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西郷吉之助君 天野文部
大臣に今の問題をお伺いいたしますが、天野さんは新らしく
大臣になられたから、前のことは現職でなか
つたからあれですが、
大臣以外のここにおられる局長級はあの当時義務教育費全額国庫負担ですか、あの法案は高瀬文部
大臣が当時出されたわけで、あれは大醜態のうちに通らなか
つた。あれは
平衡交付金法案を出す直前に、
大臣みずから本
委員会に出席して
説明されたのです。そのときは
平衡交付金は新らしい制度ですから、非常に
国会の注目の的ですし、なぜ早く出さないかと催促の最中に、高瀬文部
大臣が
説明をして、我々がそれを相当突つ込んだ。
大臣はそれに対し非常に弁解されたのですが、ああいう画期的なものを出されたから、教育
関係の人はそれに非常に関心を持ちまして、
全国的な運動にな
つて、そうして是非あれを通して欲しいという
国会なんかにも非常に熱心な運動をして来た。ところがいつにな
つてもそれが空鉄砲で出て来ない。本
委員会でも高瀬文部
大臣は会期が追
つてから答弁したが、空鉄砲に終るのじやないか、会期がないじやないか、聞くところによると、通産
大臣に横すべりするという
ようなことであるが、無責任極まるのじやないかと、突つ込んだ。そうしたらそういうことはないのだと非常に弁解したが、事実空鉄砲でああいう
ような憂き目を見て、教育
関係者にも非常な打撃を與えたと思います。それはここにおる局長以下文部省の連中は、その失敗のことはよく知
つておる。ところが今度は、教育
関係のみならず
地方の
財政全般が非常に困難な
段階でありますので、本
委員会においては特に小
委員会を設け、休会中に先月も一週間
検討しましたが、非常に困難な
状況であり、なお且つ
大蔵当局、
地財委とも十分
折衝をする必要もありましたから、一応やめまして今回又再開しておるわけです。併し今日の午前中に
大蔵当局を呼んで聞いても、なかなか楽観を許さざる非常にむずかしい
状況下にあるのです。ところが今日今相馬君の言われた
通りこの法案が又現われたわけです。それで相馬君が心配される
ようなことを我々も非常に心配した。又あの二の舞にならなければよいかなと、なお且つ我々は今明日中にこの
補正予算の
結論を出したいのですが、そういう重要な
段階にこういうものがぽこつと出て、そうして今
大臣の御
説明だと司令部のニユージエント中佐並びにリゾー民政局長にもお会いにな
つて、いろいろと言われたと言いますが、
大臣の御答弁のうちにも大蔵
大臣、
地財委委員長、或いは
関係大臣にもまだ御
折衝がない。そうして單に文部省單独で対外的に司令部に
折衝しておられる。そういうことをしたならば、さらでだに頑固な、
地方財政に冷酷な大蔵
大臣を初めとし、ほかの
大臣、
地方財政委員長にも相談もなく……、今日も
地財委に聞いたんですが、
事務当局は知らないと
言つておる。
地財委も知らない、
大蔵当局も知らない。そういう
段階に
大臣が軽卒にも司令部に相談に
行つたということは、これは非常に惡い
影響を與えるだろうと私は思うのです。今申しました
ように、あの義務教育費法案がああいう失敗に終
つたにもかかわらず、性懲りもなく又出すということは、こういう重大な法案ですから、空鉄砲に終らなければいいと思
つておりますが、それで愼重に閣議なり、その他のほうに話して、それから司令部に
折衝されるのならまだわかるのですが、いきなり司令部に
折衝されるから新聞に書き立てられることは当り前です。まあ
大臣は新らしい人ですから何ですが、補佐役の局長あたりは前に失敗しているから、もう少しこれは愼重にやるべきである。こういう重要なものを
関係大臣に
折衝もせず、まだ
結論も得ないうちに対外的に
折衝ができるものではない。而も偉大な政治家でない
一つの省を担当するくらいの
大臣なら、これは閣内で
財政問題ですから、そうでなくても
地方の
財政、殊に教育
関係のものは重要な
段階にあ
つて惠まれていない。如何にせばそれを立派なものにすることができるかということを我々は苦心しておる。然るに閣内の了解も得ないで置いて、対外的に司令部に取つついたところが、司令部もうんと言いそうもない。こういう現
段階において
補正予算をどうするかというこういう際に、こういうものを出されることは、
大蔵省その他を刺戟して非常に惡い
影響を與えると私は思います。前の空鉄砲のこともあるのですから、今度なさるならば秘密裡に大蔵
大臣を初め、十分督励して、こういうことを対外的に交渉なさるべきじやないかと思いますが、今の文部
大臣の意向だと、余りむずかしく
考えてくれるなという
お話ですが、こういうことは非常に画期的なことです。而も
地方の
財政全般、
地方税制全般についてもいろいろな
議論が政府部内にある
ように聞いております。こういうことの根本的な問題ですから、こういうことは併せて
考えるべきものであ
つて、こういうものをぼこつとや
つたつて、成功しないだろうということは我々大体見通しが付く。そういうことは
大臣としていろいろの
地方財政全般について
考えて頂かないと、これは成功する望みがないと思う、而も何らのほかの
大臣の了解も得ないで、文部
大臣だけがやる。而も文部省の各局長は
地方のことはちつともわからない。この
委員会で失礼だけれ
ども、質疑応答されても困るでし
よう。それは
大臣御
承知でし
よう。而も最近の新聞を見ると、そういうことがあるかどうか知りませんが、局長以下の大異動の発表が未然に洩れて、お家騒動をや
つているという
ようなことをこの間新聞で見ました。こういう点は我々は
地方の
財政の上から、文部省の大異動でも
財政のよくわかる人がこういう重要な地位に着いてや
つてもらいたいと思うが、お家騒動にな
つておるということを私は聞いております。そうして
補正予算の
段階にこういうことが出て、
大臣の
お話を承わると、成功の望みがないと思うが、
大臣は極めて軽卒な行き方をしておると私は思うのですが、失礼ですが、そう思わざるを得ないのです。今の
大臣の御答弁なんでありましたが……。重ねて伺いますが、これは非公式であろうが、新聞にこう出た以上は、
全国的に教育
関係者は非常に関心を私は持つと思うのです。果して成功の望みがあるのかどうか、その確信はどうなんですか。