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1951-03-29 第10回国会 参議院 通商産業委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十九日(木曜日)    午後一時四十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (石炭輸送隘路打開に関する件)   —————————————
  2. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 只今から委員会を開会いたします。  通商及び産業一般に関する調査の一環として石炭輸送力確保に関する問題を議題といたします。本件は過般の委員会石炭問題を取上げました際にもちよつと触れたのでありまするが、その節は問題が頗る多岐に亘りましたために、十分に検討する余裕がなかつたのでありました、然るに最近の石炭輸送現状を調べて見ますと、かなり悪化しているような模様でありますし、かくては折角の石炭増産の意欲が少なからず阻害されるのみならず、昭和二十六年度出炭予想からいたしますと、明年度石炭輸送には特段の考慮が払われる必要があろうかと存じます。時あたかも年度更改期に当りましたので、この際石炭輸送力確保について十分なる検討を加えたいと存ずる次第でございます。幸い業界代表として井華鉱業常務村木武夫君が参考人として御出席下さいましたので、先ず村木武夫君から御意見の開陳を願い、それを中心として議事を進めたいと思つております。
  3. 村木武夫

    参考人村木武夫君) 私が村木でございます。  只今お話のございました石炭輸送問題につきまして私ども考えておりますこと、或いは直面いたしております問題を申上げて見たいと思います。  先ず出炭でございますが、二十四年度出炭は三千七百二十九万トンであつたと思います。二十五年度は、これは三月は推定なつておりますが、大体三千九百二十五万トン、二十六年度は四千四百万トンはどうしても川さなければならんというような状況になろうと思われます。そこで去年の二十五年度出炭から見ますと、二十六年度は約四百七十五万トンの出炭増加予想されておりますので。ここに輸送の問題がこれに関連して起つて来るわけであります。  一方需要のほうを見ますと、昭和二十四年度は三千五百二十四万トン程度であつたと思いますが二十五年度は一部三月の推定が入つておりますが、大体四千百二十五万トンと飛躍的に増加いたしております。更に二十六年度石炭協会の調べによりますと最低四千五百二十万トンは必要であるというような数字が出ておりますので、どうしても四千四百万トンくらいは頑張つて出炭をしなければならない状態なつております。  なお二十五年度と違います点は、二十五年度は約三百五十万トンの貯炭年度末に持つて迎えたのでありますが、その貯炭を約二百万トン払い出しまして、殆ど常備貯炭だけになつたのでありますが、それがありましたので急激な需要増にも応じ得たのでありますが、二十六年度はもう貯炭常備貯炭だけになつておりますので、出炭増加だけによつて需要増加に対応して行かなければならないという関係にありますので、出炭増加に邁進いたさなければならないわけでありますが、そこで我々一番心配いたしますのは、折角増産いたしましても、輸送関係で送れない石炭を掘るというようななことになりますと、それだけが山下の貯炭なつてしまいます。併し場合によりましては港の貯炭になることもあります。そうなりますと、石炭は非常に場所を余計取りますので、港や山が一ぱいになつてしまいますと、生産をとめなければならないという問題に直面するわけでございます。そういたしますというと、更にこれは生産業者にとつて重大な問題でありますばかりでなく、需要者にとりましても、予定した石炭が来ないことになりますので、非常な迷惑な問題になりまして、延いては二十六年度日本経済全般に非常な悪影響を及ぼす問題になろうと思われるので、私どもの最近の情勢から推測いたしております輸送状態につきまして、次に順次申上げて見たいと思います。  先ず貨車の問題でありますが、これが一番深刻な問題のように思われますが、国鉄当局の発表した数字によりますと、昭和二十六年度造車がー千五百七十二両、廃車が二千四百七両、差引き造車が僅かに百六十五両のようであります。それの運行効率を増大いたしまして、昭和二十六年度といたしましては全貨物輸送量において一億二千八百万トン、つまり昭和二十五年度よりは二百五十万トンも殖えたものを輸送しようというような努力目標を掲げられておるようであります。その中で石炭に対しましては、三千七百六十二万トンを輸送する計画を立てておられるようであります。なお一方安本で研究しておられます自立経済審議会の構想をベースにいたしまして、それだけの経済力を発揮するための貨車輸送国鉄で換算した数字があるようでありますが、それによりますと、第一案では全貨物を一億四千三百九十万トン、そのうち石炭は三千八百三十八万トン、これは出炭を四千二百万トンと見ておるようであります。第二案は全貨物は一億四千六百五十七万トン、そのうち石炭は三千九百九十七万トン、これは四千三百五十万トンの出炭と見ておるようであります。従いましてその数字を見ましても、全貨物では国鉄努力目標の一億三千万トンの場合と比べて見ましても、全貨物では六百万トン乃至七百万トンの輸送力不足を来すようでありますし、石炭だけについて見ましても、四千二百万トンの出炭の場合の輸送すら、努力目標数字では輸送できないというような状態なつているようであります。昭和二十五年度には特需関係もありましたが、貨車不足のために石炭界は非常な苦心をいたしまして、去年の九月から十二月頃にかけましては出炭をとめなきやならない寸前に追い追まれた苦い経験がございますので、貨車の問題につきましては極めて神経が過敏になつておるわけであります。更にこれは思い過しかも知れませんが、特需のほうは減ることはないと思われますし、その上に聞くところによりますと、米国の州兵が二箇師団参るというようなことになりますと、その方面にも輸送力が取られるでありましようし、先ほど申上げました貨車数字状態から考えまして、石炭を折角増産いたしましても、貨車のほうの輸送で行き詰まるじやないかというような不安が非常に強いわけであります。この点を特に御認識願いたいと思うわけであります。  二番目の問題は機帆船でありますが、機帆船は御承知のように、大体船腹としては日本全体で百二十万トン程度あるようでありますが、従つてこの運航が二回半ぐらいはできると思いますが、輸送力といたしましては四百二十万トン程度輸送力はあると思われるのでありますが、御承知のように重油が非常に少いので、正規に配給になつておりまするのは殆んど数にもならぬような数字でありますので、大部分特殊手当によつて、油を特殊手当をいたしまして輸送しているようであります。従つて輸送能力があるにもかかわりませず、実績を見ますると約毎月二百万トン程度しか全貨物輸送は月々ないようであります。これが更に特殊手当の油が困難になつて参りますと、その数が漸次減つて行くように思います。石炭は二十五年度機帆船によりまして輸送いたしました数字は大体四百二十万トン程度で、月割三十五万トンぐらいと思われますが、昭和二十六年度計画といたしましては、四千四百万トン出炭ベースの場合に、最低六百三十五万トン、月約五十三万トンは機帆船で送らなければならない。更に後ほどちよつと触れますが、機帆船のほうの、輸送力が非常に弱体になつていると思われますので、今、日本で余つておりまする輸送力と申しますと、機帆船だけだと思われますので、この方面相当加勢をしなければならないという点を考えますと、機帆船に対する輸送対策ということが石炭方面から見ましても非常に重要な問題になつて来ると思われます。聞くところによりますと、四月からは重油割当を従来占領軍がやつておりましたのが、安本のほうに移るとかいうことでございますので、この際を機会といたしまして、ぜひともこの機帆船の増送、輸送対策につきまして万全の措置を講じて頂きたいと念願しておる次第でございます。なお簡單に触れたいと思うのでありますが、汽船の問題でありますが、汽船に対する輸送は、昭和二十五年度は大体九百五十二万トン、昭和二十六年度の四千四百万トン、出炭ベースでは千二百六十二万トン輸送する予定であります。従つてこれも約三百万トン年間昭和二十五年度よりも殖えた数字輸送しなきやならないわけでありますが、御承知のように最近の内地に就航いたしておりまする汽船は非常に減つて来ておりまして、いいものは外航の近海のほうに相当つておりますし、大体七十五万トン程度船腹で百四、五十万トンの輸送をしているかと思われますが、そのうちの半分くらいに当る数字が戰標船と申しまして、戰時標準型の悪い、非常に壊れやすい、故障の多い船でありますし、壽命もそう長くないようでありますので、そういうものに相当依存しております関係もありますので、これ以上の輸送力増強は期待できないのじやないかという不安があるわけであります。従つて三百トンの殖えた数字を、内地の、内航汽船で果して輸出できるかどうかという点にも不安の念があるわけであります。その次には港の荷役力の問題でありますが、これは特に北海道方面小樽室蘭荷役状況昭和二十五年度には荷役機械が非常に故障をいたしましたことと、道内の貨車が非常に逼迫いたしました関係で、常置いたしております押出しの貨車が非常に払底いたしましたこと、並びに配船が順調に至らなかつた点等がありまして、非常に荷役には難澁いたしたのでありますが、最もひどいのは去年の暮から今年の一月にかけまして、非常な荷役の困難な状況に追込まれまして、各社配船いたしました船が殆んど全部十日以上滞船するというような非常な苦境に追込まれたのであります。そこで各社とも非常な努力をいたしまして、費用もかまわずに荷役増強を図りましたことと、鉄道のほうにいろいろな御協力も得まして、やつと切り抜けたのでありますが、それでも昭和二十五年度荷役の合計は小樽年間百七十二万トン、室蘭では約二百二十三万トン程度になろうと思われます。昭和二十六年度を見ますと、北海道炭生産は大体千三百七十万トン程度と思われますが、昭和二十五年度推定実績でありまする千百五十七万トンから比べますと、約二百万トンくらい殖えることになりまして、その大部分小樽室蘭の両港からの内地への積出しになつて参ると思われますので、今年のような状況でありますと、非常にこの点にも不安の念が濃いのであります。二月の状況を見ますと、国鉄設備故障いたしました時間が、小樽では総荷役時間が二百三時間余でありますが、そのうち三十三時間五十分が故障しておる。室蘭のほうでは総荷役時間が二百五十時間余でありますが、そのうち九十時間十分ほど故障しておるというような状況なつておりますし、先ず二十六年度輸送につきましては、荷役につきましては、この故障を何とかなくして、申上げましたような、増加数字をぜひ荷役ができるような状態に持つて行きたいと思うのであります。更に先行きのことを考えますと、大体日本石炭増産は、山が若い北海道のほうにどうしても重点がかかつて参りますので、今の見込数は、大体年間一割くらいずつ北海道のほうが殖えて行くようでありますが、最低そのくらい殖えて行くとしても、昭和二十七年度には小樽荷役予定数量は二百二十五万トン程度になろうと思われますし、室蘭では三百三十五万トン、昭和二十八年度小樽二百七十万トン、室蘭四百十万トン、昭和二十九年度小樽三百十万トン、室蘭四百八十万トンというふうに、先行き相当大幅に増加して行くと思われます。大体北海道生産は殆んど戰前に近い状態なつておりますにもかかわりませず、荷役設備のほうは殆んど戰前と変りない、むしろそれが老朽化しておるというような点があつて、低下の一途を辿つておるようでありますので、先行き増産態勢に関連いたしまして、今から新規の設備について特段の御配慮を鉄道方面にお願いしませんと、この点にも重大なネツクが予想されておるわけであります。大体輸送問題につきまして、私どもの見ております実情から見た心配しておる点を種々申上げたわけでありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
  4. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 只今村木さんの御意見は、汽車輸送機帆船重油に関することと小樽室蘭荷役の三点、集約されて三点にかかつておるようでありまするが、先ず炭政局長から、官庁として如何なる見解を持つておられるかお伺いいたしたい。特に鉄道方面の連絡をどういうふうになさつておられるか、その点も併せてお願いいたしたいと思います。
  5. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 只今村木さんのほうから詳しい説明がありましたが、大体状況只今の御説明通りでありまして、貨車輸送の将来の問題と、更に機帆船の今後の見通しということにつきましては、かねてからいろいろ心配いたしておりまして、只今の御説明の趣旨と若干違う点もございますが、私ども見通しといたしましては、来年度石炭生産見込を一応四千四百万トンと想定いたしまして、各種契約を願つておるわけでありますが、大体この四千四百万トンという契約のできましたのは、雷要と現在の生産力というものを見合いまして、この程度のものが供給力もあるし、又この程度のものが出れば需要数字は……実際の各種の希望は随分出て来ておりますけれども、この程度で十分ではないかと、こういうふうな予想をいたしまして作つた数字でございますが、この四千四百万トンをべースといたしました場合に、来年度どの程度貨車輸送を必要とするかという点の計算をいたして見ました。これらの数字は重複いたしますから、又若干の違いもありますので省略さして頂きますが、只今お話と大同小異というようにお考えなつて頂けばいいわけであります。結局におきまして、本年度と比べて相当貨車積みが殖えると、然るに貨車の現在の保有量その他から見て、相当の不安があるということで、これにつきましてはかねてから鉄道のほうにいろいろお話を申上げております。で輸送当局のほうもこの点はいろいろ御協力下さいましてできるだけのことをするようにお話下すつておると思いますが、貨車新造数量というものにつきましてなお私どもは若干の不安を持つておるわけであります。  それから油の問題につきましては、海上輸送の問題につきましては、機帆船の問題と船舶の問題とありますが、機帆船につきましては、これはすべてが今までは輸送用の油にかかつてつたわけであります。この重油は現在まで非常に配当が窮屈でありまして、相当部分を闇の油に頼つてつたというふうな実情でございましたが、来年度四月以降におきましては、先ほどお話のありましたように、石油関係割当権限日本政府に委讓されるような形になりますので、併せて将来の見通しといたしましては相当にこの重油に関しまする限りは供給力が殖えるという確実な見通しがついております。従つてこの面に関しまする限りは来年度において機帆船用重油不足ということは先ず心配なかろうというふうに、石油関係のほうの当局は申しておりますので、一応私どもはこの点については安心をいたしておるわけであります。  なお船舶輸送につきましては、これは来年度どもの想定では、先ほどのお話ちよつと違いますが、千三百万トンほどの期待を持つておるわけでありますが、これは結局におきまして現在の船腹、即ち現在保有いたしておりますこの内航汽船壽命の問題になると思うのでありまして、この点について果してどの程度安心できるかということにつきましては、我々は希望的な意見を持つておりますけれども、また確実な見通しを持つていないわけであります。  それから北海道積出しの問題でありますが、これも只今お話通り小樽室蘭積出設備について、特に昨年度いろいろ苦心したこともございまして、これも鉄道のほうにお願いいたしてあります。事情は十分御考慮下すつて、現地の調査もされておるようでありますが、まだ現在我々の見たところでは、現状通りでは勿論不安だと考えておりますが、この点についてはまだ予算等関係もありまして、鉄道のほうで補充その他の契約ができたというところまでは聞いておらないのであります。およそ現在までの出炭計画積出計画は以上の通りであります。
  6. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 運輸省から鉄道監督局長の代理として国有鉄道部長さんがお見えになつております。一応只今の問題につきまして御意見を承わりたいと思いますが、あとで国鉄側から詳細のお話を承わりたいと思います。
  7. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 只今いろいろお話がございましたが、詳しい話は国鉄当局から輸送局長が見えておりますのでお話願うことにいたしまして、運輸省といたしまして、貨車増備について現在、昨年の朝鮮事変勃発以来、貨物輸送が逼迫しておりますることは事実でございます。これが打開策といたしましては、一面貨車運用効率向上を図らせると共に、貨車増備をいたさなければならんという考えでございます。昨日当院で御承認になりました二十六年度予算を編成いたしますにつきましては、従来と変りまして、貨車の新改造に約八十三億の予算を計上してあるのでございます。従いましてこの予算がその通り実施いたされますれば、約五千両くらいの貨車新造ができるのでございますが、丁度予算編成期と現在の物価との間に相当のずれがございまして、従いましてこの増備計画予定通り実施され得るかどうかという点につきましては、増備計画物価騰貴情勢等を睨み合せて検討いたさなければならないのでございまして、只今検討いたしておる最中でございます。いずれにいたしましても、貨物輸送量増加は当初予定いたしておりまするよりも遥かに多いのではないかということも考えられまするので、従いまして国鉄といたしまして当面いたしております二十六年度に遂行いたさなければならない責務を持ちまするところの、必要なる貨物輸送を円滑に行うために、できるだけの輸送力増強措置は講じて参らなければならんと考えでおる次第でございまして、その観点から貨車新造、或いは改造等を実施いたして参る必要があろうかと思います。予算の実行の推移に関しましては、更に又いろいろ国会のほうに御審議を煩さなければならんということも考えられることだと思つておるのでございますが、只今のところでは、具体的な数字の結論に到達いたしておりませんが、見通しといたしまして、只今申上げましたように、今度の予算に盛つておりまするところの内容を実現いたすために必要な措置を、ぜひ早急に実現いたして参りたい、かように考えておる次第でございます。具体的な輸送問題の数字につきましては鉄道当局から……。
  8. 木島虎藏

    説明員木島虎藏君) 只今石井部長からお話がございましたように、この二十六年度予算では貨車を五千両ばかり殖やして、どうやら行けるのじやないかという見通しを立てておつたのでありまするが、実は最近の貨物輸送情勢は刻々に変りまして、私ども見通しを遥かに超えた実績が出ておるわけでございます。例えば昨年の朝鮮事変の始まる前までは、全国で貨車が五千両ぐらい使用されずにおつたわけであります。それが朝鮮事変が始まりましてから、八月九月と進むに従いまして、全部使い果して、足らなくなり、それから暮はあのような逼迫した状態になるというようなことになりまして、それでも十月から十二月にかけまして貨物輸送能率向上を図る全国的な運動を、国鉄内外に呼びかけましてやりまして、やつと年末の繁忙期を切り抜けて、一月、二月になりますと、例年この時期は輸送の下る時期でありますので、一息つけるかと思つておりましたところが、さにあらず、やはり輸送要請はどんどん殖えて参りまして一月も二月も、暮に三十一日三十九万トンぐらい輸送しておつたのに対しまして、三十八万トンから三十八万五千トンぐらい出る。それから三月になりますと、もつとそれが殖まえして、終戰以来最高レコードを作りまして、四十万トンを超えて四十一万トンになんなんとするような数字を出しまして、平均しましても三十九万トンを超えるというような状態でありながら、滞荷は二百万トンに手が届くというようなことになつておるわけなんであります。それで先ほどお話がございましたが、五千両造ると申しましても、その後に諸物価が上りまして、実際はなかなかそうは造れない。その問題がある上に、最近の情勢では、とても最初の見通し以上に上るのではないか。先ほどのお話をお聞きいたしましても、石炭でも四千四百万トン出るとか、或いは全体としても一億四千六百万トンとか一億四千三百万トンという非常に大きな数字が出て参つたのであります。これに対しましては私どもといたしましては、何とかして貨車増備し、もう貨車ばかりでなく、現在では鉄道施設全般輸送力増強の一点に集中しまして、機関車ももうそろそろ足らなくなりました、その他構内の施設も何とかしなければならないところも出て来る。要するに国鉄の車両、施設その他に亘つて輸送力増強方策を立てましてこれを推進して、何らかその資金面打開も図つて行かなければならん。政府のほうにもお願いして解決して頂かなければならんのではないかというような状態でございます。以上が大体最近の情勢でございます。
  9. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 荷役力の問題について伺います。
  10. 立花次郎

    説明員立花次郎君) 先ほどお話がございました荷役力の問題につきまして御返答申上げます。今年の二月に石炭荷役小樽におきましても室蘭におきましても非常にまずかつたというお話で、甚だ申訳なく存じております。私どもといたしましては、戰争中に挙げました実績から申しましても、小樽で三百万トン、室蘭で約四百万トン、これくらいのものは十分できるから、いささか安心しておつたのでございますが、実績を見ますと、冬の間の停電とか或いは電圧降下というような問題も多少影響しておるかと思いますが、機械の休んでおる間が案外多かつた、甚だ申訳ないことでありまして、これは早急に整備いたしまして、今年の二十六年の輸送に対しては万全を期したいと思つております。なお北海道石炭の産出がどんどん殖える。それで二十八年頃になりますと、ほぼ小樽で二百七十万トンですか、室蘭で四百十万トンというような荷役をしなくちやならんというようなお話でございますが、私どももこれは前から承わつておりまして、二十八年は或いは現有機械施設の完全なる利用によつて賄われるかと思つておりますが、更に二十九年ということになりますと、現有機械を如何に有効に使いましてもうまく行かんのじやないか、従つて多少現有機械施設増強をしなくちやいかんというようなことを考えております。御承知のように小樽及び室蘭には、戰前に根本的な増強方策考えまして、半ば完成しておりまするが、いずれもニバースのピアー下部構造はもはやできております。これは工事半ばでここ十年ばかり中止しておるわけでございますが、これを完成いたしましてそうしてその上にローダーの施設をつけますれば、いずれも二百万トン程度更に能力が上るわけでございます。背後の鉄道の線路の施設というものは、現在多少室蘭などでは撤去しておるものもございますが、こういうことを復元いたしますれば、優に小樽におきまして五百万トン、室蘭において約六百万トンという石炭積出しはできるようにすることはできます。幸いにしてピアーのごときも、大体非常に時間がかかります下部構造はできておりますから、今後の見通しによりまして北海道産の石炭積出に御迷惑かけないように私どもは整備したい、こう考えておる次第でございます。簡單でございますが……。
  11. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) それでは速記をとめて下さい。    午後二時十八分速記中止    ——————————    午後四時十五分速記開始
  12. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。    午後四時十六分散会  出席者は左の通り。    委員長    深川榮左エ門君    理事            廣瀬與兵衞君            古池 信三君            栗山 良夫君    委員            小野 義夫君            上原 正吉君            椿  繁夫君            加藤 正人君            高瀬荘太郎君            山川 良一君            駒井 藤平君            西田 隆男君            境野 清雄君   政府委員    資源庁長官   始関 伊平君    資源庁次長   岡田 秀男君    資源庁炭政局長 中島 征帆君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  石井 昭正君    経済安定本部建    設交通局長   小沢久太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    日本国有鉄道輸    送局長     木島 虎藏君    日本国有鉄道施    設局長     立花 次郎君   参考人    井華鉱業株式会    社常務取締役  村木 武夫君