○
政府委員(
奧野誠亮君) 竹中さんの今の
お話を少し細かく申上げさして頂きます。菊山さんのおつしや
つた通りでありますけれ
ども、
事務的に御
説明さして頂きます。この問題は二つあるわけでございまして、昨年四月に新らしい
地方税法の発足を
考えてお
つたわけでありますけれ
ども、不幸にして成立を見ませんで、当時の
地方税法の適用は停止されたような恰好で、而も
地方税法は八月にな
つてようやく誕生したわけであります。その間に
地方団体としては
收入が入りませんので、金融の上に非常に困
つてしま
つたわけであります。そうして各
地方団体からは新らしい
地方税法を予定して
地方財政平衡交付金の
配分を
考えることは穏当ではないのじやないか、とにかく
地方財政平衡交付金というものを概算でよろしいから交付して、今日の困難の打開に資してもらいたい、こういう話にな
つて来たわけであります。そこで当時の
地方財政委員会ではいろいろ
考えました結果、差当り前
年度の
地方配付税の交付額を
基礎にいたしまして、概算して
地方財政平衡交付金を交付しよう。併しながらこれは飽くまでも、例えば預金部の資金を一時融通すると同じように、無利子の
地方財政平衡交付金を一時融通するのだから、その後において税制が変
つた場合には新らしい
地方財政平衡交付金の交付額が決定するのだから、それによ
つて返すものは返してもらいたいということをよく
お話して参
つたわけであります。従いまして、この当時交付をしましたものは、交付を受けたものではなくて一時融通してもら
つたので、返すという
考え方についてはこれは
地方団体においても十分了解していると思います。この概算いたしました
金額というものは、その後に
地方財政平衡交付金の決定額を上廻
つている部分、これが
一つでございます。もう
一つの問題は、昨年の秋に仮決定いたしまして、更に最近本決定いたしたわけであります。仮決定のときの不合理な点を是正するわけでありますけれ
ども、本決定の結果、仮決定の額より下
つて参る所があります。仮決定の九〇%の額まではすでに交付いたしておるわけであります。本決定の際に仮決定の九〇%以下に下
つて参りますと、又還付しなければならないという団体が生じて参
つて来ておる。二つあるわけでありまして、
あとの部分につきましては少くとも仮決定はしたのでありますけれ
ども、それを一応
財政運営の目安にして参りますことは、これは止むを得ないところだと思います。従
つてできる限り仮決定の額に近い
数字までは仮に下りましても、交付しなければならないという問題があるのではないかというふうに
考えておるわけでありまして、一応
財政委員会で仮決定の九〇%まで保証するか、どの
程度まで保証するかということはまだ確定いたしておりませんけれ
ども、これは最大限度見なければならんということは
委員会としての
考え方でありまして、ただ本決定の結果、どれだけ仮決定よりも下
つた団体があり、その
総額が幾らであるかという
数字は今日、明日にまとまるというような
段階にありますので、決定を見ていないわけであります。併しながら概算交付を受けた部分につきましては、先ほど申上げましたように一時融通した金であります。その点は或る
程度わか
つてもら
つておると思います。又
地方税法が根本的に変
つたわけでありますから、二十四
年度においては
地方税の
收入は少なが
つたけれ
ども、二十五
年度一躍大きな
收入を得て来たような団体がどうしてもあるわけであります。例えて申しますとたまたまダムがある、発電施設があると、固定資産税の
收入といたしまして、その団体の
財政需要をカバーして余りあるような
收入がそれ自体から得られるような団体があるわけでありますが、余り多過ぎるというようなものについては
関係市町村に
配分するというような方式をと
つておるわけでありますけれ
ども、従来は全くの貧弱な町村で、それが一躍して非常に富裕な
税收入を得られるように
なつた団体も
相当の数に上るわけであります。こういう団体につきましては、概算交付が行き過ぎていた、併しそれば概算でよろしいのだというわけには参らないだろうと思うのでありまして、こういう
関係にありますので、個々の団体につきまして実情をよく
検討して参らなければならないだろうと思います。併しながら
地方団体は必ずしも
財政が豊かでございませんので、返すことにつきましても、菊山さんがおつしやいましたように円滑な手段をと
つて行かなければならないと思います。そこで
考えております方法は、成るたけ三月中に返して頂きたいと思いますけれ
ども、どうしても返せない団体につきましては、四月早々にでも二十六
年度の
地方財政平衡交付金の概算交付をやりたい。四月早々に受けた金で以て返す。従
つて増加交付を受ける団体は四月早々まで待
つてもらわなければならないというようなことも生じて参るわけでありますけれ
ども、その
程度のことは忍んでもらわなければならないのじやないか。そういうふうにしながら、成るたけこの問題を円滑に処理するように持
つて参りたいというふうに
考えておるわけであります。