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政府委員(
奧野誠亮君) 次長から
お話がありましたように、平衡交付金の総額には
関係はないわけであります。
財政収入を七割区分から八割区分に引上げました結果は、それらの交付金について
財政需要額を算定するということにしております以上、
財政収入に七割しか持込まないものを八割持込むことにすれば、八割の区分について
財政需要をするということになるわけでございますが、自然基準
財政需要額がそれだけ引上げられるということになるわけであります。御承知のように
個々の
地方団体に交付いたします交付金の額というものはその団体の基準
財政需要額から基準
財政収入額を引いたものでございますから、その基準
財政収入額は従来は税の七割であ
つたものが今度は税の八割になるわけであります。それで基準
財政需要は税の七割について算定してお
つたものが、税の八割について算定することに引上げられることになるのでありますから、差額は変りはないということになるのでございます。もう少しそれを具体的に申上げてみますと、先ほど鈴木さんから
質問がございましたように、全体で基準
財政收入を殖やしますものは二百億円くらいでございます。この二百億円くらいのものをやはり基準
財政需要でも膨らますということになるわけでございます。仮に各
地方団体の
財政需要が人口一人当り二百円ずつ殖えて参ると考えます、大体基準
財政需要の殖え方は全
地方団体につきましてそう大きな差はないだろうと思います、ところが
財政収入は七割の区分が八割に引しげられまして、総体では人口一人当り二百円ずつ引上げられるということになるわけでございますけれども、人口一人当り二千円の税収入があ
つたところでありましたら、一割引上げられるから丁度二百円だけ引上げられるわけなんです。その団体では
財政需要も二百円だけ引上げられるわけでありますから、何ら交付金には増減はないわけであります。基準
財政需要につきまして人口一人当り二百円増額になります。又そこにその団体の総収入が人口一人当りに、平均的に申しますと、二千円、その一割の二百円だけ余計見られるから、総額は従来と変りはありません。ところが山間の村なんかを考えて頂きますと、税收入を一割余計に見ることにいたしましても、人口一人当り百円とか二百円しかないわけです。そうすると一割膨らましましても十円か二十円を基準
財政收入にプラスするだけであります。それから
財政需要額が人口一人当り二百円プラスします。そこでその差額は従来より大きくな
つて来るわけであります。半面に税源の偏在しておる団体について考えて見ますと、
財政需要のほうは人口一人当り二百円殖える。ところがその団体は税收入は人口一人当り一万円といたしますと、一割殖えましても一千円プラスであります。
財政需要は二百円しかプラスされないのに
財政需要が千円プラスされるから受ける交付金は従来より減
つてしまうわけであります。ここにおいてどんな貧弱な町村におきましても
給與ペースの引上げその他において
財政需要は殖えて来るからやはり
財政需要を引上げることによ
つてその額までは全
地方団体に保証することにしよう、そこで
財政收入を引上げるわけですから、財源のないところは
財政需要が引上げられたくらいのものを交付金として増額されることになる。財源の非常に偏在しておるところは
財政需要が引上げになりましても、
財政收入がもつとたくさん絶対量において引上げられることになるから、交付金が減
つて参ることになる。こういうことによ
つて平衡化を一歩前進させたい。かたがた全
地方団体に対して
財政需要が多くな
つて参
つたわけであるから、その
程度のものは全
地方団体を通じて、確保するようにして行きたい。半面に又
税金というものは
市町村民税の
法人税割の創設その他によりまして偏在するようにな
つて来ましたから、その偏在の度合を平衡化によ
つて緩和して行きたいということから、従来
標準率による收入の七割しか基準
財政収入に算定いたしませんでしたものを八割算定することによ
つて税收入の多いところは交付金を少くしてもらいたい、こういうように考えておるのであります。