としてお話したと記憶いたしております。
  30. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 決定指令案の場合、案の場合には六億と四億で十億ですね、合せて十億円の金が貯蔵品から出すことに相成つてつたでしよう。その問題とそれから残余財産の処分としてあとから出て来る問題とは全然関係がないのかというのです。
  31. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) いやその点は前とその金の出所につきましては、日発から新会社資産を譲渡いたしますその讓渡益を日発から新会社に対する債権として日発の清算会社の方に計上されておるわけであります。その行き方は同じなのでありますが、その譲渡益の出し方を従来は六億、四億合計十億にとどめておつたのでありますが、それを今回は六億と七億四千五百万円の合計十三億四千五百万円、その程度みるというということにいたしたのであります。従つて今申しましたように清算費用がそれだけ少くすめば当然プラス・アルフアーに更にプラスされることになるのでありまして、その金額の出し方、考え方は前とあとと何ら変つてございません。
  32. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、あれですか、貯蔵品関係のやつはやはり十億は出すのですか。
  33. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) それでよろしうございます。
  34. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、貯蔵品関係から十億を出して四億と六億とこしらえて、そうしてそのあとの金は財産を処分してみたら出るかも知れん、出たやつを適当に廻してくれ、こういうことですか。
  35. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) いやそうでございませんで、つまり更にこの法律的に申しますというと、今のプラス・アルフアーの十円というものも元来残余財産の処分として配分すべきものなんです。従つて今申しました従来の十億というものは、残余財産として処分する場合に少くとも一株当り十円、言い換えれば六億というものはこれは何ら他に影響のないといいますか、債権者等に御迷惑がかからずにすむという見通しで、大体六億というものを計算し、そのほかに清算費用として四億を考えておつたのでありますが、今度もその六億につきましては勿論優先的に株主に対する特別交付金として考えておるのでありますが、そのほかに清算費用を七億四千五百万円と見たわけであります。併しながら従来は六億というものと四億というものをはつきり区別して考えておりましたために、仮に清算費用が当時四億の場合で、これが仮に今三億になりましても、その残つたものをどうするかということについては疑問があつたわけでありますが、今回は両方を合せまして残余財産ということに考えておりますので、従つて七億四千五百万円について余裕が出れば、先ほど申しましたようにプラス・アルフアー十円と同じ性質のものとして更にそれに五円なり三円なりというものを加え得るということになつたのであります。  なお私の説明がまずい点がございましたら経理長が参つておりますので経理長から詳しくお話申上げることにします。
  36. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ほかの人若しよかつたらもう一、二聞きたいのですが、よろしうございますか。
  37. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) よろしうございます。
  38. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 六億と四億とで十億出したときは帳簿価格にプラス・アルフアー十円というような妙な査定で以て、貯蔵品の妙な査定で金額の高を捻出したのです、確定的に。それから同じ性格のものであるのにもかかわらず、あとの保証も何もなしに若し金が出たら分配する問題と、それからあとの問題については公正取引委員会に恐らく監督が委任されるというのと、それ数字おかしくありませんか。
  39. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 最初の指令案のときには、お話のように六億と四億何千万円の清算費用でございまして、決定指令におきましては、六億にプラス・アルフアーの清算費用として見込みましたものが七億四千数百万円、合計いたしまして十三億数千万円になつたわけでありますが、それの日発の清算会社にそれが帰属いたします方法としてはいずれも同じ方法をとりまして、貯蔵品というふうに限定はいたしませんけれども資産の評価増によつてその分を捻出する。清算会社は債権の形におきまして新会社はこれに該当する資金をもらうという形になつております。再編計画の実施につきましては、権限が公取に戻りましても、その計画書の指示せられましたところによつて、その履行を監督するだけの権限が公取に行く次第でございますので、実際問題といたしましては、その間に作成せられました経理等については十分委員会とも連絡をとりつつあとの始末の監督についても公取が当たられることと存じます。従いまして、お尋ねの前回とあとやり方が違つたという点につきましてはその間の清算費用とプラス・アルフアーの枠が最初は別々に作られておりましたものが、あとにおきましては今合計額を指定いたしただけでございますので融通はつくと、こういう点だけは変りましたがそのほかについては同じでございます。
  40. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 プラス・アルフアーの内容というのは、残余財産を処分して出た利益を株主に分けるのはプラス・アルフアーもへつたくれもなくて初めからむしろきまつた問題なんですよ。そのほかに持つて来て今の六億は云々という問題つからプラス・アルフアーの内容を一応きめて、その分については貯蔵品の評価益という妙な評価で以てこしらえ、確定をした引継ぎの財産の評価を確定して、従つて益も確定した正式の金でしよう。それは今の持株整理委員会の権限を代行された公益事業委員会が査定されて、六億の金は作られ、六億と四億の金は作られるわけですね。それとあとで公正取引委員会監督によつてやられて、そうして残余財産、処分される残余財産の性格と、それと処分財産及びその出て来た利益の金とは性格が違うのじやないか。全然同じですか。
  41. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 日発の清算会社といたしましては、新会社に対して決定指令におきましては手取十三億数千万円の債権を持つのでありましてこれがいわゆる日発の残余財産として処分、整理せられるものであります。これの内容については性質上プラス・アルフアーに相当するものと清算費用両方が一緒になつて参りますが、それの処置は当然日発自身の清算会社が行うものでありまして、予定額としてプラス・アルフアーを幾らと見込み、清算費を幾らと見込んだということはございますが、法規の表からいたしますれば清算会社としては十三億数千万円の債権を持つというのが、結果としてわかりておる数字でございますので、清算会社がそれだけの財産をどういうふうに処理するかという場合に、決定指令の精神からいたしまして、大体プラス・アルフアーを十円程度のものを出し得るであろうという推定はつきますが、果してそれが出す結果になるかどうかという点につきましては、これはもつぱら日発の清算会社の自由ということになろうと思います。公取委といたしましても具体的に幾らがプラス・アルフアーとして支出せられるかという点になりますと、法的の権限といたしまして予定したものだけは出すということが果していいかどうか。その点はまだ問題があろうかと思いますが、それだけの財源を清算会社に渡すということは決定指令においてはつきりせられておるところでありまして、プラス・アルフアー幾ら清算費用が幾らということは、清算費の算出基礎数字でございますので、実際にはこの二つを一緒にして清算会社か取扱われる結果になるだろうと思います。
  42. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 十三億数千万円の債権は日発の清算会社がどこに対して持つのですか。
  43. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 新会社に対して持つのです。
  44. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 新会社に対して十三億数千万円の債権を持ち、そのうちの十億は引当分になつておるのが日発の貯蔵品ですか。
  45. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 十三億の債権を出します計算基礎として評価増しという方法によつたのでありまして、引当といたしましては、そのほかのいろいろの債権債務の相殺関係がございまして、全体といたしましては新会社に対して十三億の債権を持つということになるわけでございまして、何が引当かと申しますと、それの算出の計算基礎といたしましては、貯蔵品等の評価増によつて十三億の利益を出して引継ぎ、引継いだ結果そこに十三億の財源が発生をしたこういうわけであります。
  46. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 十億から十三億に上つた引当の問題に帳外品という問題が出ておりますか。
  47. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 帳外品の関係は全然決定指令の計数の上には載つておりません。帳外品は帳簿外として日発に事実上あります資産についてこれを承継するかしないかの問題でございまして、これにつきましては決定指令の条件といたしまして帳外品であつても或いは電気事業の運営に必要なものは新会社にも引継げるようにしたと、こういうことであります。従いまして先ほど十億につきましても十三億につきましても、これの出ました元は帳簿にあります貯蔵品の評価増という息からいたしました評価益を見込んであるのでありまして、帳外資産の点には触れておりません。
  48. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 最後にもう一つだけ聞いておきますが、そうすると実際上の残余財産の如何にかかわらず十三億数千万円という財源だけは確定しておる、それじや若し清算して金が残れば株主にそれを配当することもよろしい、こういうことだけですか。そうですが。
  49. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) そうです。
  50. 山川良一

    ○山川良一君 委員長にお尋ねいたしますが、先ほど御説明資産再評価のこととそれから償却お話があつたのですが、これは電力代に相当大きな影響があるのでそのことをお尋ねしたいと思うが、今お尋ねしていいのですか。電力の代のことで全体的にお話があればそのときでもいいのですが。
  51. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) それではこの次に電気料金の問題をやりますからできますればその際にしたいと思います。
  52. 山川良一

    ○山川良一君 そのときに松永委員長代理にも是非お出で願いたい。今日おやりになれば……。
  53. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 今日やります。
  54. 古池信三

    ○古池信三君 先ほど来松永委員長代理から詳しく御説明を承わつたのであります。非常な御苦心であつたということでありますが、新電力会社も五月一日から発足いたしてその後御説明によりますと、我々が非常に事前に心配をしておりました重役並びに従業員の間の人の和ということもうまく行つておると、従業員も非常に協力してもらつておるというお話で、それが事実であるとすれば誠に私は慶賀に堪えないと思います。併し会社が発足してまだ二週間しかたたない今日でありますからして、今後の事態の推移を眺めまして、又いろいろこれから適当な機会を捉えて御質問もいたし又意見も申述べたいと存じます。  今二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思いますのは、第一にお話があつたように、五月一日から新電力会社は従来と変つてその計算やり方が全部独立採算制である、別会社でありますから当然自立経済で行くわけですが、その際にどの会社電力の量から申しまして相当過不足があるわけです。その過不足を埋めなければならない責任がありますから、各会社相互間の電力の需給契約というものは結ばれておると考えますが、これについて電力の種別、それから電力の量並びに電力料金について御説明をお願いしたいと思います。
  55. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 新会社電力の融通契約の正式の契約書はまだ締結には至つておりません。それから発足早々でありますのでそこまでは至つていないのでありまするが、現実的には大筋の話合は自主的にできておりますので、又附則的な部分につきましても暫定的な申合をいたしまして運行には支障のないように現在動いております。で正式の契約書を締結しまして、これの委員会の認可申請の手続がもう近く出ると思いますので、委員会としましては、正式の書類が出ますれば必要なる審議その他の手続を履みまして、できるだけ早くおおむね今月中には少くとも正式の認可を下したい、こういうつもりをいたしております。ただもう少しその点の内容を御説明申上げますと、新会社の間の電力需給契約、特に問題は融通契約の問題であると存じまするが、これらはいずれも需用家のほうに大きな影響を與える問題でありますので、できるだけ公正に又できるだけ早く細目までも決定することが必要だと思いまして、新会社の設立以前のときからそれぞれ内面的にも斡旋をいたしまして実質上の話合を進めさして来たわけであります。四月中の新会社の成立以前の段階におきましても、従来の会社がいわゆる指定会社と申しますが指定会社相互の間におきまして、新会社発足後の電力需給契約又は電力融通契約等についての話合が相当進んでおつたのであります。で大きな数字としまして、その契約の種別としましては、例えば独立した変電所がありましてその常時需用をば別個の会社から丸買をしなければならないという場合がございます。それからこれはまあ需用家への供給というわけですが、もう一つは発電所の発生系統が一系統その他でありまして、他の会社の適当の支給地点に丸売をしなければならない、こういう二通りのものにつきましては性格がはつきりしておりますので普通の需給の形を取つております。  それからもう一つ大きな種類としましては、新会社相互間の融通契約、いわゆる相互の融通契約であります。これにつきましては、大体指定会社相互のうち大体需給がある時期において均衡を得るように融通量を確定をすることが必要であります。指定会社相互の間の話合の結果は、二十五年度の新会社の分界点における需給量の実績とそれから二十六年の公益事業委員会においてきめた需給計画がございます、この需給計画による融通量を加えて二で割りました平均値をとつて、この数量をば新会社設立後の一定の期間における、一年間の融通の責任量とするということに話合ができております。でその数量が各別に相互の話合をしまして、割振りをしまして、それで以て出る最大電力及び毎月の需給の電力量、いわゆる融通電力量というものを責任を以てお互いにそれを確保するという建前で融通契約の精神ができ上つております。が、実際問題としましては例えば水の出方も各地区同一ではないのであります。又どういうことで電力不足を来たさないとも考えられない。そういつたことは当然予想せられるのでありますが、それらの会社地区によつて非常に不均衡が起ることもあり得るのであります、又思わざる天災地変とか、その他の不測の事態のために早急に他の会社との間に別途の融通をしなければ均衡がとれないとか、応急の事態が收拾できないということも予想されるのであります。こうした部分につきましては今の先ず別途の給電の申合せをするように進めております。もう一遍遡りますと、新会社相互間の今申しました融通契約というものは量をはつきりきめて、その量はお互いに責任を以て供給し又受電する権利義務をはつきり約束をして、そうして過下足に対しては十分、何といいますかまあペナルテイ的な性格の取扱いができるようにしております。併しながらそれだけで足りない分、不測の事態とか、不均衡を是正するためには、どうしても、給電業務はこれも順序としましては、いわゆる隣接するそれぞれの会社相互の間で、いわゆる給電業務と或いは営業業務として話合いをしてやるのでありまするが、それだけでは相済まないで、他の地区に影響を及ぼすような場合がしばしば起るのであります。こうしたものにつきましては、大体北海道と四国は電気的の繋がりがございませんので、その二つの地域は離れておりますが、残つた七つの会社の間では、従来の日発の中央給電指令所の機構及び陣容その他をそのまま残しまして、若干人数等は変りましたが、それを残しまして、これを事務機構としまして、その上に各会社からそういう給電営業関係の問題について相当の責任を持つて処理のできる責任者をば一名ずつ、東京の今申上げました事務機構のある場所に常駐をさせる。そしてこの七名の代表者たちが、そうした問題について遅滯なくそれぞれ協議をすることによつて、そして問題を円満に処理をして行く、又そこで協議をして決定をして、そしてその指図を各社にしました場合には、各社はその協議の結果については、責任を持つてこれを行うようにするように、委員会としても裏面で斡旋をしているわけでございまして、これが大体給電協定という形で目下協議中で、近く最終決定を見るところまでこぎつけております。それではそれまでの、只今の現状はどうかと申しますると、協定書ができなくても支障のないように、一応元の日発のその機構の責任者、現場的な責任者でありました元の業務部長、日発業務部長である人がその事務局の責任者になつているわけでありますが、その人にそうした責任者同士の協議の形がとられるまでの間の全権を白紙で任して、運用に支障のないようにさせるという便法を講じております。そういうふうでございますので、融通契約も、大体融通契約は七つの会社の間に、数においては九つに結ばれております。これは相互融通の形で結ばれております。これは常時とか、特殊とか、いろいろはつきり分れて、最大需給電力責任電力量等もきめるような形ででき上りつつあります。この融通契約の細目協定及び先に申しました給電協定等が目下それぞれの隣接会社相互の間で具体的に進められておりまするので、近くこれが出ますれば、最初に申上げましたように、審議の結果早くこれを処理したいと考えております。
  56. 古池信三

    ○古池信三君 只今の御答弁で、大体実際は、各社間に支障はないというお話でありましたけれども、この電力の需給の問題は、新会社の性格から見まして、極めて基本的な問題であると考えますので、殊にこの契約のぎめ方如何によつては、直ちにその会社の需要者に対する影響が非常に甚大であるばかりでなく、株主に対しても大きな影響をこれは持つものでありますから、一日も早く権威のあるきめ方をされたいということを私は望みます。  それから今給電機構の問題に触れて御答弁になりましたから、更にその点からお尋ねしたいのですが、これは七名の委員から成つておるというお話でありましたが、一体給電機構そのものの性格はどういうものですか。それからその委員というのは各社に属した人なのか、或いは独立した身分の人であるか、どうであるか、その点についてもお答え願いたいと思います。
  57. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 今の給電機構のことについての御質問にお答えする次第でありますが、中央にある給電機構は中央給電連絡所という名義を付けてございますが、従来日発の中央給電指令所は、九つの地域にありました地方給電指令所の上位機関で、指令権を当然持つてつたのでありますが、新会社の相互の間で話合をして今度作りました中央給電連絡所は上位機関的な性格は持つていないのであります。給電業務、特に融通問題というのは料金をすぐに伴うものでありますが、そういうものについての実務上の責任機関はそれぞれの会社の給電機構でございます。或いはそれぞれの会社自身がそれをきめるのでありましてその会社相互の間の連絡調整を円満にするために、別途に中央にそういう連絡事務所を設けた、こういうふうにお考え願いたいと思います。それからその連絡事務所の運営を実質的に取扱う七人の代表者による連総会議のメンバーは、それぞれ各会社の給電及び営業で、そういう業務責任を持つてやれるしつかりした人を常駐するということになつております。各社話合の様子によりますと、そういう常駐した人が一年、二年と、そこばかりにおりますと、自然実務に遠くなつて需要家に迷惑をかける、どうしても現業の第一線の責任者が代る代る出なければならんという感覚で、概ね二、三名程度の相当の人を代る代る、月に二度とか、三度とかというふうに、それぞれ特殊はあると思いますが、それぞれの会社から代る代る出向いて常駐をするというふうにして、実務から遊離したようなへまをやらないようにする。こういうような心構えで行くというふうに聞いております。
  58. 古池信三

    ○古池信三君 申すまでもなく、電力はその需要の変化と、殊に水力発電所におきましては、水の出方というものがあつて、毎日々々変動があり、更に詳しく言えば、時間々々によつてつて来ると思うのです。これをうまく合せて、水を無駄な放流のないようにするためには相当組織的な機関も必要であろうと思いますし、そういう給電上のデイスパツチイグの問題についてはどんなふうにお考えになつておるか。今お話によりますと、これはただ連絡機関に過ぎないということでありますから、日々の配給指令の業務はとつておられないように私は伺つたのでありますが、そうしますと、大きな水力発電所の動かし方というものにつきましては、全く連絡なく毎日とられておるのかどうか、その点について少し御説明願いたいと思います。
  59. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 中央給電連絡所は、性格的には日常の指令機関という業務の第一線ではないのでありますが、そうして又第一線業務はそれぞれの会社の給電機構が扱つておるわけでありますが、隣接した会社相互の間は、従来の連絡設備を残しております。その間に直接に隣接会社話合のできるものは日常業務として処理することになつております。併し中央の連絡所というものは、何か問題が起るまでじつとしておるかと申しますと、それでは日常の変化に附いて行けないということはおつしやる通りであります。そこで実際の扱いとしましては、従来の日発の給電関係人たちによつて組織された事務機構の従業員は、それぞれの新会社に所属したものは出向の形になるように聞いておりますが、この事務機構には毎日の川の水の状態とか、火力の予想とか、そうしたものは従来通り正確に迅速に報告される。又報告する義務各社が負つておるのであります。この報告書はその報告数字は当然我々の委員会のほうにも、その他の関係のところには必要に応じて皆連絡することになつております。そういうふうにし一絶えず数字を集めながら、いろいろな事態に応ずるような態勢をとつておりまして、又毎月のいろいろな計画的な数字等もあらかじめ協議をいたしております。例えば水力発電所の停止計画或いは火力発電所の修理計画等につきましては、それぞれの会社が思い思い勝手をやりますと、或る月には穴があき、或る月にはそうでないというような傾向が生ずるのであります。こういう電気の足りない際でありますから、最も総合的に高能率を発揮しますように、あらかじめ関係各社の間では中央給電連絡所においてよく協議をして、そうして停止計画その他についての打合せもするし、又いろいろな事態に応ずる原則的な最後協定等も目下いろいろな項目に分けて詳細に協議立案中でございます。従いまして相当実質的にはですね、てきぱきとした処理ができるものであるというように、私どもは大きな期待を持つておるわけであります。なお委員会としましては、この運用は非常に大きい問題でありまするので、絶えずその動きについては報告を徴し、或いは意見を申入れるような方法をとつて、違算のないようには準備いたしております。
  60. 古池信三

    ○古池信三君 その点はそれで了承いたしましたが、料金改訂の問題は又あとの機会に讓るといたしまして、現在の電気料金によりまして、五月一日から会社は新らしくなつても、一般需要家に対する料金は変更はないと考えておりますが、そうしますと、それぞれの新会社の経理面から行きますと、非常な経理に対する変化が来ておると思います。これに対して、いわゆる地域差調整と言われてておつた問題は現在どんなふうに処理しておりますが、これについてお伺いしたい。
  61. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 新会社発足早々といたりしましては、現行料金を踏襲しておるわけでございますが、これに対しまして、地域の調整料金をどうするかという点につきましては、新会社発足前におきまして各社が協議会を持ちまして、新会社発足後の調整の具体案を作成いたしまして、一応給電事業社といたしましては内定を見ておつたものがございます。これに基きまして、それぞれの新会社の構想の下にこれを再検討いたしまして、いわゆる地域間の調整料金として各社間の契約によりまして、これを確認し、委員会の認可の手続きをとるようなことになろうと思います。今まで新会社発足前において一応内定いたしました地域差の調整料金といたしましては、一応再編成問題に関連いたしまして、先に経営者間で協議を重ねておりましたような水力の調整につきまして、一キロワツトは年二千円という数字をとりまして、これを新会社に適用いたします場合に、各地区によりまして、それぞれ水力調整料金を賦課せられます。水力発電設備について議論がございまして、東北、北陸等の一部の地区につきましては、この整理上負担し得ない部分があるということになりまして、その点の補正が当事者間で協議の上加えられたようでございます。その結果二千円として予定せられました水力調整金は、平均いたしまして、年間では千数百円になつたかと思います。これをべースにいたしまして、取りあえずは需給計画のやや見通しの確定いたしました二十六年度の上半期分だけについて、一先ず水力調整金、火力調整金を内定しようということになりまして、上期分の水力調整金としては、一キロワツト平均一千円ということに内定いたされております。父火力の調整金につきましては、需給計画に基きます火力発電量に基きまして、大体各地区の火力発電の変化に即応いたしまして、この火力の調整金を算定いたしまして、三分の一程度は本来の火力発電所の発電費の全コストに比例させ、残りの部分は平等な、平均的にこれを分担させる等の方法によりまして、火力発電補給金としましては、平均單価一円五十八銭ということになつておりますが、各地区でそれぞれの発電コストに応じまして、これが若干開きがございます。平均いたしまして、一円五十八銭程度の上期分の火力発電調整金を協定いたしました。さような一つ基準によります水力調整金と、火力調整金で計算いたしますると、各社の上期分の收支計算、これは一応の推定基準によりまして計算いたしたものでございますが、これに対しまして各社の收支の苦しさの程度が相当いろいろな過程がまちまちに出て参りまして、この間を若干更に再調整をする必要があるということになりまして、各地区のその苦しさの約半分程度を更に第三号調整金的なもので再調整をしようというようなことになりまして、この分を水力の調整金によつて高低の異動を付けた。その結果水力調整金につきましては、平均千円のものが各地区によりまして、最高は三千三百円程度、最低の地区におきましては零という、やや極端な嫌いはございまするが、その程度の調整を更に加えたわけでございます。これを以て一応上期の調整料金としたいという意向で、各社が現在正規な協定を手続き中でございます。以上差向きの地域間の調整につきまして、御報告申上げます。
  62. 古池信三

    ○古池信三君 先ほど松永委員のお話の中に、今年、例年ならば非常な豊水期であるにがかわらず、なお多量の石炭を焚いておるというお話でありました。そうなりますと、今の水火力の調整料というものが予定された数字と又変つて来るのではないか、水力に対する負担分がもつと殖えて行くんじやないかというような気がいたすのですが、今の平均上期千円程度で賄い得るものかどうか、それから第二には、そういうことになつて来ますと、会社が殊に火力を余計焚かなくてはならない、会社としては経理面が苦しいがために、焚かなくてはならない火力も焚かないで、その日を糊塗して行こうというような危險に追い込むような慮れはないかということを心配しております。これについてはどうか、松永委員からお答えを願いたいと思います。
  63. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 古池さんの御質問御尤もで、私どもその点について深く心配しております。と申しますのは、要するに独立採算制になりますと、最も少い努力で最も多くの利益を挙げたいというふうな傾向は強くなり勝ちであります。一般産業方面から申しますると、電力不足或いは割当の間違いのために区域、殊に火力区域においてばかりでなく、北陸のごとき水力中心としておるところでさえも、現在大阪方面から電力を逆輸入しております。これはおびただしい数量に達しております。これは電源開発なり、或いは改善工事によつて克服して行かなければならん問題でありますが、その間石炭が高いため、或いは少いため、その努力を欠きます場合はその地区における産業上の迷惑ということが多大なものでありまするので、業者もその点においては十分注意をしておられることと思いまするが、委員会においても、先刻申上げましたが、その点について十分な注意を促すつもりで、最近又この十七日から連日かかることを主な標題として、打合会を各社することにいたして、遺憾なきことを図りたいと思うのであります。
  64. 古池信三

    ○古池信三君 それではもう一つ松永委員長代理にお尋ねいたしたいと思いますことは、これは新会社の発足前に、しばしば論議されました問題ですが、今回の再編成によつて、株主として特に不利益な立場にある旧日発及び旧格配電会社の端株の所有者に対して、特別な措置を考えるつもりであるが、その具体的な決定は目下考慮中であると、こういう御答弁を得ておりました。で、本日はこれについてどういう処置をとられることに決定したのか、その辺のことをお尋ねいたしたい。
  65. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) これは再編成前の、殊に日発に非常に多い各種別の複雑な株券、それから五百円となつたために起りまする端株の増加及びその増加による迷惑、それから一流会社というものの株、主に日発関係において多く持つことが期待されずに、殆んど関係の少い方面各種類の株を数数持つということ、これらのことにつきまして、できるだけの処置をとりたいというためには、端株所有者に向つで、殊に日発の所有者に向つて日発の株主の締切と同時に、その名簿によつて、端株のかたに通知をして、一通りその処理を、端株を買い求める、まとめて処理する、或いはまとめて処理することのできんかたは、これこれの金額をお返しするということ等につきまして、銀行及び証券業者、信託業者等とそれぞれ図りまして、そうして清算事務に関する日発の人からも、それを了として、目下手筈をしておるはずであります。なお先刻取りあえずのことについて、総務部長の中川君から申上げましたように、更にこの日発の清算に関するそれらの諸条件、株式、持主に対する通知及び通知要綱、そのほかのことにつきましては、それぞれ話合いが日発からもあるものと信じております。できるだけそういう端株主の迷惑が少いように取計らいたいと思つて考えております。その詳細の権限、例えば持株委員会がどうやる、公益委員会は前の話合いで、どの程度までお世正話をするということにつきまして、詳細な御返事を今日或いは中川君からできるかもわかりませんが、そういう手筈が進んでおることを御了解願いたいと思います。
  66. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 電気料金の問題はいずれ又日を改めてお伺いすることになつておるのですが……。
  67. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 本日続いてやります……。
  68. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その問題に入つてよろしうございますか。
  69. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) これが一応終りましてから、その次に取上げておりますから、そのときにお願いします。
  70. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 ではそういうふうに……。
  71. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) ほかに御発言ありませんか。
  72. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 簡單にお答えを願つて置きたいと思いますが、新会社が発足する前に、日発の小坂総裁が不服の申立を取下げる際に、公益事業委員会の委員長等と話合いをされて、新会社の首脳部人事について或る程度の話合いがされたということが新聞その他に出ておりますが、或いはあの新聞その他に出ておる内容通りと承知してよろしうございますか。
  73. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 委員会としては、あの新聞通りと私は思つておりません。私どもの知らないことが新聞に大部出ております。従つて委員会として、委員会において話合いをしていないものであるという御了解を得て置きたいと思います。
  74. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 何だか余りよくわかりませんが、そうすると、委員会において話合いをされたことはどういうことですか、この委員会では言われませんか。
  75. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 委員会において決定指令を変更する意思はありません。いろいろその頃希望を小坂総裁より松本委員長に申出たことについて、松本委員長から適当な総会がある場合、各社においてその御希望のお話合いはできることもあるだろうし、できないこともあるであろうから、よく各社お話合いになるのが然るべきでありまして、公益事業委員会においては、今いつ幾日こういうことをして決定指令について追加し、或いは人事を変更するという今考えはありませんということを松本委員長が言われております。で、自然決定指令を多分各社との間に五月何日か存じませんが、小坂総裁と各社のり首脳部の間において、若し総会がありし場合は、かくかくの人たちを入れて欲しいというふうなお話合い等はあつたと承わつております。新聞の話しと公益委員会の話と大部違いますので、どの新聞がどう言うたということは、今日明答いたしかねる次第で、又聞違つても困ると思います。
  76. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 簡單に一つだけ伺いますが、東京、関西、それから中部九州の新電力会社に対して、旧配電の人を新らしく、恐らく一人ずつだつたと思いますが、新会社取締役に選任するように、なるべく早いときに開かれる総会で選任するように公益事業委員会から、新会社に対し勧告するとか、希望するとかいうお話があつたと思いますが、公益事業委員会としては、新会社に対して、そういう希望を述べ或いは勧告されたことはありますか、ありませんか。
  77. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) ありません。
  78. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、この問題は公益事業委員会から新会社に対して何ら話合いがない、こういうふうに了解してよろしうございますか。
  79. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) ないと了解しております。
  80. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の内容は、小坂日発総裁と松本委員長が総理立合いの下になされたように聞いておりますが、その事実はあつたか、なかつたか、委員長代理は聞いておりませんか。
  81. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) なかつたと思います。
  82. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これは非常に奇妙なお話を聞くことと思いますが、その点は一応打切ります。改めて一つだけお伺いしたいと思います。今度の新会社発足に対して、従業員の中で一番不安な状態に駆られておるのは日発の本店従業員だと思います。日発本店従業員の大半の連中は未だ所属もきまらずに、そのままになつております。千数百人おります。日発本店の従業員の連中の中で所属もきまらずにそのままになつておるものがまだ千人になんなんとするかと聞いておりますが、新電力会社に対して旧電力会社従業員はすべて引継がれるというふうに聞いております。それに対して、若し仮に現在の日発本店の従業員の現在残つておるものの希望が、東京を離れないということであつた場合に、東京以外の地域に強制分散させるような話合が各電力会社間にあつたかどうか、或いはそういう問題に対しては全然公益事業委員会は聞いておらないかどうか、念のために伺つて置きたいと思います。
  83. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) お答えいたします。それは従業員諸君の所属はいろいろ申すまでもなく、二つにおよそ分けて考えなければならんことでありますが、一つ日発の旧支店の所属員、これらは主に事務系統ばかりではなく、発電所にそれぞれ働いている人である。火力を掌どり、水力を掌どり、或いは水力火力の修繕に従事しておる人などが多数おります。この運営或いはその事務ということは重大であります。よく公益事業委員会も前々よりその点について不安なからしめるように、新首脳部、五月一日以前といえども十分注意を加え、又その当時日発の首脳者に向つてもよく勤務を怠るな、又濫りにその位置を動かさんように、好意ある忠告をいたしたと憶えております。而してそのことは相当行われたつもりでおります。だがただ本店所属の人は数も相当多いのであります。又主に机の仕事の人が多数あります。長くいつの間にか東京に子弟を置いておるために、地方に分属することは人情としても、又事情としても困つておるのがあります。早く各社に職制を設けて、そうしてその職制によつて吸收することをお願いして、各社が又日発に向つてその人の名簿を出すようにお願いして、日発のほうでもまだ人事の未定の際にもかかわらず、これらのものは相当お運びを願つたと思いまするが、その職制或いは人事は、なかないろいろ五月一日の出発困難なりし他の事情と絡んで、相当職制を作り、適当なところに人を持つて行くという九社の職制が早くできたところはいい、例えば五月三日頃になつてできた四国電力のような例もあるけれども、或いは五日になつてできる。或いは十日頃までまだできないところもあるのであります。その各社の職制がきまらなければ人を吸收するということが自然にぶつて参ります。公益事業委員会としては、これらの困難な事情をお察し申しておりますと同時に、一つの方法としては、どうしても東京にいる諸君は自然そういうことは澁滯するにきまつておるし、又一面からいうと、日発という立派な大きな中央機関を、例えば電力の研究にしろ、調査機関にしろ、或いは土木、水力調査及び優秀な技術にしろ、なるべく東京に置いて、これらが集まつて設計され、研究されたのが地方的に拡がつておるので、将来といえども、これを関東配電に分属せしめる、或いは北海道に分属せしめるというて、ばらばらになつてしまわないようにするという能率主義の上から言いましても、中央にこれをまとめる方針をできるだけ勧告しまして、目下その方面、即ち機関が二つ三つできましたが、一つは中央研究所、日発の持つておりました研究所を独立して社団法人とし、それから電力開発調査会というものを少し規模を大きくし、組織立てまして、これに調本部員そのほか技術部員を常設的に吸收することにします。そしてかなりこの両建設部と、それから先刻お話にありました給電中央指令所というのが日発にあつたのを、名前は同じようでも指令というのもおかしいからというので、先刻お話があつたのは中央連絡所ということになつております。これが一つの団体であります。これに相当な所属の人等を吸收して、なるべく頭のいい人……頭の悪い人を地方にやるというと又話がおかしくなりますが、なるべくブレインになる人を、能率の意味において集合して東京で使いたい。そうしてそれは各社に名前は分属しているが、事実職務はそこでとるというような方法をとつて、かなり東京に日発の本部の人を吸收する方法をとつておる。そいつもだんだん進行しております。それから東京電燈もそういうふうで、そういうものがなければ、職制を置いて東京におりたい人を無暗に入れるということも、能率の上から会社の仕事の上からも困難であることは当り前でありますから、もう今日あたりできまつたと思いますが、何でも私は土曜日はちよつと病気で休みましたが、金曜日までの報告には、東京にそういうつまり東京電力割当てられた人がきまつていない、従つてそれに関係の人が相当多数きまつていないというふうにも聞いておりますが、それは大よそきまる目算は立つておると考えております。俄かに無理をしてもいけませず、人の好きこのみもありますので、多少の東京方面は日にちがかかると思います。なるべく穏やかに、なるべく自然に片付けて参りたいと思つております。どうぞさよう御了承願いたい。
  84. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 要するに強制配置するということはなるべく差控えたい。こういうことに承知してよろしうございますか。
  85. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) さようでございます。その所を得せしめたい。
  86. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) ほかに御発言ございませんか……。実はこの問題に関連いたしまして、岡崎官房長官の出席を求めて、内閣総理大臣に対する不服申立の却下の理由を聞きたいと考えておりましたが、お差支えがあつて出て来れないような模様でございますから、まだ他の委員会に出られておつて、ちよつと出られないらしうございますから、次の問題に移ります。   —————————————
  87. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 次に電気料金値上問題の調査をいたします。電気料に関しましては、二月の十九日の当委員会において、再編成計画書の添付書類としての新会社の收支予算予定表において、現行料金によれば、約一割赤字となる旨の御説明を聞いております。その後経済情勢の変化はありますけれども、最近の新聞紙上においては、電力会社経理当局の七割三分値上案とか、物価庁の六割二分説等が伝えられまして、消費者に対して非常な衝撃を與えておる模様でございます。料金決定は物価統制令により、公益事業委員会及び物価庁が協議の上認可すべきものとなつておりますが、産業及び国民生活に影響の多いことでありますから、その決定前に値上げの必要性及びその程度等につき、当委員会の納得の行くように説明されんことを望みます。本日は値上げの内容につきまして、御検討済みの問題に関し、公益事業委員会及び物価庁の双方から御説明を願います。  先ず公益事業委員会の御説明を求めます。松永委員長代理。
  88. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) いろいろ四囲の客観的情勢をよく申上げなければならんと思いまするが、今日余り老人の長話もいけませんから……。
  89. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 要点だけかい摘まんで……。
  90. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 要点だけを簡單に申上げたいと思います。料金改正についていろいろ必要を叫ばれる問題は多々ありましようが、その問題を一時除けまして、この現在の料金原価引下を阻止しておるものが、二十六年度以降において、或いは従業員全体の給與のべースを上げなければならん段階に立つておること、及びこれに準ずる各種の手当の増額を講ずる。それから物件費も朝鮮事変以来著しく物価は騰貴いたしました。ものによつては十数割の増加を来たしております。殊に石炭、燃料費の増加は驚くべきものでありまして、その單価の増加は三千円何がしから四千何百円というような状態に展開していることはもはや現実で、これがこの上下るなどというふうなことを計算基礎に持つことはできないようになつております。それから最も多いものは減価償却、減価償却については先刻申上げました通りで、又これは別に御審議も願えると思いまするので略しまするが、最も大きなアイテムとしてこの減価償却が取上げられるのであります。それから又こういうことに伴いまする固定資産税の増額ということが直ちに考えられるのであります。そのほかの費用も同じくこれらに準じて増額しております。ちよつと事業者から四月十七日付で表を出しております。これを少し検討しますと、多少の数字は違うようでありまするけれども、こちらで勝手に直さずに、向うの言うたままの数字をちよつと申上げますと、大体において現行料金原価というものがどういうふうに変化して、これが次の年の原価基準にならなければならんかということがおわかりになり、而もそれが公正なる原価計算基礎であるとすれば、料金従つてそれによつて変化をするというような建前にこの説明はしてある。ちよつと申上げて見まするが、現行料金においての原価は百三十億と見たわけでありまするが、将来の給料手当は二百二十億という計算になつております。それから人件費は二億八千万円が五億九千万円になつております。はんぱは省略して行きますが、物件費におきましては殊に甚だしいものでありまして、これは改善の数量の増加もありまするが、むしろ原価に加えるべき状態の数量と、それから銅線或いはそのほかの電気工業品の値上りを含めて、現在料金において九十七億、ざつと九十八億でありしものが、二百九十六億となつております。それから石炭燃料費のごときも、これもキロワツト原価に換算して單価から来た原価計算でありまするが……。
  91. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 議事進行について……。今の数字一つ資料を配付して御説明願えませんか。
  92. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 無論差上げます。
  93. 山川良一

    ○山川良一君 今の資料は現在のと比較して、どういう理由でどういう項目で幾ら上つたかという理由を付けてもらいたい。
  94. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) もう直ぐ済みますから……。それから燃料費がさようなことで大変な増額になりまするが、殆んど九割の増加に燃料費だけでなつている。それから減価償却というのが、先刻申上げた中で旧来十五億でありしものが百九十六億ということになつている、これらのごときものは非常な減価償却を構成する変化であります。それから固定資産税は新たに増加します分が三十三億であります。その他の費用が百二十三億なるものが二百九十億になつております。そうして合計いたしますると現行料金の五百五十億であるものは千三百七十三億となり、そのほかこれは比較だけ申上げますが、そのほか收入を控除したり、或いは追加したり、料金、さようなものを差引きますと、一般原価に加うるこの差額は現行料金において五百三十六億なりしものは千二百四十億となります。かようなことを電力料に割当て、どういう増加割合電力原価に持つかということを一通りこれは示したものであります。この数字が果してその通りであるか、或いはどうであるかという分析をし、総合することは、これは私ども委員会として重大な仕事であります。恐らくこれについては経理部長が相当研究しておられます。大体そのほか物価との割合、或いは他の品物、即ち殊に重大なる燃料費のごときは自由経済の範囲に属しておりながら、なお電力料はこういう統制の枠で相当動いておりますということは、この原価をして甚だしく差等を多からしめておることになつておりますのと、そのほか最近起つた物価の上昇或いは生活基準の上昇ということが甚だしく大きく現在に響いておりますということを申上げ、この検討を中心としてものを考えるべきであると思うて、この点において公益委員会としては考えております。なお物価庁或いはそのほかと関係諸省との間もよく連絡をとつて公正妥当なる料金の確定を見、これによつて電気事業が安定を得て、それでこの開発を滑らかにして見たいものだということを考えておる次第であります。細かな数字につきましては、私よりむしろ中川君そのほかにお尋ねを願います。
  95. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 公益事業委員側の説明は一応ここで終りとしまして、物価庁の第三部長の川上君の御説明を願います。
  96. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 電気料金改訂につきまして、私どものほうとしましては、まだ最後的に物価庁案なるものはできておりません。ただ新聞等におきましては、いろいろ研究しておる試案が漏れたりしまして、或いは六割二分とか、そういうような数字が出ておるのじやないかと考えられます。併しいずれにしましても、いろいろ研究をいたしておりまして、又公益事業委員会の事務局とも連絡を緊密にとつて研究はいたしております。と申上げますのは、現在の電気料金の中にはその後の、即ちこの料金を作成しまして、実施しました以降のその後のいろいろな問題は織り込んでいないのであります。その後非常に大きく問題が取上げられますのは、先ほど松永委員長代理からお話がありましたように、大体税の問題にしましても、固定資産税というものは全然現行料金の中には入つておりません。これだけでも数十億の差が出て来ると考えられます。それから人件費につきましても、現在の料金の中には一昨年でありましたか、そのときの七千百円程度のべースで織り込んでおりますが、その後すでに人件費は二回改訂されておりまして、現在におきましては、一万二千円程度の労賃となつておるはずであります。人数はそのときよりも相当少くなつておりますけれども、ベースそのものが相当上つておりますから、当然電気料金に対しましても、或いは会社の経営内容に対しましても、非常な影響があると我々は考えております。それから石炭代につきましては、現在の料金基礎としましては、トン当り三千八百二十円でありましたか、組んでおるのでありまするが、現在同じカロリーで少くとも四月の値段を見ますというと、四千三百円程度、又最近、又今後におきましては、恐らくそれよりも上りこそすれ、下る見込は大体ないのじやないかというようなふうにも聞いておりますので、石炭代につきましても、今申上げましたように、その間に相当の開きがあるのじやないかというふうに考えておるわけであります。それから先ほどお話がありました通り、再評価の問題につきましても、数十億程度現在は償却としては認めておるわけでありますが、先ほどの数字が正しいか、或いはどうかよくわかりませんけれども、少くとも二百億、定率償却で行きますというと、再評価するならば二百億以上のものが必要ではないかというようなふうにも考えますと、それも仮に料金のほうでどうしても織り込まなきやならんというようなことになりますというと、料金の大幅の値上げをしなきやならないというような事態が生じて来るのじやないかというふうに考えられるわけであります。大きなものとしましては、今申上げました程度でありまするが、例えばそれ以外の大きなものとしましても修繕費、そういうようなものは、現在すでに鉄鋼その他の資材は当時のものと比べますというと、二倍或いは三倍というふうにも上つておりますので、どうしても電力を早急に開発しなきやならんというようなことでありますれば、修繕費のほうもその後の材料の値上りは十分見てやらなければできないのじやないかというふうに私どもは考えております。そういうようなふうにいろいろ考えますというと、少くとも現行料金よりも相当程度アツプしなければいけないのじやないかというふうに考えられます。勿論私どものほうとしましては、電気料金にすべてのそういうものをしわ寄せすることは望んでおりません。特に物価庁としましては、そういう気持は持つていないのですが、金融その他の方面でどうしても措置することができないという分につきましては、電気料金のほうにかぶせて行く以外に方法はないのじやないかというふうに私どもは考えております。今申上げましたように、私どものほうとしましては、まき最後的に物価庁としての案もできておりませんので、差当り資料も別段今ないのでありまするが、この問題につきましては、産業その他一般民生に対しまする影響が非常に大きくありますので、公益事業委員会とも緊密な連絡をとりまして、善処したいと考えております。
  97. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 只今までの政府委員の御発言に対して御質問がございましたなら……。
  98. 山川良一

    ○山川良一君 先ほどちよつと御質問しようかと思つておりました資産再評価の問題と償却の問題でありますが、資産再評価と償却は実際は表裏一体のものでありまして、当然この健全な経営になるように資産を再評価し、それに必要な償却をすることは当然でありまして、これは先に松永委員長代理からお話なつた通りだと思います。併しながら固定資産税だけがそのまま同時に転嫁されるからといつて、幾らでも大きく資産を再評価していいということにはならないと思うのでありまして、実際その例を申上げても、これはもう皆さん御承知の通り、各産業、各会社とも再評価の限度に対しては相当下廻つた再評価をしておることが実例であります。結局必要な最小限度の償却を得ればいいような観点に立つて、各産業人は資産の再評価をしたのが事実だと思います。最近になつて少し足らなかつたというのが問題になつておるようでありますけれども、要するに恐らく法人は許された最高限度の償却をしたところは、余ほど何らかの理由で景気がよくて、極端に申しますれば、相当程度の償却をし得る可能性のある企業以外はまずないだろうと思うのであります。今の資産再評価、従つて償却の変更による負担が、先ほどは三百数十億と言われたようでありますが、現在は百九十六億のようでありますが、いずれにしましても、キロワツトで十銭以下のものが一円前後に値上げをされる。そうしてこれはほかが合理化されようが、どうしようが変りがない。要するに大手先だけで、キロワツトで一円にしようが、何にしようが、大手先だけで変りがない。そうなつているという点から見て、国民全体から見てこれは非常に重要な問題だと思うのであります。で、私は少しできますならば、或いは水力発電機とか、火力発電機とか、いろいろ項目別にどういう観点に立つて各品目を再評価されようとしておられるか。又そういう品目別にどういう償却をされようとしておられるか、例えば水力発電が四十五年の償却を認められているから、四十五年の償却分をすぐ消費者に負担させようという考えでやつておられるのかどうでありますか。今の百九十六億なり、さつきお話のありました二百数十億の償却金の内容はどういう観点に立つて再評価されて、どういう観点に立つて償却されるのか、どうなのか、ちよつと御説明願いたいと思います。
  99. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 私からちよつと……。先刻佐々木さんからもいろいろ表を出してくれと言われたうちの最も重大なる表が、石炭に関すること、資材に関すること、人件費に関することでありまするが、殊にこの再評価の手加減と申しますか、或いはその部分的限度と申しますか、については、特に皆さんにもよく御了解を得んならん問題と心得て、目下経理部におきましても、検討中であります。大体におきまして、他の工業もそうでありますけれども、殊に公益委に関し、これによつて動く料金の変化に鑑みまして、主に影響の基礎が固定資本によつております関係で、修繕することも、殆んど物品及び人件費が修繕なり、固定費の形に変つて行きます立場におきましても、再評価を公正に正しくして、そうして適当な資本の消耗率、補充率をきめて行きますことは、むしろ公益事業委員会の大きな使命でもあります。又各社はややもするとこれを怠つて、たた採算主義によりたがることも免れないのでありまするが、この点について、やはりしつかり監督するためには、お話のような各部分について、その耐用年数、或いは定率年数、そうしてそれを年度割の料金原価にどう変るのが適正であるかということについて検討いたしておりまするので、只今読上げましたのは、業者の連合会議において、一応差額によつて起る問題を羅列して御参考に申上げたに過ぎませんから、今山川委員のお話の再評価、殊に償却の定率、それらの点につきましては、まだ十分御説明をし得られるほど検討が済んでおりません。これは表のでき次第に迅速にこちらのほうに廻して御検討を仰ぎたいし、又その説明に伺います。どうぞさよう御了承願いたいと思います。
  100. 山川良一

    ○山川良一君 私ども電力会社が非常に不健全な状態になつて、改良のできない状態になるようなことは希望しませんので、当然やらなければならん再評価、従つてやらなければならない償却については当然やらなければならんと思いますが、でありますが、できるだけ一般の負担の少くなるような方向に努力して、公益事業委員会としておやり下さるようにお願いいたします。物価庁にもそういうふうにお願いします。
  101. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 物価庁の第三部長に今の問題に関連してお聞きしますが、経営者会議で百九十六億五千万円の減価償却を見ておるのに対して私が聞くところによりますと、物価庁が二百六十二億の減価償却を見込まれておるかのように聞いておりますが、物価庁の資産再評価に対する基本的な考え方を御説明願いたいと思います。
  102. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 物価庁として二百五十数億のものがきまつていると、今お話があつたのですが、先ほど私申上げましたように、私どものほうとしましては、一応係りのもので試案としまして、大体どのくらいになるだろうということを検討し、而もその資産の再評価の総額に対しまして、定率法で行けば大体どのくらいになるかということで行きますと、二百五十億ぐらいになるという話を聞いておるだけでありまして、その中味につきましては、先ほど申上げましたように、まだ詳細なる検討をいたしておりませんので、こちらで、物価庁としましては、こういうような再評価についてのやり方をとつたんだということを申上げる程度にまだ至つておりません。
  103. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) ほかに御発言ありませんか。
  104. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 内容のことは別にしまして、料金の取扱いのことについて二、三質問申上げたいと思います。先ず第一は、新聞に報道せられておりますように、七月一日に料金の更改を断行する。松永委員長代理も、そういうような気持で業者を督励しておられるというようなことが報道せられておりますが、七月の一日断行ということは公益委員会予定としまして間違いがありませんかどうか、この点を伺いたいと思います。
  105. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 只今のことはきまつておりません。その理由として二、三御参考に挙げて見たいと思いますが、この一般料金について、一般的観念でこの減価を償却するとして、それを適当に割当てるというようなことは割合に簡單に考えられまするものの、大口動力、或いは特殊動力等は地域によつてよほど変つております。又業者によつて割当そのほかによつて種々異なつております。併しこの異なつたままに料金を上げて行くということになりますると、若しその間に多少の不公平ありしとすれば、その不公平をますます大きくして、或る意味においては或る産業の発達を阻害し、又或る意味においては一般の小口産業と申しますか、その方面にしわを寄せて、その方面が不合理な料金の負担をせないとも限りません。それからこれまで一般プールで大体料金を一定した傾きがあるのであります。それを二十四年の十一月かに、地域差によつて料金制をきめるべく、その当時の資源庁たちが発案いたしましたが、それもその後地域的に必ずしも取扱いができないので、再び混雑になるように後退しており、又その事情やむを得ん点もあるのであります。それでありますから、これらの点は各会社より、又各産業より、或いはその割当制を今のまま、仮に不合理とすれば、不合理のままやるわけにも参りませんから、ここにおいて超過料金のごとき、却つて相当整理しますと、その意味において一部に非常に減收を来たします。この減收を織込んでなお且つ一般基準料金において公平妥当を期するということはこれ又言うことは易いことでありまするが、実際膝をつき合わしてその当局の御意見等も多少業者は参酌してやらない限りは到底皆さんの納得の行くような割当、或いは料金基準ということはきまりかねるのであります。併し各自の欲望、或いは希望は限りがないことであります。いつまでそれを談判したところが埒はあかんと思いまするので適当にそれを処理し、できるだけ公平に、できるだけ従来の割当制度、或いは超過料金等の不純なものに対して全く目をつぶつてこれを一掃するだけの決断心を以て料金を公平に基準料金によつて成るべくやつてもらいたいということを示唆しておりますが、それは各社によつてなかなか経済力もあります、又事情もありまするので、多分十五、六日頃には各社の案ができると思います。まだ届出までにはなるまいと思う。届出前に一応そういうことを検討して出してもらわんと、出したやつは又却下したりなんかするわけに参りません。仮にさような検討を加え、調査をし、物価庁その外の官庁の御了解を得、或いはGHQ等の御了解を得、又そのほか皆様の御了解を得るとしましても、これはどうしても公益委員会性質としましても、又権限としましても公聽会を開いてきめなければならんことになりますので、この料金を七月からやるとか、八月からやるとかいうふうな予言を今日することは甚しく失当な考え方であろうと思います。併し一日も早くしないと現在の割当制度そのものにも相当不満があります。例えば電力が安いために、或いは化学工業方面においては石炭のガスによつてやるものは石炭が高くなつて非常に電力方面に荷がかつてその割当の要求は非常に多いのであります。その結果は産業の全体の発達の上にもこの料金改訂を一日も早くせなければならん立場に立つておりますので、七月一日にできれば結構でありますが、できなくともできるだけ早くしなければならん問題と考えております。七月一日からというふうな確定的の先入主となつておる考えは持つておりません。
  106. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それでわかりましたが、そうしますと、今のお考えから類推して七月一日という限定はしないけれども、七月一日よりも非常にその時期が伸びたり縮んだりすることはない。こういう工合に了解して差支えないですか。
  107. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) さようでございます。
  108. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それから第二の問題ですが、料金の更改は只今公益事業委員会と物価庁との間でいろいろ最終決定のあり方についてまだ問題が若干あると思いますが、最終の決定権はどちらが行使されることになりますか、伺いたいと思います。
  109. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 無論公益事業委員会にあると考えております。間違いかも知れませんが、私はそう信じております。(笑声)
  110. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 物価庁のほうの考え方はどうですか。
  111. 川上為治

    政府委員(川上為治君) 権限の問題について私どもとやかく申上げたくはないのですが、法律的に私どものほうでいろいろ研究をしておりますところでは、どこできめ得るか、物価庁が料金の認可をなし得るかという問題につきましては、物価統制令第七条によりますると、他法令の指定ということによりまして、その法律が指定されますというと、その物価統制令の附則によりまして、物価庁長官が認可をするということになつておりまして、これは物価統制令ができまして、例えば鉄道運賃でありますとか、或いは米価でありますとか、或いはいろいろなものにつきまして、総合的に現在物価庁が主管或いは共管の形におきまして総合的に集中的にやつておるわけでありまして、物価統制令ができましたあとのその法律につきましても、即ち後法、あとでできました法律でありましても、物価統制令で先ほど申上げましたように指定しますというと、物価庁長官の権限になるというような解釈で、先ほど申しました鉄道運賃とか、或いは米価とか、或いはその他のものにつきましても総合的に運営されておるわけであります。これにつきましては若干疑義のある点がないでもありませんが、そういう疑問の意見を持つておるかたもあるようでありますので、この問題は公益事業委員会とも十分現在相談をし合つております。或いは法制局あたりが一緒になりまして相談をすることになるかとも思われますが、いずれにしましても、料金の問題は各産業に対する影響、或いは又各民需者に対する影響、関係方面に非常に至大な影響がありますので、私どものほうとしましてはその権限の法律的な解釈の如何にかかわらず、公益事業委員会と一心同体となつて緊密な連絡を持つて我々はやりたいと考えております。
  112. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今の第二段のほうのお考えは非常に結構なんですが、このやはり最終決定権というのは法律に基いて行われる行為であるわけであります。そうして両者の間で今伺いましたようにはつきり見解の相違を来しておる。この委員会料金の更改を目睫に今控えていろいろ調査をしようというわけであります。その最終決定権を持つておる人が明らかにならない限りにおいては、非常に調査を進める上において不工合なものであろうと思うのでありますから、その点は一つ委員長のほうにおいて政府ともいろいろと話合をされて、果して誰が最終決定者であるのか、それを明確にしてから一つ料金の内容を作つて行くような工合に至急にお取計らいを願いたいと、こう思います。  それから更に質問を続けたいと思いますが、第二の考え方の問題でありますが、再評価並びに減価償却の問題はいろいろ疑問があろう思いますけれども、これとは別個に現在の状態においてすでに先ほど述べられましたように、いろいろな理由によつて原価計算を公開しなければならんという事情は私ども成る程度わからんことはないのでありますが、そういう問題をからめまして、国会へ出して頂きまする資料は再評価分並びに償却を拔きにした現状のままにおける値上の構想、それからそれを含めましたものと二つを一つ参考資料として提出を願いたいと私は思う。大体伺いたいのは七割値上げ、或いは六割五分の値上でありますが、その中で再評価に関係する分が何%ぐらいになつておるのか、今わかりましたらちよつと伺いたいと思います。
  113. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 今の料金の値上率の問題としまして、委員長代理の言われました電気事業者から出ましたものについては詳細の説明はございませんのでわかりませんのですが、私どもは一応ラフな資産として業者から言つて参りました項目について、役所側の見解をチエツクしたものから見ますと、再評価を仮に一〇〇%いたしまして、定率で申告いたしました場合の償却費の増が二百十七億という計算になりまして、現行料金による推定收入に対しましてそれの占める比率は二七%であります。
  114. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういたしますと約五〇%近いものがその他の営業によつて値上を必要とするということになるわけであります。その点は私はもうすでに三月までの委員会或いは本会議等でも力説をしておつた点でありますが、ただその後の事情一つ是非とも伺つておかなければならん点は、この豊水期に入りましてもなお且つ火力を相当入れておかなければならん。百万キロに近い火力が只今入つておるようでありますが、こういうことは今までになかつたことであります。この原因がただ焚いておるという説明が先ほどありましたけれども、どうしてそういう工合になつておるのかということをもう少し研究をする必要があろうかと思うのであります。従つて時間がありませんから余り細かいことは次回に讓るといたしまして、是非とも今後の調査を含めて私どもに御説明を願いたいことは、特需或いは新特需を含めて、将来の日米経済協力によるところの電力需用増加というものがどの程度に見込まれておるのか、これが一番私は問題になるのじやないかと思います。で従つてこの前出して頂きました資料は、電力量は三百八十六億くらいにたしかなつてつたと思いますが、これよりも需用予想が上廻るのか下廻るのか、そういうような点を今後の料金改正の御説明を頂きますときに明確に一つ説明を頂きたい。それからこれに関連しまして、夏の豊水期においてでも電力が足りなくなつておるという原因は、只今の料金制度がもうすでに欠陷があることを一つ証明しておるので、火力料金で以てしましても電力の需給調整はできないということをはつきり示しておると私は思うのであります。従つてそれを裏から言えば、只今の大口需用の中にも相当高額料金でも行けるというような業者があるということを正明しておるようなことになるわけであります。私どもが今までに調べたことによりましても、業種別の電力料金の一キロワツトアワーの料金を調べてみましても、大口などは割合に桁外れに安い部面があります。今後相当値上率を上げておると言われましても、過去の実績においては非常に安いのであります。そうして而もこういうような発電所が割合に現在火力料金を食いながらそうして豊水期においてもなお且つ火力を相当入れなければならんような需給状態を現出しておるのじやないかと私どもは考えるわけであります。従つて今度の料金の値上の説明の場合には、私はこの業種別の需用構成から言つたいろいろな電気の需給調整の面、或いはこれと同時に業種別の電力関係というようなものを中心にして御説明を願わなければ、私どもはなかなか理解ができないのじやないかと考えております。従つてその点を若し今ここでお考えになつておる基本的な構想の中で簡單に御説明が願えるようなことがありますれば、伺つておいても結構だと思います。
  115. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 今栗山委員からの御質問通り、先般のことは私ども需用が大体三百八十億とかその前後の数字で申上げておるのでありますが、昭和二十五年度の実績は四百億になつておりまして、それから非常に伸びました。特にこの需用の伸び方は朝鮮事変から後秋口にかけて非常に大きく伸びて参りました。十月、十一月、十二月と非常に増加して参りました。一つの例で申しますと、昨年の十二月の最大電力が前年度に比べまして百二十万キロワツトというふうな大きな増加を示しておる。前年度が五百二十万キロワツトでありましたのが、六百四十万キロワツトになつております。これは特に十二月の一例において申上げたのであります。二割近い増加がずつと秋口から続いております。この傾向は只今までの様子では当分は停止するふうがないのでありまして、今後更に日米協力というようなものが何らかの形で具体化するならば、それの影響が更に又上廻つてこれにかぶさつて来るのじやないかと考えられるのであります。例えば今年の一、二月頃……一応もう少し前の説明をしますと、昨年の夏頃から秋頃にかけまして、作業いたしましたところの安本その他との打合せのときには、自主経済という感覚で考えておりましたのですが、その頃の需用増加は大体需用側で五%、発電側で三・五%程度の数字で一応細々と伸びて行くという形であつたのであります。それが夏から秋にかけて実績によつて実情と非常に離れております。最近新会社の設立前の指定会社のときからいろいろと各現地において需用家からの申込みそうしたものを従来の経験に徴していろいろと査定をいたしまして、どうしてもこの程度は殖えるであろうという数字をいろいろと持つて来ておる次第であります。これらを委員会といたしましても内容的には何回となく検討しておるのでありまして、まだ外部には発表いたしておりませんが、その数字が先ほど松永委員長代理からお話がありましたように、ここ二、三年の間は十二、三%から一四、五%というような数字から初めまして、三年くらい前から四、五年くらいまでに対しまして先行きの申込みがありませんから落目になつておりますけれども、それでも業者の五カ年間の増加予想というものを黙つて集計いたしますと、平均いたしますと五年間平均は一割近くの数字になるのであります。そういうふうで二十六年度から二十七年度にかけての増加というものは非常に厖大なものじやないかということを最近になつてひしひしと感じられる状態であります。で二十六年度の電力割当の問題につきましても、多少脱線いたしますが、そうした現実の事情に立ちまして、何とか設備の許す限り供給力を割当の区画でも反映したいというふうな意図でいろいろと計画をいたしましたが、御承知のように電源の開発は見返資金が年々百億程度で、最近これによつてできました設備というのは非常に従来から見ますとまだ微弱なのでありまして、大多数はまだ工事中というような状態であります。それがために火力が幸いにしてここ一両年の間に非常に高速度に復旧した、疲弊した火力の改良と申しますか、復旧工事が軌道に乗つております、その設備の力を頼りに石炭をできるだけ焚くという建前で供給力の増加を意図したのであります。これで昭和二十六年度の割当量の中で石炭を年間六百三十万トン電気事業全体としては焚くという想定であの割当をしたという状態であります。これは御質問の中の四月、五月の最豊水期の現状にあつて、而も水の実績を見ますと、予想よりも更に若干上廻つておるにもかかわらず石炭の消費量は余計焚かざるを得ない、百万キロワツトを相変らず焚いて行かなければならんという状態であります。又需用増加の一つの激しい実例は、相当火力は焚くものと予想しておりましたが、水が予想よりも若干上廻つたので焚く石炭が減つたかと申しますと減つておりません。お手許に青い表紙本に出ております二十六年度の電力需給計画書でありますが、この石炭の消費量の予想に対しまして三十三万トンと予想いたしましても、実績は概管算三十七万トンになつております。その石炭の消費量は予想よりも余計焚いて而も余計出ておる、それでもなお足らずに火力の停止計画を一時取除いております。又貯水池の水も或る程度無理をして使つておるという苦しい状態を続けておる。これが最近の予想よりも以上に常用がぐんぐん伸びておるという一つ説明になるかと思います。
  116. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それで大体わかりましたが、私が先ほど意見を述べまして、今後の説明を頂くときに参考の中心にして頂きたいという点は十分御理解を願つたかどうか、その辺を一つ齟齬があるといけませんのでもう一度繰返して私申上げておきたいと思います。それは今言われたように、火力を百万キロも現在焚かなければならんという工合で、需用が伸びておる。伸びておる需用は私はまだ詳しく分析をしておるわけではありません。業態別に見ますと、特需とか新特需とか、そういつたような方向が首位を占めておるのではないかと思います。そうして火力料金という割高料金が相当この面で負担されておるのではないかと思うのであります。従つて今値上を七割やるということになりますと、社会的にも相当問題がこれは全般的な比率で行けば起るわけであります。併し現に火力料金のようなああいう非常に高い單価のものをもどんどん消化しているような産業、そういうような産業が果してあるのかないのか、こういうことをよくつかまない限りにおきましては、値上をどういう業態別の恰好において吸集させるかというような結論も出ないのです。そうして又こういうことを十分にやつておきませんと、今までの慣習に従いまして、最も社会的に問題を起すような電燈方面だとか、或いはその他非常に経営難に陷つているような企業のようなところに非常に大きな負担をかけられるというようなことが招来して、従つてその結果企業の健全性を保持できないような工合に料率の値上がぐつと抑えられてしまうというようなことにもなろうかと私は思うのであります。従つて私は重ねてお願いをしておきますが、その点につきまして私どもが十分に理解できるような資料を一つ是非とも備えて頂きたいということであります。  それからもうつ一つ、これは松永委員長代理にお尋ねをしますが、先ほど東京に中央研究所とか或いは電力開発調査会とか、そういうものを置きたいということを述べられているのでありますが、それの費用というものは一体どういう工合にして調達されるものでありますか。
  117. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) それは各九つの電力会社の首脳部とこれに関連する業者に相談いたします。初めの開発調査会は、電気事業者とそれから取りあえず全部の事業家に呼びかけるわけに参りませんので、化学工業或いは電力を使う金属工業のおかたがたを会員にお願いして、そうしてその会費の支出によつて研究を大体進めることになつております。それらは社団法人ということにしております。それから次の研究所は、まあ将来の理想と或いは国家的にどうするかということは別にしまして、取りあえず日本発送電の持つておりました多摩川にありまする水力研究所を中心にしまして、これをやはり社団法人にして、主に事業会社の協力によりましてそこから会員並びに役員を作つて、そうして現在働いておりまする研究所員がそのまま残つて研究するということになつております。
  118. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 実は先ほどの御説明によりますると、日発の東京本店の従業員の再配置の問題を考慮されて、そういうようなことが行われるような工合に述べられたのでありますが、私はそれとは逆に現在の電気事業技術全体の総合研究をいたしまして、日本技術水準を上げるためには是非ともこういうような全国的な権威ある機関を置くべきであると私は考えます。そういうことによつてたまたま日本発送電の技術員が役に立つということであれば、これを大量に吸收するということは甚だ結構なことだと思うのでありますが、そういう場合にアメリカなんかの例を見ましても、全收入の一%くらいは研究費に投入しているわけであります。従つてこの大きな電力事業技術指導、技術啓発をやりますためには、相当財源的に根拠のある研究機関を設置しなければならんと思うのでありますが、今御説明を伺つたところでは会員制度で会費を納める程度だとおつしやつたのでありますけれども、それをもう一歩進めまして、九電力会社原価計算の中にはつきりこういう研究費のようなものを織り込んで頂いて、そうして各会社は情勢の変化等には関係なしに常にこういう研究機関に対して責任を負担しまして、そうして共同責任において日本技術の振興が行われる、こういうことのできるような構想を私は是非とも持ちたいものであると思いますが、その点はどういう工合にお考えになりますか。ただ單なる漠然たる会費の徴收ということでなくて、原価計算の中にもうはつきりと技術研究費を入れて、そして指導的に責任を以てやつて行く、こういう体制をこの際とるべきではないかと私は考えますが……。
  119. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 只今のお話に二つの問題がありましたが、電源開発委員会についてはすでに国家からも調査費用の下付がありました。目下これについて調査の実行を進めているのであります。これについてもお話のようなますます組織を確立することは当然でありまするが、次にお話のあつた中央電力研究所というような問題は、お説の通りにそういう方式を事業者にとりたいということを希望している。只今そこまで組織はなつておりません。これは事業者のためにそういうことをするばかりじやなく、我が国家としても或いは政府としても、ただ事業者の寄り合いでそういうことをすべきであろうか、或いは国家みずから政府みずから遅れた研究ということは……むしろ政府の機関或いは政府の補助機関として大々的に数百億円或いは千億円の金を投じて、本当に根本的に電気及びこれに関する各研究をすべき時期に到達していることは間違いない事実でありまして、栗山君のお話も恐らくその辺にあろうかと思います。これはなかなか大きな問題で、貧乏な我が国の財政ではどうか知りませんが、是非とも皆さんの御協力によつて国家資金で以てやるくらいにして頂きたいと思うのであります。只今その段階にまで行かずに、旧状を維持する程度だということであります。
  120. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 一千億円なんというのはとても大きな狙いで、結構だとは思いますけれども……。
  121. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 一千億円でも足りませんよ。
  122. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 少なくとも四、五億円くらいの金は必要じやないかと思うのですが、私が何故そういうことを申上げるかということは、恐らく九会社に会員制度で金を出すようにいたしましても、或いは松永委員長代理が公益委員に在任しておられるときは出るかも知れませんけれども、それからだんだんと拔けて行くのが今までの例だろうと思います。成る会社は一生懸命熱を入れますけれども、余り関係のない会社は熱がないので、会費の完納もうまく行かないというのもあるわけでありますから、そういうことでなくて、はつきり義務例と申しますか、責任を持たして、そうしてそういう機関の育成強化をやつて行くことが電力事業の発展のために必要ではないかということを私は申上げたわけでありまして、国家の問題も勿論重要でしようけれども、なかなかそういう工合に風呂敷を大きくしましてもなかなか包めない実情にあるから、そういうことは又おいおいやることとして、今度の機会には少くとも画期的変更を行うわけでありますから、そのときに是非とも一歩進めてそういう考えを持つて実行を願えないかどうかということを申上げたわけであります。
  123. 山川良一

    ○山川良一君 ちよつとその問題に関係して……。先ほど電力代は検討中だというお話ですが、資産再評価と償却の問題は余り調査を要しない問題でありまして、考え方できめるのであります。でせめて今週中ぐらいに考えをきめて下さつて一つ何か書類ででも委員会にお出し願いたい。そしておきめになる場合に要はこの問題は九つの電力会社を健全にするために消費者に二百億の負担をかけねばならんかどうかという相当大きな問題であります。その点をよくお考え下さつて考えをまとめて頂きたい。おまとめになる際に、日本産業議会あたりでは各企業資産再評価の内容はよくわかつておりますから、そういうのを御参考にして頂きまして、消費者側の資産償却をやつた実績の程度の再評価をやつて頂いたほうがみんなを納得さすには一番いいのじやないかと考えますので、その点は一つ調査願いまして、一つできますならば今週中くらいに考えをまとめて頂きたい。これは調査を余り要しない問題でありますから申上げますが、如何でございますか。
  124. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 御尤もでありますが、大体その建前としては各社から自治的に再評価をすることになつております。併し電力基準料金関係しますからまちまちは困るというので、その出たのを再調査し、再整理しなければならない立場にあります。すぐにこちらの独善的に案を立てられん立場にあるから、ただ御参考に先刻このことを申上げたような次第であります。そう暇がかからんと思いますけれども、今月中にとかいう話を四、五日ということにやわらげて……。
  125. 山川良一

    ○山川良一君 今週中でございます。
  126. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 今週中ぐらいには何とか……。
  127. 山川良一

    ○山川良一君 五月一日に再編成を終られたぐらいの勢いで……。
  128. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 無論やります。
  129. 古池信三

    ○古池信三君 先ほど平井技術長お話のなかで昨年度の電力量が四百億キロワツト・アワーになつておる、そこで問題は発電單価の、需要炭に至るまでの間の電力ロスがどのくらいになつておるかということが問題だと思うのです。先ほど三一%とかという数字をちよつと伺つたように覚えておりますが、その後最近までの趨勢はロスはどんどん減つておるのでしようか、どうでしようか、数字的に一つお答えを願いたいと思います。
  130. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 昨年度のロスの別々の数字を覚えておりませんのでございますが、只今年間で三一%見当になつておるように概算をいたしております。それからこの数字はやはり豊水期と渇水期で季節的にやはり変動があるのでありますが、一般的な傾向といたしましては漸減の状態でございます。最近のところでは三〇%とか或いは若干下廻るところまで順次来つあるのじやないかと考えております。
  131. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の数字は専用を含んでおるのですか。
  132. 平井寛一郎

    政府委員(平井寛一郎君) 專用を含めて申しております。
  133. 小野義夫

    ○小野義夫君 電力料に関連しまして、この給與ベースの改訂でございますが、これは今すでに立替拙いと申しますか、非常に安く今の現行電力料ではきめられておるのに、実際においては相当多額に拂つておるから大変大きないわゆる赤字が出ておるわけです。それを是正するというのでありますか、なお又今一万二千何がしというのはなお低過ぎるからこれをもつと増してやるという見解に基いておるのですか、それをちよつと承わりたい。
  134. 中川哲郎

    政府委員(中川哲郎君) 電産の賃金のベースアツプにつきましては先般来繋争中でありまして、中労委の裁定によつて数字が平均いたしまして、基準賃金として一万七百円でしたか、八百円でしたか、それに基準外賃金を含めまして一万二千数百円という数字を申上げたのであります。それから現行の賃金べースを維持する数字でございます。
  135. 小野義夫

    ○小野義夫君 そこで私どもはいろいろな情勢が余りに古い三十四年の十二月にきめたというのでありますから、その後においていろいろなことが変化しておるのだから相当大幅に電力は事の如何にかかわらず引上の必要は認めるのでありますけれども、單に九分割がその集中排除という一点にあつたような考えで経費は節約できないというのでは甚だしく電力の問題の前途に不安を投げつけるのでありますから、例えば九分割をしたために現在ならば止むを得ないが、将来はこういう点について非常に有利に且つ積極、消極両面を見て分割の効果……。弊害も随分あるのですが、その特徴を計数の上に将来の見通し、或いは分割によつて直ちにこういう点は節約ができたというようなことを一つ具体的にお示しを願いたいと思うのです。これは今日でなく料金全部全面的に御検討をなさるときにその問題も一しよにお願い申上げたいと思います。
  136. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 只今官房長官が見えておりますので、第一の調査事項でありまする問題を取上げたいと思います。公益事業委員会決定指令を発表いたしまして、五月一日新電力会社が発足いたしまする間において、総理大臣に対して不服の申立があつたことを我々は聞いております。その不服の申立がどういうものに限るか。どういうもので何件あつたのか。その不服の申立のなかに受理したものがあるかないか。又取下げられたというようなことを新聞で見ておりますが、取下げになつたものは何件あるか。却下したものは何件あるのかという問題について官房長官説明を求めます。
  137. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 不服の申立は四月の十七日から四月の二十九日の間に行われまして、申立件数は総数で十九件、そのうち途中で取下げましたものが四件、従いまして不服申立件数は差引十五件であります。この内訳は指定会社から来ましたものが二件、これは日発と関東配電。株主から来ましたものが六件、これは株主として、或いは個人といろいろあります。それから従業員関係つまり電産関係が十件。その他利害関係人として愛媛県から来たものが一件。これで合計十九件になるのでありますが、そのうち取下げたものは四件ありまして、これは日発と関東配電が取下げましたのと、株主関係六件のなかで二件だけ取下げがありました。一つは取下げでなくて撤回といいますか、合計とに角不服の申立が最後まで残りましたのが十五件であります。これはいろいろ採否を研究いたしまして総理大臣は十五件とも棄却することに決定いたしました。その旨官報に号外を以て公布いたしました。
  138. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 只今の官房長官の御説明に対して御質疑がありましたら御発言を願います。
  139. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 日発及び関東配電の取下げには何か政治的な話合いがされたと聞いておりますけれども、どういう様子か御存じありませんか。
  140. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 私どももそれは間接に聞いておりますが、正確でないと思います。むしろ直接関係会社からお聞きになつたほうが正しいのじやないかと思つております。私ども正確に報告は受けておりません。ただいろいろ話合いをした結果これはわかつたから取下げる。こういうふうに何といいますか、正式には聞いておりません。
  141. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 質問でもないのですが、関係会社からも私は非常に正確に両方から聞いたのです。ところが公益事業委員会はそういうことは全然知らんと言う。それはどれを信じたらいいのか、訳がわからんのですがね。
  142. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) とにかく私のほうは取下げて来ればそれでおしまいということにしておりますので、それで余り追及せずにおつたのです。
  143. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ただ希望だけ申上げておきますが、今官房長官にこれは質問したつて無理かと思いますから、希望だけ申上げておきますが、ああいうふうな非常に政治的の問題になつた場合には、あれは必ず政治的の話合いをなされたに違いないのです。それならば政治的の取扱がもう少しすつきりするように、一般にわかるようにしてもらいたいと思います。当局と申しますか、関係者からは一方的な話は相当はつきり聞かれる。ところが公益事業委員会は知らん。政府の適当なところに聞いても知らんと言う。そうだと、最もガラス箱の中でそういう仕事がなされなければならないこの公益事業の内部に対していろいろな疑心暗鬼が出ます。そうでなくても出ているときに、なお更わかりにくくなると思う。従つて私は今度の問題も含めて、もう少しそういう政治的な話合いがされた場合には、特に公益事業委員会の性格については法制的にもいろいろな疑問がある際ですから、成るべく明らかにしてもらいたい。これだけ希望を申述べさして頂きます。
  144. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 あの不服申立の却下になりました却下文書というものは、日附はいつまで有効であつたのですか。四月三十日附ですか、五月一日以降も有効ですか。
  145. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 有効というのはどういう意味ですか。
  146. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 効力があるかないかという……。不服の申立をしましたことについて政府が却下をいたしました文書を出しておりますが、その文書を出した日附は四月三十日までその却下は有効なんですか。或いは五月になつてからもそういうことは出し得るのかを伺つておきます。
  147. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) それは五月になつてからも出し得ると思います。
  148. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私はこれは政府のほうの手違いかどうか知りませんが、四月三十日に却下になりました文書の内容について非常に間違いがありましてそれを五月四日になつて訂正されておるのです。それで会社は五月一日に全部発足しておるから、その間の法律的の手続をどういうふうにお考えになりますか。
  149. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) それは具体的に一つお示しを願いたいのですが……。
  150. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 吉田総理大臣の名前で出ておりますが、官房長官は御仁じないのですか。
  151. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 私の聞いておるところでは、会社の名前の印刷が間違つてつたということなんですが、それでございますか。
  152. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 会社の名前を間違えれば内容が全部違うわけですから……。
  153. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) あれは決定書の案文は間違つておらんのでありましてタイピストが間違えたのであります。発送のときに……。そこであれはそれの係りもそこにおりますから、必要ならば御説明いたします。電報その他によつて了解を得ておつたと思います。
  154. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 説明要りますか。
  155. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 僕はちよつとしておいてもらいたいのです。ああいう重要なことがなぜ間違つて指令されたか。
  156. 栗山廉平

    説明員(栗山廉平君) ちよつと説明させて頂きます。実は非常に急いでおりましたので、一部間違つた点がありまして、誠に恐縮に存じておりますが、直ちに訂正の手続をとらせて頂いた次第であります。(笑声)原文は間違つておらなかつたのです。非常に夜遅くまで亘りまして、タイピストなども気の毒な点もあつたのでございます。日曜や祭日も皆出ましてやつたような次第であります。
  157. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 間違つてつたのと何日の日にお気付きになつたのですか。
  158. 栗山廉平

    説明員(栗山廉平君) 実はこちらのほうから発送いたしまして、直ちに出したものですから、電話を以て御指摘になつたわけでございます。こういう点が何々配電というのを非常にたくさんタイプを打つたものですから、つい間違つたわけです。一つの所から御指摘がございまして、全部間違つてつたかどうか、こちらは発送してしまつてわからないので、若しこういう間違いがございましたら、こういうのが正しいのであるから、そうでなかつたら御訂正願いたいという文書を出したわけであります。
  159. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 注意を受けるまでわからなかつたのですか。
  160. 栗山廉平

    説明員(栗山廉平君) そうです。
  161. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その却下されたほうから非常に憤慨されて間違つておるかどうか間合せが出されたものですから、政府は打正文を出したのですが、その訂正文がふるつておる。若しこういう工合の文書になつてつたら間違だから、こういう工合に訂正をしてくれという文書になつておる。ですから私は公文書というものは控えは全部一通取つておくべきだと思う。そういうことなく出されておるから、間違つておるか正確であつたかすらわからない。それで間違いらしいから間違つてつたら訂正をこういう工合にしてくれという文書を総理大臣の名前で出しておるわけですが、これはどういうわけか、官報にもそういう工合に載つておりますか。
  162. 栗山廉平

    説明員(栗山廉平君) 官報には載つておりません。内容の部分としましては宛名ではございませんで、公益事業編成のために出されたこれこれの企業編成計画書というもののうちに九配電のことを一々申請者に別々に書かなかつたものですから……内容として御覧願えばわからないことはない点でございますけれども、間違いは間違いでありました。タイピストのなんといいますか……。
  163. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私はどうも納得行かないのです。小さなことを言うようですけれども、先ほど愼重に審議したと官房長官は言われました。慎重審議をするならば、その一通ずつ原稿が違うわけです。原稿はよかつたけれども、タイピストが違つたというが、こんなに十通も全部違うわけはないと思う。その点は大体非常に杜撰にああいう重要な文書が扱わたのではないかと類推するのですが、この点をもう少し明らかにしておいて頂きたいと私は思います。
  164. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 官房長官に言いますが、栗山君の言われておる問題は、不服の申立があつて、それを却下する場合に真劍に内閣として検討して却下したのか、形式的に取扱つて却下したのかという内容の問題に関連するだろうと思うのです。十分に総理大臣と官房長官が研究された結果却下されたのであろうと、棄却されたのであろうと思うのですが、そういうふうな問題が起きておつたとすると、却下された、或いは棄却された内容について一つ一つ説明願わんといかんことになるのですが、どういう理由でこれを却下したかということの御説明を願いたい。
  165. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) これは理由は一々書類に書いてございますから、これは御説明は時間さえあればなんでもないのですが、今のお話の点は我々のほうじやこういうふうにやりました。このヒアリングの記録というものがずつと残つております。それから再編成計画書とか、仮指定とか、決定指令、こういうものはみんなありますので、あらかじめ十分にそれらを研究して問題は今までにも間接にはいろいろ聞いておりまして、こういう問題、こういう問題がありそうだ、それから又先ほど申しましたように四月十七日からぼつぼつ不服の申立がありましたので、その間ずつと調査はいたしております。むしろ実際上はできれば五月一日に発足したいという公益事業委員会の意向もありますので、成るべくならそれに間に合わせるようにしたいと思つて、とにかくできるだけ急いで調査はいたしましたが、その前に十分研究はしておつたのであります。それからこの四月の二十九日に来ました十件というのは、これは全部この電産の代表者から来ましたので、各配電会社全部含んでおります。その件名は一番多いものは六つでありまして、一つ電気事業の実態的運営、第二は従業員の引継、第三は新会社役員、第四は新会社の商号、第五は請求工場の処分、第六が電源帰属、この六つの問題がありまして、例えば日発の電産から来ましたのは六つとも含んでおります。北海道の配電から来ましたのはこのうちの一、三、三であるし、その他一、二、三、六であるとか、一、二、三、四、六とか、この六つの中の全部は含んでおりませんが、三つか、四つ、或いは多いのは五つか、いずれにも含んでいて、それ以外の問題はない。従つて早く言えばこの日発から来る六つの問題を調査すればほかのは全部同じにとになります
  166. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) いいですか栗山君。
  167. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それで最後の締めくくりだけ申上げておきますが、少くとも五月一日に新会社として発足した会社が四月三十日に一齊に出された、そうして五月四日に訂正文が出るということは私は取扱上非常に工合が悪いと思うので、若し訂正を出されるなら、やはり四月三十日の日附ではつきりと訂正したものを出されないと、公文書としては非常に権威を失なつたものであると思う。又申請したほうから見ましても、何だか政府に激励されたような恰好にしかとれないので、又問題になると思いますから、もう一度研究されて、あの日附を四月三十日に御訂正を願いたいと思います。そうしないとこれは問題を将来非常に残すことだと思いますから、その日附訂正をもう一遍やつて下さることができるかどうかを伺つておきたい。
  168. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 御注意有難うございました。早速研究いたして……手違いであつた点は重ね重ねも我々了承いたしております。
  169. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の問題が出ましたから、事務的にちよつとだけ申上げておきますが、株式会社の統合比率の問題についての公共事業令に基く異議申立日発つたかしておつたのが、あれが途中で却下されておりますが、却下の理由は手続上の相違であるという意味で却下されておりましたが、当局の息が最も濃厚にかかつておる解説書にはつきりと逆にそうでないという説明が付いておつたので、あれの提出が出されたことは御存じだと思います。それであれをああいう事務手続上の相違だということで却下されておりますが、その後その法律問題については御研究になつたことはありませんが、公益事業委員会で……。
  170. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) あの却下につきましては、要するに株式の比率の問題については電気事業編成令第四条の規定によつて決定いたしておるのでありまして、従つて今のお話異議申立は公共事業令の規定に基いて委員会台において処分したものに対して不服があれば異議申立ができる。こういう建前であります。そこは法律的に見まして一方は電気事業編成関係、他方は公益事業会の関係であります。従つて電気事業編成令のほうにそういう異議申立をする途がなければやはり異議申立としては取上げることはできないという意味で却下をしたのであります。その後同じような理由日発の株主の奥村さんだつたからと思いますが、その点についての更に御意見がござましたので、それに対してこちらの意向を更に明瞭にいたしまして、却下をいたしております。
  171. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 その明瞭にいたしましたのは前の理由と同じ理由ですか。
  172. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) それにつきましては、公共事業令の確かあれは……。
  173. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 いや結構です。
  174. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) つまり、こちらのそういう権限があるのじやないかという点を更に調つて来られましたから、それに対して権限がこういう理由ではないのだということを附加えて却下いたしております。
  175. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、前の理由と同じ理由で却下されたということになりますか。
  176. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) そういうことであります。
  177. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 まあ、あのときには却下することに問題があつたので、その理由あと付けだろうと思いますけれども、私は飽くまでもあの理由は非常におかしいと思う。あのことについては十分に法制局等とも関連さして研究されたいと思います。済んだことを言うわけではありませんが、法解釈はもう少し筋の通つた解釈をしてもらいたい。で特に政府当局関係ある解説書にはつきりとそのことが書いてあるから、それでよいと思う。丁度国鉄の問題と同じようなことがあるので、解釈の問題は確定的なものではないが、成るべくすつきりとした解釈をされたいので、委員長一つ御研究を願いたいと思います。
  178. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 官房長官に対する御質問はありませんか……。それでは官房長官の問題はこれで打切ります。
  179. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 第三の問題に入ります。  電力割当につきましては、料金改訂に伴いまして、根本的に検討する事項でありますが、これに関しては料金改訂と並行して調査することといたしまして、本日は本年度電力割当計画四、五月における割当につきまして、公益事業委員会及び安本から御説明を願います。御説明に当つては最近における産業の伸び方に伴う各種産業からの不満か非常に大きく伝えられておりますが、これらの点に対しまして、如何なる措置をとられたかをも伴せて御説明を願います。大体この問題に関しては電力料金の問題に関して平井局長から説明があつておりますから、安本増岡産業局長の御説明を願います。
  180. 増岡尚士

    政府委員(増岡尚士君) それでは大口産業用の電力割当について御説明をいたします。  電力の需給計画の全体につきましては、公益事業委員会ができましてからは、大体大きな需給計画なり、或いは地域別の供給力というようなものは公益事業委員会のほうで立案をされまして、私どものほうに御相談があつて、いろいろ相談して最後的にきめるわけでありますが、私どもかまあ指導的にやつておりますものがいわゆる特別大口の割当、三千キロ以上の需用者に対する割当関係でありますので、この点について申上げますと、御承知のように現在の電力割当というものは料金制度と絡み合せまして、いわゆる標準料金制度で使えるところの電力量割当てるのであります。これ以上使つていかんという割当はしているわけではありませんが、三千キロ以上の割当につきましては、大体自立経済審議会で等申になりました我が国の産業のあり方というようなものを一応頭に描きまして、それからこれは実際上は非常に決定的なものでありませんから、それを参考にいたしまして、更に最近の実績、或いは前年同期の実績というものを勘案いたしまして、大体産業別の枠をきめるということにいたしております。具体的に第一四半期の計画でいろいろ問題のありました点は昨年度に比較いたしまして、いわゆる余剰電力の見込み方が非常に少くなつております。従いまして余剰電力に期待しておりました産業に対しまして、相当量常時の電力で賄わなければならないというものが出て参りましたために、その影響が他の産業の常時に食込むというか、割込みまして、他の産業においては常時電力割当が比較的全体として伸びたにかかわらず少なかつたという傾向が現れております。余剰電力を期待したというのは、特に著しいのは肥料でありますとか、そのほか鉄鋼等がありますが、そういうようなものに常時がたくさん行つているという関係から、他の産業において伸び方が少かつたという点がございます。産業需用のあり方につきましては、先ほど公益事業委員会平井技術長からお話がありました通りでありますが、現在の電力料金、或いはこれを使つてできましたものの需用の程度というものから考えますると、相当まだ需用についてはたくさんのものがありまして、いわゆる野放し需用という、現在の電力料金の下における野放し需用ということになると、まだまだ需用がたくさんある。三千キロ以上の需用者についてまだ需用がある。各原局から申請をして来ております需用量は割当をいたしましたものよりは大分多いというような結果になつております。従いまして暫定的には四月分、五月分については当初に立てました割当よりも多少のものを公益事業委員会と御相談を申上げまして、枠を拡げて割当てているというような実情になつております。将来の電力割当につきましては、電力料金制度が今のようにいわゆる標準料金火力料金というものとを分けてやるかどうかということで割当やり方が違う結果になります。それらのことにつきましては、私どものほうでいろいろ研究中でありまして、まだ電力料金のほうも先ほど来御説明がありましたようにきまつておりません。総体的な收支関係がきまらんと同時に、それの配分或いは技術的な料金の徴收方法というようなものもきまつておりませんので、それと一体関係になります割当関係は、まだ実は研究の程度でありましてきまつておりません。大体第一四半期で特に問題になりました点は先ほど申上げた通りであります。
  181. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 只今の御説明の中で落ちておりますのは、最近の産業の伸び方ですね、電力の消費が新らしく殖えたとか、或いは急に増加した産業の不平があるということなんですが、これに対しては今あなたのおつしやつたように、公益事業委員会話合いによつて多少の割当の幅を拡げたという程度で終つているわけですか。
  182. 増岡尚士

    政府委員(増岡尚士君) 特別にこの産業が非常にたくさん伸びたというのは顯著には認められないと思います。全体として産業需用というか、産業生産力が伸びまして、それに応じて電力需用が殖えて来たということでありまして、まあ第一四半期、特に四、五月の割当につきましては、先ほど申上げましたように一部枠を追加したということで大体賄つているというふうな関係であります。
  183. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 増岡産業局長の御説明に対して御発言がありましたら……御質問ありませんか。
  184. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これはさつきの栗山君の料金に対する意見と同じような意味で、公益事業委員会安本と同じ問題があるわけです。私は先ほど第三部長のお話もありました権限云々ということは非常に面白くない問題なんですが、電気というのは御存じのように飽くまでも需用者との関係においで非常に密接に結び付いておるので、一般生産計画一般物価政策等と十分に関連する意味で、公益事業委員会の独善を廃し、同時に電気事業事情を十分に反映する意味安本の独善を廃し、何とかもつとすつきりとした方法で扱われるように、特に私は希望を付けておきたいと思います。
  185. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) さつき栗山さんからも権限の問題について委員長に善処せよという要望がありましたが、政府当局に話して何とか斡旋の労はとつて見たいと思いますのですが、安本公益事業委員会電力割当の問題についても同じ問題だろうと思うのですが……。
  186. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 料金の問題は是非ともやつてもらわないと工合悪いのです。例えば公益事業委員会と物価庁とが二者がこれに当るということでもいいですし、或いは公益事業委員会がやるということでもいい、或いは物価庁がやるということでもいい、どつちかはつきりしておいてもらわないと、今のような恰好ではちよつと調査すると言つても相手がはつきりしないでは工合が悪いと思いますから……。
  187. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 委員長としては二つの問題は政府当局一つ話合つて斡旋して見ます。
  188. 小野義夫

    ○小野義夫君 関連してやはり同じことになると思いますが、この前の安本の適当の際に西田委員長もおられたと思うのですが、自立経済に多少参考されたいというが、自立経済というものはどれぐらいやつたらいいかということで、必ずしも甲乙の関連を嚴格に比較したものではなくて、我々の関連している或る産業のごときは、私の感ずるところ、あんなに余計申出、あんなに余計消費してはどうかと思うような疑問に属するような産業もある。そこでこれはよほど誰でも事業によつて電力さえくれれば、幾らやつてもやるほど利益だという産業もあるし、又成るべく節約をすれはできるというところもあるのです。これは單純な申出とか、需用というようなことに偏するのではなく、よほど刻下の今急務に応ずるための総合的な……一種の心理的な両方の今の公益事業委と安本というだけではなく、やはりこれは衆参両院におきましても、この電力に関する割当等は相当専門的に研究したかたに行かんと、非常にびつこな状態になる慮れが多分にあるのです。この点は委員長におかれて、どういうふうにすればよさそうだという御腹案を一つ皆さんとよく御相談を願つて、恐らく公益委員会安本とけんかしてもこれはなかなか容易に問題は解決しないのじやないかと思います。
  189. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 恐らく権限の奪い合いをやつているわけだろうと思うのです。だからできんことはないと思いますが、いずれ衆議院側の通産委員長とも会いまして、話合つて一つ善処して見ます。
  190. 山川良一

    ○山川良一君 今のは奪い合いではなく、押し付け合いのこともあるのだ。奪い合いならまだいいけれども、押し付け合いのこともある。中国のと電力なんかまさにそうだと思う。到頭直訴に行つたわけです。
  191. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 嚴密に言えば法律解釈の問題になるので、最高裁に持つて行かなければならないというのが最終の段階であると思うのですが、そういう段階に持つて行かないでもどうにか話が付くと思いますから、努力して見ます。
  192. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 法律解釈の問題もありますが、僕は今の段階で今必要なのは、法律解釈でどちらに権限が属するという問題ではないと思うのです。そうではをなくて、今の経済を運行するためにどこのほうが事情をよくわかつていて、どこが中心にやるか、それに対してどこから参考意見を入れるかという実質的なところを中心にして僕は検討してみたいと思うのです。法律解釈ではなしに……。
  193. 西田隆男

    ○委員長(西田隆男君) 承知しました。大分時間も遅くなりましたから、今日の委員会はこれで散会いたします。    午後五時二十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            尾山 三郎君            栗山 良夫君            結城 安次君            佐々木良作君    委員            秋山俊一郎君            石原幹市郎君            小野 義夫君            古池 信三君            山田 節男君            加賀  操君            山川 良一君            小川 久義君            境野 清雄君            東   隆君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    公益事業委員会    委員     松永安左ヱ門君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君    経済安定本部産    業局長     増岡 尚士君    物価庁第三部長 川上 為治君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       渡邊 一郎君   説明員    内閣総理大臣官    房人事課長内閣    総理大臣官房総    務課長代理   栗山 廉平君