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1951-05-23 第10回国会 参議院 通商産業委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十三日(水曜日)    午後一時五十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○森林法案に関する件 ○計量法案内閣送付) ○計量法施行法案内閣送付)   —————————————
  2. 結城安次

    理事結城安次君) 只今から通産委員会を開会いたします。  本日委員長深川榮左エ門君が重要な御相談があるそうですから、私が深川君の来るまで代理を勤めます。  先ず山本専門員から御報告いたすことがございます。
  3. 山本友太郎

    専門員山本友太郎君) 御報告の一件は、御案内のように農林委員会のほうで只今森林法案審議が進んでおります。森林法案はすでに御承知通り森林資源確保ということを目標として立案されているわけでありますが、これと石炭増産に不可欠でございますところの坑木との関係が大変問題になりまして、業界といたしましては、これに対しまして非常な関心を寄せているわけでございます。そこで委員会にお諮りして後やるべきが正しかつたと思いますが、急ぐ関係もございましたので、通産委員長の名前を以ちまして、農林委員長宛にかような一応の書類を提出いたしまして、農林委員会において御善処下さるように依頼いたしましたので、その段を一応御報告申上げます。    森林法案の取扱に関する件   貴委員会に付託御審議中の森林法案森林の保続培養と森林生産力の増進を図り以て国土の保全と国民経済の発展に資すべく極めて重要な法案であります。然るところ、同法施行の際年産四千五百万トンを目標としている石炭業者が、その所用坑木一千一百万石の確保が、果して可能なりや否やについて、頗る懸念いたしておりますことは業界関係者の数次に及ぶ陳情等によつてすでに、御承知通りであります。   石炭増産に多大の関心を持つ我が通産委員会といたしましては、その点について特に留意し、その成行については大いに注目している実情であります。   貴委員会における審議に際しては通商産業委員会の意の存するところを諒とせられ、格段の御配慮を賜わりたくお願申上げます。  かような一応依頼的な書状を通産委員長名を以ちまして、農林委員長宛に出しましたので、お含みの上各会派におきましても、農林委員会所属委員のかたと御連絡願いまて、いろいろ農林委員会審議に際しまして、特段の御協力を願うように御配慮願いますれば、大変好都合かと存じますので、以上御報告申上げておきます。   —————————————
  4. 結城安次

    理事結城安次君) それでは只今から特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  この法案は過日通産大臣から御説明願い、又提案理由の御説明があり、更にその内容についても説明がありましたが、極めて簡単なことのように伺つておりました。何かこれについて質疑のあるかたは御発言願いたいと思います……。それでは質問者関係もございまして、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案あと廻しにしまして、先ず計量法案及び計量法施行法案、この二法案議題として御審議を願います。本法案に対して御質疑のあるかたは順次御発言願います。
  5. 下條恭兵

    下條恭兵君 この計量法案について今度日米経済協力、アメリカとの関係で非常に多くなると思うのですが、ヤードポンド法がこの法に規定してないということは非常に不便のような気がしますが……。
  6. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) ヤードポンド法メートル法尺貫法という現在三者が錯綜して使われておりますが、御承知のようにこの法案におきましては、現在のメートル法ヤードポンド法尺貫法につきましては、三十三年の末までそのまま行くということになつておりまして、施行法にそれは明示してあると思います。その点につきましては、従来ずつとやつて来ました、そのままの姿でこの法案に織込んでございます。その他御質問の点にお答え申上げたいと思いますが、その地本法案につきましては、計量単位が殖えましたとか、その他数々のこの古い法律につきまして改正したところが主眼になつておりまして、只今日米経済協力その他の問題につきましては、従来通りのままで進むということになつております
  7. 下條恭兵

    下條恭兵君 もう一つだけ伺いますが、検定に従事している職員通産省又は都道府県を通じまして非常な数に達する大人数になると思うのでありますけれども検定の上にリミツトに対する手心が違つたりして、検定統一されないというような虞れがありはしないかと考えるのでありすまが、この点について一つ……。
  8. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) お尋ね通り計量度量衡関係事務は全部統一的にやることが絶対に必要と考えておるのでありますが、その点につきましては、従来我々随分御注意も受けた点でありまして、当然法律改正のときには、法律的にも十分その点を改正いたしたいということで、数年来如何にこれを実現するかということを苦慮して来た次第でございます。そういう意味合から各府県においてばらばらな検定がないようにという考え方をとりまして、今回この法案におきましては、計量調査官制度というものを設けたわけでございます。法文上は更に若しそういう不統一な場合があつたならば、覆審制度を設けまして、いわゆる再検査の申出ができると、或いは度量衡関係行政処分におきまして異議のあるかたは異議申立てができるという法律構成とつたわけでございます。つまり行政調査官という特殊のものを設けまして、その再検査申請異議申立等につきまして、これらのものが、調査官がもつぱら只今心配の点のようなところをなくすべく、又法律上はそういうものに対して異議のあるかたは申出て頂きまして、遺憾のないように法律上は考えたわけでございます。実際面におきましても、行政面におきましても、この点は十分注意すべき点でありまして、私どもあらゆる点からその点を十分遺憾ないように、関係府県のものを殆んど三カ月に一度ぐらいは招集いたしまして、その点の不統一にならないように行政面においても注意しておる点でございます。
  9. 下條恭兵

    下條恭兵君 通産省都道府県を通じて検定に従事する職員というのは大体どれくらいになるのですか。
  10. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 中央関係が約三百五十人、地方関係が六百二十人であります。
  11. 下條恭兵

    下條恭兵君 そうしますと、そういう千人近い人間が数ヵ月に一回ずつ東京に集まるか何かして、打合せか何かして正確を期しておる、こういうわけですか。
  12. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 只今の点は検定関係度量衡関係に従事しておるものが全部でそのくらいの数ということでございまして、県のいわゆる所長と言いますか、主任者と言いますか、そういうものを集めておるのであります。県によりますれば課長が来ておる所もありますが、そういう主任者を集めておるということでございます。
  13. 下條恭兵

    下條恭兵君 検定申請を受けてから二十日以内に合格或いは不合格をきめることになつているのだそうですが、それが遅れて二十日を超え、非常に長い間があるというような場合が起きることも考えられるのですが、そういう場合に業者損害をこうむつたというようなことがあつたら、政府としてはどういうふうに措置するお考えでありますか。
  14. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 只今の点につきましても、先ほどお尋ねがありましたような、成るべく行政能率化を図るという点から、実は法律の中にこういういつ幾日にやれということを入れましたのは私非常に少いのではないかと思うのであります。併しながら徒らに長くなるということが非常に業界にいろいろ影響を与えるということから、二十日以内ということを原則として考えております。併しこれは原則でありまして、二十日以内に実はできるものはございます。又その計器種類によりましては二十日以上かかるものがございます。これらにつきましては、その検定難易等につきまして政令その他におきまして特例を設けるということにいたしております。只今お尋ねの点の損害その他につきましては国家賠償法で、特に役人の不注意、故意又は過失等或いは違法なことをした場合に、かくかくの賠償をし得るという別項の法律がございますので、本法案にはそれを入れることを差控えまして、そういう国家賠償法規定によつて善処するということにいたした次第であります。
  15. 下條恭兵

    下條恭兵君 今の何で、二十日かかつても、二十日では到底検定ができないというような種類計器というのは、大体例えばどういうものですか、そういうものはたくさんございますか。
  16. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 例えば一例を申上げますと、コンベヤースケールのような非常な厖大なものがありますが、大体普通のものは二十日と常識的には考えられますが、もう少し小さいものは十日ぐらいでできると思います。
  17. 下條恭兵

    下條恭兵君 少し細かいことになるのですが、コンベヤースケール、トラツク・スケールというのは、ああいうものは誤差はどれくらいなんでしようか。
  18. 高田忠

    説明員高田忠君) 大きいものから小さいものとたくさんございますが、百分の一、千分の一ぐらいな中間を大体上下していると思います。
  19. 結城安次

    理事結城安次君) それではちよつと私からお伺いしておきたいのですが、この前審議会委員任期がたしか一年半か一年で、再任を妨げるという字がなかつたんですが、あれは法律上はつきり一年以上で再任はされないと……。
  20. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 仰せの点は私ども法律的にも研究いたしたのでございますが、一年ということで本法案条文によりましても再任は妨げない、再任をしてもよろしいということに私ども解釈いたしておる次第であります。
  21. 結城安次

    理事結城安次君) 書いてなければいけない。これは僕は法律的に、我々習つた法律では書いてなければいけない。再任は妨げないと書いてなければ再任はできないものと僕は思うのですが、法律的に調べておくほうが……。
  22. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) この法文を私ども研究した結果では差支えないということになつております。法務府で……。
  23. 小野義夫

    小野義夫君 そうすると、再任を妨げないというのはダブルということになるだろうと……ほかのほうに例えばたくさんありますね、現に高圧ガスではその問題が修正になつたのでございますけれども、あれは単に書き放しに……普通慣例としては再選を妨げずと書くのが慣例ではないですかな、どうでしようかな、立法の……。
  24. 山川良一

    山川良一君 今の点はもうちよつとしつかり調べて頂く必要があるんじやないりですかね、もう一度調べて頂きたい。
  25. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) お話に基きまして、もう一度よく調べます。
  26. 小野義夫

    小野義夫君 公聴会大分まあいろいろ名士がお集りになつて意見を拝聴したのでありますが、私どももこれは非常に時間的に見ましても、これは大事な法律でありますので、本当に委員諸君におきましても、徹底的にこれを御研究するなかなか余裕はないでしようが、私もやつていないのですが、そこで一番利害関係を持つところの公聴会諸君の御意見というものは、この際重く我々は評価して考えなければいかんかと思うのですが、その公聴会意見賛成意見は、先ず大体において無条件賛成のようでありますから、むしろ反対意見のほうを我々が思考する価値があるかないか、大いに尊重する価値があるかないかをここに慎重に考える必要があると思うのですが、そこでこの法律は多分問題でもあるし、日本の国情からすれば急に行われないから、三十三年度と、まあ向う七、八年もあろうかというような余裕を見ておるわけでありますが、そこでどうしてもこの議会にこれを是非とも通過しなければならんというふうに緊迫せる事情があるかどうか。法律を作るときにはともかく非常に必要性に、止むを得ないというところに論点を置いてないというと、急がんものは、慎重にやる余裕があるものは債重に審議したほうがいい。まあ議会が非常にどんどん鵜呑みにして行くという習慣は悪い習慣だと思うのでありまして、第一点は、非常にこれはやらなければならんというのは、政府の出した……皆さまの立場 とかいろいろなことがあります。私ども與党として、政府の案は大体原則的に支持してパスさせるという気持にはなつておるのでありますけれども、その点が非常に皆さんの、この委員会の各位がどうしてもやらなければならんかということが今非常に考えられるのですが、どうでしようかね。
  27. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 結論を先に申上げますれば、是非御審議をお願いしたいということでありますが、御承知のように現在の法律明治四十二年にできておる法律でございますから、その他多少追加が、いろいろ修正があつたということでございますが、全般的に見ますと、非常に度量衝関係というものは産業経済、いろんな各方面のものと並行或いはそれに先んじて進むものではないかというふうに考えておるのでありますが、この点は全般的な議論からすると、非常に遅れておる現在の法律ができておるのであります。特に只今申上げましたような点から申上げますと、新らしい計量器がどんどん殖えております。又殖えなければ経済その他の産業等の進歩はないわけでありますが、非常に時代から見まして、今の法律が立ち遅れておる、又単位等におきましても、明治四十年来ずつとやつて来ましたが、非常に少なくなつておりまして、現在国際的になり、又非常に経済の規模が複雑な範囲になつておるときに、これらが非常に取り残されておる、従つて今回におきましても、最初のほうにおきまして単位を相当たくさん取上げた次第であります。それから取締りの点につきましても、従来非常に遺憾な点かございましたので、これらの点についても明瞭にいたしましたことと、それから計量事務というものが非常に複雑であり、又各分野に食入つておりますので、御承知のように何から何までこれは役所でやるということができないのでありまして、やはり官民一体をなすと共に、いわゆる自治管理考え方至急に取上げなければならんのであります。そういう面から計量吉制度を新らしく取入れた次第であります。それから先ほどもございましたように、中央検定統一ということが、あらゆる面から非常に必要なのでありますが、これらの点につきましては、今回先ほど申上げましたような覆審制度を設けまして、再検査制度異議申立というような点を取入れた次第であります。そういう次第で非常に新らしく取入れた面が非常に多いのでありまして、従来の法律が非常に取残されて、現在の産業その他の面からとは一致しない面が非常に多いのです。この点十分この本法案に取入れたつもりで、実は昭和二十一年頃からこの準備に着手いたしまして、今日この法案を提案するような運びに相成つた次第であります。その開議会等におきましても、現行法不備欠陥等につきまして、実は再三建議案等を受けまして、私ども至急に立案提案するということを政府としていたしたいとお約束をし、参つたような次第であります。
  28. 小野義夫

    小野義夫君 第二点に伺いたいのは大分検定料は非常に最高で、実際はそこまで行かないのであるが、大体最高をきめたのが非常に高過ぎると、これはまあ一般に例えば特許の手数料とか、或いは意匠権等についても妥当なものはどんどん上げて参つておるのでありますから、検定料つても或る種の貨幣価値の変動に伴つて上げることは当然だと思うのですけれども、大体今政府で予定しておるものは、現行収入、まあ種類が殖えますから、自然そのほうの新らしい収入にもなると思いますけれども、全体的の収入増加現行に比べてどのくらいの収入増加が、中央地方を通じて殖えるのだというような、何か計算がありますならばお知らせ願いたいと思います。
  29. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 非常に手数料の問題は法案から見ますと、或いは私のほうから見ますと、誤解を招いておるものが非常に多いのでありますこの際お答えを申上げておきたいと思いますが、第一に手数料法律案の中に織込みましたのは、例えば或る情勢が来たから、直ぐ又何割上げるというようなことのないように、実は最高限度を抑えたわけであります。この点は却つて心配の面から十分御了解を願えるのじやないかと思うのであります。併しながらこれを多数の計量器につきまして、一々手数料をこれに計上するということは事実非常に困難な問題でございますから、実は同じ計量器につきましても、成るべく大きい分類を作りまして、その中の或いは大きい容量のものであるとか、或いは輸送して行かなければならんものは、その距離の非常に長いものをとつて最高価格をきめたわけでありまして、従つてこの分類の中のものが、実は非常に細かく政令できめられることになると思うのであります。而して今お尋ねの、検定手数料は、大体現状におきましては七千万円程度のものになつておりますが、今回の改正をいたしました場合に、現在の手数料から比較して、概括論を申上げますれば、大体同等なもの、それから却つて値下げをするもの、それから引上げるもの、こういうことになると思うのであります。現在の手数料から私ども考えますと、非常に不合理なものも実はあるのであります。そういう面から考えまして、全体の収入から見ると、特に私は大きく殖えるということではなくて、大体同じぐらいの程度で、この手数料の総額におきましては行くべきではないかと思うのであります。なお必要に応じまして、この細分等の、現在抱いておる案につきまして、資料を以てお答えを申上げたいと思います。
  30. 小野義夫

    小野義夫君 それからこの検定に……、非常に例えば測量機械或いは顕微鏡その他そういうレンズ関係のような高度の機械の性能若しくはそれを検査するということは、現在の制度では各府県にそれだけ整備されていないという公聴会の御意見であるが、これを実際的に運用する場合においての妙案がおありになると思いますが、どうぞその点を……。
  31. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) お話通り今回いろいろな新らしい計算器が追加されております中に、御指摘のような点がございまして、これは過日の公聴会のときにも私も承わり、又今のお話通り準備をするのが非常に必要なのであります。従いまして新らしい計量器につきましては、大体四段階に実は分けておるわけでありまして、この法律案と同時に施行するもの、一年後、二年後、三年後、この四段階に実は分けてあります。その間におきまして、只今お話のような、こちらの設備その他が地方検定所というようなところで準備ができるということで、施行と同時に全部やるということには実は考えていないのでありしまして、その点は準備その他いろいろな関係もございますので、人の関係もございますので、四段階に分けて円滑に移り変りをやろうと、こういうふうに考えておる次第であります。なおそういう高度の検定その他のものにつきましては、各地方庁でばらばらにこれ設備をし、やることが実際面において非常に困難でございますので、高度のようなものにつきましては、中央検査所におきまして、大体設備をいたしまして、その間円滑なる推移を図るという計画において進んでおるわけであります。
  32. 小野義夫

    小野義夫君 それから罰則が重いという声を……、例えば現行法よりも一年が二年に、二年が三年になり、罰金が甚だしきは二十万円にも上つておるというので、他の例もまだたくさんあると思いますが、単にこれだけの罰金じやないと思うのですが、そこらを他の法令その他の権衡を保つて、当然これは罰する意味ではなく、他の法令関係上止むを得ず附したというのでありますが、特にこの法案を強くこの法律施行するために重くしたのでありますか、その点一つ承わりたい。
  33. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 決してこの法案だけを強くしたというような気持は全然ございませんので、実は現在の度量衡法関係が非常に古い法律でございまして、先ほど申上げましたように、四十二年にできた法律でございまして、本法案に織り込みました罰則等につきましては、十分他法令との関係を考慮いたしまして、それぞれ政府内部におきましても、十分それらの専門家方面と打合わして本案を作つておる次第でございまして、特にこの法案だけが強いというようなことは絶対にないことを申上げたいと思います。なお私どもといたしましても、罰則を適用するというような事態が起らないように十分行政的にも考えて、何と言いますか、一緒に善導することもございましようし、又理解されていない点につきましては、これは十分周知徹底せしめるというようなことに努力をする次第でございます。
  34. 小野義夫

    小野義夫君 次にこれは一番ほかの法令から見ても問題となると思うのですが、審議会構成をお役人のかたがただけでやつてつて、これになぜ民間人の、例えば学識経験があるとか、或いは業態に対して関係があるというのを入れないようなことになつているかどうかどいう点が、その点特に何か理由がございますか。
  35. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 非常に手厳しい御質問で、実はあれなんでございますが、率直に申上げたいと思います。委員会の問題につきましては、いろいろ経過が実はあつたわけでありますが、私ども法案に出しましたような気持にどうしてなつたかということをお答え申上げたいと思います。特に学識経験者のかたを積極的に入ることを排斥したものでも何でも気持はないのであります。いろいろ任期その他のような関係が考慮されましたことも一つでありますが、この計量法施行その他計量行政の問題というものは、この法案の中にも書きましたように、政府みずからが、先ず政府行政機関そのものが卒先してあらゆるものをやらなければならんということをこの条文に実は謳つたのであります。  それから検定でありますとか、取締でありますとかいうものが、中央地方とで、分担と言いますか、いろんな面で行われておるわけであります。先ほど申上げましたように、大体三月に一遍くらいは地方関係の者を呼び集めるような、ことほどさように中央地方のを行政面計量行政施行に非常に密接な関係がある、そういうものから計量行政審議会行政関係の者というものに限定したような次第でありまして、格別そのために排除したというような実は趣旨は毛頭ないのであります。そういう点が一つと、それからこれはまあ一般の委員会についても同様なことだと思いますが、この法案ができました暁におきまして施行されまする政令とか、省令の実施につきましては、公聴会制度を設けたということでございます。これはこの法律そのものは来年の三月一日から実施をされることになるのでありますが、公聴会規定につきましては、施行と同時にこれを発動するというような公聴会規定が全部ございまするので、そういう面と、先ほど申上げましたような普通の委員会違つて、特に計量行政というものが中央地方関係に影響するところが重要であるという強い気持もございまして、こういう本案のような次第になつたような次第でありまして、特に学識経験のかたを排除したという、積極的にそういう意味がなかつたということだけを申上げまして、十分御審議を願えれば結構だと思います。
  36. 小野義夫

    小野義夫君 それから私の質問として最後に申上げたいのは、三十三年までは尺貫法も、それから今のインチ或いはポンドに関する英米のほうも、同時に並行して三十三年までは行われると、まあ三十三年が来たら又来たときの考えだというようにも考えられるのですが、何かそうでなく、この法案が通る、仮に今議会で通ると、直ちにこれと並行的にもう少し尺貫法やその他について緩和し得るようなあらかじめ、これで見るというと、他の措置をとらなければ当然三十三年度から行われるというのでありますが、当然行われるというのに危惧を持つておるのでありますから、これを何か緩和するような政府において処置を講じておくということをあらかじめ定めることができますかどうかですな、何らかの方法を似て……。
  37. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) その点の点につきましては、従来決定をされた方針のままを現在の法律案に織り込んだ次第であります。一方におきましては、三十三年をもう少し短縮したほうがよくはなかつたかというような御意見も拝聴いたし、又一方におきましては、そういうところで年限を切るのはけしからんという御意見も、実はこの本法案を出す前に十分にいろいろな方面から御意見があつたと思います。いろいろな点を勘案いたしまして、現行法通りということで本案を移して来た次第であります。お話通り度量衡関係のものは極めて経済その他文化生活その他に非常に食い入つておるものでございまするので、私どもも十分この推移につきましては重要問題に考えておる次第であります。円滑なる推移をすることを私ども期持しておる次第でありまして、本問題につきましては、なお私どもも十分皆様の御意見を拝聴して、慎重審議を諮つて行きたいということを現状考えておるような次第であります。
  38. 加藤正人

    ○加藤正人君 私も小野委員と同じような考えで、一昨日、昨日来の公述人り公述を熱心に承わつたのでありますが、それぞれいろんな特別な関係者であるだけに非常に我々啓発されたところが多いのでありまして、今小野委員がずつと質問されましたが、私は御答弁がどういう御答弁があるかと思つて興味を持つて聞いておつたのですが、大体そのうちで最も私は重要だと感じますことは、審議会の構成の問題なんです。今お答えを承わつておりますと、中央地方関係するものであつて非常に重要である。政府がこれに指導的でなければならんというようなお話もありましたが、そういう重要なものであれば、なお更私は学識経験者を入れる必要があるのじやなかろうかと思うのです。又それから公聴会という準備もあるというお話でありましたが、公聴に出るような、招いて公述させるようなメンバーを初めから委員の中に入れておくということは、更に完璧じやなかろうかと私は思うのであります。そういう点については御再考を頂くわけに行きませんでしようか。
  39. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 先ほど申上げましたように、特に積極的にこれを排除したという気持もないのでありまして、皆さんの十分御意見を拝聴して、その意向に私は従いたいと思います。
  40. 加藤正人

    ○加藤正人君 それではそういうことをなし得る可能性があるというわけですな……。承知しました。
  41. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) その御意見私十分拝聴いたしたいと思いますし、又国会で御審議つておることを十分承知しておるわけであります。なお全般的に申上げますと、この法律案が三月一日から実は施行するということになつておりますが、甚だあれでございますが、そういう点も十分御考慮を願つて、今御意見のような点も十分考えたいと思つております。率直な私の気持であります。
  42. 結城安次

    理事結城安次君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  43. 結城安次

    理事結城安次君) 速記を始めて下さい。ちよつと私からお尋ね申上げますが、只今のあなたの御意見修正しなければできませんね。法案は「会長及び委員は、関係行政機関の職員のうちから、通商産業大臣が区任命する。」と、もう範囲が限定されているのでしようかね。
  44. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) これは委員会で御決定を願う事柄でありまして、原案の、私の気持といたしますれば、先ほど申上げましたような気持で本委員会に提案いたしましたので、十分御審議を願えれば私結構だと思います。
  45. 結城安次

    理事結城安次君) そうすると、政府委員のお考えは、もともと自分たちはそういう学識経験者を入れたかつたのだから、御修正を願えば結構だという意味でございますね。
  46. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 委員会審議でございまするので、私どもとすれば委員会の御修正において異論の点があると思いますが、政府気持とすれば、先ほど申上げましたような気持と経緯に基きまして本案を作りました。なお三月一日より実施するということを一つお心にお留め願つて審議を願えれば非常に光栄だと存じております。
  47. 加藤正人

    ○加藤正人君 公述人の中で、電気の単位が入れられなかつたのはどういうわけだという質問がありましたが、それをちよつと……。
  48. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 実は電気の単位の問題につきましては、現在電気測定法というものがございます。検定その他もその電気測定法に基いて行われております。いろいろこの関係考えて見ますと、各国の例を見ましても電気測定法のようなやり方をとつている国と、それから本法案に織り込みましたような形式をとつているものと二通り実はあるのであります。電気関係につきましては、その扱い方が全く違つて来た扱いをとつております。それは電気測定法のほうは、いわゆる形式承認というものをとつているのであります。これはどちらかと申しますると、そのもの自体に対物的な扱い方をとつております。計量度量衡並びに現在のこの法案につきましては、大体対人的と申しますか、許可主義をとつております。いろいろこういう業界その他の扱い方におきましては、二つの方法がございまして、どちらが優劣かどうかということは非常に意見が分れるところじやないかと思います。それからそういう扱い方が非常に違つていることと、又電気測定法関係検定その他につきましては、現在地方庁とは全然関係なくやつております。検定並びに取締につきましても、地方庁はこれに特に関与していない、そういう実際面の扱い方も違つている。そういう生い立ち、それから現状が違つているものでありますら、いろいろ単位という点から見れば、これは計量単位の中に電気を入れることが私は望ましいと実は思うのでありますが、現在二つの法律でまだ実施されているという現状、又その内容が相当違つているというような点もございまして、特に一つ法律にしなかつた次第でありまして、仮に二つに分れているからということで、積極的に別にそれじや法律の点から有害とか何とかという点があるかということになりますと、それは私はないと思うのであります。内容的には或いは電気の単位という点は、少くともその点だけは入れることが望ましいと思つたのでありますが、そういういろいろな点が違つた生い立を持つて来ているものでありますから、これを二つに現状通り分けたというのがそれなんであります。
  49. 下條恭兵

    下條恭兵君 今の小野委員、加藤委員に対する答弁を承わつておると、又少し疑問になつて来るのですが、三十三年までヤードポンド法尺貫法を何して、様子を見るのだと承わつたのですが、先ほども申上げましたように、計量単位にメートル制一本にするか。その他いろいろなものがあるということは、産業の能率の上からいつても、国民生活の上からいつても随分影響があると思つておるのです。我々はインチ・ポンドを使つてつて、メートル制に改めるときに随分苦労もしたし、調節には苦労もしたが、馴れて来るとあれが非常にいいということがわかつて来たので、現在殆んど学校なんかはメートル制一本でやつておるのでありますが、それは個人の家庭生活に随分入つて来ておるのです。大体終戦前まで産業界もメートル制に統一されていたようでありますが、終戦後いろいろな状況でインチ・ポンド法が復活して来たので、私はややこしくなつて来たと思うのです。三十三年と見通しを付けましたことにつきまして、私はお尋ねしたいのです。メートル制を採用した時代には、自立的にも経済的にも日本が一本立ちでできるということから、ああいうことを強引にやつたのだと思いますので、今度三十三年までと切つておられることの考え方の中には、アメリカもその頃にはメートル制に変るのだというような動きがあるのかどうか。或いはそうでなければ、私が今申上げましたように、政府のほうじや三十三年頃になると日本が完全に経済的な独立ができるので、もうインチ、ポンドが流れ込んで来るというようなことがだんだんなくなつて来るという見通しでおやりになつておるか、そういう点を一つ……。
  50. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) アメリカ自体の判断をすることは非常に困難で、又私から申上げるということは、ちよつと……。誰がどう言つたというわけじやないのでございますが、メートル法につきまして、このいろいろな法案を出す場合におきましても、アメリカとしてもそういうような方向に向いつあるということは、メートル法に転換する方向に向いつつあるということは、聞いておるところでございますが、何年何月までにどうなるということは、非常に見通しすること、そこからも困難かと思います。先ほどの前段の点でございますが、私先ほど申上げましたように、メートル法の基本と尺貫法を三十三年まで併用するということは相当以前にきめられたことでありまして、その間におきまして、いろいろ戦争であるとか、いろいろなことでこれがチエツクされた面も実はあるのであります。将来まだ三十三年までには七年有余の時間がありまして、この間におきまして、これが円滑なる推移が図り得るかどうかということがわかると思いますが、私どもその方針に基きまして、極めて円滑に行くように、この七年有余の間に努力をしたい、こういう気持でおります。但し七年といえば短かいようであり長い、又長いようで短かいという問題でございまして、この間日本の産業界も、又は姿も変転極まりないものになるのじやないかと思うのであります。その辺は十分御審議を願うところと思います。
  51. 上原正吉

    ○上原正吉君 私の質問も下條委員質問と同じなんですが、メートル法は世界各国で、殊に米英両国でどの程度に普及しつつあり、どのくらい採用しつつあるか、そうして二十三年後にはどの程度に達するかというお見込みかということを伺いたいのと、尺貫法は別として、貿易に関してはやはりいろいろな世界各国の度量衡法があれば、それに従つて計量法が使えないと思うのです。日本だけがそういう場合に本当に廃止してしまつたら、こんな心配が起きやしないか、これを心配するのですが、この点を当局はどうお考えになつておるか、これを承わりたいと思います。
  52. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) イギリス、アメリカのメートル法がいつ更改が完了するかということは、非常に私も困難でお答えできないのでありますが、御承知のようにイギリス、アメリカ等におきましてはヤード、ボンドとメートルの併用でございます。併し両国におきましても、それ自体もメートル条約に加入し、メートルにすべく非常に努力をされておるということだけは申上げられるのじやないかと思います。それから貿易の点につきましては、これは貿易関係につきましては除外をいたしておるのでございまして、本法案におきましても、貿易関係につきましては除外しているのでございまして、只今御指摘のような点は解消されるのじやないかと思います。
  53. 上原正吉

    ○上原正吉君 この除外されておりましても、国内においてヤードポンド法による計量器の製造法が廃絶するというようなことがありますると非常に困難や迷惑が生じると思いますが。
  54. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) 先ほど申上げましたように、現在は三十三年は併用でございますし、それから三十三年後におきましても、従来の法律案を見ますと、検定をしないというように現行法はなつておるのでありますが、新らしくそういう別途のヤードポンド法とか何とか使つてよろしいという定義がございますが、これは三十三年後におきましても検定をするということで、この法案ができておるわけでございます。
  55. 結城安次

    理事結城安次君) ちよつとお伺いしますが、三十三年と切つたのは何か根拠があるのですか。
  56. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) これは多分昭和十四年に二十年、その当時延長すると、併用期間を認めるというようなところから、丁度三十三年がその期間に相当しておるのです。
  57. 結城安次

    理事結城安次君) 御質問ございませんか……。小野さんどうぞ……。
  58. 小野義夫

    小野義夫君 わかりました。わかりましだが、我々にもう少し研究の時間を与えて頂きたいと思いますが……。
  59. 小松正雄

    ○小松正雄君 さつき伺つたのですが、法案施行からどういうようなものが、例えば何段階かに分けてやるという話がありましたが、どの品物が一年後実施、二年後実施というような明確なものは出ておりますか。
  60. 玉置敬三

    政府委員玉置敬三君) そういうものは資料で配付いたしたいと思います。私のほうで只今申上げても結構なんでありますが、資料で御覧願いましたほうが御了解願えるのじやないかと思いますが、大体先ほど申しました内容に、どういうものが入つておるかという例示を申上げましたので、御了承願いたいと思います。
  61. 結城安次

    理事結城安次君) ほかにありませんか、御質問……。別に御発言もないようですが……。
  62. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これはちよつと速記を止めてもらつて……。
  63. 結城安次

    理事結城安次君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  64. 結城安次

    理事結城安次君) 速記を始めて下さい。別に御質疑もないようですから、本日はこれを以て散会いたします。    午後三時十五分散会  出席者は左の通り。    理事            古池 信三君            結城 安次君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            重宗 雄三君            小松 正雄君            下條 恭兵君            椿  繁夫君            加藤 正人君            山川 良一君   政府委員    通商産業省通商    機械局長    玉置 敬三君    資源庁炭政局長 中島 征帆君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    通商産業事務官    (通商産業省通    商機械局農林民    生機械課勤務) 高田  忠君