運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-05-31 第10回国会 参議院 電気通信委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月三十一日(木曜日)    午後一時五十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電話設備費負担臨時措置法案内閣  送付)   —————————————
  2. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) これより会議を開きます。  昨日に引続きまして電話設備費負担臨時措置法案予備審査をいたします。
  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 関係大臣がおられませんので、重要な点についての質疑はできないのですが、電通政府委員のかたから先ず伺いたいと思いますのは、この委員会で先般来取上げております建設費の問題、この問題たついては物価騰貴等によりまして予算編成当時から比べますと、非常に計画内容変つて来ておると思うのです。それでこの設備費負担臨時措置法案もそれの一部分を補う意味でお出しになつたのか。これは、又は別の考えからお出しになつておるか。昨日の大臣提案理由説明を伺いましても、これについては必ずしも明瞭になつてはいないのであります。私ども予算の審議に当りまして、あの予算では物価値上りによつて当然補正をしなければならんということを強調したのでありましたが、この点については、池田大蔵大臣から必要があれば必ず補正をするつもりですということを説明をされたのであります。現実に今日の物価から行きますと、当然補正をしなければならん状況に至つておるのであります。この補正一部分として先ずお出しになつたのか、或いはそうでないかという点を先に伺いたいのです。
  4. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) この法案は私どもでは新たな建設資金を、本年度の当初予算に予定しておりまする以上の仕事をやる目的で御審議願つておるのであります。なお、本年度の準備しておりまする予算につきましては物価値上り補正する必要がございますので、実は大蔵省との、事務当局の話といたしましては物価騰貴でどれだけ金が余計要るかということを事務的に聞いて来ておりまして、私のほうからすでに大蔵省に連絡してございます。なお、又参議院の予算委員会のほうから物価値上りでどういうことになるかということを文書で照会がございまして、私どものほうから物価騰貴ではこれくらいになりますということを数字的に文書で返答しておるのであります。そういうふうな一連の関係からいたしましても、私どものほうではこれはいわゆる特としての是非仕事をやりたいという念願でおりますることは明瞭だと思うのでございます。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そういたしますと、これは予算編成とは別に新らしい建設計画を進めるためにお出しになつたのだというふうに了解して話を進めますが、そういたしますと、先ず第一に伺いたいのは、補正予算関係ですが、すでに通りました二十六年度予算によりまして大体どのくらいの、何%程度工事が進められるか、その点を伺いたいのでありますが、つまりどの工事を切つて行くかというのは問題でありましようが、若し現在の二十六年度予算補正する場合においては、全体の工事の何%ぐらいしかやれないかという計算が恐らくできておると思うのであります。その点を伺いたいと思います。
  6. 林一郎

    政府委員林一郎君) 値上り程度でございますが、これは二十六年度予算編成当時の指数を一〇〇といたしますと、現在の状態は一六三ということになつておりまして六三%の値上りということになるのでございます。これは物件費だけの部分を取つて申しておるわけでございます。これによつて計算いたしますと、この電信電話関係だけの物件費値上りが七十六億円ということになつております。そのほかに建築の値上りもございまして、この値上りが大体九億二千万円ということに計算いたしておるのでございまして、八十数億の不足ということに相成るわけでございます。  若しこれを補正しないということになりますと、今まで計画しております建設工程を四割切らなければならないというような概略の数字が出て参ります。
  7. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 では次に伺いますが、こういうような今の御説明のような状況でありますから、仮に補正をいたしましても到底値上り分さえも満たすことができない。そこでこの三十数億円の今度の新らしい財源によりまして一体どういう新らしい計画をお進めになるのかということを、もう少し具体的に御説明を願いたいと思います。
  8. 靱勉

    説明員靱勉君) 昨日お手許に御覧に入れました収入見込調書がございますが、これによつて説明申し上げたいと思います。  本年度予算におきましては、加入電話七万五千というふうに予定されておりますが、この表の線の下の1という所に加入電話十万八千ということになつておる。即ち予算に三万三千増したということでございます。次に甲種増設電話予算におきましては二万ということになつておりましたのをこれでは五万ということにいたしております。乙種増設電話予算を三万を四万、即ち増設電話におきましては両者合せまして四万殖やした。  この計画の下にそれでは収入がどのくらい入るかという計算が上の欄に出ておるわけでございます。勿論四月から六月一ぱい、この法律が七月一日から実施されるものといたしますれば、第一四半期を経過するわけでございます。その間この法律の通るまで加入者増設、或いは増設電話の請求に応じないというわけに参りませんので、大体四分の一程度をそのまま実行するという計算なりますと、これが要するに負担金が入つて来ない。それから国の機関の利用するものについては負担金を頂かないということにしておりますので、それを大体二のところで概定しておりますが、こういうような概定の下に一番上の表に戻りまして、一、二級局においては四万四千三百六十、その他の局におきましては二万五千五百六十、多数共同が一万四千、結局八方三千九百二十というものが負担金の対象になり増設電話におきましては、甲増四万四百五十と乙増三万一千、こういう結果になつて三十三億余りを収入に見込んだわけでございます。
  9. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 御説明わかりましたが、或いは私誤解かも知れませんが、先般来お聞きしておるところによると、市内電話で一加入当りあらゆるものを含めて建設費が十六万円とかいう数字も聞いておるのでおります。この三万円程度負担金をお取りになつて、これは恐らく歳入の見積りの調書だと思いますが、この通りにおやりになるとすると、これに伴う他の建設費が非常に要るわけですね。若しそれを考えて行かれないならば、現在例えば電話局の開設の非常に空いておるところに押し込んで行くとかということでもしない限り、或いは予備線でもうんと使つて加入電話を活かして行くということをしない限りは、この三十三億円だけでは到底不可能だと思うのです。仮に十六万円という一加入当り建設費の金額が正しいものとすれば、三万円としましても、それに大体五倍程度建設費が要るわけです。そういたしますと、三十億程度のものを出して、これで何加入つけるんだとおつしやつても、これは建設できないことは明瞭じやないでしようか。そこで私は先ほどお聞きしたように、三十億使つて一体どういうことをおやりになろうとするかということをお聞きしておるわけです。何も新しい計画がなくてただ加入電話を殖やして行くんです。こういうようなお答えしかできないのでしようか。
  10. 靱勉

    説明員靱勉君) 御指摘の点誠に御尤もな点でございして、仮に三万三千という加入者工程を、基礎設備から全部やるとしますれば、一加入当り最近の物価高を見込みまして市内電話で十六万円程度かかるというような計算になるわけであります。但し最も需要の大きい、而も戦災の復旧の遅れておる大都市におきましては、特にこの需要も非常に多いわけであります。従いまして、多い需要に応ずるような一つの比率を設けたといたしましても、結局大都市に相当多く増設して行かなければならんという計算になるわけであります。そこで基本的な予算におきまして、勿論基本設備というものを相当量視して行かなければならん。その上に乗つかつて、これを追加して行くという場合におきましては、比較的加入者工程というものは増加できるというふうに考えておる次第であります。併しながら今突込んでの御質問でございまして、これだけの三十三億、殊に加入電話だけに申上げますれば、十九億八千というような数字が上つておるわけでございます。その上で以つて果してできるかという御質問でございますが、実はこれ以外に、できれば更に補正としまして追加を取りたいという考えを持つてつたんでございます。その上に、例えば大都市の整備はどうしたらいいか、中継線増設しなければならんとか、局舎増設もしなければならん。それから本年度工程としまして、局舎局内装置のできておるところにおきましては、線路をプラスすることよりまして、工程を可なりつておるというようなことも按排いたしておるのでありますが、申しますならば、資金面におきましては非常に不足しおりまして、殊に前々からの委員会で御指摘基礎設備を重視しろという御意見から見ますれば、十九億八千二百万円というようなことで以て完全なるといいますか、非常にいい体制がとれるというふうには考えていないのであります。本法律案を出むた趣旨におきましては、どうしてもこの際或る程度業者に御負担を願わなければならんというような考えで、加入電話についてでございますが、PBXは大体全額に等しいものを取るということでございますから、この収入見込希望者がなければ減りますが、希望者があればもつと殖やしても差支えない、こういうようなことになるわけでございます。
  11. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この問題については、私これ以上深くお尋ねしませんが、明日で結構ですからもう少し御相談の上でこれは特別の建設をやるのだという建前と今の私の質問した趣旨などをお考えになつて、もう一遍改めて明日統一のある御答弁をお願いしたいと思います。私は誤解しておつたか知れませんが、この三万円と二万円取るというこの臨時措置に伴いまして、これに関する基礎設備というものはなお他に別途に、例えば民間の資金を動員するとかいうような方法で別途お考えになるということでないと辻棲が合わない。従来の建設工程を非常に変更しまして、この殖える分については、従来の建設予算の中でその基礎設備の充実をやつて行くというようなことでもおやりになるか、何かお考えにならないと、ただ末端たけ殖やすということにしかならないので、而も今御説明によると、大都市に集中するとおつしやるけれども大都市に集中される場合に、大都市ほど恐らく基礎設備が今一般的には詰つているのじやないかと思うんです、大都市でそんなに局内設備やら、或いは回線やらが空いているとは、私は常識的には考えられないのでありますから、何かこれには特別の考えがなければならんと私は思つてつたんですが、この点はもうこれ以上質問しませんから、明日もう一遍改めてこの点については御説明願いたいと思います。  それから次に予算関係に触れましたので、予算関係からお尋ねしたいんですが、これは一応これで行きますと、二十六年度において歳入予算が殖えて来るわけですね。そこでこれは科目がありますから、予算の費用がありますから、それが殖えるということについては予算的には別に違法ではないでしようが、併しこの支出面についてこの金を使おうということになると、当然補正をしなければならんと思うんですが、従つて臨時国会前に、つまり補正予算をお出しになる前に、この三十数億の中の或る一部分歳入として挙げて、それを使つて行くということになりますと、勿論その金に印しはついていませんから、これはそのほうの金だといつても、それは通るかも知れませんけれども予算建前上から見ると、歳入歳出共に十分に影響のある、関係のある法案であつて、而も補正予算を伴つていないということは、予算建前から見でどういうふうにお考えになつているか。私まだ研究不足でよくわからないんですが、お答え願いたい。
  12. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 御質問の点御尤もでございまして、この問題につきましては大蔵当局ともいろいろ相談したのでございますが、まあ歳入だけ差向き上げることでございますから、先ず内閣といたしましても補正予算はこの国会には出さないという方針もあるということでございましたので、実行上は一応差支えございませんものですから、一つ国会のほうで将来補正予算が出るものと予想して頂きまして、御審議願いたいということになつたのであります。歳入予算につきましては、お話の通り枠はございませんものですから、料金収入の所へ一つ目を設定すればそれだけでいいわけでございます。歳出のほうは百三十五億という金がございますので、そのほうの金でどんどん工事つて行きまして、次の国会等におきまして補正予算出したい、かように考えている次第であります。  なお、この法案の中に若し本人が死ぬというようなことがございました場合には、お返しをするということになるわけであります。その歳出補正予算が組まれるまでにできんのではないかという疑問があろうかと思うのでございますが、この点は諸払戻金及び補填金というもので本年の予算に二千万円ほど上がつております。そこから歳出ができるのじやなかろうかと、かように考えておるのであります。なおそれで足りんようなことは万々ないと思いますけれども、足りませんときは、需品から流用できますから、この点も  一応問題はないかように考えておる次第でございます。
  13. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 結局結論としては、財政法とか、会計法建前から言つて補正予算を出さないと、それは私は妥当でないと思うのですが、妥当でないにしても違法でないとこういう結論になるわけですか。
  14. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) さようでございます。一緒に出したほうが妥当であるということは問題ないのでありますが、先ず止むを得ずお願いいたしたい。かように御了承願います。
  15. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 違法ではないというのですね。
  16. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 違法とまでは行かんと思うのですが、まあ便宜措置として止むを得ないだろうという程度で、大蔵省との間の意見がまとまつたのであります。
  17. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そこで前に戻りますけれども、私どもはこの委員会電話建設費の足りないことを指摘して参つたのであります。今日においてはますますその必要を感じておる。先ほど肥爪政府委員からは、これは従来の建設工程から言うと別枠で、いわば瘤のようなものだという御説明があつたのでございますけれども、この程度の瘤では、これは問題にならない瘤だと思うのです。でございますからこれは靱次官に特にお尋ねしたいのでありますが、こういう法案を出されて年額三十億なり四十億の財源を得たということで、この建設費予算に対する大蔵省との関係が影響されると困ると思うのです。それでこれは加入者のほうもこういう制度がいいかどうか。恐らくこれは公聴会にでもかければ非常に議論ある問題と思うのですが、加入者も何がしか負担をしてでもつけて欲しい、電話を何とかして早く引くようにしたい、こういう希望者もあるかと思いますが、一面を見ると、相当これは反対が多い案だと思うのです。加入者も辛棒するのですが、ここで政府のほうでもこの建設費が足りないために、国民に非常に迷惑をかけている点は、これは前々から少しも変らない点でありますから、やはり政府の責任において建設費を今後あらゆる機会に殖やして行く。そうして電話電話らしく国民に使わせるということについて全力を注がなければならぬと思うのでありますが、でありますからこれに対する……、これは本当は電通大臣に聞くべきことだと思いますが、電通省の意気込みが変つては固る、なお大蔵省との関係におきましても、その点は極めて明瞭な線を引いて置かないと困ると思うのです。その点についてどういうふうな話合になつておりますか、大蔵省との関係を聞きたいのですが。
  18. 靱勉

    説明員靱勉君) 誠にご尤もな御質問でございまして、私どもこういう法案出しましたにつきましては、昨日大臣からも御説明がありました通り決してこれが最善の方法思つておりません。先ず第一に現在の態制におきましては、当然政府におきまして資金を獲得して、できるだけ公衆にいいサービスを与えるということが基本的な問題至あり、又前々からいろいろ御鞭撻又非難を受けております建設費が足りないというので、一つ方法としてこの法案を御審議願つておる次第でございますが、常識的に考えてみましても、私ども仮に三十三億入るから、それだけ資金運用部の金を三十三億落すということなら、結局電通省の立場だけ申上げましても、得るところなく、むしろ利用者非難を受けるという形になるのでありまして、私どもとしましては、当然これはプラスであるという考えで、先ず第一に国家資金を確保する、更にプラスしたこういう資金を以て更に工程を増して行くというような基本的な考えで、大蔵省とも勿論折衡して参るのであります。政府の内部におきましても、当然そういうような考え閣議等においても決定されたものと私ども考えておる次第であります。今後実行に亘りましてとかくこれは混淆されるということになりますと、折角努力して、結局資金運用部の金を減らされるのだということは何もならんことでありますので、十分これについては、全体的に私どもとしては、はつきりした観念大蔵省と今後補正予算或いは二十七年度予算におきまして対処いたして行く考えでございます。
  19. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そうすると、今までの交渉ではのそ点はまだはつきりしていないのですか。
  20. 靱勉

    説明員靱勉君) 勿論この法案大蔵省との協議の際におきまして、これによる歳入はどのくらいであるか、それから又どのくらいの工程をやるか。即ち只今説明しました収入見込み調書においてすでにこういうような加入工程も殖やし、増設工程も殖やすということになつておりますので、これを以て直ちに物価値上りに持つてつてしまうとか、或いは百三十五億の資金運用部の金を減らすということは、全然問題にならんこととして私ども折衡して参り、勿論大蔵省でもそれじやそれだけのものは減らすぞというようなことは言つておりません。
  21. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今度の折衡はそれでいいですけれども、もうすぐに二十七年度予算折衡に入らなければならん段階と思うのですけれども、そこで来年この経費を続けて行くわけですが、四十億なり、或いは五十億なりの従来予期しなかつた収入があるというようなことで、そこで初めて私は大蔵省がそれならば財政資金をどのくらい減らしたらいいかということを考える場合に、勢いこれが問題になつて来る。その点については私は今日からはつきりとした観念をお互いに持つてそうして線を引いて置かないと、財政資金つて決して余裕があるわけではないのですから、地方の起債だつて随分抑えられておる現状から見ますと、必ずそういつた問題が起つて来るのではないか。そのときになつてそういつた予算が減らされた、足りなかつたということで説明されましても、これはこの法案を通すときに十分にその点について政府全体の意見をまとめてからでないと、この法案のいい、悪いが言えないのじやないかと思いますから、その点について山田委員から大蔵大臣を要求しておられますから、来られたらその点をも聞きたいと思いますが、もう少し両省の間ではつきりした線を、今からでもこの法案通過までに引かれる必要があると私は思います。従来十分話ができなかつたという事情も、非常に早急の際にきまつたそうでありますから、止むを得ないと思いますが、これから御処置願いたいと思います。  それからあとまだ質問ございますけれども、明日に讓りまして、細かい点二、三お尋ねして置きたいと思うのです。それは最後の條文に、「国の機関云々ということが書いてあります。結局国の機関には原則として、こういう負担金は取らない建前だと思うのです。それならば一般会計から特別会計に対して何か補給でもされる話合いができておるのかどうか。これは恐らくここに書いてありますように、国の利用する電話というものが、やはり相当の数に上るだろうと思うのです。今日まで官庁使つております電話というものが実に数が多い。それが比較的優先的に扱われておる。その点からいいますと、ここにある加入電話の八%という数字が、これが果してそのまま行くかどうか私は疑問だと思いますけれども、これより下ることはありますまい。この数字で行きましても相当大きな数字になる。その国の負担を全然これは補給金をやらない、このほうは取らないのだということになつて参りますと、結果は一般加入者に対して大きな負担ではないかも知れませんが、理窟からいうと、官庁の本来負担すべき負担金というものを、加入者が全体で負担するというふうになるわけですね。つまり官庁で本来電話を引くときに、やはり当然負担しなければならない話備負担金というものを出さないで、一般加入者がそれを背負つて行くということになると思うのです。こういう点については特別会計建前独立採算建前からいいまして、そういう措置をとるべきでないと私は思うのですが、何か一般会計との間にそういう話合いがありましたかどうか。それに対してどういう措置をおとりになるのか。その点をお伺いしたいと思います。
  22. 靱勉

    説明員靱勉君) 只今のお説私一つの特殊な料金というような考えから申しますれば、当然国の機関でも負担すべきであるというふうに考えたのでありますけれども、国の会計相互間の収支でありますので、実際論といたしまして、これは各会計予算にも直接影響する問題でもありますので、そういう点から、なお又過去の例におきましても、公債等の場合においても、国の機関につきましては、それらのいろいろな在来の沿革と申しますか、そういうことも勘案いたしまして、国の機関につきましては適用除外という規定を設けた次第でございますけれども、さればと言つてそれじやそれだけ一般会計から繰入れるというような話合いにはなつておりません。ただこの三万円だけの問題ではなくしまして、例えば警察関係電話というようなものにつきまして非常に需要が多いのであります。予算交渉の際におきましてそういうものは或るべく別枠で一応作つて頂く。そして勿論電通省一般会計から繰入れたことでなくても、電通省予算については特別に認めてもらうというような方向によりまして、できるだけこれによつて他利用者負担を被せる、これだけは除けておるというようなことがないように、単に三万円だけの問題でなく、ほかの電話に対して特別の経費を要するものについては、そういう考え方を以て予算折衝をする。勿論御承知のように現在外部資金といたしましては、資金運用部の金しか本年度はないのでありまして、来年度問問につきましても大体そういう方向ではないかと考えられるのであります。或いは公債というような問題が出まして、電通のほうにも廻つて来るというようなことも考え得るのであります。その点はまだ私ども全然承知いたしておりませんが、やはり政府資金として電通会計に入つて行くというような点から見合せまして、一応一般会計からの繰入れというような協定はいたしておりません。
  23. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 多少私と意見が違いますが、手次質問をいたします。この臨時措置法というものは、一体法律そのものの効力というものがいつまで続くのかという問題であります。内容を見ますと「昭和三十一年三月三十一日までの間に加入申込の承諾の通知を発したときは、」云々……とありまして、昭和三十一年三月三十一日までこれが行つているということはこれはもう明瞭なんでありますけれども、それから先きのことは全然書いてないのであります。第六條なんかでは「設置の日から十年以内」ということになつております。少くともこれは十年だけはその部分だけは行かなければならぬということになつておりますが、臨時措置としておやりになる場合には、この法律有効期間というものはいつまであるかということがやはり当然考えられなければならぬと思うのでありますが、その点は実際に任して、実際にこういう必要があれば、その必要のある限度までこの法律は生きているので、この法律によつて措置をする必要がなくなつた場合には自然に死んで行くのだと、こういうお考えでありましようか。何かそこに法律的に明瞭な規定がどこかにあるのでしようか。ちよつとその点がわからないのですが、お尋ねして置きたいのであります。
  24. 田邊正

    政府委員(田邊正君) お答えを申上げます。この法律は、昭和三十一年三月三十一日までの間に負担金を取るということになつておりまして、この法律は終期につきましてはお話がありましたように、例えば第五條の場合に十年でございますが、第四條になりますと戦災電話でありまして古い電話でありますから、それが効力を持つております間は未来永却に続く、こういうことになつております。  なおもう一つはこの規定の仕方でございますが、この方法としては二つありまして、一つは今申上げましたように、附則でこの法律はいつまで有効であるというふうに規定し、併せて例えば第四條、或いは第五條、第三條の金を返す面につきまして特別の措置をして置くというのが一つ方法でございますが、この法律ではそういうことをいたしません、で、第一條、第三條にそれぞれ負担金を取る期間をはつきりいたしました。そうしてあとの点は第一條については五年間、それから第三條については今申しましたようにいつまでも……、第五條については昭和三十一年三月三十一日から十年間ということになるのであります。
  25. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 新谷君の御質問に重複しないように御質問いたしたいのでありますが、只今の設備負担の問題でありますが、従来逓信省時代におきましても設備負担金の問題、又設備負担金を取つていて電話を架設した時代もありますが、その沿革を一つ一応参考としてお聞きしたいと思います。
  26. 田邊正

    政府委員(田邊正君) お手許に配付してございます資料の二枚目にございます。今日までの歴史を書いてございます。
  27. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 よろしうございます。そこで私お尋ねしたいのは、この設備費負担の性質でありますが、この法案によりますと、加入電話加入申込者に対しましては三万円又は二万円、そうしてそれが五年以内は返還しない。増設機械のほうになりますと十年に年賦償還のような形をとる、戦災電話の復旧を請求する者は今お話のように永久に、これを返還して行くというのか、支払つて行くというのか、そういう形をとつている。従つてここに言う設備費負担というのは、従来の設備負担とも変つているし、各加入の対象によつて、借入金でもなければ実費の弁償でもない、或いは加入権の保護のような形になつているようにも見えますし、どうも設備負担金の性格というものが一貫してないように思われるのであります。理論が一貫していないときは、往々にしてやはり公平な負担ということに欠く嫌いがあるのじやないか、便宜的にいろいろ考えておられるように私は見られるのでありますが、この負担金の性質というものについて御説明願いたい。
  28. 田邊正

    政府委員(田邊正君) この負担金の性質は、実は非常に私たちもむずかしい問題を考えているわけでございますが、まあ平たく申しますと、負担金料金のあいのこである。併しそれがどちらに、負担金料金かどちらに属するかと問いつめられますと、特殊の料金であるというふうにお答えせざるを得ないと考えております。それでなお加入電話については三万円、戦災電話につきましては同じく三万円、それから第五條の増設機械につきましては実費となつていて、而もそれを返す時期が五年だつたり、十年だつたりして、その間に統一的な考えがないように思うというお尋ねでありますが、その点についてはかように考えておるのであります。この負担金をもらう制度といたしましたのは、先ほど来お話がありましたように、現在各省の予算が極めて少いので、それを補う、止むを得ない方法としてこの方法をとることにいたしたのでありまして、その意味からとにかく受益者と申しますか、加入申込者或いは戦災電話復旧者、或いは増設機械請求者に負担をしてもらうという意味からしたのであります。そうしてその負担の額は第一條の加入電話につきましては、今およそ大体三万円程度に一番最高を抑えますのが電話加入の普及を妨げないし、又加入申込者の負担力から考えましても、その辺が妥当ではないかというところから、最高三万円となつたわけであります。それから返還する期間を五年といたしましたのは、これは例えば三年、或いは七年、或いは十年というふうな考え方もあるのでございますが、大体今申しましたような金額を負担してもらいました場合に、五年間電話のサービスを受けてもらつておるならば、そのあとはこちらのほうで以て頂戴しても、まあよろしかろうじやないかということであります。それからその次の戦災電話の復旧の場合でありますが、この場合の負担金の金額は加入電話と同様でありますが、この戦災電話については電通省としては、成るべく速かにこれを復旧しなければならないと考えておるわけでありまして、従つて負担金を頂くということも普通の新規申込と比べまして多少考え方を変えなければならないと思いますが、いずれにいたしましても、とにかく拡張資金不足を補うためにこの戦災電話についてもお気毒であるけれども負担して頂く。その代り今申上げましたようなことも考えまして、四條で五年という制限を設けませんで、むしろ加入契約が消滅して効力を失つて加入者でなくなつたときに負担金をお返しするということにいたしたのであります。それから第五條の増設機械につきましては、加入電話と違いまして、増設機械の設置に要する費用を全額頂くわけであります。従つて増設電話加入電話と違いまして、相当高額でありますので、これを加入電話と同じように五年間に切るというのはお気毒でありますので十年といたしました。そうして一年間に十分の一ずつの割合で以て金を勘定して参つて、そして全部の金を返すということにいたしたわけでありますが、増設機械につきましても、増設機械のライフを考えますとこれは十数年でありまして、或いは加入電話のほうの三万円と比べまして増設機械のほうの負担が重過ぎはせんかというような考えも或いはあるのではないかと思いますけれども増設機械につきましても、とにかく十年間サービスを享受してもらつたならば、まあその以後はお返ししないでもいいだろう。と申しますのは、加入電話につきましては五年間では五万円返すわけでありますが、六年度からは少しも返しません。そういうようなわけで、今のような関係考えますと、今申上げましたように三種類でありますが、こういう三種類に分けましたほうが実際に合うのではないか。まあ公平という言葉を以つて申しますと公平ではないか。そういうような考えでやつたわけであります。
  29. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 そこで先ほどお話がありました歳入にどういう目をお立てになるかということをお聞きしたがつたのですが、どういう目をお立てになるのですか。
  30. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 今年度予算におきましても、収入のところで電話収入というのがございまして、その中に電話使用料、度数料といろいろずつと書いてあるわけであります。その一つに今のところ負担金収入というようなものを目として掲げております。このように考えておりますが、又併しこれにつきましては大蔵省と相談したわけではございません。一応私ども考えでは、料金の一種であるという私ども考えと合せまして、そこに一つ円を設定したいとかように考えておるのであります。
  31. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 私それ以上お尋ねしようという気はないのでありますが、そこで戦災電話の復旧を請求した加入者に対しては、従来これを早く直さなければならなかつたのが、だんだん復旧が遅れて来た、従つてたとえここに二万円なり三万円なり設備負担金出してもこれは永久に効力がなくなつたときには還えすという特別な考慮が加入権を持つておる戦災復旧電話の復旧に対しては払われておるわけです。結局それも勿論戦災電話の問題は加入権というものを非常に尊重された結果だろうと思うのでありますが、やや條文に入りますが、非常に一方ではそういうふうに加入権というものを尊重しておられますが、若しその加入者が支払いをしないときには、加入電話にかかる加入契約を解除してもよろしいというふうに非常に飛躍されておるのですね。第四條を見ますると非常に保護されておるようでありますが、設置の場合にはその加入権も直ちにこれを解除する、取消してしまうというふうな規定を見て、前後の考え方が何か一致しておらない。若しそれだけのことをお考えになるならば、三万円が支払えないならば猶予期間を置くとか、或いはその後においても三十一年の三月三十一日以後即ち四月一日以後でも私は支払いをいたしますということであるならばそれを残して置いても私はいいのじやないか。特にここで整理されようとするお気持はどういうところから来ておりますか、その点です。
  32. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 第三條の御説明を申上げれば、只今の御疑問が解けることと存じますが、第三條の第一項におきましては、昭和三十一年三月三十一日までの間にその加入電話の復旧工事を完了したときには金を払わなければならない、これは実際の処置といたしますというと、ただ私のほうで復旧の請求者に默つて電話の復旧をいたしまして、そうして金を払つてくれということではございませんので、今復旧の請求が出ておる人に対しまして、今年の七月一日以降は三万円をお出しにならなければ電話の復旧は少し延びますが、如何でございましようかということとを一々お尋ねして、そうして三万円を出してもすぐ復旧してもらいたいという加入者だけに対して復旧の工事をいたすわけであります。そうして復旧の工事ができ上りましたならば金を支払つて頂くというのであります。それから第二項で金を払わない場合には契約を解除するということが書いてありますが、今申上げましたようにそういう手続きをやりまして、なお且つどうしても払えないという人がありました場合には、止むを得ず契約を解除する場合もあるというのであります。今現在生きておる加入電話につきましても、料金の滯納の場合におきましては、加入電話の取消と、この法律で見ますと、契約の解除になるわけでありますが、そういうことをいたしておるわけでありまして、そういうふうな今の加入電話の契約の解除、加入権の取消ということを一緒に考えましても、決して戦災電話の復旧請求者に酷ではないと、そういうふうに考えるわけであります。然らばなぜそういうふうな意味ならば表現を、私が今申上げましたように書かないかという問題でありますが、御承知のように、電話公債の点におきましては電話公債を買わない人は復旧を繰延べると書いてある。この三條の趣旨只今私が説明いたしましたように、復旧の請求者が三万円を出すということを希望しない場合には結局復旧を繰延べるわけでありまして、決してそのために急に契約の解除ということはありません。第二項が働きますのは、三万円出すから復旧をしてもらいたいという請求者だけでありまして、そうでない人は事前に繰延べることになるわけであります。それからなぜ繰延べということをはつきり書かないかということでありますが、これはちよつと細かい議論になりますけれども、先ほど申上げましたように、電気通信省は、戦災電話復旧に対しまして復旧の義務を負つておる。いわば今の加入権は生きておるというふうに考えて参りますと、ここへはつきり復旧を繰延べるということができる、いわば履行遅滯、何と申しますか、法律的に履行遅滯を肯定するような表現は面白くないではないかというふうな考え方からこういうふうにいたしたわけであります。  なお、もう一つ申上げますと、第一條の場合には電気通信大臣加入電話の承諾の通知を発したときから電気通信大臣が規定する期日までに支払つてもらうわけでありますが、第三條の場合におきましては、加入電話の復旧工事を完了したあとで電気通信大臣が定める期日までに金を払つてもらうということにいたしておるわけであります。このことも表現したほうが加入申込の場合と戦災電話の場合と区別することができるわけであります。そういうような意味からこういう表現になつたわけでありまして、これによつて決して戦災電話の整理をしようというふうな気持は少しもないのであります。
  33. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 いろいろ御説明がありましたが、私はやはり若し加入権というものを尊重なさるという意味であるならば、この前の公債のときのことはともかくといたしまして、やはりここに今少しのゆとりを持つて規定する必要があるのではないかと考えております。併しこれは少し酷ではないかという感じを持つておりますので、なお今後実際に行われる際に今後の問題として御考慮を願いたいと存じます。  なお、電気通信大臣は三十一年の三月三十一日までにその請求に応ずるという契約と申しますか、そういうものは会計法上この法律通り直ちにそういう契約が結べますか。そういう点を……。
  34. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 御質問趣旨は三十一年の三月三十一日までの期限で契約できるかという御趣旨だと思いますが、これは今から年度をまたがつて、そういう契約をするということは会計法上できませんから、この第一條の解釈は、その最終の受付けをする期限がこれだ、三十一年の三月三十一日までだという意味でありまして、当該年度内におきまして契約するという意味に解釈しているわけでございます。ですから年度をまたがつて契約をすることは、これはできないわけであります。
  35. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 第五條を見ますと、第一條では「申込みの承諾の通知」という程度で漠然といたしているのでありますが、第五條に来ると、「設置の請求をした加入者、」そして三月三十一日までの間にその請求に応ずべき旨の通知を発する。明らかに私はここで契約が成立しているんじやないかと思うのですが……。
  36. 田邊正

    政府委員(田邊正君) これは第一條と第五條は表書が若干違つておりますが、第一條のほうにおきましても、やはり加入の申込みというのがございまして、申込みをしたものは、それに対して電気通信大臣がよろしうございますという通知をいたしております。これが承諾の通知でございますが、第五條もそれと同様でございまして、第五條は請求という言葉を使つておりますが、これは今の加入電話がそういうふうになつております。と申しますのは、この行政機関の請求は、これは電話加入権から当然生じて来る一つの何と申しますか一つの請求権というふうに解釈できるわけであります。電話加入者なりますと、増設の請求ができるということになつておりまして、そういうことでありまして、加入者がどういうものをつけてもらいたいという請求をいたしまして、そして我々のほうで、これはつけましよう、これはつけられませんということを返事するのでありますが、「その請求に応ずべき旨」というのは、これは決して今から昭和三十一年三月三十一日までの間に一遍にそういうことをするのではございませんで、加入電話と同じように、出て参りました請求一つ一つにつきまして、これは請求に応ずる。或いはこれは応じないという措置をいたすわけであります。
  37. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 そうすると、昭和三十一年の三月三十一日までの間に、具体的に増設機械の設置の契約をそのときにおきめになるわけでございますね。
  38. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 増設機械の設置の請求に対しまして、こちらのほうでよろしうございますと言つた場合に、それが果して契約ということになるかどうか。そういう点につきまして若干解釈上の問題もございますが、いずれにいたしましても、向うの請求に対しまして、こちらのほうで請求に応ずるという意思表示をいたしますが、それが昭和三十一年三月三十一日までに行われた場合にはこれは加入される。そういうことでございます。
  39. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 そういうものは会計法上よろしいのでありますか。
  40. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) この申込の受領をいたしますれば、これは当該年度内のいついつまでに納めろ、こういう通知が出るはずでございます。ただその会計法上は当該年度に申込の受理をすれば契約が成立しますが、そのときに金は翌年度のいつまでに納めろということは会計法上できないということを私は申したのでございまして、当該年度内にいついつ納めろというのであります。併し若し当該年度内に納めなかつた場合に、契約が無効になるかどうかという問題になりますれば、これは又会計法とは別に、法律の事項外の問題になると思うのでありますが、私はそういうことは当該年度に納めませんければ、直ぐ無効になるというような特別の効きめを期しておるわけではございませんから、場合によりまして翌年度に三十一年三月三十一日まででございますれば、翌年度にその効力が延びることはあり得ると思います。そうして又翌年度でいついつ納めろ、こういうことはあり得ると思います。
  41. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 私のお尋ねするのは、具体的に申上げますと、この昭和二十九年三月三十一日までに納めろという契約、そうすると昭和二十九年度のいつ、いつかに増設電話機を設置して上げますという契約ができますか。
  42. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) そういう契約を二十九年のいつまでというのは、前年度内に契約することはできないと思つております。
  43. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 できないと実際はどういうふうになるのでございますか。第一條と第五條の解釈は……。
  44. 田邊正

    政府委員(田邊正君) それは只今説明申上げましたことを繰返す問題でございますが、今実際の処理は、加入電話の申込がありますというと、それを調べまして、そうして電話の受理の通知をいたします。受理の通知をいたしまして、そのときにいつまでに電話料を納めてもらいたいということを合せて通知いたします。そうして金が入りましたならば、今度は実際に工事にかかるわけでございます。それと同じことを結局することでございます、従つておつしやいますように、三年先に金を納めたならば増設する機械の請求に応ずるというようなことではございませんで、一つ一つの申込につきまして、それぞれその度ごとに決定します。そうしてその決定いたしましたあとで十日とか二週間とかの間に納めてもらいたいという通知を同時にするわけでありまして、長い間に、来年度なり再来年に亘りまして契約或いは請求に応ずるというようなことではございません。
  45. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 それからさつき新谷君の質問通り、私はこの負担金で三万三千の加入は勿論できないと思つております。このことについてはなお大蔵大臣或いは今後の補正予算の問題に関連いたすのでございますが、仮に従来の計画よりも相当数が殖えて参るということにつきまして、而もそれは従来の計画の瘤と考える。従来の計画の七万五千に対して、更に三万三千というものが殖えて行くのだというお考えは至極結構なんでありますが、そうしてその増加するであろう電話というものは、これは大臣の昨日の御説明によりますと、当面の熾烈な電話需要をできるだけ多く満して行きたい、こういうお話でございます。そこで先ほども靱次官から都市に集中したいというお話でありまして、私も現存都市の電話というものは非常に困難な状態にあるので、一日も早くこれを克服して頂きたいと思つております。そこでこれは全般的な問題として、電話需要ということを、電通省としては、電通当局としては、どういうふうにお考えになつておるか、私はこういうふうに電話が行き詰つて参ります場合には、いよいよこの電話主管庁として、電信電話の主管庁としては、いわゆる電話の電気通信の需要ということに対して、単に三万円を持つておるから、その要求があつたら、これを掛けなくちやならないとか、或いは二万円の金があるから掛けるのだというふうな、電話というものは利用すれば便利なものにきまつておるのでありますが、一層私は負担金というふうな問題が出て来ますると、それに対しての制約というものは、従来はいろいろの方面から、これを制約を受けたのでありますが、金で制約を受ける場合においては特にお考えを願、いたいと思うのでありまして、この電話需要というものに対する当局のお考えを承わつて置きたいのであります。
  46. 靱勉

    説明員靱勉君) 只今電話需要に対して負担金という問題が起つて来れば考えなければならんという御質問でございますが、この負担金制度、或いはこれに類似したのは爾来日本の電話の歴史としましては、相当古くから起つております。或るときには全然殆んど金額を負担金として頂戴しておつたという時代もありまして、電話の理想としましては、できるだけそういう負担というものは取らない、消粍品的な装置料、現在の料金のほうにあります装置料というものは、全く消粍品的なもの、その工事費というようなことを考えて四千円ということになつておるわけであります。これは電話の公共性から見まして、電話の理想としては、そうあるのがよいというふうに私ども考えております。それに伴いまして、電話需要というものは相当多くなつておるということも認めなければならんと考えます。併し非常に電話設備に高価な経費が要るということになつて来ました場合におきまして、それを全く料金政策だけできめて行くか、或いは非常に要するに設備を使う一つのサービスであるというふうに考えた場合に、設備につきまして単に企業体の資金だけでなく、利用者にも或る程度その経費負担して行くという考え方は、装置料を発展さして考えて来ますれば、これは一つ考えとして認められる問題であると考えます。即ち、仮に電話一本百万円かかる、而も国の財政が決して豊かでないという場合に、これをほかの国家資金使つて全部整備して行くということは、果して国民全体の利益であるかどうかということも考えて行かなければならんと思う。現在の段階におきましては、必ずしも私どもそこまで徹底しておるわけではない。この設備費負担臨時措置法出しました理由は、先刻来申上げておる通りでありますが、勿論私どもの理想としましては、できるだけ電話を安いものにして行く、従いまして装置料を成るべく、負担金も成るべく多く取らない方法で行きたいということによりまして、要するに国民電話利用を必要とする人々には、もうあまねく広くできるだけ多量にこれが利用できるようにして行くということが、あくまで電話の理想として、いやしくもこれに非常に高い金をかけ、高い金を負担することによりまして利用を制限して行くということは、電話政策としては絶対にとつて行きたくないと考えております。従いまして、現在私ども調査しました電話需要というものは、潜在需要まで併せますと、二百万から三百万ということになるわけであります。これは当時千五百円、当時の物価一般の生活水準等から見まして、千五百円という装置料であり、例えば電話の度数も一回につき二円であるというような下における国民の利用希望の数であるというふうに考えておる次第であります。
  47. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 勿論電気通信の料金が安くなり国民負担が軽くなる、これは無論望ましいことなんでありますけれども、ともかくここに三万円なり、二万円という負担金が出た以上は、明らかにここに金が大きなフアクターになつて来たわけなんであります。従いまして私が絶対に聞きたいことは、二万円なり三万円なり出せば、それが電話を引く大きな理由となつて動かれるのか。そうじやなくて、やはり電話需要というものをよく見られて、その金によつて引くものじやないのだということを私ははつきりとして言つてもらいたい。そこで恐らく無理をしても、今二万円の金がなくとも、そこには引ぐ必要もある電話もあろうし、単に二万円持つて来たら、必ず引いてやらなければならんということは考えるべきじやない。今はつきりと負担金が、電話負担金というものを負担させて、電話の普及を図るのだ、こうおつしやるが。実際問題としてその点はよくお考えにならないと、電話の普及というか、電話の効率というものが今日のような少い時代に、よれによつて歪められては困るということを申上げておるのであります。その点を、重ねて一つお含みを願いたいと思います。
  48. 靱勉

    説明員靱勉君) 御尤もな御意見でございまして、少しお答えが違つていたかと思いますが、要するに二万円なり、三万円なり出せば、誰でもつけられる、出さないものはどんな必要なものであつてもつかないという理由は、私どもつていないのであります。御承知の通り、現在の需要におきましても、すでに四十万、東京、大阪等において九万、五万という積滞があるわけであります。これらのかたがたに、仮に三万円、二万円負担して頂きましても、すべて需要に応ずるような、まだ程度に達しておりません。従いまして在来とつて参りましたように優先順位の方法はどうしてもとらざるを得ない。この優先順位の方法は、或る意味におきましては或いは一つの官僚的といいますか、非常に非民主的であるというふうに考えられるかも知れません。これは電話を必要とするという観点に立てば、なぜ必要かというようなことを考える必要はないのであつて、誰だつてこういう文明の利器というものは使いたいのだという観念から見れば、申込順とか或いはくじ引きでやるほうが妥当ではないかという説も起るのでありますが、現在のように極めて需要と供給との間に非常に大きなアンバランスがある場合におきましては、どうしても公共的な一つの施設といたしましてそこに優先順位の方法をとらざるを得ないのではないか。そこで現在の段階におきましては、この措置法を出しましたら、すぐ金さえあればどんどんつくのだという結果には到底なり得ないというふうに考えております。なおPBXの問題につきましては、大体交換施設等につきましては全額に近いものを負担して頂くということになりますと、これは将来勿論五年間ということになつておりますが、絶対にそういうものは各需要者の負担であるというふうに考えますと、金があるものはPBXが利用できる、そうでないものは利用できないというようなことになりますが、これは加入電話PBXとの間に確かに利用の主体というものは違つておるということも考えなければなりませんし、又PBXの場合におきましても、いわゆる乙増のほうの問題はこれは必ずしも会社形態とかなんとかでなく、個人でもどんどん利用されまして、電話の利用というもの、電話の利便というものを十分発揮できるような形にして行くという意味のものでありますので、これは将来の問題でありますが、或いは長期に料金でなし崩して行くという方法と、一挙に出してあと料金は安くしてもらう、これはその公平の理論からいえば一つも実質的には変つていない、先に金を出すか、なし崩しで出すかという問題になるわけであります。そういうような方法をとれば、ただ金だけで解決のつく電話でないというふうにも考えられるのであります。要するに根本的な精神といたしましては、今御指摘のように単に金だけで解決して行く、必要なものについては金がなければ絶対に認めないのだというような方針はとつて行かないという考えでございます。
  49. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 この問題はこの程度にいたしまして私大体御質問を終るのでありますが、先ほど新谷君も申しましたように、今度の三万円、二万円或いはPBXの実費というふうなことで三十三億九千四百万円、この収入見込調書によつていろいろな数字が出ておりますが、全くこれは架空の数字であつて、実際は特に今日の物価の現状においては、この三万円や二万円ではないのであつて、お話によれば昨日は二十五万円とかいうお話がございました。十九万円の市入と六万円の市外というふうなことで電話復興に対しては二十五万円もかかるのだというようなお話でございますれば、いよいよこの計画というものは、単なるペーパー・プランに過ぎない。三万円或いは二万円の裏に大きな負担というものがかかつておるわけでありまして、この収入によつて従来の計画と噛み合されまして、どんな形が一体出て来るのか、それを一つ御調査の上お示し願いたいと思います。なお條文に対しまして多少のあれがありますが、これは後日に譲りまして、私の質問は一応この程度で打切ります。
  50. 山田節男

    ○山田節男君 大蔵大臣は今日見えませんか。
  51. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) 先ほど私も強く要望したのですが、留守の者もどこへ行つたか行く先がわからん。こういうことがありますから、明日は午前中当委員会を開こうという予定をしておりますので、明日は必ず出られるようにという連絡をあらかじめいたしたわけであります。
  52. 山田節男

    ○山田節男君 それでは私まだ三、四の質問がありますが、それでは明日午後でもやつて頂いて、私今鈴木委員の言われた最後の質問に関連してこれだけ一つ質問いたしたいと思います。今鈴木委員が言われたこの負担金三万円という問題ですが、これは受益者負担という立場でもないようだし、そうかといつて一定の支払能力がなくては電話申込ができない、こういうことになるのですが、今まで、例えばこの特別開通制度ですか、大正十一年から昭和二十一年までこれは最も長く採用されておつた制度ですが、これから見ても昭和二十一年に、例えば一級局九百円、共同の場合に六百円、こういうことになつておる。そうすると少くとも昭和十一年の物価指数と今日と比べれば、最小限百倍と見積つても九万円、二百倍なら十八万円、然るに今日、殊にインフレ傾向が高騰して来ている今日僅か三万円というこの負担金の基準をきめられた根拠はどこにあるのか、これを一つお伺いしたいと思います。
  53. 靱勉

    説明員靱勉君) お答えいたします。三万円の根拠はこれは先ほど鈴木委員からも御意見がございましたが、私どもできるだけ電話というものは金持ちでなければ使わないのだというようなことにしたくないという考えが基本的にあるのでございます。併しながら一方におきまして、どうしても今の政府資金予算の範囲では、需要に対して或る意味においては全く不合理にお断わりしなければならん。或る事務所をつくる、その場合にいろいろは施設をつくることは相当割高である。然るに電話は四千円でつく、結構であるが、三年も四年も待てというのではこれはてんで問題にならん。なんでそういう政策をとつているのかわからんというような強い要求がある。何と申しましても産業活動をせられるかたがたには、電話というものは絶対に必要なものである。或いはこれなくては近代的経済活動は勿論できないわけです。こういう人から見れば当然そういう要求が出て来る。そこで過去の、只今御引例になりました最近のあれを物価に直して見ますと十八万円くらいかかる。三万円というようなことにつきましては、なかなか議論としましては、三万円なんというものは非常に安い。五万円でももつとかかつてもいいじやないか、こういう議論がありましたが、それは相当実費に対しまして殆んど大部分或いは半分程度を現在の非常な高いときにおいて負担して頂くということは、昔の制度に戻つてしまう。即ち電話が一部の特権的な人に独占されておつたという批判を戦後されたこともあるのでありまして、その辺を十分考えまして、丁度電話公債が御承知のように三万六千円というところにつきまして、而も地方におきましては、当時の実際の結果といたしましては少し高いというような実際上の声もあつて、現実の姿に現れておつたのを、私ども十分それを考えに入れますと同時に、公債は御承知のように飽くまで元利金はお返しするということになる。今度あの負担金というものは五年間において契約から離れて来ますれば、お返ししますが、その後においてはお返ししないということにいたしております。なお又過去と違つておりますのは、昭和二十四年二月十四日以降の新設の電話は讓渡ができないということにポツダム政令によつて定められておりますので、昔のごとく財産的なものとして売買ができないというようなことを考えまして、できるだけ負担されるかたにも納得の行かれる線ということで、結局三万円という線を出しますと同時に、地方には更にそれを下廻つた二万円というようにしたのであります。財源を得る途としては、或いは殊に三月来降非常に器材の値上りから見ますと低いという、そんなあれなら取らんでもいいじやないかという議論も或いはできるように、比率としては低くなつておるわけでありますが、それでもなお今言つたような諸要素を考えまして、三万円ということに考えを落ちつけたような次第であります。
  54. 山田節男

    ○山田節男君 今まで逓信省時代から推して見ると、電話の設備について、明治四十年来からずつと寄附開通制度と、至急開通制度、それから特別開通制度、終戦まではこの制度がずつと伝統的に行われているのであります。これは私は明治四十年以来の日本の電話の架設というものは官営でありながら、こういう制度をとつたということは、この架設については、やはり受益者の負担というような方針でやつて来たのだろうと思うのです。今靱次官は、終戦後はすべて民主的にやらなくちやいかん、大衆に負担を余りかけちやいかん、こういう御趣旨で、三万円の基準は物価の基準からいえば、今までの制度の中で一番安い負担額になつておるわけでありますが、終戦後においては受益者の負担じやない、こうおつしやるが、先ほど来鈴木、新谷両委員が質問されて明らかになつておるが、今日電話の架設が十五万円、二十万円実際かかる、この制度によつて大都市に集中して、成るべく三万円プラスアルフアーというこのアルフアーを少くする、こう言われますが、少くとも今後五年間、これは毎年五十億円としても二百五十億円、そうすると三万円によつて、一個当りの架設の一部の負担として、プラスアルフアーのアルフアーというのは結局やはり国庫から出るものであつて国民負担になるわけですね。ですからこの電話の架設を受けた人は、三万円という極めて僅かの金、プラスアルフアーというものは国民の税の負担においてこれが補償される、私はそこに国営である、殊に今のような官庁としてやつておる電話の非常にこれは非民主的なところであろうと思うのです。ですから今の靱次官の言われるような、むしろ三万円という極めて安いものでやれるというのが非常に民主的であると言われるが、非常に電話需要が多くて供給がこれによくミートできない、ミートできないからには、やはり思い切つて受益者の負担という立場からしたほうが、むしろ民主的じやないか、これは見解の相違ですが、今靱次官がそういう方針でこういう法案を作られたというのですが、若し三万円として、ここに第二・四半期以降において約三十四億、三十三億九千万円ばかりを予想しておられますが、これが例えば予想に反して、これが若し倍になつた場合、或いは五割増し、この二・四半期において五十億、来年の場合において例えば百億を超えるというような場合には、三万円プラスアルフアーという金は、少くとも先ほどのお話から非常な金額になつて来る。そうすると三万円で応募した応募者が、こちらの予想以上の、倍以上、五割以上、倍以上という場合に、三万円の場合でも更にこれを制限しなくちやならんようになるのではないかと予想するのですが、少くともこの三万円出した者はもう全部つけられるという、それから資材は今年度予算において、そういう自信がおありになるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
  55. 靱勉

    説明員靱勉君) お答えいたします。資材の点につきましては、今収入見込として表を御覧に入れております程度につきましては成算がある、こう申上げ得るのであります。然らば只今の三万円出せば必ずつくか、こういう御質問につきましては、これはもう明らかに優先順位的な観念でございまして、御承知のようにすでにもう四十万の申込がある。然るにこの表では十万八万しかない、即ち四分の一しか需要に応じ得ない、こういうことがはつきり出ておるのであります。三万円負担すれば必ずつくということにはまだ到底なつていないのであります。これを成るべく早く解消して、何とか一遍でも需要に供給が追いついて行きたいという考えで、第一の方針としましては、ともかく利用者でなくても、どこからか外部資金でも結構なんですが、ほかの財源を何とか五年間でも相当の財源を確保して行きたい。これを第一方針といたしまして、なお現在の四千円というものにつきましては、とにかく普通の電話の売買が、ひどいのになると三十四、五万円という状態になつておる。或いは又四千円、つい先頃は千五百円でございました。そんた程度電話がつくとも全然考えられない。その間中間にいろいろな存在がありまして、五万円ぐらいどうも途中で周施のほうに渡つて行くというようないろいろな弊害もあるわけであります。これを三万円程度は、これは個人としましては或いは負担が大きいというかたもありましようし、全くこんなものは問題にならんというかたもありましようが、これを区別しないで、これを全体的に見ました結果、三万円ということになつたのであります。飽くまで現在の計画におきましては、三万円出せばつくというような状態には、ここのところ当分立至らないのであります。
  56. 山田節男

    ○山田節男君 まだ二、三ありますけれども大蔵大臣の答弁によつて質問したいと思います。
  57. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 今の山田委員質問に関連しまして、三万円以外のプラスアルフアーというものは、いわゆる一般国民負担だと言われますが、その点は料金でカバーして行つて償却して行つておるのじやないですか。
  58. 靱勉

    説明員靱勉君) その点お答えいたしませんでしたが、我々の企業におきましては、勿論外部資金につきましては、当然元利を償還いたします。租税等によつて賄うものではないのであります。それから加入に入られました人につきましては、これは償却或いは資本コスト、その他運用経費すべてを料金で頂戴するという形になつておるのでありまして、設備に非常に多額の金が……だんだんと物価が上つて来るといういうことになりますれば、どうしても料金の改訂という問題で解決して行かなければならん、こういうふうに考えております。
  59. 山田節男

    ○山田節男君 その次に、これはこういう見解を持つております。電話というものは、電話なら電話の所有権というもの、これを一体物権として考えた場合に、これは私よく知りませんが、たしか電信法なんかでは、その場合には軍事上とか公衆通信上必要なる通信に主務大臣の命によつて電話を使用し得る。それから公安を害するような通信ですね、これを制限する、こういうようなことになつております。第一條には、電信電話政府がこれを管掌すると書いてあるのですね。こういつたことは明治三十何年からか知らんが、国家で、政府でやつている。而もその電話の権利というものは自由に売買、譲渡、担保の物権の対象になるのですね。そうして今度あたりポツダム政令によつて今度はそれを、売買を禁止するというようなことで、そこでこのポツダム政令によつて売買を禁止されたということは占領軍政下の特殊の何というか、姿であるかも知れないけれども、そうするとこれは本当に所有権というか、いわゆる物権として完全な権利があるのかどうか。今言われるように、これは特別会計で、そしてこの料金収入によつて賄うものである。租税によるものではない、租税による国家財政によつて賄うのではないのだ、特別会計である。そこに、そうすると、電話の権利というものが一体どういうようなこれは所有権として厳正な意味において本当の物権かどうか、これを疑うのですね。これは電通省あたりはどういうような見解を持つておられるのか、これをお聞きしたいのですがね、電話の所有権。
  60. 靱勉

    説明員靱勉君) 過去の、旧電話と称してありますが、これにつきましては実は私どもも二十年前逓信省に入つたのでございますが、その当時の電話の理論はなかなかやかましくて、やはりこれは財産権として見るべきものではない。公物の利用という観念で、これはもう他に讓渡できるものでないという見解をとつ心のでございますが、実際におきましては御覧に入れております資料でもわかりますように、当時千五百円という、当時の金としまして非常に高いもの、又安いときでも四百五十円というような負担をして頂いておつたというところから、だからそこに財産的価値が生じた。従いまして裁判所の態度もだんだんと変りまして、結局財産権としてこれを考える。併しながら電話機自体これは所有権と申しますか、電話機自体はこれは物自体として、あくまで政府のものである。併しながら増設電話というのは完全に個人が自分で作り自分で行使する完全な自己の所有である。これに対して逓信省は監督しておつたというような態勢にあつたのであります。ポツダム政令が出ました以降におきましては、殊に電話の本来の姿というものはあくまで要するに電話の利用のサービスを企業形態が提供し、利用者はそれを利用するという一つの契約で、そこに単に一つの財産権として認めるものではない。財産権を特に否定しておるという観念、これは私はいろいろ御議論があるかと思いますが、電話の理論としてはそういうふうに考えて行くのも極めて正当な行き方ではないかと考えております。現在の法制では、その考えで進んでおるのであります。然らば日本の現在の電話の需給の状況或いは電話設備の状況からいつても、そういう理想を言つてもしようがない。もつと自然の姿において全部自己負担或いはPBXが完全に個人の所有にして、どんどん電話を日本でも発達せしむべきだという意見も相当有力な意見として主張されておることも十分承知いたしておるのであります。現在の法律及び制度の現在のままにおきましては、只今申したように、電話の所有権ということでなく、そういうサービスの提供を受ける契約で主に進んでおるというだけのように考える。契約の移転というのもおかしいのですが、契約自体はその人その人だけで契約し、その契約を他に移して行くことができないという態勢にある。こういうふうに現在はなつております。
  61. 山田節男

    ○山田節男君 わかりました。他の質問は明日大蔵大臣への質問が済んだ後にいたします。
  62. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) なお、大蔵大臣の出席の要求は、委員会の決議が必要でありますので、明日の委員、会に大蔵大臣の出席を求めたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 寺尾豊

    ○委員長(寺尾豊君) さよう決定いたします。それでは今日はこの程度で散会いたします。    午後三時三十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            新谷寅三郎君    委員            大島 定吉君            鈴木 恭一君            山田 節男君   政府委員    電気通信政務次    官       加藤隆太郎君    電気通信省電気    通信監     山下知二郎君    電気通信省業務    局長      田邊  正君    電気通信省施設    局長      林  一郎君    電気通信省経理    局長      肥爪 龜三君   事務局側    常任委員会專門    員       後藤 隆吉君    常任委員会專門    員       柏原 榮一君   説明員    電気通信事務次    官       靱   勉君