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1951-03-02 第10回国会 参議院 地方行政委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二日(金曜日)    午後一時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○消防組織法の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣送付)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) これより地上行政委員会を開会いたします。  本日は昨日に引続き防消組織法の一部を改正する法律案の本審査をお願いいたします。御質疑を願います。
  3. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 第九條についてですが、修正のほうと原案とどういうように本質的な差違があるのか、御説明願いたい。
  4. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) ただ従前と変りましたことは、任意規定でありましたものが、必置規定にしたという点だけが変つておるのでありまして、ほかは従来と変つていないのであります。
  5. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 事実上においてしなければならない、設けなければならないという規定法律にしなくても、もうそうなつておる、現実がそうなつておるものを、あとから法で裏打ちをするという程度のことではないかと考えられるのですが、どういう必要があつて、こういうふうに必置を義務付けようとするのかお伺いしたい。
  6. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) お答えいたします。これは大体全国的に設けられておりますことは御承知通りでありまするが、御承知のように火災中小都市などが最近の火災状況から考えますと、一番多いのでありまするが、そういうところで実は市に例をとつて見ましても、極く僅かな市でありまするが、全然中にはそれに対して必要な機関の整備さえもしていない所があるようでありますが、この際或る一定の標準までは成るべく設備をしてもらうということにつきましては、御承知のように、自発的に地方公共団体がやつてくれる性質のものでありまするけれども、今申上げましたように、壁際やらなければならない所でもまだやらないというような所も極めて少数ではありまするがございますので、それらは、関係方面からの要請もございまして、この際その全部又は一部のものでも予算の許す範囲内においてやらせたほうがいいのじやないか、こういう考えから、又日本人の現状に鑑みまして、これを必置機関のまあ規定改正したのであります。
  7. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その趣旨を生かそうとするならば、市町村希望によつて類別して、ここに該当する部面に全部又は一部を置くというふうにさせなくちやならないのじやないか。この法律そのままであれば、地方実情に応じ、或いは予算範囲内で置いても置かなくてもいいということと、どこに変りがあるかということを私はお聞きするのであります。
  8. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) お答えいたします。今までのような状態であり委員会会議ますと、全然必要な設備すら置かないでも何ともしようがなかつた。ところがその点が今度は最小限度の必要なことであるならば置かなければならないということを考え、そうして我々の行うではこれを必置しなければいけないということにしただけであります。今までのようだと全然置かなくても何ともしようがなかつた。却つてそのために住民に及ぼす災厄の大きいことを虞れまして、その力に応じてこうしたものをやつた、こういうことにいたした。今までの状態で行きますと、「市町村に、消防団の外、その必要に応じ、左に掲げる機関の全部又は一部を設けることができる。」とございますので、必要がなければという理窟を立てて消防団、そうした消防機関でなくても、婦人会でも或いは青年団だけでも、おれのほうではこれでやれるのだということも言い得るという慮れも多分にありましたので、成るべくそういう慮れのないようにしたほうがいいのじやないかということで、はつきりここにこういうもののある場合は全部置かなければならん、こういうふうに改正をしたのです。趣旨はそこにあるのです。
  9. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも僕は頭が悪いのか呑み込めないのですが、旧法であれば、消防団のほか三つの機関を置くことができるとなつておるのですが、この場合、消防団を置くか置かないかは勝手であるという意味合いではなくて、現実消防団というものは如何なる小さな所でも置いてある。婦人会とか或いは青年団だけでやつてしまうというようなことではないだろうと、私は狭い見聞ですが、そう思うわけです。そこで問題は消防本部消防署、そらから訓練機関の全部或いは一部を置かせたいという希望改正だろうと私は考えるわけです。然るにこの修正提案には、第九條では一から四まであつてその中に消防団というものが入つてあるのですから、全部又は一部という、その一部を消防団というものをとつておけば、他のものは置かなくてもいい、これは市町村の自由になるわけなんです。何か義務付けたとは言つているけれども、実際上義務付けになつておらんのじやないかということに私はまあ解釈するので、その点旧法であろうが、改正法であろうが、同じことではないかというふうに考えて質問しておるわけなんです。
  10. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) ただお説の点は私どもとして考えはつきりしない点があるのです。従来は設けることができるとなつておりましたので、必ずしも消防団を置かなくても差支えないという解釈も従来の法文として成立ちますが、それでは実際の災害予防の点から言つて、事実置かなければならないとしたほうが現在の日本人としてはいいのじやないかというのであつて、その点が違う。前は全然置かなくても……置けというふうにはなつていなかつたのでありますから、中には先刻申上げましたように、置かないでも済むのじやないかという点があり、そうしたような小さな事柄から比較的大きな災害が起るのでありますから、その意味で今度は必置機関、その一部はどうしても置かなければいけない、こういうことにした点が前と違う点なんです。
  11. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では続いてお伺いしますが、全部であろうが、一部であろうが、置かなければならない、こう思つて義務付ける限り、市町村に対してその財政的な裏付けをどこでやろうとするのですか。
  12. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) この点は一応新たに明記しなくも、市町村財政の面から行きまして、その財政の許す範囲においての設備をする金がないと言えば、全然ないとも言い得るでしようし、又なければならないものなんですから、我々は新たにこれに対して極く少数のもの、これからこれまでのものという範囲が広くなつておりますので、当然市町村実情に即した設備をしてもらえるものと考えて、新たに別にこれに対します財源を云々ということは考えておりません。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 消防の使命を果す上に、消防団のほかに消防署があるほうがいい、又その上に消防本部等もあることがいい、これはどこの公共団体でもそういうことはお考えになるだろうと思う。問題は財政の問題だろうと思うのです。それでそういう設置した……。という希望町村があつて設置し、そうしてその金を平衡交付金等でてもらいたいという要請があるような場合には、政府においてそれを措置してくれるものかどうか、こういう点がはつきりしておらなければ、これはやはり地方公共団体への或る種の押付けであるという誤解を受けないわけには行かない点があるのじやないかと思うので、私お伺いするのですが、国が大幅にそのほうに財政的に応援してくれることを前提として、こういう法改正をしようとしているのかどうか、お伺いしたい。
  14. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) この点は御承知のように、昨年からの平衡交付金の中にも、その率におきましては、警察費よりも相当少いのでありまするが、消防費という費目は新たに設けておりまするので、更にこれが何用何日までにこれだけのものを行わなければいけないということには規定をいたしておりませんので、重ねて繰返し申上げておりますように、地方公共団体のその実情によつて最小限度に賄える点から購つてつてもらうという我々は考えで、これを規定したわけですが。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、この第九條というのは、法文体裁上理想の姿をここに現わす気持のほうが勝つて、金のほうは余り、状況に応じるだけのことにして考えておらないというふうに了解していいのですか。
  16. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) 大体お説の点に近く今私ども考えておりまするが、なお法文のいろいろな、今の説明の点につきまして、法文上の解釈なんかからも出て来ると思いますので、三浦法制局第一部長から、法文の上での解釈のほうを一応説明をいたさせることにいたします。
  17. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) 今のお話の第九條の、この今度改正によりまして義務付けられたというのは、どういうふうになつておるかという点につきまして、先ず御説明を申上げたいと思つておりますが、現行法におきましては、御承知通り市町村に、消防団の外、その必要に応じ、左に揚げる機関の全部又は一部を設けることができる。」とございまして、消防団を置くのほかとへこういうようになつておりませんものですから、消防団は一応原則として置いて、それ以外にその他のものを置くことができるということになつておるのだ、消防団のほか置くことができるということは、消防団も置くこともできるし、その他のものも置くことができるということを本文の中に特に謳つておるのであつて、その点法律上多少明確を欠くところがありますので、特にその点を明らかにいたしましたのが九條でございまして、本文の中にありました「消防団の外」とありましたのをとりまして、各号の中に列記をいたしまして、その点の関係を明確にいたしましたのであります。従いまして第九條をこの改正案において解釈をいたしまする場合におきましては、一号から四号に掲げておりまする「機関の全部又は一部を設置」しなければならないという法律上の義務が一応生じて来ることになつておると考えております。それから予算の問題につきましては、御承知通り地方財政法にございまして、昨日もちよりとお話がございましたが、消防事務市町村固有事務というふうに考えておりますので、地方財政法第九條によりますると「主として地方公共団体の利害に関係のある事務を行うために要する経費当該地方公共団体が、全額これを負担する。」と、こういうことになつております。負担すべき経費費目を列記して挙げてございまする中に、第九條第二項の第六号でありまするが、「消防に要する経費」というのがございまして、消防に要する経費地方公共団体の、ここで申しますると、市町村金額負担に属するものであると、こういうことが地方財政法はつきりいたしておりますので、先ほどお話がございました費用負担は、一応地方財政法建前から申しましても、市町村の負担すべき経費に属しておると、かように考えております。併しながら実際の運営の面におきましては、どの程度に実際問題として支出し得るかということは、これはまだ法律上の問題とは多少別個の問題があり得るかと考えております。一応そういうように私ども考えております
  18. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その予算のほうの問題ですが、そうなつておるからと言つて、大体今固定資産税等においても、これは市町村の何に使うのだというように或る種の考えがあつて、ここで固定資産税なら固定資産税をとらせて置く、こういうような状況なんですから、地方の税金で以てその地方消防もそれを賄うということはいいといたしましても、全部又は一部を置かなければならんという場合に、結局置きたくなければ置かなくてもいいと、う、その反面があるわけなんで、で、そういうことから言えば義務付けておると言つても、義務付けておらんと言つても、同じ法文じやないかということを私再三申上げておるわけなんです。
  19. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) この点につきましては、この法律上の問題と運営の問題とは多少区別して考えなければならん点があるかと思つておりますが、先ほど申上げましたように、法律上の問題といたしましては、どこまでも義務付けられておりますし、費用負担地方財政法によりまして負担する義務がある、こういうことになつておるわけであります。ただ財政上の関係によりまして、いつ幾目まで設置しなければならんということまでには限定してございませんので、その余裕を見まして、できるだけ速かに法律趣旨に副うということがこの狙いでございまするので、結果におきましては、予算多分に関連は持ちます。るけれども義務付けられておる、その実現の時期が速かである場合があるであろうけれども、或いは多少ズレて行われる場合もあるとは思いまするけれども義務付けられておるという点においては変らないと考えております。
  20. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは先に移りまして、昨日の高橋委員から御質問があつたようですが、十一條の「消防吏員階級基準は、国家消防庁準則で定める。」とした事由について、もう一度お伺いしたいと思つております。
  21. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) これも国家消防庁準則で定めるといたしましたことは、昨日も高橋委員へもお答えを申上げて置きましたが、今ではただまちまちになつておりまするので、それを或る一定方面に統一したほうが体裁上から見でも、そのほうがいいということを、仮に一つの消防団でありましても、消防団が他の消防団体の援助を受けた場合等から言つても、いろいろまちまちの階級よりも、むしろ統一をしたほうがいいんじやないかという考えかたから、一応国家消防庁のほうでまあそうした規則準則を定めてもらつたらどうかという程度考えかたで、これを設けたのであります。
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 国家消防庁地方公共団体の上にある機関ではないので、おのおの独立しておる機関であるわけでありますが、その法の建前から見て、こういうやりかたはどういうものであろうかということを、法制局のほうの部長にお伺いしたいのです。
  23. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) 只今お話の御懸念のありました点は御尤もなことでありまして昨日ここでも申上げましたが、現在のこの消防組織法の第四條の第二号を御覧頂きますとわかると思いますが、「国家消防府は、左に掲げる事務を掌る。」とございまして、その中で「消防準則研究及び立案に関する事項」というのが、すでにこの消防組織法ができましたときから、国家消防庁権限として認められていたわけであります。消防準則研究をいたしますと同時に、消防準則立案に関することが国家消防庁の本来の権限に属しておりますので、階級基準等、それらの準則国家消防庁が定めますことは、本来の国家消防庁組織権限に鑑みまして、その中に当然附属し得ることがらであります。ただ御懸念の点は、そういうことを地・方公共団体に強制するような結果になつては面白くないのじやないかという御意見だろうと思いますが、それは御尤ものことでありまして、従いまして私ども法律上の解釈といたしましては、どこまでも基準準則できめるという、ただ基準をきめるだけでありま立て、それは先ほど申上げました消防設置義務付けられておるのと違いまして、この場合におきましては、義務付けておるのではないのでございます。基準をただきめるということを明らかにしたに過ぎないということを重ねて申上げまして、御了承を得て置きたいと思います。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうであれ、第十五條において訓練礼式或いは服制等に関する事項、これはやはり準則国家消防庁がきめておる、これを「市町村規則がこれを定める。」というふうに、非常に丁寧にこのほうは法として生きておるわけですが、この、階級のほうは、どうしてこういうふうに地方自治建前を尊重して、やはり準則で定め、その準則則つて市町村規則でこれを定める。」というふうにしなかつたのですか、お伺いします。
  25. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) 消防団員につきましては、お説の通り「定員は、市町村條例で、その訓練礼式及び服制に関する事項は、国家消防、庁の定める準則に則り、市町村規則でこれを定める。」ということになつておりますが、階級基準をきめますと、それに伴いまして服制に影響を以て参りますので、服制土階級を明らかにするということになりますと、おのずからそこに市町村規則でそれをきめるという結果になりまして階級の規準を国家消防庁準則で定めるというのは、各都道府県市町村は成るべく共通の基準をきめたほうが消防活動の上から便利であろうということから出ましたので、その服制を現わします。ことは、市町村條例できめるという結果になるわけであります。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 非常にうまい答弁ですが、根本のものは何できめるかということを明らかにしないで、その源から発する表現形式のほうのそれは規則できめるというふうになつておる点はどうも腑に落ちない、これはあつてもいいのですか、なくともいいのですか、あつたほうがいいのですか、そういう規定は……。
  27. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) それは十五條に新らしく生かしました「国家消防庁の定める準則に則り、」と書いてございますので、どこまでもその準則に則り、市町村規則で定めるということになつておるのであります。その準則できめ得る事項を特に階級基準に限りましてそれで特に先ほど申上げましたような意味におきまして或る程度統制的にまちまちにならないように定めることが便利でありますので、国家消防庁準則で定めるということでございまして、国家消防庁準則階級基準を定めるということはあつたほうがいいと思います。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の申上げておるのは、国家消防庁準則で定めることは結構であろうと思う、併しその準則基準だけの準則ですから、その地域に合うその準則に基く具体的な階級制度というのは、條例なり規則なりで市町村できめるというのが正しいのじやないかということを申上げておるのです。若しもそれが是なりとするならば、十五條のほうで丁寧に「市町村規則でこれを定める。」とありますから、そういう形式国家消防庁の定める準則に則り何々で定めるというようなふうにして置くのがいいのではないかという考えから質問しているわけなんです。
  29. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) 先ほど私が「国家消防庁準則で定める。」と、こう申しておりますが、これは消防吏員に関しまする分でございまして、これは消防団員の分に使つているわけではございません。消防吏員につきましては、宣誓、服務に関する事項等につきましては、地方公務員法の定めるところによつてきめるということになつておりますが、当然消防吏員のそういう問題についてきめます場合におきましては、この国家消防庁が定める準則に基きます地方公共団体職員に関しまする分でありますので、これは條例なり、何なりできめるということになるのは当然だと思つております。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではもうつ、第二一條ですが、翼行法市町村長市町村防消長から要求があつた場合は国家防消庁が助言を與えるようになつておるのを、そういうことでなしに、国家防消庁は随時自由に都道府県又は市町村勧告するというふうにした理由はどこにあるんですか。
  31. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) 只今お尋ねのちよつと趣旨がわかりませんが、二十條は国家防消庁は都道府県市町村勧告し、都道府県知事市町村長市町村防消長から要求があつた場合は防消に関する事項について指導し云々と、こういうことになつておるのございます。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、その前段を聞いているわけです。国家防消庁が地方公共団体からの要請でなしに、国家防消庁の見地に立つて自由な勧告ができるようにした理由はどこにあるか把聞いているんです。
  33. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) それは現在の防消組織法を御覧頂きますと、例えば二十四條等におきましては、この都道府県知事等は「相互間において地震、台風、水火災等非常事態の場合における災害防禦措置に関し予め協定することができる。」というような規定がございます。又二十六條等を見ますと「都道府県は、必要に応じ、市町村の防消職員及び防消団員の訓練を行うために所要の機関を存置一し、又は設置することができる。」というような規定がございまして、又消防は両市町村に跨りまして、大火災が発生いたしました場合におきましては、そういう非常事態が起つていろいろ県としてもこれに関係し、世話する問題も起つて来ることもございますので、そういう意味において都道府県は、市町村消防事務市町村国有事務ではございまするが、非常なそれに対しては重大な関心事を持つておりますし、法律上も又そういうことになつておりますので、そういう点から国家消防庁都道府県に対しましても、消防に関する事項がうまく行くために勧告をするということは、当然必要な事柄ではなかろうかと考えております。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 現行法では何か不都合な点があなたのか、実例を挙げて御説明願いたい。
  35. 三浦義男

    衆議院法制局参事三浦義男君) その点につきましては、国家消防庁の実際おやりになつておる側から話して頂いたほうが結構かと存じますので、一応そういう必要に応じまして、法律上のこういう改正措置を講じましたけれども、実態においては消防庁側からお聞きとりを願いたい。
  36. 新井茂司

    政府委員新井茂司君) 現行法実情につきまして御説明を申上げます。現在のところは、市町村から要求のありました場合に限りまして、消防について助言を與える又幹旋をするというふうに相成つておるのであります局が、もともとこの消防組織法改正いたしまして、一面におきましては消防市町村固有事務にいたしますると共に、一面におきましては国家消防庁を設けまして、その消防改善向上を図るという措置を講じられたわけでございますが、実施の経験によりますると、非常に熱心な市町村にありましては、盛んにかような要求をして参るのでありまするけれども、又一面におきましては、割合に無関心なところにつきましては、消防改善発達について国家消防庁要求をする場合が少いのでございます。国家消防庁といたしましては、かような場合に割合関心の薄いと申しまするか、さようなところにつきまして、積極的な消防についての改善に関する勧告勧告というのは申すまでもなく、命令とか、指揮とか、そういうような強制力を持つものではございませんが、かような勧めるということができまするならば、一般的な消防向上を図るのに好都合だと考えておる次第でございます。
  37. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その国家消防庁のほうから言うと、大変好都合なようですけれども、各独立した公共団体から見れば、勧告は内容としては強度の勧告であつたり、或いは当然勧告されたことを措置しなければならない羽目に落込むようなさまざまな関連する問題が起つて来たりするようなこと等もあるのじやないかと思う。それで発議者にお伺いするのですが、こういう点については地方団体はどういう考えを持つておられたのか、その話合い等がありましたら、その場合の経緯についてお聞かせ願いたい。
  38. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) これは只今国家消防庁長官答弁の中にもありましたように、非常に熱心なるところはよく設備をやつてくれておりますが、関心を持たないところでは、殆んどうつちやらかしておるというところもないではないようであります。そうしたところがとかく災害程度が大きいというようなことを我々は予測しまして、できれば勧告して注意を喚起するということが、実際においてむしろそのほうが親切じやないかというような意味合いから、これを改正をいたしたのであります。
  39. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこで地方公共団体の御意向が、この改正に現われておるならば、その点をお聞かせ願いたい。
  40. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) これは、相当多数……一々どこの町、何県の何町村ということを申上げる資料を持合せておりません。どこと申すことは只今のところ不可能でありまするが、相当多数、これは参議院の委員会のほうにもそうしたことは要望があつたのじやないかと思つておりますので、全然ないところもありましようし、相当我々はその点にきましては、町村からの要望に印するということからやつたのであります。
  41. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは地方公共団体も、こういうふうな勧告を欲しいから、法文改正して欲しいという要望があつたと了解してよろしうございますか。
  42. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) さようでございます。
  43. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではもう一点お伺いしますが、これは国家消防庁にお尋ねするのですが、大体市町村勧告する点の輪郭はどういうものかということはわかりますが、都道府県に対する勧告というのはどういうことを現在予想しておるのかお伺いしたい。
  44. 新井茂司

    政府委員新井茂司君) 申すまでもなく消防の実質的なものは市町村にありまするので、その方面勧告は多くなると思いますけれども、一面都道府県におきましては、管内の消防職員或いは消防団員訓練を行う機関を設けるようになつておりまするので、それらのやり方等について私ども研究をいたしたものを発表いたしまして、お勧めしたいと考えております。なおそれから、先ほど三浦部長から話のありました非常災害の場合に処する警察と消防との協定事項等につきましても、勧告を申上げます場合があると考えております。
  45. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では都道府県に対してこれこれの市町村消防組織が弱体である、強化するようにさせたらどうかとか、或いは貧弱町村に対しては助成金等を出して充実強化を図るようにしたらどうか、そういう部面の勧告をする意思はないわけですか。
  46. 新井茂司

    政府委員新井茂司君) 都道府県から市町村消防に対して補助を出すというようなことを積極的に勧告する意思は只今のところ持つておりません。それからただこういうことはございます。この市町村を直接に国家消防庁が指導勧告をするというようなことは、実際問題としてできがたい事情にございまするので、市町村消防発展を一般的に期するために、勧告するような場合には都道府県を通じてそれを行うように依頼することはございます。
  47. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この二十條の後段によると、器具、資材の斡旋或いはそういうものについての指導、助言というようなのは、関係者から要求があつた場合に限るようになつておるのですが、一般的にこういう問題についての勧告をなさる御予定ですか。
  48. 新井茂司

    政府委員新井茂司君) 現在までのところにおきましては、この設備、機械器具、資材の斡旋は、特に物資の統制のあつた場合におきまして、要求に基いて斡旋をするということが大部分であつたのであります。そのほかこれは勧告に関連いたすのでありますが、優良な機械器具でありまして、消防研究所において検定をいたしまして、それに合格をいたしましたものは広くこれを用いるようにいたしております。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、検定を経た機械器具、資材等については、一般的にそれを推奨することは、国家消防庁としてやるのであるというふうに了解しておいていいわけですか。
  50. 新井茂司

    政府委員新井茂司君) さようでございます。
  51. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 最後に公職選挙法の一部改正ですが、昨日もお伺いしましたが、発議者としてこういう改正希望する点について御説明願いたい。
  52. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) これは全国的の声であると私ども解釈いたしておりまするのは、御承知のように非常勤の消防団員というのは、殆んど報酬と言われるほどのものをもらつていなくて、全部が実は犠牲的と言つていいような立場におりまして御承知のように全国各地ともに消防団員消防団長になつておるような人は、相当どちらでも有能な士が多いのであり、こういう人をこの消防団長なり、消防団員であるというだけの理由の下に、公職選挙に立候補することができないというような窮屈な規定を置くことそれ自体が如何かとも思いまして、むしろこの問題は公職選挙法の八十九條の中の改正に持つて行くほうがすつきりしたことになると思つておりまするが、四月の改選期を控えまして、果して公職選挙法の改正が間に合うかどうかというような点も懸念をいたしまして、ここではひとり消防団員の分だけを掲げたような次第であります。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その場合に消防組織そのものが、組織として選挙活動をすることについての心配をどう除去するかというお考えを以て、こういうことを考えられたのか、その点をお伺いしたい。と申しますのは、これは現在の消防を私さらさら誹謗するがために申上げるのではないのであつて、お断わりして置きますが、過去において気に食わない店があれば、消防演習に名をかりて水さへぶつ込むというようなことが、どこにも大分あつたことであります。それらと同じような形で、まあ大きな選挙になりますれば、消防を使えば最も有利であるというようなことを聞いたこともあり、現にそういうのを私たち小さいとき見ておる。又最近の実例で言うても、岐阜県知事の選挙の場合に、消防関係の組織を挙げて選挙応援をやるかのごとき誤解を受ける選挙に関するいろいろな暴動がなされておる、こういうような点は発議者としてどうお考えになつておられるか、御意見を承わつて置きたい。
  54. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) お説のように、昔の消防団には酒を一杯飲ませないからホースを向けるというようなことも、ないではなかつたように思いまするが、最近の消防団は、少くとも新らしい消防組織になりましてから、私の僅かではありますが、国政調査に参りますたびに、各地で消防団というものの現状を見て来ておりますが、そういう暴力によつて云々というような心配は、私どもは今日の消防団に関する限り毛頭ないと思つております。それからこれを例えば政党的に見ましても、共産党だけは入つていないかも知れませんが、恐らく社会党のかたも、民主党のかたも、自由党のかたたちも、あらゆる政党のかたがこれは消防団員であり、消防団長で全国あるように思いまするので、一般的の政党の援助をするために、そういうことが行われるとは、私ども考えておりませんが、岐阜県知事の場合の例を今御指摘なさいましたのですが、私どももそれは聞き及んでおりますけれども、これは悪いほうの極く少数の例でありましてこうしたことがそういう団体にえて行われるということは甚だ遺憾でありまするが、最も世の中の、指導階級の位置にありまする教員組合ですら、昨年の参議院の選挙の場合には、私でも愛知県でありまするが、随分ひどいことをやはりやつたのであります。そういうことをするのはこれはよくないことで、再びそういうことはあの例を引いても、私ども消防団員の諸君が、今後そういう徒党を組んで事をするとは考えておりません。そこでまあ消防団員の現在の職域を見まして、全く御同情に堪えない、こういう考えかたから、これを早く解いて上げたほうがいいのじやないかという考えを以てやつた次第であります。
  55. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今発議者のおつしやるような方向に消防組織そのものがあるということを私も認めて、こういう制限を撤廃するということは賛成でありますが、ただ今後の問題としてそういう点が起きないようにお互いに考えなくちやならん問題であろうということを私は申上げて置きたいと思います。以上で終ります。
  56. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質疑ございませんか。
  57. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 この地方行政委員会でたびたび話題になり、問題になつたことでありまするが、曾つて委員長なども新聞を読上げて、これは都下の或る町村消防活動実情について、新聞記事なんかを読上げて問題になつたことがあつたのでありますが、この消防組織法建前は、自分の町村消防は自分の町村で責任を以てやるということが根本になつております関係からして、すぐ接近した他の村において非常に大きな火事が起つておる。ところがその火事が起つておる村においては消防力が非常に弱い。そこで自然これは二十一條ですか、組織法の二十一條によつて町村間の消防の相互援助協定というものができるようにはなつておりまするけれども、併しながら他の村に行つて消防が活動した場合の費用等の関係からして、町村長は容易に隣の村に応援に行こうとしないような事態が起つておる。従つてこの二十一條の相互援助というものをもつと合理的な、法的な規定を加えてその場合におけるところの費用の分担等、これは警察法にはありまするけれども、もう少し何らかの合理性を加えるような規定にしたらどうだろうか、又そこに応援に行つた場合に、今度改正にならんとする第十五條の四でありまするが、応援に行きまして負傷したとか、死亡したという場合における補償は、十五條の四によつて当然これは自分の所属するところの村が責任を持つようになると思うのでありますが、その際に応援を受けた町村においてこれを負担するということであれば、敢然として応援に行つてもいいのだというような町村長の考えかたなんかもあつたりいたしまして、容易に二十一條の相互協定が行われない事例がたまたまある、こういうことが何回も言われたのでありますが、今回のこの改正規定には、それが全然載つておらないように思われるのでありますが、その関係において随分御審議があつたと思うのでありますが、その間においてどういうふうな結論を持たれてあつたのかということをお聞きしたいと思うのです。
  58. 川本末治

    衆議院議員川本末治君) 鈴木委員の御意見、私どもも全然同感でありますが、ただ御承知のように、この法案を立案いたしますのに相当日時も費やしておりますが、その間関係方面とのいろいろな交渉の結果、なかなか、以前に政府提案でやりましたときにも暗礁に乗り上げて、遂に提出ができなくなりましたようなわけで、そのあとを受けて議院提出をしたような次第でありますので、十分直さなければならないところも又相当残つておることを私ども承知いたしながら、了解を求めるのに余りに日時を要しては、他の方面までもその犠牲にしてしまうということも如何かと、かように考えまして、了解を得られました分だけを法案といたして参りましたので、お説の問題につきましては、今後折角私どももして行かなければならんということは十分承知はいたしておりますが、今申上げましたような経緯から、今回の改正案の中には盛込むことのできなかつたということを申上げて置きます。
  59. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 よくわかりました。
  60. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか……。別に御発言もないようですから、質疑は盡きたものと見て御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  62. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その前に速記をとめて、一つ我々同志で討論でなく委員長に申上げて置きたい点がありますので、速記をとめて頂きたい。
  63. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 討論に入つておりますが、只今小笠原君から御要求が出ましたが、さように取計らつて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) それでは速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  65. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。  別に御意見は、ございませんか……。別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。消防組織法の一部を改正する法律案について採決いたします。消防組織法の一部を改正する法律・案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手〕
  67. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することを御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 御異議なしと認めます。  なお本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     堀  末治  竹中 七郎     石村 幸作  高橋進太郎     相馬 助治 小笠原二三男     鈴木 直人  西郷吉之助     石川 清一
  69. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 御署名洩れはございませんか……。署名洩れはないと認めます。   —————————————
  70. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案の予備審査を行います。なお岡野国務大臣は衆議院の地方行政委員会に出ております。小野政務次官が参つております。御質疑を願います。
  71. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 昨日小野政務次官も予算委員会に出ておられたからお聞き及びと思いますが、地方税その他金額の点が地財委と大蔵省の違つたその点について、大蔵省の説明は二十四年度以降の決算見込によつて説明されましたが、あの中に繰越金というものが前に載つておつたのでありますが、あれを返しまして、これは純益のようにもとられますし、その点非常に誤解がありますから、自治庁ではどういうふうな御見解を持つておられるのでありますか、伺いたいのであります。
  72. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 只今の御質問でありますが、私も実はその表の詳細、今ちよつと手許にありませんので、あとで武岡財務部長から御説明をいたしたいと思いますが、二十四年度の決算面に現われておる繰越金についてば、あの繰越金がそのまま余剰財源になつておるという考えかたにはなるまいと私は思つておるのであります。要するに当該年度の予算を執行する場合において、事業の遂行と関連において繰越今として余剰財源であるかのごとく表面見える場合におきましても、実際その仕事の量なり、遂行の模様から考え合せまして、單に帳簿上の余剰財源のごとき形をとつておる場合があることを私どもは見逃すことができないと考えておるわけでありまして、これらの点について多少大蔵省が作成いたしておりまする、只今西郷さんがお話になりましたものと地方財政委員会考えかたとはその点について食違いがあると申しますか、見かたなり、考えかたに異なつたものがあるように見受けられます。この点につきましては、武岡部長から詳細に亘つて説明をいたしたいと思いますので、なおお聞きとりを願いたいと思います。
  73. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 只今御指摘がございましたように、大蔵省のほうで、二十五年度の地方財政計画の総額を推計せられまするのに、二十四年度の決算の見込額を元にして数字を立てておられるのでございまするが、その中で問題のいわゆる繰越金の点でございす。大蔵省からお出しになつておられまする資料によつて拜見いたしますると、御指摘のように昭和二十四年度の決算見込の数字におきまして歳入のほうが歳出よりも百八十九億一千五百万円多くなつておる。これは当然そのまま次年度への繰越金となるべきものであるから、二十五年度の歳入にはそのまま総額を繰越金の額として上げる、こういうようなやりかたで推計を立てておられるのでございます。併しながら私ども考えかたといたしましては、この点が大分違つておるのでございまして、根本的に申上げますると、昭和二十五年度の地方財政の規模の立てかた、その推計額の出しかたにおきまして、地方財政委員会がやつておりますのと、大蔵省でお考えになつておられますのと、全然方法が違うわけでございまするが、関連いたしまして、一応私たちの立てかた説明させて頂きますると、地方財政委員会が昭和二十五年度の地方財政計画を推計するに当りましてとりました方法は、昭和二十二年度の決算見込の数字というものを元にいたしましてそれから二十五年度までの物価補正をいたしましてその後そのほかに二十三年度及び二十四年度におきまして、新規に地方財政の中に入つて参りました新規需要額というものを差加えまして、そうしてこの総額を推計する、こういうまあ方法をとつたわけであります。と申しますのは、大蔵省のように二十四年度の決算を元といたしまして、それに二十五年度への新規の所要額を加えて二十五年度分を推計するというのは一応尤もな考えかたのようでございまするけれども、二十四年度自身が御承知のように、地方財政といたしましては、まあいわば非常に異常なと申しまるか、決して地方財政のあるべき姿を現わしておる年ではないのでございます。即ちこの年には配付税の削減が行われましたり、いわゆる均衡財政建前から相当地方財政に対する圧迫と申しましようか、財政規模の非常に無理な圧縮が行われた年でございまして、地方財政全体の姿から申しまするならば、決してこれを基準にして二十四年にこういう規模であつたから、五年はかくあればいいというような推計の基礎にはならない、なすべきではないというのが私たちの考えかたでございます。そこで地方財政の規模を推計するに当りましては、どこまでも地方自治の正しい運営を期して行くという精神から、その財政規模のあるべき姿を推計して行きたいという考えかたでやつておるのでございまして、さような意味合で比較的最近の年におきまして資料の得られる、而も地方財政としてはゆがめられない姿において、その規模を推計し得る基準の年といたしまして、従来からもやつておるのでございまするが、二十二年度の決算というものを一応基礎にしまして、それを元にいろいろ積立を行なつておるのでございます。その点よりいたしまして考えかたが違いまするので、私ども考えかたからいたしますれば、二十四年度の決算面におきまして、歳入と歳出のつり合いが異なつておつた、又余つておつたものがそのまま繰越金になるのだというような見かたには賛成いたしかねるのであります。それからなお今一つは、只今次官からもお話がございましたように、繰越金として二十四年度の決算面におきましては、成るほど歳入のほうが歳出よりは多く数字が現われておりましても、その内容におきましては、内容を検討をして見ますると、すでにもう皆さんはよく御承知のことと存じまするが、その年度におきまして、事業の執行が行われなかつた場合におきましては、歳出は当然決算に現われて参りませんが、一方歳入のほうは、それとは関係なしに入つて来ましたところの歳入は、そのまま決算に上るわけであります。従いまして歳入のほうが歳出よりも多くなつておりましても、その中には歳出面において当然その年度に行わるべきであつたところの事業が、いろいろの議のために繰延べになつたというような数字が相当入つておるわけでございます。従いましてそれがそういう見地に立ちまする限り、繰越金をそのまま歳入として翌年度の歳入として上げますならば、その中の少くとも何がしというものは、それに見合う歳出を翌年度の予算面に現われて来るところの歳出の数字として立てて行かなければバランスが合わない、こういうことになるのじやなかろうかと思うのであります。そういう点はまあ大蔵省のほうでどういうふうにお考えになつておられますかわかりませんが、少くともその年度々々の歳入歳出のバランスだけを見て、余つたものは皆翌年度の歳入の財源に、繰越す財源になるのだと、こういう見かたには、にわかに私たちは承服いたしかねる、かような見解を持つておるわけでございます。そこで昭和二十五年度の地方財政の推計におきまして財政委員会といたしましては、只今申上げましたような推計の方法によりまして、大体四千三百十九億ばかり普通会計においてございまするが、こういうような数字が出て参つたわけでございます。大蔵省におきましては、二十四年度の決算見込みの数字が大体二十五年度に殖えるものが約五百億ぐらいと、推計しておられるようでございますが、それを加えまして、二十五年度の数字を出しておる。そういう点で根本的にまあ推計の仕方に従いまして出て参つておりまするこの決算におきまして、相違があるわけでございます。繰越金の問題につきましては、大蔵省のような、ただその年度々々の歳入歳出の結末だけを繰入れる、繰越金として翌年度の歳入にまるまる見て行くという見かたにつきましては、只今申上げましたような理由で、財政委員会としては承服いたしかねる次第でございます。
  74. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 大蔵省側の見解は改めて予算委員会で私は質すつもりで、その前提として今の地財委の御意見を伺つたのですが、地財委側としての大体の御意見はわかつたのですが、私はこれは非常にどう大蔵省が答弁するかはわかりませんが、非常な誤解を招き、実際の地財委との数字の食違いの原因の大きな一つであると私は見ておるのです。その繰越金の性質如何を問わず、歳分面においていずれも歳入超過ということになつておりまする点は、特に非常に遺憾だと私は思います。更にこれに雑収入の点ですね。これはやはり大蔵省の推計においては、二十四年度の決算見込三百五十六億というものを出し、二十五年度又二十六年度においては雑収入を全く同金額の三百六十億というものを出しておるのでありますが、こういう点は、甚だ私はこの数字をおかしいと思う。経済情勢も違うし、今度は二十六年度におきましては、政府地方税の一部改正をもくろんでおり、その際においても政府考えかたによるならば相当の増収を見ておられる。而もそれは百七十何億という数字においては、大蔵省と地財委が意見が一致しておるのですから、政府の推計で行くと、雑収入等は二十五年度も二十六年度も全く同金額三百六十億というふうな推計を出しておるところに、私は非常に食い違いの、これも大きな原因をなしておると思うのですが、そういう点につきまして、更に地財委側の御意見を承わつて置きたいと思います。
  75. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 御指摘の雑收入の問題でありまするが、これは前の臨時国会におきましても、いろいろ御審議を頂きましたように、非常に内閣側の意見と地方財政委員会の意見の対立しておりまする重点の一つに相成つておるのでございます。昭和二十四年度決算見込額におきまして、使用料、手数料が百二十億、それから雑収入が三百六十五億という数字が上つておりますることは、これはその通りであります。ただその数字を如何に見るかという見かたの問題であります。それで地方財政委員会におきましては、二十五年度の財政計画を推計するに当りまして、いわゆる雑収入として掲げておりまする数字は百七十四億でございます。そこでそれに対しまして大蔵省のほうでは二十四年度の決算において使用料、手数料並びに雑收入を合せて四百七、八十億も上つておるものに対して地方財政委員会が雑収入を僅か百七十四億しか見ておらないというのは、これは明らかに歳入の見積りが過小であるという、こういうような点を指摘しておられたのでありますが、この点は見積り過小という問題ではなく、この雑収入というものに対する見解の相違であると私たちは主張して参つておるのであります。と申しますることは、雑収入は御承知通り一本の決算としては成るほど一つのまとまつた数字として現われて参りまするけれども、その内容を見まするを、非常に雑多な収入でございまして、一つから申しますると、各団体、一番余裕がございまする各団体を通じて決して普遍的な財源ではないのであります。或る団体におきましては相当な雑収入を見込み、又はその収入を上げておるところもありましようけれども、ほかの団体におきましては、この数字は殆んどない、非常に少いというような、団体間に普遍性がないというのが、その収入としての特長の一つであると思うのです。それから今一つ継続性がない。今年度こういう収入があつたから、来年度も又当然その収入があるというような継続した一般性を持つた収入ではないのであります。即ち雑収入は使用料、手数料は別といたしまして、その他の雑収入の中には、いわゆる寄附金、例えば村でポンプを購入するために一般財源がないために臨時に寄附を募る、或いは又学校が破損をしたために、これが修理のために起債その他の財源に不自由したために臨時にやむなく財産の山林を売抑つた、こういうような性質のものが殆んど多くを占めておるのであります。こういう意味におきまして、今年も山林を売つたから、来年も売ると、こういうような継続性のある収入でない、そういう点が一つの特長であると思うのであります。従いまして地方財政委員会におきましては、地方財政の推計を立てるに当りまして、その目的とするところは、要するに平衡交付金をどのくらいに見つもつたらいいかということが、この財政計画を立てる主要な目的でございまするから、そういう意味地方財政計画を立てるに当りましては、そういつたような不正規な特異な財源というものは、それを計画の中に織込むべきでないというのが私たちの考えかたなのでございます。従いまして二十四年度におきまして、総括的に大体四百七、八十億ありました財源のうちで、一般財源として充当し得るような、つまり一般財源として見ることのできるような雑収入というものが一体どのくらいあるかということを推計いたしておるのでありますが、その推計によりまして、この財政計画のうちに特殊の、特別な目的を持つた目的的な収入でないところの一般財源なるものは百七十四億しかないという推計を立てて出しておるのであります。殊に二十四年度の雑收入が非常に多額を示しておりまするということは、この内容から申上げますならば、二十四年度は先ほど申上げましたように、地方財政に対する一般的な財源の附與、財源措置というものが十分に與えられず、配付税は半減するというようなところから非常に無理な財政運営が行われておる。そういう意味合いから寄附金の募集でありますとか、或いは先ほど申上げましたような財産の売拂といつたような、非常に不正規的な財源調達ということが相当行われたいうことを示しておるというように我々は見ておるのであります。従いまして二十五年度におきまして平衡交付金の制度も確立いたし、地方税法改正せられまして、地方に一対する正規財源が附與されたのでありまするから、この年度を境といたしまして、その後における地方財政の姿といたしましては、そういつたような従来不正規の無理な財源によつて賄われておりましたような歳出も当然これは正規の財源に振替えられるべきで、そういうような意味合いで、二十五年度、二十六年度において、二十四年度にあつたような雑収入が当然地方に收入されるだろうというような推計は我々としては立て得ないのであります。そういうような意味合いからいたしまして二十五年度の推計におきましては、只今申上げましたような百七十四億というものが不正規的な雑收入である、かように推計をいたしたのであります。それから二十六年度におきましては、多少その点は趣きを異にいたしたのでございます。と申しまするのは、先ほど申し上げましたように、従前地方財政委員会財政計画を立てるに当りましては、雑収入につきまして、只今申上げましたような、つまり一般財源としての雑収入、正規財源としての雑収入ということだけを見て参つておつたのでありますが、二十四年度の決算によつてすでに相当な数字というものが決算上の数字として上つてつております関係上、それは二十六年度におきましても、一応計画上そうして数字も取上げて推計したらどうかというような意見もございましたので、二十六年度におきましては、そういう意味のものを取上げて、これを計画の中に織込んで見たのであります。従いまして、先に差上げてございます資料の中にお示ししてございまするが、雑収入の中を二つに区分いたしまして、普通一般の雑收入と、それから特定の雑収入というふうに分けて推計いたしたのでございます。即ちその推計によりまする一般の雑収入というものは、二十六年度におきまして百九十七億三千五百万円、こういうように見込んでおるのでございまして、これが二十五年度におきまして百七十四億見込みました。それに自然増収を加えまして、二十六年度にはこの程度のものになるという推計をいたしたものでございます。それに対しまして一方特別の雑収入といたしまして、百七十億一千六百万円というものを見込んでおるのであります。これは今申上げましたように意味において、一般的な財源にはならないのであるけれども、つまり特別な目的を持つて雑収入、例えば学校を建てるために山林を売り拂つたとか、或いはポンプを購入するために寄附金を募集するというような目的で、特定されたところの特別の雑收入というものを上げて見たのでありまして、その代り歳出部面におきまして、それを特別の臨時特定の事業費として同じく百七十億一千六百万円というものを歳出のほうに上げております。こういう方法で二十六年度の財政計画を立てたので、あります。これを両方とも、歳入、歳出から落しましても、或いは上げましても、平衡交付金の算定には別に影響はないわけでございまするが、ただ地方財政としての全体の規模、これを推計する意味におきまして、一応そういうものを掲げて見たというのが二十六年度の推計の数字になつておるのであります。従いましてさような方法で推計をいたしておりますので、大蔵省のほうで、二十四年度におきまして三百五十六億の雑収入があつたから、二十五年度、二十六年度においても、その程度或いはそれ以上三百六十億程度の雑收入は当然これは雑収入として上げるべきである、それを一般の財源として、歳出の全般の財源として使用さるべきであるという議論には承服しかねるのでございまして、若し大蔵省のように三百六十億というような雑收を歳入に上げますならば、それに見合うところの当然の臨時の歳出というものを、歳出のほうにも上げなければならない、かように考える次第であります。そこで大蔵省案と地財委案の対比のところにお示ししてございますように、地方財政委員会では約十八億ばかり、来年度において税外收入の増收として認めましたのは、先ほど申上げました一般財源としての普通雑收入の増加のみを一般財源の増としてここに上げたので、ございまして大蔵省のほうで百八十何億も殖えておると言つておりますもののうちには、只今私のほうから申した特別な目的を持つた雑收入、一般財源とならないところの雑收入、それに繰越金を加えての増収、これを見込んでおるわけであります。こういう違いが出て参つております。
  76. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 更に伺いますが、今おつしやつた地財委側の意見はよく了承いたしましたが、今申上げましたような雑収入と同一の意味において、説明にしばしば触れられた使用料、手数料があるのですが、二十四年度から二十六年度に亘る数字を見ますと、大蔵省の推計では、二十五年度以降は二十四年度に対して僅かに四千四百万円だけの金額の差があり、二十五年度、二十六年度には全く同一金額の百三十億を推計に出しておられる。この点も今のお話と同様、これは非常に地財委と大蔵省の間の食違いの原因をなしておると思う。更に承わりたいのは、地方債のことで、大蔵省の例えば二十五年度の金額を見ると二百八十億と推計に出しておる。併しながら前回の補正増額のため、実は三百七十億になつたのですが、二百八十億とそこに大分開きがあり、二十六年度を見ると三百億というふうに出しておる。二十五年度においてすでに三百七十億であるのにかかわらず、こういう数字であり、一方大蔵省は地方債の増額の金額は九十億とちやんと出しておる。二百八十億プラス九十億で三百億を突破する。こういうように非常に現実と違つた数字が地方債の推計に出ておる。こういう点は明らかに食違いではないか、推計の誤であると私はそう思うのです。殊に今の二百八十億を二十五年度の推計に出して置きながら、プラス十億という増額、大蔵省自体が認めておるのを……、然るに二十六年度の推計には地方債は三百億のみになつておる。こういうようなことは非常なでたらめだと思うのです。こういう点を地財委ではどういうふうに考えておられるか、同様に伺いたい。
  77. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 只今仰せになりました地方債の問題でございますが、大蔵省では二十六年度において起債の増額を九十億見込んでおりますのは、この昭和二十五年度の当初推計の二百十億に対して九十億殖える。こういう推計の数字であるように聞いております。従つてそれが、三百億になります。その三百億と申しまするのは、御指摘の通り昭和二十五年度におきましては、前回三百七十億でございましたけれども、そのうち一般会計のものは当初におきまして二百十億、それが七十億追加になりまして二百八十億となつたわけでございます。来年度におきましては総額は四百億ございまするが、そのうち百億は公益事業関係のほうの起債分として除きまして、一般会計分が三百億、こういう計画で推計をしておられるために、こういうふうになつたのでございます。
  78. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 更に伺いますが、しばしば平衡交付金等の審査の場合に、大蔵省は二十五年度の決算がどう思うかとか、二十四年度の決算さえまだ行われておらん、極めてそういう点はスローであり、杜撰であるということをいつも言われるのですが、この推計表を見ても、二十四年度は現在の推計表を見ても見込額ということになつておるのですが、私はこういうような二十四年度の決算はとうに済んでおると思うので、こういう二十四年度の決算見込というような漠然たる数字を基礎にして考えるところに、私は平衡交付金の金額の大蔵省の決定に非常に食い違いが出て来るのじやないかと思うのですが、その点は如何ですか。
  79. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) いつも決算その他の資料の収集におきましていろいろな私たちの手落ちのために遅れがちでございますることは誠に申訳ないと思つております。二十四年度の数字として決算見込額として上つておりまするが、勿論二十四年度のものにつきましては、実際上の決算額は大体この見込額と殆んど同様な数字が出て参るものと思つております。地方財政委員会におきまして、只今正確な決算数字につきましては集計をいたしておるわけでございまするが、早急にこれを取りまとめまして、決定的なところについて更にお示しを申上げたいと存じております。それから二十五年度の決算の見込はどうなるかということにつきましても、すでに資料を各府県、団体のほうにも照会をいたしまして、府県分につきましては一応の資料がまとまつております。ただ市町村分につきましては、まだこれがなかなか資料が収集できません。甚だ遺憾に存じておりまするが、府県分に関しまする限りは大体各府県とも揃いまして、先きに五、六県分だけを落しまして、一応の未定稿として概算の推計をいたした資料を持つておりますが、更にその後、大体各府県のものを取揃えたと存じまするので、詳細調査をいたしまして、揃つたものを一つお示し申上げたいと思います。
  80. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 もう一点伺いますが、やはり推計表に、歳出の面において大蔵省は二十五年度、二十六年度共に同額の百億をここに予定して書いておられますが、これは歳入超過等も大蔵省は多額の金額を出しておることと関連しまして、地財委側としてはこれをどういうふうに考えておられるか承わりたい。予備費の百億ですね。
  81. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 私どもの推計から申しますると、ぎりぎり新規に殖えて参りまするところの歳出を賄い得るところの最小限度におきまして財源措置考えておる、そういうような推計の方法を考えておりまするので、歳入のほうに余裕があるというような……歳入のほうには地方に財源があるというような推計は立てておらないのであります。実際問題といたしまして、それほど余裕を持つた地方財政運営のできる段階ではないと考えておりまして、むしろそれよりも現実に二十五年度なら五年度、二十六年度なら六年度におきましてもかかるであろうと思われる数字のぎりぎりの数字を出して置きながら、更にそれを物件費の一割は節約をする、こういうような財源措置しか考えておりませんので、大蔵省のようにこれだけの歳入を以てしてなお百億の予算費がある、余裕があるのだというような考えかたは、どういうところから出て来るのか存じませんが、甚だ私たちとしては腑にに落ちないのであります。ただ想像して見ますれば、大蔵省の推計の方法が、只今申し上げましたように二十四年度から五年度、六年度というように、ただ歳入歳出のバランスのみを見まして、而も余つたものはそのまま歳入面だけにおいて繰越財源として余裕財源に余つて来るのだ、こういうような推計を立てておられますので、そういうふうに積み重ねて参りますと一歳入のほうがだんだん多くなつて来るような数字になりますので、歳出のほうにも幾らか余裕を見込めるというようなことで予備費を上げておられるのじやないかという程度にしか考えられないのです。
  82. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 次に、小野政務次官もおられますが、実際はこの問題は大臣に伺いたいと思うのですが、今の予備費を二十五年度、二十六年度同額百億を計上しておられる、而も歳入超過となつておるのですが、今回の地方税の改正により、大臣の説明だと、増税をしたのじやないが、結果的に増収を図つたのだ、とにかく地方の税收入が殖えて来るのだということを言われておるのですが、岡野さんも地方関係としての大臣であるのに、一方地方財政を見るところの大蔵省の面には、二十五年度は済んだこととしても、二十六年度においても百億を予定しておられる。然るに税を納めるほうの地方民は、血税というような非常に困難な状況にあると聞いておるのですが、大蔵省の推計において百億計上してあるならば、この際地方民の懐ろ工合から考えるならば、百億を歳入の面において落すべきであると私は思う。そうすると非常に大きな、更に百億の食違いの金額が殖えるわけなんです。而も予備費を百億予定して置きながら、地方財政のほうでは増収を百七十八億も見込むということになりますと、その数字からいつて、国民は一体どういうふうに思うだろうか、国家財政を担当する大蔵省、而も大蔵省が地方財政平衡交付金の総額を決定する、その決定においては百九億も削つて置きながら、その結果地財委においても、地財委と大蔵省が金額が違うために、二十六年度予算の組みかたに対しては各府県とも非常な困難を来たしておる、心配をしておる、そういう点で我々も今回の国会開会中にかかわらず出張しまして、つぶさに検討して参つたのですが、どうも大蔵省の意見を聞くと、予備費の百億を二十六年度も計上し、而も歳入超過の金額は四百億になんなんとしておる。同じ吉田内閣の岡野国務大臣もおられるのに、片方では増収を図つておられるのだというようなことになりますと、国民経済の上から大蔵省と地方財政委員会並びに地方自治庁との見解がまるで食違つてつて、国民は何とかして減税をしてくれんかというふうなことを強く言つており、且つ大蔵大臣は国税の面においては減税々々と言つておられる。そういうようなことを兼ね合せて考えますと、吉田内閣の国家財政地方財政に対する見解は一体どういうことなんだろうか。政府から出された資料を見ますと、それが一貫するどころか、我々が考えると全く混乱の状態にあるので、これは非常に遺憾に思うのですが、政務次官としてこれに対してはどういうふうなお考えか承わりたい。
  83. 小野哲

    政府委員(小野哲君) この問題につきましては、閣議に出ておりまする岡野国務大臣がお話しすることが適当かと思います。ただ私の所見を交えてお話することをお許し願いたいと思うのであります。財政計画、特に地方に関しましては、先ほど来武岡君からもお話になりましたように、地財委案と大蔵省案とに食違いがあり、その場合において算定の基礎自体にその求めかたが異なつおるという点からも来ておりますし、又予算の編成に関する考えかた或いは決算の結果についての見かた、こういう点が双方に必らずしも一致しない点が多々あるということを私ども承知するわけであります。その場合に今回の方税法の一部改正をすることによりまして或いは国民所得の増加又は徴税方法の改正とか、或いは電気ガス税とか、自動車税とかいうような税につきましては、自然増収も見込まれるという点から考えまして、先ほどお話になりましたような百七十八億の収入が殖えるという見込の下に二十六年度の地方財政計画を立てておるのであります。御承知のように、西郷さんも先般来実地に御調査をされたのでおわかりのように、府県におきましては、特に予算の編成の上にも事を欠いておるような実情でありますので、果して、大蔵省が考えておりますような、昭和二十六年度における百億の予備費を計上得るだけの歳入を見込めるかどうかということは、私自身としては極めて疑問であると考えておるのであります。政府が今回地方税法改正を行うことになりましたのは、岡野大臣の説明にもありましたように、根本的な税制の改革には触れないで、おおむね技術的な問題に重点を置いておる、かようにいたしておるのでありますが、今回の一部改正法律案立案する場合における基礎的な資料等につきましては、地方自治庁においては地方財政委員会研究並びにその資料に基いて立案を進めて来たわけであります。従つて政府部内として、その機関の異なるに応じて数字なり、考えかたの異つておるということは極めて遺憾ではありますが、少くとも地方財政を主管する、又その執行の衝に当る地方財政委員会の資料に基いて、地方自治庁としては処理をいたすべきが至当ではないか。ただ恐らく岡野国務大臣といたしましては、閣僚の一人として国家予算との関連において判断をしなければならない立場にもある関係上、極力地方財政委員会の資料並びに意見に基いて、できるだけこれに応ずるような態勢を整えるべく努力をしたことは十分に御了承願えるかと思うのでありますが、その内容をなしておるところの考えかたなり、数字の上において異なつたものが出ておる。従いまして国会においてこの点についての御判断を願わなければならない事情にあることは、私自身としては誠に遺憾に思つておる次第であります。
  84. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 今のに関連してのことなんですが、地方税の今回の増額の百七十八億七千三百万ということについては、地財委と大蔵省がぴつたり数字が合つておるわけなんです。然るにさつき申しましたように、予備費に百億を計上して置きながら、大蔵省は平衡交付金を百九億切つたのであります。であるがら、私の論法から行くならば、増收も大蔵省が認めておる、而もはつきり地財委と増收金額が合つておる、一方において大蔵省が地財委の出した平衡交付金の百九億を切つたということと、大蔵省が推計表に百億予備費を二十六年度に計上しているということは、誠に論旨に合わないのでありまして、大蔵省が予備費を百億計上する考えかたがあつたならば、百九億削つたことは誠に意味がないのじやないかと、かように感ずるのでありますが、この点更に承わりたいと思います。
  85. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 詳細に亘つては私も十分には承知いたしておりませんが、大蔵省が予備費として百億円を計上しているという点につきましては、先ほど来の西郷さんからの御質問になりましたような、いわゆる二十四年度の決算に対する大蔵省の考えかた、言換えれば、先ほどお話なつた繰越金等の問題についての考えかたにどうも根本的に意見の違いがあるように思うのであります。又地方財政平衡交付金千二百四億を地方財政委員会要求しているのに対して百億を削つている、この点について今お話のような予備費を百億計上しているということについて、やはり問題が残されているというふうに私は考えるのでありまして、要は地方団体財政運営の実態について、どうも把握の程度がまだ十分でないのではないかという感じを私は実は持つわけでありましてさような意味地方財政委員会も店を開いてまだ間がありませんけれども、何と言つて地方財政の執行に当る機関としては、できるだけ速かに正確な統計並びに資料に基いて、地方財政の実態を把握することを急いでやる必要があるであろう、こういう考かたから、それに必要な人員等も或る程度増加いたしましてやりたいということになつております。と同時に、やはり地方財政のほうは国家の政府機関として地方財政委員会があるわけでありますので、やはりその実力と申しますか、専門的な知識を十分に発揮して、地方財政委員会の資料に依存して地方財政計画並びに国家財政計画との関連における一般的な予算の見かたなり、計画の樹立というものをやつて行く必要があるのではないか、こういうふうな点を私も考えておりまして、折角地方財政委員会と連絡をとりながら、早くこの態勢を整えて行きたい、こういうことを念願しておるわけであります。
  86. 西郷吉之助

    ○西郷吉之助君 もう一点ちよつと伺つて置きますが、よく御説明はわかつておるのですが、こういうことが前にも、地方財政には冗費が五百億もあるというようなことが言われておつたのですが、この大蔵省の数字で考えて行きますと、二十六年度においても歳入超過が約四百億ある。而も予備費が百億、合計五百億の、数字の上で見れば地方財政に余裕があるかのごとく大蔵省は数字を作つておられるので、こういう観念で行くと、非常に地方民に灯して私は悪い影響を與え、而も岡野さんは増税では決してない、増收なんたと言われても、増収の余裕があるなりば、血税の必要はないじやないかという真剣な声がでて来る虞れがあるのじ、私は地方財政の立場を強く考えるとき、大蔵省といえども、こういう計数表を出すということについて誠に不謹愼なんではないか、而も大蔵省も地財委の増税、増収を百七十八億七千三百万円に考えておるということは全く同感しておるのです。而も考えかたによつては五百億も余裕があるような二十六年度の財政考えておられることは非常に遺憾だと思うのです。そういう点は平衡交付金等を大蔵省と折衝される場合に、大蔵省の考えかたがこういう考えかたであり、二十四年度、二十五年度ずつと推計表が余りにも違い過ぎるので、こういう点を事実上地財委としても強く指摘して頂かないと、今後の平衡交付金の決定かたにやはり大蔵省のこの数字を以て行くとすれば、決して増額するどころか、予備費だけでも百億歳入を切り得るのですから、私はこういうような数字は極めで遺憾であり、又先ほど来この大蔵省の数字について地財委側の意見を承わつたのですが、これにより大蔵省に対してこの誤まれる見解を正して行きたいと思うのですが、一つこういう数字については平衡交付金に影響しますから、一つ格段の強い指摘を今後お願いしたいと思うのです。
  87. 安井謙

    ○安井謙君 西郷委員の御質問に関連してですが、この地方債の増加分は地財委としてはあれですか、自信がおありなんですか。
  88. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 二十六年度の起債の枠としましては、すでに御承知通り一応四百億という、それが内示と申しまするか、一応そういうことになつておるわけでございます。併しながら地方財政委員会で推計を立てました場合に、来年度どれだけ新規の財源が必要であるかという見解からの数字を立てのたでございまして、そのうちその性質上起債に待たなければならない所要額といたしまして、公正事業費につきましては、この計算によりますというと、三百二十九億必要であるという計算が出て参りました。そのうち二百七十五億程度即ち大体公共事業の一般並びに災害、それから失業対策及び単独施行公共事業費のうちの一部分、それから大体半分程度と見ておるのでありますが、この程度は起債に是非持つて行きたい、こういう希望と申せば希望でありますが、財政計画としては一応こういう計画を立てたのであります。そこで勿論ここに掲げておりまする二百七十五億の起債と申しまするものは、公共事業費の、特に災害分につきましては、災害の国庫負担に関しまする法案が若し出るといたしますならば、そういう法案ができますれば、計算上におきましては、この数字自身は多少変つて参りまするけれども、なおそれでも私どもの推計によりますれば、少くとも二百億前後というものは起債として是非お願いをいたしたい、こういうことで数字を掲げておるわけであります。この来年度四百億を越えて例えば五百億或いは六百億というような起債ができるかどうかということにつきましては、なお今後政府としてもいろいろ御盡力を頂かなければならんと思いまするが、更に又関係の国会その他におかれましても、一つ是非御努力願いまして何とかこういう、この程度の起債は来年度の地方財政を円滑に運営をいたして行くための最小限度の必要額と考えますので、実現に努力して見たい、こういう意味の数字でございまして、今直ちに、それでは来年六百億になるのか、するような自信が地方財政委員会として今あるのかとおつしやいましても、その点は私としては確答は申上げかねるのでありますけれども、特にそういう数字を挙げました趣旨はそういう点に為ることを御了承願いたい。
  89. 安井謙

    ○安井謙君 そうしますと、地方債のほうも百八十五億ぐらいありますし、もう一つの雑収入ですが、いろいろ今までも、去年からも議論されているようですが、これはどうですか、もつと具体的に項目を並べまして、大蔵省の見解とその項目で違うのだという比較表はできないものですか、いつもこれは、収入は殖えるが、支出が伴うのだというような、見かたの相違のような議論になつているのですが、もつとこの項目で大蔵省はこう見ておる、これに対してはこういう支出があるというような比較表のようなものが、具体的に二十四年度の決算でもいいのですが、できないものでしようか。
  90. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 歳入の二十六年度の財政計画におきまする財源充足の方法として税外收入をどういうふうに見るかということは、先ほど来申上げましたような、根本的に言いますれば、考えかたが違うということ以外に申上げようがないかと思います。ただ御指摘の点が二十四年度の決算におきまして、使用料、手数料或いは雑収入というものの内容がどうなつているか、それから又二十六年度におきまして、地方財政委員会が立てました財政計画の中で、その全体の税外收入の見積りをどういうふうに見ておるか、どういう項目で幾ら見ておるか、この費料は私のほうで提出することができると考えております。ただ大蔵省のほうでもそういう意味におきまして、大体提出してございまする資料の中にも、極めて大まかでありまするが、使用料、手数料が千二百億、雑收入が三百六十億と、こうなつておりまするが、勿論その内訳を出せということであれば、或いは大蔵省のほうでそういう内訳があるのかと存じますけれども、私その二つの資料を突き合せて御覧になりましても、数字がこういうふうに違つて、おるということがわかるだけだけでありまして、それを財政計画上の歳入として見るかどうかということは考えかたの違いということになるのではないか、かように考えております。ただ今お示しのような基礎的な資料は、私のほうは必要でございますれば、作成できると思います。
  91. 安井謙

    ○安井謙君 その見解の違いでずつと来ているので、だからそれにはもう一歩進めて、具体的にデータを突合せた折衝が向うとできているのかどうかということをお聞きしたいことなんです。
  92. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 地方財政委員会が見積つておりまする税外収入の内容がどうであるか、根拠がどうであるか、又大蔵省のほうで見積つておる税外収入の内容並びにその算定の根拠、これは両方とも資料があるわけでありますから、又その予算につきまして、私のほうと大蔵省の間で折衝いたしておりまする過程におきましては、ともどもその資料は出し合せておるわけでございます。両方とも心得てはおるわけです。
  93. 安井謙

    ○安井謙君 それからそのほかの競輪とか、競馬の収入増加といつたような見込みは、ここでは見込んでおられますか、二十六年度は……。
  94. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 税外収入の見積りの中にはそういうものを含めております。
  95. 安井謙

    ○安井謙君 大体どういう標準で……、二十五年度の実績と同じくらいなものですか。
  96. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 競馬、競輪のこの收入がどうか、この税外収入の内容、項目についての資料はちよつと今手許に持ち合せておりませんが、大体前年度の実績その他を勘案いたしまして推計がなるかと思います。
  97. 安井謙

    ○安井謙君 参考までにその資料を一つあとで提出願います。
  98. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) それでは只今安井君から御要求のありました資料をお出しを願います。ほかに御質問はございませんか。
  99. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 先ほど西郷君から質問された大蔵省が平衡交付金を組むところの基礎資料としてとつておるところのものと、それから地方財政委員会が作つておるものとは非常に食違いがあるわけですが、もう一度お尋ねしますが、その点についてお互いがその資料によつて話合うというようなことがあつたわけですか。
  100. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 平衡交付金に関する予算の査定の過程におきまして大蔵省と私どもとの間で、今御指摘になりましたような資料につきまして検討をやつておるわけであります。
  101. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そうしてその結果、両方の計算と言いますか、資料の数字上におけるところの歩み寄り点或いは調査の仕方が違うという根拠からやむを得ないということになつたのですか。或いはそこに一致点を見出されるようになられたかということなんですが。
  102. 武岡憲一

    政府委員(武岡憲一君) 地財委で出した案と大蔵省で出されました案との間に、いろいろな点で相違点があるわけであります。それはお手許に差上げた表によつて御覧願いたいのでありますが、今お尋ねになりました点は、勿論各項目についていろいろこれは違つて参ると思うのであります。例をとつて申しますならば、例えば給與ベースの改訂について、それがなぜ十七億開きがあるかということでございますが、これは一つにはその算定の基礎となります職員の数についての違いでああります。それで二十五年度までの各地一方職員の数というものにつきましては、これは一致して同じ数字を用いております。ところが二十六年度において、それが幾らに殖えておるかという問題で、大体八千人くらいだつたと思いますが、その違いが出た、その違いがなぜ出たかと申しますと、これは二十六年度におきまして、新らしい法令が施行されましたり、或いは従来の行政の改革が行われましたのに伴いまして、来年度新規に殖えて来る人員というものについて各省から予算要求が出ておるわけであります。その各省から出ております要求をどういうふうに査定をするかというその査定についての考えかたと言いますか、見かたが地財委と大蔵省とでは違うわけであります。私のほうは、仮に例をとりますと或る事業のために或る省から百人なら百人殖やす必要があるという要求に対しまして、私のほうは法律を厳重に解釈をいたしまして、この行政を完全に運営するためには、その従来の実績等から見て九十人はどうしても要る、それから又その用います職員の単価といたしましては、その仕事の性質上、普通の低いいわゆる一般に用いられております最低限度の予算単価では足りないので、その仕事をするためには、例えば十万円なら十万円の単価が必要であるというようなことで、各省と私どもの間で打合せをしながら、ぎりぎり最低限度これ存の人数と單価が要るのだ。従つてこういう金額になるのだ。ところがその一方大蔵省のほうでも御査定になるわけでありますが、大蔵省のほうから見ると地財委のほうは八十人でいいのだ、こういう見かたもあるのですが、単価についても、大蔵省は給與単価について一率に七万七千円なら七万七千円という単価で査定される。そういうことから結果の数字に食違いができる、こういうふうなことであります。又これにつきましては、何も私どもといたしましては、どうでも大蔵省は七万しか認めないものを、我々十万でなければならんのだというように一つ一つについてもう負債が出るかも知れないというふうな、初めから投げやりな態度で交渉をしているのではないのでありまして、私どもとしましては、地方財政或いは又地方の行政を円滑にやつて行く上には、どうしてもこれだけ要るのだという態度で、又これだけの財源がなければ地方行政は遂行できないという見かたで判定いたしますし、その点がどうも大蔵省で査定されるのとの間にやむを得ない見解の相違、開きが出て来る、こういう点が一つの例であります。まあそういうようなことで各歳出につきましても、いろいろ負債の出て来る点があるのであります。元より全部が全部そういうことでもないのでありまして、御覧の通り相当の点におきましては、意見が全く一致している点もあるわけであります。併しながらそういう点は勿論全体から申しますならば、根本的な相違というほどのことでもないのでありまして、結論的に申しますと、やはり一番見解として両方の数字の食違いを生じております根本的な原因は、やはり先ほど来お話のございましたように、地方財政の全体の規模というものをどういうふうに見るかというところにあるように私は考えるのであります。その一つは、具体的な現われといたしましては、先の税外收入をどう見るかという問題もそこから出ておりますし、又この歳出の項目で申しますならば、年末手当支給の点などがその一つの適例であります。我々が五十八億要求しているのに対して、大蔵省は八億、五十億も減つている、これは査定でなくしたといつてもいいくらいなものでありますが、そういうものについてなぜ五十億も開きが出て来るかと申しますと、やはり地方財政の規模の見かたが違うということから出て来ているわけであります。即ち大蔵省では年末手当の支給に関しましては、二十四年度に地方においてはすでに年末手当は出しているのだ。そうすると、二十四年度の決算の中には当然その数字があるわけなんだから、その決算の数次に新規の五百億加えれば、二十四年度の所要経費が出るのじやないかというのが大蔵省の見かたであるのに対しまして、地方財政委員会といたしましては、二十四年度に年末手当は出ておりますけれども、これは皆さんも御承知通り地方は新らしい財源を得てそういう措置をしたのではなく、節約をしてこれをやつているわけであります。そうすると、二十五年度、二十六年度においても、それは二十四年度と同じような意味で以てこれを推計するならば、二十五年度、二十六年度においても、やはり節約によつてやればいいということになるわけでありますが、節約が御覧の通り、すでに八十億というものを節約で立てております。そうすると、少くとも二十五年度、二十六年度の推計におきましては、年末手当のための支給額というものを先ず一応置いて、それから全体の中から節約々々で落す、こういうやりかたであれば我々は承服して行くのでありますが、初めからその分については、これは二十四年度の決算の中にあるのですから、地方財政規模を推計する場合には、初めから特に主として新規の財政需要として見るべきでないという点が、大蔵省と私たちの考えかたの違いとなつてつて来るわけであります。その点は歳出の面におきましては、そういうわけであります。歳入のほかにおきましては、税外收入の問題を推計いたしますと、地方財政の総額のほかにあると見るか、中にあると見るか、こういうことの考えかたから、百六、七十億のものが財源として見られるか、見られないかということで、こういうことで見解が分れて来る、かような次第であります。
  103. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ありませんか……。それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後三時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            堀  末治君            竹中 七郎君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            西郷吉之助君            鈴木 直人君            石川 清一君   委員外議員    衆議院議員   川本 末治君   政府委員    国家消防庁長官 新井 茂司君    地方財政委員会   事務局財務部長  武岡 憲一君    地方自治政務次    官       小野  哲君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君   衆議院法制局側    参     事    (第一部長)  三浦 義男君