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説明員(平井寛一郎君) それではこれは後ほど書類を以て御提出いたしたいと思います。実は私最前聞き落しておりましたから……。
〔
委員長退席、理事結城安次君
委員長席に着く〕
その次の御質問の
石炭六百五十万トンのうち何トンを標準
料金分として織込むのかという御質問に対してお答えいたします。
電気事業者の
料金値上の申請書類の中におきましては、
石炭の量は標準
料金分と火力
料金分とに区別をしてないのでございまして、單に総括原価のうちに占める
石炭の量とその
石炭代金が記載してあるだけなのでございます。併しながら同じくその
収入面におきましては、用途別にこの標準
料金分と火力
料金分とを区別して記載してあるのであります。総括原価に見合いまする
収入は、標準
料金分と火力
料金分との合計として
計算をされておるのであります。地帶間の需給をできるだけ均衡化するように融通を行い、又これが融通
料金の決定と水火力調整金の調節作用によりまして、現行の
地域差を拡大しないという方針を極力採用しておりまするのと、需給の不均衡な現状の下におきまして火力
料金制によ
つて需用の抑制を図ると共に、
電気事業者の電源の増強が
経済的に可能となるように算出されておりまして、
電気事業全体として火力
料金制によ
つて石炭代を調逹し得るという想定に立つものなんでございます。
次の
割当制度を存続する
理由如何という御質問に対して申上げます。
電力の需給は
最大限度のみにとどまりませず、
電力量の面におきましても非常に不足をしておりまして、
豊水期においてさえ緊急制限を避け得られないような
実情でございまして、どうしても需給調整をする
措置を必要とするのであります。で需給調整の
措置としましては、使用を抑制又は制限をするということを
意味するのでありますが、これを
電気事業者に行わしめることはどうも適当でないと
考えるのであります。需給調整の
措置は、使用制限的方法によ
つて、制限量を超過した者に対して罰則をかける方式よりは、
料金制を加味しまして、これによ
つて需給を抑制する現行の
割当方式を用いるほうが彈力性があるのであります。次には
料金によりまする調節作用を加味した
割当制を実施して、これによ
つて一応需給の均衡を保持せしめ、又火力
料金制によりまして
電気事業者の電源増強の意欲を起さしめる現行の
割当方式は、均衡の保持上からも必要である、こういうふうに
考えます。
以上のような見地から
只今のところではこの
割当制を存続いたしておるわけなんでありまして、なお
聴聞会等によりました一般の需用者
方面からの声等も、おおむね現状においては何らかの形で
割当が欲しいという声も
相当多いようでありまするが、これらの点もなお今そういう
事情もございますので、
只今申しました
理由と併せて
考えまして、
割当を存続することにいたしておるようなわけであります。
その次は
物価庁は
石炭を五百五十万トンとしているが、どう思うか、この点につきましては岡田委員からの御質問に、
石炭七百三十万トンを要求しておるが、これは
電力需用の急増に対処するものかという御質問と併せて御回答申上げたいと思います。これにつきましてはお手許へこういう縦刷で
一つの紙に第一表、第二表と書きました表を差上げてありまするが、この第一表、第二表を御覧になりますとよくおわかりになると思うのでありますが、本年度の第一四半期の
実績を見ますというと、出水率は平年に対して五%増と
なつております。水力
発電所の余剰
電力補充のための
電力を極力抑えまして、余剰
電力をできるだけ利用し、又補修のための停止
電力を極力抑えまして、そうして水力の発電をば計画に対して一〇%以上増強をしておるのでありまするが、
〔理事結城安次君退席、
委員長着席〕
これにもかかわりませず、
石炭の消費量は、結局計画に対して約三十万トンも上廻
つているような状態なんであります。こういう
供給力を以てもなお周波数、
電圧の低下を来たしまして、地域によ
つては緊急制限も実施したような事態もあつたような
事情でございます。即ちこの表につきましてもう少し詳しく申上げたいと存じますが、第一表を御覧頂きますと、発電
状況が、これは
電力量の單位で以て出ておるのでありますが、年初の暫定計画の場合は出水率をば平年一〇〇%なみとして
計算をいたしまして、そうして右のほうの端にございますように水力計というような欄にございますような
数字を出しておるのでございますが、年初計画では水力を第一四半期で八十四億四千三百万
キロワツト・アワーと当初計画で立てたのでございます。それをば実際には毎月の最終決定の場合に、更にその
割当を殖やしましたような
事情もございまして、実施計画の面では八十七億三千二百万と予想いたしております。これに対して水力の発電の
実績は九十四億一千八百万、即ち年初計画に対して一二%上廻つた
実績を挙げておるのでございますが、これは右のほうの出水率という欄を御覧頂きますと、
豊水期におきましてはどうしても深夜
電力等で利用のできない余剰が出るのでございますが、暫定計画と申しますか、年初の計画のときにはこれが二・五%
程度予想しておつたのであります。それが
実績においては一・六%まで余剰が
減つております。即ち余剰の
見込は予想の六四%
程度に食い止め得て、それだけは活用し得たという結果に
なつておるのでありますが、これだけでは到底この一二%という
数字は出ないのでございまして、年初計画で停止を予定いたしておりました
発電所の停止による量、これは毎年
豊水期の四―六の時期におきましては、毎月これを月割計画をいたしまして、水力
発電所の修理をいたすわけでございます。そうしたものと、それから停電事故等によるものを合せましたのが停止という
数字に
なつておりますが、これは年初計画では九・八%を予想しておつたのでありますが、
実績においては四・一%に
減つております。即ち停止の予想量は半分以下に抑え得たという形に
なつております。こういうふうな結果で、全体としましてはいわゆる温水率という
数字は一二・三芳から五・七%に
減つておるのであります。火力のほうを御覧願いましたらわかりますが、こういうふうに水のほうはできるだけ余剰を喰い止め、又停止を抑えて発電に動員して量を殖やし得たのでありますが、火力のほうの当初計画がこの場合に十一億一千九百万
キロワツト・アワーと予定しておりましたのが、
実績においては十三億三千九百万キロワット・アワーに
なつております。
受電の
電力量も同じように殖えております。
石炭の消費量等が下の欄にございますように九十六万八千七百トン、初めの消費計画が百三十万トンの
実績に
なつておるのでありまして、この間に三十万トン以上の消費が予想を上廻
つておるというような結果を示しておるのであります。
なおその右の欄に貯炭が当初の予想では、六月の末には三十四万二千トンという
数字であつたのが、十五万四千トンというような僅かな
数字に
減つておるというような
実情に
なつております。こういうふうでありまして、
電力需用の現状から見ますというと、多少平年を上廻る出水であつたと
考えておりまするが、消費
石炭は計画を上廻ると見なければならないような状態でありまして、規定
電圧の
電力を送りまするのには、
委員会の立てました六百三十万トンという年間の数量はむしろなお少いものと
考えなければならないというのが現状なのであります。
その次の
料金の
値上げ後一カ年間における各業種別の予定販売
電力量はどういうふうに
なつておるか、これを標準
電力料と火力
電力料とに分けてという御要求であつたのでありますが、これにつきましては、横に長い表をお手許に差上げておるのでありますが、
電力会社の
料金の
値上げ申請書によりまするというと、
料金の
値上げ後一カ年聞における各業種別の予定販売
電力量は、標準
料金分二百五十七億
キロワツト時であります。又火力
料金分が二十億九千
キロワツト時、合計二百七十七億九千万
キロワツト時と
なつておりまして、この内容につきましては、目下
検討中なのでございます。表の
説明は省略いたします。