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政府委員(大久保太三郎君) 只今の
輸入方式の中で特に問題になりますのはいわゆる自動承認制でございますが、これは
輸入を促進する意味におきまして非常に効果的な制度だと思われるのであります。一定の外貨を予定いたしましてそれからそれに地域だけの制限、それから一定の品目だけの制限というかなり自由な枠の中で
輸入業者が採算によ
つて輸入したいと思えば自由に許可の申請ができるわけでございます。これが
最初AA制度を発足いたしました時には品目の制限で品目はたしか三十四くらいであ
つたのでございますが、最近はたしか百七十四に拡大されておりまして、殆んど
日本の
輸入いたします主要資材の中で、通産省のいわゆる事前割当、これに属するものは、例えば食糧であるとか、米綿であるとか、そうい
つた極めて小範囲のものに限られ、多くのものは自動承認制によ
つてなされておるという
状態にな
つております。それからこれに対する予算でございますが、これも現に一——三の予算で申上げますと非常に
最初スタートいたしましたときには
金額は少なか
つたようでございますが、
日本の外貨の蓄積
状況と睨合せましてその後約八回くらいこの予算の改訂をいたしまして、非常に大きい枠を全体の
輸入予算の中に、又AAに振充てる、そうい
つた制度でございますので、この
輸入については非常に自由であります、ところで一方
輸入金融の面におきまして、御
承知の
通り、昨年九月からいわゆる日銀の外貨貸付制度、これが施行されまして
輸入業者が
輸入いたしましてメーカーにその品物を売渡すまで、とにかく三カ月乃至四カ月の間低利で以て而も「つうぺい」で金融が受けられるという補助的な促進施策がございましてこの制度と睨合せまして
輸入というものは非常に楽にできたように思うのであります。ところが先ほど松尾次長から
お話のございました外貨予算を、非常に
輸入促進のために大量に割くということができる、又そうしなければならんという事態でございますならば、非常によく動く制度でございますけれども、そうでなしに、やはり外貨面におきまして十分なものを割くことができないという制約がございます場合には、やはりこの制度につきまして若干のやはり修正が要るんじやないか。そういたしませんと、
余りに
輸入が自由なために非常に重要な
輸入に外貨が使われずに他の資材或いは同じ資材におきましても、重要な工業用の資材に充てられずにその
輸入されたものが消費資材に向くというふうな傾きもないでは、ございません。そういう意味合におきまして、若干の私はこの仕組において考慮を要する事態に到達しておるのじやないか、そういうふうに見ておるわけであります。で、これをどういうふうにかえますかはまだ十分な検討を要するわけでありまして、併しながら若しこれを仮にこういうこのAA制度をやめるというふうなことになりますと、それに代るべきものといたしましては、事前割当制度になりますが、事前割当制度にも勿論いい点がございますけれども、これをやりますと、やはり
輸入について極端な統制方式を用いなくちやならんというので、却
つて弊害の面が現われて来る慮れもございますので、要は事前割当制度の長所を生かしながらこの制度のやはり長所を十分に、やはり行くように適度の調整を加えて行きたいということが必要じやないかと思います。