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委員外議員(
千葉信君) いろいろ私も心配して参りましたけれ
ども、そういう御
計画が実際に実施されるということになりますと、これは他のいろいろな点については又考慮の余地もありましようけれ
ども、大体において問題はスムースに解決するのではないかと思いますから、その点については
只今の御
答弁のように是非実施されるように、私からも特に御要望申上げておく次第でございます。
又この問題に関連しまして、その従業員の能率の惡いという原因として、勤続年数が非常に短い、こういう点を御指摘になられたようでございますが、私もこの点については実は全く
同感なんでございますけれ
ども、例えば第一回に手動式から自動式に切替えたその途端には、何か知りませんけれ
ども、非常に交換問題が早くな
つて七秒乃至八秒という状態で、一度はそういうふうに非常によい成績を挙げたと、それがもう間もなく又一カ月足らずのうちに元に戻
つたというような形がありますから、その点から言いますと他にも原因があるようにも
考えられますけれ
ども、併しおつしやる
通り従業員の待遇というか、或いは給與というか、そういう点については私も全く
同感でございますので、この問題についても又重ねて
お尋ね申上げたいと思うのですが、他の一般職の職員の場合では、これは一律に一般俸給表で扱われておるようですが、その中で特に郵政、電通の従業員の場合には、この人々も又一般俸給表で律するということは、相当仕事の
内容からい
つて無理があるのではないかというふうに私は
考えておりますし、又この問題については人事院当局としても、現在の段階ではそろそろ、つい最近に職階制が実施されて、そうして職階制によるところの職種の分類や或いは職級明細というものが
はつきりする時期が近いとは思いますけれ
ども、併しそういう場合といえ
ども、現在行われているところの一般俸給表であるとか、或いは特別俸給表というものが相当その切替のときに大きく影響を與えると、そういう点から言いますと、私は單に近い将来にそういう形で能率給の形に移行するかどうか知りませんけれ
ども、そういう職階制の実施に伴
つて切替えられて行くときが近いといたしましても、私はやはり電通当局なり郵政当局としては、たとえ時間の問題がどうあろうとも、現在の段階において一般俸給表で律して行くということが無理だということがわか
つている場合には、やはり特別俸給表の適用というようなことを
考える必要があるのではないか。その点については、人事院としましても一応の
見解としては、やはり電通、郵政従業員に対しては特別俸給表の適用が至当ではないかというふうに
考えておられるようでございますが、この点について一体電通当局としてはどういうふうに人事院当局と折衝するなり、或いは省内でこの問題に対する
意見というものがどの
程度の状態にあるか、この点について人事部長から御
答弁を承わ
つておきたいと思う。
実は私昨年の八月に、参議院の人事
委員会から公務員の給與の実態
調査に参りまして、各地方においていろいろと公務員全体の待遇水準というものを
調査いたしましたが、そのときにも
はつきりと電通、郵政関係の従業員が非常に他の場合に比べてみじめな状態にある。これは同様な條件を持
つている人の場合も又相当差があるようですし、又仕事の
内容というようなもの、職務の
内容というようなものもかなり煩雑であ
つたり、責任のある仕事をや
つておりながら、電通従業員或いは郵政従業員の場合には、下廻
つた待遇を受けているということが相当明瞭に把握されるというような点がございます。特に私は次のような話を聞いたのですが、それは或る地方に
行つて、官民一緒にお集り願
つて、労働組合の諸君なんかも参加しまして
懇談会をいたしました席上で、地方の郵政、電通関係の管理者からこういう話が出たのです。それは、自分のほうにもう二十五年なり三十年なり長年勤続して、そうしてこの職場の幹部級の諸君がたくさんいるけれ
ども、そういう諸君の中から当分の間よそへ転任させるような、転任といいましても、これは局長さんがたの
考えとしては、相当長く勤務したのだからそろそろよその課長だとか局長だとかいう形に栄転さしてやろうという
意味の転任なんですが、そういう転任ということを局長さんのほうでいろいろと画策されてお
つた。それに対してその局長の幹部諸君が皆で相談した
結論として、当分の間よそへ栄転さしたり転任させるというような方法はやめて頂いてここで使
つていて欲しい、この職場で働かしておいて欲しいということを申出た。ところが一生懸命もう二十年も三十年も働いた諸君が課長や局長さんにな
つて行くということは、これは人間誰しも希望するところなんで、そういう点を放棄してここでもつともつと働いていたいということがちよつと腑に落ちないので、一体どういうわけで自分が折角引立ててやろうと思
つているのに反対するかということを聞いたというのです。ところがその
人たちが、つい最近自分たちの同僚がよそへ栄転した、ところがその栄転する自分たちの同僚を駅頭へ見送
つて行
つたところが、この
人たちは御
承知のように物価の高い終戰後のこういう混乱した状態の中に、やはり今でも依然として竹の子生活という状態を繰返しておる。新らしい衣服を買うどころか、むしろ自分たちの手持の衣服類から家具類から大体金目のものは続々売り佛
つて殆んど裸同様で暮しておる、そういう恰好が、たまたま駅頭の見送りのときに、同僚の姿や家族の服装の点に現われてお
つた、もう奧さんの服装にしても、子供の服装にしても、晴れかましいそういう席上で見送られる立場、そういう立場での服装とは到底受取れなか
つた、非常にみじめな、顔を背けざるを得ないような恰好だ
つたと、ところが
考えてみると、そういう状態というのは單に自分の同僚の場合ばかりでなくて、自分たち自身の問題だと、若し仮に自分たちがそういう立場で、自分が栄転ということであれば一応功成り名を遂げたという立場で送られる恰好だから、気持は晴れがましいかも知れないけれ
ども、そういう晴れがましい駅頭の多数の同僚の見送りのときに、自分の家内や自分の子供をその同僚の前から蔽い隠したいようなみじめな恰好で見送られるかと思うと、自分はそういう目に会いたくない、もう少し何とかな
つてからそういう転任とか何とかいうことなら、これは勿論気持もはればれとして行くかも知れないけれ
ども、こういう状態は自分たちとしては到底我慢ができない。
従つて、そういうような栄転とか或いは又転任とかいうようなことについては、当分の問題下げにしたい。これが実際に二十年も三十年も一生懸命自分の一生を棒に振
つて働いて来ておる従業員諸君の実情なんです。
従つて、こういうふうな点を何とか
考えてやらないと、これはまあ單に電通、郵政関係の従業員だけの問題ではないかも知れませんけれ
ども、併し少くとも、これは戰前もそうなんですが、逓信省時代から従業員の待遇というものはかなり他の官庁と比べると大きなハンデイがあ
つた。これはいろいろな原因もありましようけれ
ども、そういう状態が、やはり官公吏諸君の俸給が全国一律というような形で扱われておる段階でも、そういうような従来のハンデイというものが、従来の状態というものが相当尾を引いている。こういう点があるにもかかわらず、一方その仕事の
内容はどうかというと、決して他の官庁の職員に比べて楽な仕事をしているのでもなければ、むしろ個々の状態を比べると相当困難な仕事や複雑な仕事を、特に現業職員の場合にはその仕事は相当むずかしい、責任のある仕事を皆背負わせられておる。こういう点から
考えると私はそろそろもうここらあたりで、特別俸給表というものをがつちりとお
考え願
つて、こういう状態を救済してやるような方法について至急にお
考えを願いたいと思うのですが、こういう点について人事部長のほうから、
先ほども
お尋ねしたように特別俸給表の問題に関連して
お答えを願いたいと思います。かように
考える次第であります。