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1951-05-30 第10回国会 参議院 通商産業委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月三十日(水曜日)    午後二時八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○ニッケル製錬事業助成臨時措置法案  (内閣送付) ○緊急物資売払に関する法律案(内  閣送付)   —————————————
  2. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 只今から通産委員会を開会いたします。日程のニツケル製錬事業助成臨時措置法案並びに緊要物資売払に関する法律案二案を議題に供します。御質問のあるかたは御発言をお願いいたします。
  3. 西田隆男

    西田隆男君 今日は政務次官が見えないようだが、昨日委員から山川府員からの発言として、第八條の「予算に定める金額の範囲内において「その差額に相当する金額をその者に補償するものとする。」という條文に関連して、国家管理法損失補償の問題と関連する質問が昨日あつておるのに対して、首藤政務次官答弁は、国家管理法のはこれとは意味が違うのだ、国が指図したのじやないから、管理法のやつは補助しなくてもいいのだというような答弁が昨日あつたようであります。私はその問題に関連して、実は昨日政務次官質問したいと思つておりましたけれども、四時に来たので質問せずに帰つたのですが、これは通産大臣では……。
  4. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 政務次官は閣議に出ておりますから、あとから見えるはずになつております。
  5. 西田隆男

    西田隆男君 ああ、そうですが。それでは政務次官見えてから一つその問題は質問することにします。  昨日下條君やら、小野委員から御質問のあつた点に関連しての質問ですが、この條文の第二條の第三項の一ですが、「当該事業開始されることによつてニツケル供給がその需要に対し著しく過剰とならないこと。」指定條件としてこういうものと書いておりますが、それから第四に「事業開始予定期日がこの法律施行の日から一年以内であること。」この二つ関連性についてお聞きしたいのですが、下條君や小野君から昨日特定事業にだけ補償するというように考えるが、結果としてそういうふうになるがどうかというような質問が昨日あつておりました。先ず第一にお伺いしたいことは、「ニツケル供給がその需要に対し著しく過剰とならないこと。」という問題に関して、どの程度生産増加までは指定を取消さないのか、どの程度のものに対してはどうするのかというような点について一つ政府委員の御答弁が頂きたいのと、何が故に第四項に事業開始予定期日がこの法律施行の日から一年以内でなければならないと、そういうふうに規定されているのかという、この二つの点を一つ関連性を持ちながら御答弁を頂きたい。
  6. 永野量

    説明員永野量君) 御説明いたします。第二條の第三項の指定基準の問題でございますが、一号の「当該事業開始されることによつてニツケル供給がその需要に対し著しく過剰とならないこと。」これは指定のための一つ基準になつておりますが、大体この建前は国の助成においてニツケル増産を図るという意味からいたしまして、相当国負担もかかるわけでありますので、どの程度生産を予定しているかと言いますと、先般もここで御説明申上げたと思いますが、一応これは昨年の十一月頃、この需給関係を検討いたしましたときの数字でございますので、只今では若干そこにズレが、変更があるかも知れませんが、そのときの数字を申上げますと、お配りしてあります資料にもございますように、一応年間最低必要量といたしまして、千四百数十トン、約千五百トンを最低需要量必要量と押えております。これは需要の面でございまして、これを作りましたいきさつは一応のフリーと申しますか、需要部門の一応の数字をとりますと、年間需要が三千トン乃至三千八、九百という数字なつたと思いますが、それをいわゆる最低必要量という線に押えまして、これはニツケルは相当窮届でありますので、取得の関係から行きましていわゆるフリーな需要ということはちよつと考えられませんので、配給統制を現在のまま存続するというのが一つの前提、それからもう一つアメリカ等でやつております用途別使用制限も実施いたしまして、その結果最低を確保しなきやいかんという数字を、お配りしてありますように一応千五百トンと押えておるわけでございます。従つてここに申します需要に対して著しく過剰とならないとというときの需要も一応その千五百トン程度と押えておるわけでございます。で無論これは先ほども御説明いたしましたように、その後の情勢の変化もありますので、若干の変更は必要かと思いますが、大体の見当はそういう程度であります。  それから同じく第三項の第四号の「事業開始予定期日がこの法律施行の日から一年以内であること。」というこの規定でございますが、これはこのニツケル増産関係は非常に緊急を要しまするので、差当り非常に窮屈だ、そういう点からこの法律施行の日から一年以内に事業開始の見込がなければいかんという意味でここに規定しております。なお現在予想されますこの事業者計画等を見ましても、大体この工事に着手いたしましてから九カ月乃至十カ月ということになつておりますので、この法律施行後すぐ工事開始するといたしましても、やはり一年くらいということに相成るかと思います。
  7. 西田隆男

    西田隆男君 今御答弁を聞きましたが、これは衆議院のほうでも問題になつたように聞いておりますし、昨日の委員会でも大分問題になつてつたようですが、量の制限を一応千五百トン程度ということに規定しておきながら、なお且つ製錬事業開始予定日が一年以内であるという、この二つ制限されたやつから見ますというと、昨日の御質問にもあつたように、特に或る一つ目標を置いて、それに対してのみ補助をするという意味が極めて強いようにも受け取れるのですね。従つて千五百なら千五百トンという一定のバーがきめてあれば、勿論初めからこういう補償をやろうというのだから、政府としてはこれはできるだけ一年でなくても、十カ月なら十カ月、最短期間においてこの製錬事業政府の要望するように着手できるような促進方が十分これは実施の面において取られるはずだと私は思うのです。それを特に一年以内でなけれりやならんというような制限規定を置くことによつて、一般の持つておる疑惑をなお一層強める結果になる。従つてこういう第四号のこんなものはこれは法律條文の中に大体規定すべきものでない。こういうことが規定されていなければニツケルの製錬が千五百トンできないような状態で若しあるならば、これはこの第三項の一の制限なんてものはこれは意味をなさない。従つて政府見通しとしては千五百トン程度ニツケル生産であるならば、現在の遊休設備を使わしめることによつて急速にその目的の達成ができるという見通しに基いてやつておられるに違いないと思う。この法律案趣旨はそうすると、一年以内云々というこういう條文はこれはもう不必要な條文だ。こういう條文があるから余計に疑惑を招いて、或いは別子云々ということが言われるようなことになるので、その点政府としてどういうふうにお考えになつてこういう條文を作られたか、一つ説明を願いたい。
  8. 永野量

    説明員永野量君) 御説明いたします。この二條の第三項の基準の問題でございますが、これはこの基準に適合したならば政府指定しなければならないというふうに、まあ通商産業大臣を縛つております規定でありますので、これで通商産業大臣はこれに拘束されて指定をしなければいけないということになつておりますので、お説のように、一号と四号は若干今言われましたような感じなきにしもあらずでございますが、一号の趣旨国民負担において補償する一応の限度、そうあまく需要見通しをつけてやつていかんという意味規定でございます。それから四号のほうは、これはこれもお説の通りで、早くしなければならないというので、一応一年以内ということで切つてございますが、これは無論一年以内に最も早いほうが望ましいわけであります。
  9. 西田隆男

    西田隆男君 今あなたの御答弁された私は裏のことを言つておるので、通産大臣制限をされておるというのは表面解釈でしよう。併しながらその裏を考えますと、やれるのはもうきまつておるということになる。新らしい設備をさしてやろうというお考え方は勿論ないだろうし、勿論この法律施行予定期日から一年以内でニツケル製錬の新らしい今から資材材料を仕入れ、建築をしてするということは常識で考えられないことなんで、従つて特定な者にさせる可能性がまあ強いのでなぐて、特定の者にされることになつておるやつに持つて行つてなおこういう規定を置くからその疑をなお余計にするじやないか、こういう意味のことを私は質問しておるので、表面解釈は勿論條文としては書いてあつたつて差支えないと思うのですが、実際政府考えておられることと総合すると、こういう條文があるために却つて疑惑を招くのじやないかとこう私は申上げておるので、まあいろいろ世上で疑惑を投げかけておるようです。特に国が補償するというのに、前から予定して特別な者に限り補償をするという行き方は、国民の誤解を招いておる。これは必要に基いてやられるのでしようが、我々はそうは考えておりません。国民の疑惹を一応招いておるようですから、特にこの関連性について質問をしたわけです。そういう政府の御答弁であればいいと思うのですが、若し政府許可される場合に、一応千五百トンを目標としておられるようですが、今では政府のほうでは、昨日の答弁を聞いておると、別子を予定されておるようです。別子以外に若し一年以内で実際の製錬がやれるという所があつた場合、この條件に適合してあれば、別子の全能力をあげて生産されてもなお足りない部分だけについてほかの製錬所のやつをお許しになるつもりなのか、或いは別子とその他のものに対しで若し二つ或いは三つ許可する考えであるとするならば、自由競争に基いて二つ三つ許可されるという基本的な考え方を持つておられるか、この点についてもう一遍御答弁願いたい。
  10. 永野量

    説明員永野量君) 只今の御質問でございますが、この基準に適合いたしました申請がございましたならば、何社でもいいという建前になつておりますので、相成るべくは一社で不当の疑惑を招かないほうがいいのじやないか、ただこの基準に基いてこの申請を審査いたします場合に、どれが一番いいかということは、この法律が制定されましたあとでの通商産業大臣に委せられた権限でございます。無論これに対してはこの基準に適合しておりますかどうかということは、この十二條にもございますように、「この法律又はこの法律に基く命令の規定による通商産業大臣処分に不服のある者は」云々ということになつておりまして、不服の申立ができることになつております。その際には無論この基準に基いた処分かどうかということも当然検討されることになつております。従つて通商産業大臣処分はこの法律に羈束された処分というふうに考えております。
  11. 西田隆男

    西田隆男君 今十三條の條文を引用して御答弁がありましたが、実際問題としてABC三つが申込んだ、通商産業大臣がAだけが適当であるとしてAだけに許可をした、だからBとCはその許可に対して不足だといつて不服の申立をしてみても、この法案の内容に盛られておるまあ三年か或いは長くても四年というこれは見当なんでしようが、その間に不服の申立が解消して事業開始ができるとかできんとかいうことは、これはもう常識問題として考えられんので、一応規定としてそういうふうに作つてあるので、現在政府として考えておられることは、結局別子なら別子一カ所というお考なのか、或いは他にBCがあればBC自由競争に基いてこの法案の精神で製錬をさせるということをお考えになうておるのかを承りたいと、こういう私の意味ですから、そういう意味で御答弁を願いたい。
  12. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 西田委員のお話のようなことは我々も考えないのではないのであります。大いに考えておるのでありますが、ニツケルの製錬は御存じのように急を要する、そういうように一年以内ときめておりますのは、成るたけ早くやらせるというのが一つであります。それから又只今問題になつております別子と同様におやりになるならば、よくその計画を調査いたしまして、そうして合致すれば拒否することはできないのであります。それはお許しをすることになるのであります。併し御存じ通り、こういう差益も余りないものを多大の費用をかけてなさるということは先ず考えられん。そうすると半面から言うとあなたのおつしやる通り疑惑国民が持ち得る要素は多々あるかと思います。この点については我々も非常に苦心をいたしておりますけれども、初め別子を予想します前にほかにも当つて見ましたけれども、進んでやろうという所はなかつたのでございます。今は別子対象としてやつておることは事実なんでございます。併しほかが同じようなことをなさるというときに対しましては拒否もできないし、又現にフエロをやりたいという方があります。これらに対しては特点を授ける或る程度お与えするようなことにしております。必ずしも他を排斥するという意味ではないということを御了承願いたいと思います。
  13. 西田隆男

    西田隆男君 私は今の通産大臣答弁納得するのです。国民にはわからないのですね。別子というものが予定されておつて法律案考えられたのか、この法律案を立案される過程において今言う通りお調べになつて別子だけしかないということになつたのか、国民にははつきりしない。従つて私が申上げておることは、いろいろ国民の間に疑惑を持たれておることは間違いないので、なおこの條文を読んでみると、疑惑を裏書するような條文が作つてある。だから政府としてはこういう法律案が出されるならば、別子だけを補償するということがそうでなければつならないような客観的な情勢にあるのだ、ほかのやつでは間に合わないから別子だけしかないのだということを十分に国民納得して頂けるような数字的なり、或いは実際の状態なり、或いは理論的の裏付なりをして速記にはりつきり残して置いてもらわないと、いろいろ問題にされておる問題だからよろしくないと、こう思うのです。私は今の通産大臣説明で大体納得をしたのですが、これをもう少し政府の専門のお方から別子補償対象とする以外に日本ニツケル製錬の急速の間に合せるためには方法はないのだということを数字的に現実的に理論的に御答弁をして速記に残して置いて頂きたい。
  14. 永野量

    説明員永野量君) 実は私どもといたしましては、先ほども申上げましたように、この基準に基いて正式に申請書が出て参りました場合に、この基準通りに処理するというふうに考えておりますので、今特定会社をとりまして、それがそれでなければいけないということをここで正式に御説明するのはちよつとどうかと思うのでありますが、参考のためにお聞き頂きたいと思いますのは、ニツケルの製錬と申しますのは、まあ製錬については銅とか鉛とかいろいろございますが、これは非常なまあ技術と申しますか、ほかの製錬と違いまして高度の技術を要するものであるということを我々聞いておるのですが、従つて現在外国の例を見ましても殆んど独占企業で大規模にやつております。カナダのインコ通称インコ言つておりますが、これが殆んど世界の八割くらいを出しておるわけであります。そのほかには殆んど大した会社というのはございません。世界的な独占状態でございます。ただ日本につきましては、戦争中にニツケルが非常に不足いたしまして、軍の応援その他でやりましたのが別子工業があるわけでございます。これも途中で鉱石の輸入が杜絶したために昭和十八年頃殆んどストップしたような状態であるのでございます。そのときの設備が大体において残つておりまして、まあ現在の財政の状況その他を考えますと、新らしく設備をしてといいましても、時期的なり財政の理由からいたしまして、なかなか実行困難でございますので、大体において既存設備に若干の補修を加えてやるという以外には現在の情勢では考えられないというふうに思つておるわけでございます。そういうことからいたしますと、現在非公式に話がありますごとく別子工業、それから日本アルミ計画しておりますもの、それからもう一つ伺つておりますのは日本冶金でございます。これがいずれもその既存設備方法は別でございますが、利用するというような計画に聞いておりますが、そういうところからいたしまして、新らしく設備をしてやるというのではなくて、既存設備を使つてやるということになるわけでございます。その際にそうした計画のどこがいいかというのはここに書いてあります基準に基いて公平に判断をしてきめるということに御理解願います。
  15. 西田隆男

    西田隆男君 甚だ御答弁がしにくいようで、しにくければ強いて求めませんが、この法律案を読んで見ますと、申請があつた場合は指定をするようになつている、理窟を言うようですが、申請がなかつた場合は政府ではニツケルは如何に足らんでも御必要にならないし、二ツケルの製錬はやられないという考え方ですかどうですか、それを御答弁願いたい。
  16. 永野量

    説明員永野量君) 法律の問題といたしましては、正にその通りになるのであります。併しながら大体において現在もその非公式に……申請ではございませんが、計画しておるようなのは今申上げました三社程度と聞いておりますが、申請がないということがちよつと実際問題といたしまして……。若し全然申請がなければ……。
  17. 西田隆男

    西田隆男君 今の御答弁によると内内は申請がなされるであろうという想定に慕いて、この法律案審議をしてくれというふうにとれるのですが、この法律案そのものから考えたら、申請者がなかつた場合には許可せんと、指定せんと、ニツケルの製錬をやらんと、こうしかとれないのですがね、内々予定されておるということで法律案審議するということもこれは法律案審議としては提案された政府から見るとちよつとおかしいので、従つて私が申上げるように特定なものが考えられておるならば、特定のものにしかこの法律の適用はできない実情にあるということをあらゆる角度から国民納得のいくように一つ速記に残しておいて頂いたらどうか、こう私は申上げておるので、それは法律解釈で行けば申請者ができんというのは仕方がない、それだからといつて申請がなかつた場合には許可せんのか、製錬をやらんのかと言われると、いや予定されておるのであるとこう言われるし、我々は政府を追及する意味言つておるのではなくて、いろいろ問題になつておるのでそういうふうに申上げておるので、御答弁ができなければ無理に御答弁は求めません。求めませんが、大体法律案として提案される場合に予定されておるからとか何とかいうようなことでは法律というものは作らるべきではないと思うのです。だからこれには従つて若し申請するものがあつた場合においては政府指定をするといういうな強い意思表示でなければ、ニツケル増産云々という問題と関連しての法律案とは我々考えられない。従つて特別な解釈、この点を与えられなければ、国民疑惑に対して適切な解明ができないということになるわけです。だからそうした條文をここにお言いなさいというわけじやありませんけれども、この案そのものから考えるとそういうふうな危惧が生じて来るのです。これは下條君の質問に対しても小野君の質問に対しても政府としては国民納得し得るような答弁があつてないようでした。従つて私はなおその点を質問しておるわけですが、御答弁ができなければその程度にしておきます。それからもう一つお尋ねしておきたいのは、政府はこれを四年と見ておるようですが、四年後の二ツケル世界需給情勢日本ニツケルを使うのに対していささかも不足を来さんという見通しに基いて見ておられるのか、四年間製錬をやつてつたならば、あと補償しないでも設備が十分償却できるから、業者負担で勝手にやつて国内の需要を充せるという考え方でこの法律を起草されておるのか、この点を一つ説明を願いたい。
  18. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 今のお尋ねの後者のほうの見込みであります。先のことは情勢がどの程度かわからないと思いますが、まあ国際情勢が或る程度長く続くといたしましても、これは本法の助成による助成必要期間は自主的に三年あれば十分であろうという見当でおるわけであります。
  19. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと、これも小野君からも昨日質問があつたのですが、第七條の積立金の問題に入つて行くと思うのですが、鑛山局長の昨日の御答弁では五、六億は想定されておる補償額をですね、五、六億を想定されていると今いう三カ年間で十分だこういう今の御答弁ですが、二年間で五、六億に匹敵するだけの償却の積立金をやるということになりますね。そうするとトン当り操業の当初からどれくらいの積立金を大体政府としては予測されておるか、それを一つ答弁を願います。
  20. 首藤新八

    政府委員首藤新八君) この問題については昨日小野委員からも御質問があつたのでりまするが、いろいろこの考え方があると思うのでありまするが、一応需要者の立場から考えますると、この際成るべく補償額を短期に加算したほうが企業家生産意欲を高めまして、生産を時間的に早く増産するということに相成りますれば、全般的な需給のバランスが早ぐ調整されるという考え方もあるのでありまして、若しこの補償金額を低くいたしますと、現在の市価が下る率が非常に長くかかりはせんか、従つてその間は高い市価のものを買わなければならんということにも相成りますので、それと今経済情勢が、一応想定といたしましては、二カ年や三カ年は続くと思いまするけれども、併し何と言つて異常経済状態でありますので、国家補償成つるべく少く早くする、こともいいのではないかというような考え方もいたしておるのでありまして、そういうような考え方から善処いたしますれば、或いは十カ月、或いは一年という程度補償が終了するような措置を講ずるほうがいいのではないかという一応の構想を持つておるのであります。
  21. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと、極めて短期間に積立金を切つてしまうという考えのように私は受取りますが、前の問題に又返つて来るのですね。この法律では三年か四年が想定されておる、併しニツケルの製錬そのものは三年、四年でやめるわけでなくしてずつと業者が続けて行かれることが考えられる。そこで尚更さつき申上げたように別子とか、その他二、三の製錬所だけに国家補助をするということで極めて強くなる。何故かと言えば、二、三のものに対してだけ補償をしておいて、補償されたものが結局ニツケルの製錬設備が全く零になつた、零になつ状態ニツケルの製錬を続けて行く。若しニツケル世界市場における需要供給の問題が、日本でなお余計にニツケルの製錬をやつても引合うのだという状態下に若し置かれることが想像されるならば、当然業者の間にはニツケルに対しても生産意欲を持つものもできて来ないとも限らない。従つて零になつ設備と、新らしく設備をするというか、或いは補償をしてニツケルの製錬をするというものとは事業の面では対抗できない。ですからなお更特別に特別なものについては補助援助方法はないかという国民感じが強くなる慮れがあるので、私はそれをそういうことにいたしたのだという理論的な説明をされて、答弁速記にでもお載せになつて置くほうが適当ではないかとこう申上げている。
  22. 首藤新八

    政府委員首藤新八君) 西田委員のお説御尤もでありまするが、先ほどから申上げておりまする通りに、現在のところ別子とは決定していないのであります。それは担当官からも詳細に繰返して申上げておると思います。ただ政府といたしましては、成るべく国家補償の少いように、それがためには過去において大体基礎的な設備を持つておること、そして更に経験技術、これらのものをかれこれ比較いたしまして、例えばことに三社の業者がある、そうした場合に国家補償の観点から一応考慮いたす、更にその企業体経験というものも重要なフアクタしとして考えなければならん。又技術もこれも又重要なフアクターしとして考えなければならん、少くともこの国家補償の面と、それから経験技術、この三つを最も大きなフアクターとして希望者りの中から選定する、こういう方針をとつた場合、結論的には別子のほうが一番有力ではないかというふうに考えられまするから、或いは事務当局から別子想定しておるというふうに申上げたかも知れんと思いまするが、根本的なよつて来たつた事情は右の通りでありまして、仮にそのL他の会社におきまして、別子以上の條件を備えておる企業体がありまするならば、無論この別子以外の企業体をとることにやぶさかでない。無論そうしなければならんことを考えておるのであります。従つてそれと、もう一つは現在の日本の総消費量は大体千五百トンであります。それでそのうちにフエロニツケルは大体半数を推算されておるのでありまして、純ニツケル生産量は仮にこれが三分の二にしましたところが、千トンという程度に過ぎないのであります。従つてこれだけの絶対量を数社によつて生産されることが原価の面から見ましても、或いはその他の面から見ても、決して国家として利益でないというような結論も得ると存ずるのであります。これらを総合的に勘案いたしました結果、大体今日まで申上げたような線に進むことが妥当ではないかというふうに考えておるのであります。なお将来の問題でありまするが、これは無論将来のことでありまするので何人もはつきりした結論は得られませんけれども、少くとも先ほど申上げましたごとく、ニツケルはカナダが世界の総生産量の八割を占めておる。僅かにフランスが残りの二割を持つておるというようなことで、カナダが独占的な生産を持つておるわけでおります。而もこの総生産量というものは至つて少いのでありまして、殊にいろいろ條件考えた場合、日本でこれをあらためて巨額の投資をいたしまして、企業として成立つか成立たんかという点は相当検討を要するものがあると思うのであります。従つてかような措置によりまして、若し補償されたということに相成りますれば、次のこの投資額というものは一応新らしい投資額でありまつするけれども、一応それはゼロになる、従つてその後におけるところの生産コストというものは非常に安くなつて参りまするから、仮に今の異常経済が終熄いたしまして、再び入手が自由になる時期が参りましても、或る程度できるならば日本でもかような場合に困らないような、平素から生産を続けられるような態勢をとつて置くことが必要じやないかというふうにも考えておるのでありまして、できるならば今後も引続き経済界の変化如何にかかわらず生産が続けられるということを期待いたしまして、この際そういう対策をとつて置くことも必要じやないかと考えておるのであります。
  23. 西田隆男

    西田隆男君 大体もう余りくどくど質問することは止めたいと思いますが、私の言つておることと、政府側の答弁とが平行して行つてなかつたら一緒にならんようですから、その程度で止めておきます。  それからその次にこれは政務次官にお聞きしたいのですが、昨日あなたは山川委員の御質問を通産委員長が代つてつたときに、第八條の「予算に定める金額の範囲内において、その差額に相当する金額をその者に補償するものとする。」という規定と、石炭国家管理法補償規定との関係について、国家管理法補償規定はこういうものとは違うのだというふうなことを御答弁になつておりましたが、私はそれに対しては異論を持つておるので、国家管理法の中にある補償規定は、あなたの言うような厳密な生産の実施計画を一炭鉱、一炭鉱に示すということではなくて、あの法の精神から言つて、要するに総括的な数量を指示すれば、その数量により現在の炭鉱で生産しておるものよりか余計に生産をしなければならない炭鉱に対しては当然政府補償の義務を負うべきである。こういうような見解に立つておるので、私は昨日の政務次官答弁を聞いて質問してみたいと思つていたのですが、この問題は法案審議に直接関係はありませんが、政府のほうで国家管理法損失補償規定に対してどういう見解を持つておられるかということを、もう一遍一つ政務次官からでも政府の意向をはつきり確められて、この委員会で御答弁を頂きたい。この問題はただ単に石炭国家管理法損失補償の問題を云々するだけでなくて、あの立法は日本の国においては組織法ではあつたけれども画期的な経済立法なので、我々としては今後の法律解釈の面においても非常に重要な点と考えておるわけであります。従つて私が今申上げたことに対する御答弁を頂くについては、政府で総括的なことは考えてないということであれば、個々に命令を発した炭鉱があつたかなかつたかということ、或いは又個々の炭鉱から、その個々に支出されたかされないかは別問題として、国家管理法に基く損害の補償申請がなされた炭鉱はなかつたか、あつたか、あつたとすればどういう炭鉱で、どういう金額、どの程度金額であつたかというような点も政務次官のほうでお調べになつて、この次の委員会一つ一緒に御答弁願いたい。
  24. 首藤新八

    政府委員首藤新八君) 昨日も申上げたのでありまするが、石炭国管法におきましては、政府が石炭の生産命令を出した場合に、石炭の生産業者が損失を生じた場合には、予算に定めるところにより国家がその損失を補償するということに相成つておるのでありますが、今日まで補償をしたことは一回もありません。それは昨日も申上げましたごとく、生産命令を出したことが一回もなく、総合的な絶対量の生産目標を指示した程度に止まつてつたからであります。使しながら只今西田委員の御発言によりまして、申請した事実があるかどうかということは、手許に今資料がありませんので、詳細それらのものを調査いたしまして、次の委員会で御答弁いたしたいと思います。
  25. 西田隆男

    西田隆男君 政務次官の御答弁ですが、政府生産命令を出したことはない、こういう御答弁です。併し国家管理法の中に盛られておる條文から考えますと、全国炭鉱管理委員会の諮問にりおいてきめるわけですが、その場合に全国炭鉱管委員会の議に上つた場合、政府は炭鉱管理委員会が仮に三千四百万トンしか出ない、出せないんだということを言つたのは対して、四千万トン出せ、四千万トンの数字だけはどうしても出さなければならんという意思表示をしておれば、そうして数字が仮に三千八百万トンにきまつたか、四千万トンにきまつたかは別問題として、管理委員会も第一の議題にこれだけは業者は出せませんという数字よりも若し余計な数字生産命令の形でなくても総合的な数字として割当を受けておれば、結局それは生産命令と同じものであつて、別に炭鉱管理委員会が商工大臣との間に見解の相違を来たして絶対に三千五百万トンしか出ません。仕方がないから、それでは出ても出なくても政府は三千八百万トンの生産命令を出すぞというようなことが法文の狙いではないので、従つてその損失補償の問題に関してもいろいろな疑義が起きる。私は今の法律を衆議院の当時に衆議院において随分検討したのですが、私たちもあれは手ぬかりであつて、私たちの考え方としては、私が申上げておるような意味合においての損失補償というのを当然しなければならない。従つて全国炭鉱管理委員会が、あの法律が一年施行された後において前年度分の生産命令による損害の予算を当然政府は計上すべきであつたのに、その予算が計上されていなかつた。又そういうことが計上すべきであるかどうかというような問題も当時論議されていなかつたというような過程を経て国家管理法が遂に廃止になつたという段階から考えて見ても、これは政府のほうでももう小し親心を持つて慎重に検討してもらわなければいけない。現在炭鉱においてその補償をしてもらいたいというようなことは考えておるものはなかろうかと思いますのでございますが、その当時は非常に強い炭鉱業者の要望でありまして、従つてこれからさまざま作られるであろうところの法律解釈の問題もあるので、立法する場合は十分考えなくてはならんと思うのですが、あの当時の速記録を一つ政務次官に読んで頂いて、どういう答弁政府はしておるか。よく速記録を読んで頂いて、もう一遍御再考を煩わして御答弁を願いたいということと、実際申請をしておる炭鉱があるだろうと思うのです。たくさんかどうか知りません。五、六千万円程度の損害の申請をしなければならんというような意見を聞いておりましたから、実際に申請した炭鉱があつたかなかつたかということを一つお調べになつて答弁をして頂きたい。
  26. 首藤新八

    政府委員首藤新八君) 了承いたしました。御意見の点は詳細調べまして、明日の委員会でも御報告いたしたいと思います。
  27. 結城安次

    ○結城安次君 ちよつと私お尋ねしたいのですが、この第六條の「指定業者は、政令で定める額をこえる価格」と書かれております。「政令で定める価格」というのは大体百七十万幾らかコストがかかるいうので、それに相当利潤或いは償却等を加えた額できめることになるわけですか。
  28. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) この価格は実は只今鉱山局長からたびたびお話したかと思います。生産費、今考えている純生産費でございます。これは原料代、それから減価償却は加えておりません。それで純生産費に或る程度の利潤を加味し、それを現在の市価と睨合せまして、特別これで補償します金額を加えて、その金額が現在の市価よりも高くならんような額にきめたい。それを政令で出したい、こういうことを考えております。
  29. 結城安次

    ○結城安次君 只今の御答弁ですと、生産原価を見て現在の市価を超えない額というと、現在の市価生産価格との間は全部指定業者の収得になるものですか、どうでしようか。
  30. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) いわゆるそれは特別積立になつておしまいに補償するということになります。だから現在各界に言われております生産コスト、いわゆる生産費が七十……、八十六万ですか、それから例の原鉱石の値段が約八十万、それを加えて百七十四、五万くらいになりそうに思われます。それを現在の市価と見比べまして、そうしてその市価より高くない値段できめればその差が特別積立金になるというわけです。それを積立てておいて補償対象にしよう、こういうわけであります。
  31. 結城安次

    ○結城安次君 ちよつと生産コストについてお伺いしたいのですが、ニツケル生産原価、これで見ますと、カナダは十六万五千円、イギリスの場合は十九万三千、フランスが六十万、一番高いのが日本とフランスですが、フランスですら六十万五千円なのに、日本では原鉱石代だけが七十万円というのは、一トン幾らにお見積りになつたのですか。
  32. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) そこに挙げております原鉱石代と申しますのは、一トン分の原鉱石代でございます。
  33. 結城安次

    ○結城安次君 いや、ですから原鉱石というのはどのくらい……。
  34. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 原鉱石はメタルートン造りますのに三・五%と見まして、実収率を掛けまして三トン七分、三・七トン要るわけです。約八十万円でございますか、鉱石トンあたりが。三十七トンですね。失礼しました。
  35. 結城安次

    ○結城安次君 そうするとトンは幾らになるのですか。
  36. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 一トン分の鉱石代が一万八千八百十二円。
  37. 結城安次

    ○結城安次君 これはどこかから見積りをおとりになつたのかと思いますが、どこの鉱石でしようか。
  38. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) ニユーカレドニアの鉱石の只今オファーの来ておりますもので推算しておるわけであります。
  39. 結城安次

    ○結城安次君 それで、初めて何に入りますが、私の聞いたところでは、ニユーカレドニアのものはこういうふうにするわけはない。実は昨日クラブで聞いたのですが、あそこで仕事をしておつた人から私は聞いたのですが、これはどういう見積りでしようか、どこからこの見積りをおとりになりましたか。
  40. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 貿易商社が二、三軒ございまして、その数字から推定したのであります。
  41. 結城安次

    ○結城安次君 今後日本が鉱石を取ろうとするのは主としてどこでございますか。
  42. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) まだ最終的確定と申しますか、まだ商談が確定しておるという段階ではございませんので、向うから引合が来ておるという状況でございます。引合が来ておりますものはニユーカレドニアのもの、それからセレベスのもの、それからカナダのもの、それから南米のもの、実はいろいろ来ておるわけです。
  43. 結城安次

    ○結城安次君 そこでフランスのニツケルの製錬のコストが六十万なにがし……私の聞いたところではフランスのニツケルは殆んどニユーカレドニアから行つておる、それでニユーカレドニアからいずれ持つて来るのでありましようが、あそこの原石をフランスに持つて行つてこしらえた場合には六十何万でできる。日本で買う場合には原石だけで七十万円するというのは妥当と認めておるのですか。
  44. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 昨日も実は小野委員からお尋ねがございまして申上げたわけでありますが、鉱石代がこのニユーカレドニアのいわゆるルニツケルを使つております場合には、それはトン当り一トン分の鉱石代が一万円でございます。それに対して日本のが三十一万円、それは運賃を除いておりますが、日本のは……もう少し申上げますと、三十一万円の鉱石代と、それから四十六万円の運賃と合計して七十七万円というような数字に相成つておるわけでございます。この一万円のものが日本には三十一万円でしか手に入らないということは非常に余りにべらぼうに高いということは確かにおかしいわけであります。でそれを私ども推定いたしておるわけでありますが、ルニツケルが使います原鉱石は、品位のいいものを使つております。日本に持つて来るものは品位の悪いもの、そこに若干の差が出て来るわけです。それからルニツケルのものは過去においてこれは古くからやつておるわけでありますから、設備費その他もいわば償却済みになつておるような條件だと思うわけであります。その点から非常に安いものを日本供給する際には、新たに増産のための設備投資を行なつてやるという点から割高になるということが技術的に想像されるわけです。使しながらさような若干の相違があるにいたしましても、ここに今申上げまするような一万円のものが三十一万円になるというべらぼうな食い違いは、そういう普通の場合の違いからは想定できないわけでありまして、その大部分というものは供給者側から見まして、この日本が欲しいと言うから開発して出してやろうとは考えるものの、日本がどの程度継続して買つてくれるかというところについての保証がないというところから来たこの危険担保量というものを大きくふつかけておるということがあるのではないかと、そうでなければこれほど大きな開きの値段になるということは想像しかねる点があるわけであります。で私どもとしては、日本需要者が極力安く売手に対してかけ合つて取得するごとく努力してもらう余地は、そういう危険担保量というものをどの程度見るかということによるわけでありますから、かつけ引きの余地が相当あるのではなかろうかということを期待いたしておるわけであります。
  45. 結城安次

    ○結城安次君 御当局はかけ引きやなんかがあるのじやないかというお見込みのようですが、戦前日本にこれが来ておつたことは御承知ですね。
  46. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 戦前におきましては、セレベスから、セレベスへ日本が参りまして仕事をいたしまして、それを持つて来ておつたわけです。
  47. 結城安次

    ○結城安次君 今の御当局は戦前ニユーカレドニアから日本に来たということを御記憶ないかと思うのだが、あすこにヌベル、ニユーカレドニアという日本人の会社があつて日本の何とかいう人が顧問に行つてつて、それで相当来て、今現にフランスに対して交渉しております。つまり日本人の物なるが故に今フランスに沒収された形になつておりますが、フランスとしては或る程度條件で帰してもいいということと、もう一つは何なら合弁で行こうかという話で、今一生懸命交渉しておられます。その人の話を聞くと、これはちよつと君どうだというようなことから話して見ると、どうもそれはべらぼうに高いということになる、そこにたまたま技師のかたもおつて、何といいますか、ニツケル製錬原価明細の物品費、労務費ですか、これらのものがどうも法外に多いようだというようなことを言つておりましたから、今問題になつているすでに新聞で御承知でしようが、別子にこれが行くということで、別子では非常な騒ぎをして、株屋がこれをいじろうと思つて騒いでいるというように、ともかくも問題のあるところですから、政令そのものも必要だと思いますが、私は政令できめるかどうかという場合にはよほど御当局は注意をして行かないと、或いは不祥事も発生しがちなものであるということで、あとの運用は大臣並びに局長の手腕にあるので、これは悪法でもうまく使う人もあるし、善法でも悪く使う人があるので、とやかくは申しませんが、問題になつておる、新聞で御承知でしようが相場屋が別子ニツケルの製錬は何十万円とか儲かるのだというようなことから、これをいじろうというような記事までこの間は散見しておつたようなわけで、特段の注意を要望して、これ以上私はもう質問いたしません。価格の点、その他今言つたところでこれはただ外国人の商社からこう言われたということはあなたの言うことも正しいのだし、今法外にふつかけているというお考えもおありのようですから、いざとなれば十分に研究なさるでしようから、もうこの辺でやめて置きましよう。
  48. 境野清雄

    ○境野清雄君 各委員からいろいろ御質問がありましたので、私から三、四点だけ改めて質問をしたいと思うのであります。  第一に第二條の三項の一に規定されております「当該事業開始されることによつてニツケル供給がその需要に対し著しく過剰とならないこと。」こういうのに対しまして、政府は最初から年間の最小限というものを千四百五十九トンという線で抑えているようでありますが、日本の各工業面から見まして、これは実際問題としては最小限が千四百五十九トンなんで、政府自体としては日本の経済界を復興させるため、或いはその他の面から言つて最大限という方面はさつぱり語つていないのですが、千四百五十九トンをどこまで伸したいという意向なのか、その点を先ず伺いたいと思います。
  49. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 実はその正確な数字をまだ私ども作られていないのであります。と申しますとだらしないと叱られるかも知れませんが、これまでこの前も申上げました千四百五十九トンという数字は司令部にかけ合いまして、必要最小限度という数字を作つてつて行かなければ相手にしてもらえないということで、各省集つてまあ安定本部が中心になのたわけであります。それで作り上げた数字であります。ただ終戦後の消費統計等をずつと見てみますと、千六、七百トンというのが大体の数字になつております。勿論それは輸入が不意に行われたということでもないということからそれより多いということも想像できるのであります。その千四百五十九トンの数字を作ります際に、関係のそれぞれの需要方面から集りましたなまの数字と申しますか、なまの要請量と申しますものを、合計いたしますと約三千四百トンというふうな端数が付いておりましたけれども、そういうふうな数字が出ておつたのでありますけれども、まあ過去の消費実績その他等からかなり需要の内容を査定いたしまして、安定本部が実は千四百五十九トンというものを作つたわけであります。私どもこの法律通りました後におきまして、日本経済情勢といいますか、ニツケル需要する部門の産業の変化ということも当然考えなければいけないと思います。そこのところの様子を加味してこの法の運用の限定の基礎になる数字というものを改めまして政府部内で安定本部に中心になつて頂きまして、全力を挙げて作り直してみたいというふうに今考えておるわけであります。千四百五十九トンよりは多くなるということは或る程度言えますけれどもまあ常識的に考えまして、なまの三千四百トン、こんなに多くないだろうということも又常識的に言えるのじやなかろうかというふうに考えておるわけであります。
  50. 境野清雄

    ○境野清雄君 そうしますと、千四百五十九トンというのは一応スタンダード・ベースに考えますと、先ほど次官からの答弁でフエロニツケルは半数乃至三分の一だということになりますと、大体純ニツケルは千トンくらいでいい、千トンくらいでいいところへ昨日か一昨日の政府答弁によりますと、大体別子が一カ月百トンくらいの生産能力があるものが復活したり、こういうことになりますと、それだけでも千二百トンになるということになりますと、一応スタンダードベースはフエロニツケルのほうはこの日本鉱業の生産設備だけで今の半数か三分の一は間に合うということになると、純ニツケルのほうに関しては別子だけで間に合つてしまうというようなことが一応考えられるので、一昨日の委員会のときか日本アルミが何か月産二百トンくらいのものができるといいましても、一応そういうような面から考えると別子一社に限定されるというような憂いもあるので、事実政府のほうとしては、千四百五十九トンと三千四百トンの中間ならばもう少し早くこの中間としての数字を押えないから、そういうような一社に限定されるというような心配をされるのじやないか、こんなふうにも思うので、私どもとしては政府は中間の数字をもう少し早く出してもらいたい。なおこのニツケルというのがもう現在においてアメリカ自体が日本から千五百トンも要請したのに三百六十五トン、それも紐付の特需というようなふうに語われているような重要な物資でありますので、これの生産日本でもう無制限にできるというようなことは考えられないので、生産制限というようなものを今後考える意向であるかどうか、或いは他から生産制限を受けるような憂いはないのか、この点に対して答弁して頂きたいと思います。
  51. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) ニツケル生産が外部から制限されるということは私ども全然像せんならん何らの根拠もないと思つているわけであります。それから内部的に制限せんならんかどうか、これは私どもその意思は持ちませんが、ただこの三項の一号に語つておりますように供給過剰にならない数字を掴むということは、これはこの法の精神でもありまするし、又同時にこの法全体のコンストラクシヨンの中に、万一の場合設備が償却が完了しなかつた場合には償却不足分を国が補償するというような見方にもなつておりますので、無暗な設備を作りまして、従つて生産供給過剰になる、それが捌けない、結果としてこの本法による積立金によつて償却ということは不可能であつて、国の損失補償によつて建設費その他を補償せんならん、そういう羽目に追込むことになることは法の精神の逆を行くことでありまして、そこにらないようなことで考えなければならんということは考えます。
  52. 境野清雄

    ○境野清雄君 その問題に関係して特需の三百六十五トンというものが五十万円余りの価格で一般特需の方面に廻される、こういう話ですか、その特需の三百六十五トンというものは政府自体としても今から何日くらいまでの特需に対してこれで間に合うのか、それからその後特需というふうなものが起つた場合には引続きアメリカからそういう特需に関してのこのニツケルは輸出を許可してくれるのかどうか、その点に対して伺いたいと思うんです。
  53. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) この三百六十五トンがどういう意味合を持つているかということになるわけでありますが、今お尋ねの答弁には十分ならないかと思いますけれども、この三百六十五トンという数字ができました経緯といいますか、経緯から申しますと、このうち二百十五トンくらい実は昨年中に特需に向けられた数字、それの見合の意味で割当をくれたわけであります。それから差額の百五十トンは十二月頃までに割当をしてやろうというような経緯を持つているわけであります。それでそういうことから見ますと、三百六十五トンが将来の特需を合理的に推定して、それの必要な分ということで実は割当を行われたわけでもありませんので、只今のお尋ねの正確な答えにはならないわけでありますが、ただ私どもあとは推定になりますけれども、お配り申上げてあります資料の中に、特需関係として二百何十トンか見込んでおりますが、これも或る程度ミニマムという数字を見ておるわけであります。三百六十五トンあれば一年分は特需の大きな変化がない限り、大体賄える数字じやなかろうかという感じがするわけであります。
  54. 境野清雄

    ○境野清雄君 そうしますと、これは多分今のお話の通り百六十五トンばかりが特需に廻つて、二百トンばかりのものは前に使つたものの補填ということで、これはフルに使えるだろうというのが、たまたま今の答弁で三百六十五トン全部が特需に廻されるというようなふうに了承したのですが、そうしますと、百五十トンというもので今年の十二月頃まで行けるというようなことになると、前に振替えようとした二百トン以上のものが来年度に廻るとなると、三百六十五トンというもので大体来年は或る程度までは今の発註の状況であれば間に合うというようなふうに解釈してよろしうございますか。
  55. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 極めて常識的には只今のお尋ねのようなことに推測したのが過去のいきさつ等から考えてみて妥当な推測だと思います。ただ特需のいろいろな変化がございますので、私どもとしてそれ以上の変化はございませんということを申上げられる資料はございません。
  56. 境野清雄

    ○境野清雄君 私から今の特需の質問をしましたのは若しどこかで特需が五十万円がらみのものが切れるというような場面が出たときに日本の自体で製造しましたものは勿論二百万円以上になるのじやないかというような場合におきまして、従来の特需の契約を持つているほうは、契約を持つているというものよりもその手持のニツケルを持つでいるほうがどうしても優先的に特需の需要に応じられるというような線が必ずこのままで来るとできると思いますので、そういう点に関して今から政府でもお考えを願つておきまして、特需の場合にはこの積立金を控除して、そうして原価採算で出すとかいうような点も一応考えておいてもらいたいと思つて今の質問はしたのです。それで今の一項の質問は打切りますが、この第二條の三項の中に原鉱石の確保というような面は更に誰つておりませんが、これは勿論原鉱石は輸入業者によつて別個に確保されるものというふうな解釈もあるのですが、原鉱石の確保というものについては全然これは調わなくも或る程度の確信がある、こういうようなお考えかどうかを伺いたいと思います。
  57. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 原鑛石も世界に実は余つておるわけではございませんで、或る程度今から増産が行われるという要因をはらんでおる。従いましてでは明日買付ければ明日鉱石があるかということになりますると、そう簡単ではないということは言えるわけであります。併しながら日本が會つて利用したような原鉱石が相当賦存があり、又日本が買うならばこれを開発してやつてよろしいというオファーが幾つか来ておりますし、更に又これは多少細かいことになりまするが、世界の大半を生産しておるところは全然違つた様子の鉱石を使つておるわけであります。この日本が使おうとしておる鉱石はまあ極端に言いますならば、日本が最大の買手になるかも知れないというようなことも考えられまするので、そう端からとられるという危険はその意味においてないというようなことから考えまして、日本がそれを使つて製錬をやるという方向に進みますならば、一定の生産までの期間を置きますならば、供給は十分に得られるのではないかというように推測いたしております。
  58. 境野清雄

    ○境野清雄君 今の問題はその程度にしたいのですが、ただ原鉱石の問題ですが、私どもが聞きましたところによりますと、大体ニユーカレドニアの原鉱石を使うというようなお話ですが、ルニツケル会社がいろいろ会社自体の経営の返還というのですが、そういうような問題から行きまして大体一九五一年度は売る物がないんじやないか、一九五二年度には二十万トンぐらいを是非日本に買つてもらいたい、こういうような意向ですが、一九五一年には大体今のところ売物が大してないのじやないかというようなことも業界から聞いておりますので、是非こういう面に関しましては、若しこの法案が成立しまして、そうして法案自体が非常に急ぐ事業を援助するというような形体にありますので、原鉱石が入るというような見通しについても、法案以外に政府自身としても格段な一つ御配慮を願わないと、このものが死文になりはしないかというような心配もしておりますので、ニユーカレドニアなり或いはセレベスなりの原鉱石の入るという問題につきまして格段な御配慮を願いたいと思うのであります。  そうして次に第六條の問題に移りたいと思うのでありますが、先ほど結城委員から質問のありました政令で定める額を超える価格という問題なんでありますけれども、先ほど政務次官からの答弁需要者の意向としては短期に工事費等の完済を希望しておる。これは私はどうかと思うのでありますが、そういうような結果が若し予想されておりますと、延いては政令で定める額というものは或る程度高率になるのじやないか、こんなふうに考えるので一応国民生活に影響を及ぼす高い価格のものを出すというようなことが、需要者の意向がそういうような意向だから、そこで目先きのものはどうしても高率のものが出て来るのだぞというようなお考えだと、これはなかなか異論がありますので、こういう点に対して先ほど政務次官答弁のようなことが政府の政令で定める額を超える価格というものに勘案されるのかどうかという点について御答弁を願いたいと思います。
  59. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 私といたしましては、昨日小野委員からのお尋ねがございましたし、それから又それに対する私どもの大臣からお答えがございましたように、言わば矛盾することかも知れませんが、償却は成るべく早く済ますようにしたい、併しながら需要者には成るべく安く手に入るようにさしてあげたいというような、両方見合いながら小野委員からまあ初めに重く後にだんだん減すというような感覚で、その積立金額というものをきめて行くということが最も賢明な方法であるというふうなお話がございましたが、さようなつもりで物価庁、大蔵省その他と相談してそのときの情勢によつて具体的な数字を掴んで行くことにしたらいいんじやないかと思つております。
  60. 境野清雄

    ○境野清雄君 今の問題は大体了承しましたが、政令で定める額を超える価格というものに対しては、結城委員質問通り相当これは問題があるだろう、ということは先ほども結城委員質問通り原鉱石の価格というものがいまだにきまつておらぬので、そのものに対して相当いろいろな異論が起ると思うのでありますが、これは勿論参考ですが、他の原価採算によりますと、タスマニアの鑛石というものを使うものは百四十万円を切れるような原価採算が出ておるように見受けられておりまするし、又政府のほうから資料として頂きましたものは百六十八万円というものが出ておりますので、私どもとしてはこの原価採算というものについては相当再検討してもらわなくちやならないのじやないか、まあ総体的に念いでおられるようでありますので、こういうような資料というものは何か古い資料であるようでありますが、これは是非一つ機会を見て最近の原価採算を一つ出して頂きたい、そうしてでき得る限り先ほど来各委員から質問がありました通り別子鑛業一社が大体引受けるというような疑いを持たれ、そうしてそれに莫大な利潤が行くのだぞということに対しては一つ政府が十二分に御監督なり、或いはこれに対する説明なりができ得るように一つ格段の御配慮を願いたい、こういうふうに思いますので、特にこの法案自体が急がれておるようでありますことと、ニツケル自体の生産というものが非常に急を要するもので、若し政府自体とすればこの国会にこれが通らないような場合には日本ニツケル鑛業というものの生産が又ズレが半年なり四カ月できるというようなことも相当これが問題になるのじやないかというふうに考えますが、いずれにしても法案自体にそういうようなところで相当疑点がありますので、そういう点に対して十二分に一つ御監督を願いたい、こう思うのであります。  最後に私は第八條の問題で質問したいのでありますがこれは法文の問題なんでありますが、第八條の一号を二号の括弧の中の問題でありますが、どういうわけでこういうような法文自体にむずかしい説明を付けなくちやならないか、これはどこを読んでもわからんような、勿論前項と引合せすればわかるのでありますけれども、こういうようなものが法律を作る文の上で今後も起ることだと思うのでありまするが、どういうわけで括弧内というようなものを特にやつたのであるか、そういう点に関して一つ答弁願いたいと、思います。
  61. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) この括弧内と申しますと、八條の一項の第一号と二号にある括弧の御趣旨だと思うのです。
  62. 境野清雄

    ○境野清雄君 そうです。
  63. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) これはこういう見方になつておるわけです。まあ俗に申しまして償却を要すべき額というものを積立てる、特別積立金目標額、基準額というふうにきめておるわけです。それが七條で製錬設備については百分の九十で、附帯設備については百分の五十です。それから鉱石については全額であるというような積立方をいたしておるわけであります。これは目標額をこういう工合に定めておきまして、それに達するまで積立金を積んで行くというような仮の数字として、この七條で百分の九十、百分の五十という数字を置いておるわけです。これは現実に補償が起ります場合を考えて見ますると、個々の設備によりまして、例えば製錬設備の一部であります電気爐なら電気爐というものが、との事業が休止になりました場合にこの電気爐を他に転用すれば百分の五十、或いは百分の八十でも売れるかも知れないということがあり得ようかと思うわけです。そうなりました場合には損失補償対象にいたしますものは電気爐について見れば百分の二十で済むが、仮に百分の八十で売れるということになれば百分の二十が業者のこうむつた損失ということになりまするので、これを損失補償の計算の数字に挙げればいいのだと思うのであります。そういうふうにして具体的に出ました損失額というものを八條で計算いたしまして、その総計から積立金へ幾ら貯つておるか、この積立金を引きまして積立金の足りない部分を補償金額にしようという趣旨なんでございますが、ところがこの七條で百分の九十とか、百分の五十とかいたしておりますけれども、具体的な設備について考えて見まして百分の九十これを逆に申しますれば残存価格が一割ということになります。残存価格が一割にならないというものが、あつたとしましてもその分は積立金がこういうことで用意いたしておる関係もあり、百分の十は残存価格があるものとして計算いたしますよ、そういう趣旨でございます。純理論的に考えますと、この括弧なしでもよろしいということも言えるかと思うわけでありまするが、この製錬設備については百分の九十、附帯設備については百分の五十、というのはそう軽い基準ではない、一般的に税法上等から見ましてもこの残存価格は、償却のきめ方のあれとして残存価格は常に一割は残るものだというのが税法上でもそういう扱いをしております。そういう数字を取りました関係上残存価格は一割を下ることはありませんよと、現実処分する場合は百分の八しか残存価格がなかつたということはあるかも知れませんが、そこまでしか見ませんよと、他の法令との均衡上さような扱いをいたしております。
  64. 境野清雄

    ○境野清雄君 この法案自体には関係ないのでありますけれども、勿論純ニツケルとフエロニツケルというようなものが同じように日本経済の上に同じような率で重要だというふうに私どもは考えないのでありますけれども、そういう純ニツケルに対してこれだけの助成法案ができたということにつきましては、この後におきまして政府は是非これに関連のあるフエロニツケルというようなものに対して製造の事業に対する助成というものについても一応お考えを願いたい。純ニツケルだけこの法案を通しまして純ニツケルだけが日本事業、経済に寄与するような措置をとりましても、フエロニツケルも決して捨てて置けるものではないのでありまして、この法案とは別個に一つこれに対する助成法案も次の国会あたりまでにお考え願いたい、それだけ希望しまして私の質問を打切ります。
  65. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) お諮りしますが、緊要物資売払に関する法律案に対しては御質問ございませんか。或いは前のニツケル製錬事数助成法案で……。
  66. 小野義夫

    小野義夫君 ちよつとニツケル鉱業のほうで……、これはこの原価の評価が少し著しく……、まあこれは咄嗟に要求したものですから或いは調査が不十分であつた虞れがあるのかも知れませんが、先ず第一点にフランスの一万円というようなことはどうしてもこれは間違いであろうと思う。と申しますのは、フランスのは五%ですから実収は八十としても原鉱は二十五トンを要するわけです。一万円であるということはトン四百円ということ、如何にフランスが物価が安いか、労銀が安いかは知りませんけれども、トン四百円というようなことであのニユーカレドニアやその他ああいう熱帯地方のものが出るように考えられないので、これは一つ何かの、これは一万円という数字が原鉱石であるのか、金属ニツケルートンに対する一万円ということか、ちよつと想像が付かない、何かしつかりした根拠から出ていますかどうですか。
  67. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) この一万円という数字は実はカナダの場合も同様でございますけれども、カナダのほうにつきましても、御承知のように日本でもカナダの山を見に行つた人は一人か二人しかいないのであります。それからフランスの場合でも同様でございます。それで相当程度まあ推測が入つておるわけであります。併し推測の多少の根拠になります数字は、この備考欄にお書き申上げておるわけでありますが、まあ露天堀のことでございまするので、露天堀だつたらば日本の例から考えて露天堀の鉱石一トン、粗鉱一トン四百円ぐらいと一応推定数字を、これはそう違うまいという推定をしたわけであります。そうしますと、品位と実収率を考えまして二十五倍を見ておるわけであります。それで五%のものでございますれば、実収率がなければ二十トンなわけです。それの実収率を八十と見まして、品位も少しいいものでございますから、実収率八十と見れば、それも又二割五分に満たないわけです。二十五トンというふうに見てよかろうかということから、粗鉱一トンの採掘費は四百円、それの二十五トン分一万円と、かように推定をしてみたわけであります。向うからの資料があるわけではございません。いわゆる採鉱屋さん、技術屋さんの常識から推測したということになるのです。
  68. 境野清雄

    ○境野清雄君 これはちよつと継続して、ちよつと筆記をとめて下さい。
  69. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) ちよつと速記とめて。    午後三時三十七分速記中止    —————・—————    午後四時二十一分速記開始
  70. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長    深川榮左エ門君    理事            古池 信三君            結城 安次君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            下條 恭兵君            山川 良一君            西田 隆男君            境野 清雄君            高瀬荘太郎君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   政府委員    通商産業政務次    官       首藤 新八君    通商産業省通商    振興局長    井上 尚一君    資源庁鉱山局長 徳永 久次君   事務局側    常任委員会專門    員       山本友太郎君    常任委員会專門    員       小田橋貞壽君   説明員    資源庁鉱山局鉱    政課長     永野  量君