○
参考人(山本善次君) 北陸の特殊性につきまして先ず申上げたいと存じます。北陸
地帯におきましては非常に大きな工場がたくさんございます。割合とたくさんございます。三千キロ以上のキロワツトを有する工場が七割も占めております。大口
電力と申します工場に至りますと八割以上を占めている次第でございます。電気を原料といたしまして造られる工場が非常に多いのでございます。北陸の
電気料金がかねて最も安い地域差を持
つていたというのでございますので、この
料金改訂に
当りましてその地域差をどうしても維持したいということを全部の者が決心を持
つており、覚悟を持
つております。それができねば北陸
電力の存在の
理由がないという悲壮な覚悟をきめております。北陸
電力といたしましては再編成で電源の配置が行われまして必ずしも北陸にと
つては有利なものではございません。それにかかわらず私
どもとしましてはどうしても安い
料金を維持したい、かように考えておる次第でございます。北陸は川も急峻でございまして、
水力発電所は北陸
電力に所属になりました数が九十四もございますが、その
平均出力に至
つては僅かに三千六百キロワツト、中には五十キロ、百キロの
水力発電所すらあるのでございまして、これらはキロワツトに似せない
修繕費を食
つておる。併しながらこれをどこまでも維持して行きまして、五十キロ、百キロの
発電所はこれを自動化いたしまして、何とでもして
出力を保持して行きたい。更に
日発時代におきまして
水力のなかつた九州、北海道、中国
方面に見返
資金による開発を着手されましたが、北陸は成手一カ所でございまして、これが関西に所属されております。将来の電源の、これの分配は別といたしまして、非常に建設がなされておらない。これも我々としてはどうしても着手したい、かように考えております。
会社の基礎を固くいたしまして、自分の力で
資金を獲得させて頂きまして、この電源開発をやる以外に北陸としては手がないと、かような考えを持
つております。従いまして、今度の
料金改訂を考えます上につきまして、非常な矛盾と非常な苦悩を重ねまして、何とでもして安く供給をしたい、かように念願をしている次第でございますが、いろいろの事情でどうしても今回
料金の
改訂をお願いしなければならない、而も再編成の行われた直後にやらなければならないということは、非常に申訳ないことだと存じますが、どうぞ慎重に御審議下さいまして、何とぞ我々の意のあるところをお酌み取り願いたいと存じます。北陸の工場は特殊の
電力、つまり電気の切れつぱしで以てそれを上手にお使いになりまして工場製品を造る。
従つて、主として深夜に余つた電気をよその
地区から掻き集めまして
日発は北陸に送電をしておつた。今度はお隣の関西
電力から特殊
電力をも分けて頂くというような始末に相成つた。そうしてそれをそのような特殊
電力を上手に使
つて頂くような
会社に差上げまして、それで安い製品を造
つて頂く。かようなことでございますが、後ほど御
説明申上げます本
年度の特殊
電力の供給
予想は、豊水でない限りかなり悲観したものでございまして、この点も我々として非常に苦慮しておる次第でございます。それでは差上げました
電気料金改訂説明資料につきまして簡単に一
通り申上げたいと存じますが、後ほど
料金構成、
料金の製品に及ぼす影響、その他につきましては営業部長から申上げたいと存じます。第一頁でございます。ここには本
年度の
発電量が幾らであるかということを
想定いたしまして、
水力発電のところに一行目に二十億
キロワツト・アワー、かように
予想されております。平年水でございます。併しこれでは非常に不足でございますので、何としても
水力発電所の利用率を向上したい、或いは
出力を
増加したい、又ときどき停電するようなことのないように、
水力発電所に手入をいたしまして、それらの面で三千七百万キロワツト時を生み出したい、かように考えております。
火力発電も昨年は二百万
キロワツト・アワーを発電いたしましたが、本
年度の計画では一千六百五十万と非常に大きな発電を富山においてすることに
なつた次第でございまして、これは
水力地帯としてこの発電をするというような事態は非常な事態だと考えるのでございます。
電力の
損失を軽減しなければならないという要請は、電気
事業内部ばかりではなくて、外からも強く叫ばれておりますので、
電力損失を減らしたい。北陸は電源から需用まで非常に近いのでありまして、
電力損失は割合によろしいということでございますが、昨年の
実績は一七%〇五でございましたが、これは非常に豊水でございまして、近くの大きな工場に手取早く供給ができたということでございまして、これをその前からの
実績を勘案しますと、約一七、五%に
相当するロスがあつたのだと、かように考えられます。これを本
年度は一六、〇二ということにしたい。それで
電力のロスを軽減をいたしまして、三千四百万
キロワツト・アワーのロス軽減をしたい。これは需用が殖えるという面容後ほど
計算に入れて参ります。それから擅用
防止でございますが、盗用というわけでございます。非常にたくさんの擅用がございますが、そのう、ち一千万
キロワツト・アワーだけをいろいろ
努力して金になる電気にしたいと、かように考えております。次に一頁の需用
電力の
想定でございますが、従来の
増加率をいろいろな面から
計算をいたしまして
想定をいたしました。後ほど申上げます。
それから第二頁の特殊分でございますが、毎月の供給の
予想電力、
水力の
出力、それらを見まして、又関西
電力との営業
契約も見まして、本
年度の特殊
電力の供給
予想を立てたのでございます。第三頁を御覧願いたいと存じます。第三頁目は、二十六
年度の需給計画並びに過去の
実績を比較してございます。その標準
料金分を御覧願いたいのでございますが、二十六
年度需給計画の欄の標準
料金分の
合計、その
合計の横の欄を御覧下さいますと、一六七八・九六九、これが十六億キロワツト時でございます。本
年度の標準
料金分が十六億、この十六億の数と、それから上のほうに大口甲、大口乙、大口丙とございますが、との三つだけの動力の大きなものを寄せ集めますと十三億八千八百万となりまして、実に八二%に及んでおります。お隣りの二十五
年度の数は十二億と
なつておりまして、これが八一・五%と
なつておりまして、大口の工場が北陸にどんなにたくさん占めておるかということを示しております。それから次に
火力料金適用分、
計算不能、その次に小計がございまして、特殊
電力重のところを御覧願いたいと思います。過去の二十三
年度は特殊で実に三億九千万、二十四
年度は四億六千万、二十五
年度は非常な豊水でございましたので五億三千二百万キロワツト時、これを供給しておりますが、本年の計画では僅かに一億七千五百万キロワツト時しか供給できない
予想に相成
つておりますが、非常にこの点について憂慮しておる次第でございまして、北陸にある特殊
電力に依存しておられる工場の皆さんがたが、非常にこの本
年度の特殊
電力の少いのに御心配に
なつておる次第でございます。山元に換算いたしまして二十三億を今年は供給したいと、かように考えております。その下にその電気の出る場所が書いてございますが、
水力で二十億、それに対して四千万の
合理化をやる、
企業努力をいたしまして先ほど申しました
出力の増強を図りまして二十億四千万やる、
火力も焚き出しまして一千六百万、黒部の
受電が二億四千万、関西から頂戴しますものが一億八千万で、関西にお送りするものが九千八百万でございます。これで差引二十三億八千四百万の需給計画を立てたのでございます。北陸は
水力地帯ではございますが、関西から一億八千万の電気を頂戴しなければならん。関西へお送りするのは九千八百万であります。これは時間が違いまして、北陸では成るべく余つた時間に使う。そうして関西が
火力発電所でどんどん焚いておられる昼間にお送りしたい、かように考えておる次第でございます。この需給表を御覧下さいますと、北陸の特殊性がおわかりになろうかと存じます。
次の頁について簡単に御
説明申上げます。これらの表は実は専門員のおかたから資料を出すように御命じになりました資料の順序に書いてございます。さよう御承知願いたいと存じますが、新旧
料金比較表でございます。二十六
年度分、四頁にございますが、これの
値上率、一番下の数、右端の下の数を御覧下さいますと一・七一三、一倍七分一厘、かように
なつております。前回お出ししましたのと、更にいろいろと社内で修正を加えまして、そうして多少ここに
値上率を小さくいたしたのでございます。動力と電燈にわけて申上げますと、
値上率の真ん中辺に電燈
合計の欄で一・五〇七倍に
なつております。それから動力のほうでございますが、下から二行目の
電力合計の欄で一・八四六倍、かように
なつております。
平均単価を御覧願いたいのでございますが、先ほどの電燈
合計の欄、真ん中より少し上のほうでございますが、キロワツト時
当りの
単価が八円十一銭でございまして、現行ではそれが真ん中辺の現行
料金キロワツト時
当り料金のところで、五円三十八銭と
なつております。それから動力のほうは下から二行目のところのキロワツト時
当り料金が、
値上げのたあとが一円九十二銭で、見行
料金の動力総
平均が一円四銭でございます。電燈、
電力突つ込みまして総
平均が二円五十七銭と相成うますが、
値上げ前は一円五十銭であつたわけでございます。なお
料金の
構成につきましては、後ほど営業部長から御
説明申上げたいと存じます。それでその電燈、
電力の総収入二十六
年度分の、第四頁の一番下の改正
料金の収入欄でございますが、四十九穂七千三百万円、かように
なつております。現行
料金のところで二十八億九千九百万円、かように
なつております。第六頁目を御覧願いたいと存じます。その他の収入、電気
事業の
電力料金以外の収入がここに掲げられておりまして、附帯
料金、供給雑益、投資収益、雑収益、これらの二十六
年度の
予想を二億と立てております。それから第八
項目を御覧願いたいと思います。これは北陸といたしましてどうしても生のままでは非常に
料金が高くつく。なお又電気も足りないということで、先ほど申上げました
水力の利用率を向上する、ロスを軽減する、擅用
防止をするというところを
合理化をいたしまして、なお人員の
増加を成るべく抑制したい、
基準外賃金の抑制もしたい、かように考えまして、その他油類、
運炭灰捨費の抑制、
諸費の節減、雑費節減その他を
努力をいたしまして、その
金額が三億八千六百万円と相成りまして、これを経費の面から差引いて、そうして
原価計算をいたした次第でございます。どういう点に
合理化の
努力をしたかということを次の九頁から出してございますが、
水力の利用率を向上いたしますのに、九頁の上の欄で、
出力増加が一千一百万キロワツト時、これを関西
電力から頂戴いたします
電力原価にかけまして一千九百万円と彈いております。それから(b)の
出力増加対策でございますが、ここに挙げましたような福岡第一、薄島、福岡第一、ずつと
発電所の名前が出ております。これらの
発電所に総
工事費一億二千二百万をかけまして、これが
年間フルに回収いたしますと、六十一百万キロワツト時でございますが、二十六
年度は着工が遅れる見込でございまして、約二千四百九十五万キロワツト時を回収する、かようなことにいたしまして、これが
発電所の関西
受電の一円七十二銭五厘四毛をかけまして、四千三百万円といたしまして、それからなお(c)の設備強化でございますが、停電をしないように
発電所を手入れをいたしまして、
年間回収百三十万キロワツト
アワー、これらをいたしまして、二十六
年度の回収
電力量は
合計いたしまして、先ほど申上げました三千七百四十九万二千、この経費の節減が六千四百万円、かように考えております。それで利用率は本
年度は、九頁の下にございますが、一・七%向上させるつもりでございます。十頁を御覧願いたいと思います。
電力の
損失が非常にやかましく言われております。北陸
電力は開業早々でございましたが、
合理化の
委員会を設けまして、その部門として
電力損失軽減
委員会をスタートさせまして、いろいろ人員の配置も、まだごたごたしているうちに専門家を選びまして、それらの案を作りまして、北陸といたしましては先ほど申上げましたように、非常にロスが少いのでございますが、なおロスを一・五%引下げたい、かように
努力をしております。
工事計画はここに掲げましたような次第でございます。なお盗用の
防止その他によりまして、これは盗用の
防止は直ちに売上げが
増加するわけでございますから、その
単価六円九十一銭を以てかけまして、一億六千八百万円の節減ができる、かように弾いた次第でございます。十一頁には擅用
防止の手続計画を詳しく書いて置きました。毎年一年一回ぐらいしか需用家を廻
つて歩くことができなかつたのでございますが 一昨年は一・八回お客さんを廻つたそうであります。本年は成るべく需用家を歴訪いたしまして、そうしてこの
契約外の使用を少くしたいかように考えております。それから十二頁に御
説明を移したいと存じます。擅用
防止は先ほど申上げましたように、需用家を歴訪して盗用のできないようにする、或いは十二頁の調整器、機械を取附けまして、メーターを附けて、或いは電流制限器によりまして盗用を防ぐというような手段を講じております。十二頁の経費の抑制でございますが、人員の
増加の抑制の考えをそこに掲げました。本
年度の人員
増加の抑制は百八十八人と見込んでおります。これは少いようでございますが、後ほどこの問題につきまして御
説明申上げたいと存じます。それから
運炭灰捨費、
火力発電所が
出力を
増加いたしますが、
運炭灰捨費を成るべく少くする、十三頁に掲げてあります。
諸費の節減をいたします。或いは
雑損失の抑制をしたい、かように
項目を
合理化いたしたいと存じます。
十四頁に
総括原価の
説明書を掲げてございますが、これにつきまして御
説明を申上げたいと存じます。十五頁は
予想支出額
実績比較表でございまして、二十五
年度の
実績と、二十六
年度の各
項目の比較が掲げてございます。これらの
内訳につきまして十六頁から御
説明をすることに
なつております。十六頁を御覧願いたいと存じます。
役員は
只今十二名おりますが、三名
増加いたしまして、十五各の計画でございます。定款では二十名と
なつておりますが、十五名としたい。一人
当り九十万円を
計上いたしまして、一千三百五十万円といたしました。それから従業員の
給料手当が、今は理事が十三名おりますが、これは二名
増加いたしたいと存じまして、一千二百万円を
計上いたしております。その他一般従業員の人員でございます。Bの欄に掲げてございますが、
昭和二十六
年度五月一日現在の北陸
電力として承継する
予定人員は、旧北陸配電から四千五百四十二人、旧中部配電から二十人、旧自発から千四百九十一人、
合計六千五十三人の見込でございましたが、本人の希望その他がございまして、実際の承継人員は旧北陸配電はそつくり四千五百四十二人、旧日本送電は千三百二十五人に減つたのでございます。中部配電は一人
予想が減りまして十九人、
合計五千八百八十六人と
なつた次第でございまして、この差が百六十九人減りまして、この中から組合の専従者を差引きました残余が、当
会社が負担すべき人員でございます。次の表に掲げましたように過去二
年間新規採用を停止いたしまして、
企業の
合理化をや
つて来た。今後においては人員の減少はあとで申上げますように、電燈
電力の
増加、口数の
増加、その他奉仕をやりたい、サービスを徹底さしたいということで、人員の減少は困難だと存じます。この五千八百六十六人を以てやりたい、かように考えております。旧北陸配電におましては、
昭和二十四年三月末四千八百四十四人、二十六年五月に四千五百二十二人と減
つております。中部は極く一部のかたがたを承継いたしましたが、偉かでございますので算出いたしておりません。旧日本発送電は御承知の
通り北陸が二つに分かれましたので、
日発からこちらへ参りました人数が千三百二十五人でございますが、それが二十四年三月に何人であつたかの
計算は少しできにくいのでございまして、これも
日発におきましては北陸全体で二十六年三月に二千七百六十七人おりましたが、二十四年三月には二千九百七十八人おりまして、百九十三人を
日発北陸支店において減少いたしております。この表で
日発のところは不詳と書いてございますのは、その二つに分離したので分けがたかつたのでございます。とにかく二十六年五月の承継人員は五千八百六十六人でございます。本
年度は
増加したいのは百八十八人で一応抑えよう。
従つて二十六
年度の人員は五千八百六十六人を以て仕事を始める。このうち建設費に振替えるべき五%の人員経費を引きまして、五千五百七十三人を維持経費として算出することにいたしました。十七頁でございますが、そこには需用家の数の
増加が掲げてございます。定額はだんだん減る傾向で、三万、従量電燈は六万六千、それから大口電燈は四百六十七、小口
電力は八百六十八。それでこれに
増加のための
増加要員は先ほど申上げました百八十八人でございますが、この百八十八人のうちにサービス強化要員として百十一人を見込んでございます。いろいろの面で奉仕が足りない、かように我々は考えておりまして、北陸三県におきまして百十一人の人間を殖やして、そうして徹底したサービスをやりたい、かように考えておる次第であります。
平均賃金は一万二百円
ベースでございまして、これに
関係賃金を追加したわけでございますが、北陸地方の、十七頁の下のほうに当地方の主要他
産業の
給与ベースをそこに参考に掲げておきました。それから十八頁でございますが、
基準外労働
賃金を何としても減さなきやならないということで、
基準外労働
賃金を二七%に切りたい。従来の
実績は
日発及び旧
配電会社、この
合計で二七・〇二でございますが、いろいろ人員の
増加を抑制した結果、
基準外の、時間を要するのでございますが、それを成るべく抑制いたしまして二七%と抑えている次第でございます。
給料手当の出
計算は(3)のところから出されておりまして、次の十九頁には
法定厚生費、それから退職金、
一般福利費、これが出ております。退職金は二十五
年度、そこに二十六
年度とミスプリントに
なつておるかも知れませんが、
昭和二十五
年度の
実績は旧北陸配電一億三百万円、旧日本発送電二千二百五十八万八千円、
合計一億二千五百万円でございますが、
計算におきましては七千五百万円といたしました。
一般福利費も七・五%と抑えまして、昨年の
実績を約半分くらいにいたしました。それから
油脂類費の節約、それから燃料油費節約でございます。次に八番目に
石炭費でございますが、本
年度は北陸といたしまして千六百五十万
キロワツト・アワーの
火力を焚く。それには一万六千五千トンの炭が要る。これは
消費率一キログラム、こうやりましたが、本
年度は余りいいカロリーの
石炭が
入手できないだろう、こういう見込みで一キログラムを
想定いたしました。トン
当り五千二百円として
計上いたしました。二十頁でございますが、
運炭灰捨費も節約いたしました。それから
委託集金費、非常に細かいお話で恐縮でございますが、枚数で集金
委託料を払うのと
金額で集金
委託料を払うのがございまして、二十頁のおしまいのほうに、二十五
年度の
実績を補正いたしまして二千五百八十万九千円と相成
つております。これと件数の単位を、件数、枚数を弾きまして二十六
年度の
想定をいたしましたのが二十一頁にございます。それから二十一頁の
需用者指導費は、できるだけ
需用者と密接な
関係、繋ぎを持ちましてやりたい、そうして奉仕を徹底させたい、かように考えますので、この費用を大きくいたしました。やりたいことはこの表の中に掲げておきました。次に二十三頁を御覧願いたいと存じます。
修繕費の問題でございます。発送電、北陸配電、この二つの二十五
年度の
修繕実績は二十三頁の上のほうに
合計五億一千五百万円と
なつておりますが、
物価の
値上りを八億一千百万円と
想定いたしました。併しながらその下のほうに更にございますように、電気事故件数が非常に
増加いたしておりまして、
水力送変電、配電等で、いずれを見ましても事故の件数が非常に殖えまして、又感電事故が非常に多い。これらはどうしても必要な
修繕工事が十分に行われておらない、かように考えまして、かねがね予算が足りなくて溜
つておりました
修繕を、この際何とでもしてやりたい、かように考えまして、二十四頁にございますが、本
年度は特別の
修繕をやりたい、かように考えます。
一般修繕費は二十四頁に水、火、送、変、配、業、八億二千六百万円は先ほど申上げました
通りでございますが、更に特別の
修繕費は七億七千四百万円が溜
つております。これを本
年度におきまして二億一千八百万円やりたい、
合計しまして十億四千四百万円の
修繕をしたい、かように考えまして、本
年度の
修繕費の
計上は十億、かようにいたした次第でございます。二十五頁に電球の取換費でございますが、四千百万円を、
計上いたしました。多少
断芯率が殖える。それから十六の
特別費でございますが、一億六千四百万円といたしまして、少し
物価の
値上りその他で殖やしました。次の十七番の
諸費でございますが、これは
相当の増額を
予想いたしまして、更にそれを圧縮しまして、二十六
年度予算として、二十六頁に三億二千八百万円といたしました。それから十八の他社
購入電力料でございますが、黒部川
電力より受けております電気代を向うの資産再
評価を行い、並びに
物価の
値上りを考えまして、三十四銭八厘の受
電力料金を、七十三銭九厘六毛と、かようにいたしました次第であります。次に二十七頁には
減価償却の欄があります。
減価償却の総額は、年
償却額が、一番右端を御覧下さいますと、九億七百三十八万七千円と
なつております。これはいろいろ御議論がございますが、
定率法で
償却をいたしております。中に陳腐化の資産を見まして、それを差引いてございます。二十八頁に北陸が持
つております陳腐化資産の
内容でございまして、小
発電所が、そこに出ておりますが、如何に小さな
発電所であるかということが御覧願えると思います。あとは
配当金に対する
税金、それから
支払利息が掲げてございます。従来の
借入金の
支払利息は二十九頁にございまして、一億四千八百万円と
なつております。本
年度は活発に建設をやりたい、又
社債発行もやらなければならん。それらの
関係で
社債発行差金その他を出しまして、四十億の
資金が要る、その
調達方法を右の欄に掲げておりますが、この中から
建設工事をやるのは当然でございまして、その
計算は下に掲げてございます。三十頁の上に、建設利息に振替すべき
金額八千三百六十三万七千円を、その利息に対して控除をいたしておるのであります。そして
支払利息計上額は二億二千六百万円といたしております。二十二番は
社債発行差金償却であります。二十三番目は
固定資産徐却費でございます。小さなものでございます。二十四番は
雑損失でございます。これもできるだけ圧縮するようにいたしました。三十一頁には
法定準備金、
配当金、及び先ほど中部さんからもお話がございましたが、仮
払修繕費償却、これは曾
つて仮払で行いました大
修繕を、七
年間に
償却する、この二千二百万円が
計上されております。二十八、
固定資産税、再
評価した場合
税金を払うことに
なつております、ざつと二億三千万円であります。二十九は
地帯間融通
電力料でございますが、三十二頁にございます。特にお示しがございましたが、ここに掲げてございます関西
電力のコストが上の欄にございますように二円八十三銭、かように
なつております。真中辺の関東、中部、北陸、関西、中国、この
関係電力会社の、関西を標準とした百分比が右端にございます。関東九八・一、中部九三、北陸六〇、八、関四一〇、〇、中国一一三・六、かような指数が出るのでございますが、北陸として高い
料金で頂戴しては誠に需用家に申訳がない。なお需用家もこの関西との
地帯間融通
電力料金は、幾らで決定されるかということを非常に強く注目をいたしておられる次第でございまして、北陸といたしましては、一円七十二銭五厘四毛、かように立てた次第でございますが、関西の御
意見と多少相違しておる点は甚だ遺憾でございますが、円満に協議したいと存じます。これは支出が小さくなるほうでございます。若しも関西とのそうした開きで支出が大きくなりますれば、やはり自己経費内の
合理化をやらなければならん、かように思
つております。あとの点は関西のほうのお話合いと何ら相違する点がございません。私のほうからもお送りするように
なつております。三十番目は
水力賦課金でございまして、これは三十二頁の一番下のほうに書いてございますが、三千五百円換算二十四万七千キロワツトの
発電所でございます。これの三分の一を北陸が負担させて頂くことに
なつております。
三十三頁は二十五
年度の
給料手当支給
実績が出ております。それから三十四頁は先ほど申上げました月々の
石炭消費量が出ております。三十五頁は
社債借入金
明細表、三十六頁は御参考に付けておきました。三十七頁は二十六
年度に北陸
電力が建設
地帯に考えております建設計画を出してございます。これによりますと、
水力発電所の建設は寺津、五条方からやりたいと考えております。総
工事費が七十九億でございますが、二十六
年度の負担は六億と
なつております。見返
資金で六億、それから二十六年の自己
資金で二十七億、かように考えております。三十八頁は改正
料金単価表でございます。後ほど時間がありますれば営業部長から御
説明申上げたいと存じます。四十一頁には新旧
料金比較表を掲げてございます。四十二頁には北陸
電力として
電気料金をどういう
工合に改正をする考え方を持
つておるか、この要綱を掲げてございます。その次の四十三貢に二十六
年度の
総括原価が掲げてございまして、四十九億七千三百万円と、かように
なつておる次第でございます。四十四頁以下この
原価をどのように特別高圧
電力、高圧
電力、低圧
電力、従量電燈、
定額電燈、これにどういうふうに割り振るかというその一応の分け方を掲げてございます。四十五頁には収支
計算書を出しまして、収入は電気
事業収入で電燈、
電力で四十九億何がし、その他雑収入を入れまして五十三億と
なつております。支出の部分は五十三億と
なつておりますが、なお支出が超過すること百六十四万二千円と
なつております。
四十六頁以下にお示しいたしました資料は、
電気料金改正が生産
原価及び生計費にどのような影響を及ぼすかを製品別に掲げております。ここでちよつと時間を拝借して申上げたい点は、旧
電気料金によるというのがございます。これは
昭和二十四年十二月十三日
改訂以前の
料金でございます。真中辺の現行
料金による、これは現在行われておる
料金、その次の改正
電気料金による、これは今お願いしておる
料金でございます。それを御覧になりますと、A工場鋳鋼製品、その次B工場鋳鋼製品云々と書いてございます。それを御覧下さいますと、旧
電気料金によるそのB工場の
支払は生産
原価中に占める
電力費の割合が二千二百三十円と
なつておりますが、現行
料金に改めました途端に二千七円と安く
なつた。北陸はこの
料金改訂、二十四年十二月十三日の
料金改訂で、逆に安く
なつた需用家がございましたということでございます。金属工業のC工場のシリコマンガンのところが六千五百五十三円、現行では四千八百八十四円と
なつた。低炭素フエロクローム、これもそうでございます。こういうところは随所に散在しておるのでございまして、次の四十八頁の化学工業におきましてT黄燐、赤燐、燐酸云々、これも安い。大分その辺に二十四年の
料金改訂、現行
料金によ
つてはあべこべに安く
なつたところがございますが、それはそれといたしまして、現在
料金で行われておる生産
単価、それから今度改正いたします
料金によ
つての生産コストが幾らになるか。その比率を右端に出しておきまして、
値上率もここに掲げておきました。
相当のパーセンテージの
値上げになるものもございます。大体に私
どもとしましては、電気
事業の現状をお考え下さいまして、生産コストの中で、或いは販売
単価までの間に、これらのコストは吸収されるように希望しておる次第でございますが、一応私の御
説明を終ります。時間がございますれば、
料金の形その他を申上げたいと思
つております。十分ほど頂戴したいと思います。