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1951-02-16 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十六日(金曜日)    午後二時十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気事業編成実施方針に関する  件)  (日本発送電株式会社含み資産に  関する件)  (渇水期電力需給状況並びにその対  策に関する件)  (電源開発計画及びその資金計画に  関する件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 大変遅くなりましたが、只今から電力問題に関する委員会を開会いたします。  本日は、去る十二日の理事会でお打合せをいたしました通り、一、電気事業編成実施に関する事項、二、日発含み資産に関する事項。三、渇水期電力需給状況及び対策に関する事項。四、電源開発計画に関する事項の四件に関し、当局の御説明を聽取する予定であります。公益事業委員会からは松本委員長が、司令部との交渉準備のために本日多少遅れてお見えになるそうで、只今松田事務総長中川経理長平井技術長に御出席を願つております。本日の調査事項は、当局側の御説明相当時間を要すると思われるのでありますが、簡潔に要点の御説明をお願いいたします。最初に、再編成実施に関する事項について、去る二月八日提出されました再編成計画書について当局の御説明を願います。この計画書は去る一月八日の指今により一カ月の短時日に作成されたものであり、その間において当事者の御苦心も大きかつたことと敬意を表する次第であります。併しながらこの問題は一般国民にとつて影響するところが頗る大なるものがあります。而もこれが本月の二十三日には決定されるというのでありますから、この際全般的な御説明と共に、問題となつた事項及びこれが解決方策についても公益事業委員会卒直なる御意見をお述べ願いたいと思います。
  3. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) それでは私から電力編成に関しまする手続日程乃至はどういう点が只今問題になつておりますかという点につきまして、あらましをお話したいと思います。電力編成手続日程等につきましては、先般の当委員会におかれまして、松本委員長から御説明なつておることでございますので、詳しいことは省略さして頂きますが、要するに本年の一月八日に持株整理委員会のほうから、当公益事業委員会のほうに電力編成に関しまするすべての権限を委譲されまして、同時に当日公益事業委員会としましても電力編成に関する方針の声明をいたしまして、なお各電力会社、言い換えれば日発及び九つ配電会社責任者に対しまして、当日口頭並びに書面を以ちまして、この再編成日程を指示いたしたのであります。それによりますと、二月の八日までに再編成計画書を提出することになつておりまして、その緩いわゆる聽聞の制度が、法律のほうでこれを行わなければならないことになつておりますので、その聽聞手続を終えまして、最終的に公益事業委員会といたしまして電力編成に関する決定指令を出しますのが三月三十日になつております。その後この電力編成に関しまする事項について内閣総理大臣に異議の申立をすることが、やはり法律上認められておりますので、その期間法律で認められておりまする三十日というものを予想いたしまして、結局四月三十日公益事業委員会としてのすべての手続終つて、そうして五月早々新会社が発足する、こういう建前になつておるのであります。その間日発及び九つ配電会社におかれましても非常な御勉強を願いまして、去る二月八日に予定通り編成計画書は提出されております。これに対しまして、先ほどちよつと申し落したかと思いますが、十五日後の今月の二十三日に、当委員会としましてこれに対する承認指令案というものを作ることになつております。その後先ほど申しました聽聞制度が開かれますのでありますが、そういう意味只今委員会といたしましては、この提出されました再編成計画書につきまして、いろいろ内容検討いたしておるのでありますが、大体各配電会社日発のほうで十分協議をして再編成計画書を出してもらつておりますので、特に問題としてまだ残つております点は、さほどないのでありまするが、二三やはり解決をしなければならん点があるのであります。それにつきましては、一つ株式の比率につきまして、いわゆる一対一という原則を取つておるのでありますが、併しながら御承知のように日発株主は各配電会社株主と違いまして、この新会社株式、極端な場合は九種類の株式を取得しなければならん、こういうことに相成るわけであります。そういう関係で非常に日発側株主は、配電会社側株主よりもその性質から申しまして多種多様の株式を取得しなければならんという関係から、而もそこに相当端株乃至は端株に準ずるような株式の問題も出て来るというような問題もございまするので、その間の調整を図る。言い換えれば従来配電会社株式を特つている人と、九つの多種多様の株式を持たなければならんような日発側株主との間の一対一による結果、そこに生ずる均衡を多少失するという問題を調整する意味におきまして、或る程度の何と申しますか、金銭を日発関係株主に渡すことが必要じやないか、その額をどの程度にしたらいいかというような点が一つ問題として、只今委員会としましても、寄り寄り研究をしておるのであります。それから清算費用をそれぞれどの程度にするかということでございますが、これにつきましても何分日発の今後の清算をします上におきましては、相当費用がかかることも考えられるのであります。併しながら同時にこの清算費用というものは極力最少限必要な程度にとめなければならんということは勿論でございますので、その清算費用等につきましても、委員会としてどの程度が適当であるかというようなことを検討いたしております。それからもう一点は、例の建設中の発電所でありますとか、或いはまだ帰属がきまつておらない未解決中の電源でありますとか、そういうものにつきましては、各配電会社日発のほうで十分御協議をせられて話がついておりますものも相当ございますが、一二話がつかずに出て参つております問題がございます。そういう点につきましても、最後的に委員会決定をしなければならんのであります。その点が一つと大きく申しまして今の三点が、この委員会としまして二十三日までに決定をしなければならん問題であります。勿論そのほかに非常に大きな問題を落しましたが、いわゆる人事の問題も残つておりますが、そういうような点につきましても勿論委員会としては十分只今検討中のように、私は承知いたしております。大体三点と申しますか、人事問題も入れまして四点、この問題が只今委員会研究中と申しますか、検討中の問題として残つているわけでございます。大体簡單に問題の点だけをお話申上げました。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) その次は、日発含み資産に関する件の説明を求めます。この問題につきましては、去る二月五日の委員会において説明を聞いたのでありますが、当局側資料が未完成であるというお話でございましたので、本日御提出になりました新らしい資料に基いて再度説明をお願いいたします。
  5. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) それではお手許にお配りいたしました「昭和二十四年度第四四半期における増收について」というこの印刷物について御説明申上げたいと存じます。先日の委員会におきましては、三十六億の含み資産につきましては詳細の計数を御説明申上げまして、その席で委員会のほうから、二十四年度にはどのくらいの増收があつて、それがどういう方面に使用せられたか、この点を明らかにしろということでございまして、概略のお話を一応申上げたのでございますが、計数等をその後整理いたしまして、ここに印刷物として御報告申上げるわけであります。  昭和二十四年度の第四四半期は非常な豊水でありまして、その結果、初めの予定に比しまして相当増收を見たわけでございまするが、これの内容につきまして、この印刷物の第一頁に載つておりまする電力需給状況から御説明申上げます。電力需給状況は、経済安定本部の立てましたいわゆる平水を基本にいたしました予想に対して実績のほうは水力発電量につきまして見ますると、予想の五十八億に対しまして八十億実績が載つております。その増加二十二億、これが予定に比しまして三八%の増加なつております。火力はこれに対しまして相当の減少を見たわけでございまするが、この合計電力におきましては、六十八億九千万が九十一億四千九百万となつておりまして、差引二十二億の増加を見た、約三三%の増加に相成つております。これに対しまして以上の発受電電力販売端に見ました実績が、販売電力量という欄にございまして、予想の四十七億二千八百万に対しまして実績が六十億一千七百万であります。十二億八千九百万の増加であつたわけであります。この増加率は二七%ということになつております。なお附け加えて申しますると、この増加せられました電力量のうちで、いわゆる標準電力量で販売せられましたものが七億三百万ということになつております。超過電力量で販売せられましたものが五億八千六百万キロワツト・アワーということになつております。  次に、收入状況でございまするが、電灯料電力料合計いたしまして、予想におきましては百三十八億円で予想いたしましたものが、実績におきまして二百三億六千万円、こういうことになつております。これの内訳といたしまして標準料金として増收を見ました分が二十億円、超過料金増收になりました分が四十五億円、こういう内訳でございます。なお期外分としての増收、それから電力料以外の事業外收入、こういうものがございまして増收合計額は六十九億七千四百万円、こういうことになつております。この増收額のうち分析いたして見ますると、標準電力量の殖えました分につきましては、或る程度予想実績どの食違いが、例えば定額電灯として予想いたしましたものが相当従量電灯増加に切替わつた、いわゆる従量化の進捗したような点、或いは新規需用増加した点がございまして、この標準電力量増加は必ずしも全部が豊水利益であつたとは認められなかつたが、超過料金増收水力予想いたしましたものは、割当量超過火力料金で入つた、こういう点からいたしましてこの分は明らかに豊水利益であつた、かように断定できようかと存じます。  次に、これに対応いたしました支出増加でございまするが、第四四半期支出は、一応電気料金を二十四年の十二月に改訂いたしました際、物価庁で見込みました原価計算によりまして予想経費を見まして、それに対して通常経費につきましては二十四年度下平期実績の折半を以ちまして実績額とし、その比較を見たわけでございまするが、通常経費におきましては第一番目の燃料費節減でございまして、これが計画におきましては九十万トンをべースに見込みましたものが、実績において七十四万二千トンであつた。その結果八億八千万円の石炭費節減を見たわけであります。従つてこの豊水利益と申します場合には、先ほど申上げました七十億の増收、そのうち確実に豊水のため節減せられたと見られる四十五億円に八億八千万円を加えました約五十四億円程度豊水利益であつたかと存ぜられますが、いずれにいたしましても通常経費の面におきましては、先ほどの石炭費以外につきましてはさほどの増減はなかつた。結果におきまして小計欄のところにございますように四億円の節減なつておる、こういう事情でございます。ところが特別経費としていわゆる臨時経費増加と見られるものをここに計上して見たわけでございまするが、これにつきましては給与の増加分という項目がございまするが、ここで十億円余りの増額を見ております。それは電産の争議調停に伴いましてこの期間の、一月—三月間のベースを七千百円ベースから八千百円ベースに引上げたこと、及び年度末の一人当り三千円の特別賞与が出ました結果であります。それから次の欄に過年度分退職金及び人件費というのがございますが、これが二十四年度の第三四半期以前におきまして出ました人件費のコストの不足というものが、一応支出に計上されておりましたものを償却いたしたわけでございまして、この分が合計いたしまして約二十億円支出増額なつております。更に大きな項目といたしましては利益増加に伴いまして、税金が十一億円程度増額いたしております。その他石炭準備金の引当、或いは政府補給金の償還、当期間におきまして出ました社債の差金の償却及び増資の費用、かような経費合計いたしまして五十五億円の臨時経費増加、こういう結論になつております。締めまして支出増加は五十億八千万円でございまして、従つて前期増收七十億円のうち約五十一億円と申しますものが当期の支出として予定外に出ました次第でございます。  以上を合計いたしまして、一番最後の項目に掲げてございまするように、総收入におきましては六十九億七千四百万円の実績増加でございまして、支出におきましては五十億八千万円の支出増加、差引きまして十八億九千万円だけの利益を同期においては生じたわけでございます。ところが第三四半期におきましては電気料金の改訂前でございまして、先ほども申上げましたようないろいろの主として人件費増加等がございまして、その分の赤字が約十五億円欠損を生じておつたわけでございます。これは別表についております。第三四半期の細かい数字予想実績との対比で掲げてございまするが、第三四半期分として約十五億円の赤字があつた。これを差引きまして四億程度利益計上として残つたわけでございまして、これは配当金後期繰越金として決算上処分せられたものでございます。  以上総括的に申上げますると、豊水の結果第四四平期におきましては收入増加が七十億円、それから石炭費の節約が約九億円、合計七十九億円程度余裕を生じたわけでございまして、このうち嚴格に豊水利益と見られまするものは約五十三億円でございまするが、他面におきまして一般経費増加石炭費を除いて見ますると約五億円程度ございまして、別途特別支出増加五十五億円、第三四半期の損失の補てんが十五億円、合計いたしまして七十五億円の支出増が出たわけでございまして、決算上四億円余の利益処分となつた、かような結果でございまして、先般の三十六億円の含み資産のうち二十四年度分に属すると認められまするもの約十三億円程度のものは、この決算上の数字につきまして更に未払金、或いは過払金……、その後の收支実績の結果含みなつ残つた、かような結果と相成るのでございます。  以上御報告を終ります。
  6. 西田隆男

    委員長西田隆男君) その次は、渇水期電力需給状況とその対策、及び密接な関係をこれと持つておりまする電源開発計画に関して平井技術長説明を求めます。
  7. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 渇水期電力需給状況及びこれが対策について先ず御説明を申上げたいと存じます。  我が国の電気は、御承知のように水力を主といたしておりまする関係上、渇水期になりますると例年その水力の水の減つた部分、いわゆる渇水によつて水減つた部分をば火力によつて補給することによつて、冬場の需用に応ずるという線で従来参つておるのであります。従いまして豊水期になりますれば、これに火力発電所を併用いたしますことによつておおむね供給は賄える状態であるのでありまするが、最近の例年需用増加が非常に急激でありまして、終戰の直後においては一時電力需用終戰の年の九月のごときは三分の一にまで載つて、全国無火力という時代すら一時あつたのでありまするが、間もなくぐんぐんと伸びて参りまして、そうして昭和二十四年度、二十五年度と引続いて電力需用は戰前戰後を通じての最高記録を印しながら伸びて行つたのであります。ところがそういうふうな関係上、すでに終戰暫らくいたしますると、その当時は火力発電所が非常に戰争中の酷使及び爆撃等のために性能が、落ちておりまして、戰前の四分の一ぐらいのものしかない時代もあつたのでありまするが、その火力発電所復旧整備が追い付かない程度需用が伸びたために、戰後間もなく冬場になりますると電力緊急制限というものが非常に全国的な問題になりながら、例年推移をしたのでありますが、幸いにして丁度昭和二十四年の冬及び昨年の昭和二十五年の渇水期におきましては、これは年度から申しますると昭和二十三年度の渇水期及び二十四年度の渇水期と申すべきだと思いますが、この時期におきましては全国未曾有豊水であつたのであります。これがいわゆる暖冬異変という言葉で以て流布されたと覚えておるのでありまするが、殆んど数十年来にない非常な異変異変と申しまするか、非常に変つた水の出方をいたしまして、渇水期であるにかかわらず気温が暖かいので川の水が非常に多く出ました。そうして豊水時と余り変らないぐらいの出水であつたのであります。こういう現象が幸いに二冬続いてくれましたので、ここ暫らくは毎年冬になれば問題になつた電力危機というものが忘れられた形において推移いたしたのでありますが、その間火力発電所の復旧には鋭意努力をいたしまして、今年の冬を迎えるについてはおおむね計画として百七、八十万キロワツト程度火力の出力が出るように計画をして、そうして又水力も見返資金等によつて若干ずつでも新設をしながら進んで来たのであります。ところが二十五年度になりましてからの需用増加は、後半において非常な激しい増加傾向を辿つて来たのであります。二十五年度の上半期における対前年同期の比較は六、七%程度平均増加なつておつたのでありますが、下半期になりまして、これは下半期も丁度十、十一、十二のいわゆる第三四半期平均で一四%、十二月のごときは、それも下ぶくれでございまして、十二月のごときは二割以上の激しい増加を示すというふうな激増振りを示して来たのであります。これはいろいろ事変その他の影響と、日本産業界の活動の非常に伸びた現象がそこに現われておると思うのでありますが、こういうふうにして十二月においては対前年十二月に比べまして、丁度昭和二十四年の十二月の最大が五百二十万キロワツト足らずであつたのでありますが、二十五年の十二月には六百四十万キロワツトという記録を印しまして、実に百二十万キロワツトという日本としては例のない大きな需用増加を示すに至つたのであります。普通申しますると、この十二月と申しますと、もうすでに相当渇水期に入るのであります。特に後半においてぐんぐんと渇水状態に入るはずであつたのでありまするが、二十五年度も引続いて、この十二月の半ばぐらいまでの間はおおむね平年よりは水が多かつたのでありまして、通して見まして平均一割ぐらいの豊水状態、十二月も前半は二割以上の状態というような推移を辿つたものでありまするから、これだけの大きな需用も平然として供給し得たのであります。ただこの裏には従来は十分でなかつた火力発電所相当の整備をいたしておりましたので、石炭も非常にたくさん焚きましたことと併せて、この激しい十二月に襲つて来た大きな需用にどうにか応じ得て、年の暮まで迫つて行つたのであります。ところがそれでは一月—三月の本格的な渇水期において、そういうふうな豊水状態が第三年目も続くかどうか。これはなかなか予断を許さないのでありまして、むしろこれはやはり減るものと考えなくちやならない、これが常識なのであります。で関係者といたしましては関係官庁との連絡において、この減るであろう一——三月の状態に備えて、秋頃以来いろいろとこの急増分を切抜ける方途を画策したのでありまして、例えば水力発電所のごときも渇水期に入つたならば、普通ならば何%かの発電所は代る代るとめて修繕をしたり、いろいろしなければ供給を続けられないのでありまするが、渇水期に入つたならば、それが全部動員できるような態勢を整えて作業をやつたのであります。そして今は水力全部、水のある限りこれを動員して、一滴もこぼさないような態勢に動かされておるのでありまして、この調整池は河の水を膨らまして使うような設備をしておりまするが、これらも春以来鋭意その調整池の砂を取つて、性能を殖やしまして相当出力がこれによつて殖えるような方途を講じたのであります。又そのほかに、自家用火力発電所電気事業送電系統に繋がつておるものに焚いてもらうことによつて、その電気の使える部分については日発配電それぞれの手を打つて最善の努力をして、これらの動員に骨を折つたのでありまして、現在ではこれらが合せて約二十万キロワツトぐらいは動いておると思うのであります。それらは大きいのは二、三万というのがありまするが、国鉄だとかその他にもあるのでありまするが、その大多数は一万キロワツト以下、二千キロ、三千キロ、五千キロというふうなものが多いのでありまして、それらをかき集めまして相当自家用火力供給を得るような態勢をとつて、それらが動いているわけであります。そしてそうした態勢を整えながら十二月を越したのでありまするが、十二月の後半頃からだんだんと川の水は減つて来たのであります。おおむね見通しといたしましてはそれだけの動員をしても、この冬、川の水が八カ年平均程度出水にまで下るならば相当電力はどうしても不足するのであります。そこでこれを切抜ける方途としてはもう水力火力もそういう供給力の増強において、ひねり出すものを全部動員して、現にその努力の結果としましては、火力は七、八万キロワツト程度を目途としていることを申上げましたが、それが一月においては二百万キロワツトになんなんとするところまで出ております。そうして石炭消費量もそういうことでありまするから、当初の予想の月割りの消費量よりは遥かに上廻つておりまして、一月中でも八十数万トン焚いておるのであります。又二月に入りましても、毎日平均して三万トンから三万一千トン程度毎日焚いておるのでありまして、石炭価額にしまして、日に一億円以上を毎日焚いておると申上げる程度に、非常に火力も大きく動いて今日まで来ておるのであります。そういうふうにしまして、供給力のあらゆる動員をして、なお足りない分につきましては、どうもやはり昨年の秋以来いろいろ関係者協議をいたしまして一番に困ることは、ピーク時間と申しますか、点灯時間における電灯と工場動力、その他の重なる時間が供給力相当足りなくなるのであります。これを我々はピークと申しますが、そのピーク時間の電気の使用をお互いの話合いによつて遠慮をして頂く方途を講じたのであります。例えばいろいろの工場にお願いをしまして、夕方の操業を成るべく点灯時には減らして頂いて、それを深夜その他の余裕のある時間に使つて頂くというふうなことを、それぞれの事業家、業者の間に折衝いたしまして、かなりの成果をこれによつて挙げておるわけであります。ところがピークのカツトだけではどうしてもいけないのであります。もう一つ、御承知のように日曜日になりますと、ほかの週日に比べておおむね一割五分程度需用が少いのであります。これも頭をならすことによつてやはり最大な無理が助けられるのでありまして、これも一月に入りましていろいろと努力しました結果、最近ではこの方法としましてはいろいろと需要家にお願いしまして、お休みになる日を変えて頂くのであります。そういうふうにして今日では毎日の最大需用と、日曜日の間の開きが殆んどないというところに近付いて、せいぜい四、五%程度にまでこれを切下げるところにまで行つたと思うのであります。そういうふうな方法をとつても一月の上、中旬は、まだ川の水がおおむね八カ年平均程度より少し上廻る状態にあつたので、凌いで来たのでありますが、下旬になりまして平年より下廻つた出水量なつて来たのであります。一、二日前は大変雪が降りましたが、ここ一カ月間というものは殆んど雨がなく、川の水は直線的に減る一方で、一月の下旬には一割程度渇水になつたのであります。もうそうなりますと、あらゆるそうした方法を講じても、もう供給の安定を期し得ないところに至つたのであります。サイクルはぐんぐん下つて行きまして、一月下旬から二月の初めにかけましての状態は、これは普通ならば五十サイクル、六十サイクルの規定周波数でとまるべきものがぐんぐん下つて行きまして、四サイクル、五サイクルと下廻るような危険な状態に入つたのであります。こうなりますと火力発電所の能力も、モーターも十分働かなくて性能が下るのであります。それからモーターの性能が下るために、非常に生産に御迷惑をかけることになる。こうなると生産に非常に支障がある。又そういう状態がもう一つ進みますと、例えば渇水期になりますとちよつとお天気が曇りますと、関東でも関西でも十万キロぐらいのロードはすぐ殖える、暗いからすぐ灯火をつける。そういう影響でばたばた緊急停電をしなければならんというような事態になるのでありまして、一月の下旬から二月の初めにかけまして、時折そうした緊急停電をすらせざるを得ない事態になつてしまつたのであります。今後の見通しも付かず、そこでこの状態を以て進みましては、もう需用家と業者の話合いの形で切抜ける方途は出尽してしまつて、そこで止むを得ず委員会といたしましては、これに対して何とか供給の混乱を防ぐ方途を別途に講ぜざるを得なくなつたのであります。二月の初めに各電力会社の需給面の責任者たちが東京に集まりまして、何とかもう少し切抜ける方法はないかといろいろ検討したのであります。その結果を我々も聞いたのでありますが、どうにも法的措置を併用せざるを得ないという結論に遂に達しまして、それ以上の苦しい部分を法的に切抜けるという手を打つことにいたしたのであります。この十二日から御承知のように委員会規則を以て実施することにしたのであります。これによつて家庭その他の不急不要の需用をばいろいろと御遠慮頂く方法を講じまして、又電灯は晝間は原則として使わないように、又家庭電熱等も若干の例外を設けてはありますが、家庭電熱等も夕方の一番ピークの時間にはお使いにならないようにというふうにきめました。又一般の工場に対しましても休電制を設けて、一週間に一度ずつ休むという建前を取つて頂きました。又特別大口の需用家のほうに対しましては、割当量の二割五分だけはお使いにならないということをきめたのであります。大口の需用家のかたは生産面において非常に影響することと思いますので、我々も非常に慎重を期したのであります。御承知のように今年の冬は電力の割当の際には、特に水が従来より多いだろうというので、多かつた記録があつたのでありまして、少し無理をして割当をしたので、渇水期にひどくなる場合には、これは或る程度御遠慮願うというような建前を考えながら措置をしたのでありますので、二割五分を一応遠慮して頂くというふうな方法をとつたのであります。こういうふうな方法をとることによりまして、このどうにもならない需給の苦しい段階の暫らくを切抜けるということに今努力をしておる次第でございまして、丁度十二日から実施をしたのでありまするが、その直前と直後においてこの二三日の様子を見ますると、私どもが一応期待いたしました成果の先ず三分の二近く、六割程度は成果が挙つておるのではないかと見られるような状態でございます。昨日、今日と大雪のために通信網その他が十分でないので、細かい数字等はまだつかんでおらないのでありますが、おおむねそうじやないかと思われる程度の成果を挙げております。まだまだもう少しこの実績が所期のところまで行くことを念願しておるのでありまするが、それでも一時四乃至五サイクルも下りました電気状態が、最近では三サイクルから三・五サイクル程度の低下でどうにか食いとめておるような状態でございます。ただ昨日の場合は非常な大雪のために人出が悪い、工場のほうもお休みになるというふうな事情で、特に雪の被害の多かつた関係の地方等では需用が非常に減つておりますので、周瀞数は偶然にも五十サイクルをぴんと持つておるというようなかつこうにはなつておるのでありますが、これは恐らく間もなく復旧するだろうと思うのであります。川の水が少しでもよくなれば、又そういうふうな規整の効果がだんだんと十分の効果を挙げて来るようになりますれば、それぞれの情勢に応じて制限は緩和することを併せ考えておるわけでありまして、これでうんと水が出れば場合によつては一応これは今月一ぱいという措置にしてはございますが、早く打切りたいと思つております。是非水の出ることを毎日念願しながら、この実効果の程度を見守つておるというのが現状でございます。この冬の電力の需給の実情及び当面の措置といたしてましては、只今申上げましたような次第でございます。  それから電源の開発の関係は、どういうふうになつておるかという点について御説明を申上げたいと思います。先ほども申上げましたように、終戰後一時非常に減りました需用が又急激なテンポで伸びて参つておりまするので、それに応ずるために勿論火力の復旧には最善を尽してやりまして、今日では先ほど申上げました程度にまでなつたんでありまするが、何と申しましても石炭だけに依存する方途では、電力供給日本の実情からしては不適当なので、どうしても水力発電所を開発するというところに基本方針を置いて、これに火力を併用する建前を堅持せざるを得ないのでございます。特定の石炭産地は若干事情が違うのでありますが、そういうふうな線で、今後も電力事情が苦しくなることを予想いたしまして、昭和二十四年には政府のほうでも電源開発の五カ年計画というものを立てられたのでございます。これを中心としまして今後の需給の…、その当時でも非常に逼迫しておつたのでございますが、電力の不足をできるだけ早く平常状態に取り戻そうという意図を持つたのでありますが、何分にも国の資金事情というものが非常に窮屈でありましたので、昭和二十四年度にはそのうち漸くその一部の計画だけを実行し得るだけの資金しか得られなかつたのでございまして、その資力としましては見返資金を使つたわけであります。この見返資金に依存する前の段階では、やはり復金の融資その他の方途によつて応急のいろいろな復旧工事、その他を賄つて来たのでありますが、漸く計画を本当に立てて実行に移したのは、その見返資金をもらえることになつた昭和二十四年度が初めなんであります。ところが、その当時見返資金は百億円しか電気事業には枠がもらえなかつたのであります。それもいろいろと調査その他に手間取りまして、二十四年の十二月になつて漸くこの放出を許可せられたというような次第であつたのであります。これがために一応立てました計画は規模を縮小したのみならず、その滑り出しも相当影響を受けたのでありまするが、その後の関係者の非常な努力によりまして、今日ではおおむねこれらの工事は順調に進んでおりまして、その当時の発電計画の数字を申上げますると、水力が二十六ヵ地点で三十五万七千キロワツト火力が七カ地点で二十二万一千キロワツトであります。これを中心として二十四年は鋭意工事を進めて今日に至つておるわけであります。更に昭和二十五年度といたしましては、この当時は電力局が電気関係の所管をしておつたわけでありますが、年度初めにおいて年間三百億円程度の開発計画を立てて、その線に向つていろいろと努力をしたのでありますが、何分にも見返資金の見通しが非常に窮屈であつたことのために、どうしても三百億という目標は達成せられなくて、結局目標年度の著工を、先ほど申上げました地点で——、このほかに送電線工事もありますが、年度の工事の継続分は、継続工事が中心となつて、それに僅かばかりの新規著工を加えた程度の工事しかできなくて、大体資金で百五十億円程度のものに計画を縮小せざるを得なくなつたのであります。のみならず、これは実際には電気事業の再編成関係の仕事がスムースに行かなかつた等の事情もございまして、現実にはその資金の放出は非常に遅れました。そうして昨年の暮、漸く又その百五十億の枠に対して現実には百億円程度の見返資金が許可になつたというふうな結果になつたのであります。こういうふうで昨年度は、新規の大きな工事は発電所としては殆んどやつていないという状態であります。で、これらの一部は今年度においても現に完成をしておるのでありますが、その大部分はこの昭和二十六年の年末前後に完成するものが多いのであります。その出力は、水力が二十一万五千キロワツト火力が十三万五千キロワツトでございます。  で、それでは今後の電源開発に対する方針は、どういうふうにしておるかという点でございますが、今まで申止げましたように、今日までの電源開発というものは、主として資金確保の困難性からその規模も十分と言いがたかつたのであります。その資金にしまして年間今のように百億円程度というものを、二回続けて出してもらつた程度です。これではどうしても、そのほかの自己資金がせいぜい百億程度しか得られなくて、二百億円ぐらいの枠しかできないのでありますが、今年度はこれを是非もつと膨らましてもらわないと……、更にもつと大きな規模にしてもらわなければならないと、我々は念願し、その線でいろいろと努力をしておる次第でございます。昨年の秋安本を中心としまして、自立経済審議会というものが活動いたされまして、そうしてその上に立つて昭和二十八年度までに日本が最小限度自立して賄える程度の経済活動をするために必要な産業計画というものを立てられて、それに応ずる活動計画というものが立てられております。これは発電力増加におきまして、供給力増加としましては、年三、六%前後くらいの平均にしかならないのでありますが、その程度賄うといたしましても、資金はどうしても年々五百億乃至は計画の次第によつては七百億円程度の金が要るのであります。今年度は是非先ず当面の手としましては、見返資金をできるだけ多く出して頂くように骨折つて、そうしてなお電気事業者自身も幸いに再編成にもなりまするから、その機に更に一段と経営の内容を刷新をしまして、いわゆる経営の合理化を図り、又資産再評価等にも関連いたしまして、料金政策等も適正にして、そうして事業の信用を拡大し、それによつて増資或いは社債の発行その他のいわゆる自己資金調律能力というものを拡大し、又それでも足らない部分に対しましては、やはりいろいろの、何と申しますか長期金融機関というふうなものも考えて頂くとか、いろいろな方法をとつて今後の電気関係の開発資金を十分にとらなければならないと考えておるのであります。最近再編成に関連しまして、各事業者も熱心に将来の発電計画を論議しておりまして、二十六年度の建設計画も一応できて、それらが今整備されつつあるように聞いております。私どもはこれを見まして、その上に立つてこの資金対策というものの面においてできるだけの努力を払わなければならないと考えておる次第であります。
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今当局から四項目に亘つて簡潔な御説明を頂いたのでありまして、電源開発計画に関する問題については、公益事業委員会のほうから未だ計画書に関するその他の資料が出ておりませんので、本日当委員会でこの問題に対する質問をすることはどうかと思われます。それに日発含み資産に関する問題も、二十三日までにどうでもこうでも片を付けて貰わなければならんという問題でもないように考えられますので、本日これからの質疑は、電気事業編成実施に関する事項に重点を置いての御発言を願いたいと思います。松本委員長はまだお体がおあきにならない模様で、今松田事務総長に交渉をさせておりますから、委員長が見えますまでは、委員長の答弁でなくてもよろしい質問を逐次委員諸君から御発言を願いたいと考えます。
  9. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 委員長の御出席を待つてお尋ねしたいつもりでおりましたけれども、私の伺いたいところは、事務当局において御説明下さることの可能性があると考えますので、二、三お尋ねして置きたいと思います。重ねて又、委員長が就任の際において憲法を擁護する御誓約も出ておるので、当議会に当然御出席になつて御意見を発表して下さることの機会があるべきことを我々は期待しておりますから、いずれこの席及び予算委員会等においてもお伺いしたいと思うのであります。  先ず私の伺つて置きたいことは、再編成の、いわゆる二十三日までには出さなければならんことに関連して、公益事業法によつて公共団体が指定会社株式を持つことは禁止されておるのでありますけれども、但書において、現に持つておるものの交付を受けることは許されておる。でここにおいて全国における各公共団体が日発の株を持たされておるのでありまするが、これらの指定はひとまとめにしてその地区における株式を交付せられるということであろならば、これは非常に持ち手が都合がいいわけである。然るところ、場合によつてはそれを各地区に配分して、いわゆる九分割になるのでありますから、公益事業委員のほうにおいてそれを勝手に配分されるということになると持手のための利害が非常に変つて来る。こういう点において一番利害関係のある府県は相当にあり、又市等においてもあるのであります。それに対する委員会の御意見は如何なものでしようか。これは非常に関係地の者はこの利害に関係することでありますから、この場合においてお取扱の実際に即した御答弁を願いたい。
  10. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 公共団体の持つております日発株が分散された場合にどうなるかというお尋ねでございますが、只今事務局といたしましては、再編成に伴いますそれの処置といたしましては、やはり日発株主間の公平を図る意味合いからいたしまして、新会社株式は一定の比率によりまして、各地区それぞれの割合に応じて分割せられまして、新株式と交換するということより法規上の解釈はないかと存じます。それに伴いまするいろいろの不便不利の点は、いわゆる特別分配金と申しますか一対一にプラスされます金額において或る程度の補填をしたい、かような見地でおるわけでございますが、どうしても地方公共団体としては、当該地区の株式を持たなければななない、かような点となりますると、特殊立法によつてさような点を補わなければならんのではないか、かように考えられる次第でございまして、現在までのところは、一応一般株式と同じ扱いとならざるを得ない。従つてそれを処分いたしますれば、新らしく新会社株式を別途所有するわけに行かない、かような見解でございます。
  11. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 只今の御説明によると、現行法の範囲においては、各地区にそれを分配しなければならんという御説明のようであります。必ずしも私はさような窮屈な解釈にして置かんでもいいわけでなかろうかと考えられる。別の特殊立法によるにあらずんばひとまとめにして、その地区の会社の株を持つことはできないということはどこから来るか。私どもは成るべく持つ者も持たせる者も、双方の便宜から考えてその地区にまとめたほうが最もよろしいのではないか。尤もそれは新会社株式以上に亘る部分があるとすれば、或いは今御説明のことにならんとも限らんのでありますけれども、必ずしもそんな大きな分量のものを持つておるとも限らない。現にその実例を挙げてもいいのですが、日発の旧株式を持つている者は、現に九分割にされて配電会社の株を余るほど持つている者はそうなかろうと考えます。その点は如何です。
  12. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 法規上できないと申しました点は、新らしく別の新会社株式を配当せられたものを一遍売却して、新会社株式を買うという点ができないのでございまして、一方新会社株式を現在の株主に分配する場合には、一応分配比率というものは、各株主公平に、これをきめられなければならないのではないか。これは法規上の問題ではなくて、商法の解釈の問題になると存じますが、さような意味合いで申上げたのであります。事実問題として一つ考究すべき点は、分配はさような形で一応分配しまして、分配する期待権と申しますか、さようなものができました場合に、別途事実上の分配が行われますまでの間に地区間の交換を合意の上でやつて特定の地区の株主にこれを集中するというような点は、当事者の話合いでできる余地があればできるのではないか。かような意味合いで運用上そういうものを加味できる点がありますかどうかにつきましては、私どもも研究いたしたいと思つております。さような意味で、法規上できないと申しましたのは、商法の解釈、或いは別途に新らしく新会社株式を買うということができない、かような意味合いで申上げるのであります。
  13. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 御説明によつて一応了解いたしましたが、現委員長などは商法の泰斗であります。この運用等については、十分現行法の範囲において、今の最後におつしやつた説明方法等によつて、それぞれの利害問題、いわゆる分合、交換というようなこともできるだろうと思いますから、その方法によつて成るべく取りまとめてその地区の者の持ち得るような方法を講ずるように特に御配意を願いたい。その点を申し上げます。  続いて私は特に委員にお願いしなければならないことがあるのでありますが、それは只今公益事業委員の手に移つてからの初めての質問かも知れませんけれども、もう耳にたこのできるぐらいに従来の電力特別委員等において質疑応答があつたことを繰返して言うようなことになりまするけれども、とにかくこの新規再編成令の実施された後におきましては繰返さなければならないことになる。というのは、その町編成の結果、或る地区においては非常に電力が不足しておる。いわゆる北陸のほうにおいてはよくその電力のとり方によつて、四十五万キロ行くところに三十三万五千キロしか配当していないというようなことが起つて、その地区においては非常な恐慌を起している。でその一番深刻な実例は、富山県において、現在その地区において約九十万キロある電力が、地区に落ちるのは二十三万五千キロ、あと約六十万キロというものは他の地区に持つて行かれておる。かようなわけであつて、他に持つてつてもその地区において需用がないならばそれは一向に差支えない。これは余つた電力をしまつて置く必要はないのでありますけれども、現に起つておるところのこの生産事業に対しては十万キロも不足しておる。そういうものが今非常な仕事に手違いを生じて、遂にその地方の経済自立というものが非常な窮屈なことになり、或いは或る場合においてはこの事業、業務の拡張もできないし、又既設の仕事も非常に変更して行かなければならないという深刻なる状態に差迫つて来ておる。こういうものに対しては公益事業委員において特に留意しておいて、それらの不足分に対する相当方法を講ぜられることは当然だと私は考える。松田さんは、そういう点は従来の関係でよく御存じだろうと思う。これに対してどういうお手配ができるものであるか。足らぬ所は余つた所から買えばいいというように御説明なつておると、私はこれは非常な変なことになる。自分の所にあるのをよそに持つてつて、更に向うのほうから買い戻そうと、そんなようなことは統制経済時代にはあつたかも知れないけれども、現に今民有民営に移された再編成の本質においては、さようなことは絶対に合わないわけであります。で、これは決して山をかけて引つかけておるものでも何でもない。もう現実にその所要の電力に対して遂には大恐慌を起している。私は二、三日或は所用で以て地方に戻つてつたわけですが、その地方においては県民大会等を起したり、非常な大騒ぎを起しておる。これは多分お耳にも入つておることだと思いますけれども、これらに対して特に一つ御配慮を願つて御答弁なさらなかつたならば、たとえ一地方の産業と申しましても、これは全体の日本経済の自立に大影響を及ぼすことになると思いますから、その点特に一つ……。私はこれは委員長に伺いたいのでありまするけれども、まだお見えになつておりませんから、事務当局がその現状を御存じであろうと考えますから、代つて一つ御所信を伺うことができれば幸いと存じます。
  14. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 只今の御質問の点につきましては、この電力編成令におきまして、いわゆる供給区域並びにその供給区域にそれぞれ帰属をいたさせますところの発電或いは配電、送電等の設備との関係から、いろいろそういう問題が起つてつておることと私は思うのでありますが、御承知のようにこの再編成令におきましては、まあいろいろな点については従来問題がありましたように私も承つておるのでありますが、結論的に申しまして、いわゆる属地主義と申しますか、その方針と相併合しまして、これもいわゆるでありますが、潮流主義と申しますか、一つの流れというものに重きを置きまして、その河川の利用をいたします上において、できるだけ同じ河川を担当しておる会社一つにしたほうがいいのじやないかというような問題が相当多く買われまして、今度のような電力編成令におきますところの供給区域と、それからいろいろな施設の帰属問題がきまつておると思うのであります。まあそういう関係からしまして現実の問題として、お話のように北陸方面の電源地帯から相当関西のほうに施設等が帰属されておりますということはお話通りでございます。併しながらこの問題をどういう工合に処理して参りますかという点につきましては、これは相当慎重に運用の問題として考慮しなければならん問題と思いますが、一つには、只今お話がございましたような意味で、電源或いは既設の設備等がどこに帰属するかという問題と、それからその設備から発生しますところの電力をどういう工合に配分するかという問題は、これはおのずから変えて考えなければならんと思うのであります。先ほど申しましたように、一方、一つの河川を一貫して運営して行くというような建前から今のような再編成令ができておるとすれば、これは或る意味での運用よろしきを得るという意味で、同じくそこから出ました電力でありまして、これは全部、例えば今の場合関西なら関西に送つてしまうというのでなしに、そこから出る電力を同時に北陸の需用というものとも見比べまして、どの程度北陸のほうに発生電力というものを配分するかということを十分考えなければならんと思います。未開発の電源地帶等につきましても同じ考えが言えると思いますが、その場合には御承知のように、現在法律におきましても、只今お話のような当事者間において、言い換えれば関係会社間におきまして、電力の融通契約を結んで、その間の調整を遺憾なくして参るような措置もできておりますが、併しながら又同時にそういつた契約が締結されない、而もそういう問題についてそれぞれの地方の電力の事情からして、非常に大事なことであり、又そういつた調整をしなければならんということを公益事業委員会として認めました場合には、その関係会社間にその契約を締結するように命令することもできますし、又それに応じないような場合には、進んで公益事業委員会としまして、その契約に代るようなものを作つて電力調整をして参るというような途を法律の上においても講じられておるわけであります。併しながら、要は今後における電源の開発を如何にして進めて参るかというところに最後の重点は置かれると思うのであります。そういう意味で今回新らしく九つ会社が生れまして、いわゆる発電、送電、配電というものを一貫いたしまして担当する。そうしてそこに電力の増強を図り、或いはサービスの向上を図つて参る。又それに並行いたしまして、新会社の陣容というものも恐らく近く決定されると思うのでありますが、要するに新らしい組織の上に、新らしい有能な首脳部のかたがたが立たれまして、それぞれの地区における電源の開発、これは水力とか火力とかを問わずと申さなければならんと思いますが、要するにこの電源の開発につきまして、その地方の需用に即した新らしい計画で進んで頂かなければならんと思つており、公益事業委員会としましてもそういう問題に関連しまして、或るは資金面等のいろいろ窮屈な問題もございまするので、そういう点について或いは見返資金の問題だとか、或いは将来は外債等の問題も持ち上つて来ると思いますが、そういうことに対しまする御協力と申しますか、お手伝いというものは、当然公益事業委員会として、今後なさなくてはならない大きな問題だと思つておるのでありますが、そういうところに進んで参ります過程におきましては、現在の電気事業編成というものがああいう工合にきまつております以上、その間の調整ということにつきましては、電力の再配分という、いわゆる発生電力をどういう工合に需用にマツチして配分するかということに力を用い、将来の計画としましては、新会社の発足と同時に、公益事業委員会としましても、できるだけのお手伝いは資金画等にもいたしまして、お話のような点について今後の日本の産業復興という問題ができるだけ齟齬しないように努めて参りたい、かように考えておるわけであります。
  15. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 電力の再編成という問題は、私から申上げるまでもなく、一朝一夕にこれはできたものではないので、長い間のつまり研究の結果、よほどの問題を投じて、遂に国会の審議に委ねるということは、できるかできんかわからんということで、非常なる手段をとつてこれができておる。又この基本の編成については、その道に非常に練達堪能なる人々の御研究によりまして、世に言ういわゆる松永案というものが根幹をなしておるということも我々十分わかつておる。すでにかくなる以上、できた以上は、これを我々はぶつ壊すという考えは毛頭ない。又できるものではない。併しながらこれは今松田さんのおつしやつたように、或いはその主義というものにとらわれて、実際地方の産業に非常な打撃を与えるようなことをこれはすべきものではない。いわゆる角を矯めて牛を殺すというようなことをしては相成らん。  それから又編成計画では、その地区に発生した電力は、その地区のほうへ属するというのが原則で、そうあるべきものだ。そういう原則を立てて置きながら、別表において、まるで特例によつて電力をよそへ持つて行かれる。これが何でもその地方について不利益な條件をことごとく実行して行く、こういうことになり、我々にして見るというと非常に残念に思う。例えていうと、黒部川の愛本の発電所は、県が特別に大犠牲を払つてアルミニユームの工場を誘致するために特に拵えたもので、その送電の技術面からいつても、その県に属せしめるほうが当然よろしい。それが一まとめに他の区域へ持つて行かれておる。これは決して邪見に考えて言うのではない。従来の沿革からいつても、現在それを消費しておる関係からいつても、どこの面から考えてもその地方におろすということは当然であるべきものだ。私から説明申上げるまでもなく、遠い所へ持つて行けば、何ぼ非常な速力で行く電流でもやはりロスがある。そのロスを成るべく少くして、又折角起した電力を全部その地区においてフルに使うというのには、その地方においてそれを消費するのが一番近道だと思う。然るに或る主義にとらわれて、これは会社関係でよそへ持つて行く、こういうふうになつておりますと、誠にそこにえらい痛手をこうむるものが生じて来る。現にその苦痛を嘗めつある。それですから繰返し繰返し、従来通産省に所管があつたそのときにおいても、大臣や次官や局長などは耳にたこができるなど陳情を聞いておつて、今度又公益事業委員会の手に移ると、又それを繰返さなくてはならんという、こういうことになつておるということは誠に残念なことであるから、只今私は御質問申上げて御丁寧なる説明を伺つたのであります。併し何と言いましても、やはり背に腹は代えられないのであつて、自分の目の先に発電されておるものが、一面それをほかへ持つて行かれて、そうして更に七重の膝を八重に折つて、繰返してそれを持つて来なければならんというようなことは、それは強いてそういうことをしないでも、單に運用において適当にできることである。先ほど仰せられたように、公益事業委員にはいろいろ権限がありまして、それを調節することができます。調節することができるならば、帰属をそれぞれの地区に帰属せしめて、余つたものを他の地方に持つて行くということもできる。それを逆にとつて、そうして一旦他の方面へ持つてつて、それを又元の発電所へ持つてつて落さなければならないという逆手を使う必要はないのではないか。かようなことを我々は感じておるのでありまするが、これは私どもは公平なる考えで、経済自立の面、その地方の工業というものは我が国の再建のために晝夜を分たず、皆経営者にしろ従業員にしろ血眼になつてやつておる。その涙ぐましい努力に対しても、我々は当委員会を通じてあなたがたに訴えなければならんと思うのであります。どうぞその点は特に一つお考え下さるようにお願いしたい。  それから質疑を簡単にしまするが、もう一つ申上げます。先ほど御説明になりました新規開発の電源地では、やはりその地方に帰属するということでなくては、これは強いてそういうものまでも何か一種の帰属主義、会社関係で一方へ持つて行くというようなことになつては、これ又二種の苦痛を受けることになる。新たなものはその地区に属するということにして当然だと思いますが、その点についての御解釈は如何でございましようか。
  16. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 新規に開発をして参りまする電源というものの帰属ということにつきましては、これは恐らく一般的の問題として、どういう主義主張で参るということはなかなかむずかしいと思うのであります。勿論この再編成令というものの精神というものも相当尊重して行かなくてはならんとは思いますけれども、併しながら何分にも新らしい電源を開発して参りますということは、新らしいそれぞれの会社の力によつて、県民、各関係者その他の御協力により、又その需用その他の必要に応じまして開発して参ります問題でありますから、従つてそういつた問題につきましては具体的の事例というものも十分検討いたしまして、その需用というものも考え、それから又その電源開発に対する熱意というものも考えまして、その間の決定と申しますか、その間の調整といいますか、図つて行かなくてはならんということは当然ではないかと、かように考えております。
  17. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 私が只今申上げた問題ほ、一事例として申上げましたが、具体的に申しますと庄川にある成出の発電所、これは地区区域は北陸、冨山県に属しておる。それを今度再編成せられる場合においては直ちに起る問題と思いますからして、かような問題は特にその地区のほうに属せしめられることは当然と思いまするけれども、一応その点において実際お扱いになつておるのは、両方から、両立になつて申出ておるそうでありますから、この解決に対しては只今私の申上げた趣旨によつて、当然その発生する地区に属せしめるように特に御配慮願いたい。
  18. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 只今の具体的なお話に出ました地成出の問題につきましては、他の地区の問題とも併せまして、先ほど私から最初にちよつと御説明申上げましたように、委員会として至急に決定しなければならないいわゆる帰属のまだ未決定の問題の中の一つといたしまして、只今慎重に研究検討を続けております。
  19. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 まだ私は他に再編成実施せられる項目についてお伺いしたいことがありますけれども、松本委員長の御出席のときまで留保いたしまして、私の質問はこれで打ち切ります。
  20. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 外に御発言ありませんか。
  21. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 これは私は今石坂さんのお尋ねに対して、事務総長のお答えについて、多少私は公益事業委員会の新らしく電源を開発する、その電力の帰属につきましては、相当これは大きな問題でありまして、今のお話を承わりますと、例えば例を挙げられて、そうしてそれが富山県の地元に帰属すべきが当然であるといつたような質問に対して、それを是認するがごとく、了承するがごとく事務総長の含まれたる答弁は相当問題でありまして、すべからく自立経済、国土開発或いは総合電力、総合産業といつた見地に立つて、国家的な措置としてやるべきだ。再分割の趣旨に副うということは、能率を挙げるということにあるのであつて必ずしも九分割にしたからその地域に電源が属するというような考え方にこれを直結するということは、根本的な誤りがある。だからその誤りの考え方を一つこの際直して置いて貰わんというと、将来この問題を討議し、将来これが運営についても大きな問題が起つて来ると思いますので、この際もう一度はつきりおつしやつて頂きたいと思います。
  22. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 私が先ほど申上げましたのは、特に石坂さんのほうから新らしく電源を開発するような場合の問題についてお尋ねがあつたわけであります。従いましてこれから一つの河川というものを新らしくどういう工合に開発して行くかというような問題につきましては、勿論その地方の需用なり何なりというものを考えまして、どこでその問題を取扱い、それによつてできたいろいろの施設なり何なりといううものをどこに帰属させるかということは、勿論新らしい観点でやはり考えて見る必要もあるのじやないかという点を申上げたのでございまして、すでに電源開発には着手をしておるが、併しながら只今決定しておらん問題、例えばその例としましてあとで成出の問題をお坂上げになつたわけでありますが、そういつた問題につきましては、慎重に只今私のほうとしましても研究中であるという点をお答え申上げたつもりであります。
  23. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 私の申した趣旨がよくおわかりでありますれば、ひと先ず私の質問はそれでよろしうございます。
  24. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ほかに御発言ございませんか。
  25. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先ほどから石坂さんの御質問になつておるところを拝聴しておりますと、九分割後においてもいろいろ問題が残つておる。未開発電源の問題等が述べられたのでありますが、皆さんのお言葉の中にありますように、これは日本の産業の今後の発展その他と関連いたしまして、九分割後の運営についていろいろな角度から検討をせられるわけでありますが、地域的なこれは問題に多少なりますけれども、九分割と、それから各地の日本の産業或いは関東、関西と、こういう点については、電源の帰属或いは潮流主義の是認等、相当の配慮がなされておりますが、九州の産業或いはこれの一つの発展の要素としましても、電力といつた問題に至りましては、私どもが見ておりまして十分な考慮がなされておるや否やという点について、多少の疑問を持つわけであります。そこで一応潮流主義を考えながら電源の帰属を考えました場合に、九州としまして現に五万未満でありますけれども、中国を通じて電力が流れているわけです。この九州とその他の地域との電力融通問題が問題として残つているわけなんでありますが、地帯間の融通問題、特に九州に送られております五万前後の電力の問題につきまして、どういう工合に今後の融通問題として公益事業委員会において考えておりますか、その点を承わりたいと思います。
  26. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 只今の九州の問題につきまして、具体的のお話は再編成計画にもいろいろ出ております点を、こちらとしても慎重に検討いたしまして、結論を出さなければならんと思つておりますが、総括的の問題としてお話を申上げますならば、私どもこの電気事業というものを将来育てて参りまする場合には、やはりこの九分割をいたしました精神に則つて、行く行くはその地域内においていわゆる独立採算制と申しますか、そういうものがとられて、本当に他の援助を借りずに独自に電源の開発もして参るし、又それに必要な資金も借りて参る。経営も大いに合理化して行く。又そういうことによつて一層その会社の実態を健全化しまして、その結果又資金の融通も楽にして行くというような、いろいろな循環をして参ると思いますが、そういう工合に進んで参らなければならんものと考えておりますが、併しながら只今のところ、そうかと申しまして、特に九州のような火力電源で大部分を占めておるようなところで、従つて石炭のコストその他の関係から申しましても、いわゆる水力地帯に比べてコスト高になつております所であります。従つてそういう所を今すぐに再編成の機会に独立採算制のような方針をすぐとりますというと、そこにおのずから九州における各産業に非常な悪い影響を来たしましようし、文国民生活全般にとりましてなくてはならない電力につきまして、相当割高の料金を納めなければならないということになりましては、これはあらゆる面から見て当を欠いているものと思うのであります。そういう意味でこの移り変りに際しましては勿論のこと、今後の問題としましても、当分はこの法律の運用によりまして、電力の融通なり、或いは料金の調整なりというものは、これは考えて行かなければならんと考えております。併し将来の長い目で見ました場合に、いつまでもそういうことを継続していいかどうかということは、これは十分検討したければならんのでありまして、そういう点については、或いは資産再評価の問題等ともだんだん関連して参ることと思いますが、いわゆる新首脳部によつてこの運営をどういう工合に進めて行くかということは、十分そこに期待すると同時に、又公益事業委員会といたしましても、それに対して御援助申上げて、又公共的な見地からこの際はこういうことにしなければならんというような結論に達しました場合には、十分それを各社のほうにもお話を申上げまして、今お話のような九州について特別な御迷惑というものをこの再編成によつてにわかに来たすようなことのないように十分注意して参りたいと、かように考えております。
  27. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 或る程度の理解を頂いておりますようでありますので、多少今のお言葉によつて喜びとするところもあるのでありますが、卒直に申しまして、従来の再編問題を見ておりますというと、或いは関西或いは関東につきましては、その産業なり、その他の事情というものが考えられて群編成がなされておる、併し九州或いは四国、北海道といつたような地点になりますと、それが現状についても、或いは将来についても十二分に考慮せられずして再編が強行されておるような印象を私は持つておるのであります。特に九州につきましては、現在相当の産業があり、需用があるわけであります。然るに極端な話をいたしますと、将来の独立採算制の確立のためには、九州で採算がとれなければ、東北なりどこなりに工場が移つたらいいじやないか、こういう極端な議論さえもあつたのでありますが、実際におきまして現在の地域差で以て困難を来たしまして、操業を短縮いたしましたり、或いは停止したりして失業問題その他を起しておる部面もあるわけなんであります。而も遠い将来に亘りましては、電源の開発或いは電力料金の低下を図つてそこにおいて独立採算制を確立されるということは、これは理想であるかと思いますけれども、それには或いは電力開発の優先的な措置、或いはそれまでの送電或いは電力料金の地帯間の地域差を調整する等相当強力な措置がされなければならんと思つております。その一点としてまあ送電の問題を取上げたのでありますが、或いは現に先ほど委員会からも御説明ございましたが、火力つては十分の能力を発揮しておるかのようなお話でございましたけれども九州において自家発電所として多少の余力を持つておるが、フルに実力を出していないといつたような面があるわけであります。これらの点については、先ほど陳情の際に、火力発電所の保障の問題について陳情があつておりましたけれども、水従火主の九州の実情におきまして差当りそうした施策というものも必要になつて参るわけであります、これが電源開発になりますと、今後これは公益事業委員会だけでなしに、国の電源開発方針というような問題にもなつて参ると思うのでありますが、この言われますような方向に進んで参るについて、差当り送電問題について、或いはそれまでの電源開発について、或いは火力発電所の救済と申しますか、能力を発揮し得るような措置について、差当り公益事業委員会として再編成に当つて御考慮を願わなければ心ららん問題だと思います。送電については先ほど伺いましたが、その他の点について重ねて御答弁を頂きたいと思つております。
  28. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) この電力編成によつて、いわゆる九分割の形でやつたことに対する可否の議論は私はいろいろあると思うのであります。併しながらいやしくも電気事業編成によりまして九分割の決定がなされておりまする以上は、只今公益事業委員会としましてはその線に沿つて参らざるを得ないと思うのでありますが、お話の九州の今後の開発と申しましても、いわゆる石炭の非常に多い所として従来工場がたくさん誘致されておる所であります。従つておのずから今後の電源開発と申しましても、勿論水力についても相当に恵まれておりますわけでありますから、そのほうの開発についでも新会社においても、勿論、公益事業委員会においても御協力しなくちやならんと思いますが、やはり九州は石炭事情という点から考えて、火力の発電というものについて相当の力を注ぐと、言い換えれば水力電源のみならず火力電源について大いに考えて行かなくちやならない所だと思つておるのであります。勿論これにつきましては石石炭コストのだんだん下つて行くというようなことを期待しなければなりませんし、それから同じく石炭を使うにいたしまして、或いはもう少しカロリーの低い石炭でいい電力を起して行かなければならんというような点は、石炭の質の問題につきましても新会社としてはいろいろ検討しなければならんと思つております。それからなお電力を起します場合の石炭消費量というような問題につきましても、できるだけ消費率の向上という点から考えなくちやならん点もあると思うのであります。要するに九州といたしましては、その土地の特有な性格というものを極力活かして行くというようなことで、やはり大きな意味電源開発については力を注いで行かなければならんと思つておるのでありますが、併しながらお話のように幾ら立派なかたが新会社を経営せられ、それから又この運用について力を注がれましても、今日明日にすぐ、そんなら九州の電力がいわゆる水力地帯に比べまして多量に而も低廉にできるとは限らんと思うのでありまして、そういう意味では公益事業委員会といたしましても極力御協力を申上げて、先ほども申上げましたよう理想にだんだんと向つて行かれるようにお力添えをしたければいかんと思つております。それまでに行きますまでの問題といたしましては、先ほど申上げましたように、料金の差の問題にいたしましても、或いは電力の融通の問題にいたしましても、九州のいわゆる産業地帯としてあれだけの日本全国において地位を占められておりますところにつきましては、十分公益事業委員会といたしましても、この重要性を考慮いたしまして、できるだけ御不便のないよう新会社と協力しまして、その目的を達成するうにして参りたいとかように考えております。
  29. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 大体概括の話も承わつたのでありまするが、重ねてお尋ねいたしますけれども、お話のように将来に亘ります問題で、根本的な解決に至りますまでの暫定的な問題になるのでありますけれども、電源の出発について現在のような、九州からいたしますならば重点的にといいますか、或いは時期的に申しましても九州のこの水力発電というものを優先的に御考慮願わなければならん事情がありますことは御承知通りでありますが、その九州の電源開発について優先的に御考慮願えるかどうか。これは或いは通産大臣もおられますけれども、両方にかかつて参るかと思いますが、その点と、それからもう一つ、この火力の補給金の問題は承知いたしておりますが、先ほども質問をいたした中に、現在の火力発電所を、或いはフルに力を出しておりません、或いはセーブいたしておりますこの自火発電所の能力を発揮させますために、同じような方法は別に考えられるかも知れませんが、そういつた方法について御考慮になつておるかどうかという点を二点お尋ねいたします。
  30. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 第一の点でありまするところの、九州を今後開発して参ります場合に、恐らく見返資金等の点についてお触れになつたのじやないかと思うのでありますしそういうものを優先的に九州に向けて行くかどうかという点につきましては、これは公益事業委員会といたしましては、全体の産業の今後の復興というものとも十分睨み合せまして、又必要に応じましてはそれぞれの関係省のほうの御意向というもの竜十分参考にいたしまして、そうしてこの割当につきましては、全国を通じて公正に決定をして参ることと私は思つております。公益専業委員会といたしましても、当然そういう形でこの問題をお進めになることと思いますが、なお第二の自家発電の問題といたしましては、公益事業委員会といたしましても、特に最近のような電力の非常に逼迫しておりますようなときにおいては一層のことでありますが、できるだけこの自家発電につきましてはフルに動員をして頂いて、そうしてこの全体としての供給力の不足を賄つて行かなければならんのでありまして、たた私どもといたしましても、この緊急制限をいたしますに当りましては、できるだけ詳しく各般の事情を調べまして、そうして止むを得ず今回のような措置を請じたのでありまして、その間自家発電につきましても、十分検討の結果、相当の御協力を頂いておる、こういう見通しの下に、これ以上御協力を頂くということも無理であるというような点も検討いたして進めたのであります。今後もそういう点にきましては、十分お説のような点については同感でありまして、自家発電の活用、運用ということについては力を注いで参りたいと、かように考えております。
  31. 小川久義

    ○小川久義君 事務総長の言われることを聞いておると、御協力を申上げるというお言葉でありまするが、御承知通りこの電力編成は、国民一人一人全般に利害が伴う問題である。九分割になつたから止むを得んということは事務総長から聞かんでもわかつておることなんで、その定められた枠内において如何にして公平にやるか、多くの希望に副うかということが重点であると思う。然るに国会の意見を、聞こうとしない委員会に対しては、極めて遺憾の意を表するものであります。特に二十三日を控えて編成案ができようとしておる時期に、きめてしもうた後国会へ御報告かたがたされるつもりか。先ほどの話を聞くと大かたの問題はきまつてしまつたように、残つておるものはほんの人事と何か残つておるだけである。これをおきめにならん先に国会の意思を十分取入れるのが至当であると思う。先般委員長、副委員長にお会いしたときに、この枠内で親しく御相談申上げて決定したいと思つておるというお言葉であつたが、松本委員長は今漸くお見えになつたところで、時日は切迫しておる。又各地方地方からの血の叫びを持つてお集まりになつておいでになるかたがたの意思も殆んど取入れられそうにない、かような状態を根本からお考え直しを願いたい。きまつたあとで国会へ御報告されるつもりか。国会は報告を受ける機関じやない。法律に定められた範囲内においては我々は審議すべき権利を持つておるはずである。然るにその権限を無視して、御協力を申上げるとか、できてしもうたあと報告するとかという考え方が極めて強いようである。先般松永副委員長にお会いしたときも、自画自讃である。若しこの九分割案に反対する者は、それは民主主義ではないという言語を弄してござる。かような一方的な考えで国民全般に亘つて利害の伴う問題を処理されんとする委員会に対しては、重ねて不満の意を表明するものであります。この根本問題、いろいろ数字的の問題、新会社は、こういつた苦しい会社はこうしろということよりも、これを実施された後における国民の利害関係を少くする、先般も申上げた通り、公益ということは読んで字のごとく平等であるべきである。然るに泣いておる人もあり笑つておる人もある。かようなことをそのままで政令で出されたから止むを得ん、法律の範囲内においてはとるべき途が幾らでもあると思う。国会においても我々は、おわかりにならなければお教えしようと思つておる。それも聞かないで一方的におきめになるおつもりですか、その点を委員長からお伺いしたい。
  32. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 小川君にお諮りいたします。委員長は今お見えになつたばかりで私と打合せをしておつた関係上、恐らく小川君の御質問の全部をお聞きになつていないと思いますので、一応松田事務総長から御答弁を願いたい。松田事務総長。
  33. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 先ほど私が申上げました点は、例えばこの人事の関係でありますとか、或いは生産費用関係でありますとか、或いは日発に対して成る程度の措置を考えねばならん問題とか、その他電源の帰属が決定しない問題についてどういう措置を講ずるかというような点が、只今各社間において話のつかない点としまして、そういう問題を委員会として慎重に検討を続け、研究をしておるのだということを申上げたのでありまして、従つてそれ以外の点につきましては、日発及び各配電会社におかれまして十分この研究を重ね、協議を重ねられまして話のついております点でありますということを申上げたのであります。  なお先ほどからお話になりました、今後そういうような問題について国会のほうとあらかじめ話合いをいたしてきめられる問題か、或いはそれは公益事業委員会として独自の形できめて参るのかというような点につきましては、私から申上げるよりも委員長がお見えになつておりますので、委員長から御答弁を願つたほうが適当かと思いますので、その程度で……。
  34. 小川久義

    ○小川久義君 どうも総長の言われたことが私は納得できないのですが、先ほどお話があつた通り、大体はきまつてしまつたということなんです。そこでそのきめてしまわれることが、公益事業委員会が勝手におきめになつておるということなんです。国民大衆の意見も、取入れない、又国会の意見も取入れないでおきめになつたことが、それが果して民主的な行き方であるかないか、僕は独善的におきめになつておると思う。いろいろこの政令の制定に対して議論のあつたことはよく御承知のはずである。今日は委員長よりも松永副委員長においでを願つて、松永副委員長に私は確めたいと思つてつたのですが、委員長が出席しなかつたことはお詫び申します。この次から努めて出ますというお詫びがあつたはずである。そうして自分の作つた案を大体の骨子としてできた政令でこれが最善な、最良なものであるというような言い分をされ、それに対して従わん者は民主主義ではないというようなお言葉があつたんです。これが委員会のお考え方であるとすれば、我々は黙過できない問題である。この点につきましては委員長は、先般お約束になつた通り、定められた枠内において十分皆様がたの意見も取入れて善処したいというお話があつたのですが、改めてこの席で御確約ができますれば所信をお述べ願いたいと思います。
  35. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 私途中から参りまして、議論の経緯をまだよく承知しませんが、政令のきめておることを、今日本法律でこれに従つて措置するのは当然でありますが、これについて措置するについて、勿論すべてのかたの意見を聞いてそうしてやつて行きたい、そのつもりで今までやつております。ただ非常に短い期間であるために、ほうぼうに伺いに出ることができないが、いろいろの書面で意見を述べられるかたもありますし、又私のごときは、或いは夜も朝もときどき人が来られて意見を述べられ、あらゆる機会を以てすべてのかたの意見は聞いておるつもりでありますが、ただ人事のごときは、これは御承知通り人事について人様の意見を具体的に求めるということは、これは如何なる場合にもしないのが当り前だと思つております。ただ意見を聞くことは聞きますが、併しこういう人をどうしましよう、やりましようかやりますまいかといううことを、こういう席で申すべき筋合いでは勿論ない、そういう例は私はないだろうと思う。ただ国会の同意がなければ任命のできない人の場合においては、これは勿論国会に諮るのは当然ですが、そうでない場合にはちよつとそういうことはないかと思つております。その他できるだけすべてのかたの御意見を伺いたい。ただ如何にも時間がないので、まあ三つか四つ体がないと到底今やりきれんような状態にありますので、できることならどうか書面で書いて頂くと自動車の中でも見られるくらいになるので、今も実は人が来ておりまして、まだ約束の人があつたのを断りもしないで、実は無駄足をさせると思いましたがやつて来たようなことで、時間が如何にもないために、甚だ御無礼なことになるかも知れません。その点はどうぞ御了承を願いたいと思つております。
  36. 小川久義

    ○小川久義君 私は委員長に対して人事の問題まで相談してもらいたいと申上げたのではない。委員長のお忙しいこともよくわかつておる。わかつておるが、五人委員がおいでになる。而も最終決定に近付いておる。そのときに国会における一院が公平の委員会を開いておるにもかかわらず、事務官だけをよこしておいて、それで国会の意見を聞こうとする意思があるとは僕は考えられない。委員長が忙しかつたら副委員長がおいでになる。副委員長もお忙しかつたらまだ三人の委員がおいでになる。その責任者のお出ましないことは極めて不誠意であるということを僕は申上げておるのであつて、そういう人事の問題に対してまで国会と相談せいということを申上げたのではない、かようなお考え方であるとすれば、国会は何でも言うとれ、我々は与えられた権限においてさつさときめて行くのだということになりはせんかと僕は心配するものであります。繰返しますが、この政令は如何なる経路において現われて来たか。この政令の含んでおる難問題は如何ような状態なつておるかはよく御存じのはずである。この点をお互いに相談し合つて、最もよい途を開いて頂きたい、これが我々の願いである。又国民もそれを望んでおるはずなんです。とにかく先ほど申上げましたように、我々の委員会に対しては、委員長が来られなかつたら代りの委員で結構なんだ。事務官連中をよこして、二十三日に迫つた今日誠意の御披瀝のないことは甚だ遺憾である。将来善処されることを強く要望する次第であります。
  37. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 小川君に委員長からお答えいたします。本日の委員会には、松本委員長以下には勿論来て頂くことになつておりましたが、止むを得ん用件のために委員長は少し遅れてお見えになりました。従つて委員長の答弁を要しない点について事務当局から答弁を伺つてつたので、別に委員長が参議院の本委員会を無視されたことであるとは私は考えておりません。若しそういうふうにあなたがお思いになるならばその点は解消して頂きたい。又もう一つの点は、松本委員長は委員諸君も御承知通りの誠にお人柄の人であります。而も学者でいらつしやる。決して参議院の委員会の意向を無視して電力の再編成計画を実行しようというようなお考えは毛頭持つておられない。松永委員のお話をお聞きになつて、小川さん大分刺戟をされているようですが、この点解消して、当委員会はなごやかなうちに重要な問題の審議を進めたいと思います。
  38. 小川久義

    ○小川久義君 委員長に対して少し失礼な言があつたと思いますが、次回には松永副委員長の出席を是非お求め願いたいと思います。
  39. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 承知いたしました。
  40. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 少し白々しいようになつておりますが、先ほど石坂委員から電源帰属の問題について質問がありましたが、この際に事務総長からお話のごとく、一応は受取れましたが、私松本委員長の御出席になることを待つていたのですが、それは一番最初の公益事業委員長として御出席になりましたときの委員長お話の中に、電源の帰属は別表によつて一応はこの通りなつておるが、公益事業委員会としてはなおこれをよく検討して調査する。そのためには相当の技術のある技術陣も動員して再調査をしておる。それによつて、若しも別表において非常に不利な点があれば改正することには決してやぶさかではないというようなお話を私は承わつたように考えております。二十三日に迫るこの短い間にあつて、いろいろ御調査なつておりますけれども、その御調査なつている技術部というのはこの別表の案をきめた、いわゆる松永案をきめた同じ人によつて調査されておるのではないかということを懸念する。万一そうであるとすれば如何に再調査されても、一旦自分らの手によつてきめたことなので、それを容易に変更するというようなことは人情としても又できにくいのじやないか、かように思います。併し昨今各方面からのいろいろな陳情が出ております電源開発につきまして、これは公益事業委員会としても最も公平にやるという見地から各方面の陳情も十分御採択して下さいまして、そうして一旦きめておる政令であるが、多少の変更をするという点についても御意思は今なお持つておいでになるかどうか、その点を司いたいと思うのです。
  41. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) この前私が申したことをしつかり記憶しておりませんが、それは非常に十分に審査をした末に、どうしても変えなければいけまいという時期が来たならば変えるということを申したつもりで、今回のこの措置をするまでの間に、この短い間に軽々に変えるという考えはないので、当時そういうような意味に若し御解釈になつたとすれば私の本旨ではないので、私の考えは如何なる法律でも変えられない法律はなく、憲法でさえ変えようという時期に来ておるので、よく審査をして、どうしてもいかんということがあれば勿論変えるというだけの意味であつて、今回はこの政令に基いてやるつもりでおります。今回の決定はこの政令に基いて決定されるというように御承知を願いたいのであります。
  42. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 そうしますというと、時日がないから一応現在のきめられたる分轄案で行くということでありますが、成るほど政令は一応改正することもできるということになつております。今現に一月二十日において一部分の改正の政令も出ております。これは事務的でありましようが、改正ができるものとすれば、重要な案件も将来でき得るたらばこの二十三日の発表以前に御検討願えれば辛いだと私は思います。これはもう一遍何か御考慮をせられるわけにはいかんでしようか。
  43. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 今回の電源の問題と申しますか、開発の帰属の問題、これについては変える意思はありません。今直ぐは……。
  44. 岡田信次

    ○岡田信次君 私二つお尋ねしたいのです。一つはこの日本電力事業の再編成が非常にむずかしいというのは、要するに日本全体が電気が足らないということだろうと思います。従つて電気電源の開発ということがどうしても必要だ、先ほどの委員会の御説明では大体電源開発の癌は資金が足りないことだというお話であつたのですが、この資金の不足が電源開発の癌だとするならば、未開発地点を地域的にこれはなさつてつて意味がない、そこで資金難、或いは電源開発の能力がある自家用発電の希望者に対してはこれを開放して積極的に電源開発を促進するというような御用意が委員会にあるかどうかという点一つと。もう一つはこれについては余り関係ないのですが、先ほど渇水期電力に対してはいろいろ御苦心のほどを伺つたのですが、参考の書類を拝見いたしますと、日本においては三〇%以上の送電のロスがある、これは恐く世界の場合からしますると、非常に高率なものである、これを二五%乃至二〇%に下すように努力しておるかどうか、それの可能性があるのかどうか、そういうこの二つをお尋ねいたします。
  45. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 只今の後の件でございますね、これについてはいろいろ今調査しております。要するにいろいろな老廃しておることが一つは大きな原因のようです。戦時中全くうつちやつてつた。殊に配電線なんというものはよほど悪くなつて、そのめにロスが非常に殖えた。それから一つはこの頃余りよくないと言わゆる専用というようなことが大分行われている、そのためにこれはロスというか、使われているが、表面には出ない即ちロスになつている、そういうものが非常に多いようです。これら共に非常に面白くないことでありますから、できるだけ一つやめるようにいたしたいというので、今回の法規上の措置をしました際にも、そういうことについて大いにやつて参りたいということを各配電会社の人を集めて言つております。併しなかなか設備自体が老廃しておるということについてはにわかになかなか行きませんので、できるだけのことをこれから……電源開発も必要ですが、そういう折角起したものを無くしてしまうのはなお更つまらないことですから、そういうことのないようにしたいと考えております。それからもう一つは自家発のことですね、自家発を許すか許さんか、これは新会社を作つた上でよく研究してみないと、自家発がいいといつてむやみに自家発を許すと、新らしい開発の系統的な組織を壊すようなことがあつても困まるので、この点は十分検討してから決定したと考えております。
  46. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 松本委員長にお尋ねいたしますが、現在の電源帰属等は差当り変える意思かないということなんで、必要によつては変えるというお言葉のように承わりましたが、現在の政府は本国会が終りますれば、続いてか或いは比較的早い時期に補正予算をせなければならんという状態にあることは明らかであります。そこで現在の政府のとつている予算は、ドツジ構想に基く緊縮財政を基盤とした構想であり、又日本の自立経済と申しますか、産業貿易復興といつたような問題につきましても、或いはこうした方面に準拠した立て方であると思うのです。ところが現在政府が立案構想ぜる予算の状態と、最近ダレス氏の来訪に基く講和の問題が接近して来た。或いはドツジ構想よりダレス構想に変わる、いわゆる講和経済的な構想に近く転換されんとする気風があることは明らかであります。これは自衛軍を設けるとか、何の問題をどうするとかいつたような問題に直結するわけじやないのですが、要するに従来の自立経済の観点よりは自衛経済といつたような状態に鑑みましての輸入優先でありますとか、或いは基本産業、重点産業の再配置の問題であるとか、或いは現在の政府が自由経済をとつてつた基盤というものが、重要物資産業については統制経済も余儀ないのではあるまいかという準戦時態勢の、国際経済の一環としての日本の経済構造という竜のは相当転換せざるを得ないことは明らかであると私は思う。で、現在電源の帰属でありますとか、こういつた問題につきましては、過去における産業構造に準拠した実績に基く諸般の形のものが公益事業委員会では起草されているように聞いておるのであります。私が前段に申上げましたような事態は急転回の事態にあるし、政府自体も補正予算によつて準戦時的な、国際経済の一環的な日本経済の構造に或いは転換せざるを得ないという将来の見通しにつきまして、この電源帰属でありますとか、再配分の問題につきましては、そういう線に常に沿うて電源帰属を修正する目的か、どうであるか、そういう現在の経済構造が非常な急転換或いい再転換をされるのに一年間も動かさぬのだ、とういつたような観点に立つお考えであるのか、この点は重大な問題であろうと思いますので、この際承わつて置きたいと思います。
  47. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 極めて正直に申せば、まだ今のが悪いとかいいかどうかことの見当まで私には何もできておりません。極めて正直に白状すれば、まだ私就任しましてから二月余、その間ただもう忙殺されておるだけでありまして、それで今の政令の定めておることの実体すら実はよくつかみ得ておらないので、従つて今のお問いに答えるだけの資格は勿論ないのですが、ただ法令は制定されたものを変えるということについては相当の理由がなければいかん。朝令暮改で、これはどうも少し間違つておるようだというようなことで直ぐ変えるということはよほど慎みたい。その意味において相当によく審査をして、又確信を得てからどう変えるかということを考えて見たいと思つております。
  48. 小川久義

    ○小川久義君 今度は委員長にお願いしておきたいのですが、北陸地区では大体十万キロ足らないという……あらゆる実績その他について調査されておるのでありますが、法律を変えることは委員長の考え方はわかりましたし、そう簡單に行かんということでありますが、せめてまだ帰属の決定していない成出の発電所でありますが、ああいうものは足らん実情によく照合されまして、これは帰属の決定していないものだけでもその足らんところに帰属させるよう格段の御配慮をお願いしたいと思います。
  49. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 先ほど吉田さんからでありましたか、九州の電力事情につきまして、特に電力料の問題についてお尋ねがありましたが、委員長がお見えになりましたので重ねてお伺いしたいと思います。御承知のように九州の電力事情は火力を主体としておりますために、電源コストが相当高くなつております。電力料相当高くなつております。この再編成の問題が論議されます際にこの問題が非常に大きく取上げられております。九州の産業に非常に影響を及ぼすということで需用者といたしまして竜非常に心配をし、非常に大きな問題として取上げられまして、陳情もいたしておつた次第でありますが、この問題の調整につきましては、水火力調整金を以てそうして現在の地域差以上にはこれを上げないというようなことのしばしば御当局の御説明があつたのであります。この法令に現われておりますところは五カ年の間にこの調整命を以て調整をして行くということになつておりますが、五カ年経過すれば大体この調整の必要がないまでに平均して来るという構想でありますか、或いは文五年後にその産業は相当考えて処置しろという性格のものであるか、若しこれが後段のものであるとするならば非常に大きな問題になつて来ると思うのであります。この点どういうふうにお見込みが立つておりますか、お伺いいたします。
  50. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 只今のお問いの細かいことについてはやはり私はよく承知しておりません。差当りこの調整金を授受することによつて大いなる変動を来たさんようにして行く。それから先をどうするかということについては私はまだよく考えておりません。併し或る時期においては、この電力電源自体もことによると原子力もできるかも知れん、或いは火山熱の利用なんかもできるかも知れん、極く先のことを考えたらわからんです。今九州は火力のみではない、火力に主として寄つて、大変不利であるというのが反対になるかも知れんので、そういうことまで考えると、極く先のことは言えない。差当り大なる差違を生じないようにして行きたい。それから先に工業のいろいろ種類等によつて、或いは非常にたくさんの電力を要する。殊にいわゆる余剰の電力を要するというようなものは、他の適当な所のほうにたくさんむしろできて来るようになるというようなことも起つて来るかも知れん。そのときの情勢できめるのほかはないと考えております。
  51. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 さような、今のところ五年先のことまではわからない。差当り差を大きくしないためにというようなお話でありますが、若し今後、これは若しでありまして、お話のようにやつて見なければわかりません。如何なる動力が生まれて来るかもわかりません時代でありますから、仮定の下に御説明をお伺いすることは無理かと思いますが、現在の状態を推し進めて行きますと、九州における水力電源の開発についても相当コスト高になるのではないかということが立地的條件その他によつて想像されます。現在石炭のほうにいたしましても、いろいろその筋に伺いましても、早急に下りそうな傾向もない。そうしますと、先年という期間は長いようでありますけれども、忽ち経過してしまうのでありまして、その間に若しこの調整が五年では到底バランスがとれないという場合には、これは延し得るというふうなことにも考えて差支えないものでありましようか。その辺も伺つておきたいと思う。今わからないが、とにかくやつておくと、いけなければそれだけ調整を延ばして行くというふうに考えても差支ないのか。
  52. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 今五年というお話ですが、五年ということは法令上できまつておるものではなかつたかと思つておりますが、まあその大体五カ年計画というようなことが多いですから、それで恐らくは大体五年というようなことをお答えしたんではないかと考えております。私間違つておるかも知れません。それで適当な時期に更に考え直さなければならん。その場合に或いは調整金の制度を又やるかも知れん。その点については今からちよつと……、まだ十分に考えた案というものは私には少くともありません。委員会としてまだその点まで検討しておりません。
  53. 秋山俊一郎

    ○秋山俊一郎君 大体委員会の御意向もわかりましたが、この問題は非常に重要な問題でありますので、今後いろいろな機会において又お尋ねもし、お願いも申上げたいと思います。私の質問はこれで終ります。
  54. 古池信三

    ○古池信三君 一、二お尋ねしたいと思うのでありますが、一つ電力編成で九分割になるということにつきまして、いろいろ論議があつたということは周知の通りでありますが、そのうちで最も重要な論議の一つは、九つに分断された場合に、ただでさへも少い日本電力がうまく融通されて行くかどうか、こういう点が最も大きな問題の一つであつたと私は考えるのであります。現在の日本発送電は、ともかく今日本の現有電力の殆んど大部分を一手に握つているわけでありますから、それだけに非常に独占性の強いという批評はありましようとも、ともかくそれによつて日々電力の需給というものは直ちに掌を指すがごとくに融通ができた。又同じ会社の所属電力でありますから、自由にこれを各地域に配分することができたのであります。ところが九つ会社なつて、それぞれ独立の会計で行くということになりますというと、その間の電気がどうしても今までよりもよりよく融通されるとは考えられないので、どう考えても、非常に困難になるということは常識上想像できることだと思うのであります。従つてかような場合に、この足りない日本全体の電力を最もよく使う意味において、再編後どういうような構想を以てこの融通を考えられておるか、具体的なそのやり方につきましてお尋ねをしたいのであります。先ずそれにつきましては私が考えるところでは、一年間の需給の想定というようなものもやはり必要だろうと思います。それによつて各社の発生電力というものを予想し、又余つていると認められるところから足りないほうに電気を売るという売電の契約が必要だろうと思うのであります。そういうような全体の電力計画、或いは又実際の売電の契約というようなものは、どういうふうな機関によつてどういうやり方でできるものか。又その期間等も、期間と言いますのは要するに時期の問題としては一年の契約でやられるのか、或いは四半期の契約で行かれるのか、そういうような具体的なやり方が考えられていると思います。それについてお伺いしたいと思うのであります。更に又かような契約ができましても、電気需用はその日その日時々刻々に変つて行くのでありますから、その間の負荷の調整と言いますか、ロード・デイスパツテイングの仕事は一体どういうふうな機関がやられるのか、それで完全に円満に運営できるかどうか、これについて少し具体的にお答え願いたいと思います。
  55. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 只今の問題は非常に専門的なことで、私としてはちよつとむずかしいので、技術長からお答えするのが一番適当かと思います。
  56. 平井寛一郎

    ○政府委(平井寛一郎君) 新会社ができましてからの電力の融通問題ということは、今後の新会社の相互の調整の面においての非常に大きな問題であると私ども考えております。ただここで二つの考え方があると思うのでありますが、成るべく強力な統制機関を中央において、それで従来日発が指令をしておつたと同じような形を先ずやつて、その補助機関的に各社が動くという考え方、そうでなくて九つなら九つ会社が経営の責任の上に立つて従つて自主的なる経営をすべきである。そういう意味において相互の間の需給契約というものが先ず主として考えられる、そうしてその相互の間の融通契約、その融通契約をできるだけ高度に活用することによつて、自主的にそこの相互の責任限界がはつきりして来る、なお且つ各社相互の間での話合の付かないような部分とか、調整のしにくい部分についての補足的なものとして連絡調整機関というものを考えて行くという二つの行き方があると思うのでありますが、この問題につきましては、目下新会社計画をいたしますについて、現在の自発九配電関係者は熱心に協議をいたしております。一応の考え方を目下順次具体的にまとめつつある状態であります。委員会はその出て来るものを見ました上で善処しなければならないということになると思うのでありますが、大体の動きは先ほど申しました後者によつて行こうとする意図で各業者は熱心に協議をしておると思います。又委員会としましても、その委員会でどうだということはきまつておりませんが、恐らくそういう線を指示されるようになるのではないかと考えております。で再編成計画書にはまだその辺に関する最後的なものは出ておりません。が、一応の試案的な考えは参考資料として意見が出ておるようでありますが、これは恐らく新会社ができる間際までに更に慎重審議なされた上で具体的にきまつて行くものと思いますが、どうしてもやはり各新会社が責任体制をはつきりしなければならん。そうしますと需給契約というものは、これは大体の考えは現在のところでは融通連絡設備の有する限り、各地帯相互の需給の均衡が時々公平に保たれるという線において融通契約を締結しようとして努力しておるようであります。従いまして融通契約はそれぞれ地点を定めまして、そうして或る特定の期間ならその期間における融通量を需用供給との均衡において算出しまして、その上に立つて契約が作られることになると思います。従いまして最大電力、或いは融通の電力量、料金等もきめられることになりまするし、その料金等につきましても相当具体的にできるだけ円滑に相互の責任体制を保ちながら機械的に需給が円滑になされるような方途において努力がなされておると思うのであります。なおそれじやそれのみを以て完全に行き得るかどうかについては業者相互の間でもまだそれだけでいいとは必ずしも考えてはおらんようでありまして、何とかそうした部分に対しては補助的な融通調整機関を持たなければならんのじやないかという意味で熱心にその協議がなされておるようでございます。その形、内容等は結局はその融通契約がどの程度までしつかりしたものがまとまるかということとの睨合いにおいて具体的に固まつて行くのじやないか、委員会も事務局のほうを通じてその進行過程等は十分にそれぞれ意見を聞きながら事態の推移を待つておる、こういう状態でございます。
  57. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 委員諸君にお諮りいたします。松本委員長は非常に急がれておりますので、松木委員長の答弁を是非必要とする重要な問題だけ先に御質問願います。
  58. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 じや一点だけ……。私はこの前の委員会のときも松本委員長にお尋ねしたのでありまするが、先ほどからもいろいろ繰返えされた論議でありまするが、未開発電源の帰属の根本的の考え方についてもう一度私重ねて聞いておきたいと思うのであります。この前の委員会のときには、委員長からは五人の専門家に研究さしてそれぞれの帰属の誤りなきを期しておる、それから根本精神についてはこの電気事業編成令の再編成のこの考え方を骨子としてやるのだというお話であつたのでありまするが、どうも我々地方におりまして、つまり将来その地方の産業総合計画とこの電源の開発ということは非常に大きな関連を持つて来るのです。それで問題が一つ一つ発電所で、この発電所は今度は関東をやるとか東北をやるとかいうことを一つ一つで論議されるようなことではいつも非常なそのときどきに大きな争いを起したり、総合的の産業計画がなかなか立ちにくいということもありまするので、川筋なら川筋は大体原則としてその川の帰属しておる会社に今後開発をやらして行くのである。勿論若干の例外はあるでありましようが、そういう考え方をとつておるかどうかというようなことについてもう一度私は委員長の考え方をこの機会を通じて承わつておきたいと思います。その際にその地方の産業の状況とかいろいろのことを勘案するというお考えもきつとあろうかと思うのでありまするが、その際に現在の既成の産業の構成、これの事実だけを考えられるのですか、将来その地方のいろいろな資源、その他を以ちまして今まで余り電力が使われておらなかつたからこの程度の産米しかできなかつたのであるが、将来豊富なる電力供給されるということになれば、その地方の産業はこういう開発計画を持つているのだというようなことなども十分勘案して頂けるものかどうか。これらの点について御意見を承わつておきたいと思います。
  59. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) これは大変むずかしい大きな問題でありますが、私の考えではすべての措置を見てやることであるが、一番開発さるべき水を有利に使える、有利に使えるということは必要であろうと思う。その結果として大体において一つの川筋を一つのところで持つということに自然なつて来ると私は思う。最も有利に電力を開発したい、これを分割して開発すれば、例えば二十万キロしか出ない。併しこれを一捨して若し開発して大仕掛にやれば四十万キロ出るというなら、四十万キロ出るようにやつて行きたい。そしてその四十万キロをその開発した会社に属しておるところに皆やつてしまうということは決して考えていません。その開発は開発であつて最も有利に開発させる、その使用は最も必要なところに使用させたい。だからして例えば或る会社が四十万キロ今の場合においてやつても、その会社の何といいますか、供給をしておる区域の方ではまあ必要あろうけれども、さまで必要が強くない、他の区域のほうに非常にいろいろな事情から電力が必要だという場合には、そのほうに使うようにしたい、要するに日本の国全体の利益に最も適するように最も有利なる開発をさせて、そうしてこれを使うほうも最も有利に使うようにさせて行きたいというように私は考えております。
  60. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 只今松本委員長の御説明で大体わかつたのでありまするが、我々電源地帯に所属しておるものは開発された電力を全部その地帯で使いたいということを今まで一回も言つていないのです。勿論使用についてはその使用区分を立てて送るべきものは送るということを考えておるのでありますが、その発電所の開発に当る主たる会社、その帰属する会社がどこになるかということを非常な重大関心を持ちまして電源地帯の大衆は非常に懸念をしておるわけです。大体今の委員長のお考えでよくわかりましたが、もう一回くどいようでございまするが、大体川筋その他を中心に飛び飛びに一つ発電所は関東へ属するが、その次の発電所は東北になる、又関東になる、こういうことになると、その地方の総合的ないろいろの開発計画が立たないということを我々心配しておるのでありまして、そういうことは自分としては考えていないという回答を得ることができましたら、私は非常に仕合せであります。
  61. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 今私が述べた通りであつて、どうも帰属ということには余りすべてのかたが重きを置き過ぎておられるのじやないか、帰属と言つたところで自分のほうに帰属するから出たものはみんな自分が取るんだという考えが間違つておる。これは少くとも公益事業の電気のごときものについてそういう考えではこれは非常な間違いであろう、最もたくさん有利にできるところにやらして、そうしてそのできたものは最も有利に使えるところに使わすようにして行きたい、それでそれが日本全体のためになることであろうというように私は考えております。
  62. 古池信三

    ○古池信三君 先ほどの私の十お尋ねいたしましたことに関連して、松本委員長から一言お答えを願いたいと思うのであります。先ほど平井技術長から詳しくお話を承わつて、而もまだこの融通問題につきましては、最後的に具体的な案はきまつてはいないし、大体において各会社の自主的な契約というものを尊重して、これに若干の調整機関を附属させて行くような線に落着くのじやないかというお考えのようであります。それで電力の需給契約なものは各電力会社にとつて非常に重大なものであつて、殆んど場合によつては死命を制するものだと思います。これは直ちにその会社利益に反映するばかりでなく、その会社の区域におりまする国民の非常に重大なる利害関係に携つておるものでありますから、契約後については非常な競争が起ろだろうと思うのであります。争いが起る心配もあろうと思います。従つてかような場合において、公益事業委員会として、自主的な契約を尊重するだけでは果して公益の目的を達成するかどうかということを甚だ危惧の念を抱かざるを得ないのでありますが、かような場合において公益事業委員会としては十分にその委員会の権限を発揮して、全部の日本利益になるようにお計らいになるお考えですか、どうですその点について……。
  63. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 勿論そのつもりでおりますが、ただ統制的になつて工業者自体の意思を全然無視して、そうして一定の官僚的な構成をやるということは、これは今度の制度の全く排撃しておるところなんで、そういうことにならんように何と申すか、十分なる理解を求めて、恐らくは当業者も理窟のあることには従つて興れることと期待しております。これを命令して無理にやらすということになつて、全く当業者の企業意欲をなくさしてしまうということに今まで多少なつていたのじやないかということが即ち今度の制度ができたゆえんかと思うのであります。その点の調節は非常にむずかしいことかも知れませんが、できるだけ理窟によつてその理窟を了解して貰うということにやつて行きたいと考えております。
  64. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 先ほどから松本委員長の話を伺つておると、電力は作るのに都合のいいところでたくさん作る、そうして重点的に最も有効に使うところに使わして行くという意見ですが、松木委員長卒直に御意見を伺いたいのですが、そういう意味でしたら、やはり九つに分けないで今までの一本にしていたら私はいいじやないかと考えるのでありますが、委員長はどういうふうなお考えになりますか。
  65. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) これは統制主義と自由主義とどつちがいいかというと、どつちも行き過ぎちやいかんので、自由主義が行き過ぎてしまつたらこれはいけません。統制主義が余り行き過ぎると、全く自由的に物を考えそして自己の会社とかの利益とかいうようなことを頭に入れて非常にいい創意を出すことができない、イニシアテイーブがなくなつてしまう、この間の調整は非常にむずかしいと思いますが、できるだけ創意は発揮させる、その創意を発揮させた人には勿論利益を与える。併しながらその利益はできるだけこの全体の利益にこれが帰するようにさして行くということにやつて行きたい、そう考えております。
  66. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 九つに分けたことを最良の分け方だというふうにお考えになつていらつしやらないのでしようか、もつといい分け方があとで考えられるならば、九つに分けられたものをもう一度分け直すというふうに考えておりますか。
  67. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) これは前にも申したように、如何なる制度といえども永久に続く制度はないと思います。或る時期が参りますれば変つて行くことは勿論あり得ると思います。ただ近いうちにむやみに変えるということはよくない、私はどうも生きておる間にはそう変るまいと考えております。
  68. 東隆

    ○東隆君 新設会社の人事の問題でありますが、これは具体的には統制をしないのだ、こういうお話でありますが、先般栗山委員も條件を付けていたが私は電力編成の問題は非常にむずかしくて、そうして今日に至つておるわけでありますが、議会にも見えましたし、地方のほうにも見えました、日発配電関係とこれは非常にむずかしい関係なつておつた。それで日本は昔からけんか両成敗ということをよく言つておるわけでありますが、日發のほうでは総裁副総裁がおやめになつた、そういうような関係で私はこの新設会社がスムースに将来進んで行くために、今の関係者がこれは交代したほうがいい、それが私は将来においても仕事をスムースにやつて行けるのじやないか、こういう気持をするわけであります。この点についてお伺いいたしたい。
  69. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) やはり一番の適材を適所に置きたいという考えで行くよりほかはないので、或る場合には更迭してもろうつもりでおります。併しながら全部に亘つて更迭することは実際においてもできまいし、又決していいこととも思つておりません。
  70. 東隆

    ○東隆君 その際、私は北海道でありますが、北海道は、先ほども九州その他からお話がありましたが、條件から言いましたら、一番恐らく御迷惑をかけるところなのだとこう思つております。料金の問題についても電力の問題においても、又電源の開發においてもこれは非常に困難な問題がありまして、そしてこれの解決には恐らく非常に公益委員会のほうでもお困りになるのじやないかとこう考えておるのであります。そこで私はこの会社の最高責任者というようなものは、これはよほど私は北海道においては辣腕家では困りますけれども、相当か力を持つておるものがやらなければならん、殊に金融面において相当な力量を持つておるものが来なければ私は電源開発、その他のものは恐らくできんのじやないか、永久に北海道の電気事業というものはそういうことをやらなければできんのじやないか、こんな考え方を強くしておるのであります。一つその点について御意見をお洩らし下されば幸甚だと思います。
  71. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) どうもまだしつかりしたことがきまつておるわけではございませんので、しつかりしたことは申上げかねますが、北海道は御承知のように開拓事業の前途は非常に大きいものがある。これから先の電力についても非常にいろいろ考うべきことがあると思つております。その仕事に適応したような人が欲しいと考えております。
  72. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先ほども秋山委員から尋ねられましたことについての御答弁の中に、現在以上地域差を付けない方針であるかのような御答弁でありましたが、再編成が終りまして、九州その他現状においても相当の地域差が付いておりますが、より以上の地域差が付き得る可能性、或いはその危険性が感ぜられるのでありますが、これは再編成後といえども現在以上には地域差は付けない、或いは付かないであろうという御方針でありましようか、その点重ねて伺つて置きたいと思います。
  73. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) これは私はよく承知しておりませんけれども、電力の料金問題ということはこれは再編成後によほど考えなければならんことだと思つております。それで今の現在以上というのがプラス、マイナスで行くものであるか、或いは比率で行く話であるか、そこらで大変考えようが違うと思うのであります。或いは、ただプラス、マイナスで行けば現在以上のことにならなければならん事情になるかも知れないというようにも考えられますが、そこら一向私まだ先の料金問題等は考えておりませんので、しつかりしたことはお答えできません。ただ料金問題は今の通りでは私はどうも行くまいと思つております。
  74. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 これは再編成問題がひとり電力問題だけにかかわりませず、国民生活、産業経済全般に亘りますので、大きな問題になるのであります。そこで再編成によりまして、大きな影響のないようにと考えるところからいろいろな話になり、議論になつて参ると思うのであります。これは基本的に申しますならば、成るべく影響のないようにという方向でなければならんと思うのであります。特に先ほど委員長はおられませんでしたが、お願いと御質問を申上げておいたのは、その一つ方法として各地域の産業、その他国民生活に影響を与えない一つ方法として、九州における産業、国民生活について現状以上の重大な致命的な影響を与えないために、或いは送電の確保、継続、或いは火力発電所、特に自家発の問題についでの措置、或いは電源確保の優先措置について方針を承わつてつたのであります。これは何といいましても、関東或いは関西にもそれぞれ、日本経済の中心がございますが、九州にも重工業の中心があるわけであります。現在の地域差で以て相当の影響を与えておりますので、現状以上の影響があることによつて日本の基幹産業に大きな影響を与えないように御考慮願いたい。この点が質問の重点だつたのであります。その点についての一つより以上の御考慮をお願いしたいと考えますのが一つ。それからこれは今の九分断を前提にいたしまして、その弊害を救済する具体的な方法について御質問申上げておつたのであります。なお一応これは前提にして考えて参らなければならんと思いますけれども、基本的には九分断の持つております矛盾を如何に調整し救済するか、先ほど岩木さんの御質問にありましたような基本的な、今後日本経済の動向もありましようし、量的な問題から質的な問題にも御考慮願わなければならんかと思います。それからもう一つ先ほど小川委員から質問のありました点でありますが、これは松田事務総長のお話によりますと、きまつてしまつてからここに報告するというような印象を受けたので、委員長おいでになりました勢頭の質問が起つたわけであります。そこでその点については恐らく今後報告を願い、御相談も願つて行くことだろうと思うのでありますが、特に先ほど人事の問題がございましたが、これはまあ委員の人選についてまで遡りますことは大変失礼だと思うのでありますけれども、従来この九分断案ができましたのがいわゆる松永副委員長の試案によつて出発し、それから先ほど委員長率直に自分としてもまだ十分知らんというようなお話でございましたけれども、そこで実質的には相当いわゆる松永構想というものが委員会の中心をなすのではないか。これは委員なり、或いは国民全般が疑問を持つて見ているところだと思うのです。そこで委員会のこの再編成の具体案は人事問題等について公益事業委員会の公共性に関し、そういう個人の、或いは一部の人の利害の方向に行くのはいかんということを確信いたしております。その点について国民の疑問を解く方向にお進め願うことについて特に御留意をお願いいたしておきたいと思います。その点についての先ほどの小川委員の質問等に対します委員長の御回答を明確にお願いをいたしておきたいと思います。
  75. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 只今の御質問の点ですね。一人の考えということでは決して決定されないつもりです場合によつては知識が足りないために間違うようなことがあつてはならんとは思つておりますが、或いはあるかも知れんので、若しあつたら十分自分としては責任を持ちたい。できるだけ公正に、一個の私益というようなこと、或いはわがままというようなことでは決して決定されんようにすべてをやつて行きたいというように考えております。ただ御承知のように三人の多数で決定されますから、必ずしも委員長といえども何も別に票を持つているわけでもないので、委員長がこう考えたからそうなるということには決してなりませんので、その点は御承知と思いますが、できるだけ公正にやつて行きたいというように考えております。
  76. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それからもう一つ、これは松田事務総長のお言葉じや少し言い足りなかつたからああいう誤解を生んだと思うのですが、御説明によれば三点四点を除いては日発配電会社によるこの再編成委員と申しますか、そういう一つの話がきまつたというお言葉だつたのですが、そのことが委員会として四点を除いてきまつてしまつたのだ、こういう印象を与えましたために、公益事案委員会としてきめてしまつて、この委員会なり或いは国会に報告をするというお話のように印象付けられたのであります。決してそういう御趣旨ではなかつたと思うのでありますが、その点について一つ重ねて御説明を願つておいたほうがいいと思います。
  77. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 私その点につきまして小川さんから特に又あとでお話がございました。そのときにも念を押してお答えをしたつもりでございますが、要するに先ほどお話になりましたような四点につきましては、いわゆる日発、九会社等についても話が付かずに出て来ている。他の点については大体日発乃至九会社の間において話が付いたものとして再編成案ができておるのだという意味で私はお話したのでありまして、それについてもう委員会としても決定しているのだという意味ではなくして、要するにその後の進捗状況如何のお話でございましたので、そういう意味のことを私は申上げたので、吉田さんのお考え通りに私は御答弁したつもりでございますのですが……。
  78. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私から委員長に今日質疑応答のあつた中の二、三の問題について率直に御意見を承わりたいと思います。先ず第一は、水、火力調整料金の問題です。秋山君から質問になつておりましたが、一応政府の案か自由党の案か知りませんが、案としては五カ年間の日限を切つて調整料金を吸収するというようなことになつておりましたが、今度の公共事業令その他には何ら法的に明示してないのであります。この問題は各九つに分割されたおのおのが独立採算のよつて会社を経営して行くという点に将来非常な重点が置かれるのであろうと考えるのでありますが、これを法的に何らかの処置をできなかつた場合、分割された向後の二十六年度においてはスムーズに調整料金の問題が片が付くとしても、二十七年度以降になつた場合、各社の経営内容の実態の如何によつてはこの問題に関しては非常に困難な情勢が起きて来る可能性が強いと私は考えますが、委員長はこの問題に対して根本的に検討されて、或る一定の適当と思われる年限を法的な措置によつてきめられるか、或いは公益事業委員会としては一般大衆が安心して電気が使われるような何らかの措置をとられる心組みがあるかないか、この問題について先ず委員長のお答えを願います。
  79. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) この問題について私は率直に申すと、まだ本当に考えておりませんその暇はございませんから……。併しいつ変えられるかわからんという極めていわゆるプリケアリアスな状態で置くということはできにくいことでございましようから、或る程度の安定性を与えるように契約等ができて行くように努めたいと私は思つております。この点についてまだ考えておりませんので、しつかりしたことをお答えいたしかねます。
  80. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 第二の点は、電力融通の問題ですが、特に電力融通の問題で非常に私たち重要に考えたのは、九州対本州との電力融通の問題ですが、只今電力の幹線が一つだけ引かれておる、五万キロ程度は融通ができるという状態下にあるようですが、九州の電源開発が如何ような計画の下に行われるかは、まだ詳細に知つておりませんけれども、現在の九州の電力事情から考えまして、分割後において公益事業委員会としては動力の融通幹線をもう一線お引きになるお考えがあるかないか、これを分割後の各社の自由にお任せになるお考えであるかどうか。この点について一つ御答弁願います。
  81. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) この点もまだ実は話を聞いておりませんので、一線くらいあるようなことは聞いておりました。これを殖やし得る状態にあるのかどうかということも一向承知しておりませんので、何とも申上げられませんが、甚だ不十分なことで恐縮でございますが、もう少し一つ先になつてから研究した上でお答えいたしたいと思います。
  82. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の問題に関しまして、平井技術長にお尋ねいたしますが、元来本州と九州における送電幹線、融通の幹線ですが、この幹線は、電力の融通と言えば必ず水力火力の足りないところに補うということに国民大衆一般は考えておるようです。併しながら現在のような渇水期電力の足らない場合においては、恐らく九州の火力が中国に対して融通が行われておるのじやないかと私は考えておりますが、そういう場合も考慮しますと、只今松永委員長にお尋ねした融通幹線をもう一線殖やすということを平井技術長としては絶対不可欠の條件としてお考えになるのが技術者としては適当であろうと考えますが、平井技術長はどうお考えになつておりますか。
  83. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) まだ私どもとしてはもう一回線、線を敷くとか敷かないかという検討はしておりませんが、只今の御質問の通り、あの連絡送電線というものは、当初はむしろ本州の水力の余りをできるだけ九州へ持つてつて、そうして場合によつては九州で火力発電をしておるときに、それを止めても水を捨てないようにする、その構想の上に立つて当初計画されたように覚えております。その後電力需用はどんどん殖えて最近の状態としては、豊水期にはむしろ本州中央部の水が余つたものをぐんぐんと中国ヘリレーし、中国の余つた電気を九州へ持つて行くという豊水状態と、最近のような状態では九州から火力発電所の力の一部を動員してそうしてこれを中国に送つておるような事態司あるのです。これは相互の間の融通がそういう形で非常に最近では円滑に行われておるのでありまして、こういう連絡融通というものは非常に地帯間の不均衡を調整するのに、効果的であると考えております。従いまして今後もこの問題は必要に応じては新線を作るということは考えなければならないと思いますが、まだもう一本線を敷く云々ということはちよつとここで申上げるまでに至つておりません。
  84. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の問題は、私の感覚を以てすれば極めて緊急重要な問題であると考えております。而も距離は最短距離にあるし、中国の電源の開発の情勢が将来どうなるかわかりませんが、渇水期が長く続く限りにおいて九州の電力を九州の産業のために相当多量に使わなければならない羽目に陥つて参ると考えておりますので、そういう点は技術長のほうで十分御検討を下つてもう一線幹線をお敷きになる計画を樹立されんことを希望いたします。  最後に、松本委員長にもう一点伺いますが、本日の委員会電源の帰属と電源の配分の問題について石坂委員その他からいろいろ質疑応答がされておりましたが、この問題は非常に重要な問題と考えております。松本委員長の御答弁によりますと、まだ非常に重大な問題ではあるが検討済みでないということを御答弁たなつておりましたが、私の考え方を以てすれば、少くとも公益事業委員会としての今度の分割に際して、現在の日本の産業の立体構造に急激な変化を与えないということを第一義として考えて、電源の帰属と電源の配分の問題の解決を付けてもらいたいと考えます。電源を多数持つておる地帯におきましては、今、自分のところで消費せねばならん産業の電力の不興を補うと同時に、新らしい産業の誘致までも考えておられるように私はこう受取りましたが、併しこれは日本電力というものが国内、国全体として余りあるような状態になつた場合に考えるべきことであつて、少くとも新らしく開発された電源は現在の産業状態を維持するということを第一義にして使わねばならんと考えておりますが、委員長としては、電源の帰属と配分の問題についてはそういう点に第一義的にお考えになつて適当な計画を樹立され、やつて頂きたいとかように私は考えております。委員長のお考え方を伺いたい。
  85. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 只今のお考えの通りに私も考えております。ただ実際に当つてそれがそう満たされるかどうかということは疑問かも知れません。いろいろな判断の仕方もあるかと思いますが、併し、先ほど申したように、最も有利に電力を開発して最も有利にこれを使いたいというように考えております。そうすれば自然に今の御質問の御趣旨に適応することと思つております。
  86. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 私は只今松本委員長の答弁について論議するわけではありませんが、西田委員長から言われた通りに考えておるというふうに言われたことについては私は若干異議を持つております。(笑声)そのことだけ……。
  87. 古池信三

    ○古池信三君 今、西田委員長から松本委員長に対します御質問に関連いたしまして一つお尋ねしたいのであります。中国、九州の連絡送電線を若しこれを一線殖やすとかいうようなお話になりますと、その建設は恐らく中国側は中国の電力会社を建設し、九州側は九州の電力会社を建設する、そうして関門の海峡の上は両社で共同で作るというようなことになるのではないかと想像されるのでありますが、そういうような場合に九州側は是非増設して欲しいという希望があつても、中国のほうではその必要がないというようなことであつて両社の話が合わないときには、これはとてもできないと思います。さような場合に更に高い国家的な見地からそれが必要であるとされる場合には、公益事業委員会としてはこの建設乃至増設の命令をお出しになるようなことになるのですか、或いはそのまま放つて事態の推移に任しておかれるのでしよか。ちよつとお尋ねをいたしたいと思います。
  88. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 御承知のように公益事業委員会は、或ることを強く命令する、或いは統制するという機関ではないようであります。大体において当事者の考えに適応したように調整を加えて、よい方へ持つて行くというようにしてあるように考えております。今の具体的の場合に命令を強くすることはむずかしいのじやないか、やはりできるだけの勧誘をして、そうして一般の人の輿論を訴えて、余り自社のみの利益を考えないようにしてのらうということは、私はできるようになると思うのです。昔の資本主義全盛時代には御承知のように随分えらいことをやつてもこれはどうも仕方がない、権利でこうなんだということでありましたが、この頃はそうでない、仮に自分の権利であつても、やはり公益に適応してのみ使い得るというような思想が大変強くなつておりますから、然るべく調整をして行つて適当なところへ行くことと考えております。
  89. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 本日は大分時間も遅くなりましたし、松本委員長も御多用なようでございますから……。
  90. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 月曜日あたりにお開きになりますか……。それじやこの際特に私はその日に留保しておきます。
  91. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 本日はこの程度で散会いたしたいと思います。十九日は午後一時から委員会を開きたいと思いますから、皆さん御出席をお願いします。  それから公益事業委員会の方、資料を要求しておきます。再編成後における各会社の経理と地方電気料金との関係を明らかにするために、地域別の料金、地域別の水火力調整、地域別融通電力量及びその料金、地域会社別収支予算、これは二十六年度の収支計画書で結構でございますから、これだけの書類をできますならば、十九日の午前中までに御提出を願いたい。  本日はこれを以て散会いたします。    午後五時十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            尾山 三郎君            高橋進太郎君            結城 安次君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            石原幹市郎君            小野 義夫君            岡田 信次君            古池 信三君            小林 孝平君            山田 節男君            吉田 法晴君            野田 俊作君            山川 良一君            岩木 哲夫君            小川 久義君            境野 清雄君            東   隆君            須藤 五郎君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   政府委員    公益事業委員会    委員長     松本 烝治君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君