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1951-02-03 第10回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月三日(土曜日)    午前十時四十分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気事業編成実施方針に関す  る件)  (日本発送電株式会社含み資産に  関する件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは只今より委員会を開会いたします。  前回に引続きまして、電力の再編成実施方針に関する件、日発含み資産に関する件を調査いたします。本日は時間の関係がありますので、主としてお手許に配付してあります日発含み資産に関する件を調査いたしたいと考えております。公益事業委員会からは松本委員長松田事務総長中川経理長、通産省からは通産大臣始関資源庁長官等が御出席になつております。それでは先ず公益事業委員会側から日発含み資産に関する件についての資料に基く御説明をして頂きます。
  3. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) お配りいたしました日発含み資産に関する説明資料という印刷物について御説明申上げます。この印刷物最初昭和二十四年度決算分というのがございます。それから三枚目に昭和一十五年度上半期仮決算分というのがございます。この二つに分けまして御説明いたしたいと存じます。最初昭和二十四年度決算分につきまして、これは日発側よりいわゆる含み資産内容につきまして帳簿の提出を求めまして、それに基きまして日発側説明を聞き、且つ委員会事務局より日発へ人を派しましてその内容帳簿等につき調査いたしました結果をまとめたものでございます。  最初に一として建設準備勘定千九百六十六万円という数字が上つております。これは説明の項にございますように高巣野という地点水利権を旭化成に二十四年の十月に帳簿価格三十四万円のものを二千万円で譲渡いたしまして千九百六十六万円の差益がありました。これを日発のその他の建設準備勘定地点償却に充てたのであります。従いましてこれを償却しないで引戻しますと千九百六十六万円の含み利益が出るという筋合のものでございます。  それから二番目に建設工事勘定三千百六十七万九千円というのがございますが、これは佐々発電所が水害で被害を受けまして、これの復旧に使つた金でございますが、このうち本店修繕費計上するのを妥当と認めまして修繕費でこの該当額だけ計上いたしたのでありますが、支店においては外の建設費に相当するものと一緒帳簿に記帳いたしておつたものであります。従いましてこれを支店記帳通りに直すといたしますと、本店修繕費が浮くという意味合含みと見たものでございますが、能力等の殖えますものは建設費計上が妥当でございまするが、修繕費として計上するほうがむしろ適当でありますものについては、修繕費計上のほうが妥当でありますので、事務局から参りました結果は、私どもといたしましてはこれは修繕費計上のほうが適当ではないかという見解を持つておるものでございます。  三番目の貯蔵品一億六千二百五万一千円、これは日発貯蔵品が戦災で関係帳簿が一部なくなりましたので、終戦直後時価に近い一定の単価を以て入帳いたしました結果、最初総括帳簿から見ますと六億七千万円の差益が出ておつたものでございます。併しながら貯蔵品につきましては取得価格で記帳するのを本則といたしておりますので、この差益一般差益と違いまして、貯蔵品関係棚卸損に引当てるべきものでございますので、その後昨年に亘りまして本格的な調査をいたしました結果、精算差額として一億六千二百万円だけが残つたものでございます。従いましてこれを利益というふうに見ますれば含み利益項目に入るわけでございまするが、もともと貯蔵品取得価格本則といたしますので、備考欄にございますように、私ども見解といたしましてはこの分につきましても将来の貯蔵品関係棚卸の損に引当てるべきものであつて一般含みとこれを見ることは適当ではないと、こういう見解でございます。  四の短期貸付が四百八十八万五千円、これは日発中国支店小月鋳鋼所というのがございまして、もともとは統合関係日発に引取つたものでございましたが、これを分離経営いたしまして、発電所その他の工事修理工場として使つてつたものであります。これに対して不良の貸付金がまあ相当溜りまして、二十四年度決算におきましてその差額分四百八十八万円を償却いたしたのでございますが、一方支店ではやはり債権取立等関係もございまして、これを債権として存続しておきたいというような意味合から、これを償却引戻しという意味合に見れば含みとなる筋合のものであります。併しながら一応この鋳鋼所性質からいたしまして、不良と見ましたものを引戻すということは如何かと思われますので、決算通り措置のほうが適当であろうという見解でおります。  それから次に未払金の三億九千一百二十三万八千円でございますが、これの内訳はここにございますように(イ)から(ト)まで七項目ございます。このうち健康保険料から基準外賃金に至ります分につきましては、従前その月で支出いたしますものを経費に見ておつたのでありまするが、二十四年度の下期は相当余裕がございましたので、厳格に三月分に該当するものまで引当てまして決算いたしたのでございます。従つて一月分が正確に計上されておつたわけでございますが、これを従前経理のように一月遅れに戻しますれば含みとなる、こういう意味含みと見たのでございます。従つて決算正確性というような点からいたしますれば、決算通り措置のほうがむしろ適当なものであつて、この際含みと見るのは不適当ではないかという見解でおります。運炭灰捨費以下公物使用料、この二点につきましてはいずれも決算当時未確定額でありましたが、精算額において余裕を生じたものでありまして未払額と精算額との差が含みとなつて来たものでありますから、これは正当に含みと見られるものと存じます。  二枚目へ参りまして未払炭代利子一億六千一百七万六千円というのがございますが、これは日発配炭公団に対しまして従前経理の苦しかつた時分に炭代の支払が非常に延滞しておつたのでございまして、それに対する利子が一億六千一百万円ほどになつてつた事情がございます。これを未払炭代利子として決算いたして計上いたしたのでございますが、その後購入炭のうちで不良炭値引等の問題と関連いたしまして、結局においてこれは支払わないで済むということに確定いたしたのでございまして、昨年の八月頃、その後交渉の結果これは支払わなくて済むということになつたので利益として浮いて参つたものでございます。  六番目の買掛金十一億四千二百二十八万三千円、これは購入電力料以下四項目に亘つておりますが、初めの購入電力委託発電炭鉱動員、この三項目につきましては、いずれも当時計算が未確定のものがございまして、例えば購入電力料につきましては、料金改訂等がございまして、まだ料金がきまつておらなかつたの推定額計上いたしておつたのでありますが、その傍の改訂額において、余裕を生じた、こういう筋合のものでございます。委託発電費炭鉱動員費も同様の事情にあつたものでございます。  四番目の石炭費十億一千九百九十三万七千円、これにつきましては決算当時におきましては、下期で購入いたしました石炭のうち約三割程度価格がきまつておりました、残りの七割が価格が未決定であつたようでございます。従いましてこの分につきまして決算余裕があつた点もあつたかと思いまするが、一応上期の購入平均単価によつてこれを締めまして、説明欄にございますように、三千七百七十二円で締めたわけでございます。その後二十四年の上期になりまして価格上つた結果これを戻して三千二百五十五円、従つて差額として九億三千三百六十二万四千円浮いて参つた、こういうものであります。なおその他委任発電石炭代、これは委託のミスプリントでございます。委託発電石炭代及び炭鉱動員石炭代追加等決算帳簿誤差がありましたものをこの項目で締め直したものが八千六百三十一万三千円ほどございまして、合計十億一千九百九十三万円が利益として出て参つた、こういう筋合のものでございます。合計いたしまして二十四年度分は含みとして推定いたしたものが十七億五千百七十九万六千円でございましたが、事務局調査によりますと、一枚目の参考欄にございますように、初めの建設準備勘定以下、未払金基準外賃金に至りますまでの分は、含みとは、厳格に申せば申し得ないのではない、こういう見解でございまして、この分が合計いたしまして、三億七千五十五万三千円でございますので、差額の十三億八千百二十四万三千円、こういうのが一応二十四年度決算におきまする含みであつたと、かように見られます。  続きまして三枚目の二十五年度の上期の仮決算分について申上げます。二十五年度におきまして含みとして見たものは貯蔵品以下仮受金まで四項目ございます。最初貯蔵品四千五百五十万四千円、これは日発事務用消耗品につきまして、在庫中のものも一応消耗品として経費計上をいたしまして経理いたしたものでございますが、期末において残量貯蔵品に振戻すわけでございますので、一応十月当時にこの分を推算いたしまして貯蔵品として計上して見たものでございまして、この点につきましては別段経理上当不当の問題を生じない性質のものであります。  二番目の未払金七億六千二百一万六千円、これは修繕費以下相当項目がここに上つておりまするが、いずれもこの点につきましては仮決算であつたという性質もございましようが、予算計上額で毎月の支出額を推算いたしまして未払金計上いたしておつたわけであります。それと予算支出実額とを見合いました差額利益としてここへ計上して見たものでございます。これは仮決算とは申しながら実額計上することが適正でございまするので、日発経理は適当であつたと、かようなことが言えると思うのでございます。なおこの中の一部の油脂類費用水料というものが(ヌ)の項目に二千万円ございますが、これは本店支店との帳簿を二重に計上いたしたものでありまして、誤計算であつたものでございます。  それから法定厚生費五千四百二万円のマイナス勘定計上しておりますが、これは先程の二十四年度分の人件費計上のときに申上げましたように、二十四年度分におきましては厳格に当該別に引当てられるものまでを計上いたしたのでございますが、この法定厚生費につきましては、二十五年度四月分におきまして計上漏れでありましたものを差引計算でここに控除をいたしたものでございます。その分につきましては計算上妥当なものと思つております。  それから三項目買掛金でございますが、この中の物品代購入料は先ほどの未払金と同様のものでございまして、予算と実算との差額計上したものでございます。(ハ)の石炭代八億七千百十三万三千円、これにつきましては二十五年度の上期の消費炭が百三十二万七千トンでございまして、この当時におきましては石炭価格も正確にすぐにきまつて参つてつた事情がございまするので、支店から貯蔵品として計上いたしまする石炭代本店に報告になつております。その単価が二千七百九十九円二十一銭でございましたが、本店におきましてこれを修正計上いたしまして、三千四百五十一円六銭という卸料金プール計算に際しまするときにとりました単価によつて一応上期の仮決算といたしております。従いましてこれを明らかに下期に対する収支から本店の操作を加えたものと見られます。  それから四番目の仮受金一億七万六千三十三万七千円、これは九月末現在におきまして未確定勘定でございます。これら仮受金につきまして見合勘定であります仮払金その他の科目と一応整理いたしまして、期末においてはこれぐらいの利益を生ずるであろうという推算した利益でございます。別段会計上経理が不適当であつたという筋合のものではございませんので、一応の決算期末に対する推定利益計上したという性質のものでございます。  以上四項目合計いたしまして二十五年度上期分利益十八億九千百九十一万、こういう数字であります。従いまして合計三十六億というものの内訳は以上の通りでございますが、第一頁の参考欄のおしまいにございますように、約三十二億七千万というものが実質上の含みである、かような結果に相成ります。  以上御説明だけ申上げます。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今中川経理長資料に基く御説明が終りましたが、これに対して御質疑がありましたら逐次御発言をお願いいたします。
  5. 栗山良夫

    栗山良夫君 この内容の点はちよつとあとで伺うことにいたしますが、過日この含み資産を発表せられました日本発送電小坂総裁は、こういう含み資産があれば当然日発の二十四年度の国庫に対する税金の納入にも影響を及ぼすので、脱税でなかつたということにいたしまして修正申告をするということに税務当局とも了解が付いたということが言われております。従いましてその修正申告をせられたものは只今説明を受けました中のどれとどれとが該当しているのか、その点を伺がいたいと思います。
  6. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 日発事務当局にいろいろ伺いました結果、まだ正式には修正申告をしておりませんようでございます。従いましてどの項目について修正申告をした、或いは税を課してほしいということを言つたか、まだその点は聞いておりません。
  7. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますとまだ修正申告がされていないということでありますから、それ以上お尋ねすることは避けますが、事務当局としましては只今説明を頂いた資料の中で、新たに含み資産であると認定せられたものとそうでないものとあるようでございますが、この項目の中で大体課税対象として修正申告をいたすべきものと、こういう工合に判定なさつておりますのは大体どういうようなものでありましようか。その点をお伺がいいたしたいと思います。
  8. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) どういう科目について修正申告をすべきかという点は自発自身の問題でありますので、私どもとしてはその点を具体的に抑えられんと思います。日発自身がこういうものを含みとして修正申告いたしますれば、税務当局自発自身の意思によつて含み資産と見るか見ないか判定すると思います。
  9. 栗山良夫

    栗山良夫君 それでは又この問題は次に保留いたしまして、第二の、含み資産の中で一番問題になりますのは石炭の問題でありますが、只今承わつたのは二十四年度決算並びに二十五年度の上期の仮決算につきましての受入炭数量になつておりますが、問題はこの期の前後にありますところのいわゆる前期から繰越をいたしました貯蔵品扱いとなつた石炭、或いはこの期から更に翌期へ繰越をいたしました貯蔵品扱いとなつた石炭、そういうものがどういう単価帳簿に整理されたかが問題になると思います。これはその期の受入炭だけでありますから、貯蔵品炭としては全然別になつていると思うのでありますが、その辺の帳簿に載せられた単価というものが購入単価とどういう関係があるか、この点を明らかにして頂きたいと思います。できますならば二十四年度決算におきましては、二十三年度決算時に二十四年度への繰越された石炭というものは明らかになつておると思いますが、その量がどのくらい、それでそういうものがどういう単価で評価せられたか、或いは今ここで御説明頂きましたように、三千七百円というような単価でされておつて相当差益が織込まれているのか、貯蔵品として評価増のような恰好になつているのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  10. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 二十四年度決算におきまして、いわゆる含み利益としてここに計算されましたのは、貯蔵品として受入れました単価につきまして百八十万トン分の計算で出ております、二十四年度の下期におきまする消費炭は百五十万トンでございまして、それの経費に当てました単価は三千六百八十円ということになつております。それでこの貯炭本店でみました単価消費炭の差は、貯炭のほうはそれぞれの地区単価のまあ総平均がここに挙げられておるわけでございますが、消費炭のほうはその期で使いました地区の実際の石炭量に応じましてそれぞれ単価をみまして計上いたしましたので、貯炭単価消費炭単価とはここに若干の開きが出て参つております。従いまして二十四年度含みとして見ましたこの三千七百七十二円と三十二百五十五円との差額利益は、厳格に申せば百八十万トンと百五十万トンの差額約三十万トン程度は二十五年度で、翌年度繰越されまして消費されたものでございまして、従いましてその幅に相当いたしますものだけは、厳格に申せば二十五年度含みのほうに廻るべきもの一と存じます。それで二十五年度石炭単価のほうは、この本店修正単価三千七百七十二円を入れまして各支店に流しました。それに基きまして二十五年度購入炭平均いたしまして、支店貯蔵品単価計算いたしておりますので、二十五年度のいわゆる平均単価に対しまして、本店で更にこれを修正して、二十五年度の上期の決算をいたしましたときは、二十四年度本店単価基準にいたしまして計算をいたしましたので、その差額だけが二十五年度のいわゆる含みであるとして会社側の報告された数字に相成つております。従いまして含み計算では、厳格に申せば二十四年度で見ましたものが一部は二十五年度のものがあるということになりますが、総体といたしましてその間に重複された点はないと存じます。
  11. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと私まだ理解しがたい点がありますが、そうすると只今報告頂きましたので、二十五年度の上期のほうの決算石炭の欄は「上期消費屯数」ということになつておりますが、そうして二十四年度決算のほうには「受入炭」ということになつて、同じ石炭費科目でこういう工合決算面が使い分けされておられますのはどういうわけですか。
  12. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) この点は二十四年度分につきましても、お話のように消費炭計上するのが妥当であろうと存じます。この計算におきましても、ところが一応日発側含みといたしまして出しましたものは、受入炭計算いたしておりますので、その点を消費炭に直すことが正確でございます。まだそこまで調べが出ておりませんので、一応自発資料通り受入炭を別にいたしましてこの点を調べてあるわけであります。
  13. 栗山良夫

    栗山良夫君 重ねて伺いますが、二十四年度決算受入炭は百八十万トンでございますね。これには二十三年度からの繰越炭は入つておるのですか、いないのですか。
  14. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) これは下期の受入炭だけを見ましたものでございますので、受入炭自身については二十三年度分から入つておるものはございません。
  15. 栗山良夫

    栗山良夫君 繰越炭はないわけですね。そうするとその繰越炭相当量責任貯蔵量からいいましても最低五、六十万トン分はあるはずでございますね。それの単価貯蔵品のほうでどういう工合になつておるわけでございますか。先ほど伺つたのを私ちよつと聞き洩らしたのですけれども
  16. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 日発におきましては、二十四年度までは貯蔵品単価といたしましては、あとから買いましたものを貯蔵品に入れまして焚きます場合には又あとから入れたものの価単消費炭計上しておつたようでございます。従いまして力の貯炭は安い単価貯蔵品として残つておるわけでございますが、二十五年度に至りまして当時の資源庁からの指示もございまして、貯蔵品単価計上は全部加重平均ですることになりまして、二十五年度からは従前の安い単価と新らしく買入れましたものとの加重平均貯蔵単価計上し、それによりまして消費炭単価も見積りまして消費炭計上をいたしたわけでございます。従いまして二十四年度までの安い単価で見積られました貯炭は、二十五年度から加重平均単価によりまして全体の貯蔵品単価も安くなり、且つ消費炭も安くなる、こういう結果になつて出て参つておるのであります。
  17. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますとこの二十四年度決算分受入炭には、前期繰越炭は百八十万トンのうちには入つていない。こういうことでありますと、その繰越炭が大体相当量つたと思いますが、その量についてここで修正単価として三千七百七十二円で計算されておりますが、この単価でなくして実際の受入炭、購入した安い単価経理整理がせられておつたのかどうか、その点は調査になつておりますか。或いはこの三千七百円で繰越炭の安い石炭差益計上されるように評価替がされておるのか、その点の問題です。
  18. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 二十四年度年度末におきまする貯炭日発では八十二万八千トンございます。二十四年度の下期の受入炭から繰越された分は先ほど申上げましたように三十万トン程度でございますので、残りの五十万トンはそれ以前の受入炭であつたわけであります。従いましてその分は今ここで幾らの単価であつたかは計数を持ち合せませんが、その分と、二十四年度下期に受入れました三千七百七十二円に相当します分とが全部が一緒になりまして二十五年度貯炭単価を構成しておる、かように存じます。従いまして二十五年度単価としましてこの印刷物にもございます二千七百九十九円というのは、相当前の安い単価が入つて参つた結果実績も安くなつておる、かように考えます。
  19. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと金額とからみましたのでわかりにくくなりましたが、石炭数量のほうだけで結構でございますから、二十四年度の下期の前後の関係を、貯炭とそれから受入れの関係でおわかりになつていましたらちよつと承わりたいと思います。
  20. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 二十四年度の下期の受入消費貯炭を申上げます。受入のほうは二十四年の、ちよつと数字を二段に申上げますが、第三・四半期におきまして八十七万二千トン、第四・四半期におきまして九十万六千トン。それから消費炭でございますが、第三・四半期におきまして八十一万九千トン、第四・四半期におきまして六十九万一千トン。それから貯炭は第三・四半期貯炭六十一万二千トン、第四・四半期貯炭八十二万八千トン、かような数字になつております。
  21. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと受入のこの合計が八十三万トンと九十万六千トンとの合計になるわけでございますね。
  22. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) さようでございますが、これは調査の基礎が若干違いますので一、二万トンの誤差はあつたかと思います。
  23. 栗山良夫

    栗山良夫君 八十二万トン繰越がありますから、先ほどあなたの御説明になりました百八十万トンに対して百五十万トン、差額三十万トンが二十五年度へ廻る分であるとおつしやいますが、そのほかになお五十万トンばかり貯炭として二十五年度貯蔵品扱いのような恰好で繰越になつておる、こういうことなんですね。
  24. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) そうです。
  25. 栗山良夫

    栗山良夫君 それが炭代が非常に安かつたから、二十五年度の仮決算では加重平均炭価が二千七百九十九円に下つた、こういうことですか。
  26. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) はあ。
  27. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと貯炭扱いの安い炭を評価増ししてやるというようなことはなかつたわけですね。
  28. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) さようでございます。
  29. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ほかに御質問ありませんか……。御質問がないようですから、それではその次の資料の御説明を求めます。
  30. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) もう一つお配りいたしております資料は、二十二年度の下期と二十四年度の下期の日発配電会社貸借対照表でございます。この前御要求がございましたので、一応資料として御提出いたしたのでございます。別段この表自身については御説明申上げるものもないと存じます。あとの問題と一緒関係しました資料でございますので、その節申上げます。
  31. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは今度は昭和二十四年度第四・四半期電気事業収入予想実績表に対する御説明を求めます。資料は今お手許にお配りいたしますが、お手許に配付いたします資料確定したものでありませんので、委員会が終了いたします際にはお返しをお願いいたします。この内容については未だ不確実なものがたくさんあるという公益事業委員会側の申出がありますので、外部に発表することを控えたいと思いますから、この説明を聞きます委員会は秘密会にしたいと考えます。よろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議なしと認ます。それでは傍聴者の退場をお願いいたします。  午前十一時二十二分秘密会に移る
  33. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 諸君にお諮りいたします。公益事業委員会のほうから事内容が秘密に属する問題だから速記をやめて貰いたいという御要望がありますが、如何取計らいましようか。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 秘密会でありましても速記を中止するということがないので、これは速記をいたしましてそうして若しいろいろな事情でその内容について加除すべき点があれば、それは又委員会において御相談の上善処せられるのが建前でありまして、従いまして速記はそのまま続行されたいと思います。
  35. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは今栗山君のおつしやつたように速記をすることにいたします。  ではこの書類の説明を求めます。
  36. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 前回の委員会におきまして栗山委員より二十四年度下期の異常豊水による利益は一体幾らぐらいか、それをどういうふうに使われておるかというお尋ねの資料を出すようにとのお話がございまして、取りあえず委員会といたしましては通産省より引継ぎました資料等に基きまして作成して見たものでございまするが、何分にも僅かの日数において作りました関係上、十分物価庁或いは経済安定本部、府県庁方面とも計数的なお打合せができませんので、今後引続きまして調べまして正確を期したいと思います。従つて一応の概数であります関係上、外部にこのままの数字で漏れますると又誤解を受ける点もあろうかと存じまして秘密会をお願いした次第でございますから御了承頂きたいと思います。一応昭和二十四年の十二月に電気料金の改訂がございまして、おおむね第四・四半期分はその改訂料金によつて収入がございまして、従いまして第四・四半期が異常豊水でありましたことと、電気料金の改訂がありましたことと両方が重なりまして収益の増加を見たわけでございますので、第四・四半期を抽出しまして初めの予想との差額計算して見たわけでございます。  この表に従いまして申上げますると、最初利益の部といたしまして、電燈電力収入は予想といたしまして百三十七億九千万円、実績が二百四億二千一百万円、差引六十六億二千九百万円の利益を生じております。それで予想の算定でございまするが、これは当時、物価庁並びに経済安定本部の需給計画をきめました際に見込ましたものを基礎にいたしたわけでございまして、説明欄にございますように、収入は水力は過去六カ年局の平均による、これは八カ年をとりまして最高、最低を控除いたしました六カ年の平均によつて供給力を見たわけでございます。一方火力の供給力につきましては九十万トン分を標準料金として織込んで見ると、こういう意味合いで九十万トンで見たわけでございますが、発電端におきまして水力は六十一億四千三百万キロワツトアワー、火力は九億四千九百万キロワツトアワーこれによりまして需用端の想定供給力といたしまして四十九億四千五百万キロワツトアワーを見込んでおるのであります。これによりまして基本料金それから消費電力料金を算定いたしまして、物価庁の見込みました収入が百三十七億であつたわけであります。それに対しまして実積の収入は、実績算定の説明欄にございますように、水力は八十二億七千七百万、火力が八億八千六百万、これの需用端の実績の供給量が六十億四千三百万でございまして、料金収入は二百四億こういうことになつておるわけであります。従つて六十六億の収入増がある。その他の供給差益等におきまして予想と五億六千万の開きがある。合計いたしまして七十一億九千万円こういうことになつております。なお実績の問題として第三・四半期よりの繰越利益二十億と計算いたしましたのは一応計算上の数字でございまして、第三・四半期プロパーといたしましては二十億程度のものがあつたかと思いますが、あとに見合います支出科目計上方法と関係いたしまして計算上一応二十億と見たものでございます。一方損失の項目につきましては予想経費のほうは、物価庁の電気料金改訂に際しまして見込みました一年分の経費予想を四で割りました一・四半期分を想定をして支出したものでございまするが、なお給与、手当につきましては電産の旧賃金ベース七千一百円べースに対しまして基準外を一千二百七十八円、それから当時中労委におきまして電産の賃金改訂の争議の斡旋中でございましたので、その分を幾分見込みまして千円を追加して九千三百七十八円で見込んだ数字でございます。それから石炭費は物価庁で見ましたトン当り三千七百円の単価に九十万トン見込みまして、その他運炭灰捨費、自家用動員費とそれぞれ計算いたしました数字を見込んでこのように立てられております。  これに対しまして支出実績の方はそれぞれの科目に亘りまして相当の支出の増がございまして、又石炭につきましては逆に支出の減がございます。支出の減の石炭費の点につきましては、先ほどの供給力のところで申上げましたように、火力九億四千九百万見込んで九十万トンの石炭消費すると見込みましたものが、実際は七十四万二千トンで済んだ、こういうことでございますので、その歳出といたしまして約六億の経費減が出ております。損失の項目の五番目でございますが、五億九千二百万という、従つてまあ豊水の利益と今の石炭の減を足しますると、約七十億に六億を加えまして七十六億程度のものが豊水の利益であつたために考えられるのであります。これに対しまして支出の出ました項目の大きいものを申上げますると、一番下から人件費関係といたしましては過年度の退職金及び人件費償却として約合計二十億の支出がございます。これは二十四年度の上期までにおきまする会社の経営の非常に苦しかつた時代にやむを得ず退職金及び人件費支出を一部資産計上いたした分を、二十四年度第三・四半期に二億六千万円、第四・四半期に十七億八千万円と一挙に償却したのでございます。それを便宜第四・四半期に一括計上いたしまして、ここに二十億という金額を実績欄に計上いたしました。それから臨時給與が二十四億二千万、これが大きい科目でございまするが、これも説明欄にございまするように項目は四項目に分れておりまするが、二十四年度の四月から九月分のベースの引上、この分が八億八千三百二十万とございます。これは当期分ではございません。既往の分でありますが、電圧争議の解決に伴い支払が後になつたものでありまして、一部を第三・四半期で残部を第四・四半期利益支出したのであります。それから越年資金として出ましたのが五億一千万円、二十五年度一月、三月のベース引上げの五億八千万円、これは電産貸金協定が二十五年度三月に中労委できまりまして、その分として提訴いたしました分としての差額でございます。若干の金額につきましては上の給料手当の項目と重複と申しますか、計算の調べの困難なものもございますので、初めの見込みました数字と重複が若干ございますので、その点は正確な仕分けにはなつておらないかと思います。大体こういうことでございます。  第四番目の賞與金として四億三千八百九十五万、これも電産の賃金争議の結果の協定によりまして、二十四年度の下半期に業務を種々改善したことと見合いまして、組合員一人当りに平均三千円を賞與として支給いたしたものでございまして、この分がこれでございます。  その次に大きい項目といたしましては、炭鉱動員費、火力動員費という項目に載つております、二億四千万円、それから政府の補給金の償還、これが二億九千万円であります。これは戦争中日発が政府から補給金をもらつておりました当時、この補給金は利益を生んだ配当する場合には償還するという法律になつておりまして、このときから利益を配当することができることになりましたので、この部分の必要の補給金を一括して政府に償還したわけでございます。  それから税金関係、これが税金の項にございますが、予想よりも十億八千万円ほど余計の税を支払つたわけでございます。税金は利益が殖えました結果に応じまして、税金の支出も殖えたということでございます。それからあと項目によつてそれぞれ若干経費が予想よりも殖えておりますが、なお補足といたしましては、この一番下から四番目の項、石炭準備金引当四億円だけを他に、税を支払つたあとの湯水準備金として引当をいたしたわけであります。それから退職金及び厚生費関係人件費に準ずるものでございます。  なお申し遅れましたが、これらの数字日発と配電を通じまして電気事業全般の数字でございまして、細かく日発、配電の内訳をつけることは、物価庁の原価計算が一本でありました関係上、これを会社別に調べるということは困難でございますので一括した形式でお出したわけでございます。結局におきまして二十四年度下期の決算はかような支出実績によつて決算をいたしたわけでございまして、この決算いたしましたものに対して今回更に十数億の未払金の中から出たという結果になると思います。  一応委員会の方で計算を拾いまして想定いたしました総取得の配分につい、て御説明申上げた次第でございます。
  37. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の御説明に対して御質問がありましたらどうぞ。
  38. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 特別費一億四千五百万円というのは。
  39. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 特別費と申しますのは水利使用料、その他の鉱物使用料、事業税、税金関係でございます。
  40. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 特別の税金という科目を設けておりますが、要するに法人税とかそういうものでない電気事業にもつぱらの、こういう意味合いでございますね。
  41. 山川良一

    ○山川良一君 ちよつと経費の立てかたの関係ですが、先ほど来の御説明のときに、この横に書いてある第二の建設工事勘定修繕費計上すべきかどうかということで、大体修繕費計上すべきものであると思うというお話しでございましたね。でございますが、この水害の内容がわからないので私の申上げるのは当を得ておるかどうかわかりませんが、こういう発電関係の故障を修繕するやつを常用費とするというと、疎水用とか発電設備なんかの償却はやらないわけでございますか。能力の向上ではないから経常費に入れるというわけでしよう。そうすると水路や発電のようなものは償却をやらないのですか。
  42. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 償却はいたしますが、修繕や復旧をします場合に、落ちました能力以上の分になります分は建設費計上いたしまするが、今までの能力以上に改修して能力が殖えた部分は建設費として追加していいと思いますが、一応壊れた部分だけを直す程度はやはり修繕費でやるということです。
  43. 山川良一

    ○山川良一君 この償却の考えかたですが、償却は大体その施設が駄目になつてしまつたときに元の物を復旧、又再生するに必要な金を積立てるのが償却でございましよう。そうすると能力を落ちないように修繕してずつといくのを、経費を落していけば償却は入らないということになるわけでございませんか、そういうやりかたでいけば水路なんかの建設費償却で落しながら更に又それを復旧するのを経常費を落していくと、償却金だけは含めて残つてしまう。含むというよりもどこかへ行つてしまう、どつちかにせんといかんのじやないですか。私はよく経理屋じやないからわかりませんが、その辺はどうなりますかね。
  44. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) ちよつとお尋ねの点が了解できませんですが、普通の場合電気事業としての償却は勿論計上いたしております。修繕の幅でいきます部分については修繕費として支出いたしておるわけでございますが、この災害の場合におきましては修繕の幅で処理すべきものと認めてそれを修繕費計上したわけであつて償却が全然含みになるような意味合修繕費計上しておるというこういう筋のものではなかつたと思います。
  45. 山川良一

    ○山川良一君 今の問題は私は専門家でないのでわかりませんが、私はこの発電所の水路なんかのこの間申上げました再評価等の場合に、他のとちよつと違つた考えでやらなければいかんのじやないかと申上げたのは、結局水路みたいな非常に永久性を持つたものの再評価が成るべく償却も少くするという意味で、余り再評価せずに電気代の負担のいかないようにして頂きたいというような、希望を持つておるのでございますので、そういうのに関連しましたのでちよつと申上げました。
  46. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) 今の償却の点でございますが、私ども通常、会計学者じやないのでよく知りませんけれども修繕費償却とは全く別個の考えで、修繕費はその能力を大体前のような苦力に置いておくだけで、償却のほうは一定の期限がたつと駄目になつてしまう、全部ですね。例えば水路のごときも一定の年限がたてば全部やり替えなければならなくなる。そういうのを称してドイツのほうではたしかフエアアルトウングス・コステンというような名前を使つております。私は法律のほうからしか知つておりませんからよく存じませんが、そういう意味でやはり償却償却でやらんと、修繕をやつておるから償却はしないというわけにはいきません。つまり年代が古くなつて駄目になるというその年限でいろいろ物によつて逢いますが、その間にはつまりゼロになるような勘定償却をしていく、修繕費を出すから償却をしないでよいということは、私どもの知つておるところではないように思つております。
  47. 山川良一

    ○山川良一君 今のお話は、大体原則はそうだと思いますが、事実上水路のようなものは修繕して行けば、これはいつまでも、地震みたようなことで特別なことでもなければ、いつまでも実際的に持続するもので、私ども炭鉱屋でこういうことを申上げて変ですけれども、炭鉱の坑道のようなものは、坑道そのものはしつかりしておつても、採掘するところがなくなればゼロになりますから、そういうのは採掘がなくなるときには、坑道そのものは維持されておつてもゼロになるような償却をしなければならない。そこらに少し発電関係のやつは私は内容が違つて来はせんかということを日頃考えておつたわけです。一つこれは御研究をお願いいたしたいと思います。
  48. 岡田信次

    ○岡田信次君 ちよつと発電量のことでお伺いしついのですが、予想の方ですと水力が六十一億キロワツトアワー、それから実績の方が八十二億キロワツトアワー、大体三四、五%違うのです。大体発電関係事業は電気を起すことが根本なのに、その見積りが三四、五%も違うというのは、事業の根本に影響すると思うのですがどういう見積りなんですか。大体発電所の能力を基礎としておられるのか、それとも需用の方からこういう予想を作られたわけですか。
  49. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 先ほどの御説明で申上げたのでございますが、一応予想の方は過去の豊水、渇水等がございますが、これを或る一定の年数をとりまして、平均いたしましたものを以て平水と見ての一応予想でございますので、上下ならしました平水というもので計算をとるというつもりでやつたわけでございます。従いましてその数字が六十一億である。ところが例年にない非常な豊水であつたために、その差額が三割以上の豊水を見た。一応見込は小さかつたともいえますけれども、まあ事前に想定する場合は平水で見るのもやむを得なかつたというふうに当時思つてつたわけでございます。最近におきましては或る程度豊水が続いておりますので、昨年の十月以降は電気の割当につきましても相当豊水を見込んだ割当をいたしておりますが、当時三十四年度の下期といたしましては、平水を基礎にして見通した、こういうことでございます。
  50. 岡田信次

    ○岡田信次君 私長く鉄道におつたのですが 鉄道のような大事業でも旅客輸送なり貨物輸送について、予想と実績が三%、五%違つたことがないのですが、こういう大きな事業で三十数%違うというのは甚だ変だと思うのですが、これが事業の経営に大きな影響を来しておりませんか。
  51. 西田隆男

    委員長西田隆男君) これは中川経理長に答弁を求めることは少し無理と思いますが、日発関係電気事業の専門家でないと御答弁ができにくいと思いますが、保留してこの次に一つして頂くことにいたします。
  52. 岡田信次

    ○岡田信次君 それではもう一つ。役員給與が六百六十万ですか、それが三千七百万と六倍になる、これはどういうわけですか。
  53. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) これは初めの予想が一年分の役員賞與を単純に四で割つた予想を計算したんじやなかつたかと思います。一方実績の方はきまつてございましたので、全額を出したという結果の差が大きいのだろうと思います。さような意味で、予想と実績との比較は必ずしも当を得てない部分がありはせんかと思います。その点は適当の機会に御答弁したいと思います。
  54. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今のお話の中で火力発電予想と、それから実績の間に炭の違いがどれくらいあるかを伺いたい。予定九十万トンの消費に対しまして実績のほうはどれくらいですか。
  55. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 石炭消費量が、予定が九十万トン、実績は一番下の欄にございます七十四万二千トンです。
  56. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今説明を伺いましたほかに、石炭の節約でというか、消費減で以て余剰利益が出たのはこれは当然でありますが、そのほかに火力の対象として割当いたしましたものが実際は水力で以て供給できたということになるのでありまして、その電力量の水力、火力の違いから来る利益というものが相当なければならんと思わけでありますが、その御説明がここにないようでございますが、どうなつておりますか。
  57. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 正確にその点を調査してみたいとは存じましたが、一応ここでは物価庁の料金を見込みました場合に標準電力量までで電気料金をきめまして、それから上は一応石炭の実費面に見合つた石炭料金をとるんだと、こういう筋合で一割三分二厘の引上げは標準電力量の幅で結論に至つたようであります。従いましてその可能の分といたしまして一応九十万トンに相当する分には安い料金で收入が入るという計算をした収入想定を組んだわけであります。従いまして実績ではその割当量を越えました分、逆に申せば四十九億と六十億との差額が全部火力料金で入つて来た、こういう結果になつておるだろうと思います。なお且つ仕分けは検討して答弁いたします。
  58. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこはこういうことになると思うのです。例えば九十万トンと七十四万トンですから、約十五万トンですね、それだけは明らかに石炭費として不用であつたわけです。これは日発のほうの生産費のほうでそれだけ減つておるわけです。電力生産費のほうで減つておるわけです。それから需用家いわゆる電気の消費者から考えると、起きた電気には変りはないわけでありますから、結局十五万トン分だけを、需用家の方では水力、火力の別がありませんから割当の通り料金を出して行く、ところが発送電のほうから或いは配電のほうから申しますと、十五万トン分だけは炭をたいて需用家へ供給するという想定の下にやつておるわけです。ところが実質には水で起きた電気で需用家へやつておるわけです。ですから十五万トンの石炭の生産費が少くて済んだというほかに、十五万トンに見合うだけの電力料金の影響がある、電力料金の何と申しますか、収入増、火力と水力の性質の変つた電気による収入増がなければならんと思うわけです。それは厳格に申しますならば、水力が一キロワツトアワー当り二円八十銭の単価のものが、六円五十銭とか或いは期によつて違いますが、七円とか、そういうような相当大きな値幅で以て需用家の方から徴収されておるわけですから、これは当然只今申しましたような豊水の余剰収入の計算をするときには入れなければならないのである。勿論この十五万トン分のものが、標準割当電力量が引上げられて加配が行われておれば問題はありません。併し殆んど加配ということはなされなかつたはずでありますから、ここのところは正確に私は出しておく必要があると思うのであります。
  59. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 石炭消費量が落ちた分だけは石炭費が浮いたということはお話の通りでございまして、約六億円の石炭費が浮いておると思います。その内容には或いは発電所石炭消費能率の逓減というような企業努力もあつたかと思いますが、大部分は豊水の利益だと思いますが、一方電気料金のほうで本来火力で置くべきものが水力に置き代つたという点は、割当量までは確かにもう料金はきまつておりますので、それに引当てる経費のほうで浮いたということで、一応その分だけが利益として出るのではあるまいかと思いますが、割当量を超えた分につきましては、もともと火力でやります分が全部水力に置き代つたわけでございますので、全部が水力料金と火力料金との差額と申しますか殆んど全部が別途の豊水によつたという結果であろうと思いますが、なお初めの追加割当との関係は、たしか二月でございましたか石炭で一億だけの追加割当がございましたので、その分だけは水力料金になつていると思います。いずれにしましても実績のほうは会社で受入れました期間内の収入を全部計上いたしたものでありまして、割当量から推算したものではない計算がここに挙つております。別途割当量の関係から推定した料金仕分けもお話によつてつてはみたいと思つております。ここでは一応実績を全部挙げた、こういうことになつております。
  60. 栗山良夫

    栗山良夫君 この収入のほうは第一・四半期の非常に限られた期の収入でございます。併し予想のほうでも又非常に不安定な、年計画でやつているから不安定なものと思いますので、結局理冠に合う余剰収益の面をずつと計算しまして、そうして逆チエツクしないとうまく行かないと思う。従いまして今ここで申上げますのは、九十万トンの消費分に対して火力の発生電力予定量は九億四千九百万、実績のほうはどうかと申しますと火力が八億八千六百万。ところがこれは標準べースの中に入るものなんですけれども、然るに水力のほうはどれだけかと申しますと、六十一億のものが八十二億も出ている。二十億も余分に出ているのですからこれの利益、これは石炭と無関係にとにかく需用家からそれだけ徴収したのですから、この利益がこの表で説明されないということはちよつと欠けているのではないかと僕は思うのです。従いまして、先ほどあなたから資料が不十分だからちよつと秘密会にしたいというお話がありましたので、私この表を拝見してそれに気付きましたので、そこで私も了解をしたわけであります。従つてこの点をもう少しよく洗つて頂くということ。そうしてそのほか細かい点にはいろいろ聞きたいことがありますけれども、第一・四半期の限られた期間でありますが、これは一番モデル期間であります。いわゆる今後の電力の運営における収入の想定をする一つのモデル、非常に代表的なモデルであつたと思うのですからこれをうまく研究し、そうして納得するように是非ともして置かなければならんと思いますので、お手数ですけれども今申上げた点を一つ御研究願いたい、これは発電のアワーのほうからはつきり数字が出ているわけです。ですからちつともごまかしがあるとか或いは作為をするとかいうことなしに計算が一応できるのではないかと私は考えるのです、どうぞその点を。
  61. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 今お話ございました点は十分計算してみたいと思います。これは私どもとしても気付きました点は、アワーから申しますと非常に、四半期で供給しました総供給量でございますので、収入のほうはどうしてもやつぱり端月の計算もございますので、増収の一部が翌朝に繰越された点もあろうかと思います。そういう点を供給量のほうから仕分けしまして計算したいと思います。
  62. 栗山良夫

    栗山良夫君 今日は大体私ども希望しているところの資料を作つて頂いたわけでありますが、更に研究を願わなければならん点があるようであります。私どもももう少し数字的な頭をまとめてみいと思いまするので、次の資料ができまするまでこの程度委員会を閉じて頂きたいと思います。どうでしようか、そうして適当……、この前から力説しておりますのは、この表が仮に万全なものであると考えました場合にも、収入はとにかく七十一億ぐらいであると、これは挙げて本当ならば渇水準備金に引当てられるべきものだ。これがこういう工合にいろいろ使われたわけでありまして、それは電気経理が非常に難航して来たという事情からして止むを得なかつたと思いますが、そういう点をはつきりしておかなければならないと思うのです。ですから小坂総裁の言われた十七億の準備資産などは私どもはもとより問題にしないので、こういうところをはつきりしておかなければ今後非常にやりにくくなります。国民諸君も納得していないと思いますから、そういう心組で資料を一つまとめて頂きたいと思います。
  63. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の栗山君のお話尤もと思いますが、さよう取計らつてよろしうございましようか。    〔「異講なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 西田隆男

    委員長西田隆男君) じやさよう取計らいます。で私最後に委員長に今の問題に関連して私の意見を述べておきたいと思うのですが、栗山君が今述べられました御意見は尤もと思うのです。従つて、こういう短期間の利益金を、今後九つの会社に分割した場合渇水準備積立金ということに全部のものをしてしまうことがいいのか、或いはこういう一時的な短期の利益に対しては、電燈料金の切下げにこれの一部分を充当するということがいいのか。そういう点については十二分の考慮を公益専業委員会のほうではお払いになる必要があると私はかよう考えておりますので、その点に対する御考慮を一つお願いしたい。
  65. 石坂豊一

    ○石坂豊一君  今日のこの委員会ですが、只今まで承わつている点におきましては、別にこの国民の前に秘密にしなければならんというような御説明でもなかつたように考えられる。何も日発の跡始末について疑惑を起すようなことがこの表に現われていないし、又今後解体せられた結果について却つて楽観こそすれ悲観するようなことはなかつたと思われる。このようなことを強いて非常に熱心に傍聴に来ている者に秘密にしなければならんという結果について申上げる。質疑応答の中に或いは秘密にしなければならんことも起つたかも知れませんが、只今までのところでは我々はさように解釈することはできないのであります。将来かような場合にも成るべく公開の席として一つやつて頂きたい。今までもどういう必要でやつたのか、特にその重点をお聞かせ願えれば私ども又どういうわけで秘密にしてやつたのかということを弁解できますから。
  66. 松本烝治

    政府委員(松本烝治君) この秘密会を願つた理由は、この計算というものは極めて短い期間の間にされたので全く自信がないのです。材料のごときもなかなか手に入らんので、殊に今再編成をやつておるので、もう殆んど不眠でみんな孜々として働いておるのであります。意外な間違いでもあつてそういう間違いが世の中に伝わりますと、そういう数字なりが新聞に出ることは非常に面白くない。これは大いに訂正を或いは要するのじやないか、今栗山君の言われた点もこれは愼重に考えてやり直さなければならんと考えております。そういう未定稿を出して、これは新聞が未定稿を出せばもうその通りというような工合に書きますので、あとの我々の処置に非常に困るのであります。その意味で秘密会を願つたわけであります。どうかさように御了承願います。
  67. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 公益委員のほうでそういう必要を感じられるのではこれは止むを得ませんから……。
  68. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 皆さんにお諮りいたしますが、今松本委員長からお話もありましたように、本日のこの問題に関する速記録の問題ですが、公益事業委員会のほうでは、只今もお話になりましたように非常に不確実な資料だから外部に発表してもらわぬほうが委員会としてもやりいいということでありますが、どういうふうに速記録を取扱いましようか。御意見がありましたら、栗山君、どうしたものですか。
  69. 栗山良夫

    栗山良夫君 これはまあ委員長に御一任を申上げることに。
  70. 西田隆男

    委員長西田隆男君) そうすると私と松本委員長と御相談しまして……委員長に一任でありますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ではさようにいたします。
  72. 古池信三

    ○古池信三君 ちよつと私、公益事業委員会に希望を申述べたいと思うのであります。先ほどの岡田委員の御質問に関連した問題でありますが、結局再編成の計画をお進めになる上において御参考になると思いますし、私どもとしても是非御考慮を願いたいと思う一点なんであります。それは二十四年度の第四・四半期の水力発電の予想が六十一億キロワツトアワーに対しまして、実績は八十二億キロワツトアワー出たじやないか。普通の事業としてはかように予想と実績の違うということはあまりあり得ないという御発言でありまするが、この電気事業は非常に申すまでもなく自然現象に頼つておる事業でありまして、この予想も恐らく過去七年或いは十年の自然流量というものを基礎にいたしまして、それにその年の気象状況を何%か見て立てられたものと思うのでありますが、それが二十四年度の最渇水期に当りましては非常に例外的な豊水であつたということがこれによつてわかるだろうと思うのであります。従つてかような結果になつたと考えるのでありまして、恐らく二十四年度のこの第四・四半期の豊水は、私も詳しい統計は見ておりませんが、日本の実績といたしましては数十年間において極めて稀な事例だろうと思うのであります。従つてこれを将来一つの基準というようなことにはできないと思うのであります。ところが私昨年の九月に電力委員といたしまして本院から派遣をされて、江田委員と二人中国四国を廻つたのでありますが、四国に行きましたときに地元の関係者のかたがたと懇談会を催した節に、たまたま前年度のこの異常豊水ということをもうこれからも続くように考えられたかたが多くあつたのです。自然将来石炭はそんなに焚かんでもやつて行けると、石炭を焚かなければいかないというような宣伝は、これは日発の一つの宣伝であつて、実際は余りそう焚かないでもいいのであるというような、非常に楽観的な意見が多かつたように思うのであります。そこで今度の九分割につきまして非常な論議がありました中で特に重要なものといたしまして、私は九分割した場合に電力の融通がうまくできるかどうかという問題と、各地域の料金の地域差が甚だしくなるのではないかというようなことが大きな問題だつたと思うのでありますが、この次の冬において非常に石炭を焚かなければならないかどうかということが四国であるとか九州、中国あたりの料金に非常な影響を与えるのであります。従つて土地のかたがたが余り石炭を焚かんでもいいというようなふうに考えておられますと、実際計画を実行に移した場合に相当の石炭を焚くということになりますと、その地域の料金が割高になるわけであります。勿論その間に水火力の料金の調整が行われると思いますけれども、場合によればそういうことではとても賄い切れないような料金を実現しなければならないようなことも起りはせんかということも危惧するのであります。そんな関係で今後再編成の計画が出ました場合には、そういうことも十分一つ念頭に瞬いて成るべく料金の地域差の急激に大きな差ができないように、全体としまして慎重に御検討をお願いいたしたいというのが私の希望であります。
  73. 西田隆男

    委員長西田隆男君) もう秘密会は公開でいいと思いますので、それでは公開にいたします。    午後零時十一分秘密会を終る
  74. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次回の委員会をいつ頃したらよいでしようか。問題は、この問題もありましようし、それから電源開発の五カ年計画についても、公益事業委委員会のほうでは秘密会なら説明をするという御見解を持つておられるようでありますから、来週のいつ頃に、ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  75. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて下さい。それでは一つ日取りを委せて頂きます。本日はこの程度委員会は散会いたします。    午後零時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            尾山 三郎君            高橋進太郎君            栗山 良夫君            結城 安次君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            小野 義夫君            岡田 信次君            古池 信三君            重宗 雄三君            山田 節男君            吉田 法晴君            野田 俊作君            山川 良一君            小川 久義君            境野 清雄君            東   隆君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   政府委員    公益事業委員会    委員長     松本 烝治君    事 務 総 長 松田 太郎君    経  理  長 中川 哲郎君    資源庁長官   始関 伊平君