○
説明員(
石井由太郎君)
只今お尋ねのございました錫千三百トン、鉛七千トンを保有いたして目下その
処分を急いでいるわけでございまするが、
取得価格は御指摘の
ごとく錫におきまして七十数万円、鉛におきましては八万円余りございます。この
払下げにつきましては
最終需要者、実際の
需要者の
手許に渡すようにというメモが参
つておりまする
関係もありまするし、又現在のこれら
物資の
需給状態から考えますれば、まさにさようせねばならないと考える
関係上
随意契約を以て
払下げをいたすつもりでございます。
随意契約と相成りまするとその
値段を幾許にすべきやにつきましては、もつと公正妥当な
値段を設定いたしまして、不公平のないようにやらねばならんわけでございまするが、この
品物は元来
輸入品でございまして先ず
国際相場並びに
国内相場の両者から割
出しまして、適正な
値段を作らなければならんのでございます。鉛の
値段につきましては現在
市中の
呼値は或いは二十数万円、三十数万円というような話もあることを承わ
つておりますが、これは神岡鉱業その他有力な
鉱山層におきまして暫く鉛の出廻りを抑えておりまして、いわば
市中にありまするいわゆる
呼値というものは空の
値段なんでございます。然るところこの二十日に鉛の
鉱山におきましても新らしい建値を発表いたしまして、二十万円で
一般に売出すということをいたしておるわけであります。これらの
措置が講ぜられますと、果して今まで三十万円と唱えられておりました
値段がそれで受けるものやらどうやら一応考えて見ねぱなりませんし、又
政府の
物資を
払下げいたします場合に、ブローカー或いは
中間事業者に渡るならともかく実際の
事業家に渡ります場合には、先ずこれらの
鉱山層の
問題等の
放出価格をも考えまして適正な
値段をきめなければならんと思いまして二十万円といたしたわけであります。錫につきましては、これは
国内生産がいうに足りません
関係上主として
海外の
相場を睨んで
値段をつけねばならんわけであります。錫は先頃米国の
備蓄買上が抑えられまして
海外相場は下落しておるようでございます。
国内における
呼値は二百万或いは二百何十万というような
値段を唱えておりますが、これも実はいわば空値でございまして、実際の
需要が
品物が出ました場合にこの値に追付いて来るや否やも実は捕捉しがたいのであります。現在の
海外相場から逆算いたしますと、錫の
値段は百五十万円程度と相成ると思うのでございます。併し百五十万円で直ちに
輸入その他ができるかと申しますれば、これにも若干各国が
戰略物資といたしまして
割当等をいたしております
関係上疑問もございますが、まずまずこの辺のところを抑えまして放出いたしましたならば、一方では
事業者の
手許にそう無理でなく
国際相場にもマッチし、同時に
政府が
財政法の規定に基きまして適正な
値段を、
市価で放出することになるかと考えましてさような
値段を設定しようといたしておるわけでございます。