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1951-03-15 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十五日(木曜日)    午後一時十八分開会   —————————————   委員の異動 三月五日委員森下政一君辞任につき、 その補欠として椿繁夫君を議長におい て指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気事業編成実施方針に関する  件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から委員会開会いたします。  一昨日の委員長及び理事打合会におきまして決定いたしました順序に従つて、本日は三月三日及び五日に公共事業委員会及び日発配電地方公共団体労働組合等のかたがたから説明並びに御意見を聽取いたしました電気事業編成実施に関する調査を継続いたします。なお時間が許しますならば日発含み資産に関する件、電源開発についても質疑を行い、一応の結論を本日生みたいと考えております。  電気事業編成実施に関する件につきましては、五日の委員会において新会社收支料金地域差との関係を除く株式電源帰属及び人事関係につき一応の質疑をいたしたのでありますが、当局側答弁に明確を欠く事項もあり、又我々の知る範囲におきましては、その後の情勢は悪化こそすれ、好転の曙光は認めがたく、電気事業編成前期途は誠に危惧に堪えないものがあるのであります。本日は三月五日に引続いて人事関係株式関係電源帰属問題等についてなお掘り下げて調査を継続いたしたいと思います。公益事業委員会当局者は、本委員会の意のあるところや洞察されて、従来の行懸りに捉われず、大乗的な立場から誠意ある御答弁を頂くように、特に開会に先立つて要望いたして置きます。  本日は公益事業本員会からは松本公益事業委員長松永委員伊藤委員松田事務総長平井技術長中川経理長が御出席になつております。参考人としましては小坂日発総裁、森副総裁近藤総務部長日発株主である奧村貞太郎君及び新会社收支地域差関係につき説明を願つております清水金次郎君が御出席になつております。  前回調査事項の中で、人事問題は再編成後における影響のみならず、再編成進行途上における支障を来すものと私は考えましたので、北前回委員会における、私から日発の森副総裁に質問をいたしました折に、三月一日の指令案では協力できない旨の言明がありました。又電産執行委員長も、現在のままではストをも辞さないで抗争する旨の発言がありましたので、公益事業委員会に対し輿論のあるところをよく聞かれて善処されるよう強く要望した次第でありますが、その後日発関係情報を探つて見ますというと、森副総裁は、当委員会において発言されたことより、もつと強固な意思表示を何らかなされておるかのように私は情報を得ております。従つて本日の委員会におきましては、先ず第一に人事問題について小坂日発総裁発言を求めるのでありますが、その御発言の前に、小坂日発総裁に対して、私から今までの当委員会における人事問題に関する重要な点について意見を述べて置きたいと思います。  松本公益事業委員会委員長は、当委員会におきましてこの人事問題が審議されまする際の御答弁として、人事は人の和を以て最も尊しとするという御発言が、基本的な問題として答弁をされております。なお会長制社長制等に対する問題につきましては、会長会社の首長として人事権その他一切のことを掌理する者であるという御答弁がなされております。  それからなお松本委員長は、日発側から指令案が決定される前に提出されました取締役中の、社会人と申しますか、有名人と申しますか、そういう人人十数人の申出に対しましては、二人の人がその就任かたを拒否するような状態であり、なお且つ他の人々も就任せられるかどうかという点についても非常に不確実な御返答が日発側からあつたから、こういう人たちは新会社取締役として撰任することができなかつたという御答弁があつております。而も松木委員長は当委員会質疑の際において、日発側から出られるであろうと予測されておる人々は、喜んで協力するという発言日発側代表者から松本委員長に対してなされておる。従つて日発側から出られる取締役人人が、新らしい電力会社重役陣として協力しないということは夢想だにもしないと、こういう御答弁があつております。三月三日、五日の委員会の審査の過程において、先刻申上げましたように日発森町総裁は、現在の公益事業委員会裁定案を強行されるならば、日発側として新会社取締役又は監査役として公益事業委員会で予定されておる人々は、小坂日発総裁行動を共にして、恐らく協力しないであろうという強い御発言がなされており、松本公益事業委員会委員長の御期待された当委員会における御答弁と全く食い違つた情勢が現在の情勢であると私は判断いたしております。  そこで小坂日発総裁は、今私が申述べましたような問題について、あなたの参考人としての御意見の開陳の中において、率直に、簡單意思表示を願いたいと考えます。  先ず人事問題に関しまして小坂日発総裁の御発言を求めます。
  3. 小坂順造

    参考人小坂順造君) 只今委員長の仰せによりまして、私の現在考えておるところを極く平明に申し上げて置きたいと思います。  私はこの電力編成が、日本産業復興の鍵であると思いまして、その点は如何なることよりも重要なことと考えておつたわけであります。この点について松本委員長とは、当時松永委員もよく御同席になりましたが、とにかくこの仕事というものは、物でなくて人であるから、人の和が尊いのであるから、先ず中心的人物考えて、これに両一者のものが合わさつて行つて、局外の有力者をまとめて行くのが、一番各ブロツクの会社の発足に都合がいいのではないかということに意見一致いたしましてだんだん話をしまて九ブロックのうち八ブロックまでは大体他の有力者社長として考える。或いはそのうち一、一は現在の配電社長考え上つたこともあつたのであります。併し東京の問題になつて来て、これは一番重要なところでありますし、これに対しては私は、殊にこの日発関係組合関係が非常に複雑なところでありますので、ここはどうしても日発関係があり、関東配電関係がある人でなければ都合が悪いと思いまして、両方の、日発総裁もし、関東配電社長もし、又前に東京電灯社長をした某氏を適任者として考えておつたのでありますが、この点に対しては委員会の中に異論があつてなかなかまとまらなかつた。そのうちに松本委員長が、一万田日銀総裁がいいじやないかということで、わざわざ私の家にまで尋ねて来て御相談になりまして、私はそれは至極結構です。あの人ならいいでしよう。電気のことはわからなくても、公平な人だからいいと言つて高井君はどうするかと言つたら、高井君は副社長で辛抱してくれることになつておる。こういう話をした。それならそれで結構でしよう。日発でも相当位置のある人を配置したらよかろう、それならよかろう、こういうお話をしたのであります。それから二日ばかり経つて新聞に、新木会長高井社長というので新聞に出ておる。これは変だな、話とは違うと思つて松本さんに電話伺つたところが、どうもいろいろ話の都合でそうなつてしまつたので、承知してくれと、こう言われた。併しこれはなかなか私のほうでも、私一人なら何でもなくそうすることですが、やはり関東には八千の人があつて組合が二つに分れて、なかなかそう簡單には行くわけに行かない。とにかくそれでは困るということで、こういう話をしておる間に、続いて私とお話合いの者が大部分が会長に祭り上げられておる。そうしてその空いた社長には配電社長がずつと入つて来てしまわれたのが発表になつた。公表ではありませんが、新聞には発表になつた。それは困るじやありませんかと、前からそういうお話をしておるのに、どうもそれでは日発立場というものはなくなるし、私はただ日発立場を言うのではなくて、現在の配電仕事のし振りというものについては、諸君も、皆さん御経験があると思いますが、極めて我々が昔骨を折つた時代変つてつて、非常用にルーズであつて、我がままであつて、この仕事のし振りというものをこの機会に改善しなければならないと思つてつた。それには配電社長がそのまま社長であつて従業委員をそのまま使つて日発の者は少し、刺身のつまのように入つたところが、到底改善できるものではないから、これはやはりその方針自分は反対である。而も松本さんは、これは既定のことで止を得ない、既定事定の事実ということを、電報でやるとか何とかいうことでしたから、そういうことだけであなたがそれを陳述しても、私は同意できない。ですからいろいろ電話で、丁度その雪の降つたときで、電話ではお話要領を得ない。使いをやつたりして質問しても要領を得ませんから、それでは私が同意したと思われては困るから、私は同意しないということをはつきり文書で申上げて置く、こういうことになつてしまつたのであります。それから、その後になつて二十五日に、ここにおられる事務総長松田君が行きまして、こんな状態行つては誠に前途憂慮に堪えないからと、いろいろ法規上の関係等もあつたらしいのですが、公益事業委員会は、今まで社長、副社長をきめたものをやめてしまつて、今度は新らしい見地において一つ取締役たちを推薦することにするから、新らしい見地一つ相談したいがどうか、こういうお話がありましたから、それは私の最も望むところである、そういう謙虚なお考えであるならば私も喜んでお話に応ずるということで、二十六日に松本さんと会見して、声明書みたいなものを出したこともあるのです。それから二十六日の午後遅くから日発のほうに来て、共に人事について相談しようということで、森君ほか三、四名参りまして、御相談してみようと思うと、意外にも松本さんが、当時これは今までの行き懸りを捨てて新規にやるとおつしやつたのに、隣りの部屋に配電会社社長が詰めておる。そのほかにも会長に推薦されておる人がいずれも集つて日発の人は誰がいい、彼がいいという話をしている。これではまるで品物の取引をされておるようで、向うはそれぞれおつて、そうして日発の人はどれを入れる、これを入れるという話だけである。丁度宮原君がおられないが、宮原君がそのときであるか、そのあとか、大変うまい例を出して話した、君らのほうでえらいやかましく言つても、向うはもうお座敷ができでて、お膳にお客はついておる。その中へ座蒲団を出して来て、俺のいるところがない、いるところがないと言つてつたつて問題じやないではないかというお話でして、これが公益事業委員会考えかた日発戰災孤兒で、あとから来て何を言うかという心持、この心持が全体を一貫しておるから、この仕事がむずかしくなつて行つた思つておるのであります。そこでそのとき私が一度異議言つたのに対して、松本さんが、会長社長について配電会社の者を社長に入れても差支えない。会長も、今度委員長の説に従りて、全権を持つと、社長日常雑務を扱うものであるから、社長も誰がやつてもよいという御説明であつたのであります。併しどうも私の考えでは、日発従業員が主に接触するものは、会長とかえらい人に会うのではなくて、日常雑務で接触するのが主でありますから、雑務で接触する人が殊に一種の色眼鏡で以て使われておつては困る。こういうことで異議言つたのでありますが、松本さんはどうしても会長という者はすべてをやるものであるからその心配はないということを主張されたのであります。ところがここに松本さんのお話松永君の実際のことと全く意見の甚だしく食い違つたところの問題が出て来て、一層その問題がわからなくなつた公益事業委員会九州村上巧兒という人を会長に推すという考えで、委員長の名で村上君を呼び出されて、村上君は先日の二十三日に来て、それから来たところが、松本さんが病気でお留守であつた。それで松永君のところへ行つて、今度こういうことで呼ばれたが、こういう心得でいいかということを言つたところが、これが意外な話であつて念懣に堪えないと言つて、憤慨して、帰りに私のところへ寄つて行きました。それでなおここに書面でその当時の模様が、誤解があるといけないといつて本人が書いた文書がありますから、もう一遍読んでくれませんか、私は喉が……。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ちよつと小坂総裁お尋ねしますが、今村上巧兒君私信云々と言われておりますが、それは本人に御承諾を求めてありますか。
  5. 小坂順造

    参考人小坂順造君) 本人はそのつもりでおります。それでこれは非常にはつきりしますが、こういうものをくだくだ申上げたくございませんけれども、明瞭にするために一つ
  6. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは朗読を願います。
  7. 森壽五郎

    参考人森壽五郎君) 昭和一十六年二月二十七日、福岡において、村上巧兒。  「松永公益事業委員と会談の要領を記し、昭和二十六年二月二十一日午後十一時四十分安川五郎君より、「松本公益事業委員長の要請により至急上京されたし」との電報を受取り、翌二十二日朝、別府発、二十三日午前十時東京駅着、安川五郎君帯同、同十一時、高輪の通産大臣公館松本委員を訪問したるところ、委員長病気引籠り中の由にて、委員長代理松永安左衞門氏に会見せり。席上松永氏より、新創立の九州電力会社取締役会長に就任されたき旨申出あり、そのときの話。  会長に就任してもみずから社務に当る必要はない。君は一切を佐藤君(社長)に任せて、ただ上置になつておればよい。別府の自宅に常住して、ときどき会社へ顔を出す程度でよい。竹岡も四国電力会長を内諾したが、これにも四国に行かずとも東京の伜のところにでもおればいいと申された次第だ。是非承諾してもらいたいと言う。至つて気楽な話につき、一応先輩友人意見を求める必要もあり、即答を避けて一旦辞去、正午より二、三の知巳と会見の結果、最も重視さるるは、新会社役員人事につき、この人選には会長として当然発言権を與えられ、社長協議して役員選定のことを條件として受諾に決し、午後四時過ぎ安川君同道、松永委員長代理を約束の通り落合の自邸に訪問し、右受諾並びにその條件として、人事協議に興りたき旨回答したるところ、松永氏は、人事はすべて佐藤社長の発案を了承してすでに決定し、印刷に附したるにつき、もはや協議の余地なし、すべて一任の上で、ただ上置会長受諾してもらいたしとのことにつき、それでは到底受諾しがたし、遺憾ながら御辞退する旨を回答せり。」  あとはありますが、これは省略いたします。
  8. 小坂順造

    参考人小坂順造君) 只今文書は、村上君自筆の手紙でありますから間違いございません。こういうことであると、松本さんの言われる、会長が実務をとるのであるから社長は誰でもいいというお話違つて配電社長が全体の責任を持つて仕事を担当するのである。こういうことがはつきりするのであると、ますますどうも私のほうの異議がだから強くなつて行かざるを得ないのであります。そこでこの点について強硬に異議を申しまして、なお折角二十六日に相談を始めたのでありますから、その幾らかなりよその人をとつて、調和するだけの雅量があるならばと思つて……、私は日発配電だけの人で将来の新らしい電気会社が、金を借りて事業を大いに進めて行くことは困難ではないかと思う。今まで日発政府資金で勝手に仕事をしておる時代と違うのであつて、この会社の当事者が責任を負つて仕事をする上には、相当な人が入らなくては無理じやないか、こういうことで当座の思いつきで、少し杜撰であつたかも知れませんが、役員名簿を提出しました。その中には私の友人名取利作君という人がおられる。これを書いて出した。そのほかに新井章治君も出した。そのほかに九州村上巧兒氏を出したのであります。ところがその後松本委員長は森君あたりに、こういうことを君は書いておるが、何も受けるか、受けないかわからんじやないか、名取君は現に息子さんが来て、どうも困る、こういうお話である。村上君は松永君に断わりに行つたという話がある。だからこういうものを書いて出して、後は推して知るべしだから、一顧の価値もないということで以て棒を引かれたということである。ところが名取和作君は、二十七日朝私のところを尋ねて長く話した結果、承知しておつた息子さんは事情を知らないから、親父よりは需用家代表として富士電機の社長和田君を推したほうがいいということを前に言つたことがあるから、そう申込んだという話です。名取君は先日私のところへ来て厚意を受ける受けると言つてつたのを、それをいかんといつてお断りになるのは、実に乱暴だと思う。名取君は、実は受けたということをどこへでも出て証明すると言つてくれております。村上君は、会長は断つたので、あと手紙をよこして、そういう無意味なロボツト的な存在は困るけれども、幾分なり仕事に必要がありとされるならば、喜んでこの老骨を捧げると、こういう手紙を私のところへよこしておる。これもやはり承諾してくれておる。こういうものを拒まれると困る。実に新井君は意外なので、一十六日に来て話したときに、新井君だけは承諾しておられたのである。それを新井君も断わられた。どうも私から見ると、新井君を避けるためにこの二人を例に引いてみんな棒を引かれたのじやないかと思う。つまり新井君が出ると日発の者も非常に安心だし、関東配電にも相当な知己があるわけですから、これが高井亮太郎君の競争相手になる慮れがある。そのために棒を引かれたのじやないか、こういうふうに私は思うのでありまして、すべてこの配電中心としたお膳立をすつかり作られる。こういうことでは一体日本電力界が明朗になるかどうか、サービスが改善されるかどうか配電人々が果してこれからの新しい電力会社を担当するだけの力があるかどうか、こういう疑問を持もまして、私はこれには絶対反対する。こういう相談なら幾らやつて見たとて何にもならんから、相談を打切ろうじやないかということで、諸君に話して相談を打切つておる次第であるのであります。  なお、この頃三日並びに五日の委員会において、私のほうの森君のお尋ねに対して、これでは到底この事業は円滑に行かないだろうということであつた。それに対する意思はどうか、こういうお尋ねでありますが、これは私も甚だ遺憾に思つておるのでありますが、こういう配電中心の、全く配電会社が力を以て日発を乗取つたという感じを持たせるようなやり方、つまり配電会社の連中を、皆安堵させて置いて日発を分取りさせる、こういう考え方では仕事は進まない。いま少し謙虚な考えでなければならぬ。だから或る人は、松永君一色に日本電力は塗り潰されるのか、こんなことでどうするのかと心配している人がある。そういう誤解を受けるようなやり方は避けるべきじやないかと考えているのでありまして、その後皆がどうするかと思つていたら、だんだんこの委員会において今度新取締役に推薦された者が、全部こういう状態では、自分が就任しても部下を統御して一緒に行くことはできないから、これは辞退するから然るべきときに提出してくれと、委員長宛辞退書を皆送つて来ています。ここに皆集まつて来ております。それから課長以上の者は皆連署して支店、本社の首脳部同一行動をとる、こういう状態では到底自分らは安んじて仕事に就くことができない、こういうことを申して来ておるのでありまして、私はそのことを甚だ杞憂しておるのでありまして、この際公益事業委員会がもう少し、深甚なる考慮を用いてもらわなくちや困るのじやないか、こう考えておる次第であります。
  9. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私からもう一言小坂総裁にお伺いしたいのですが、今最後にあなたのお言葉の中に、新会社重役に予定されておる人々松本公益事業委員長宛辞表をあなたに託しておるというお話がありましたが、あなた自身日発の現総裁としての立場から、その辞表をお預りになつて、若しこのままの状態で、公益事業委員会がいささかも訂正することがなかつた場合においては、その辞上衣をあなたは公益事業委員会委員長宛に御発送になるお考えですか、どうですか。
  10. 小坂順造

    参考人小坂順造君) それはただその後の情勢によることでありまして、とにかく五月一日までは私の責任ですから、仕事に障碍があつては困りますから、その成行き如何にかかわらず、現実の仕事は皆精励してもらいたいということを申しておるのであります。それから先のことは、皆の希望がそうである以上は、私お取次ぎするよりほかに仕方がないと思つております。
  11. 西田隆男

    委員長西田隆男君) もう言お尋ねしますが、小坂総裁の今の御答弁によれば、五月一日までは自分責任であるから、日本電力事業の運営に支障を来さないように全幅の努力をする決心だ、こういう御言葉であつたように私は受取りました。従つて日本における現在の電気事業経営者としては、日発配電が二つあります。この日発配電が相協調し、相協力するのでなければ、恐らく将来の日本電気事業経営は円滑に行かないと私は考えるのであります。で小坂さんは、日発総裁として只今までの経過の過程においては、公益事業委員会のとられた態度決定に対して、いささか御不満に感じておられるので、いろいろ御意見をお述べになつておると考えますが、少くとも日発総裁としての小坂順造さんは、今後の日本電力事業の再編成に対しては、必ずしもあなたのお考えになつておる意見が全面的に採用されなくとも、電気事業の再編成に協力するというお考え方であると私は考えておりますが、その点……。
  12. 小坂順造

    参考人小坂順造君) これはおつしやる通りであります。自分主張通りに通らなければならぬなどという考えは決して持つておりません。併し、今までの状態では、とにかく公益事業委員会というものはレギユラトリー・ボデイでレギユレートとするのが第一でありますから、昔の芝居に出て来る代官のようなつもりで(笑声)何でも命令一本槍で行くという態度が改まらない限りは、協力のしようがない。協調するというのは、お話のように双方歩み寄ることである。だからこの態度が改まつて、歩み寄る態度をとられるならば、私は欣然としてこれに応じて御相談いたしたいと思つておるのであります。
  13. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今小坂総裁発言に対して委員諸君質疑を始めてもらいたいと思いますが、その前に小坂総裁の今の御意見の中に、当委員会において松本委員長かお答えになつた、いわゆる会長社長関連性の問題について、本質の問題について今小坂さんから、村上巧兒さんのお手紙を朗読することによつて大分違つたようなお答えを松永委員がされておるということがはつきりしたわけなんですが、それについて私から松本委員長並び松永委員お尋ねしたいのですが、公益事業委員会は、松本委員長がかつねづね言われておるように、五人委員会意見で以てすべてのことを決定したい、今、国会から要求されても、重要な会議をやつているから外せないというような意味合いの御答弁があつたことを私は記憶いたしております。従つて公益事業委員会として決定される問題については、常に意見一致があつたものだと私は考えておりますが、それにもかかわらず、只今村上巧兒さんのお手紙の内容を附いて見ますというと、これが事実であつたかなかつたかは、これは松永さんに聞かなければわからんと思いますが、少くとも表面上は、松本公益事業委員長委員長代理としての松永委員との間に、その間の会長社長本質の問題についての十分な一致はできてなかつたように私には受取れました。この点について松本委員長から御見解を承わり、然る後に松永委員からこの問題に対する村上さんの手紙は本当であつたかなかつたか、そういうことを村上さんに松永さんが言われたか、言われなかつたかということについての御答弁を承わりたいと思います。
  14. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今小坂総裁のいろいろのお話の中には大分行き違いがありますので、これを一々弁解をしますれば相当弁解することはあると思いますが、私はそういうことを今ここで弁解をする、或いは弁解をする結果は、或いは攻撃をするようなことになるので、そういうことを今したくないと思つております。というのは、まだこれから聴聞会があるのでありまして、その結果、前に決定された通りに行くかどうかは全くわからん、今、日発側からいろいろ異議がありますので、こういう異議があつて、そうしてそのままこれを無理に押してやるということは、私は余りいいことじやないと思つております。大概の世の中の争いというのは、相互の誤解から生ずるのでありまして、いろいろ弁解などを事前にやりますとその結果誤解がますます強くなつて来る、互いに反駁をして、自己の意見の正しいことを主張するということは大変面白くないと思います。それで組かい点については、誤解は、又別にこういう公けの席でないところで、二人の間で話合うということはできようと私は思つております。こういうところでそういうことまでは申したくないと思つております。そこで私は……。
  15. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ちよつと御注意しますが、私がお答弁を求めたのは、公益事業委員会として会長社長本質の問題について完全な本人の間に御了解が行つていなかつたように小坂総裁の御発言で承わりましたが、松本委員長はどうお考えになりますかという質問ですから、その質問にだけお答え願いたいと思います。
  16. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) それで、私は今の御質問に対しては何ら委員の間にその点について意見一致がなかつたのではない、そういう意見一致したからこそ双方から出て参つた定款の案を変えたのです。これを変えることについては日発側も各配電側でも皆一致されて任意的に変えて下さつた、それはどういうことかと申すと、会長に関する規定を新たに定款中に、入れることにした、その規定によりますれば、株主総会の招集も、又株主総会の議長となることも、それから取締役会の招集も、又その議長となることも、皆会長があるときには会長がこれをやる、社長ではなくて会長がやるということにした。従つて株主総会においては御承知のようにしばしば白紙委任状を取つて、そうして株主総会の決議を成るべく有利にされるように措置をいたしますが、そういうことも会長の手許にその委任状が集るというようにしたのです。これはそういうようにしようということを委員会できめまして、五人の委員が皆同意して、そうしてそれをきめて、両方の会社にそのことを申出て、日発側も各配電も、その定款の変更は異議なく皆やつて下さつた、そういうことでたしか案が出ておるはずです。そういうことでありますから、会長の権限が強くなつておるということについては、委員の間に別に意見の違いはありませんと私は信じております。ただ実際のことから申せば、会長でも、たとえ社長であつても、必ずしも社長であるが故にすべての事務を自分がやるというのではないのです。世間にあるたくさんの会社の中には、非常な勉強な社長で、日勤をして全部自分が処決されておるというような社長もありますが、併し多くの場合には、社長は殆んど出て来ない、或いは重役会のときだけ出て来てそうしてやつて行くというような社長もある。これは各自のやりかたですから、或いは会長として選ばれる人の中に非常に勉強する人もあるだろうし、或いは大体を握つておればそれでいいというので、日勤はしない会長もできるかも知れない、それは各実際のやりかたの問題であつて、定款の規定の上においては会長が全部の首長になるということになつておるのでありまして、そのことについてはたしか小坂さんにはお話をして、小坂さんもそのことについては御同意だつたと思う。この結果日発側のほうの定款の案もたしか変つて来たように私は記憶しておるのであります。その点だけをお答えいたします。
  17. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今松木委員長の御答弁を承わつておりますと、松永委員村上巧兒氏に対してそういうことを言われたか言われないかという答弁は取つておりませんが、あのお手紙の内容から行くと、松本委員長のお考えかた松永委員考えかたには非常な差があつたということを私は考えられるのであります。で松永委員に御答弁を頂きたいと思います。
  18. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 村上氏の手紙について、只今会長人事関係することができないから、自分会長や辞したというお手紙があつたようでありますが、果してそうでありますれば、これは確かに村上君の思い違いであつたということをはつきり申上げることができるのであります。そうしてこれは今日村上君がいないのに、欠席裁判的に手紙を否認する意味でありませんので、両回とも安川五郎君が一緒でありますから、適当のときに安川君にそのはつきりした根本の間違いをお正しを願いたいと思います。それにつきまして村上君の参られて話されたこと、私が話したこと、簡單に筋だけ申上げます。  御承知の通り二十三日までに経理、人事をきめることになりましたけれども、経理のほうは大体話がつきそうになつて来ております。尤もつかん点もたくさんありますけれども、これはどうも両者でそうきめてもらうよりほかない。さて又人事はだんだん遅れて来ましたから、二十三日に人事を決定する、両者の申合せを決定するということは到底困難になつて、御承知の通りこれは二十八日まで延期し、三月一日に裁定を発表した次第でありまするが、その間三、四日も遅れた間の成り行きについて、今日、今申上げる必要もありませんが、二十二日頃はどうしても日発さんと両方の間にきめなければならんというので、頻りに人事の交流を図りまして、どういう人がどこが適当であるというふうなことで、できる限りの努力をして、もう日もありませんから、やや成案を得つあつたのであります。ところが九州にこの会長制度を置きたいという考え方がだんだん二十日頃から濃厚になつて参りましたので、九州は、会長を願いたいというような人も、追放関係でなかなかそう行かないというふうなこともだんだん発見しまして、それから委員長からも、他の委員からも、九州は喜独で行くか、やはり会長を置くかというようなことで会議をしました結果、やはり何とか置くことに一応しようじやないか。いや遅れたりといえども一つ村上君に来てもらおう。それについて安川君に一遍相談して、安川君は地方の元老であるから、安川君の意見に基いて、結局たしか委員長の名前で安川君が電報を打つて頂いたと思います。で丁度到着されたのは三十三日であつたと思います。で、三日というのは、今日は二十八日にきまりましたから、何でもありませんけれども、非常に切迫して、我々としてぎりぎりの時でありました。丁度その日に見えまして、私も暫く村上君と会わなかつたのでありますが、あの上へ上られるのに跛をひいて、非常に痛々しい姿で安川君と一緒に見えた。その当時委員長はお帰りであつたか、或いは御病気で御欠席であつたか、よく記憶しませんけれども、たしかその後も村上君が来たことも御報告したと記憶しますから、委員会においでであつたと思う。で、取りあえずお留守でありますから、安川君と共に村上君にお目にかかつた。で会長が怠けてもよろしい、一生してよろしいと言うことは、その会長人事を、お前盡さんでもいいというような意味になつておるのが要点でありますけれども、それが違いの三つのポイントでありますから、はつきり申上げて置けば、その人事というのは一体どういうふうにきまりましたかということを村上君が言いますから、人事は、君をお招きするのが大変遅れて、こちらもいろいろやつて見たけれども、いい智慧も出ないし、どうしても君にやはり会長をやつてもらいたいと思う。そういうふうに殆んどだんだん決定しておつたところだから、君はともかくいわゆる老人の態度をとれ、大人の態度をとつて、このきまりかねている、我我の困つておる上に乗つかつてもらいたいという話をしました。その前後に来たときの最初の挨拶に、自分は神経痛で別府の湯に入つて、まあここに安川君から電報も来たし、出て来たのであるけれども、実に足も痛く、苦しい思いをしているという話でしたから、そうであろう、もうお互いに年取つてそういうことはあるけれども、この際君は一応受けてこの難局を解決してくれと、そうすると当分君は、実際は五月からなんだから、その間別府の湯につかり、体を休めてよかろう。それから、のみならず、それが癒らんにしても、老人は、老人らしい役目があるから、会長といつても、必ずしもそう毎日働かなくてもいいことは、旧来の例によつても君は御承知の通り、竹岡君のごときも、多分君の友人だが、君より年上だと思うけれども、これも非常に迷惑がつておるけれども、まあともかくこういうときになつて皆で出て、時局に貢献せにやならんのでお奨めしたわけで、これは昨日、君より早く来たために、遅れ馳せながら四国の人事を御相談する時間があつた。それで今日は、もう如何にも遅れて、今日は決定せんにやならん予定の日であるので、君に、これから人をどうする、こうするという、着替えのできないようになつているという話をしたのであります。人事は即ちそれでありますが、そうしたら村上君の言うように、そうか、それは困つたな、私はいろいろそういうことについても考えもあつたのだが、それがむずかしいということになれば、まあ考えて見にやならんから、一応一つつて考えたい。それから安川君にもよく、大変村上君に来てもらうのが遅れたために、そういうことも相談することもできないのは残念だが、君からもよく話して誤解のないように、又御立腹のないようによく話してくれそれで大分身体の工合も悪いようだからということで、通産省の官邸を送り出したのであります。それからお約束して三時に見えるのが、私の宅に二十三日の四時頃、安川君と同じく又おいでになりました。今度は私の奨める時間も過ぎました。村上君も又自分が病躯そのほかのことを訴える時間もなく、又その必要もなかつたので、端的に村上君の質問がありました。そのことは、もはや自分が来て、今日の書の、午前の話の通りに、人事を動かすことができないというならば、僕はどうもその上にただ乗つかるという会長ならばお断わりしようかと思う、何とかそれを考える余地があるのか。で、今日晝申上げた通りに、如何にも時が遅れたのだから、そのことを今御相談するとか、或いは人を差替えるということは今日殆んど不可能になつておるのであるが、どうかそういうことを言わないで、それで君は会長をお引受け下さると、我々非常に仕合せに思うのである。安川君、君からも一つお奨めを願いたい。で安川君は、村上君どうするという話でありましたが、いや、安川君、自分はそれならば考えを飜す考えはないから、やはり大体お受けせんことにするというのでありましたから、そのまま、もう少し君話して行き給えと言いましたけれども、そのときは割合に早く、第二回はお帰りになりました。それが私の、人事で、会長になつた後に会社人事発言権がないとか何とかいうような、何ら話の筋にまで行つていないときであります。要するに新会社創立の重役社長は誰がよかろう、誰はよかろう、日発からどんな人が入ろうというので、漸く多少の組合せがややできておる、その日の人事の問題でありましたことをはつきり申上げまして、村上君の手紙人事というのが、会長になつた後の人事である、それを松永は、会長の、今はさような意味じやないというようなことのために、松本委員長の言われた、新定款による会長人事権がないかのごとき考えを、私が村上君に申上げた、或いはその後も私がさような発言をしているというようなことは、事実ございませんのですから、この点はつきり弁解して置きます。
  19. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今小坂氏、松本委員長松永委員から御発言がありました。委員長としてもう少し突込んで聞きたいと思いますが、余り委員長発言が多いと思いますから、あと委員長は一割してまとめて申上げたいと思います。三氏の御発言についてそれじや委員諸君の御発言を願います。
  20. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 この今の御発言に対する質問ですが、若しでき得るならば三人のかたの発言大分食い違つておると思います。従つて我々が質問を引き出すよりは、そこで委員長発言を求められて、食い違いを三者の間に質して頂きたいと思います。若しそれができない、或いは途中で暗礁に乗り上げるならば、そのときから私ども委員のほうに一般の質問を許して頂く、こういうふうな議事進行をお願いしたら如何かと、こう思うのでありますが……。
  21. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ちよつと、どういう意味ですか。
  22. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 すぐに議員の質問に入らずに、三者の言われたのに、事実に対する食い違いがあると思いますから、この食い違いを是正する意味で、今三者の発言の中で食い違いの分について、三者の間からそれを正すための発言があればこれを許されて、三者の間の話を先ず承わる。それをもう少し聞かしてもらいたい。おのおのの質疑応答をもう少し聞かしてもらいたい。そうしてその後に私どもの質問を許して頂く、こういうふうにお願いできないだろうかということです。
  23. 西田隆男

    委員長西田隆男君) わかりました。佐々木さんの議事進行についての発言がありましたが、そう取計らいまして差支えありませんか。御発言もないようですから、そういうふうに計らいます。  それでは今松永委員松本委員長小坂順造君、三者の御発言に対して食い違いの点に対する発言を求められれば、委員長許可いたします。
  24. 小坂順造

    参考人小坂順造君) 只今松永君のお話だと、村上氏との間に非常に和気靄々たる僚友同士のお話のようですが、私は本人からも聞いておりまして、それと全く違うので、ここに二十五日の産業経済新聞と大阪新聞村上君が意味を発表しておる、それに対して村上君から、電報で、あの通りであるから承知してくれと言つて来たのです。なおこれだけではどうかと思つて、私に今の書面を送つてよこしたので、やはりその書面には、人事はもうきまつて印刷に附してあるから、今頃そんなこと言うようではだめだと、こう言つたが、私は実際最初の人事に口を出せないのでは、到底自分の職責を全うすることはできない。頗る……、そして君は別府で、高給を取つて、温泉に入つておればいいじやないか、こう言うのは、人を侮辱するも甚だしいと、こう言つてつてつた。だからそこは松永君の考えるように、村上氏は厚意に受けておらないということは確かだと思います。私は、だからここでこんなことを故意に持出したのではないということだけ一言お話することが必要だと思います。
  25. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ほかに御発言ございますか。    〔参考人奥村貞太郎君発言の許可を求む〕
  26. 西田隆男

    委員長西田隆男君) あなたは株主の株の問題について御発言を願うために参考人としてお呼びしてあるのですから……。適当な時期に発言を許します。  今小坂さんから御意見がありましたが、松永さん御意見ありませんか。
  27. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 別にありません。若し私は……、私なり、あなたの今の点ですが、何だかその点だけは大いな食い違いのようですから、その事柄の明細は安川五郎君からどうぞお聞きを願いたいと思います。
  28. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それではもう一つ私からお伺いしますが、松本委員長は当委員会において人事をきめる場合は、先ず中心になる人をきめて、そうしてその中心になる人、言い換えれば会長社長という意味でしよう、そういう人を予定して置いて、その人の御意見を十分に聞いて、その人に協力できるような態勢の経営者陣を作らなければ人事というものはうまく行かんし、事業の運営もうまく行かんのだという意味の御発言がたびたびこの委員会でなされております。然るに今松永委員の御意見を伺いますというと、重役陣がもうきまつてしまつて、勿論日数の関係もあつただろうとは考えますが、村上巧兒氏会長になつても、九州のほうの重役陣は変更が今できないのだ、これは永久にとは松永さんおつしやつていませんが、できないのだという前提に基いて会長になつて頂くということを言われたように私は承わつております。従つてそのとき決定されておつた重役陣の変更は困難でありましようけれども、若し村上さんがこれこれ、これこれのものを九州重役の中に入れでもらいたいという御発言があつたと仮定しましたならば、松永さんは、松本委員長の言われたような人事構成が電気事業の運営のために必須の用件であるとするならば、二、三の人に対しては十二分に村上君のお話を聞かれて、御選衡になる用意くらいはなからねば、今松永さんの言われたことは正当でないというふうに私は事実受取れるのですが、そういうお話がその際出たか、出なかつたか、二、三の人間の入替えということすらもできないということを、松永さんは拒否されたのか、或いは村上さんのお話が出た際に、いやそれくらいのことならば何とかしましようという御意見の御開陳があつたのか、この点は一つ松永さんの御意見を伺いたい。
  29. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 只今お話は御尤もな話でありますが、その場合、前者の場合、第一回にお目にかかるときに、村上氏が多少の御腹案があるとか或いは何かこういう考えがあるが、これはどうかというような場合がありましたら、そういう問題に無論入り得られると思つたのでありまして、然るにそのときは、本人もお考えがまだ熟さなかつたのでもありましよう、私どもの又考えも熟しなかつたかも知れませんが、とにかく君は身体が悪いというから、だが実際我々も困つているのだ、ともかく会長という一つ上役になつてくれんか、人事の大体はもう昨日あたりまでにきめんならんのが、漸く今日あたりまでに大体目先の人の差繰り等も、公益委員会が中に立つて通りきまつているから、それを今君が言い出して、社長はいかんとか、何とか言い出すと、話がむずかしくなるというような意味を以てしまして、社長を差繰つてはいかんとか、何とかいうことは言わなかつたと思いますけれども、若しそういう話がどこかに出ておりますと、話の余地はあつたと思いまするが、又大体はもはや非常に遅れているから、今は黙つてつてもらいたい、今は無條件でなつてもらいたいというような意味を申上げたことは確かであります。
  30. 西田隆男

    委員長西田隆男君) もう一言お聞きしますが、村上さんと松永委員との関係は、どちらも昔からの御友人であるし、どちらも電気事業に対しては、若い時代から携わつておられた人で、特に松永さんと村上さんとの御両者の間で意思の疎通を欠くというような間柄ではないと、私承知しておるのですが、特に日本電力事業の再編成に当つて重要な問題である会長を引受けてくれるというようなときに、もう少し虚心坦懐に、本当に腹を割つた話がお二方の間でできなかつたということは、如何にも私は残念なことだと感じます。この問題に対して、もう追及はいたしませんが、もう一度聞きたいことは、松永さんがさつき御発言中、二十三日に村上さんに午前午後会われた、こういう御発言がありましたが、その通りですか。
  31. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 昨日誰かが二十日手紙云々というのをどこかで聞きましたから、そのこと々私の秘書に調べさして見たら、二十三日ということでありますから、二十三日と今日申上げて置きます。
  32. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 二月の二十三日ですね。
  33. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) さようでございます。
  34. 西田隆男

    委員長西田隆男君) そうすると、私の聞いておりますところによると、二十三日は衆議院の予算委員会から呼ばれておられたはずだと私は記憶していますが、御病気で御出席はできないというような御返答が予算委員会にあつた。私傍聴しておりましたが、そういうふうなことでしたが、御病気で御出席ができなかつたにもかかわらず、二十三日に午前午後とも村上さんにお会いになつたというと、どうも我々国会議員の一員として、練達勘能の士であるはずの松永さん、憲法を恪守するというお約束をされた松永さんにして見ると、国会軽視の傾向があるように考えられますが、(「異議なし」と呼ぶ者あり)日にちは間違いありませんか。
  35. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) ちよつと今そのことでよくわかりました。その前日から、連日の会合及び人事の決定で通産大臣官邸に詰めまして、二十二、三日頃は委員長大分お体がお弱りになつてつた。(「そんなことはどうでもいい」と呼ぶ者あり)私も軽いめまいが二、三度しまして、冒してその日、二十三日は出ておりました。村上君が来るということも前にかかりましたので、朝早く帰つて休みたいと思つておりましたけれども、村上君に会つてみたい、委員長は何かお忙しいことであり、お疲れもあつた日であり、私も努力して村上君に会い、そのときも村上君にも、君も弱いが、僕もこの通りで、今日は家に帰つて寝なきやならんようになつておる、どうか一つお互い老人奮発しようじやないかと言つて、それじや三時頃行こうというので、私は村上君に午前会うて、そのまま家に帰つて休んでおりました。で村上君の来たときは、起きまして、安川君と三人で寝床から起きてお話をしたような次第で、そりときも議会のほうも欠席を申上げたかと思いますが、御承知の通り随分連日その問題で働いておりまして、結果非常に疲労し病気したような次第で、決して国会を軽んずるというような意味は、今日も持つておりません。その当時の心構えもそういう意味でなかつたことだけははつきり申上げて置きたいと思います。
  36. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 重ねて私から申上げますが、なぜ私がこういうことを特に松永委員に申上げるかということは、松永委員自身を攻撃しようという考え方ではありません。当参議院の委員会におきましてもこの前三月の五日の日に初めてあなた御出席になつて、一応あなたが御出席にならなかつたことは解消いたしておりまするけれども、再三再四御出席をお願いしたにもかかわらず、常に病気病気だというようなことで御出席になつていない。特に人に会われながら衆議院の予算委員会に対しても御出席になつていない。今あなたの国会を軽視していないというお言葉を私はそのまますなおに受入れますが、どうか松永さんに対しては国会を軽視されておるのではないかという問題で随分私自身が議員諸君から攻撃を受けたような状態でありますのが、もう電力の再編成の問題も大体大詰めに来ておると考えますから、どうか今あなたが御発言されましたように、国会を軽視されずに、国会の意思を十二分に御尊重になつて、本当にまじめに今日今から質問があるであろうというあなたの御答弁一つして頂きたいことを重ねてこの際私から強くお願いをいたして置きます。  佐々木君の御動議がありましたが、御三者の間で格別意見の交換もないようですから、今から議員諸君の御発言を願いたいと思います。
  37. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 委員長から大分具体的な御質問がありましたので、補足的な意味で一、二点だけ最初御質問申上げたいと思います。会長制度の問題と、実際に新らしい会社中心人物という意味であと会長ということになつた人を人選する経緯等につきましては、松本委員長松永委員との御答弁に、形式的にはいろいろ辻褄を合せられますけれども、実質的には非常に食い違いが私はあると思います。そこで松本委員長に対しまして、先ず形式的な辻褄を合せるために一つお伺いしたいと思いますが、松本委員長は、委員会ではつきりときめて、会長というものはこういうもので今度はこういう会長制になるのだということをきめてやつたのだから相違はないと言われますが、いつでもそう言われますので、何月何日の委員会でそれを決定されたか、そうしてその記録をお知らせ願いたいと思います。
  38. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私はどうも記憶が悪うございましてね。いつの委員会でどういうようにしてきめたというようなことは覚えておりません。併し事は出て来ておる定款の案を各会社に対して変えてもらうということを言つて、各社がこれに応じて、十社が変えられたのです。これは勿論委員会の全部の人が集まつての決議があつてのみできまること、ただそういう決議についていつだつたということは、或いは事務総長か何かのほうに記録があるかどうか、存じません。
  39. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 記録があるかどうか存じませんというのはどういうわけですか。記録は議決に至つたやつは、当然に記録がなければならないし、公開する義務があるはずです。委員長としてそれを御存じないはずはないと思うのです。松田事務総長でも結構です。大体いつ頃、先ほどの村上さんに会つた日が何日だかん日だというようなことがわかりながら、正式にこの委員会会長制度が論ぜられて、会長とは新会社の首長であつて人事権その他を総掌するというふうにきめたと言われるのですから、それは大体いつ頃であるということを忘れられるというのもおかしいのですが、資料はあとからでも結構ですが、大体いつ頃ですか。
  40. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 議決事項は作つておりますのですが、私も今正確にその日が何日であつたかということは記憶がございませんけれども、恐らく今の再編成計画書の提出される前後だと思います。
  41. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 前後と言いますと、何日頃ですか。
  42. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) ですから、二月の八日でございますね、その前後であつたように私は記憶しております。
  43. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 二月の八日前後という話ですが、それはその記録はいつこの委員会なり、私どもに御提出或いは見せて頂くことができますか。
  44. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) これは至急御提出するようにいたします。
  45. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 大体いつ頃でございましようか。
  46. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 一両日のうちには、御要求がございますればお出しいたします。
  47. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 大体二月の八日前後に会長制度をきめて、こういう会長だということにきめてやられたという話で、記録も出されるというお話、誠に結構だと思いますけれどもり私の聞くところによりますと、これは私ははつきりつと恐らく嘘であることを申上げたい。二月の八日の時分に会長制度の問題があつたのであるならば、そうして松本委員長お話によりますと、その当時はたびたび小坂総裁中心人物になる人についてのお話をされたということです。そのときに、たびたび会つておられるときに会長制度の問題が現実に出て、そして決定されているというようなことがあるならば、それを小坂総裁に故意に隠されるか、或いはその他何らかの理由によつてこいつを伏せておられるかせられない限り、今小坂総裁が言われたような意味での食い違いはないはずです。而も私どもが現実に聞いておりましたのも、二月八日前後というのは実際受取れない話でありまして、このときにはまだ、そういう形式的にはあとで、恐らく人間の工作が先にされておつたことを私どもよく承知しております。私はこれと関連して小坂総裁にお伺いしたいと思うのですが、今のお話によりますと、八日前後に会長制度というものの相談委員会になされておつて、そしてその会長になる者が中心人物であるということを前提にして人選が進められておつたというふうに我々感ずるのですが、小坂総裁に非公式ながら相談があるとかあつたとかという際に、そういうお話があつたかどうか、それであるならば社長会長との食い違いはないはずなんですが、聞いておられたかどうか、小坂総裁にちよつとお伺いして置きたいと思います。
  48. 小坂順造

    参考人小坂順造君) それは私の了解するところでは、土地の事情による、だから初めから関西のような大きなところは会長制と両方あつたがよかろうということで私は同意したことを覚えております。その代り会長社長ともに局外の新人を起用するということで同意したといとことを覚えております。東京の場合については、先ほど申上げました通り、新木君を御至嘱されて、私も非常に立派な人で結構だということで同意した。そのときは新木君が、社長の話であつたが、それが会長になつて高井君が社長になるという店は私何も伺わなかつた。それからそれに対する異論を言うてから、その後は私は何も御相談にあずかつておらないのであります。私が強いて御相談にあずかる資格はないかも知れん。ただ仕事を円満に運ぶためには私にも御相談になるほうが結構じやないかと思いますけれども、その後は御相談にあずかつておらないので、その後のことは承知しておらないのであります。
  49. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 先ほどの資料の問題、要求だけして置きたいと思いますが、今八日前後にこれを一正式に決定されたというお話でありますが、これも含めまして、従来の委員会の経過と決定についての記録は一両日中に御提出願いたいと思います。これは御注文申上げて置きます。  それから今度松永委員に対してちよつとお聞きしたいと思いますが、衆議院の委員会が何かで、これは新聞の恐らく間違いだろうと思いますが、当然に会長というようなものは実質的なロボツトだというふうな式の発言をされておるやに聞いておりますけれども形式の如何は問わず、実質的にそのような御答弁或いは御発言をされたことがおありになりますか、どうか。
  50. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) どうもそういう発言をしたことはないと思います。
  51. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ではもう少し先に戻りまして、同じ新聞記事に、大体日発総裁、副総裁とか、そういうものがこの人事に対して我々と対等なかつこうでものを言うのは、けしからん、言うことがあるなら陳情の形式で持つて来い、そうあるべきが然るべきだ、大体対等なものじやないのだというふうなことを言われたと、これも新聞にはつきり、私は新聞を切抜いて持つておりますけれども、出ておりました。これは松本委員長に質問したときには、新聞というものはよく間違うものだからそんなことはないはずだと思うけれども云々というような答弁がありましたけれども、松永委員はそういうことを言われたことはないかどうか、これも念のために。
  52. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) それも松本委員長が言われたような意味において、私もいろいろ新聞に誤り伝えられたことがたくさんあると思いますが、それも誤り伝えられた一つであることを申上げて置きます。
  53. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、この人事問題その他につきましても、日発側から正式にものを言うということは当然だ、言つていい、つまり上下の間の関係で、なくて、当然に言つていいというふうにお考えになつていると了解してよろしいですか。
  54. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) その点、新聞お話と一緒に結びつけて御返事することは多少混雑を来たすかと思いますから……。私人事及び経理について委員会立場というものは、たびたび委員長からも或いは先般私からも申上げたかと思いますが、要するに両者の間でお話合が成立つように、そうしてその成立つたことを我々はお取継ぎするようにしたいと思つて苦心をしておりました。最後まで二十三日にきまらなかつたのはそれでありまして、日を延ばしてでもどうしても人事も両方の歩み寄りを待とうじやないか、計算もできるだけ両者の納得の行くようにしようじやないかというので遂に二十三日に決定、決定という言葉は悪いかも知れません、きめたいということで、五日間延期するようなことになりました。そうしてどちらかというと、私どもは居中調停の労をとる、今度積極的に居中調停の労をとつて、できるだけ両者の歩み寄りを図つたものであります。もとより日発のお申出について耳を傾けんどころじやない、むしろ日発のお申出が遅れることを催促し、委員会としましてもわざわざ委員長を煩わして、委員長自身がお出向きになつてそうして何とか話合をしてくれんかということを御依頼になつたことは、私どもがよく記憶しておるところであります。今のお話にお答えしますのは、委員会そのものも、又委員会の一人としても、自分たちが役所である、お前たちと対等なものでない、そういう法例の、何か知らんが、それが法例の立場としますれば、そういう法例の立場に立つてものを申上げるどころの騒ぎじやなくて、むしろ私どもから辞を低くしておいでを願い、出席が遅ければ電話をかけ、それでも猶予ならん場合は委員長みずからお出かけになつて事の進行を図つたことは明らかな事実でありまして、これはその当時十九日から官邸に詰めておられた配電のかたがた、そのほかどなたかもおいでになつたと思いますが、そのかたがたがよく御承知になつておることでありまして、私の先刻の病気云々も、そういう非常に苦労をしたことだけは申上げて差支えないかと思います。
  55. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私ばかり時間をとつて誠に恐縮ですが、あと二、三一つお許し願いたいと思います。先ほどの新聞の云々に対して、そういうことを言つたことはない、間違いだというお話でありますが、今日三月十五日附の朝日新聞の枠の申にはつきりとそういう記事がありますから、若し間違つておるとするならば、新聞社のほうとかけ合われるなり、取消されるなり、適当な処置をお願いしたいと思います。これはお願いして置きます。  それから今の松永委員お話の中で、両者の間で話合ができるのを待つて、できない点を調整云々ということを、非常に丁寧に順序を進めたように言われましたが、それと、今申されましたことと、先ほどの会長制度の問題にからんでの村上氏との会見状態等、つき合せながらお考え願いたいと思う。そのときには村上氏に会われたのは、少し日にちが合うかどうか知りませんが、二十三日というお話である。そしてそれには村上氏が会長になられるときにはもうそんなに社長以下の人事を動かせないような程度に熟しておる、そういうふうになつておるからちよつと無理だということを、つまり人事に手をつけることがちよつと無理だということを松永さんは言われております。そしてその前提として今言われたのは、両者の間によく話合ができて、できん分だけを云々と言われております。九州人事につきまして、その当時日発配電との間にそんなに二進も三進も行かない、つまりこの村上氏一点だけ、それ以外は両者の間に十分に協議が整つた状態にあつたかどうか、私は丁度逆なような噂を聞いておりますが、村上氏の交渉を二十三日にされたときに、そのときに日発配電との間、特に九州におきまして殆んど協議が整つて村上氏の問題だけ、村上会長という問題だけに論議がまとまらないというような状態にあつたかどうか、お答えを願いたいと思います。
  56. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) その問題も他の日発配電間の人事も同様とは申上げかねますけれども、両者の協議が常に日を逐うて毎日々々確定しておるということはまだなつておらんのでありますが、殊にこの東東における大きな問題等あり、一方固まりかかつてつたところがあり、只今一々のことについて記憶は新たにして申上げることは困難でありますが、私が人事がきまりかかつておる云々というのは、先刻も、繰返し申せば二十三日頃までにどうしてもやりたいというので、私どもは相当……日発から通知が参つたのは十六日ですか、十六日の日発申出に対して九州方面の人事も一通り日発申出を取入れまして、そしてここに一つの、先ずこれならば日発との協定は行けるものであるという見地に立つて、事を進め、そしてその点においては先刻からたびたび申上げるように、やや成案を得てもはやこれを自由に動かすということは、又根本から日発さんとの協調もしなければなりません、他の方面に非常な澁滞を来たす慮れがありましたので、村上君にはその事情を説いて一通り御了承を願つたわけであります。先刻委員長の御注意の通りに、いま少し時間をかけて懇切に言うておりましたならば、先刻村上君の手紙のような誤解或いは悪感情等もなかつたかと思いまするが、如何にもその日……只今思い出しましたが、私はそういう忙しい中に宅に帰つて休みませんならんようなことでありましたので、又二度目に村上君と会えると思いまして、詳しいことを申上げなかつたかと思います。
  57. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 政府委員として、私は非常に松永委員言葉を遺憾に思います。次々に言われることが矛盾だらけです。私は非常にその点を遺憾に思います。先ほども言われたように、それから松本委員長も、三日でしたか五日でしたかの委員会で言われておるように、この人事相談日発が非協力のために日発との相談は現実にできなかつた。だから仕方なしに配電から出ておるのだけを参考にして殆んどその通りつたということを言つておられる。そして令の場合には、九州の問題の場合には殆んど会長だけを除いて、ほかのが日発配電との協議が整つたかのごとく言われる。御老人であるとしても、余り食い違いなりその理論の矛盾が私は多過ぎると思う。別な機会に追及するとしまして、私だけが余り時間を取ることを差控えたいと思いますので、この辺で一応質問を終りたいと思いますけれども、ともかくも先ほどから松永委員の言われておることは、殆んど内容的な矛盾横着だらけである。これをしも又この委員会と言いますか、国会を尊重してものを言つておられるというふうに私聞えないので、強く遺憾の意を表して置きたいと思います。同時に委員長に対しまして、これはもうとてもこういうことでははつきりすることは不可能だと思いますので、近々のうちに必要な、参考人でなくてむしろ必要な証人をお呼び願いまして、この必要な証人の上に立つて、今の問題についてもう少しはつきりとした内容を質すチヤンスを與えられることをお願いして置きたいと思います。  それから更にもう一つ新聞の引例がいつも出て恐縮なんですが、先ほど松永委員は何も答えられないままになつておりますけれども、先ほど申しました十五日附、今日附の朝日新聞の中にはつきりと松永氏が十四日の衆議院の通産委員会で新電力会社会長社長との関係は今までの実業界の通念と同じだと言つて会社の実権は実際上社長が握るのだということを言明されたというふうに載つかつておる。どうか私は新聞の間違いであることを希望いたしますけれども、実は私もあの委員会を傍聴しておりましたが、似たようなことをおつしやつたような記憶がありますので、而もこれは委員としての単独の問題であるだけでなく、私は委員長としても責任があると思います。この辺の責任を持たれてこの前の委員会でも私は松本委員長に申しましたが、政治責任の問題をもう少し十分にお考え願いたいと思います。なお先ほどの記録の問題につきましては一両日中に事務総長からお出しを願うということになつておりますから、それを見た上のことにしたいと思いますが、漏れ聞くところによりますと、十二月発足以来正式の委員会を持たれたのはたつた二回だと私は聞いております。恐らく嘘と否定されるだろうと思いますが、ともかくそのような正式の委員会を持たれたのは二回だというような噂さえ出ておる。松本委員長は大法律家でありますから適当に言われるだろうと思いますけれども、実際にそういう噂さえ出ておる。そうしてたびたびの記録の請求にもかかわらず、決定事項だけ云々とか、或いは又整理中だとか言つて、実際は持廻り委員会のような委員会を開いたことにして一生懸命作成中であるということを私は知つております。まあそういう言いがかりは別としまして、委員会内部の運用は必ずしも法規に基いた運用はされていないと思う。そうして特に松本委員長に対して私は要望して置きたいと思いますが、松永個人という問題と松永委員という問題とを使い分けを盛んにされておるらしいのですが、個人であれ、松永委員であれ、委員会の決定以外には松永委員としての仕事は何もない、電気に対する公の権限も何もないということを御記憶願いたいと思います。新らしい制度の委員会におきましては委員だけで新らしい権限を持つておりませんし、個人が恫喝か何かの手を用いない限り意思を通ずる方法はないわけです。委員会の正式決定以外には何らの強制力を持つておりません、そして拘束力も持つていないということを十分御承知の上で、この数カ月委員としての任務をやつておられることだろうと思いますけれども、ままそうでない面があちらこちらで聞く場合が多いのでありますから、私はくれぐれもこの点を御注意申上げて置きたいと思います。言い過ぎた点は御了承願いたいと思いますが、大変長いこと私一人で時間を取りましたので、同僚諸君あとの質問を譲りまして一応今の私の質問を打切りたいと思います。
  58. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 佐々木君の私に対する御要望みたいな御発言がありましたので、お答えいたしますが、証人喚問云々の問題は当委員会の本日の終了間際に委員諸君の御意見を承わつて決定いたしたいと思います。
  59. 古池信三

    ○古池信三君 委員長から発言を許されましたから、私から意見を述べ、又公益事業委員の御答弁を頂きたいと思います。私は本月は松永委員お尋ねをいたしたいと存じますが、私も坐つたまま失礼いたしましてお尋ねをいたしますから、御老体でありますからどうぞお坐りになつたまま御答えをお願いいたしたいと存じます。  実は私最近参議院から派遣をされまして、電力問題の調査に北陸、中部、関西等廻つてつたのであります。昨日帰つてつたのでありまするが、その間どの地区に行きましても、今回の荷編成の問題、更に公益事業委員会のなされましたことに対しまして、相当な批判がなされておる、それをよく私聞いて参つたのであります。これは各地区の国民の声でありまして、私の声ではありませんから、さように御承知を願いたいと思います。その地方の批判の的になつておりまする問題としましては、或いは株式の問題、或いは電源帰属の問題、更に又この人事の問題がありました。只今は私はそのうち人事の問題につきまして一言申上げて見たいと思うのであります。何故私が人事の問題を重要視して申すかといいますると私は特に人事に関して関心を持つておるわけでも何でもないのであります。ただ私が考えまするところでは、如何に設備がよくとも、如何に組織が立派にできましても、その人事が悪くては、その事業はすでに立派には発達しない、運営されないということを確信いたしまするが故に、人事の問題を申上げたいのであります。例えば私は人事は扇の要のようなものであろうと思うのでありまして、如何にその扇が立派にできておつても、或いは又名人の絵が描いてあつても、極く小さなものに見える米粒ほどの要がぐらぐらして、これが腐つてつたんでは、或いはこれが弛んでおつたんでは、その扇は用をなしません。或いは今回の再編成の問題におきましても、無論電源帰属の問題も大事であります。或いは資産の内容も大事でありますけれども、何をおいても私は、最も大事なものはこの人事の問題であろうと思います。その人事をおきめになるのは今であります。今ここで公益専業委員会の御処置が万が一誤つたならば、悔を私は百年の後に残すと思う。これによつて我が日本の受けまする被害というものは、損害というものは、誠に測り知るべからざるものがある、かように私は考えまするが故に、憂国の至情かもこのことを私は出上げたい。又将来の電気事業を憂うるが故に申上げるのでありますから、さよう御承知を願いたいと思います。先ずこの人の問題につきましては、勿論人格、識見、力量の優れたかたを選ばれるべきことは当然でありまするが、もう一つ大事なことはその中の和であります。それにつきましては、毎々松本委員長から、和を以て尊しとするということを承わつております。我が日本としましては、聖徳太子以来和を以て尊しとすることは、最も私は大事な、又尊い言葉であると信じておるのでありまするが、果して今回の人事において和を以て尊しとなすという原則が貫かれておるかどうか、これについて私はお尋ねをいたしたいのであります。先般三月五日の当委員会におきまして、私が松永委員にお伺いをいたしまして、今回の電力問題の人事については、如何にも公益事業委員会としては不手際ではありませんか、とこうお尋ねをしましたに対して、松永委員は極めて率直に、誠に不手際であつた、かようにお答えを受けておるのであります。私はこの率直なる御態度につきましては一応満足をしたのでありまするけれども、併し物事には不手際だつた言つてつてそれで済む問題と済まん問題とあります。今回の人事問題につきましては、ただ不手際だつた、いろいろそれには御弁解の事情がありましよう。大雪が降つたとか(笑声)或いは時間がなかつたとかいろいろ御事情はありましようけれども、不手際だつたというだけで、それで終つてしまうべき問題ではない。又終らせてはならん問題だと思うのであります。若しまずかつたということにお気付きになつたならば、飽くまでこれを改正して少しでもよりよい道に引き直すということが私は大事ではないかと思うのであります。松永さんは昭和の大茶人と私は承わつております。伝聞しておるのであります。どうかその大茶人の風格を以て率直に今までの行きがかりなどを離れて、本当に国を憂うる立場から公正に一つおきめを願いたいと思うのであります。それにつきまして、先般の委員会において、私は国会の意見、その他国の輿論、人の声を十分お聞きになつて、その人事問題についてはよく御検討御反省になつて改正される御意思があるかどうかということをお尋ねいたしましたのに対して、松永さんは十分その間にできるだけの努力をいたす、こういうお答えがあつたのであります。それで私はこのお答えに対して非常な期待を持ち、希望を持つてつておるのでありまするが、それ以来すでに十日を経ておるのであります。その間にこの国会議員としての私どもの発言をお考え下さつて、又そのときの御答弁に即して如何なる努力をなさいましたか、先ずこれについてお尋ねをいたしたい。
  60. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) その後こちらに伺つたのは五日頃と思います。お話のことにつきましては松本委員長にも御報告をし、他のたくさんの委員のかたがたにもお話をしまして、できるだけ御趣意に副うてあらゆる考慮を拂つて善処したいと思つて、皆さんその点において全く御同感で、委員長初め各委員ともそういう方面については努力いたしておるつもりでございます。
  61. 古池信三

    ○古池信三君 只今極めて抽象的に、勢力をいたしておる、こういう御答弁でありました。これは恐らく誰でもできる御答弁だと思いますが、私が申しましたのは、現在問題になつておりますのは、この当事者即ち配電会社側と日本発送電側との間の意思が疏通しない、意見の相違がある、そのために人事問題は非常な暗礁に乗上げておるように承知しておるのであります。従つて松永委員とせられましては、先ず配電会社側のほうは大体納得しておる人が多いように思います。勿論その中には相当な不平不満を抱いておる人もあると私は考えますけれども、併し特に正面からこれに反対を表明しておられるのは、日本発送電会社の側であります。只今のお言葉によりますと、この前の委員会以後十日の間に相当真劍に御努力なさつておるという抽象的な御答弁でありましたから、然らばこの日発側に対しましてどういう働きかけ、どういう御努力をなさつたか、これについてもう少し具体的にお示しを願いたいと思います。
  62. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 坐りましたままでお許しを願いまして……もとより先刻申上げましたように、委員長に御相談し、御報告し、他の委員ともそれぞれ協力はいたしておりまするが、このことにつきまして委員長のほうに大体情報をまとめ、又これまでの行きがかり上も委員長に多く日発側関係をお願いしております。余りバラバラにやりますことは却つて感情的にも成行き的にもものが紛糾いたしますので、幸いに私どもの委員長は前から小坂総裁とも、或いは他の方面とも、親しく個人的にもお話になつておりまするので、その後も大体委員長をお助けしておるつもりでおりまするから、若しよかつた委員長から然るべく……。
  63. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私自身はまだ小坂さんにはほんの他の機会においてお目にかかつて、そうして極く簡單なことを申上げたくらいでありますが、私のほうの委員の或る一人は小坂さんのところへ上つていろいろ御相談もしましたし、今現にそのことを続けるつもりでおる。先ほども申しましたように、私はそういうように御相談をしてやるということは必要だと思う。これから先新らしくできる会社が、できたはいいが、すぐと中でいろいろごたごたがあるということは非常に困る、どうか一つ意思を疏通させたいという考えで、併しこれは成るべくその意味において弁解がましいことを今までの委員会においても成るべく言わんようにして事実だけを申すことにしておりました。併し或いは言い過ぎたこともあつたかと思うので、成るべく弁解がましいようなことを言わないで、両方が極く平静に早く戻つてそうしてお話をしたい。そうして御承知のように聴聞会の後において初めて確定案ができるので、この聴聞会のなるべく前にそのことの糸口だけは片を付けて置いて、そうして聴聞会に臨みたい、そういうふうに考えておるのであります。その内容の細かいことはちよつと公の席で今申すのに不適当かと思います。お許しを願います。
  64. 古池信三

    ○古池信三君 只今松本委員長からお話がございまして、今後とも十分に努力をして日発側とも協調を保つようにして行きたい。こういうお話でありました。誠に結構だと思います。私はこの問題につきましては無理やりにまとめても、その場合一応まとまつたように見えても決して将来のためにいい影響を與えるものではない、むしろ将来のために災いになるだろうと私は考えるのでありますから、是非今のようなお考えを推し進めて頂きたいのでありますが、そうしますと日発側のほうで大体了承し、心よく協調しようという態度になるまでは、この人事問題はお進めになりませんかどうですか、そのことをもう一度……。
  65. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 御承知の通りに聴聞会を経て後でないと、前の予定の案を変更するということにはできない、今変更しますと、又聴聞会手先に延ばさんといけなくなるので、それはできませんものですから、今成るべく聴聞会の前に意思の疏通を図つて置きたいというふうに努めております。若しそれが聴聞会の前に不幸にしてできなくても、確定の案ができるまでの間には、何とかして意思の疏通をしたいということを熱心に私は希望しております。
  66. 古池信三

    ○古池信三君 それは御尤もでございまして、今すぐに私は成案を得られたいということは無理であろうと思うのであります。併しながら聽聞会と申しましても、もうあと一週間ばかりの間で済むのでありますから、その聴聞会の直後にはかような空気でなく、もつと円満に日発側も喜んで参加できるようなふうに、思い切つた一つ改正をやつて頂かなくちやならんと思うのであります。恐らく今までのような状況では、僅かばかりのいわゆる申訳的な修正では、これは両者満足は行かないだろうと思いますから、よほど大局から大乗的にお考えになつて、思い切つた一つ切換をお願いしたいと私は考えるのであります。  次に松永委員にお願いし、又お尋ねもしたいのでありますが、只今いろいろとこの人事問題については円満に解決するように努力をしたい、こういう御抱負でありますから、そのことについては何ら異論はないのであります。ただそのお言葉は非常に結構でありまするが、最近承わりますと、どうもその通りに参つておらんような点が、私はどうも遺憾ながら否定できないように思うのであります。具体的な例も聞いておりますけれども、これはかような席で申上げるのも如何かと思いまするから、申上げるのだけは差控えて置きます。置きますが、大勢の人の集まつておりますときに、而もこの問題を円満に解決する上において大事な立場にある人たちに向いまして、むしろその調和を害するような、むしろその人たちの感情を不当に刺戟するような御発言があつたということを聞いておるのであります。かようなことでは非常に私は遺憾至極でありまするから、どうかそういうようなことを今後繰返してなされんように、そうして飽くまでも公益事業委員会は偉いのでありますから、立派なかたがおられるのでありますから、走らに感情に走らずに、どうか立派にこの問題を解決されるように御努力願いたいということを申上げまして、一応私の質問を打切ります。
  67. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 人事の問題につきましては、まだ信憑の域を出ませんけれども、只今同僚議員の質問で善処するという話がありましたので、暫らくほかの問題で御質問いたしたいと思うのでありますが……。
  68. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 栗山君にお尋ねしますが、人事問題でまだ御発言があるかもわかりませんが、人事問題でなかつたら、人事問題が済んでからにお願いできませんか。
  69. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それにちよつと関係があるのですけれども……。
  70. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 関連があるのですか……。
  71. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 大体公益事業委員会委員に任命されました五人のかたがたの資格につきまして、今まで余り論議をせられたことがないのでありますけれども、その行われました方法につきましては、国会にこれほど大きな反響を呼んでおりまするように、国内的にもいろいろと問題を起しておるわけでありまして、従いましてそういうような基本的な問題も今後残ることでありますが、私は率直に法例上から申しまして、二、三伺つて置きたいと思うのであります。今度の公益委員会委員の五人のかたがたは、電力に関しましては従来から深い関係をお持ちになつておるおかたが多いのでありますが、五人のかたは日本発送電或いは九配電会社が設立されましてから以降そこの会社株式或いは社債を所有せられたことがありますかどうかを承わりたいと思います。
  72. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私は何か前に二、三の電力会社の株を持つてつたので、それがたしか発送電の株か何かに替りまして、更に又或る配電会社の株、極く少しです、百幾らとか、何株とかいうような少いものがありましたが、全部これは処分してしまいまして、今一つも手許に持つておりません。
  73. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 私も同様であります。
  74. 伊藤忠兵衞

    公益事業委員会委員(伊藤忠兵衞君) 私は従来から電力会社の株は一切持つておりません。
  75. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その処分をせられましたのは、大体いつ頃でございましようか。
  76. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私は一番しまいに処分したのは、今度就職する前日に処分しております。それは東北配電の株百八十株というものが残つております。これは売ろうと思つても売れないのです。なかなか高くて売れなかつたので、やつとどうしても就任する前に売らないと適法でないと思いましたから、十四日の日に売りました。
  77. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 私も大体そういうことで、就任前にきれいに処理を了えております。
  78. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 第八條によりますと、「いかなる名義によるかを問わず、その法人の株式若しくは社債を所有し」という文句がありまするので、これは株式の名義書換前の問題も当然含むわけでありまして、そういうものを含めまして、今申上げましたように「いかなる名義によるかを問わず」という意味を含めて御所有になつていない、こういうように解釈してよろしうございますか。
  79. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 勿論さようであります。
  80. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それから更に一つ衆議院におきましてもたびたび問題になつておるようでありますが、「その法人に対し金銭上の利害関係を有する者」は就任できない、こういうことになつておりますが、松永委員は曾つて証言せられたように、配電会社側から三百数十万円の金を受けられたことがあるのでありますが、そういう問題は、この法人との利害関係に立ちまして、どういう工合にお考えになつておりますか、この点を先ず伺いたいと思います。
  81. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 御質問甚だ恐縮でございますが、もう一度はつきり……。
  82. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 公益事業委員会委員は、事業会の第八條によりまして、日発或いは九配電会社、これはその法人のことでありますが、九配電会社に対し金銭上の利害関係を有する者は就任できないということになつております。ところが松永委員は、昨年九配電会社から醵出せられました金の中から三百数十万円の金銭を受領せられたことを国会において証言をせられておるのでありますが、この金銭を取得せられたことと、この第八條の條文との関係は、どういう工合にお考えになつておるかということを伺いたいのであります。
  83. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 私はそれ以前の金銭收得問題と、その後委員になりましたときとの関係は、何ら私の就任に対して法律的の障害となるべきものでないと今日も信じております。その当時もさような信念を以て公益委員をお引受けしたわけであります。もとよりその後さような問題を継続し或いは取り行うというようなことは考えもいたしませんし、又すべきものでないこともよく承知いたしております。
  84. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 法律的には「関係を有する者」となつておりますので、有した者と過去の表現になつておりませんけれども、道徳的に見まして、まあ相当密接な利害関係を昨年はお待ちになつてつたわけでありますから、そのかたが就任をせられましたときの行動につきまして、慎重を期待せられた、国民がひとしく期待したのではないかと思うのであります。そこに若干疑惑を招く点もあつたかと思うのでありますが、そういう点について、行動上、その後松永委員が展開せられました行動について、世上の疑惑を一掃することに努められたような具体的な内容を承わりたいと思います。
  85. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 先刻のお答え以外に新らしい御質問としては、前に疑惑があつたと思うから、その疑惑を就任後、或いは就任前に何か一掃する手続をとつたかというお話でありまするけれども、私はその疑惑ということもよく了解いたしませんし、又道徳的にも、法律上の問題は別といたしまして、道徳的に何らさような手数をとるべき所存もその当時もありませんし、今日も持つておりませんが、併し皆さんが何か御忠告下さるようでありましたら、又それについてはよく考えることにいたします。
  86. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それから経済評論家の三宅晴輝というかたを御存じでございますか。
  87. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) よく知つております。
  88. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 このかたは、前に松永委員の秘書というような工合で、私は書き物を読み、又拜見したこともございますが、それに間違いございませんか。
  89. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) お答えしますが、三宅君は友人でありますけれども、秘書でもなければ、又同時に月給を拂つてお使いしたこともありません。
  90. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 このかたと電力問題に関する関係は、如何なる状態になつておりますか。即ち松永委員が三宅晴輝氏に、電力問題に対する抱負経論を伝えて、評論の資料の提供のような役割を演じておられたのか、或いは又三宅晴輝の薀蓄を傾けた経論を松永委員がとられまして、そうして電力問題に対するいろいろな発表をせられておりますのか。その点の関係を明らかに願いたい。
  91. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) お答えをいたします。長くなりますから略しますが、三宅君は昔から、只今籍を離れておりますけれども、東洋経済新聞の有力なる記者として、昭和十四、五年から論陣を張られたかたであります。それが電力の国営になる前後、自由主義を唱えられて非常に反対した、骨を折られた一人であります。私どもと同じ立場に立つてつたのであります。当時の書かれたものには、「電力コンツエルン」という本のごときは、未だに私ども参考として愛読しておる次第であります。その後私は隠居し、同氏は東洋経済を離れられ、その後幾多の仕事をしておられたのでありましようが、ときどきお目にかかることはありました。友人として、学者として、評論家として相当今日も尊敬を拂つておりますから、同代の所論、或いは同氏の働かれることに対して或いは援助をし、或いは激励をしたことはあります。又私も同氏の激励を受けましたことは十分であつて只今も感謝しておる次第であります。秘書であるとか、何とかいう関係ではありませんから、よく申して置きます。
  92. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 よくわかりました。重ねて伺いますが、今の松永委員お話でございますと、三宅晴輝氏が経済記者として、経済評論家として、極めて卓越したかたであつて敬服をしておるという意味の御発言がございましたが、最近の三宅晴輝氏が展開しておりまする電力問題に対するいろいろな御議論に対しましては、やはり同じ態度を堅持しておられるかどうかを伺いたい。
  93. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 最近私は三宅君の、何でも五日か六日頃の雑誌に書かれたんで、それを読んだかということを或る人が聞きましたが、まだ読んでおりませんが、それが最近読まなかつただけで、その前のは大概読んで、私どももやはり同論でありますることを申上げて置きます。
  94. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうすると、三宅晴輝氏の意見と全く御同様である。松永委員のお考えは御同様であると解釈してよろしうございますか。
  95. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 全くと言つても限度がありますから、どうぞさよう御了承願います。大体に同じような思想を持つておることを申上げて置きます。
  96. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その展開されておられる議論の枝葉末節は別といたしまして、最も中心になるような議論については御同感であると解釈してよろしうございますか。
  97. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 最近何か書かれたもの、今月に書かれたもの、何か書かれたということを聞きましたけれども、読んでおりません。従つて多少の食い違いがないことの保証はできませんから、その点は大きくお考え願いたい。
  98. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は今月のものでなくて、二月末日以前の問題としてお考え願いたいと思います。そういうものにつきまして、而もその意見の最も重要な部分を占めておるような問題、そういうような問題について、大体御同感であるかどうかということをお聞きします。
  99. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 甚だ抽象論になりまして私がその責任を持つがごときことは避けたいと思いまするが、栗山さんが若し御親切で、こういう点があるが、少しお前は違いはせんかという点がありましたら、一つ具体的にお示し願いたい。
  100. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 二月の時事新報に三宅晴輝氏の署名入りの論文が載つたことがあります。その論文の中に、電力事業の首脳者の人選は、いろいろ資格が挙げられてありましたが、トツプの資格として言われましたことは、思想上の資格ということが述べられております。そして少くとも今度の電力編成による首脳者の人事に対しましては、思想上の資格を欠く者は、これは任命すべきでない、そして言われるところは、電力の再編成に関しまして分断に反対をし、或いは国有資本を以てこれを料理する、かような議論を展開し行動した人は、一切排除すべきであるということが、極めて激越な文句で書かれておるのであります。これは私は只今手許に持つておりませんが、はつきりと文章に載つておりますので、いつでもお目にかけることができると思います。又御覧になつたかとも思うのでありまするが、そういうお考え松永委員と全く同様であるのかどうか。これは非常に重要な問題であると思いますので、伺つて置きたいと思います。
  101. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 大変それで漸く御質問の御趣意がわかつて安心いたしました。安心いたしましたというのは、私のお答え、がはつきり申上げることができる、前置のいろいろな原則論は、時間を取りますから無論差控えます。私は先刻御注意のあつたように、公益委員会委員の一員としては、個々の意見をいろいろ持つておりまするけれども、この人事、経理の、両社から、両社というのは日発配電の両社から出た意見をできるだけ参酌し、できるだけ調和するのが、この再編成出発に当る我々の公益委員会の任務と思う、委員長殊にそれを力説しておるために、私はこの人事について未だ曾つて委員長及び委員に向つて、国営国有に賛成したような人、或いはそれに関係したような人は委員になるべきものでないというような議論を、三宅君が如何に同調の人であり、如何に所論として聞くべきことがありましても、私としてさようなことを同氏と打合せたこともなければ、又同氏の説に賛成したこともありません。従つて委員の一人として委員会でさようなことを主として人事考えたことはありませんから、その点だけははつきり申上げて置きます。
  102. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私も三宅氏と松永委員とが極めて御懇意な、而も長年の御友人でありますことは、大体承知をいたしておるのでありまするが、そういうかたが、而も昨年あなたが電力編成委員会に列せられてからも、いろいろと行動を共にせられたように報道せられたかたが、最近これほど微妙な人事問題の紛糾を重ねておりますときに、ああいう極論にも近いような議論を堂々と署名入りで新聞紙に発表せられるということは、極めて遺憾であると私は言わざるを行ないと思うのであります。これは軽卒のそしりを免かれんと思います。従いまして若し松永委員が先ほどいろいろと申上げましたが、例えば道徳的な資格の問題までも潜越でありましたけれども申上げましたが、これに対しても御否定になつた関係からいたしましても、近い機会にああいう論説が新聞紙上に発表されましたことについて、あなたは友人して一つ三宅晴輝氏に勧告をして頂きたいと思うのであります。その点についてあなたのお考えを伺いたいと思います。
  103. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) いろいろお話もありましたが、最近三宅君に会いませんから、成るべく委員会の一員たる松永に迷惑のかかるような論議はしてくれるなということを頼むだけの友清を持つておりますから、一応お話をいたすつもりでございます。
  104. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 ここで繰返して申上げるまでもありませんが、松永委員は今三宅氏の展開された理論に対しては同意しないということをおつしやいましたので、私はそれを信用いたしたいと思いまするけれども、今日人事問題がこういう工合に紛糾を重ねて参りました根本は、私はここにあるだろうと思うのであります。こういう考え方がいろいろと具体化されて参つた間に、いろいろと各方両から問題を起して来たことに結局はなるのではないかと国民は推量いたしておると思うのでありまして、公益委員会が先ほど善処を約束せられましたが、その善処をせられる根本は、ここから発しなければならんと思うのであります。従いましていろいろと議論が出まして、非常に片寄つたやり方が行われる、そうしてこれに対しまして公益委員会は率直に片寄つたやり方を認められたわけでありますが、併しその後も依然として認められた直後においても、片寄つたことが続行せられているこいうので、従つて双方の御意見を聞きましても、ちつとも食い違いは是正されないのであります。又国会におきましても、與党である自由党まで挙げまして、これこそ全く挙党一致を以て公益委員会に今風が強く当つておる状況でありまして、決して松本委員長が先ほど言われましたように、簡單な形で松本委員長小坂総裁とが話合をすれば何とか問題のけりがつくといつた性質のものでは私はないと思います。よほど根本を見極めてやつて頂かなければならんと思うのであります。若しこれをされないとするならば、曾つて戦争中に、前に日本発送電なり配電会社ができましたときには松水さん自身立たれまして、そうして当時の軍部なり官僚に対して痛烈な攻撃を加えて、そうして反対をせられたのでありますが、この暴に報いるに、今日時勢が変りましたときに又再びあなたが暴を以て報いられることになるわけであります。特に当時は軍部並びに官僚に対しての攻撃でありましたが、今の公益委員会電気事業の一部の人々の意向を中心どいたしまして、国民に対しまして暮を以て報いるということになると言わざるを得ないのであります。これは信長に代るに秀吉がしたことに何ら変りがないのであります。従いましてこの点は厳重に一つ御反省を頂きたいと思うのであります。  それから更に二、三質問を続行いたしたいと思いますが、人事の問題の中で経営者、いわゆる役員のほうの人事はさようなことになつておりますが、従業員のほうの問題につきまして只今非常な混乱が起きております。その混乱の中心をなしておりますのはいわゆる労働三法を以て終戰後保障された日本の労働組合運動或いは労働組合員の身分保障につきまして、公益委員会の皆様がたが好ましくない御見解を有しておられるということを私は仄聞いたしておるのであります。そこでそういうような事実があるのかないのか、あるといたしますならば率直に一つお答を願いたいと思います。私どもといたしましても又とるべき方法を考えなければならんと思うのであります。ないならばないということを今後の行動において示して頂きたいと思うのであります。  先ず第一に伺いたいのは、最近私ども確かなる情報を得ておるのでありますが、或いはそういうことがないとおつしやるかも知れませんけれども、あなたがた五人の委員会委員の中のどなたか、私はここで氏名を申上げることは差控えますが、電産の全国單一組織は好ましくないので、これを九分割いたしますと同時に、各企業軍位の労働組合に分割をいたしまして、そうして全国を会議体にすべきであるということをお考えになり、そうしてそれぞれ御研究をなさつておるということを伺い、又その意思表示を二、三の方面に亘つてせられたということも聞いておるのでありますが、さような事実がありますかどうか伺いたいと思うのであります。
  105. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) そういう事実は私は知りません。ないと思います。
  106. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 私並びに隣の伊藤君からも返事がありましようが、委員会或いは委員会の一人がさようなことを未だ相談をしたり、或いは他に向つて発言したようなことはありません。
  107. 伊藤忠兵衞

    説明員(伊藤忠兵衞君) 私も前二名のかたの御説明と同じことであります。
  108. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は今日はこれ以上この議論を進めますと、いろいろと私が情報を得ておる人も証人に立てなければならんことになりますし、又そこまで事を荒立てて考えようとは思つておりません。従いましてそういうことは私は決して空疎なことを申上げておるのではないのでありまして、今御否定になりましたけれども、少くとも五人の委員会の特定の委員のかたがさようなことを御発言になつたことだけは事実であります。従いまして私は若しそういうことが事実であるといたしますならば、この労働組合法の第一條に掲げておりますところのはつきりした立法趣旨そのものを公益委員会は真正面から否定をし、そうして労働組合に対して非常に好ましくない意思……、或いは行動せられようとしておることを確信せざるを得ないのでありまして、若しそういうことになりますならば、今の首脳者の二百数十名の人選どころの騒ではございません。更に大きな、電力事業の運営の根本を動かすような問題にもなろうかと思いますので、どうか、まだ労働組合法をお読みになつたことがないかも知れませんけれども、終戦後とにかく労働三法として現に労働者の身分保障のためにできた法律であります。一つこの立法の精神をよく御勉強頂きたいと思うのであります。  それから第二点といたしまして、電気産業の労働組合に対しましては、何とかしてストライキの権利を剥奪できないものか、こういうことを熱心に御研究になり、又さようなことをお考えになつているということをこれも聞いているのでありますが、さようなことがありますかどうかを伺いたいと思います。
  109. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私は全く知りません。そんなことはないと思います。
  110. 松永安左ヱ門

    政府委員松永安左ヱ門君) 同様であります。
  111. 伊藤忠兵衞

    説明員(伊藤忠兵衞君) 全く同様であります。
  112. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 まあ極めて率直に御否定になりましたので、これも前の組合の組織論同様に私はこれ以上話を申上げません。併し私どもも国会におきまして、労働三法の立法には直接参画をいたした一人でありまするし、非常に重要な問題でありまするから、若し今後只今御否定になりました態度を堅持せられまして、そうして労働組合の自主的な発展のためにあなたがたが御協力を頂くということならばよろしうございますが、私の御質問申上げましたような点について具体的な動きをせられるということになりまするならば、国会も又これについては再び問題にせざるを得ないと思うのであります。どうか慎重なる配慮と、そして行動とをお願いしたいと思うのであります。  あと今度の再編成指令案の内容につきましていろいろと問題がありまして、実は過日来、中部配電清水金次郎さんにも来て頂きまして、電力の融通の問題、或いは料金の問題その他について触れましたが、これは後ほど人事の問題が終りましてから重ねて御質問をいたしたいと思うのであります。一応私の質問は保留しながらここで中断いたしたいと思います。
  113. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 人事の問題に対して御発言がありましたら逐次御発言願います。
  114. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 先ほど質問して置いて申訳ありませんが、ほかにないようでありますから最後に一言だけ伺つて置きたいと思います。同僚諸君の質問に対しましても私の質問に対しましても、松本委員長並び松永委員から繰返し、前の委員会の例も引きまして人事の問題につきまして不手際であつたこと、それから意思の疏通を図つて何とかうまくやりたいというような御答弁がありましたが、私はこの際に特にお伺いして置きたいのは、同じような事情を聞いて、去る二十六日でしたかの白紙還元という問題がありました。その際に丁度こういう似たような発言を私間接に聞いております。つまりやり方が悪かつたのだからやり方を直すとか、或いは日発配電、或いは日発と公益委員会との間の意思の疏通がなかつたのだからそれをうまくすればいいのだといとようなことを前提として、人事の問題を白紙に戻すとか、そういうことで何か共同声明か何が出た。そうしたところが翌る日になつてみたら、何だか白紙にちつとも戻つていなくて、内容についてはいささかの変更の可能性もなさそうだ、ないのだということで、再び日発が硬化した専横を私は十分知つております。そこで今度言われておるのは、二十六日の白紙還元のような抽象的な意味を言うておられるのではないと信じますけれども、念のために聞いて置きたいと思います。  今修正をできるだけしたいとか、或いは公聴会の意見を聞いた上で十分に考えたいとか言われる公益委員の側の御答弁は、第一に社長級として列べられた、予定された者について変更する必要があると思う場合には変更せられるということを言われたことを意味するかどうか。それから実際の会社の運営にあたる取締役以下の人が、今度選任をされるそういう人たちが、公益委員会でどのように言われようとも、実際には会長としては大した仕事ができんので、社長が実権を握るというふうな考え方を持たれた際に、而もなお社長を変えなくても会長がいるのだから大丈夫だというようなことを言つて、その社長の変更を突張られるような気遺いはないかどうかという点。それから最後に、私は元来ならば、そういう会長社長のほかといいますか、これを含めたといいますか、配電日発関係者から出る重役は、元来ならば、大体の何らかの根拠に基く数字を検討して、枠を検討して入られるのが普通であつて、個別人事のほうが先に行くのは私はどうもおかしいと思うわけであります。そのおかしいと思うのは抜きにしましても、その枠自身も変更せられる可能性ありと了解していいかどうか。以上三点をイエス、ノーだけで結構でありますからお答えを願つて置きたいと思います。
  115. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 只今の御質問に対しては、まだ交渉も始めておりません。そういうことは今いろいろ考えてはおります。考えてはおりますが、自分の手はこうですと言つて出して、そうしてやるということはできませんから、今の御質問に対しては答えられない。情勢によつてあなたの言われるようなことにも及び得るだろうと思いますが、併しこれはまだ一つもこちらでしつかりきめた考えはないのです。
  116. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 答えられないというのに答えられたようなお答えをされるので、私は非常に迷うわけでありますが、私が御質問申上げたのは、こういうふうに変えると言われるかと質問したのじやないのです。不手際だつたから、その不手際の分は直すとか、意思の疏通を図つて何とかやりたいとかという意味は、内容の或る程度の修正が必要であると思う場合には内容を修正するというふうに考えざるを得ないわけです。その内容を修正するというふうに考えられる場合には、今のような三点まで触れ得るかということであります。
  117. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 話の工合いじや触れ得ると思います。
  118. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、都合によりましてはその辺までの変更を考えての不手際ということを言われ、意思の疏通を欠いておつたのを直してうまくやりたいというふうに言われておる、こういうふうに了解していいのですね。
  119. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私は不手際ということは確かに言つておりますけれども、不手際というのは事後において見ると、こういう問題がいろいろ起きたので、確かに手際はよくない、併し弁解を強いてすれば、強いてではない、弁解をさせてもらえば、その短かい期間の間に十分なる協力なしにはこれはできなかつた。その総体的な状態においては私は不手際とは思つておりませんが、併しこれはまあ人の見るところに任せて……、ただ、今ある状態を変える意思はある、これについてはいろいろ相談をしたいという考えを持つておるということを言つておる。
  120. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私はどうもすつきりしない。先ほど古池委員の御質問に対しまして相当すつきりした、つまり間違いがあれば改むるにしくはないのじやないかという御質問に対して、そういう状態があるならば虚心坦懐にこれから直そうというふうに私は聞いているのです。虚心坦懐に直そうという場合に、当然今のような問題の中心であるのは、例えば社長の人選であり、そうして会長社長の問題が出た場合には実権者のことであり、そうしてそれが決定されるという意味で枠の問題にも触れて来るわけであります。従来の御答弁、確かに松本委員長の御答弁を聞きますと、ずつと従来の記録から見ましてもその本論に触れておられない。又そうして日発が六十人要求したのに対して、四十人とか五十人入れている。そうしてあとは新らしい中央の給電所が何かできるからそれを入れるつもりだ。だから日発の要求は通しているはずだ、それなのに日発が怒るのはどうもわけがわからない。そういう意味の言いかたばかりされていて、今日も代る代る同僚委員から質問があつたのは、そういう問題が中心ではなくて、会社の実権者をめぐつての質問が中心問題であるということを繰り返し言われており、そうして小坂総裁からもこの点に対する問題が一番強力に出ている。だからそういう問題に対する把握の仕方が松本委員長は十分了解されていたのだと思いますが、何か今のお答えでは非常にやられたことに対してこだわつていて、すつきりしたお答えは頂けない。頂けなければ今の問題に関する限り今日は質問を打切りますが、古池委員の御質問に対するお答えの意味を私は先ほど言うた意味で解しておりましたが、まだ非常に釈然としない気持を残したまま打切ることを申上げて質問を打切ります。
  121. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 人事の問題でちよつと落しましたのでもう一点質問をしたいと思います。実は個人的なことになりまして甚だ御答弁に迷惑されるかと思いますが、又公益委員のほうにお尋ねしましても、白紙還元をいたしまして五月一日に役員、主脳者を決定しないという申合せに相成つているので答弁はできない。こういう工合に御答弁を頂くかも知れませんけれども、実質的には予定されたコースを辿りつつあるようでありますから念のために伺つて置きたいと思います。それは関東配電社長の問題であります。これは高井亮太郎君が予定されておりましたことは皆様御承知のところであります。ところがこの高井社長という人はすでに再編成の問題がここまで推進しない前におきましても、日発並びに旧配電会社経営者会議におきましても、常に関東配電独善を唱えまして、その会議の円満な遂行にいろいろ支障を生ずるような役割を演じたような人であつたのであります。勿論分割論が出て参りましてからは、松永委員のところに協力をされて、その推進的な役割を努められたのでありますが、これもその本質を掘り下げて見れば関東配電独善の、いわゆる関東配電独善論の展開に過ぎなかつたわけであります。この人が最近におきましては労働組合との関係で非常な紛糾を起しまして、すでに電産からは不当労働行為の実例を挙げまして中央労働委員会に提訴をいたしているのであります。これは恐らく皆様がたも御承知だろうと思います。こういうふうなかたがたについて果して公益委員会はどうお考えになつているか、これを伺いたいのであります。私は主脳者の人選につきましては、いわゆる人物は椅子につけて見なければわからないという抽象的な議論が展開され、これも或る程度ものを言いますることは承知をいたしておりまするけれども、現実にこういうような社長に不適格である。今後事業を運営いたしまする場合に少くとも従業員対策、労働政策において大いに欠くる点を持つ人、或いは仮に今後の九会社が独立採算制を目標にして進むとは申しながら、九会社の中におきましてはそれぞれ同一企業といたしまして脣歯輔車の関係に対して相協力をいたしまして日本電気事業の発展に盡さなければならん念を持つておるわけであります。そういうときにかようなセクト主義の行為を行い、又労働対策にいたしましても労働省すら顰蹙し、それだけではございません。GHQのブラツテー氏などでも言葉を極めて痛罵いたしておりますところのこの関東配電高井亮太郎氏を本当に社長として、つい先ほどまで皆様がたもお考えになつておりました通りに、依然として推薦せられるお考えであるか、これを伺いたいと思うのであります。
  122. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 或る個人についての御質問に対しては答えることはできません。
  123. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それではそういうようなことを行なつた人が好ましいとお考えになるかどうか、この点を伺いたいと思います。
  124. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) そういうことを行つたかどうか私は存じません。従つてこれにお答えできません。
  125. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この前の委員会松本委員長はこれと同じ議論をいたしました。そしてそのときに個人のことについてはお答えをできないということを数回繰返されました。それで更に私は言葉を重ねて質問をいたしておる間に、私は真正面から答弁をお願いいたしたのでありますが、これについて西田委員長がとりなしをなされまして、それは考慮する余地があるのかどうか、その点を助言をせられたのであります。そのときにあなたは十分考慮をしますと約束をせられたはずであります。従いましてそれは速記録に載つております。而もその言葉が終りました直後に発表せられた新聞記事の紙面によりますると、依然として社長の椅子に着いておりましたので私は唖然としたのであります。従つてもう一度それではこの前の委員会の私に対する御答弁の最後の言葉を御確認頂けるかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
  126. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私はその或る個人に対してどういうことがあるというようなことについてはお答えしたつもりはありません。ただ誰でもそういう行為があるかどうか、そういう行為があつたときにどうするかということについては、これは勿論考慮するということを言つたつもりであります。
  127. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そのときの速記録をちよつと取寄せて頂きたいと思います。そういうあいまいなことではなかつたはずであります。
  128. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 承知しました。他に御発言はありませんか……。御発言もないようですから人事問題に関する質疑はこれで一応打切つて株式の問題に入りたいと思いますが、今まで公益事業委員会小坂日発総裁並びに議員諸君との質疑を聞いておりまして、委員長として最後に一言小坂総裁並びに公益事業委員長並びに委員のかたにお話を申上げて置きたいと思います。  それはいろいろ人事の問題について今まで論議されましたが、要するに電力事業の再編成がポツダム勅令によつてなされたということは、日発側のためでもなければ、配電の利益のためでもない。なお且つ公益事業委員会の面子のためでもない。要は日本国民のためであり、日本の国の将来のためになされたものである、これを一つ日発配電公益事業委員会のかたがたはよく原則として頭に入れて置いて頂きたい。もう一つの問題はこの電力の再編成の問題が出まして以来、日発配電の両者は対立した意見のまま全く現在に至つておる。日本における唯一の電力事業者であり、且つ脣歯輔車の関係にある日本発送電と、配電会社の間の意見が今日までも対立したままで電力の再編成がスムースに行かないということは、国民諸君にとつては誠に潰憾なことである、私はそう感じます。将来の日本電気事業の運営に対して国民諸君の信頼が果して繋げるかどうか、誠に由々しい問題であると私は信じております。従つて今回の人事問題につきましては、今までいろいろ論議されましたけれども、日本発送電の小坂総裁としても何とかして電力の再編成に協力したいという御意思が十二分にあるように私は窺います。五つ公益事業委員会委員長以下委員のかたがたも何とかして将来日本の国の経済の発展のために電力の再編成を完遂したいという熱意を私は汲み取ることにやぶさかでございません。従つて本日の質疑応答において、小坂総裁も協力するということを言明され、松本委員長松永委員人事の問題に対しては、今は期日がないから言えないが、聴聞会終了後までは何とか日発側と話合つて国民諸君の納得の行くような方法々講じたいという御発言があつております。従つて本日参議院の平委員会における皆様の御発言はいずれも国を思う熱誠に出た発言であつて、感情的な対立を激成するということのないように、私は皆様にお願いをいたしたいと同時に、是非この聴聞会が終了いたしました際においては、国民諸君が、納得し得るような姿においてこの電力編成後の人事問題が裁定されますように強く公益事業委員会並びに日発小坂総裁にお願いをいたして置きます。この問題は人に関する問題で、松本委員長が栗山君の質問に対して個人としては答弁ができないというような御発言があつておりますけれども、どうか松本委員長も、そういう発言を私希望するわけではありませんけれども、十二分にそういう問題をお考えになつて、ただ一、二の人の将来の問題がどうなるこうなるということに拘泥されずに、日本のため、日本大衆のために電力編成が実行された後において、日本経済の発展のために役立つような事業の運営ができることを最終のモツトーとして、人事問題の御検討を頂きたいことを重ねて私は強く要望いたしましてこの人事問題を打切りたいと思います。
  129. 小坂順造

    参考人小坂順造君) 我々が至らんために委員長並びに委員の御心配を受けましたことについては誠に恐縮に考えております。ただ併しものは程度がありまして、やはり協力という字は先ほど申した通り歩み寄ることでありまして、一方が一方の意見をそのまま用いられて歩み寄る、一方が屈従であるというような状態が続けば、これは遺憾ながら私も協力できないのでありますから、その点についてはつきり申上げて置きます。
  130. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 小坂さんに重ねて申上げますが、あなたがたはさつきもいわれたように、二十六日に一応白紙に返すというような申合せをしておつたにもかかわらず、なお且つ日本発送電側の意見一つとして採用されなかつたというような現在の情勢を判断されて今のお言葉があつたとも考えます。
  131. 小坂順造

    参考人小坂順造君) さようです。
  132. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 少くとも今後人事問題を御検討なさる場合においては、公益事業委員会側も、日本発送電側も、本当に白紙に返つて今までのことは全く水に流しまして、新らしい観点からお話合いになるというふうに私は今御要望を申上げたわけです。従つて松本委員長お尋ねいたしますが、私が今申しましたような、これはお気持で将来人事問題をお考えになるかどうか。小坂総裁は非常に御心配のようでありますから、この点に対して松本委員長の御見解を一つ承わりたいと思います。
  133. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 今の委員長の仰せられたことは、甚だ電力会社及び日本の国の前途について電力会社が非常に重要だということに基く非常な御熱誠のお言葉と思うのであります。我々としてはできるだけのことを考えるということをしたいと思つております。
  134. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは人事問題はこの程度で質疑を終ります。次は……。
  135. 佐々木良作

    ○佐々木良作君  議事進行について……。今人事問題の質疑が一応打切られたわけですが、私は今日まだほかの問題もあるので、今日に関する限りこの問題が打切られることに賛成しておりましたので、重ねて質問をしなかつたわけです。同時に先ほど委員長あとで御相談するとお約束になりましたような意味で新らしい証人その他の者を呼んで聞く必要があるかと思いますので、委員長から聴聞会に云々のお話がありましが、聴聞会が終るまでこの問題においてここでもう余り質問する事項がないのだというふうに了解せられないように、一つ委員長に御要望をして置きます。
  136. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それは委員長承知しております。栗山君何か発言がありますか。
  137. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 速記録の問題です。先ほど松木委員長は、個人の問題に触れたことはないとおつしやつたのでありますが、それは成るほど高井個人の名前を出しませんでしたけれども、その前段において不当労働行為をされた事実を御承知になつておるかどうか、いろいろな話を展開いたしまして、今申上げましたように、関東配電高井氏であるということははつきりとおわかり願える形において議論は展開されております。そうしてその後段においてこういうことを申上げております。「労資間の問題を最も円満に解決し得る信義と、そして責任を持つ人でなければならんと思うのであります。そういう人をあなたは御選任になる御予定でありますかどうか、これは若し具体的な事例を挙げろということならば私は挙げるにやぶさかではございません。」これに対してあなたは「只今お話のことは、私にはほぼこういう意味かということは察せられないことはございませんが、まだ確定しておりませんので、これについて、只今個人の何と申すか、人について、申上げるのは、確定後はともかく、その前には当を得ないと思います。何にも申上げんことにいたしておきます。こういうことであります。これを只今あなたが御答弁になりましたことは、高井社長を内容としておられますことは、この前の議論で明かになつておるわけです。それをただ單に表現上抽象的に匂わされたに過ぎないのであります。そのあとで私は重ねて、「そういたしますと、まあ確定してからでなければ伺えない、確定すれば当然伺えるわけでありますが、私が只今申述べましたような具体的な行為、これは労働大臣も認めております。労政局長も認めております。或いは中央労働委員会の中山委員長も認めておられますが、そういう人はあなたは新会社の首脳として若し只今選任の一人に挙げられておるといたしました場合に、好ましい人物とお考えになるのかどうか、この点をお伺いいたします。」これにつきましてあなたから重ねて「只今まだお答えできません。」と言われたのであります。そこで私が再び「ですけれども、この前あなたは労資問題を平和裡に解決する、即ち従業員の信任を得られる人、この意見には全く、三つ私は挙げましたが、いずれも同感である、こういう工合におつしやつてつたわけでありますが、たまたま具体的に、私必要であれば労働大臣を呼んでここでその証拠を挙げてもいいわけでありますが、そういう点があるわけでありますから、これは御意思表示を願えると思うのでありますが、如何ですかこういう質問であります。ここで余りやり取りが重なりましたので、西田委員長言葉を繋がれまして、「栗山君に申上げますが、如何でございますか、松本委員長はさつきからそのことについては口を固くしておるようでありますが、今まで栗山君が再三再四松本委員長に対して質問されたような内容については人事問題を決する場合に十二分なる考慮を拂われるかどうかというような点の質問で、御答弁をお願いしたらどうかと考えますが、どうでしようか。」、こういうことであります。そこで私は「よろしうございます。」と答えたわけであります。そうすると、松本委員長は「勿論その考慮は十分に拂うつもりでおります。」、こういうふうに答えられておるのであります。従いまして、これは日にちは二月の十九日の委員会であります、会議録は第五号に載つております。従いましてこの点を是非とも重ねて御確認を願つて置きたいということであります。
  138. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 私は法規に違反するような行為をした人が若しあれば、そういう人は役員の候補者にはしない、そういうことが若しあればです、考慮するということを言つたので、法規に違反しておるか否かということについて、これはちやんと最終の決定がなければ勿論わからんはずです。検事が起訴したというようなことがあるかどうか知りませんが、検事が起訴したからといつてまだ罪人じやない。幾らも国会議員中にも起訴されておつた人もあるように思う。私はそういうようなことが確定されるような状況にあれば、勿論考慮するということを言つたので、その具体的な実事自体については何ら私は知つておりません。一般的のこととしてそういうことを言つたんです。
  139. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これはこの前私が了解しておつたことと大分違つたことを今お聞きしたわけですが、それでは私は重ねて質問を申上げて置きます。松本委員長のお考えはよくわかりました。そこでそれを元にいたしまして質問をして置きたいと思います。今問題になりました人の不当労働行為の問題は、これは公益事業委員会にも恐らく関係者から直接すでにお話をしておることと思うのでありますが、何も知らないとおつしやいましたが、これは私は少し違うのではないかと思います。恐らく直接お話をしておるはずであります。その点はあなたから何も知らないとおつしやつたことについてはお取消しを願うのが妥当ではないかと思うのであります。それからはつきりと提訴の決定ができなければ話はできないとおつしやいますが、少くとも今新らしく発足をする会社社長責任ある社長の人がそういう恰好で議論をせられたことは、極めて私は不穏当ではないかと思うのであります。従つて今そういう恰好で任命されたときに、日本電気事業従業員が挙げてこれに反対をしております。そうして若し任命をされたならば相当な紛糾を起すことは当然であろうと思いますが、又必至であろうと思いますが、そういうことも押してあなたは提訴を確定していないうちは既定方針遜り進めるのだ、こういうふうにおつしやるわけですか。その点は私ははつきり伺つて置きたいと思います。若し今申上げましたようなあなたの御見解の下に強行せられましたときには、只今首脳者の人事につきましては日発の皆さんがたが非常な御意見を立てられました。そうしてこれほど国会の問題になつておりますが、この問題も恐らく第二の人事問題といたしまして、若し再び方向を過ちまするならば、重要な問題に発展することは、私はほぼ間違いないと確信をいたして心配をいたしまするが故に、重ねて二度も御質問を申上げ御所信を伺つておるわけなんであります。その点を明らかにして頂きたいと思うのであります。
  140. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 個人の名前が今明らかにせられました以上、その人について私は予断的なことを申上げることはいやです、申上げません、お答えしません。
  141. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今の栗山君の発言に関して委員長発言が多いのですが、松本さんにもう一遍お聞きしたいのですが、あなたは人事問題を検討される場合、さつき私がお話したように、人の和にありということを言つておられる。もう一つ日本発送電側から予定された人々が入られんということは、夢想だにもしないということを三月三日の委員会において言つておられる。然るに小坂総裁の今日の御意見を聞きますと恐らく傍聴された人は皆でしようが、このまま行かれれば、日発側かち予定された人は一人も入らないという決意が固められておるように私には推測される。そうすれば若し日発側からの役員の人が一人も入らないという事態が起きた場合には、公益事業委員会としては日発側からはおいでにならなくて、他の人から重役を補充されて、電力編成の際における人事を決定されるお考えであるかどうか。先ずこの問題について松本委員長の御答弁を願いたい。
  142. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) さようなことは決して生じないと私は確信しておる。さような変なことが万一生じたときのことを予想して只今何も御答弁する必要はないと私は確信しております。
  143. 西田隆男

    委員長西田隆男君) あなたが夢想だにもしないということを確信されておつても、事実は決してあなたがお考えになつておる通りには起きるものとはこれはきまつておりません。若し万一という言葉を使つたからそうおつしやるかも知れませんが、そうお考えになつて、固い決意を持つておられるならば、それは結構と思いますが、それでは委員諸君なり又私が今まで御質問申上げた人事の問題をどうされるかという問題について、聽聞が終りましたら適当に又交渉してやるのだという御意見は全く無駄な御意見であつたようにも私には聞えるのです。今あなたが御決定になつておりまする、公益事業委員会指令案決定の人事がそのまま実行されるとしたならば、何も人事はお変えになる必要はないというふうにあなたはお考えになつておるのではないかと考えられますが、その点はどうです。
  144. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) それは先ほど来たびたび申したこれから聴聞会までの間にも、いろいろ手段をとり聴聞会等において十分に調査をして適当なることにするという考えであるわけです。今までに何にも変えられんということを二つも申上げた覚えはありません。むしろ変える内容についていろいろ御質問があつたから、個人的のことは申上げられないということを言つたに過ぎません。私はそういうようにして必ずこれはそういう変なことは生じないようになる。いやしくも日本の人間である以上、今の電力がどんな状態にあるか。このままにして置いてはいかん。どうしても何千億、或いは億では算えきれないほどの金を、少くとも五年間ぐらいに使つてよいものに改良して行かなければならんということを確信しておるのです。そういう事態において、そういう全く電力事業が行詰るようなことが生じようとは私は思わん。若しそういうことを少しでもそういうことについて疑念を持なら私は今でもやめておる。そういうことは決してありません。
  145. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私がお聞きしておるのは、あなたがたがおやめになるとか、おやめにならんという問題でなくて、あなたの今日の御答弁が、いろいろ食い違つておるようにも聞えるし、個人の問題について栗山君の言つたやうに、是非ここで御明答願いたいとは考えておりませんが、栗山君の質問に関連して私が質問申上げだことに対するあなたの御答弁では、何かひつくり返えされたのじやないかというふうな感じを受けたものですから、それで再度御質問しておるわけなんです。あなたのお考え方は大体に大勢の人が聞いておられますし、大体の点は私は推測できるのですけれども、あなた自身法律学者であられる関係であるか何か非常に固苦るしくお考えになつて、何か非常に疑義が止まれて来るのですが、最終的に私が委員長としての立場で御質問申上げたことに対する松本委員長の御答弁を、あなたの本当の御答弁であるというように私は受取つて質問をやめて置きます。これに対して御答弁は要りません。  それでは株式化傘の問題について今から質疑を開始いたします。この株式の問題につきましては、日本発送電並びに配電会社関係からは三月五日の委員会において意見々聞いておる。併し株主自身からの意見を聞いておりませんので、本日は大阪在住の日発の株主であられる奥村貞太郎君が参考人として来ておられます。そこで奥村貞太郎さんの株主としての御意見を今から拝聴して、これに対して質疑を行いたいと考えます。
  146. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ちよつと議事進行について発言したい。今の奥村さんの説明にでき得れば委員長の御了解を得て、委員長からお願いしてもらいたいと思いますのは、これは宛先は違うのですが、私、つまり経済安定委員長宛文書でもつて要望というのですか、陳情が出ておるのです。そのうちに株式の割当に対する説明というのか、意見のほかに、GHQ、特にケネデイー氏との会見でこうこうああこうということが書いてあるわけです。でき得れば今の説明の際に、その辺の事情も附加えて一つ説明して頂くように委員長から御要望して頂きたい。こういうことです。
  147. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 奥村君、今佐佐木君からの御発言を十分念頭に置いて御発言を願いたい。
  148. 奥村貞太郎

    参考人(奥村貞太郎君) 私は奥村であります。株主のほうではポツダム政令でもつて分割が決定されました後、余りその後活動をしておりません。その理由はしばしば私どもがGHQのケネデイー氏にお目にかかりまして、たとえポツダム政令で以て荷編成実施されても、株主諸君の利益は絶対に侵害されないから安心しておれというような言明を得ておりましただけに、安心して再編成の成行を見守つてつたわけであります。    〔委員長退席、理事結城安次君委員長席に著く〕  実は小坂総裁が大西さんに代られまして、再編成の便進者として私どもの会社のドツプに來られましたときには、小坂さんは官選でもつて編成を促進するためにおいでになつたのだから、これは株主の利益になるよりも、むしろ不利益な結果になるのじやないか、少くとも再編成を遂行するためには、我々株主は相当の犠牲を拂わなくてはならないのじやないか。併しそれも国家のためであり、お上の命令であれば止むを得ないといつたような気持が一般の株主にありまして、よりより協議をしましたときにも多少の犠牲であつた場合には、呑み込もうというので静観しておつた次第であります。ところが今年になりまして、小坂さんの三十六億円の含み資産発表がありましたときに、我々としては小坂さんに対する見解を非常に変えまして、小坂さんが官選にもかかわらず非常に公正なる処置をとつて下さるということに力を得まして、実は株主代表から小坂さん宛に従来のGHQ関係の交渉成行などを伝えまして、決して不平等な差別的な処置をして頂きたくない、飽くまでも株主権を擁護して欲しいということをお伝えいたして置きましたところが、その小坂さんが公益事業委員会の決定に対して非常に不満で反対せられるということを聞きましたので、再び株主が会合を始めまして、今後の運動とか、今後の処理要領について、話を進めたのであります。公益事業委員会で以て裁定されました内容が余りに不合理である、関配びいきであるということについて不満を持つておる株主が、期せずして株主大会の開催を要求されまして、株主大会を東京におきましては三月九日、工業倶楽部でそれから大阪におきましては昨日十四日大阪の商工会議所において開催いたしました。その両株主大会に私も出席いたしました。その株主の意見は、要点は、何故に一対一の出資比率が認定されたか。一昨年以来再編成が若し強行された場合には、少くとも公正なる通念での合併比率ということを考えて頂きたいということを大西総裁にも進言し、その後の株主総会でも確認されておりましたが、次にどういう経過で一対一、配電日発との比率が一対一に決定されたかについて、非常に激烈なる質問がございました。その席上、株主の代表が選任されまして、一対一に決定されまして、成り行きを調査するようにという要望がありました。    〔理事結城安次君退席、委員長着席〕  従いまして私ども株主代表は、三月九日に日発総裁以下幹部のかたにお目にかかりまして、むしろ詰問的な意味で、どうして一対一プラス二十五円というような不平等な決定比率がきめられたのかということを質したところが、これに対する小坂総裁、森副総裁近藤総務部長その他幹部のかたから得た真相は次の通りに確信されたのであります。日発側としては、当初我々株主の決議の通り、新設会社に出資さるべき各社の公正なる実体財産を基礎として合併條件を定むべく、地方固定資産税課税基準の評価額、或いは日発配電側、代表者よりなる電気事業経営者会議等において、計上されたる再評価額等を基礎として配電九社の合計出資額千三百六億五千七百万円、日発側出資合計額二千二百七十億二千八百万円を算定し、若し配電側が現在の合計資本金二十二億円と同額なる一対一の新株券の交付を要求するならば日発に対しては七十四億一千二百万円の新株式を交付すべきであつたことを主張されたのだそうであります。然るに公益事業委員会では、GHQの指示により、総司令部の内面指示があつたから、資本金を増加することは許されない。九新設会社の資本金は七十二億円にする必要があると言われたので、その場合には、若し資本金が七十二億円以上にすることができない場合には、日発としての新株式交付額は四十五億七千二百万円、配電九社に対しては新株式交付額二十六億二千八百万円を配分するようにという主張をしたそうであります。ところが委員会側から配電九社に対しては、すでに新株式の交付を一対一、即ち四十二億円配電会社のほうに割当てることになつておる。従つて日発としては残りの三十億が割当したことになるから、三十億の線を認めよ、資本金がすでに七十二億円を超過することがいけないと当局からの命令があつた以上、内示があつた以上、一対一の比率は変更できないから、プレミアムの問題で解決しようと申されたのであります。情勢がかく内面指導とかいうような申出がありましたために、日発当局者としましては、正当なるプレミアムとして五十円とか、百円とか主張しても、若しそういうことを主張すればするだけポツダム政令の実施を故意に日発側が遅延させる、そのポツダム政令実施の遅延の責任日発側が負わなくてはならない。そういつたような非常にデリケートな問題になり、従つて日発側としましては、止むを得ず二十五円プレミアム案なるものを提出したのだそうであります。併しこの一対一アルフア二十五円なるものは、決して、右のような事情で自分たちが初めから正しいと思つて主張した自由意思に基くものではなくて、敗北者の立場で屈辱的に強いられたのであるから、その後我々は一切を白紙に還元して、我々当初の案を主張する旨を委員会に報告した。従つて株主各位におかれては、一対一プラス二十五円のプレミアムということには制約されることなく、適正且つ公正なる合併案を以て公聴会において主張して欲しい。これが日発当事者から出た返答でありました。初めは株主代表としまして、私もその一人でありましたが、小坂さん以下皆様に非常に申訳なかつたのですが、余りに弱腰で、なんで一対一などというような……、相手は水ではないか、少くともこちらは酒である。酒と水とを合わして二で割つて半分飲めというようなやり方をどうして承知したかと言つて強く質問した結果得た答弁が、実は奥村君そうではないのだ、もう情勢がかくかくであつて如何ともしようがなかつたのだ。従つて今となつて自分たちはすでに白紙還元を申入れてあるから、株主においても自由な立場でやつて欲しい、右のような、私たちが殆んど想像もいたしておりませないような重大なる事実が判明いたしましたから、直ちにGHQのケネデイ氏に電話連絡いたしまして、二時半にアポイントメントを求めて会見したような次第であります。  今申しますケネデイ談というのは、先ほど委員のかたから御忠告がありました点を思いまして、今から申上げますことは、私が行きましていろいろな質問をして、それに対するお返事を得て、それを要約したものであります。従いまして私の了解が若し間違いであつてはいけない、誤解があつてはいけないと思いましたので、昨日株主総会で、大阪の株主総会において発表しますと同時に、ケネデイ氏宛に英文の手紙で以て、大体の要旨は、日発配電の出資比率に関して非常に問題がある。それについて株主総会において種々の質問があり、関係当局者に対して非常に誤解をしているような点もあつたから、自分としては数回に亘る貴殿との面会においてあなたが述べられたこと、並びに三月の九日特別会見においてあなたの申されたことを別紙の通らに要約してお伺いするから、自分考え、又は了解したことが正しいかどうか、間違つておるかどうか確認して頂きたいと言つて申上げてあります。そのケネデイ氏の申された談というのは次の通りであります。「すでに再三再四日発の株主諸君にはお話した通り、再編成は飽くまでも適正公平に処理さるべきものであるから、日発株主のみに不利なる合併條件を我々が公益委員会に指示することは絶対にあり得ない。日発株主として公正なる意見があるならば、公聴会において当然主張すべきであり、一段の経済的、社会的通念に立脚した適正なる合併條件であるならば、例え公益事業委員会の裁定といえども修正されるものであるから、何ら心配することはない。要はいずれの意見が正しいかを明確にする根拠である。公聴会なるものは、決して單なる空文的、形式的制度ではない。真の民主々義精神を発揮せしむべき最良の制度であるから、この機会に十分諸君意見を述べるべきであると思う。自分もこの公聴会における討論内容については愼重なる注意を拂うつもりである。」これがケネデイ氏から言われました三月九日の同人のの要約であります。この点につきましては一昨年の三月二十二日以来私は数回に亘つてケネデイ氏と会見いたしまして、そのたびごとに私の質問した言葉、それに対してケネデイ氏がどういうように答弁なされたかというようなこともすつかり準備してあります。併し要約する点は今申上げた点と殆んど変つておりません。例えば去年の三月二十一日に私が新会社の設立方式について質問しまして、政府或いは当局者が株主の意思に反して新設される会社に対して出資の方法を勝手にきめた場合、一体株主として行政裁判を起しても差支えないか。又価格決定は占領軍のGHQの命令で実施されたとすれば、一体我々株主としては如何なる自衛権を有する質問したのに対しまして、ケネデイ氏はその当時は個人的見解として申されたのが、株主がその自由意思で行政訴訟を起すことは何ら差支えなく、又占領軍としては、かかる個人の財産権に触れる問題には原則として関係せぬ方針であるから、新設会社に対する出資方法が帳簿価格によらなければならんというようなことは全然考えていない。如何なる場合といえども株主の正当なる権利は侵害されるべきでなく、又特定一社に対して差別的取扱をなすことは絶対にあり得ない。従つて出資比率の要領も一般に理解、納得の行く公正妥当な方法が採用せらるべきは当然であり、而もその場合に政府から提出されている法律案によつても評価委員会、バリエーシヨン・コミテイといいますか、評価委員会は株主により選ばれた者を以て構成されることになつているはずであるから、公正妥当なる評価方法が採用されると思う。いたずらに一方的風説に耳をかす必要は全然ない。これは去年の三月二十二日で、まだポツダム政令が出ましたよりずつと前でありまして、再編成の内容が具体的にわかつておらない当時において、すでにこういうことを申されておつただけに、私が三月九日に行つて聞きましたケネデイ氏の申された意見も、前から何ら当局としては変つておらないということを確認した次第であります。ところが帰りましてそのことを株主代表にお伝えしましたところが、株主代表としては非常に激昂なさいまして、非常にそんな話の食い違いがあるようなことでは、株主から今日の大会で以て真相を把握しろと言われた要求に対して、返答ができない、かかる重要な問題であるから、甚だ夜分遅く失礼かもしれないが、公益事業委員会委員の皆さんにお眼にかかつて、よく真相を確めようというので、実は今日御出席なされている松本委員長殿のお宅へお電話しまして、一時間か、二時間ほどいろいろお話したのですが、非常にお忙がしくて来客もおありになるとかで、御面会できない。ところが株主のほうのかたは、皆さん非常に御熱心で、とにかくちよつと聞けばいいのだから、それでは早速お伺いして御未見を聞いてくれというので、私ども代表三人が参りまして田園調布のお宅へお伺いしたわけであります。ところがやはりお忙しくて、お眼にかかれなかつたために、秘書のかたを通じまして私たちが参つた目的をお伝えしまして出資比率の問題で実は御意見を承わりたいと申上げましたところが、松本さんが秘書を通じて申されましたことは、出資比率の件に関しては伊藤委員が担任しておられるから、伊藤委員に聞いてくれ、伊藤委員を紹介するからと申されて、伊藤委員殿のお宅を御紹介下さつたのであります。余り夜分遅くてと思いましたが、事非常に重大でありましたから、早速伊藤委員殿のお宅へお伺いして、お待ちしたのでございますが、非常にお忙がしいお体で二、三心当りのところへお電話をしましたが、遂にお眼にかかることができませんでしたから翌日午前八時ちよつとすぎに甚だ不躾ではございましたが、アポイントもせずにお伺いして、伊藤委員にその旨をお尋ねしたわけなんでございます。そのときに伊藤委員殿から承りました言葉は、自分は單なる説明役であるから、果してそんな内面的な指示が関係当局からあつたかどうか関知しておらない。併し今となつては一対一の比率は変更することは非常に困難と思う。いずれにしても日発株主側に不満があるならば公聴会において御意見を承わりたい。これが伊藤委員殿から伺いました御意見の大要でございまして、若し私の了解が聞き違いでありましたならば、この席上で伊藤委員殿から御訂正願いたいと思います。  右のような日発当局者に聞いて了解したこと、ケネデイ氏のところへ行つて聞いたこと、又公益委員のかたから伺つたことを総合的に私どもが判断しまして、私どもとしての一応の見解に到達したのでありましたが、これによつて見ますと、松本委員長殿が先般参議院でございましたか、衆議院でございましたか、よく記憶しておりませんが、御答弁なされたように出資比率は現在の株価を基準にせりという見解は全く根拠薄弱で、日発当事者の報告のごとく公益事業委員会のかたが架空な何かものを作り上げられて、虚僞な事実を以て一対一の出資比率を日発側に押し付けたことになる。若しこんなことが事実だとすればこれは余りにも問題が重要でありますから、その結果たるや誠に測り知れざる責任問題にまで及ぶのじやないか。従つて私ども代表団としましては株主大会においての要求もありまして、私ども二、三の者だけが承知すべき問題じやない、全国の株主のかたに真相をお伝えして、且つ公益事業委員会のほうからこれに対する公式な答弁を得なくてはいけないだろうという結論に到達しましてその真相報告を実は全国の株主にお伝えする手配をとつたのであります。同大会の席上におきまして、日発側株主代表団として従来無視されておつた株主権をどうして確保するか、ということについて非常な論議がありましたときに、私ども代表から株主団に対して差上げました文書がここにございますから、その要点だけを申しますと、公益事業委員会の性格並びに各委員の人格、識見等を信頼してたとえ如何なる風説が流布されても、最終的には必ず公正妥当なる再編成実施されるものと期待したるが故に、今日まで私たちは成り行きを靜観して来たつたのでありますが、先般衆議院において日発配電の合併條件日発に対し、余りにも不公平なりとの非難に対する松本委員長答弁が現在の株価を基準として一対一に決定せりとの余りにも子供だましの答弁をなし、且つ今般の決定指令案の内容を見るに及びまして、同委員会が全く配電側の代弁機関に過ぎないということが明白になりましたので、いよいよ我々株主は自衛権を発動して公聴会において我々の見解、所信を披瀝し、全国十八万株主が一致団結して所期の目的を達成せんと努力する。我々の見解は、同じ集排法によつて指定されながら、日発だけを九分割され、同じ集排法だつた配電も九分割されるのじやないかということが議論でありましたが、日発だけが九分割されるというような悪い條件、非常なハンデキヤツプがあるにかかわれず、配電側の九社のかたが連名で以て陳情書をいろいろ各方面に配られた。それは去年の二月か三月でございます。時価が四千億と評価される日発の尨大なる財産を僅かなる何十分、何百分の一の帳簿価格で配電会社が引取つてしまう、譲り受けるのだというような印象を一般の大衆に與えまして、日発株主に対しては非常な不安、動揺を起さしたのでありまして、その結果日発の株価は非常に不当な低落々余儀なくされたものであります。かかる陰謀的な悪質なる噂によつて低落を余儀なくされた現在の株価を以て配電側との合併條件の基準とするがごときは、全く配も側の策動に乗せられたものであつて、如何よう弁解しても公正なる処置とは言いがたい。若し株価を以て出資比率を定めんとされるならば、一昨年のたしか五、六月頃シヤウプ博士が来朝されまして、公正なる資産の再評価が伝えられました当時に、電力会社の株価を基準とすることが妥当であり、その当時の株価なるものが関東配電が七、八十円、関西配電が六、七十円、中部配電が五、六十円、北海道配電が五十円、東北配電が円十円であるに対して私どもの日本発送電は実に百六、七十円の高値を維持しておつたのであります。従つて株価で以てやらなくてはいけないというのが委員会の御方針であるならば、非常なハンデイキヤツプやルーマー等で不当に圧迫された現在の株価によるのではなく、自由な立場でその当時の公平な一般大衆が判断をして買上げられるその当時の株価を基準とするのが妥当ではないか。そうしますと一対一ではなくて、日発の一株に対して配電会社が二株、三株或いは四株くらいになつて合併されて然るべきではないかという結論になるのであります。然るに一対一で合併を強制せんとすることは、我々の財産を故意に過少に評価して配電側の利益のみを図らんとするものであり、今般の再編成の根本原則であります平等の精神に反するのみならず、個人財産権の侵害という実に由々しき憲法の違反行為を侵すものと言わねばならんのであります。電気事業の再編成に関するポツダム政令中には何ら個人財産権の侵害は強要されてはおらないのであります。従つて我々日毎株主は憲法その他の法律によつて保障されておる我々の財産権を主張し得る立場にあるのであります。この点に関しては我々株主代表は再三再四関係当事者と会見してその見解を質したところ、たとえポツダム政令によつて編成実施されても、株主の財産権は侵害されんことを言明され、配電側との合併は公平妥当なる立場においてなされることが確約されておるのであります。従つて出資財産の評価は先般実施された地方固定資産税課税基準の評価額によるか、その他電気官業経営者会議において日発側配電側聞係代表者による協議の上用意せられた再評価額によるべきであり、これらいずれの場合においても大体日発の財産は二千億円、配電九社を合計しても僅か千億円足らずが公平なる評価の比率でありまして、日発の資本金を三十億円、配電九社倉、資本の四十一億円の比率から計算して比較しますと、日発一株に対して配電各社の平均株式二・七くらいが割当てらるべきなんであります。然るに一対一の割当てをなすことは日発の財産を配電側に比し約三分の一くらいの低価格で過少評価したも同様であり、如何にも不合理であります。再編成を百貨として配電側が暗躍した本当の目的は、僅か小坂総裁殿が発見せられた二十億とか五十億程度の含み資産というものではなく、実にこれは再建設費五千億から六千億と見積られる日発財産を横取りすることであり、かかる智能犯的掠奪行為は決して許さるべきものではないのであります。  次に集排法に対する公益事業委員会松本博士殿がここにおみえになつておりますから、私どもの見解を披瀝して所信を伺いたいと思うのでありますが、公益事業委員会の見解は独断と言わんよりはむしろ違法であり、同一会社の分割をするために作られた法律を以て、全く資産内容を異にする二つ以上の会社の合併の場合に濫用せんとするところに根本的な錯誤があるのではないかと思います。集排法によつて指定された指定会社の分割は、一つ会社の内部問題でありますから、たとえ十に分割されても、二十に分割されても、その分割された各社の財産はそのまま元の株主に引継がれるわけでありますから、何ら形式上から言いましたら財産権の侵害にはならない、そういう建前の下に作られた集排法の精神を資産内容が根本的に違います玉石混淆する二つの会社の合併の場合に適用されますことは、株主の権利に重大なる利害関係を生じますから、最終的には株主総会の同意を求むべきが当然であり、従つて合併條件は我々株主が納得し得るがごとき公正なる基準にあるべきが当然なのであります。又目下問題となつております役員選出のごときも、公正に評価された出資財産の比率等を共進として定めるべきが一般社会通念、経済的考えであると思われるのであります。このところで私ちよつと株主から質問がありましたことを申上げますと、一体ポツダム政令があつた場合にはどんな命令があつても、株主は黙つて呑まなければいけないのがどうかという質問がありましたから、私はノーと答えて置きました。そうしたらば仮にそれでは奥村が日発総裁であり、自分配電側の社長であつて、ポツダム政令とかということがなくて、二つに分れておつては工合が悪いから、一つ手を握つて日発配電とが合併しようじやないか。その場合に日発総裁として一対一を納得するかどうか、そういう普通の場合であつたら、絶対に一対一などの合併條件は承知しないはずであります。そうすると現在の場合はポツダム政令があつたことが合併條件にまで影響するものかどうかという点が非常に疑義がありまして、再編成法を調べたところが、集排法による法律ではたしか再編成法の第三條の一項から三項まで全国地区を九つに割るとか、九つの会社を作るとか、どういつたものを出資するとかということについては、私どもは文句は言えませんが、出資財産の評価比率等でするということについては、私どもが最終的決定権があるのではないかと了解したわけであります。従いまして右二つの理由で以て私どもとしては公益事業委員会が決定された裁定ということには絶対反対であるという意見が開陳せられまして、それに対しまして全株主が賛同いたしまして、賛成の結果昨日の大阪における、大阪商工会議所におきます株主大会の決議を申上げますから御参考にお願いしたいと思います。  一、日発配電各社の新設会社に対する出資比率並びに人事に関する公益事業委員会の裁定はあまりにも配電側偏重の不公平なるものにつき全面的に反対し、これが適正且つ公平なる修正の達成を期する。  二、再編成に伴う新設九会社への出資に関しては、日発配電とも同一基準により評価されたる実体財産額の比率により新会社株式の交付比率を定むるものとする。  三、右比率は日発当事者が当初公益事業委員会へ提出した左記原案によるべきものとする。日発出資財産評価額二二七〇億一八〇〇万円、配電九社出資財産評価額一三〇六億五七〇〇万円、(イ)新設会社資本金合計額七十二億に裁定の場合の新株式交付額、日発に対して交付さるべき新株式合計額四十五億七二〇〇万円、配電九社に対して交付さるべき新株式合計額二千六億二八〇〇万円、(ロ)新設会社資本金合計額一一五億に裁定の場合の新株式交付額、日発に対して交付さるべき新株式合計額七十三億円、配電九社に対して交付さるべき新株式合計額四十二億円、これは配電側を一対一にした場合の日発側は一対、新株式が二・四三になるわけであります。  四、出資比率は右の通り決定し別に同一集排法により指定されながら日発のみ九分割されて輿編成される日発株主の不利をつぐなうためのプレミアムを要求し、且つ端株の処理に関しては新会社が設立せられ再評価後再評価積立金を資本金に繰入れたる後に於て処理するものとする。  五、新会社社長重役は設立後二ケ月以内に株主総会を開き共の賛成承認を求むべきことを條件として暫定的に公益事業委員会が決定し得るも其の割合は日発側三分の一、配電側三分の一社外有力者及株主側三分の一の比率により人物本位にて選任すべきものとする。  六、日発従業員に対し差別的不平等の処理を探らざること。  七、公聴会に於て我々の意見が受入れられざる場合には行政裁判を提起し飽くまで所期の目的達成を計るごと。  八、直ちに臨時株主総会を招集して右事項を再確認すること。  右八項目が大阪の昨日の株主総会の全員一致による決議でありまして、本日私がこの席に参ります前に、東京で三月九日に開かれました五千株以上の株主大会におきまして代表せられました中山力松氏の御意見を求め、その席上で中山力松氏に今後の方針は大会の結果御一任してありましたから、大阪のこの決議の内容はどうかというお問合せをいたしましたところが、「右関西地区大会に於て決議せられたる八項目に対しては昭和二十六年三月九日東京丸の内工業クラブに於て開催せられたる五〇〇〇株以上大株主大会に於て代表に選任せられたる中山力松外各代表が全面的に支持するものなることを確認する。」という御承認を得ておるわけであります。多少これの決定に至りますまでの間に疑義がありましたり質問がありましたが、最終的に右のように全会一致で以て決定されたのであります。
  149. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 奥村君大体相当詳細に御発言があつたようですが、又何かどうでもこうでも御発言なさいますような重要な問題があれば別ですが、そうでなかつた答弁をしてもらつたり、議員の諸君質疑の時間もありますので、結論に入つて頂きたいと思います。
  150. 奥村貞太郎

    参考人(奥村貞太郎君) 結論は只今申上げました株主大会の決議が東西株主大会における決定事項になつておりますから、この点は私が代表として申上げて公益事業委員会のほうのこの線に沿う修正をお願いしたいと思う次第であります。
  151. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今奧村貞太郎君から公益事業委員会裁定案に対して相当手痛い御批判の御意見が述べられましたが、公益事業委員会からの御見解をお答え願います。
  152. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) この評価問題についてはよほど長い間質疑応答をここで重ねたと思います。それを又重ねてやる必要はないように私は考えております。当時と同じことを申したい。そのときも申したので、株価はシヤウプか何か来たときですか、何か再評価というのはまるですべて儲るように誤解があつて、いろいろな株価がむやみに上りましたそのときの一時の現象であつて、百六、七十円というのは少し多過ぎるようでしたが、百何十円ということはあつたということは私はそのときに答弁いたしたように思つております。併しそれは一つも当てにならんもので、その後における最近の状態においてずつと繋がつておるところの株価というものは大いに尊重しなければならん。併しながらそれを以て唯一の標準にするというようなことは私は言つたことはありません。それで一対一ということについては十会社が皆一致された。このことは日本発送電株式会社もこれは一致されて、何ら御異議がなかつたと思います。今更その比率をどうというようなことはこれは問題外であると私は思つておるのであります。今いろいろ述べられたことは、ケネデイ氏はどう言われたというようなことがありますが、これは人の権利を害することはできんということは、これは誰でも言うことであります。その通りのことしか言われない、これは当然の話であります。若し権利を何か侵害されたというようなことがあれば、それは法律上の手続で聴聞会で第一お述べを願いたい、なお再考するかも知れません。それから然る後に或いは訴えられるというなら訴えられるなり何なりそれをやられるほかは私はないと思います。今この比率を変更するというような私は考えは絶対にない。これは十会社がすべて同意をされてできておる比率であるということをここに申し上げて置きます。
  153. 奥村貞太郎

    日本発送電株式会社株主(奥村貞太郎君) 十会社が同意されたと申しますことは、株主総会る決議がなくてもいいのでございましようか
  154. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) それは協定案を出すということは役員がするようになつておる。株主総会のあえて同意は要らないことと思つております。
  155. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の奧村君の御発言並びに松本委員長の御発言に対して、議員諸君に御質疑があつたら逐次御建言願います。
  156. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今松本委員長から、この株価の問題については質疑応答を大分つたからもういいというようなお話で、恐らくその中心になつたのは三月三日の私と松本委員長質疑応答じやなかろうかと思いますし、そうでないとしても責任がありますので、二三質疑をいたしたいと思います。第一に松本委員長は今一対一の比率を変更するという考えは絶対ありませんと言われました。その理由として、当事者同士が了解しているのだから必要なしと、こう言われたように私今聞いたのです。これは三月三日の速記録を御覧になつてもおわかりになる通り人事の問題であのとき小川委員からの御発言がありまして、当事者同士が了解したことであつても、公益のためにおかしいと思う場合には当然に公益委員会が介入するということを前提としてものを言われた。それで私は株価のこの合併比率の問題につきましても、私は今当事者同士がどういう話になつているか知りませんけれども、仮にこれが両方ともに一対一を了承したとしても、理窟があまりにもおかしかつたり、筋道が通らな過ぎたり、公益についておかしい疑念がたくさん存在するならば、当然に公益委員会は介入するはずではないか。介入されるかと言つたら、介入するということを前提として私との質疑応答が繰返されたと思うのです。それであるのにかかわらず、本日ここで絶対に一対一を変更するつもりはないと、そうしてそれは当事者同士が了承しているからと、どういう意図で言われたのか、一つどつちが……、三月三日に言われたのが本当か、今言われたのが本当か、御答弁願いたい。
  157. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 両方とも本当です。
  158. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 矛盾した言葉が……、両方とも本当という言葉の十分な一つ鮮明をお願いいたします。
  159. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) どうも十分とおつしやるけれども、矛盾は一つもしていないと私は思うのです。どう矛盾しているかわからんのです。私が絶対にこれを変更する意思が今ないということを言つたのは、今ないということを言うのであつて、その理由は、両当事者すべてが同意したからというだけではありません。内容がこれは全く正当だと思うのです。内容が正当であつて、両当事者がみんな協定してできておる。何も我々は裁定はしていない、この案をですね。それや裁定はしていないので、それだから……。
  160. 小坂順造

    参考人小坂順造君) 只今松本委員長お話、佐々木君の御質問との間にちよつと私どもの立場が間違つて伝えられておるように思いますから、申上げて置きたいと思います。それは日発配電との間の話のときには、配電が一、日発が一・七四、これはまあいろいろ議論がありますが、そういう案を出しております。一・七四なんというのは非常に面倒だからこれはプラス・アルフアーとして置こうという松本さんのお話に対してそれに私が同意をして、それを二十円乃至二十五円ということでお話をしておつたのです。一対一にきまつたというお話ではないのです。一対一プラス・アルフアーというものが問題の中心つたのです。それがだんだん変つて来て、私は出なかつたのですが、会社の者が松永君のところへ呼ばれて行つたときに、一対一で、配置のほうは、五円でたくさんだと、五円できめる。これはまあ公益事業委員会の権利できめるべきものだからその通りに書いて出せと言われたと言つてつて来て、書類を作ると言うから、それはとんでもない話だと、一対一プラス・アルフアーというようなことが五円ときまるようなことはとんでもないことであつて、二十円乃至二十五円ということは松本さんと個人的にしばしば話合つておる。それが五円ということでは話が違うから、そういう文書は出すことはならん、私が全責任を負うから配電会社とどういう話をしたか知らんけれども、そういう話は一切破棄してしまえ、日発は当初の主張の通りに主張するということを言つたので、一対一と決定したようにおつしやるのは違うのです。
  161. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) ちよつとお考えが違うので、プラス・アルフアーということは勿論あるのです。プラス・アルフアーは勿論付けてあるのですが、これは別の問題で、つまり今度の九つの会社ができる。その九つの会社の資本総額は、今の九つの配電会社日発との資本の総額と同じにするということについては何ら異議なく、これはそういうことにきめてあるのです。そのことについては、双方から出て来ておる書類は同じだと私は思つておるのです。
  162. 小坂順造

    参考人小坂順造君) それは……。
  163. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 小坂総裁ちよつと待つて下さい。今松本さんが発言中ですから、発言が済んでからあなたの発言を許します。
  164. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) そのプラス・アルフアーが幾らになるということについては、これはきまつておらんが、その意味において新らしい会社の資本額は皆定められておる。それが一対一が違えば、新らしい会社の資本額は今度きまつたようにきまるわけがないのです。プラス・ラルフアーと比率一対一ということは、全く別のことであると私は思つております。
  165. 小坂順造

    参考人小坂順造君) それは株できめようが、現金で渡されようが、株主にとつては同じことなんですから、私は同じものと考えておる。松本さんは法律家だから、法律的に見たらどうか知らんけれども、普通の経済の観念から言えば、株を二対一・七四渡されるか、一株に二十五円つけてくれるか、二十五円と〇・七四が同じであるかうかということは、これは別の問題でありますが、それを同じ考え方から行つて、一対一というものをきめたつて、プラス・アルフアーは別のものであるということが、いつの間にかそれが九社に分割される不利を補うものであるという説明変つてしまつた。私のほうでは絶対に承認しておらないのですから、議論したつてしようがないから、私はそれを承認しておらないということを申上げて置きます。
  166. 奥村貞太郎

    参考人(奥村貞太郎君) それは非常に重大であります。若し今松本さんのおつしやるように、一対一の比率を絶対に変更できないならば、どうして公聽会を開いて論議する必要があるのですか。
  167. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) それは私は信じておるということを言うのです。
  168. 奥村貞太郎

    日本発送電株式会社株主(奥村貞太郎君) それでは変更できるのですな。
  169. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) それは勿論できる。
  170. 奥村貞太郎

    日本発送電株式会社株主(奥村貞太郎君) おなたの思うことが私の考えることと違つた場合においてこそ、初めて聽聞会とか何とかいう議論が出るはずなんで、一対一は絶対に変更できないという規則があるのだつたら聴聞会に出る必要はないと思う。
  171. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) そんな規則はありません。
  172. 奥村貞太郎

    参考人(奥村貞太郎君) それでは変更できる可能性はあるのですな。
  173. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) それはあります。
  174. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 佐々木君よろしいですか。
  175. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 松本委員長は、非常に当委員会に対して誠意を欠いておると思うのです。先ほど言われたように、完全に矛盾した言葉を以て、両方とも同じだと、それはいくら弁護士であつて大学者であろうとも、まあ理窟のつけ方は一ついいかげんにお願いしたいと思うのです。誠意を以て御答弁を願いたいと思う。そうすると最初の言葉の片一方のほうが間違いであつて、正しいことであるならば一対一も変更する可能性があると、こういうことになるわけですね。
  176. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 可能性はありますが、私はそれは変ることには賛成できないということを言つておる。
  177. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 先ほどのときに、私は松永委員に対して、若輩ながらお説教を申上げた。すべての決定は委員会において行われる。委員会を離れて、委員会の権限以外に個人だの委員だのというものの大した力はないし、権限はない。その際に松本委員長が、まだ公聴会も行われない以前に、私はそれに反対だとか、あたかも委員会ではそのようなことはもう不可能だというがごとき印象を言われることは、特にあなたが株価の問題を云々されておる際に、最もこれは悪質な発言だと私は考える。株価は御存じのように、あらゆる経済的な條件なり、或いは今日ここで論議されておる内容によつて、常に変動し得るものである。それに対して、先ほどの奧村君の意見にもあつたように、あたかもGHQの意見であるかのごとく、日発にうんと言わせたかのごとき印象を或るときには與え、そうして又今日ここにおきましては、委員会として決定も何もしておらないのに、委員長として公聴会の前に恐らく決定は不可能であるということを予想するがごとき発言をなされる。これは私は故意に今の株価の問題とくつけながら、何らかためにするところの配電株主偏重の動きじやないかと私は邪推せざるを得ない。最もきれいなる御答えをお願いしたい。
  178. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 根本的の問題、今度の九会社の資本額というものは、双方からちやんと出て来て、それが一対一の計算で出て来ておる。即ち九会社の資本全部を加えたものが、即ち七十二億円、そういうことにできておる。これを若し一対一というものをこわして来たならば、まあ全案は全く完膚なきまでに改めなければならんことになる。問題はプラス・アルフアーの額、プラス・アルフアーの額を十円とたしか裁定しておるはずですが、その額については、これは日発意見は違う。日発はプラス・アルフアーを二十四円幾らか何かにたしかされておる。それを十円が相当である。これは前に幾度か私は述べたと思いますが、いろいろの経済のほうの実際家、大家を集めて、そうしていろいろ研究した末、それに出て来た結論は、何でも細かいものがあるのですが、八円七十何銭のものが正当だという結論が出ておる。併し余りラウンド・ナンバーでないということで、十円に裁定した。この十円という額については、これは或いは聽聞会において、いろいろ議論があつた場合に、これは八円にされるかも知れない、その代りに或いは十二円にされるか、二十円にされるか、これはわかりません。併しながら、今の資本額をこわすということになると、今度の両会社の協定がちやんと出ておる。その資本額が変つてしまうということは、これはこの案全部をこわすことになるので、私はそういう変更は行われないと信じておるということを言つたわけであります。
  179. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 暫く休憩にしたらどうですか。
  180. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今から休憩いたしますと、公益委員会のかたは御老年でもあるし、御病体でもあるし、そう夜遅くまで長時間続けてやることもどうかと思いますが、若し休憩の主張があれば、今日の委員会は、この程度でやめておいて、後日調査を継続するということにしたほうが、私はこの際適当であろうかと考えます。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  181. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは、奧村君から今御発言を求められましたから、奥村君の御発言が済みましたら、さつき佐々木さんから要望のあつた証人を喚問するかどうかを論議して、本日はこの委員会はこの程度でやめたいと思います。
  182. 奥村貞太郎

    参考人(奥村貞太郎君) 七十二億円は変更できないということは、そうするとGHQの指示によつて変更できないと了解して差支えないか、これが第一点。  それから第二点は、七十二億にした場合に、一対一にしなくちやならんということも、それから引続いて内面的に指示があつたものと了解せざるを得ない。七十二億に資本金をしようが、その割合は日発にその中の三分の一をくれて、配電側にその中の三分の一をやればいいので、何も七十二億円に資本総額が限定されたからと申しまして、金と銀を一緒にして二で割る必要はない、その点の御明答を得たいと思います。
  183. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) その点は別にGHQの指示なんということはここでは申しません。ただ再評価ということは大変に面倒だ。これはこの町編成前にやることはできない、事実上できないというものについての話は私はあつたように思つております。併しそれは細かいことは私はここでは言いません。
  184. 奥村貞太郎

    参考人(奥村貞太郎君) 再評価ができないということは、私はこの法文を見ますと、再編成ができるまで再評価法による再評価の実施を延期するということであつて、資本金額の変更ということと違いますことは、あなたが実際にやつた今度の内容を見ますと、こちらの会社から一億円を持つて来て、こちらの会社から五千万円減らして、貯蔵品の評価をするとか、或いは資産の内容を変更する、資産の内容を変更することは、一種の評価でありますが、法律で以て謳つております再編成前には再評価法による再評価は実施しないので、七十二億円を百億にしようが、百五十億にしようが、両者の合意によつてそれは決して違法でないと了解をしております。その点の御見解は……。
  185. 松本烝治

    政府委員松本烝治君) 再評価というものは、再評価法によるところの再評価、これを再編成後にするという意味に私は解しております。その以外に、收支の割合をどうするということは、これは各社で協定をしてこしらえておる。つまり七十二億円を増すということは、これはできないのでありますが、その分け方については、これは各会社が協定してできておる。これは日発がその協定の資本額に同意された。それであるから、これはむしろ協定されてできでておるものであつて、孜々が何も裁定したものでも何でもありません。ただプラス・アルフアーの額だけについて裁定したのだということをよく一つわかるようにお考えおきを願いたいと思います。これ以上もう進めることは大変長くなりますから……。
  186. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 委員諸君にお諮りいたします。佐々木君の先ほどの御発言中に、当委員会に証人を喚問して、なおこの審査を継続したいという御意見の開陳がありましたが、委員諸君これに御異議ないでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  187. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは証人の人選その他についてはどのように取計らいましようか。委員長に一任願えますか。    〔「委員長に一任」と呼ぶ者あり〕
  188. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 委員長一任で結構だと思いますが、希望を申上げて置きたいと思います。先ほどの人事関係の糾明のためのあの問題と併せて、この評価関係の問題につきましては、会計学会その他でも相当論じられております。従いましてその関係のかたもでき得れば呼んで頂きたいことを附加えて希望しておきたいと思います。
  189. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今の佐々木君の御希望も入れて委員長に御一任して頂けますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  190. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは委員長で適当に取計らいます。  それから清水金治郎君に申上げますが、本日は長い間おすわり頂いて、そして遂にあなたの御発言の機会を與えずに当委員会を閉会することに対して、委員長誠に責任を痛感しておりますが、どうぞ一つ御辛抱お願いいたします。又この次には清水金次郎君に最初に発言を許すつもりでおりますから、どうぞ御了解下さい。  参考人のかたに一言御挨拶いたします。本日は長時間に亘つていろいろの御意見の御開陳を願いまして有難うございました。御苦労さまでございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            高橋進太郎君            栗山 良夫君            結城 安次君            佐々木良作君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            石原幹市郎君            岡田 信次君            古池 信三君            椿  繁夫君            山田 節男君            野田 俊作君            溝口 三郎君            山川 良一君            境野 清雄君            須藤 五郎君   政府委員    公益事業委員会    委員長     松本 烝治君    公益事業委員会    委員     松永安左ヱ門君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君   説明員    公益事業委員会    委員      伊藤忠兵衞君   参考人    日本発送電株式    会社総裁    小坂 順造君    日本発送電株式    会社総裁   森 壽五郎君    日本発送電株式    会社株主    奥村貞太郎君