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政府委員(奧野誠亮君) 三百二十
一條の八は、「(法人税割の申告納付)」の
義務を
規定しているのでありまして、法人税を納めまするときまでに、
市町村民税のうちの法人税割の
部分も又申告納付しなければならないというふうに
規定をいたしているわけであります。従いまして法人の
事業年度が六月を越えます際には、六月を経過いたしました日から二月以内に法人税を予定申告納付しなければなりません。その際に、予定申告納付の法人
税額を課税標準といたしまして、法人税割額も又予定申告納付をしておいてもらおう、こういう
考えかたを持
つているわけであります。更に又
決算が確定いたしましたら、
事業年度を通ずる所得を
基礎にいたしまして、法人
税額を納付するわけでありますが、その際にはこれを
基礎にいたしまして、
市町村民税の法人税割を計算し、すでに納めた
部分を差引きました残りを同時に市町村に納めて置いてもらおう、かような
考えかたをいたしているわけであります。三百二十
一條の九は、「(法人税割に係る虚偽の申告に関する罪)」でありまして、他の虚偽の申告に関する罪と同様の意味合において、新らしく設けられました法人税割に関しましても、ここにその罪を
規定いたしているわけであります。三百二十
一條の十は、「(
昭和二十六年一月一日の属する
事業年度の法人
税額に係る法人税割の課税標準等の特例)」の問題であります。この法人税割は本年の一月一日から実施して行きたいと
考えております。正確に申上げますと、本年一月一日の属する
事業年度分から納めて頂くわけでありますけれども、そのうち二十五年の属しまする
部分につきましては、これは納める必要がないという意味合におきまして、今年の一月一日の属する
事業年度分につきましては、その法人
税額を日割計算をしたいというふうに
考えているわけであります。例えば昨年の四月一日から今年の三月三十一日までが一
事業年度でありますところの法人につきましては、その法人の法人
税額に対しまして、今年の一月から三月までの三月分だけを
徴收すればよろしいわけでありますから、これに十二分の三倍をするわけであります。これを課税標準として法人税割を計算してもらおう、かような
考えかたの下に、ここに
規定をいたしているわけであります。三百二十
一條の十一は、「(法人税割の更正及び
決定に関する
規定)」でありますして、申告納付の
制度を採用いたしておりますので、市町村長に対しましては、その額が低過ぎたり、或いは申告納付洩れにな
つていたりいたしました場合には、他の税と同様に更正及び
決定の権限を持たせたいというふうに
考えているわけであります。三百二十
一條の十二は、「(法人税割の
不足税額及びその延滞金
徴収)」でありますけれども、これも他の申告納付の税金と全く同じ形式において
規定をいたしているわけであります。三百二十
一條の十三は、「(二以上の市町村において事務所又は
事業所を有する法人の法人税割の申告納付)」であります。二以上の市町村において事務所又は
事業所を持
つておりますと、それぞれの市町村に対しまして、法人は法人税割を納めなければならないわけでありますが、それではどのような割合において納めればよろしいかということをここに
規定いたしているわけであります。その場合には法人
税額を従業者の数に按分いたしまして、これを課税標準として法人税割を計算してもらおう、かような
考えかたをいたしておるわけであります。その際に、従業者は
事業年度の各月の末日現在における従事者の数を合計して算定をしようというふうに
考えております。三百二十
一條の十四は、「(二以上の市町村において事務所又は
事業所を有する法人の法人
税額の分割の
修正)」の問題であります。法人が二以上の市町村において事務所又は
事業所を持
つておりまする場合に、関係の市町村から個々に従業者数が違
つておるから、自分のところへはもつと法人税割が納められなければならないということで更正
決定を受けたのではやり切れませんので、種々法人の
立場も
考えまして、こういう分割の基準に基くところの更正については、主たる事務所又は
事業所所在地の市町村長のみが
修正できる、その他の市町村長は、主たる事務所又は
事業所所在地の市町村長に対しまして、
修正を求めることができる、こういうふうにいたしたいと
考えて
規定をいたしておるわけであります。三百二十
一條の十五は、こういうような場合に、関係市町村長がそれに不服があります場合には、道府県知事に対して裁定を求める。更に又関係市町村が二以上の道府県に跨が
つております場合には、
地方財政委員会に裁定を申出るというふうな形にいたしまして、これらの不服を解決いたしたいという方針をとろうといたしておるわけであります。