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政府委員(吉河光貞君) 御指名によりまして、総裁に代りまして私から
特審局の所管
事務の大綱と、その
組織状況を御
説明いたします。
特別審査局は、御承知の
通り公職追放令に基く追放者の動向の監察、違反の
調査並びに団体等規正令の
運営一切を所管いたしております。このほかにメモランダムに基きまして正規陸海軍将校の登録という
事務を取扱
つております。所管
事務の
内容は大体以上申上げた
通りでございますが、現在大体千二百名の定員を大きく二つに分けまして、六百名の定員を以て本局勤務、本局がこれを指導的に所管
事務を
運営する。その本局におきましてはこれを
三つの部に分ちまして、各部には局長の補佐として次長を
配置しております。この次長が
部長を兼務して所管の八課をそれぞれ所管に応じまして分割指導しておるわけであります。
この
部長は総務
部長、監査
部長、
調査部長三つに分れまして、総務部は一般の庶務的な
事務と、それから総合
連絡の
事務、並びに
資料の保管整備という
ような仕事をいたしております。総務部の下にはこれがために総務課、
連絡課の
三つの課を置いておりましてその総務課が一般
事務を掌
つております。この総務課におきまして、管下のあとで申上げる全国九ブロツクの
支局の庶務的
運営を統轄しております。
連絡課は
只今申上げた
通り、渉外
関係並びに
資料の整備保全という
ようなことをいたしております。なおこのほかいろいろな日本文の英訳、英文の和訳という
ような仕事もいたしております。
次に監査部でありますが、監査部は
只今申上げた公職追放令に基く覚書該当者の動靜監察、違反の未然防止、違反事件の
調査という
ような
事務を取扱
つておるのでありますが、この監査
部長の下に監査第一課、第七課、第三課
三つの課を置いております。監査第一課におきましては、特に登録の
関係から正規陸海軍将校であ
つた者の登録
調査という仕事を統括しております。更に公職追放令に基く覚書該当者の登録整理の仕事をいたしております。このほか監査に関する一般的
事務を取扱
つております。立案、企画もこの課でいたしております。監査第二課と第三課は出動
調査部隊でありまして、監査二課におきましては一般覚書該当者の動静の監察、違反の
調査という
ような仕事をいたしております。第三課は特に軍国主義的な或いは極端な国家主義的な暴力主義的、又反
民主主義的な行動に出ずる虞れある覚書該当者の動靜の監察、違反の
調査という
ような事項を取扱
つております。これを以ちまして大体公職追放令に基く覚書該当者の動静の監察、違反の未然防止、それから違反の
調査並びに登録という
ような
事務を処理するわけであります。
次に
調査部におきましては団体等規正令を取扱うのでありますが、
調査部長の下に
調査第一課、第二課、第三課を置いております。
調査一課は
只今申上げた監査一課と同様団体等規正令に基きまする各種団体登録、及びこれを一般国民に公開いたしまするのでこの照覧の
事務並びに届出団一体が機関紙を発行した場合にはこれを届出ることに
なつておりますので、その機関紙の整理保存の
ような
事務を司り併せて一般的な企画、それから
調査に関する一般的
事務を処理しております。
調査第二課、第三課はこれは実働の部隊でありますが、第二課におきましては団体等規正令の規定に基きまする軍国主義的なものや、極端な国家主義的なもの或いはギヤングスター暴力主義的団体の結成の禁止、解散、それからこれらの団体に関する動向の
調査という
ような仕事を多面的に取扱
つております。
調査三課におきましてはその
調査二課に属しない
ような極端な破壊的団体の
調査、解散その他を取扱
つておるのでありまして、これをもちまして以上三課によりまして団体等規正令の大体の
運営をいたすという
ような
建前に
なつております。
そうして特別審査局の本局の下には全国を九つのブロツクに分けましてここに本局員を駐在させております。その総数の合計は
只今申上げた
通り大体定員の半数六百名ということに
なつております。そのブロツクの中心地には通称
支局という
ようなものを設置いたしまして統轄いたしております。これは
北海道、東北、信越、関東、東海、近畿、中国、四国、九州に分れております。それぞれこのブロツク・センターの都道
府県の
府県庁の一室を借受けまして、ここを
支局の所在地ということにいたしております。ここにはそれぞれ
支局長を
配置いたしまして、
支局長統轄の下に
只今申上げた公職追放令による覚書該当者の動静の監察並びに違反事件の
調査という
ような仕事、団体等規正令に基きまする各種団体の動向監察、解散事由の
調査いう
ような仕事をいたしております。各
支局はそれぞれ事実上総務課、監査課、
調査課という
ような
三つの課に分けておりまして、本局の課別編成に対応してそれぞれの仕事をいたしております。大体
支局勤務の職員は各
支局につきまして五十名前後のものでありますが、その余の
支局員はこの
支局を中心としまして
支局の管轄の都道
府県に二名乃至五名、少いところは一名ぐらいの割合で駐在いたしておりまして、これが
支局を中心に
只今申しました実働的な各種の
調査事務を取扱
つておるのであります。
で
只今申上げた特別審査局の本局の課別編成は法務府設置法に規定されております。駐在官制度並びに
支局内における課別の編成等は、これは事実上の編成として行
なつておる
ようなわけであります。特別察査局の
只今申上げた
ような
事務を大体横に眺めまして分類いたしますると六つの仕事に分れるのであります。第一の仕事は法令の周知徹底、違反の未然防止を含む指導であります。成るべく違反者を出さない
ようにして行きたいという
ようなわけで法令の周知徹底を図り、違反の未然防止をかねて指導をいたしております。ラジオ、
新聞等によりましてもいろいろと指導をいたしております。第二は監察であります。いろいろ動向の注意をする個人又は団体につきまして常時動静を監察して行くということに相成るわけであります。現在公職追放令による覚書該当者は約十九万おります。又団体等規正令によ
つて届出をした団体の数は約二方、その構成
人員は千五百六十万に
なつております。これらのものが広汎に監察の対象になるわけでありまするが、監察の対象はこれにとどまりません。次に情報であります。少い職員を以ちましていろいろとやりますのでどうしても民間協力者その他の各
方面並びに国家各
関係治安機関のほうにいろいろ情報を得まして、この情報の角度を計
つてこれを
調査の端緒にする、動静監察に資するという
ような広汎な情報活動を行
なつております。次に
調査でありますが、これは特定の事項の有無を
調査しましてその
内容を明らかにするために
調査活動をいたしておりますが、これは刑事訴訟法に基く捜査に先行する段階でありまして違反事件を対象とするものではありません。すべて団体等規正令全般の遵守、公職追放令の励行という
趣旨から広汎に
調査活動をいたしております。
調査による
資料の収集は刑事訴訟法のコントロールを受けていません。いろいろな客観的なものが
資料として収集されるわけであります。この
調査には現在任意
調査と強制
調査がありまして、大体原則としまして任意
調査をいたしておりますが、必要な場合におきましては
法務総裁の決裁を得て強制
調査をいたしております。強制
調査は団体等規正令に基くものが主でありますが、これは間接強制でありまして応じない者は罰則の制裁があるわけであります。次に
調査につきましては法的措置でありまして団体の解散、告発、その他最後の結論として法的な措置をとります。最後には届出の受理でありまして公職追放令による覚書該当者の届出、変更届出の受理、整理それから団体等規正令に基く各種団体の結成届出、変更届出、解散届出等を受理し、これは国民の照覧に供する
建前に
なつております。
か
ような仕事をするために特別審査局におきましては、全国都道
府県に
知事を下部
組織といたしまして特に国家の予算を以ちまして定員の旅費、
事務費の若干を配付しておりまして、主として公職追放令に基く覚書該当者の登録、一般的な動靜、団体等規正令に基く団体の登録という
ような受理
事務を取扱わせております。
これが都道
府県における
調査課、
地方課の一部の
事務に
なつておる
ようなわけであります。
大体かいつまんで申しますと特別審査局の所管
事務並びにその機構は以上申し上げました
ような
状態でございます。