○
説明員(靱勉君) それでは私から
法案の各条及びお
手許に
御覧に入れておりまする
資料と関連させまして
只今から御
説明申上げます。第一条におきまして括弧内に、「(三十日以内の
加入期間を指定して
加入申込をするものを除く。)」即ち
臨時電話を除きまして
普通加入電話につきましては、全部
負担をお願いするという形に
なつております。
大臣から御
説明ありました
通り、第七条におきまして
適用除外をいたしております国の
機関だけにつきましてこれを除外いたしておりますが、その他につきましては、一切
負担をお願いするということに
なつております。而もこれは
昭和三十一年三月三十一日まででございまして、五
会計年度だけに限り、即ち全く臨時的な
措置であるという
考えに立
つているわけでございますが、
もともと加入申込のかたは、
設備をする
費用の一部を
負担させるということは、
電話の
公共性と申しますか、国が
法律的に
電話の
サービスを提供するという意味合いにおきましては、決して最善の
方法でない。むしろ
加入者としましては、できるだけ安く
電話がどんどん引けるということを期待するのが当然であるのでございますが、
先ほど大臣から御
説明ありました
通り、現在なんとしましても
電話の
需要が厖大である。而も
国家資金の制約を受けまして、
需要の毎年二割
程度しか充足できないという
事態でございますので、臨時的にかかる
負担を
利用者のかたにお願いするという形に
なつているわけであります。
加入者の
希望のほうからいたしまするならば、
政府は現在
施設料四千円で
電話をつけるという
一つの義務を負
つているわけでありますが、申込んでもなかなか二年、三年
とつかないという
ような
状況でありますので、それでは
一つ我々が
費用を
負担してもなんとか付けてもらえないだろうかという
ような御要求が非常に多いのであります。併しながら現在の
法律の建前におきましては、それにお応えすることができないということに
なつているわけでございます。殊に
私設交換設備ですか、
増設電話、
PBXと申しておりますが、
PBXの
施設をしたいがどうしても
予算がないできない。
折角PBXができても
電話が全然つかない、こういう
ような
状態が本
年度以降非常に多くの
事態が予想されるのであります。それに対しましても、
曾つて前にや
つてお
つたように
自分自身で
設備して
自分で補修してくれさえすれば、国の
予算がなくてもできるじやないか。然るに国でやると言
つて置きながら、
予算がないとい
つて断わられるのは甚だ不合理であるという非難も、非常に強く出ているわけでありまして、これらの要請に応え、而も
電気通信省といたしましては、できるだけ自己の
施設として完全な
措置をしまして、良好な
サービスを提供するという意味におきまして、国の
施設であるという方針を変えないで、どうしても必要な
資金を一部
負担して頂くという
ような方向でこの五年間切抜けて行きたい、こういう形に
なつているわけであります。三万円以内において
政令で定める額を支払うという形に
なつておりますが、これは
先ほど御
説明ありました
ように、一、二級局、即ち
東京ほか五
大都市及び
福岡、
金沢を入れました八都市におきましては三万円、その他は二万円、
単独加入の場合はこういう
負担をお願いする。
共同加入につきましてはこれを安くいたしている
ようなことに
なつております。
そこで二項におきまして、
在来電話を申込まれましていよいよ開通することが可能であるという場合におきましては
承諾いたしまして、
装置料等を納入して頂くという形に
なつておりますが、この
負担よりもこれらの
通知を発して
一定の期日に三万円以内を納めて頂く、これが
支払いができない場合にはその
承諾は
効力を失う、即ち
申込みがありましてもこの
負担を願えない場合には、設置できないということになるわけでございまして、在来申込んでいるものはどうかという問題になりますが、現に
相当の
申込みが積滞いたしております。
東京の例を引いて見ましても、約九千、
大阪におきましては約五千
程度の
申込みが積滞しているわけでありますが、これら工事可能なものにつきましては、順次
承諾の
通知を出しまして七月一日以降におきましては
負担金をお願いできるというかたに開通をして行く、こういう形になるのでありまして、七月一日以降改めて
加入申込をして頂くという
ような
方法はとらない
考えでおります。
それから第二条におきましては、御
承知の
ように現在の
昭和二十四年二月十四日以降でございますが、この
電話につきましては譲渡ができないということに
なつております。従いまして
東京で三万円
負担願いまして、そのかたが一年経
つて大阪へ移らなければならんという
ような場合におきましては、三万円……全く
負担したままに
大阪へ
行つて又三万円
負担しなければならんということは、一面非常に酷でありますので、五年間は
契約から離れて
行つた場合におきましては、三万円をそのままお返しするという形に
なつております。即ち五年がいいか何年がいいかという問題があるのでございますが、私どもいろいろな事情を
考えまして、大体五年という
ようなところにこの
法案は作成いたしているわけでございますが、然らば年々どのくらいそういうかたがあるかという問題になりますと、大体二%
程度あるのではないかというふうに
考えております。
次に第三条でございますが、第三条におきましては、
戦災で未
復旧の
電話が現在これは二分の一がございますが、十四万五千
余りでございます。実際を申しますと、
戦災電話というもの
は
曾つて利用されてお
つた電話でありまして、これをどうしても当然
復旧しなければならん
性質の
電話でございますが、十四万五千ございますので、この
戦災電話のみ
復旧するということになりますれば、二、三年というものは或いはそれにのみかからねばならん、新らしい
需要に応じ得ないという
ような
状況でございますし、又
戦災復旧を要求されるところが工事上全く不可能な地域があるのでございまして、それだけを取出して開通することができないということで、現在におきましては、同じ順位の場合におきましては優先するという
程度しか、
戦災電話について特別の
措置がとられておりません。併しながらこの
戦災電話は旧
電話でございまして、譲渡可能の
電話であります関係上、
普通電話と違いまして自由に
転々売買ができるという
一つの
性質を持
つているわけでございますが、これにつきましても三万円の御
負担を願う。併しながら
只今申上げました
ような
性質でありますので、五年以内ならお返しするという
ようなことをやりまして、いつでもこれはお返しするという
ようなことで、
戦災電話につきまして若干その
状態を尊重いたした、こういう次第に
なつておるわけであります。
第四条の点におきましては、これは
戦災電話の場合の
支払いを受けるものは誰かという
規定を設けたのであります。
次に第五条は、
増設電話の
負担の問題でございますが、これにつきましては殆んどその
経費の、
装置に要するところの額にほぼ等しい、勿論以上ではありませんが、以内におきまして
政令で定める額を
負担して頂く。これは
加入電話と違いまして、大体
経費の大
部分を
負担して頂くということになるわけでございます。
そこで返りまして、
加入電話の三万円というのはどういうふうにきめたかということになるわけでありますが、現在
市内電話といたしましては、どのくらいの
経費を要するかという問題があるのであります。最近の
物価の
値上りを入れて
考えて見ますと、大体
電話一本につきまして二十五万円、
市内電話の分におきまして十六万円、
市外電話におきまして九万円という
計算になります。二十六
年度の
予算におきましては、大体十八万円
程度であつたのでありますけれども、三月以降の
物価値上りから見ますと、二十五万円
程度を要するという
計算になるのであります。即ち
市内の
電話の十六万円に対しまして三万円以内を
負担して頂くという形に
なつておりますが、
増設電話のほうにおきましては
交換機等におきまして、殆んどそれに要する
経費に等しい額を
負担して頂く。然らば大体どのくらいの額であろうかという問題になるわけでありますが、
自動式の二百回線の内線を持つ方式によりましては
交換機におきまして五百万円から七百万円という
ような
価格になるわけであります。普通の小さい或いは最もよく出る三十回線、四十回線というものにおきますと六十万から七十万円という
ようなところになるかと思います。それを大体そういうラウンド・ナンバーに応じて御
負担を願う、それは
一定の定められた金額で甲、乙ない
ようにいたして行きたいと
考えております。
電話機につきましては、現在
電話機の
価格も
相当値上りを見まして、一番安いもので約四千円、高い、
磁石式が非常に高いのでありますが、これが六千五百円くらいに新らしいものは
なつておるのであります。大体新らしい
電話機につきましては、私どもの
考えといたしましては、四千円
程度御
負担願うという
ようなことで、現在
政令を定める場合に
考えて行きたいという
ように
考えておりますが、それは
電話機の
実費より内輪に
なつておるという
計算になるわけであります。
加入電話につきましては非常に
申込みの積滞が多い。
只今大臣からの御
説明にも四十万から七十万という
状況でありますが、
増設電話の
利用につきましては、現在のところ大体十万
余りの
需要があるというふうに
考えております。
第六条は、然らば
増設電話機につきましてはそれだけの
相当高額の、殆
ど経費に等しいものを
負担して頂くということにいたしておりますが、これは
会社等で
利用するものが殆んど大
部分でざいますので、先ず大体途中において
死亡という
ような
状態はないわけでありますが、併しこの
契約から離れて行く場合、或いは全然
自分のほうは必要がない、或いは特に
増設電話の
使用を禁止しなければならんという
ような場合におきましては、そのまま
負担したものをもらい切りということも非常に酷でありますので、十年間を限りまして十分の一ずつ減額したものをお返しする。仮に一千万円かかつたといたしますれば、五年経つたら五百万円返す、こういう形に
なつているのであります。この性格につきましてはいろいろ問題があると思いますが、これは寄附をお願いするという
観念に
なつているのであります。併しながら十年以内でそれを廃止するという
ような
事態につきましては、そのまま全然お返ししないということも誠に常識的に申しまして不合理でありますので、かかる
方法を
とつたのであります。必ずしもこれは
減価償却を必要としていないのでありますが、この
法律におきましては、そういう
観念でやるということにいたしております。
加入電話につきまして三万円、五年以内は
全額国庫負担とする、それじや年限は長い間十分の一ずつ減らして行くということに、若干の問題があるのでありますが、これにつきましては
使用料におきまして大体
実費を取るということに
なつておりますので、
一定の
期間につきましては
使用料を減額して行くということによりまして
PBXの
経費の
負担をされたかたに対しましても、できるだけ
負担を少くして行きたいというふうな
考えでおるわけであります。これは
料金法の問題でございますが、現在におきましても局におきまして建設し、保守するものと、個人のかたは現在多数所有されておりますが、それの保守だけを受けるものとは、
使用料において非常に差があるのでありまして、或いは又現在の
設備をそのまま
政府に寄附しまして、
自分のほうはもう
減価償却その他は一切やらんという
ような
方法も
考えられまして、いろいろその受入れもや
つているわけであります。それら不公平のない
ようにバランスを
とつた
使用料というものについて対処して行きたいというふうに
考えております。
二項、三項、四項は、これは
部分的に
増設電話機につきましては、初め百回線であつたものを二百回線に増すとか、二百回線であつたものを百回線に減らすとか、いろいろ変動がありますので、それに対する
規定を設けたのであります。
なお第四項におきましては、これを全然
使用を廃止された場合に、そのまま
利用できないということも
考え得るのでありますが、
相当のこれに
装置にも多くの
経費を要しまするし、又その
設備自体が役に立たなくなるということも
考え得ますので、そのまま
利用できない場合には、
撤去に要する
費用を
負担して頂くという
規定に
なつております。
PBXを全面的に国の
資金でやる場合におきましては、
一定の
期間むしろ損害賠償を取るということは
アメリカ等の国におきましてもや
つておるところであります。四項の
規定は大きな
設備を持つものについて
撤去費につきまして考慮いたしている次第であります。
第七条は、
先ほどからお話があつた
通りであります。
そこでなお附加えて御
説明申上げて置きますが、一体これでどのくらい工程が殖えるかということでございますが、これはお
手許に
御覧に入れております
資料につきましてどのくらい、七月以降にこの
法律を施行いたしまして
負担金が入
つて来るかということは、別表の一番下に三十三億九千四百万円というものが出ているわけでありますが、これの算出の根拠になりましたのを下に書いております。即ち
加入電話は十万八千と見ておりまして、
予算におきましては七万五千ということに
なつております。それから三万三千出されたものとしまして更に第一
四半期がすでに経過しますので、
加入電話につきましてはその下にございます一万八千は、現在の
制度のまま
増設電話につきましてもやりたい、そういうことに
なつております。それから国の
利用する
電話の
見込数を差引きまして、一、二級局の分が法定として四万四千三百六十と、その他の局は二万五千五百六十、多数
共同は一万四千という
ようなことで、結局八万三千九百二十というものがこの
法律の実施後に対象になるというふうに
考えております。
それから
増設電話につきましては、
予算につきましては
甲増、
乙増併せまして五万と
なつておりますが、この表にございます
通り五万に対しまして
甲増を五万、
乙増を四万ということにいたしております。
先ほど御
説明いたしました
通りに
PBXのほうにおきましては、殆ん
ど経費の全体の額を
負担金としてお願いいたします結果、これは
希望がございますれば
交換機の製造が間に合いますれば、
必らずしもこれに拘束されるものではありませんで、もつとどんどん
需要に応じて行ける
性質のものでございます。
大体各条項につきまして極めて簡単でございますが御
説明を終りまして、御質問にお答えいたしたいと思います。