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1951-07-11 第10回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月十一日(水曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   委員の異動 六月二日委員竹中七郎君辞任につき、 その補欠として深川榮左エ門君を議長 において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (地方財政に関する件)  (自治体警察に関する件)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ではこれから委員会を開会いたします。本日は第一に、地方財政委員長の名を以ちまして五月二十八日附で地方財政委員会設置法第十四条による地方財政状況報告を御提出になつておりますので、それにつきまして委員長から御説明を願いたいと思います。なおこの状況報告に際しましては、目下二十六年度起債の査定中でありますので、そういうふうな問題も含めて一つ報告願いたいと思います。
  3. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 地方財政委員会では、財政委員会設置法の規定によりまして、去る通常国会地方財政状況を御報告申上げることになりまして、昨国会の終末に近付いたときにお手許に差上げたような報告書を提出いたしたわけであります。ただ会期切迫折柄でありましたために、或いは国会におかれてはこれについて御審議下さるおひまがなかつたかと存じますが、その点私どもとして非常に恐縮に存じております。この報告書の概要は、二十五年度地方財政状況並びに二十六年度地方財政を如何に編成するかについて地方実情をつぶさに御説明申上げておるのでありますが、財政委員会としてはどうしても平衡交付金増額を必要とし、起債の枠の拡張を必要とするということを数字を挙げて詳しく御説明申上げておるわけであります。この報告書には三百七十五億の赤字が出るように書いておりますが、その後いろいろ調査いたしましたところによると五百億の赤字は免れないであろうということに相成つておりまして、この点皆さんにおいて御了承願いたいと思います。なお起債については御承知通り四百億の枠をきめられておりまするが、四百億では到底地方要望を達することができないのであります。府県においては四百二十三億の要望があります。市町村においては四百三十九億の要望があるようなわけであります。全体を通じて八百六十億の要望があるのでありますが、これを四百億の枠で切り盛りすることは、なかなか容易なことでないのであります。この点についても私どもこの財政報告書に、これは単独事業だけでありまして、公共事業とか災害復旧とかいうようなものは又別であります、この財政報告書に詳しく御説明申上げてありますが、なおこの点については局長より数字を挙げて具体的に御説明申上げたいと思います。ただこの国会において、私どもの意のあるところを御了承下さいまして、力強い決議をなさつて下さつたにもかかわらず、そのことが現実に具体的に現われなかつたことを誠に遺憾に存じておるのであります。今後とも私どもといたしましては、この現状をどうか打開して、地方財政確立自治の完成に微力をいたして行きたいと思いますから、何分の御了察を願い、又御支援を仰ぎたいと思います。
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) では次に荻田事務局長から数字について御説明願います。
  5. 荻田保

    説明員荻田保君) この地方財政報告書財政状況報告におきましては、最近の財政事情を述べたつもりでございますが、先ず第一に、二十四年度決算見込額が大体わかりましたので、その収支をここに書いてあるわけであります。これによりますると、総計におきまして、歳出が二十四年度四千三百九十七億であつたのに対しまして、歳入は四千六百五十億、この間二百六十億程度歳入超過が出ておりまするが、この歳入超過が出ましたことは、決してこれだけゆとりがあつたというのではなくて、決算面におきましてそういう数字が出ておるのでありまして、御承知のように二十四年度におきましては非常に地方財政が窮迫しておりまして、やるべき仕事もやらずに漸くここまで圧縮したという恰好になつておるのであります。これに対しまして二十五年度におきましてシヤウプ勧告に基く財政改革が行われたのでありまするが、一応当初におきましては収支辻棲の合う程度財源を得られ、なおそのほかに先ほど申しました二十四年度等におきまして財源不足しておるために仕事もできなかつたようなことを、できるだけの財源を或る程度与えられたのであります。ところが年度の途中になりまして給与ベース引上、なお大きな災害等がありましたので、それに対しまして措置をしなければならなくなり、そのために国の補正予算が出ますときに、平衡交付金増額起債増額生政府要望したのでありまするが、それが容れられず、その一部しか実現できませんでしたことは、すでに前々回の国会におきましてここに意見書等も直接お出しいたしましたので御承知のことと思います。その結果二十五年度決算がどうなるかということでございますが、未だ決算状況ははつきりこちらではわかつておりませんが、非常に多との団体におきまして歳入不足のため翌年度歳入を繰上げて流用したというような例が相当あるのでございまして、必ずしも二十五年度地方財政シヤウプ勧告による税制改正の結果充実したという結果にはなつていなかつたのであります。殊に道府県の側におきまして、非常にこの点窮乏したものが多かつたのであります。  次に二十六年度につきましては、これは先般の議会で我々の意のあるところを勧告書として出してございますのですでに御承知つたと思いまするが、その後変つたことを申上げますると、あの当時から問題になつておりました給与引上による財源というものが、あの当時用いておりました数字では足りないのでありまして、つまり一千円のベース引上だけということで一千円平均を出したのでありまするが、実際法律できまりました国家公務員給与基準によりまして地方も切替や行なつたのでありますが、その結果は一般職員は千四、五百円、或いはもう少し超えるところもあつた、当時におきましては二千円程度、従いましてそこに大きな食い違いが出まして、結局平衡交付金千百億、起債地方債四百億を以ていたしますると、大体先ほど委員長の話されましたように五百億程度赤字が出るのであります。で、この給与引上経費につきましてはなお精細に検討を加えておりまするので、未だ的確なことは申されないのでありまするが、これを的確にいたしまして、今度の補正予算におきまして、我我としましては何らかの措置をとるよう政府に申入れたいと考えております。  以上のような地方財政状況でありまするので、我々地方財政委員会としましては、この報告書の最後に付いておりまするように、この改善方策につきましては、一つ政府におきましてこの地方にいろいろ仕事を命じた、まあいわゆる法律等によつて命ずるというまでに至らないまでも、一応どれだけの仕事をしなければならないかということは大体きまつておるのであります、従いましてそのきまつた仕事をするために要します財源というものは、政府は責任を以て地方税なり、或いは起債なり、平衡交付金なり、その他の財源において賄えるようにしてもらいたい、仮に国、地方を通じて考えて、国民負担ということも考慮し、それ以上余が出ないなら、殊に又最近の税負担状況から見て、これを軽減することが適当と考えるならば、一つこの事務のほうを整理してもらいたい、仕事だけは命じてそれに伴う財源を与えない、こういう半端なやり方はやめてもらいたい。これが地方財政を健全にし、従つて地方自治を発達させるために根本のことだという、これは抽象的でございますが、そこに現在地方財政の困つておりまする大きな根元があると考えますので、この点につきましての改善を望んでおるのでああります。  なお二十六年度におきましてはそのようなことを考えるといたしましても、それは結局恒久的な措置でありまするから二十七年度以降になると思いまするので、二十六年度におきましては至急この平衡交付金増額及び地方債の増加を御期待するというのが、最近の地方財政から割出しました我々の改善すべき方策の一端でございます。大体これだけ申上げます。
  6. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) では只今説明がありましたが、御質疑を願いたいと思います。
  7. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 一体政府出先機関を廃止して、ますます地方事務を委譲しようということが今回企図される中央地方行政整理として特に多く挙げられておる点に対して、今荻田局長の言う実情とは甚だしく逆行する傾向にあることが一点。それからこれは又意味が違う反対の立場から見れば、今日地方自治体における行政事務、或いは委託事務というものは極めてまあ多くなつたかもわからんが、必要以上に、例えば副知事を多いところでは三人、それでなくても副知事を置くとか、依然として局長、部長、各種委員会がある、或いは地方議会においてもいろいろたくさんな人事行政が行われておる。そこへ税制改革において税務徴収事務などにおける、当初の地方財政委員会説明と実態は著しく違つてべらぼうにその機構なり人事が殖えておる徴税事務、こうした矛盾だらけ状態において減税もせにやならんという、まあこうした状態と取組んで、実際今地方財政委員会はこうした赤字、こうした地方起債が封殺されて困つておるという成り行き膨脹に対処しての財政獲得のみをして、実際面における行政事務とか、各種整理をやろうという意思が現われておらない。これは財政委員会の所属とは違うけれども、こうした方面と、やはり組合わし方法を大局的に考えないというと、到底この問題は解決されんのではないかと思うのですが、何か行政委員会はこうした処置に対してどういう考えを持つておるか。ただ財政赤字だから殖やしてくれ、殖やす方法が必要だといつたことだけでは解決されない、こう思うのですが、どうでしよう。
  8. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 御尤もであります。財政委員会只今御指摘のように、ただ財政だけの面から殖やしてくれとか何とかいうだけでなしに、今局長が申したような仕事分量を如何にするか、事務の再配分を如何にするか、或いは地方行政を如何に整理するかというようなことについて、或いは地方自治庁とも連絡を取り、或いはその他の政令審査委員会とか、或いは税制懇談会とか、こういう方面にも働きかけて、そういう方面の了解と認識とを得ることに努めております。なおその他政府関係方面ともしばしばそういう点について話合つておるわけでありまして、一方には当面の問題を如何に処理するかということについて、平衡交付金増額、或いは又起債の枠の拡大ということに努めると同時に、根本的に会後の地方財政を如何にするかについていろいろ折衝もし、又希望をも述べておるような次第であります。
  9. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 努力なり苦心のほどはしみじみよく我々もわかつておるわけですが、これはまあここで論議する問題とは違うけれども、ここで地方自治庁財政委員会とが別個の状態におるが、又最近大蔵省地方税制に対して企図も現わしておる、行政管理庁行政管理庁で又別個に中央地方行政整理方法を企図されておる。こういう寸断された行政組織のままで行つておることに又無駄な経費もあるし、そこにマツチしない諸般の噛み合せのできない事態が現われておる。こういう点でありまして、であるから私はこの起債の問題にしろ、或いは平衡交付金の問題にしろ、地方税制の問題にしろ、地方財政の問題にしろ、一つその行政管理関係と、それから大蔵省地方財政地方自治というのが、一つ今急にそういう役所が方々できなければこれらに対して調整をする、何らか一つ協議を重ねる手段によつてこの問題を総合的に解決しないというといかんのではないか。或いは地方自治地方財政の面にぶつかつておるものとしては、地方財政委員会の御意向はよくわかつておるし、私らもそうあるべきだと思つておるが、併し大局的な問題から見れば今申上げたような事態にぶつかる。こういうことなのでありますから、この点の調整する方法をやらんというと、いつまでたつても百年河清を待つの弊に陥るのではないかと思うのですが如何ですか。そういう方法をあなたの方から考えて呼びかける必要はありませんか、その点をお尋ねしたいと思います。
  10. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) もう一度……。
  11. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 地方財政委員会地方自治庁大蔵省行政管理庁がてんでばらばらで、地方自治地方財政や或いは地方税制平衡交付金めいめい立場で主張し、めいめい立場でばらばらにやつておるから、これらの関係法及び国会等がこれは総合的に解決するように協議して、一つこれを頻りにあなたの方から主張してやる必要はないか。なければ国会側でやつてもいいと思いますが如何ですか。
  12. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 私どももその必要を感じております。併し私どもが提唱しただけではなかなか実現できんのじやないか。これはできれば国会の方でそういうことを提唱して頂いて実現するようにお骨折りを願いたいと思います。
  13. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 その問題は至急に考えなければならん問題として、次にお尋ねいたしたいのは、今あなたの方ではこうした赤字であつて、二十六年度にはこうして欲しいという今荻田局長の言われた点も尤もでありまして、地方に委譲された行政事務分量に応じた平衡交付金その他の制度で、やはり同様に続けて補給してくれなければいかんということはよくわかるのですが、そればかりに藉口して地方財政不足だということも理窟には合わない。そこで大体地方財政委員会としては地方自治体行政整理に対してはどういう意見を持つておるのが。地方行政整理をやらずして、そうしてそれの要望に応える財政膨脹を図らんとするような平衡交付金税制改革に伴う税収入増額を図らんとする意図だけでは、これは工合が悪いと思うのですが、一体地方行政整理については財政委員会としてはどうういう希望を持つておるか。どうあるべきだと思つておるのか。中央から委譲された事務の輻輳に対する費用総額を要求するだけでは済まないと思うのですが、これはどうですか。
  14. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 地方行政整理の問題については神戸委員会ともいろいろ連絡をとつて、実際においてただ機関が増大しておる、人員が多いというだけでなしに、如何にして事務の能率を挙げるかというような点についていろいろ意見も交換しております。又地方の三団体ども始終連絡、接触を保つて我々としてもいろいろの具体的の案を只今協議しておりますけれども、今ここでこの問題をどうするかというようなことを申上げる程度までには立至つておりませんです。
  15. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それからちよつと小さくなりますが、警察法がこの間改正されて平衡交付金では自治体に十六万七千円の割当の額は計上された。ところが国警は約二十三万円というものが国費で計上されておる。この六万乃至七万円の差額については通信連絡費設備費等国警に余計要るということであります。ところがそれが一八当り六万円や七万円に布告するのかどうかについては我々疑問があるのですが、これが地方自治体負担に影響するところこの問題は非常に大きいのでありますが、これに対して平衡交付金では十六万円何がし、大蔵省から直轄した国警には二十三万円何がしを出しておるというものに対しての差額といいますか、これは妥当な振合いだと地方財政委員会では考えておるのかどうか。妥当なら妥当でその根拠を、両方明らかにしてもらいたいと思います。現在の地方泊休地方自治警察に要しておる平均補給金は一体どれくらいのものが、平均補給金自治体に補給されておるか。これは将来の治安対策財政問題とに、非常な重要な問題に関連することだと思いますが、警察法改正の趣旨に関連して各地の最近の状態等から睨み合して、この点を一応明らかにしてもらいたいと思います。
  16. 荻田保

    説明員荻田保君) この国警経費警察官一人当り単価自治体警察単価の比較でございまするが、国警はこれは確かに予算全額でございますが、今お述べになりました十六万何千という自治体単価は、これは平衡交付金財政需要を測定する場合の基準でございまして、これは何もこれだけが警察費全額ということを予定しておるのではないのであります。これは前回たしかこの委員会でも御説明したと思いますが、基準財政需要といたしましては、平衡交付金の九割と税の七割、これだけに当てはまるような数字ができておるのでありまして、従いまして残りました税の三割というものは、それぞれの経費に充当できるわけであります。従いまして必ずしも十六万何千という数字国警単価とを比較するのは適当でないと思います。  第二に、事務内容につきましても相当検討の余地があると思います。それから、まあそういうことはございまするけれども、併し一般的に申しまして、我々の希望しておりまするところの平衡交付金の額なり、起債の額が確保できないということは、地方財源と、先ほども申しましたように、与えられておる仕事に対して十分でないというところからしまして、どうしても各経費を一般に圧縮せざるを得ないのでありまして、この点は警察費にとどまらず他の経費もそれぞれ同じことだと存じます。従いましてこれが総額さえ拡充されればその中の割振りにつきましても、警察におきましても相当増額になるものと考えております。
  17. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そこが問題であると思います。一体自治体警察というものは、普通の必要状態として一人当り何ぼ要るのが妥当であるかというのに対しての基準測定は、十六万何がしであつても足りなのを三割の徴税収入によつて賄うのだが、この表で示すごとく、地方徴税成績は九〇%も一〇〇%ももとより成績は上つておらない。従つて必ずしも警察のみに充当することはできなと、その他の災害対策或いは教育対策或いは社会対策人件費等に出されることによつて警察費が当然、例えば国警が二十三万幾ら自治警察が二十万幾ら、こういうような場合におけるあとの三万何がし、四万近くの補給金が現在の地方財政収入の上においては十分賄い切れないというところに、いろいろ治安上或いは自治体警察の非常に困難さが現われておる。それが延いていろいろの問題となつて社会悪となつて現われておるというようなことなのであります。でありますから、一体将来講和独立後における治安というものが日本の警察制度というものにおいて確乎不動に確立されなければならんといつたものが、ともすれば削減されがちの状態に置かれておるというところに問題がある。だから警察費が優先されるわけじやない。だから私の考えることは国警自治警とのおのずからなる経費の相違がある。或いは通信設備、或いは連絡費というものが一人当り何ぼに相当するかを科学的な資料以外のその他の費用というものは平衡交付金測定基準大蔵省国警に出すときの基準との差額というものが、科学的な数字差額限度に縮小されるべきであつて地方財政においてあと補給するというような角度でやることは、地方自治体において、非常な困惑を来たしておることが特に今後の大きな問題としてあるわけなんです。それに対して地方財政委員会議が腰が弱いとか何とかいう問題でなくして、もう少し具体的にもう少し科学的に検討する必要があるのじやないかと思う。こう思うのですが、どうですか。
  18. 荻田保

    説明員荻田保君) 全く同感でございまして、二十五年度におきましては基準財政需要というものを一つ一つ計算しない先に平衡交付金の額がきまつたわけなんです。従つてその額と地方収入見込額から基準財政需要額を逆算したような恰好になつております。今年も実は初めはこの基準財政需要というものを正確にきめて、十分なものを見積つて、それから平衡交付金なり税なりをきめるべきであつたのでありますが、そのことが大体頭から天引と申しますか大きな額が足りない。従いまして、今案は各実地につきまして、基準財政需要が去年やつたのが適当であるか不適当であるかというのを精細に調べておるのでありますけれども、仮にそれにおきまして今おつしやつたような科学的な数字が出たといたしましても、結局のところ財源全体が足りないのでありまするから、又頭から各費目について任意な天引をせざるを得ないというような状態になるのであります。この点は是非今申しました科学的な財政需要というものを正確に計算すると共に、地方財政総額がそのような科学的に検討した基準財政需要全部を賄える程度に充足されるという方途を講ぜられることを、我々としても望んでおるわけであります。
  19. 安井謙

    安井謙君 委員長議事進行ちよつと。今も岩本委員から地方財政警察の問題も出たようであります。今日何か警視庁のほうからもこの警察費起債問題について陳情説明に見えておるようであります。適当な機会でこれをお取上げになつて……。
  20. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ではお諮りいたしますが、今安井君からお聞きの通りの御発言がありましたが、今見えておりますが御質問の先に今説明を聞きますか、如何いたしましようか。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつとこつちの問題を区ぎり付くまでは少しやつて、それから説明を頂きたいと思います。
  22. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) では質疑を続けまして後ほど陳情を聞きます。小笠原君。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この委員会は明白もあるようですから報告書についてはもつと検討して明日も質問したいと思うのですが、今日は思いついている分についてお尋ねいたしますが、去年来、平衡交付金増額しなくちやいかん起債増額しなくちやいかんというとを再三言われ、国会でもいろいろ考究したわけですが、この報告による二十六年度地方財政のことをお述べになつておる最終の結論としても改善方策としてはやはりこの二点を挙げられておられるのですが、そこでお尋ねしたい点は率直に平衡交付金現状より以上、国の財政から見ても増額できるとしてどの程度のものまで増額できるような限度地財委としてはお考えになつておられるか。又四百億という起債は少いというのですが、どの程度起債を国の財政規模から考えることができると見込んでおられるのか、この点もお伺いしたい。  第二の点につきましては、リツジウエイ声明によつて自主権を大幅に委譲されるというような見地から政令等改廃について、相当の幅を政府が与えられた新行政機構改革、或いは地方税改正懇談会というふうに、内閣としてはプライベートな機関でいろいろ検討されておるようでありますが、それらを第一点の質問とからんで地財委としては今後地方自治確立、或いは地方財政の強化という面から根本的に法令等においてどういう措置をとつてつたらいいかということを御検討になつておられるかどうか。御検討になつておられるとすればその状況についてお伺いし、而もそのことが野村さんはアメリカへ御出張でいろいろ視察調査等をなさつておいでになつておるはずでありますが、それとからんで講和も近いというのですが、その後における諸問題についてどういうふうに御検討を加えておられるかお伺いしたとのであります。と申しますのは、今朝の新聞にも出ておりましたが、あつちこつちでいろいろ地方自治なり財政なり地方税なりの問題を考えておられる向があるようでありますけれども、これらが結論付けられて地財委考え相当違う考えとして立法化せられて国会に出されるというようなことになれば、地財委としては押付けられた形でもあり、所期の目的を達成するにおいて、立遅れるというようなこともあるのじやないかと考えるので、多分そうではなく御研究があろうと思うのでお伺いしておきたいのであります。
  24. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) リツジウエイ声明による諸法令改廃ということは、折角政府の方でいろいろ検討しておるように我々も存じておりますが、ただその内容について私ども詳しくは承知いたしておりません。政令審査に関係しておる委員とはときどきお会いしていろいろ話を聞いておりまするが、地方自治の問題についてはまだ具体的にどういうふうにこれを扱うかというように進んでいないように承知しておりますが、併し、私どもはこれが逆行せられて折角芽生えておるこの地方自治というものが傷つけられるようなことになるということは日本の民主政治のために誠に遺憾でありまするから、私どもとしては、是非この地方自治確立のために逆行しないように、逆行しないどころではない、折角の芽生えたこの地方自治というものをどうしても育成して立派な花を咲かして行かねばならんという熱意を以て、そういう方面に対しても理解を得て、又そういう人の支援をも受けたいと考えて折角努力いたしております。  この頃税制においても、財政においそも、行政においてもいろいろの意見が所々方々に現われておりますが、私はもう少し皆んな落付いてものを考えてもらいたい。講和後の日本としてもここが一番大切なときじやないかということを考えておりまするために、私ども微力ではありまするけれどもどもの力を以てそれが逆行しないように、そうしてこれがますます育成せられれ行くようにいろいろの方面に対しても力を尽しておることを御了承願いたいと思います。なお先ほど平衡交付金起債の枠の拡大のことの、そのどの程度の見積りであるかというようなお話もありましたけれども、先ず起債の問題については戦前、戦時中地方はいろいろな仕事で圧迫せられておりまして、文化方面においても経済方面においてもなさねばならんことがたくさんあるにかかわらずなし得ないという状態であります。私どもはこれをどうかしてこの地方希望、熱意を実現さしたい、それには限りある地方財源を以てしてはできないんだから起債によつてこれを実現さしたいという考えを持つております。四百億の枠を以てしてはどうしてもそれができないということを非常に憾みとしております。なおその起債の今申請しておる地方要望額及び平衡交付金をどのくらい程度増すかというようなことについては局長からいろいろ又説明申上げたいと思います。
  25. 荻田保

    説明員荻田保君) 先ほど申上げましたように、現在この給与ベースの改訂について正確な資料を調査しておりますので、その結果が出ませんとはつきりした額はわからないのでありますが、大雑把に申しまして五百億円程度のものが不足しておる。従つてそのうち一部は地方団体経費の節約を要する。残りを平衡交付金起債というふうに考えております。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私のお尋ねしたいと思つた点からは少し外れておるような御答弁であつたのですが先ずそれはそれとしまして、率直に申しましてこういう平衡交付金起債増額要望する、併しまあ何度かやつてみたが国会を挙げてやつてもできない。こういうことも事実であり、而も現実に補正予算なり来年度の通常予算というものは講和条約調印後のことであろうと思われる。そういう事態になつてもこの平衡交付金制度そのものについてり反省をお持ちになつて、こういうことでは駄目だ、この方法でやる方がいいというふうに抜本的にもうお考え直して、御検討したりしておるような場面が今出て来ておるのかどうか。やはりそうではなくして従来通り交付金の制度は飽くまで維持しなければいけない、そしてこれが増額要望しなくてはいけない、或いは起債もその通り、そういうことで動かない立場講和後の諸情勢の変化があつてもこれだけは骨格として主張して行くのだ、やつて行くのだとお考えになつておられるかどうかということをお伺いしたいのです。
  27. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) これは私の個人の意見に或いはなるかも知れん思います。実は遠慮したいと思いますが、まだ財政委員会としてどういうふうにするということはきめておりません。併し私から申上げたならば、一体この平衡交付金というものは今日の地方財政状態並びに近い将来においてはどうしても必要なものだとかように考えております。ただこの金額の多少はそこに地方の税源、財源の問題によつて動かし得るかと思いまするけれども、どうしても地方の貧しいところの、弱いところのこのレベルを引上げるという意味においてはこういう方法によらなければできないのではないか、ここにおいて初めて地方の全体が財政的にも独立して行き、又それによつて地方自治というものが進んで行くのである。かように考えておりまするから、私としてはこの当分の間は平衡交付金のこういう性格のものを必要とするのもであるというふうに考えております。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのことはそれでわかるのですが、地方自治体財政の六、七割もが平衡交付金なり補助金なり起債を以て賄われ、ほんの少額が地方税収で賄われるという現状をそのまま押通して、そういう形における平衡交付金制度というものを持続せしめるというお考えなのか。部分的に弱小のそれに対して平衡交付金制度のそれも適用されるが、他に別途の方法をもつて地方財政を強化して行くというために、或いは税源を地方に委譲するとか、その他の方向等をとつてでもやつて行かなければ、単に平衡交付金だけの増額という一本槍だけでは済まんというふうなお考え等もおありになるかどうか、そういう点の検討しておる点について実は私お伺いしたいと思うわけであります。
  29. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 平衡交付金増額はこの当面のり問題を処理するために私どもこれを熱望するけれども、そのために力を尽しておる、独立の財源地方に委譲せられて、そうして地方財政が強化せられるときにはこの平衡交付金の金額はどの程度か知らんけれども相当縮めて行き得ると思います。併し私はこの平衡交付金そのものの性格は維持して、地方の弱い所、貧しい所は、引上げて行くように務めて行きたいと考えております。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 荻田さんにお伺いしますが、さつきの質問は今が今の地方財政の欠陥になる部分を地方経費の節約と、交付金なり起債増額で賄う額として、どの程度かということをお伺いしたのではない。国の将来に亘るこの財政の規模について見通しをつけた場合に、地方債がどの程度で、国から賄われるような或いは平衡交付金がどの限度地方に渡されるように財政上やり得るものか、その限度をこれだけは出せるはずだという限度についてはどの程度のことを見込んでおられるかお伺いしたいと思います。
  31. 荻田保

    説明員荻田保君) この国、地方を通じての全体の財政事情、金融事情からどれだけ出せるか、この点は実は私から御答弁するのは非常に僣越でございますが、私だけの考えを申上げますれば、我々この地方財政についてはこの起債の問題と平衡交付金の問題と二つに分けまして、平衡交付金増額について要求しておりますことは、これは実は各省の予算要求とは全然性質を異にするものだと我々ははつきり考えております。各省の予算要求といいますのは、これだけの仕事をするからこれだけの金を出せ、然らば大蔵省といいますか、国庫財政当局として財政上出せないからそれはやめろ、それじや仕事もやめる、こういうことになるのでありますが、我々の要求しております地方財政平衡交付金とはそういう性質のものじやない。仕事自体はすでにもうやつておる。法律なり各省の命令なりで地方団体として現状から見てどうしてもやらなければならない仕事、こういうものはきまつておるのでありまして、その財源をどうするかという問題であります。従いまして我々の要求いたします平衡交付金はそのために要する。何も新らしい仕事をするのじやなくて今与えられている仕事をするために経費が足りないということを言つておるのでありますから、これは当然国として出さなければならん問題だと思います。仮に若し国としてそれが出せないならそのときは国の予算地方予算、更に遡つて国のやつている仕事地方のやつている仕事、これを全体を検討して、出せないなら出せないで仕事をやめる、こういう方向に持つて行かなければならんわけであります。これはあたかも各省の予算の要求のごとく仕事をするためにこれだけの金が要るというようなことは全然趣きを異にしております。  果してそんならば現在の状態においてはどうかと申しますと、結局国におきましては伝えるところによると年度半ばにおいても減税ができる、つまり財政上ゆとりがあるというようなことを言われておるのであります。而もその減税を地方財政平衡交付金の方に振向ければそれで事足ると思うのであります。仮にそうして減税自体に国民の要望が強いならそれなら更に振返つて今やつている仕事そのものをやめる、そうして財政の節約を図つて減税を図るということになると私は思います。  それから地方債の問題につきましては、これは私自身の考えから申しますれば、このインフレ進行というようなことと関連もありましようが、地方団体のやつておりますこの起債事業といいますものは、御承知のように国の六・三制の学校であるとか、水道であるとか、道路であるとか、災害復旧であるとか極めて緊急のものでありまして、そのために先ほど委員長から申されましたよう単独事業におきましても十倍からの要求が出ております。従つてこれをどうしてもふやさなければいけない、若し仮にふやさないといたしますればそれだけは税に持つて行く、そういう臨時事業までも税に持つてつて国民の負担として税収入でやつて行けるかどうかということになりますと、これはむしろ私は疑問だと思つております。その場合に資金があるかと申しますと、これは預金部においてはむしろ相当余裕があるのであります。起債の枠さえ許可なりますれば預金部においてもあるわけであります。従いましてこれは赤字、いわゆる赤字公債、日銀引受の公債のような形になつて出されるものではないのでありますから決してインフレの促進にはならないと思います。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは起債の問題について現況をお伺いしたいのですが、単独事業分の地方債の配分は大体済んだような話も聞いておるのですが、これは公式にはいつ頃までにはつきりきまるのであるか。それからその場合に落されたものは只今お話のような補正予算における起債の枠を拡張するという場合に優先的に復活査定して、これに補正で拡張した枠を与えるということになるのであるか。それから報告の中にもあつたかと思うのですが、若しも今後において地方債の枠が拡張できないという場合に、地方自体で公募をして行くというようなことを許してやるというようなことについてつ十分見通しをつけておるかどうか、こういう点、御説明願いたいと思います。
  33. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 単独事業の査定の経過については局長から御説明申上げますが、先ほど申したように非常に窮屈で地方要望に応えることができないで誠に遺憾に思つております。私ども大蔵省の方へ一時融資をなんとかしようというようなことを言つておりますが、一時融資のことについてできるだけ斡旋してとにかく今年だけでもしのいで貰う。そうして来年からは起債事情が変つて来ようと思います、その起債事情が変つたときにこれを国債に振替えるとかなんとかいうような方法をとつて行きたいとかように考えております。なおこの公募についてもいろいろ関係方面と折衝しておりますが、なかなか私ども要望が容れられないのでありますが、今年は或いはできんかも知れんが来年はできるようになりはしないかという希望を持つております。
  34. 荻田保

    説明員荻田保君) 単独事業という名前で呼んでおりますが、起債の四百億の枠をへ大体国の公共事業費に関係するものと、それから災害復旧費に関係するものと、それからもう一つ単独事業といたしましてその他の補助金のない事業とこの三つに分けてやつておりますが、この分につきまして一応百二、三十億程度を以ちまして大体こちらの単価に対する割当を済しました。目下大蔵省と折衝中でございます。これは先ほども申上げましたように地方希望が八百六十億、この八百六十億というものは本当の希望ではなくて当初の希望は非常に多かつたのでありまするが、これの数倍するものが出ておつたのでありまするが、そんなことは到底この四百億の枠を以てしては対処できませんので、更にもう一遍組直してくれということを地元自身に頼みまして、そうしてこれをふるつて来たものが八百六十億なのでありますから恐らく初めからの要求ですとこれの数倍するものになつたと思うのであります。この八百六十億を基礎にいたしまして大体一割程度しか認められないのであります。ということはつまりおいでになりました方、このうち十人のうち九人はただ帰つて貰う、漸く一人の御意見を聞くことができるという恰好になるわけであります。こういうことで我々といたしましても非常に心苦しく思つておりますが、是非この点は今年中には追加いたしまして、この中の緊急なものには付けたいと思つております。
  35. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ますます細かい話になるのですが、今の話に出た多額の要求を地方がして来る、それからそれをふるいにかける、それを地財委の方でかけないで市町村分についても県でたしかふるいにかけさしてやつたように聞いておるのですが、それはどういう手続で県に市町村分をふるいにかけさせるというふうにしたのであるか、ちよつと私には解せない点があるのでお伺いしたい。
  36. 相馬助治

    ○相馬助治君 手続の基準、指導した基準、何人が担当したか、どういう基準でどういう……。
  37. 荻田保

    説明員荻田保君) これは起債の許可は御承知のように市町村は大体府県知事になつております。財政委員会の権限はないのです。併しながらこの資金の割当というような見地から、府県知事が市町村分の起債を許可する場合にもやはりこちらで一応見ております。  それからもう一つは預金部の貸付ということと関連しますのでこちらが取上げる地方は市町村の分については知事がやるのです。従いましてこれにつきまして大体今年はどういうものが起債を認めるのだ、起債を認めないのだというようなことを精細に知事に申し出まして、そうして知事が管内の市町村の分をまとめまして、その方針によりまして或いは持つて来るもので非常に大きいものは落し、今申上げましたように十倍からあるのでありますから、それにつきまして順位とか意見とかを附して持つて来るわけであります。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その知事の権限でありましてですね、そのまま突放されてしまつては大変市町村は困るわけなんで、そうすると市町村から見れば地財委平衡交付金を貰うのもよし、起債は府県知事の方にお願いするというふうに頭が二つもあつて、その両者が丁度かみ合つて調整されて、市町村の財政が賄えるというような形になるんで、ちぐはぐなことをされたら市町村はえらいこれは迷惑ではないかと思うのでありますが、その点はどうですか。
  39. 荻田保

    説明員荻田保君) これはもうすべての行政がそうなつておるのでありまして、やはり各市町村と中央とが直接取引をするということはないのであります。やはり中間に今の知事というものが入つておるのだと思います。今申上げました地方債とか地方財政平衡交付金につきましては、平衡交付金につきましては地方財委がやるとかやらんとかということではなくてこれは法律できまつたことをただはじき出すだげでありまして、ただ特別交付金につきまして多少裁量の余地がある、その点もやはり知事意見を聞く、地方財委と同じように知事意見を聞いてそうして最後の決定を財政委員会でするという恰好になります。
  40. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも荻田さんにそう説明されればその通りだということなんで何をか言わんやだ。ところが地方の実態からいえばですよ、県庁所在地にある大蔵省出先機関である地方財務部、これにも町村はぺこぺこ頭を下げる、それからその地方財務部が今度はかたまつた所に、今度はブロツクに又その親分がいる、そこに幾つもぺこぺこ頭を下げる、知事の方にも地方の課長、部長を通して何回にも頭を下げる、そうして限られたものの配分闘争であるからというので盛んにやる。ところが中央では大蔵省がいる、又地財委がある、こういうことでですね、同じ限られた起債そのものでも、公正に知事が配分するのだからというて、その緊急度に鑑みてですね、配分できるかどうかということについて疑義があるから、こういうことを伺つているわけです。だからこうなればよいという形を地財委として示しながら、一つ納得の行くように御説明願いたいと思うのです。
  41. 荻田保

    説明員荻田保君) 結局簡単に申上げますれば地財委知事を通ずる線と、大蔵省地方財務局それから地方財務部を通ずる線とこの二つがありまして、これは我々といたしましても市町村に御迷惑をかけておる問題であります。去年も実はこの問題につきましても相当改善方法考えたのでありますが、何といたしましてもやはり地方債そのものの許可と、金を貸すことと、資金を自分で以て貸すものと役所と違つておりますので、どうしてもここに二本建にならざるを得ない。最近それにつきましても或る程度調整するように先般閣議決定をされて方針をきめてやつておりまするが、なかなかその個々のやり方につきましては段階があることに迷惑をかけておるというような問題も聞きまして、今後我々としても適当でないと考えますので更に今後地方債の許可の問題につきましても手続を簡単にするように努力いたしたいと考えております。
  42. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そんならなぜ町村や全国の各市が直接この頃上京して来て地財委に事業起債の懇請をしておるのですか、なぜそういうことを受付ておるのか。
  43. 荻田保

    説明員荻田保君) これは先ほど申しましたように市町村分は知事で一括してそれから説明を聞いておるのであります。そうしてきめたいと思つておるのであります。併し熱心な市町村におきましては自発的においでになる、この方に面会謝絶ということはできませんのでおいでになります限り成るべく時間の許す以内でお会いいたすことにしております。
  44. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 余りこういうことで言うのは何ですけれども、私は我々国会議員として地方におつておかしいと思うようなことが平然と各種団体間に言われておる。県知事の権限になつておるようなことを地財委の方に行つた幾らという要望幾らで切られてその程度は大丈夫だと言われて来たというような発表をする者もある。そうかと思えば知事側の方の総務部長なんかはまだどうもはつきりきまつておらん、どうなるかわからんということも言うたし、又一方大蔵省のほうはいや財務部を通して君の方のあれは地財委さへうんと言えばそれは大蔵省の方も認めるとこう言つておる。併し地財委がどうもうんと言わなくて困るという発表をする、どうも我々からするとその点がわからん。これは相当地方の町村に影響するところが大きいのじやないかというふうに我々として考えておるわけなんで、こういう質問をしたわけですが。
  45. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 地財委といたしましては先ほど局長から申したように市町村のことは府県へ任して、府県からいろいろの意見を付けて来るのを書類によつて審査しております。ところが先ず事務局においていろいろ書類審査をいたしまして数字なんかをここで割当てる。ところが地方の府県のそういうことを言つてはどうか知らんけれども、府県の課長などが自分の働きがなかつたために金額が少くなつたとか何とかいうふうにとられてはいかんという心配からか知らんが市町村に対して自分らはこれだけやつておるけれどもなかなか地財委の方でいうことを聞かんのでそれでお前らは出て来いというような電報を打つので、市町村の人が直接財政委員会へおいでになりますが財政委員会としてはおいでになつた人にお会いしてそうして地方の事情を直接聞くことも決して無駄のことではないし、折角おいでになつたことであるから聞くだけは私ども謹んで聞いております。(笑声)併し陳情せられたからどうするとかこうするということは少くとも私どもとしては別に考えておりません。尤もなところに尤もなことをいたしたいと考えております。なお大蔵省意見が違つて大蔵省ではXを認めておるのに財政委員会ではマイナスのYしか出さん、けしからんということをよく仰せになりますが、大蔵省の財務部或いは財務局を通じて本省の方へ申しておるのはただその地方のその所だけの目を以て見られておるから、先ず三千万円がよかろうとか二千万円がよかろうとかいうようにそこの所だけを考えてこちらに上申に来ておられるのではないか。私どもとしては限りのある金を全体を通じて必要度に応じて割振をしておるために、大蔵省の財務局が見たその地方だけのことを考えていろいろ数字を言われることとはそこにおのずから異なつて来ることは止むを得ないと思います。この点御了承願います。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは手続上のことをちよつとお伺いしますが、平衡交付金の配分については予定のごとくその作業は進んでおられるかどうか、この点をちよつとお伺いしたい。
  47. 荻田保

    説明員荻田保君) 本年度の交付金の額は八月中にきめることに法律はなつております。その目標で進んでおりますから、先ほど岩木さんでしたか御質問がありましたように、科学的な方法と申しますか、個々のものを全部調べまして基準財政需要を洗つておりますが、それが少し遅れておりますので或いは八月一杯にはできないかと思いますが、一応それを目標に今やつております。
  48. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではちよつとお伺いしておきたいのですが、私たちが頂いている印刷物では十九ページになつておるのですが、昭和二十五年度地方財政の情況のうちのずつと後の方、この地方税財政制度改革という中の括弧の二の中にある文章ですが、平衡交付金制度によつて地方団体間の財政の平衡化の徹底を図ることとなつたという部分の文章に「平衡交付金の交付方法は平衡化の方式として極めて簡明であり、且つ理想的である方式をとり各地方団体財政需要と、財政収入とを測定し、財政収入の財政需要に充たないところを補填するように交付せられるのである。」こうあるわけですが、そこで今その科学的だとか何とかいうことでやつておるということですが、理想的である方式をとると、こう言うのですがこれは何を指しているか。誠に立派らしい方式があるようですが何を指して言うのか伺いたいと思う。
  49. 荻田保

    説明員荻田保君) これは文章のあやと申しますかへ成るべく理想的な、誰が見てもいいというような方式をとつて分けるというのでございます。具体的にはまあ我々のやりましたことが、これは初年度でありますので理想から相当手前にはあると思いますが、それに向つていることだけは御了承願いたいと思います。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あとでこの点は一つお伺いすることにいたします。
  51. 相馬助治

    ○相馬助治君 私ども先般鹿児島、熊本を歩いて参つて、日頃考えていたことを、市町村側の要望を聞いていよいよ身につまされて成るほどと思つたことに関して、基本的な問題を一つ地財委委員長にお尋ねして御意見を伺つておきたいと思うのです。それは今の地方自治の問題は挙げて財政の問題でございまして、熊本県にしろ、鹿児島県にしろ大体十億程度の金が足らん。それでもうこれはどうにもならないから、帳面すらのバランスを合せて予算を作つているというような始末で全く自信がないというようなことを言つている。でそれにからんで懇談会等になりますると必ずこういうことが一つある。というのは、その地財委というのはなるほど平衡交付金その他を理想的に公平に配分してくれるからして我々は行つて首を下げていろいろ頼んでいるから、あまり委員長あたりにも気に触るようなことは言えないのだ、併し肚の底から思つていることは僅かなものを分けてくれることや僅かな起債の額をどうすることではなくて、もつと政府自体の中において強力に発言をする機関であつてほしい。こういうことを言うので、これはすぐにこの昔のことを考え出して、昔の地方自治体側の意見を強力に閣議においても反映し、或いは副総理格であつたのが内務大臣でございますから、ちよつと内務省みたいなものを作つた方がいいじやないか、いわば地方自治の新たなる精神とは逆行した議論というものが地方に胚胎しているということを言い切れると思うのです。で又別個のこの新らしい角度に立つ人は、地財委委員長を国務大臣として閣議発言権を持たせなければこれはとても駄目だ、こういうことも申しておるわけなんです。従いましてこういう地方側の要望と申しますか、一つ意見が存しておる段階において、委員長としては現在の制度下において、あなたたちの地財委国会或いは内閣、それからこの地方団体との関係を機能の面から見てどういうふうにあつたらば正しいか。これはかくありたいというふうなものについて何か委員長が御意見を持つておるか。当然お持ちだと思いますりがそれらについてお洩らし頂ければ、国会において我々としてもその制度の根本的な問題についてメスを入れたいと思いますので、この際お示し願いたいと思う。  それから局長に伺いたいことは、聞くところによると、消防であるとか、警察であるとか、そういう新規事業に対しての起債が全然認められない。これはまあ一つの明らかな例でありまするがそういう起債の問題と、それからもう一つは、地方財政の当初予算を立てる際における、先ほど例にいたしました熊本、鹿児島両県では、昭和二十六年度は十億内外の財源不足と申しておるのでありまするので、地財委としては基準財政需要額と実際の必要経費とを府県及び市町村等に分けて具体的に調査しておるかどうか。おるとするならばその資料を是非お示し願いたいと思いまするし、してないとするならばそれはどういう見解に基くのであるのかということをやはり荻田局長に伺つておきたいと思います。
  52. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 今お話のことについて私だけの意見を申上げます。私はこの地方の人もまだこの中央集権の遺風になずんでいることが多いのではないか、地方自治を如何にして完成するかという考えが、まだ考えも熱意も足りんのではないか、ややもすれば中央に依存する傾向があるように思います。又中央の人々もやはり中央集権の昔の夢を逐つているような感があります。地方の人は中央へ依存しようとするし、中央の人は地方を紐をつけてひつぱつて行こうとするような傾きがある。これは一つお互いに反省して行かなければならんことではないか。殊に先ほどの小笠原さんの御質問であつたかと思いますが、相当世の中がいろいろの意見を持つて、昔に帰したいような考えを言う者もあるように我々は聞いております。一つこれはもう少し中央地方もよく考えてもらいたいと思います。  それからこの財政委員会の問題でありますが、財政委員会が微力であるということは、それは見る人によつてそういう批評も差ありになるだろうと思います。
  53. 相馬助治

    ○相馬助治君 途中ですが、あなたが見るんじやない、制度上微力だと申しているのです。
  54. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 制度上微力ということと、人の微力ということも又財政委員会が微力である、或いは制度の上において微力であるということを言われるかもしれませんが、この委員会制度というものに対して世の中がまだ十分に認識しておらず、又この運用について慣熟していないという欠陥があると思うのです。併しこの制度を補うものは或る程度まで入であります。これは私ども反省しなければならんことと思うております。ただ私、この財政委員会に折角関係したから、何とか多少でもこの委員会の運営をよくして、そうして地方のために力を尽されるだけ尽してみたいという熱意があるために、微力でありながらこの職を今汚しております。これは地方の人はさぞ御不満であろうと思いますが、この御不満は制度の問題よりも私は人の問題だと思いまして、私ども微力に鞭打つてできるだけ御期待に副うように努めて行きたいと思います。御了承願います。
  55. 相馬助治

    ○相馬助治君 その点なんですが、実はこれはお世辞でも揚足取りでも何でもなくて、実はシヤウプの第二次勧告が行われましたときに、想い起しますとこの席で私は委員長相当辛辣ないやがらせみたいなことを言うたときに、あなたは終始一貫謙虚な態度でお答えになつたので私はがつかりしました。ところがシヤウプの第二次勧告が出てみますと、地財委意見というものがかなり明確に表現されて、野村委員長国会では、はつたり的な演説はやらんけれども、事実は非常に頑張つておられたということを我々は事実において知つたわけなんです。従つて私は決して委員長を責めておるなんということは考えていない。ただ地方では地財委というものは今の制度からいうと大蔵省から当てがい扶持にもらつただけの金をどう分けてやるかという、率直に言うと人夫的な存在である、こういうふうに考えているわけです。私はこの日本の民主化の過程において委員会制度というものをお互いにもつと認識し、委員会制度というものの権限を相共に我々もバツク・アツプして発揮させるように持つて行かなければならんということを知つているわけであります。従つてそういう前提に立つというと制度上の問題に今度は目を向けると、地財委委員長が例えば閣議において発言を持たなければならんとか、或いは立法的に何か大蔵省に対してもつと強力な一つの権力といいますと、そういうものを持ち得る制度に進まなくちやならないというようなことを我々も考えておるわけであります。従いましてそういう面について御意見を承わりたいとも考えたのでありますが、いずれこれは一つまとまつたものをお聞かせ願うとして、何しろ委員長は非常に人格者でいらつしやいます、私が非常に言いずらいのですが、併しもう少し頑張つてもらわなければ地方ではどうにもならんとおつしやつておるものですから、私は言外の余情を汲みとつて御理解賜つて頂きたいと思います。
  56. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 結論を申上げます。委員長が国務大臣として閣議に列席するということは私は賛成しません。
  57. 相馬助治

    ○相馬助治君 委員会制度から、委員会の精神からね。
  58. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) これだけははつきり申上げて置きます。
  59. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 本日はこの程度にしてどうですか。
  60. 荻田保

    説明員荻田保君) 只今おつしやいました警察消防の問題でございますが、これは先ほど申上げましたように全般的に起債額が少いので地方要望に応えることはできない、この点は学校でも道路でも何でも皆同じだろうと思います。それからただ警察問題につきましてはこれは今のり法律の建前が自治体警察創設のときの経費を使つておるので、すでにその後三年もたつておりますので、そのときにとり残した仕事があれば例外的に認める、それ以外は認めない。それからもう一つお答えいたして置きますが、臨時費の経費起債で賄うということは一つ一つ切り離した問題でなくて、地方財政全体から見た問題であります。従いましてこの団体間の財源の多寡というものが平衡交付金だけではなかなか調節できない。もつと調節する意味におきまして起債財源調整的に扱う、然るときには都市負担におきまして相当新らしい税制でゆとりのある所には起債総額を成るべく減す、こういう方針をとつております。
  61. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ではお諮りいたしますが、先ほど小笠原君の御発言もありましたが、大体この程度で終りたいと思いますが、終りに臨みまして自治体警察の問題につきまして警視庁の総務部長の小金井君が陳情に見えておりますから皆様も聞いて頂きたいと思います。
  62. 小金井健男

    ○参考人(小金井健男君) お許しを得まして起債の問題について一言陳情をさして頂きます。私の同類として六大都庁び並に千数百の自治体警察がございますのですが、ここで陳情を申上げますのは一応警視庁の事情について御説明を申さして頂きたいと思います。  戦災によりまして荒廃いたしました東京都の警察といたしましてはこれを復旧いたしまして、新らしく施設を要するものが甚だ多かつたのでございますが、自治体警察として発足いたしましてから三年間逐次整備をいたして参りましたところ、今日におきましてもなお施設を要しますものが相当ございまして、なかんずく当面の警備上、犯罪捜査上どうしても又新らしい警察制度を推進いたします上に急施を要すると認められます施設が相当ございますので、これらの負担を都において全部面倒を見て頂くことが非常に困難と思われますので、是非ともこれらの問題について起債をお願い申上げたいということでございます。警視庁は、只今都の予算のうちにおきまして、教育費についで厖大な割合を占めておりまして、二百八十億の一般会計のうち五十三億四千万をすでに占めておるのでございます。従いましてこのうち更に二〇%に相当いたしまする警察費負担を超えまして、更に続々と財政負担をお願いいたしますことが実際問題としては非常に困難であるという事情から、是非とも起債をお願い申上げたいということなんでございます。  そこで全国の自治体警察として一番当面困つております問題は、何と申しましても建物の関係と、機動力を整備いたします関係と、警察通信の関係でございます。この建物関係につきましては庁舎でございますとか、或いは警察官の待機寮でございますとか、建物の種類は多くございまするが、通じて申上げますると建物の経費が非常に嵩んで、常識的にも従来これらの問題は起債によつて解決して頂いておりましたので、是非ともこれを解決して頂きたいということと、それから機動力といたしまして、当面の治安情勢から警察力を都内、例えば東京都をとつてみましても相当警察力を常に西から東に移動いたしたり、同時に多発いたしまする同様の事件に対応いたしまするためには、相当量の警察力を車によつて運搬するという能力を整備しなければならないという問題でございます。第三の問題は通信の問題でございまするが、有線通信の関係につきましてはすでに一昨年電通省の方にその屋外施設の全部を移管いたしまして電通省のお世話になり、主として警察で維持いたしておりますのは屋内の通信施設でございますが、ただこれらの施設を維持いたしますのにも相当古い器械を更改いたします必要がございまして経費が必要でありますのみならず、昨年度から無線通信というものが警察に新たに採用されたのでございますが、これらの無線通信がそれぞれの自治体警察におきまして相当数是非とも整備されますことが、最近の犯罪情勢から見て警察の能力を発揮いたします上から見て必要である、こういう関係でございます。  私はここに全国の自治体警察起債総額を取りまとめて実は用意して参らなかつたのでございますが、警視庁の分につきまして本年度是非欲しいと思いますものが約七億五千万でございます。なお横浜の係りのかたもおいでになつておりますので、私より以上御説明申上げまして陳情いたします。
  63. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 横浜のかたがたでは簡単にお願いいたします。
  64. 相馬助治

    ○相馬助治君 ちよつと委員長、お聞きしますが、これは自警連としてもこういう問題は統合して陳情する予定があつて、差当たり各個に立上つてつておる、こういう姿において今の御説明なんですか。
  65. 小金井健男

    ○参考人(小金井健男君) お話の通り自警連として全国を取りまとめて陳情を申上げなければならぬ問題でございますが、取りあえず本日私ども二人出席して陳情申上げろという御連絡を頂いたものでありますから。
  66. 相馬助治

    ○相馬助治君 わかりました。
  67. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 横浜警務部長の大津英男君。
  68. 大津英男

    ○参考人(大津英男君) それではお許しを頂きまして簡単に横浜の事情を申上げたいと思います。  横浜は昭和二十六年度警察起債といたしましては一億三千万円余のお願いをいたしておるわけでありますが、その内容といたしましては、先ほど警視庁の方でお話がありましたのとほぼ似かよつた問題でございます。特に通信の施設、これは警邏制度が変更になりまして街路に連絡電話を設けた、いわゆる昔の交番を廃止したというために制度自体が変りまして、現在の交番がないために電話をこれ以上つけて頂かなければこの制度自体が働きがにぶるということでどうしてもやりたいという問題があります。更に又超短波の無電につきましては、先ほど警視庁のほうからお話があつたと同じような状況でございます。  更に最近の水上警察の復活という問題が出ておりまして、これも横浜港の特殊性から、又最近港湾の自主権を回復したというようなことからも、水上警察の復帰に伴いましていろいろ施設をしなければならぬという情勢も起つております。  更に現在警察職員で横浜市外から通つております者が三千五百名のうち六百、七百という数を占めておる。住宅の困難な事情というので合宿待機寮というものを作りたい、こういうものを含んでおるわけでありまして、いずれも現在の横浜市内の治安情勢から見まして、非常に我々としては熱望しておる次第であります。  ところがこの問題が行詰つて参りますると、結局こういう施設が全然できない。ほかの事業も同様だといわれるとそれまででございますが、私ども立場からいたしますと是非何とかお願いをいたしたい。若しこのままでどうしてもやつていけないということになりますると、逆に今度は警察法の改正で定員の枠が外れたと申しまするが、逆に人を減じなければ施設を殖やせないというようなことさえ起きて来るのではないかと思うのでありますが、人を減じますることは、日本の警察から見まして、アメリカその他とは違いまして、施設も発達しておらないということで、人をカバーする施設というよりも、むしろ施設が高いために人でカバーしておるような状況でありまして、現在の人を減じて僅かの設備を設けるということでは、却つて治安上の問題といたしまして空白を生ずるのではないか。現在どうしても臨時的な経費として起債その他の面からいろいろ面倒を見て頂きたい、これが現在の私ども要望いたしておるところでございます。何とぞよろしくお願いいたします。
  69. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今六大都市のうち東京、横浜の自警の陳情がありましたが、これは大体六大都市共通の問題でありまするが、二十六年度警察並びに消防の六大都市の起債が非常に困難な、状況に立至つておるので、今の陳情に対しまして財政委員会としての本年度警察、消防に対する起債の方針並びに所見を伺つておきます。
  70. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) この六大都市の警察費起債については警察御当局からもいろいろお話があつて御尤もと私ども考えております。六大都市は私どもの目から見るとほかの市町村よりも財政的に余裕がある、起債によらないでも六大都市の財政においてこれを賄い得るであろう。又治安のためからいつたならば、必ずや都市当局においてはその治安の万全を期するために相当経費を支出せられるものであり、又せられ得る状況にあることを認めまして、その起債を今年はお断わり申したわけであります。法律的に解釈すればもはや起債に応じないでもよいということもいい得るかも知れませんが、私ども法律は無論尊重してこれを運用して参りますが、法律の又精神をもよく汲みとつて起債によつてやらなければならんものはこれを起債によるようにお手伝いすることに決してやぶさかではないのであります。  なお先ほど相馬さんから警察、消防の起債は少しも認めんというふうにおつしやつたが、地方によつては認めておる所もあります。地方の貧乏な所ではポンプ一台買いたいから二百万円の起債を認めてくれと言われれば二百万円も認めるというふうにいたしております。これはその都市の財政状況と睨み合せてできるところは普通財源でやつて頂くように、できないところは起債でお手伝いするというふうな方針をもつてこの問題に処しておるわけであります。
  71. 相馬助治

    ○相馬助治君 御承知のように自治警察の一人当り平衡交付金財政需要額は十六万、それから国家警察のほうは御承知のように二十三万か使つておる。今の委員長の御説明は、一応農漁村をもつておる府県等に比べますと、成るほど六大都市は個定資産税その他税源から推して独自で起債をせずともやれるんじやないかという見通しも一応立つのですけれども地財委のそういう独自の見解を何らかの形において地方自治体、特に六大都市等に反映せしめて行かないことには、現実の問題として消防や警察はその機能を十全に発揮できないような財政的困難に見舞われるのじやないかということを恐れておるのであつて、そういう点について一つ指導的に、積極的に六大都市等にも地財委からそういうことをおつしやることまで考えておるのでしようか。又それはその都市がやることであつて別にさようなことを考えていない、こうおつしやるのですか、どちらでしようか。
  72. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 六大都市の当局とは比較的懇談する機会も多いので、懇談する都度よく六大都市の財政について私ども気付いたところは指導して行くようにしております。この警察の問題なんかについてもその点は市の当局に対して今後よく御説明申上げたいと考えております。
  73. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今の警視庁並びに横浜市警のかたのお話ですが、この配付されておる資料によるとちよつとわからんのですが、東京都並びに横浜市自体がその地方財政収入の部分から警察施設の整備費に伴う予算を幾つ出しておるか、それとこの起債要望の金額とはどういうパーセントになつておるのであるかちよつとお伺いします。それとも又まるまるそういう警察施設の整備費は起債だけでやるとして、地方自治体ではその予算を出しておらないのであるか、この点簡単に御答弁願いたい。
  74. 小金井健男

    ○参考人(小金井健男君) 実は詳細な数字を持つておりませんのでございますが、大体只今のお話の中で、例えば施設の関係について申上げますと、二十五年度、四年度、三年度それぞれ自治体警察が発足いたしましてから、戦災後の東京のことでございますので庁舎の復旧と警察官の待機寮の建設等比較的金のかかる仕事をいたして参るのでございますが、毎年大体この分として認められました起債額が五千万乃至七千万程度でございまして、実際の支出は一億二千万から一億五千万程度予算を頂いておるわけでございます。その他通信とか車両につきましては全額部費の負担をもちまして大体数千万の程度でやつておるような状況でございます大部分は勿論都費でやつて頂いておるのでございます。ただ中央において起債が認められないということが非常に重要性がないかのようになりまして、起債が認められない場合に殆んど建物が認められないというようなことも私どもはあり得ることを恐れておるわけでございます。
  75. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつと野村さんにお伺いしますが、東京都は首都としての性格があり、警察制度としては、首都にはやはり国みずからの手による警察によつて治安を維持するということがいいのではないかという意見もおのずから伴つて出て来る。そういうのですが、併し警視庁は自警としてあつてつて国の政府機関その他があつて、国のための警備その他の相当なる費用地方が持出しでやつているという形もある。そういう特殊の性格の都市の警察力強化のための起債というものは総体の起債のバランスの上からのみ考えるのではなくて、特殊の性格に鑑みて考慮するという必要があるのではないかという意見が出て来たら、野村さんはそれに対してどういう考えをお述べになるか、お伺いしておきたいと思います。と同様に横浜市も国際港として、そうして而も進駐軍その他の関係のあれで、国がみずからやるべきいろいろな治安上の諸問題、横浜みずからが金を持出してやつている。こういう状態について起債の要請を特殊の形において認めて欲しいと要望があるとしますならば、これについて千遍一律の基準に基いて起債を却下するというふうなことは如何であろうかという意見も出て来るのじやないかと思うんですが、これらについて本日は陳情なそうですから御所見だけ伺つておきたいと思います。
  76. 野村秀雄

    説明員野村秀雄君) 少し私の関係している仕事から逸脱する嫌いがありますが、首都警察をどうするかということは相当問題じやないかと考えております。ただ、財政委員会立場からこの東京都には相当税収等について努力をして頂けば余裕があると思います。この議論がありますが、都市にどうも税が偏在するというくらいに世の中では言つております。この都市の徴税方法如何によつてはなお相当の余裕はあるものと思います。警察費、株にその都市の治安を維持する上においての警察費くらいは十二分に出るのじやないか、かように考えております。この東京都の事業税の徴収が悪いということで、よく税制懇談会その池のところで、大蔵省なんかが、東京都の事業税の成績が悪いということが、地方全体の成績が悪いように言いふり廻されて、実はそのほかの地方でも迷惑しておるような状態なんです。徴税如何によつては私は警察費は必ず十分賄い得るもの、又賄つてもらいたい、かように考えております。
  77. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  78. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこの程度にいたしまして明日は午前十時より開会いたします。それでは散会いたします。    午後零時四十二分散会  出席者は次の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            岩沢 忠恭君            高橋進太郎君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            岩木 哲夫君            石川 清一君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   説明員    地方財政委員会    委員長     野村 秀雄君    地方財政委員会    事務局長    荻田  保君   参考人    警視庁総務部長 小金井健男君    横浜市警察本部    警務部長    大津 英男君