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1951-07-30 第10回国会 参議院 電気通信委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月三十日(月曜日)    午前十時五十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波行政に関する調査の件  (電波監理委員会所管事項に関す  る件)   —————————————
  2. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) これより会議を開きます。  電波行政に関する調査議題に供します。先ず委員長より所管事項説明がございます。
  3. 網島毅

    説明員網島毅君) 今日富安委員長ちよつと御病気でして、この数日間お休みなものですから私代りまして参上いたしました。私から代りまして電波監理委員会所管事項につきまして御説明申上げます。先般の第十回国会におきまして、今年の春までの電波行政の問題につきまして御報告申上げましたが、今回はそれ以後の問題につきまして二、三御報告申上げたいと存じます。  先ず最初に御報告申上げたいことは、電波関係国際会議の問題でございます。第一の問題は国際無線通信諮問委員会というものでございますが、この国際無線通信諮問委員会と申しますものは、国際条約によりまして国際電気通信連合に附置されている委員会でございまするが、これがどういうことをやるかと申しますと、御承知のように電波関係はいろいろ技術的な電波伝播の問題であるとか、或いは受信機性質の問題であるとかいろいろ技術的な問題がございます。そういう技術的な基本的な問題を審議いたしまして、その審議の結果を国際電気通信連合に報告いたしまして条約であるとか或いは又国際無線規則の中にそれを織込むという基礎的な仕事をするところの委員会でございます。この第六回の総会は予定通りスイスジユネーヴにおきまして去る六月五日から本月の六日まで約一カ月間行われたのであります。この前の無線通信諮問委員会、これは一九四八年にストックホルムで開催されたのでございまするが、この会議には私どもの方からは出席できなかつたのでございまするが、今回の場合には日本から四名の代表が派遣されまして、そのうち電波監理委員会から二名、電気通信省から二名、合計四名の技術専門家が出席いたしまして、当面の電波伝播の問題、それからテレビジヨンの問題がやはり議題になつております。それから送信電波のいろいろな質の問題であるとか、先ほど申しました受信機の規格の問題、そういう問題につきまして討議されたのでございます。会議模様につきましてはまだ代表が帰つて参りませんので詳しいことは申上げられないのでございますが、この会議におきまして採択された基準及び勧告は、今後のいろいろな無線通信国際規則の中に取入れられることと相成ると思うのでございまして、私ども我が国から派遣された代表が、その全力を尽して国際間の無線通信のため、及び我が国無線通信のために努力して参つたと信じておるのでございます。  次に本年の八月の十六日から約三カ月に亘りまして、ジユネーヴにおきまして臨時無線通信主管庁会議というものが開催されることになつておりまして、すでに主催者であるところの国際電気通信連合から我が国にも招聘状が参つておるのでございます。この会議は一九四七年アトランチック・シティ会議以来のいろいろな国際義、或いは準備的な委員会におきまして協議されましたところの世界各国波長割当問題につきまして、最終的な結論を出す会合でございまして、この会合の結果によりまして今後の世界各国電波割当、どこの国が幾つ電波を使い得るか、或いは又その電波は何キロサイクルであるかという具体的な電波割当がきまるのでございまして、これは各国にとりまして極めて利害関係の深い会議でございます。勿論我が国におきましても、この会議の結果によりまして、今後我が国が利用できるところの電波の数というものがきまりまして、電波監理委員会中心といたしまして、電気通信省その他国警であるとか海上保安庁であるとか、或いは又放送協会その他諸般電波を利用している面の担当者が随時会合いたしまして、万遺漏のないように準備を進めて参つたのでございます。このようにこの会議は重要な意味を持つておるのでございまして、この会議に派遣する代表につきましては、各種の無電業務の問題につきまして十分精通した者を必要とすると存ずるので、ございまして、我が国代表につきましては、電波監理委員会中心といたしまして関係省その他外務省、大蔵省等連絡をとりまして、現在のところ五名の代表が出席できるということになつておるのでござまして、目下人選につきましては手続中でございまして、恐らく明日かその次の閣議で決定するのではないかと存じておるのでございます。  次に有線放送業務運用規正に関する法律施行状況について御報告申上げます。去る第十国会におきまして、この有線放送に関する法律が公布施行せられまして、四月十日現在有線放送業務を行なつてつたものは七月八日までにその届出をしなければならないことに相成つておるのでございまするが、その届出状況届出を必要とする施設推定概数約五千九百件に対しまして、約五一%の三千二十六だけが届出が済んだのでございます。その内訳は共同聴取が五百二、告知放送が七十八、街頭放送は二千四百四十六でございましてその成績は必ずしも良好であるとは私ども考えておりません。勿論私どもといたしまして最善の努力はしたのでございまするが、何分にもこれは後ほど申上げまするが、この有線放送のいろいろな調査或いは届出、周知、宣伝等に必要な経費が僅少でございまして十分私どもの意図するところを行い得なかつたということと、それからその対象とするところの街頭放送は非常に区々まちまちでございまして、大きなものから街頭ラウド・スピーカー一つ二つを出してやつておるという小さなものまで千差万別で、ございましてなかなか実態をつかめなかつた。又施設者側におきましてもその施設の重要なこと、殊に新しく法律によつて規正される対象なつたというようなことに対する認識が十分行き届かなかつたというような点にあるのではないかと考えておるのでございまして、私どもといたしまして今後一段の努力を払いたいと考えておる次第でございます。  次に第三といたしまして非常無線通信協議会設立につきまして御報告申上げます。これは電波法第五十二条及び第七十四条に規定されておりますところの非常無線通信、即ち地震であるとか或いは大風、洪水、火災、暴動等非常事態が起つたとき及びその発生する虞れのある場合におきまして、治安維持或いは人命の救助、災害の救援及び交通、通信確保等のために行いますところの無線通信を円滑に疏通させようという極めて重要な目的を持つておるのでございまして、過般電波監理委員会といたしまして関係諸官庁及び民間諸団体とも十分協議をいたしました結果、先ず申合せによりましてお手許に差上げたような規約を作りまして、この規約に基きまして非常無線通信協議会というものを作りまして非常の際におけるところの無線通信連絡の遺憾のないように平常よりあらかじめお互いに協議して行こう、そうしていざという場合には無線通信の持ちますところのその特性を発揮して十分国民要望に副いたいということを期しておる次第でございます。  次に一般民間放送進捗状況について申上げます。先般の国会におきまして、予備免許を与えられましたところの民間放送局はそれぞれ十六局であるということを御報告申上げましたが、これらの民間放送局はそれぞれ設立準備を進めておる模様でございまして、その進捗状況は各局それぞれの事情によつて差異がございますが、大部分の局は今年の末までには運用を開始したいという希望を持つて準備を進めております。一、二の局におきましてはすでに相当の準備が進んでおりまして、大阪の新日本放送のごときはすでに試験電波も発射いたしまして、目下当委員会検査を受けておるというような状況でございまして、来月中には電波が出し得るのではないかというように考えておるのでございまして、なお先に免許の拒否を留保いたしましたところの四局及びその後新たに長野、静岡等土地から民間放送の申請があるのでございますが、これらにつきましては目下慎重に検査中でございます。  次に国際放送の問題について申上げます。国際放送につきましては、先般衆議院及参議院両院におきましてこれが再開促進に関しまして決議が行われまして、政府に対して必要な措置をとるよう要望がございましたが、電波監理委員会といたしましても、この国会の要請に鑑みまして又講和を目前に控えました現在新しい世界情勢に即応した国際放送実施するために、関係各省その他の関係方面との間に国際放送の基本的な性格実施方法等につきまして種々協議を重ねておるのでございまして、これが再開可能の日のできるだけ早からんことを希望しまして準備を進めておる次第でございます。  次にテレビジヨン放送について申上げます。電波監理委員会といたしましては、テレビジヨン放送というものが企業的にも技術的にも従来の放送事業多分にその性質を異にする点がございますので、現在のごとく実験の段階にあるテレビジヨンを実用化するためにはなお一層の調査研究を行う必要があるのでございますが、今年の春の国会におきまして衆議院におきまして、テレビジヨンを促進するための措置を速かにとるようにという決議もございました。当委員会といたしましてもこれらの国会要望等を勘案いたしまして、できるだけ速かに我が国テレビジヨン実施したいという考えの下に準備を進めておるのでございます。  最後に本年の四月二十三日に渡米いたしました監理委員会委員の一行は、極めて充実した日程によりまして調査研究を終りまして去る七月十九日帰国いたしました。ここに電波監理委員会は発足以来一年間の経験と最近のアメリカその他等におきまして調査研究いたしました知識とをもちまして、新たな構想の下にその任務を果すべく第二のスタートに着いた次第でございます。即ち私ども電波監理委員会設置法電波法及び放送法等関係法律の趣旨とするところをよく体しますと共に、委員会の運営の合理化能率化につきましてもできる限りの改善を加えまして、折角の御期待に副うよう万全の努力を、払う所存でございます。  なお世間には、電波監理委員会委員会と称しながら三千人余りの職員を擁しておることにつきまして、ややもすれば疑問を持たれる向きもないではございませんが、電波及び放送行政が高度の専門的な知識技能を有する職員を中央及び地方に必要とするのでございまして、且つ職員の約四分の三というものは全国に割つてありまして、無線局検査或いは電波の監視、無線従業者国家試験執行というような多数の現業的な性格を持つた事務に従事しておるのでございまして、これらのことは当電気通信委員会皆様方にはよく御承知のととろでございます。而も二十六年度におきましては、予算緊縮の建前から五百二十人に及ぶ減員を見ておるのでございまして、所堂事務遂行上いろいろ苦慮して参つておるのでございまするが、条約の履行及び法律施行のためには現在の定員は絶対に必要であると私ども考えておるのでございます。又国内無線利用普及発達に即応いたしまして、この電波監理の現業的な事務に従事する職員は今後更に増員を必要とするのではないかというふうに私ども考えておる次第でございます。  更に予算の点につきましても、有線放送業務運用規正に関する法律執行に要する経費が甚だしく貧弱でございまするほか、最近の閣議の決定による節約の問題等もございまして大いに苦慮しておるところでございまして、電波法放送法等施行につきまして重大な法律上の責務を負つておりますところの私どもといたしましては、業務遂行に必要な予算は是非確保しなければならんものと存じております。又来たる二十七年度の予算編成に対しましては、先ほど申上げました国際放送再開に備えましての経費テレビジヨン放送に関する諸般経費不法電波探査等電波監理の強化のための経費等確保をしたいと考えていろいろ努力をいたしておるのでございまするが、以上申上げました人員及び予算等の点に関しましては、今後とも皆様方の十分なる御理解と御支援とを仰がなければならないと存じておる次第でございまして、この点くれぐれもよろしくお願いする次第でございます。  簡単ではございましたがこれを以ちまして電波監理委員会所堂事務についての報告を終りたいと思います。
  4. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御通知を申上げたいと思いますが、本日は電波監理委員会所管事項についてのみ審議をいたすということになつておけますから、御質疑等がありましたならば続いてお願いをいたします。
  5. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 只今網鳥委員長から御説明がございまして、現在の電波監理委員会がなされておること、又なさんとしておられまする事柄についてよく了承したのでありますが、そのお話のことについて二三お聞きいたしたいと思います。  今度の臨時無線主管庁会議ですか、これは波長割当ということが主たる問題になるわけですが、二三年前のメキシコ会議のときからこの問題はずつと論議されておるように聞いておるのですけれども、これはこの会議行つて初めて各国はその割当に対しての論議が行われるわけですか。
  6. 網島毅

    説明員網島毅君) 御質問に対しして御報告申上げます。御承知のように一九四七年にアトランチツクシテイにおきまして戦後初めての条約会議が行われまして、今後の世界各国電波監理基本方針が定められたのございまするが、この戦後の国際条約の新しい点、従来の条約との全く違う点はどこかと申しますと、最近の世界名国の非常に多い波長の要求、及び最近頻繁に起つておりますところの混信問題に鑑みまして、今後世界各国が使うところの波長というものは国際間の協議によつてきめて行こうというふうに方針が変つたことでございます。御承知のように従来はいわゆる使用する業務別波長の幅をきめまして、その幅の中におきまして世界各国各国の主権に基いて自由に電波を利用できたという行き方をとつたのでございまするが、今後はそういう自由がなくなりまして、国際会議各国一つ一つ波長をきめて行こうという行き方変つたのでございます。  ところで従来世界各国使つてつたところの波長を新らしい方式に直すためには、先ず従来の各国使つてつた波長が合理的なものであるかどうか、理由のあるものであるかどうか、国際的に混信を起さないかどうかというようなことを調べる必要があるのでございまして、それらのものを十分調査いたしまして新らしく今後の世界各国波長割当案というものを作成する準備といたしまして、先ず我々が通称PFBと言つている国際波長割当準備委員会というものがジユネーヴに作られたのでございます。この会議にはGHQ技術顧問といたしまして、現在の電波監理委員会監理長官であるところの長谷氏がそれに出席いたしまして、それの準備的な業務にずつと従事して参つたのであります。それからこの国際間の短波放送に関しましては、これは他の通信業務と非常に性質を異にしておりまして、多分に政治的な色彩を持つているのでございます。勿論御承知のように現在世界各国国際放送を通じましてその国の宣伝をやつております。宣伝というと言葉が悪いかも知れませんけれども、要するに自分の国の国情その他主義主張を相手に認識させるという放送をやつておるのでございまして、この波長を余計獲得できるかどうかということは、直接その国の外交的或いは政治的な分野に多分に影響を持つために、これだけは特にPTBから切離しまして別な会議でこれを協議することに相成つてつたのであります。その準備的な会合を一九四七年のアトランチツク・シティの条約会議の際に行いましたが、その申合せによりまして第一回の短波放送会議メキシコで以て十九四八年に行なつたのであります。ところでメキシコにおきましては、一応の結論は出たのでございまするが、御承知のように波長割当というものは、これは太陽活動状態におきまして、或いは又春とか夏とか冬というような季節によりまして波長割当が違つて参るのでございまして、メキシコ会議におきましては、太陽活動が中くらいで而も夏という一つのケースについてのみ結論を出したのであります太陽活動状況大体大中小に分けまして、それを更に季節的に春秋と夏と冬と三つに分けまして合計九つ割当の案が必要なのでありますが、そのうちの一つだけをメキシコ会議でやつたという次第でございます。勿論これが基百礎になりまして昨年イタリーのフローレンス、後にラツパロに移りましたが、そのイタリー会議におきまして残りの八つの周波数の作成案というものを作る準備にかかつたのでございますが、これは不幸にして途中において朝鮮事変が起つたために、アメリカ中止動議が可決せられまして途中において中絶して完成を見ておらないという状況でございます。  なおこの外に波長によりましてあまり遠くへ飛ばない、即ち極く地域的に近距離土地通信だけに使われる波長がございます。これは大体放送、いわゆる中波の放送から短波に至る中間の波長でございますが、こういうあまり遠くに飛ばない波長につきましては、いわゆる地域会議という地域的な国際会議によりましてその案を作成することになつておるのでありまして、これは先ほど申上げたPFBと並行いたしまして、極東方面各国の間におきまして一応の割当案の草案というものができ上つております。以上申上げましたようにいろいろの国際会議準備されて参つたのでございましたが、これらはいずれも準備的な会合でございまして、その会合の結果によりまして直ちに効力が発生するというわけのものではないのであります。ただ先ほど申上げました国際放送会議はこれは主管庁会議でございまして、若し昨年のイタリー会議成功裡に終了しておりますれば、直ちに主管庁会議の結果によりまして効力が発生し得たのでございますが、先ほども申上げましたようにそれにつきましても未だ最終的な結論を得ていないというような状況でございす。従いまして従来のPFB会議或いは又地域会議において作成された案及びメキシコ会議及びイタリー会議で以て一応論議された短波放送のいろいろな問題が、改めて八月の主管庁会議に出されるのでありまして、そこで以ていろいろ論議されましてそこで決定されたものが今後世界各国波長を支配するということに相成ります。
  7. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 よくわかりましたが、そうすると今度の会議波長は大体きまる御予定でございますか。従来の予備議はいろいろ中絶したり、こ世界の大きな二つの勢力に常に左右されておつててなかなかきまらないということも聞いておりますが、どんなお見通しでございますか。
  8. 網島毅

    説明員網島毅君) これは全く国際情勢に支配されるのでございまして、予想を申上げることは非常に至難なことでございますが、私個人といたしまして現在考えておると申しますか、予想しておりまするのは、恐らく今度の会議も非常に難航だろうと思うのであります。一応会期は三カ月ということになつておりますがこれは相当延びる可能性多分にあります。それから国際短波放送に関しましては先ほど申上げたいきさつもございまして、今度の会議におきまして結論が出るかどうかは全く予断がつきません。むしろ結論が出にくいのじやないかという感じを私は持つております。  ところが地域的にこのきめられたところの割合に近距離に使い得るところの波長につきましては、これは第三地域会議におきまして一応の結論が出ております。こういうような地域的な問題及びPFB作成しまして従来各国が不満ながらそれぞれ認めたようないわゆる国際通信波長割当の問題、或いは国内通信短波波長割当の問題、そういう問題につきましては或る程度協定ができるのではないかと考えております。従いまして結論として申上げますと、全般的に全部の波長について結論が出るということは考えにくいのでありますが、そのうちの或る程度のものにつきましては、これは国際間の協定というものができまして、そうして協定のできたものにつきまして、今後それによつてつて行くというようなことに落ち着くのではないかという見通しでございます。
  9. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 いま一つ、これは全然別な問題でございますが、委員の方が外国から帰えられて今や一年たち、電波放送実施のために非常に御努力になつているというお話でございますが、最近行政機構の改組というようなことも新聞で見られるのでございますが、現在来年度の予算を編成されます前に、政府の方ではそれに対して何らか具体的にお考えになつておりますか、その点を一つ
  10. 網島毅

    説明員網島毅君) 今政府の方で何か具体的に考えておるかという御質問でございましたが、新聞にも出ておりますように、政府といたしましても内閣方面におきましてはいろいろ考えておられるようでございますが、その内容その他については私どもは存じておりません。電波管理行政を担当しております政府機関即ち私どもといたしましては、過去一年間の経験に鑑みましていろいろな問題がございました。この委員会行政というものは六人、政府行政機関に比べて少くともできるだけその行政民意を反映させるという点において効果があつたのではないかと考えているのでございます。具体的に申上げますれば、規則を制定いたしましても一応作りました案を公聴会にかけましてその結果によりまして改めて委員会においていろいろ論議をいたしましてそうして相当多くの修正をして最後規則を作り上げる。或いは又免許の問題につきましても、むずかしい問題は公聴会にかけてそうして民意を聞いて結論を出すというやり方をやつて参つたのでありますが、これは行政民主化という点からいいまして確かに効果があつた考えております。勿論まだ慣れないものですからいろいろ不手際な点もございましたが、これらにつきましては今後一層改善を計りましてますますこの制度の完璧を期したいというふうに考えているのでございまして、今私どもといたしましては、この制度が今後も残るという予想の下に予算その他の処置を今とりつつあるわけでございます。勿論大蔵省或いはその他の行政機構を担当しておる向きから、委員会行政についてこういうふうな方針予算を作るというようなことをまだ聞いておりません。従いまして只今申上げましたように、従来と同じような委員会行政というものは残るという予想の下に今予算作成その他の準備に当つておる次第でございます。
  11. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 現在来年度の予算はもう準備にかかつておられるのではないのですか。
  12. 網島毅

    説明員網島毅君) 準備にかかつております。
  13. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 大蔵省と折衝されておるのですか。
  14. 網島毅

    説明員網島毅君) 大蔵省から来年度の予算編成に対する大綱と申しますかその方針が参つておりまして、それに基いて今こちらが予算作成するという段階で、ございまして、まだ作成したものについて大蔵省協議をするというところまで行つておりません。
  15. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 いま一つちよつと簡単でございますが、国際放送或いはテレビジヨンの問題についてだんだん具体的に研究もされ予算の問題にもなつているようでありますが、国際放送は来年度早々実施するような段階においてGHQその他の方面との交渉の経過をいま少し詳しくお話願いたい。  なおテレビジヨン調査研究を要する問題であるとして今準備を進めておるというお話でございますが、来年度の予算にはどういうふうな形でこのテレビジヨン問題がとり上げられて参りますか、その辺も差支なかつたらば御説明を願いたい。
  16. 網島毅

    説明員網島毅君) 先ず国際放送の問題について申上げます。これは先般の国会においても御報告申上げたかと存じまするが、現在の段階におきまして先ず司令部との了解を求めなければならないのでございまして、この問題につきまして昨年来いろいろ折衝して参つております。司令部におきましても私ども仕事を担当しておりまするところの民間通信局におきましては非常に好意的にこの問題を考えておられまして、いろいろ部内の各方面との折衝をやつて頂いております。ところで何分にもこの問題はアメリカ側におきましても関係する部局が非常に多いのでございまして、まだ完全に意見の一致を見るというところまでは至つておらないようでございます。  ところで一方我々国内におきましても、やはりこれは電波監理委員会のみの問題ではございませんで外務省、大蔵省その他いろいろ関係方面がございまするので、先ず国内体制を一本にいたしまして強力な一つ方針の下に今後予算であるとか或いは又アメリカその他との折衝を始める方がより有効的ではないかということで、過般外務省及び内閣官房方面とも連絡をとりまして、海外放送に関する一つの強力な委員会といいますか或いは協議会と申しますか、そういうようなものを作成してやつてゆくというふうなことはどうかということで今いろいろ相談をしておるというところでございます。  それからテレビジヨンの問題につきましては、最近アメリカから帰つて参りました委員の方々のアメリカにおける調査結果を以ちまして、先般私ども委員会におきまし七今後の方針の問題につきましていろいろ論議したのでございます。御承知のようにアメリカにおきましてはすでに天然色テレビジヨンが実用化の域に入つております。アメリカ通信連邦委員会におきましてはCBS方式の天然色テレビジヨンを採用するという決定をいたしまして、目下この天然色テレビジヨンが普及される途上にあるのでございます。従いまして今後テレビジヨン実施する我が国といたしましてこの際天然色テレビジヨンというものを目標にしてそれを我が国に普及させるということで行つたらどうかという意見がございます。この意見の根拠となりまするのは、天然色テレビジヨンが出て参りますと終局のテレビジヨン方式というものは天然色になることは明らかである。ところで今若し白黒の方式を採用いたしますとその白黒方式によつて将来の天然色テレビジヨンというものの普及に支障を来しはしないかどうか、或いは又将来天然色のテレビジヨンをやつたときに今の白黒のテレビジヨン・セットを買つた国民が更に一層の負担をかけられるということになるのではないかというようなことがその根拠でございます。これらの問題をも俎上に乗せましていろいろ論議したのでございまするが、電波監理委員会といたしましては、将来天然色テレびジヨンが圧倒的になるといたしましてもそれは相当先のことであるということが一つと。それから又一応アメリカにおいてCBS方式の天然色テレビジヨン実施されることにはなりましたが、これは天然色テレビジヨン方式として唯一のものではないのでございまして、更にRCA方式とか或いは又英国等におきましてもいろいろ天然色テレビジヨン技術が今進歩の途上にあります。従いまして今CBS方式を目標にして日本が計画を立てるということはこれは行過ぎであるということが第二の問題。それから第三といたしまして、将来天然色テレビジヨンということを考慮しつつ、そのときに国民大衆にあまり負担をかけない方式で以て現在白黒を始めるということは、必ずしも不可能ではないということが第三の点でございまするが、これらの点をも考慮いたしまして、先ず日本といたしましては白黒方式で以てテレビジヨンを始める、而もその方式は将来天然色テレビジヨンに移行するということを頭に置いてその方式をきめて行くということの大綱をきめた次第でございます。現在この方針によりまして然らば如何なる技術的な基準をとつて行くかという問題につきまして、それぞれ部内において或いは又部外の諸団体とも連絡をとりまして、その具体的な案を作成しようという段階になつておるのでございます。
  17. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 簡単で結構ですからお答え願いたいのですが、この電波割当国際会議は特殊な国のみの会議であるか、或いは全部の国がお集まりになつて電波割当をおきめになるのか、どういう機構のものかはつきりしないのですが。
  18. 網島毅

    説明員網島毅君) 今正確には数字は覚えておりませんが、国際電気通信条約に加入しておるところの国は約七十数カ国だと思つております。この七十数カ国の国の中には勿論現在の四大国と称せられるもの及び私どもが普通考えられるような国々は全部加入しております。殊にソ連及びソ連の衛星国約十カ国も加入しておるので、ございまして、いわゆる本当の意味の世界各国を包含した国際会議と申しても差支ないものと存ずるのであります。アトランチツク・シティの条約会議は勿論、メキシコ会議におきましてもそれからイタリー会議におきましてもその他PFB会議におきましても、これらの国の大多数の国は代表を送つてつております。但しこの会議の途中におきまして意見の不一致からソ連及びソ連の衛星国と称せられる国々の代表が、脱会したという場合もございます。併し最初の会議にはそれらの国々も出て参つておるのでございます。
  19. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 今の世界情勢からして電波割当は非常に各国とも大きな問題になると思うのでお伺いしたのですが、この場合ですね、規定といたしましては、会議の途中で退席したといつた場合は、パーセンテージが或いは何分の一ならばその会議はきまるとかいつたような特殊な何かあるのですか。又数によつて決定する会議の形式になるのですか、どういうのですか。
  20. 網島毅

    説明員網島毅君) この国際電気通信連合に加入している国はそれぞれ投票権を持つておりまして、一つの議案が決定される前には、出席した国の代表の投票の数によつて、その多数決によつてきめるということに相成るのであります。従いまして最初から出席しない国及び会議の途中において退席した国は棄権というふうにみなされるわけであります。
  21. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 そこで我が国代表五名が出席されまして、各国と何といいますか一対一の対等の立場で、講和を前にしてまだ講和条約が締結されなくともこうした場合には、各国と一対一の対等の立場で権利を主張できるか。
  22. 網島毅

    説明員網島毅君) お答え申上げます。この国際電気通信条約我が国が終戦後世界各国と結んだ二番目の条約でございます。御承知のように第一番目の条約は郵便条約でございます。その次の条約でございまして、この条約日本が加入できるかどうかということにつきまして世界各国の間で非常に大きな論議を捲き起したのでございまするが、アメリカの非常に熱心な努力と好意によりまして大多数の国が賛成するという結果になりまして、我が国は正式のメンバーの一員であります。従つて講和条約前ではございまするが我が国はこれに対しましては投票権も持つておるのでございまして、昨年のイタリー主管庁会議におきましては、我が国から出席しました首席代表の野村法経部長が投票権を行使しております。今度の会議におきましても勿論投票権を行使できるわけでありまして、この意味におきまして我が国は全くほかの国と対等であるというふうに考えて頂いて差支ないと思います。
  23. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 先ほど網島さんのお話の中に、電波監理委員会が発足してから大体一年近く新たな構想でいろいろ検討を進めておるとおつしやいましたが、我々も若干そういう点は感じておりますが、監理委員会では電波関係の三つの法律に関連しまして、特にこれから開かれる臨時国会なり或いは通常国会なりに、法律の改正案でもお出しになるつもりで準備をしておられるのじやないかと思います。今のところまだ具体的にこういう点をこう改正するということまでは言えないでしようが、その主な点を項目的で結構ですからお考えになつている点を極く簡単に御披露願いたいと思います。
  24. 網島毅

    説明員網島毅君) 実はアメリカに参りました委員が帰つて参りましたのは去る十九日でございまして、その後この国際会議のいろいろな問題その他山積しておつたために、アメリカにおける調査研究の結果に対する報告もまだ行われていない、これはまあ明日やることになつております。そういうような状況でございましてまだ具体的にどこをどうするというところまでは参つておりません。併し今日まで委員会の席上その他懇談的に話合つたところでは、この総局と申しますか事務局の機構の問題が一つございます。それから委員の定員の問題及びその職務の分担と申しますかそういう職務の問題、そういうような問題につきましても話題に上つておりまするが、まだ委員会として十分これを掘下げて研究しどうしようという結論を出すところまでは至つておりません。八月中には是非こういう問題につきまして結論を出したいというふうに考えておる次第であります。
  25. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 その程度なら止むを得ませんが、ここでこれはどうしても問題になる事柄ですから今から希望を申上げておくのですが、講和条約ができてそうして本当の独立国になりました場合に、言論機関に対する監督の問題、これが非常に大きく取上げられるだろうと思うのであります。現在御承知のように新聞関係では、総司令部から出した指令によつてすべて監督されております。占領行政が終れば国内法を以て何らか処置しなければならんということになると思うのでありますが、その場合において非常に大きな言論報道機関である放送事業というものに対して、現在の放送法のような程度でよいのか、更に考えるべき点がないかということが非常に大きな問題だろうと思うのであります。この点は新聞紙等に対する法律というものと歩調をそろえて、放送法の内容につきましても十分に慎重に検討しなければならんことだと考えるのであります。これは通常国会の問題になるかと思います。この点十分にお考え願いたい。  それからもう一つお尋ねしたいのは、先ほど鈴木委員からも御質問もあり又網島さんから御答弁があつたテレビジヨンの問題、先ず第一に白黒の方式で先ず暫定的にやるということに大体きまつたということでございますが、これは非常に国民全般に影響のある大きな問題であります。従つて電波監理委員会がこれを職責上一応の結論を持たれるというのは当然でありますけれども、白黒で行くか或いは天然色で行くかという分れ道になつておりますので、これは国会における両院の意見を十分に尊重せねばならないと思うのであります。殊に一般の企業会社がやるというわけではなしに、これは恐らく網島さんも言われたように非常に大きな研究費その他国費の支出を必要とするのでありますから、先ず基本の方式を決定する場合に、両院の委員会において十分に審議をした上で最後的な解決をつけられるのが順当であろうと考えるのであります。これは余り一方的にお進みにならないで慎重にやつて頂きたいということをお考え願いたいのであります。仮に併しこの白黒の方式でおやりになるという結論が出たとしました場合に、一体この日本テレビジヨンをどうして実用化するか、これは非常に経済的な問題とも関係がありますので、今すぐ日本の経済状態からいたしまして実用化することが可能かどうかは非常に疑問でありましようけれども、併し少くとも何かのめどをつけてもらわないと、これは現在から余り大きな進展を示さないだろうと思うのであります。その意味で考えられますことは、来年度例えば電波監理委員会或いは通産省方面において多少の予算をおとりになりましてそうして研究を進めると同時に、一言で端的に申上げると実験放送局のようなものをお作りになる、そうして試験電波を出す、そうして国民にもいわばアマチユアに受像器を持たして自由に試験的な電波を聞かせるというようなことによつて、だんだんとテレビジヨンというものも自然に普及することになると思います。そういうことで解決をしなければならん幾多の技術的な問題も、自然にそこに一つのめどがあればそれをめどとして解決する曙光が見えて来るのじやないかと思うのであります。今どういう予算を出しておられますか存じませんが、若し今お考えのように白黒の方式で行く、そうして来年度は若干の研究費その他の経費テレビジヨンに関して特に要求をするということであれば、その中に実験放送局に関する予算をおとりになつておりますかどうか、それをお差支なければお伺いしたいのであります。この点については私どもも或る程度めどがつきました場合には、相当今テレビジヨンに対する国民の要望も強まつておりますから、この機会におきましてもできるだけ協力をしなけりやならんということを私個人は考えておるのであります。
  26. 網島毅

    説明員網島毅君) お答え申上げます。先ほど白黒の方式につきまして委員会として一応こういう結論に到達しておるということを申上げたのですが、その際にも申上げましたように、その結論というものは将来天然色テレビジヨンができましたときに、一般国民にそう大した負担をかけないで天然色に移行できる、そういう方式が考えられるという想定、予定の下に白黒のテレビジヨンの方式を標準方式と申しますかそれをきめようという結論を得たということを申上げたのでありまして、そういう方式を今後いろいろ徴した結果なかなかうまいわけには行かんというようなことになりましたら、改めて又根本的に天然色テレビジヨンの問題もとり上げ考え直さなけりやいかんかというふうに思うのであります。  なお又只今お話のように、国会におきましてこの問題が御討議されましてそうしていろいろ有益な結論をお出しになつて頂きますれば、私どもといたしましても非常に幸いでありまして、是非そういうふうにお願いしたいと存じますと共に、それに必要な資料その他につきましてはできるだけ御協力申上げたいと考えるのであります。と申しまするのは、このテレビジヨンの問題もこれはなかなかなまやさしいことでは実施が不可能だと私ども考えております。それは技術の面から申しましても或いは経済的な面から申しましても、非常に困難な問題を多分に含んでおります。併しながら日本においては、日本の文化を高めるという面から申しましても是非これは実施しなければならないと私ども考えておりますので、是非国会方面におきましても十分な御援助をお願いしたいと思うのであります。  それから来年度のテレビジヨン予算という問題につきましては、まだ具体的にどういう項目で経費を要求するかということはきまつておりません。一つ方針としてテレビジヨンに関するいろいろな調査費と申しますかそういうもの、或いはこの民間に対する援助費と申しますかそういうようなものも取りたいということで今進めておるような次第であります。  ところでこの試験放送の問題がお話にございましたが、現在極く小規模でございまするがNHKにおいてすでに実施しております。それから又大阪方面民間その他におきまして、テレビジヨンの試験放送を是非大阪のNHK院の放送局にやらせて欲しいという要望もございます。従いましてこの試験放送を今後もNHKに担当させるか、或いは又別な機関がこれを担当して行くかというようなことの利害得失という問題も研究しなければならないかと思つておりまするが、いずれにしても先ずテレビジヨンを実用化する前にいろいろ試験電波調査用の電波を出すということは是非必要でございまするからして、その点に関しましても私どもとして十分今の御意見を体しまして研究して行きたいと思つております。
  27. 尾崎行輝

    ○尾崎行輝君 ちよつと簡単でよろしうございまするが、ここに当面の問題について説明するという所管事項の御説明がございました。この中に航空に関することが一つも載つておりませんが、御承知のごとくもうじき航空が開ける、それについての何か我々にお知らせ願うようなことはないのでございますか。
  28. 網島毅

    説明員網島毅君) 航空の問題につきましては、この我が国国内航空という私ども国民にとつて非常に喜ばしいニュースがございまして、それの実施につきまして無線通信という面から私どもも航空庁と連絡をとりましていろいろ準備を進め、又協力申上げている次第であります。  先ず第一は各飛行場の間の連絡通信の問題でございます。アメリカにおきましては民間航空の会社が集まりまして一つ民間航空用の無線会社を作りまして、それが各飛行場の民間航空用の無線連絡を担当しております。そういう同じような方式を日本に採用するのがいいかどうかという問題、或いは又従来戦前日本でやつておりましたように、民間航空につきましても、この地上の通信施設或いは又この無線標識のような保安施設というものは、これはやはり政府がみずからやるのがいいかどうかというような問題がございまして、これらの問題につきまして航空庁、私ども、及び司令部方面と再三協議をいたしました結果、日本におきましては、アメリカのように多数の民間航空会社が集まつて一つの無線会社を作るということは考えられない。それから民間航空会社自体も各無線設備にまで費用を投するというようなことは、経済的になかなか困難であろうというような点、及び従来の日本におきまして政府が担当しておつたという過去の経験、いきさつ等に鑑みまして今後の民間航空はやはり民間航空につきまして地上の無線連絡設備及び保安施設政府が担当した方がいいという結論の下に、司令部その他と連絡いたしました結果その了解を得まして現在その方向で進めております。  なお航空機との間の無線連絡の問題が第二の問題としてございます。この問題につきましては航空機を一体どこが持つのかということが問題になつて参ります。日本の航空会社が使用する場合には差支ないのでありますが、若しもアメリカの航空会社、アメリカの法人、アメリカの個人がそれを所有しておりまする場合に航空機の無線局施設者が一体だれがその施設者になるかということが問題になるのでありまして、御承知のように電波法においては外国人には我が国無線局は許可しない方針になつております。この点に関しましては昨年来再三航空庁にその趣旨を説明いたしまして、若し外国法人或いは外国の個人が持つておるところの飛行機に我が国無線局免許を必要とする場合には、何らか法律的な処置が必要であるということを再三御注意申上げておるのでありますが、未だ航空庁からそれに対する回答はございません。この点私どもとして非常に心配しておるのでございまして、至急航空当局の注意を喚起して何とか解決しなければならないのじやないかと考えておる次第であります。
  29. 尾崎行輝

    ○尾崎行輝君 非常に結構なお話で満足をいたしました。今後ともできるだけ航空と無線との関係について我々の意を体して頂きたいと思います。
  30. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 簡単で結構ですがちよつとお伺いしたいのですが、この非常無線通信協議会ですがこれは今日までなかつたことはおかしいので、これからの治安等に先ほど説明の通り非常無線の活用は只今相当必要性を感ずるのでありまするが、協議会の構成は全国的に相当大幅な数多くの協議会ができると思うのですが、その際に構成委員はどういう方法で認定されるか。或いは試験等もあるだろうし訓練もあるだろうししますので、特殊な人によつて構成されるのか或いは各官庁及び民間或いは監理局間のその職の代表者が集まつて構成メンバーになれるのか、その点ちよつとお伺いしたいと思います。
  31. 網島毅

    説明員網島毅君) 只今こういう機関が今までないのがむしろおかしかつたとおつしやいましたが実は全然なかつたわけではありません。と申しますのは電波監理委員会ができる前まだ電波監理行政電気通信省に属しておりましたときに、電気通信大臣を長といたしましてこれに臨時の機関がございまして、それが従来担当して参つておりました惰性でそれがやつて来ておつたのであります。今後いろいろな問題が解決された機会にそれをはつきりと電波監理委員会性格に合うように直したということでございます。  なおこの協議会の構成メンバーその他運用問題につきまして詳細な点は、幸い電波監理長官が出席しておりますので長官から説明させて頂きます。
  32. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 ちよつと関連しまして、非常に無縁協議会をお作りになつて非常時に対する非常連絡をやることは非常に結構だと思います。是非それをやらなくちやならんと思つておりますが、過去の経験に徴しましてそういうような機構はできましても、実際やる際になつて来ると電気通信省の機関だけでやつたり、これだけのメンバーが極めて何といいますかその非常時に対応して活發に動くということは非常に困難だと思います。従つてこれを拝見しますと第四章に訓練というところで常時訓練をするようなことになつておりますが、私はこれが一番重要な問題だと思うのです。平素の連絡というものはこれはまあ紙に書きただ頭の中で考えておるというのですが、事が起つた場合にこれが実際活用できないということであつては一体意味がないのであります。絶えず訓練をするということは極めて心要なのであります。従つて一週に一遍とか或いは月に二遍とかこの訓練をどういうふうにおやりになつて行くかそれを是非一つお伺いしたいと思います。ついでに併せて御答弁願います。
  33. 網島毅

    説明員網島毅君) その点も極めて簡単でありますからお答えいたさせます。
  34. 長谷慎一

    説明員(長谷慎一君) 只今の御質問に対してお答え申上げます。先ず最初にこの協議会の機構でございますが、中央に中央協議会というものを置きまして、全国的に各官庁、或いは無線を現に利用し、或いは非常災害の救助、或いは治安維持、そういうものの仕事に関連のある機関との間で全国的に考えなければならん点を協議するための協議機関を置きまして、この中央の協議機関の必ずしも下部機構というわけじやございませんが、密接な連絡をとるために地方にそれぞれの協議会、それは大体例で申上げますと、電通省の電気通信局或いは電波監理局の置かれておるようなところがいろいろの連絡上都合がいいのだろうと考えてそういうところに地方協議会を置く、各県の大体県庁所在地或いは北海道におきましては支庁の所在地に置く、こういつた具体的な計画を立てて行こう、こういうことになつて目下全国的にこの準備を進めております。この準備の内容は只今鈴木先生から御指摘のありました訓練ということを私ども最も重視しておりまして、これは訓練と申しましても余りにも理想に走りますというと実施ができない、一カ年に一度とか二度やつたのでは実際の訓練に役立ちませんので、相当頻繁に而も無理なく各関係者が総合力を発揮できるような形にしなければなりませんので、そういう点から従来はややともしますというと監督官庁が施設者に無理なことを強いて、従つていざという場合に円滑に行われなかつたというようなこともなきにしもあらずということを考慮いたしまして、どこまでも無線局を持つており、通信をやられる方が自発的にこれなら自分たちとしてやれる、この範囲ならいざというときの用意にも十分だと思うというところで案を作つて頂く、そういう線に副いまして、電波監理委員会或いは、地方の監理局といたしましてはそういう観点から各通信関係者、或いは先ほど申上げました非常災害の救助関係をやられる方面との連絡の衝に当りまして、御趣旨の線に副つて行きたいと考えておる次第でございます。
  35. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 私も内容はよくわかりましたが、構成委員の具体的に申上げまするならば給与とか、手当というものが必要だと思うんですね、それをどういうふうな方法によつてやられるか。ここに構成委員の各官庁のあれを書いてありますが、この中から専門的の人が一人ずつ固定的に出ておやりになるのか、又委員を新たに任命して有給な委員を構成メンバーとしておやりになるのか、どういう形式になるのか、お伺いしたいのであります。
  36. 長谷慎一

    説明員(長谷慎一君) 只今の御質問にお答え申上げます。これは規約にもございますように、非常無線ということに必然的に関心を持たれる方々で、早く申しますと寄合つて力を併せて行こう、こういう考え方でございますので、構成委員は別に有給とかそういうことは別に考えておらないのでございまして、例えて申上げますというと、電通省として非常の場合には、若しも公衆通信通信系が何らかのことのために杜絶した場合に、例えば鉄道、或いは国警の持つておる通信系で通ずる方法を考える或いは鉄道の通信系がとまつた場合に、その重要な通信を公衆通信或いは国警の施設を以て通ずる方法を考える。こういう内容でございまするので、各官庁或いは関係者の中の専門家が集まりましてお互いにいわゆる相互の間の協力の仕方を相談しよう、具体的に作り上げて行こう、こういうことでございます。
  37. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 そうしますと、仮に海上保安庁なり気象台なり、或いは国有鉄道なり建設省なりから誰か一人ずつ出てもらつて会議を開くと、こういうことになるわけですか。
  38. 長谷慎一

    説明員(長谷慎一君) さようでございます。
  39. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 そうしますと訓練その他をする場合にそのときによつて人が変る場合があるのであつて、そうしますというとその訓練の効果が上らないので、仮に厚生省なら厚生省の職員の中で、誰がこの協議会の構成委員であるというような恰好で委員会ができるなら納得できるのですが、各官庁から一人ずつ代表を送り、およそ二十人ばかりになるでしようがそれによつてそれで会議を開くと、で訓練をするということで、この次の会議にはまるつきり知らないのが又集まるというようなことでは、私は目的は達し得られないのじやないか、で中央としての協議会との連絡その他もやはり密に行かないのじやないかというふうに考えるのであります。その点を。
  40. 長谷慎一

    説明員(長谷慎一君) 御質問の御趣旨の点よくわかりました。この構成は、大体国鉄なら通信関係の担当のかたで、電通省であるならば施設局長、業務局長が委員であつて、それからそれぞれの部長さん或いは課長さんが幹事に、なるというような工合によつて仕事の職責の上から大体構成メンバーが御相談の上でできておる。地方におきましても大体同じような線で、ございまして、先ほど申上げました非常無線通信非常事態が起つたときに、どういう工合に入つて行くかという計画の設定、並びに訓練の実施要綱等がきまりましたならば、それぞれの無線局にそれがそれぞれの系統から通達がございまして、それによつて総合的な訓練の実施或いはいざというときの準備をやつて行くという考え方になつております。
  41. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 そうしますとこういうふうに解釈してよろしうございましようか。各官庁の担当官が寄つて、年参に一回なり二回なり或いは何か突発事項があつたときに、その代表者が寄つて会議を開くのが協議会の性格だというふうに解釈してよろしいのですか。私はこれは全国的に相当重要な問題ですから、各官庁から一人ずつ専門的の委員を選んで、そうしてたえず連絡を密にされて或いはまあ先ほど申しましたように有給で相当これを活發に而も有効に訓練されるには、相当これに対しての予算も必要とするのじやないかというようなことから御質問したので了解いたしました。有難うございました。
  42. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 本日はこの程度とし、明日は公報には十時となつておりますが午後一時から開会をいたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            村尾 重雄君            新谷寅三郎君    委員            大島 定吉君            鈴木 恭一君            平林 太一君            尾崎 行輝君            水橋 藤作君   説明員    電波管理委員会    副委員長    網島  毅君    電波監理長官  長谷 慎一君