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木村禧八郎君 これまで資本蓄積が必要であるということで、いわゆる
証券民主化、
証券民主化とい
つて大衆に
証券を買わせるように、
政府も
業者も宣伝これ努めて来た。これは私は悪いことでないと思うのですけれども、従来それが非常に失敗しておるのです。その根本の原因はどこにあるかというと、これは
証券業者の兼業の問題にあると思う。自己
ばいかいをや
つて、
お客さんが損をするような場合に
証券業者はその株を
自分の計算でや
つてしま
つて、
お客さんが損をするようなときにはその計算を
お客さんのほうにや
つてしま
つて、
自分の
取引をする、そこに問題があると思うのです。この制度自体業務自体を変えなければ如何に
証券民主化、
証券民主化と、どんなに鐘太鼓で宣伝しても、又
証券業者の
資産内容を多少充実させても、私は問題は解決はつかないと思う。やつぱりここが一番問題だと思う。先ほども問題にな
つたのですが、
投資信託についても兼業の問題ですよ。こういうような
証券業者の業務の状態においてこれを兼業させるというときに、
松永委員からも
質問があ
つたのですが、その弊害が出て来ると思うのです。それで成るほど
銘柄を指定するかも知れませんが、そのときに指定される
銘柄について非常に得なときには
証券業者の計算にしてしまうかも知れない、或いは又損した場合にはこれを
投資信託のほうに計算してしまう。そういうことは兼業をやればできないことはないと思うのです。そこが問題だと思うのです。その根本を直すようにして置かなければ、私は非常に弊害が出て来るのではないかと思う。ですからGHQのほうで、その
証券業者以外のものにこれをやらせるべきだと
言つたのはそういうところにあるのではないかと思うのです。併し実際問題として
証券業者以外のどこがやるかは私もわかりませんけれども、とにかく
司令部がそういうことを言
つたということは私はそこにあるのではないかと思う。我々もそれを危惧するわけです。このこと自体が決して悪くないとしても、これを扱う
証券業者が、
委託者がそういうことができるようにな
つているのです。
レギユラー・ウエイについてもそうなんです。
レギユラー・ウエイ、
投資信託とか、そういうところに問題があるのではない。もう一歩先の、今の
証券業者の兼業の問題ですよ、それは一挙に
レギユラー・ウエイに改めることは無理かも知れない。併し何とかその点は改めて行かなけれ
ばいつまでた
つても百年河清を待つで、一番問題になるのは、これはしよつちゆう大衆が株を買うというのは何か投機のように
考えて、昔から株を買う人に対してはあまり
信用がない、或いは株をや
つていると。こういうことが健全なインベストメントとして
考えられないのはそこにあると思うのです。ですから
投資信託も、私は悪いとは言いません。
レギユラー・ウエイも悪いとは言いませんが、その根本です。根本の問題についてもう少し
政府は真剣に
考える必要があると思うのです。前に湯地さんもそういうことを言明された。これは速記に残
つております。それをどうするんですか。
レギユラー・ウエイを六月一日からやるということにな
つてお
つて、これについては何ら触れていない。
責任あることを聞きたい。何かそれに対して
考えてやれ
ばいいけれども、そこは
答弁しつ放しで
レギユラー・ウエイをやるときにはそういう点については考慮すると
言つておるのですが……。