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政府委員(
忠佐市君) この問題につきましは、実は国税庁から、国税庁が現に持
つておりまする
考え方を
お話申上げさせて頂いたほうがよいと思いますのですが、なお
只今御質問の点につきまして、要点を申上げさして頂きますれば、
青色申告という制度は、税制を正常な軌道に持ち上げますところの
一つの大きな刺戟であると
考えておる次第でございます。この
青色申告が適正に運営されさえいたしますれば、税の
計算の
方法、それから
税額の決定の仕方というものが合理的にな
つて参りまするばかわでなく、争いを杜絶するという効果を持
つているものと
考えております。従いましてこのような制度を我が国でできるだけ早く育成、普及することが必要であろうと思いまするのですが、何分にもこれらに対する準備が今までそう進んでおりませんので、一朝一夕にその全的な効果を望むことは困難と
考えられますので、漸進的にこのような
方法に持
つて参りまして、而も
青色申告について
相当の
努力をいたしておりまする
納税者につきましては、その
努力に報いるだけの税務
行政上の対策を
考えて参る、かような点で
只今進んでおる次第でございます。その点につきましては、
只今パーセンテージについて
お話申上げましたように、記帳
関係に現われておりますところの
調査課所管の
法人につきましては、八一%というような高い
数字を示しておりますばかりでなく、税務署所管の
法人につきましても、五〇%まで
青色申告の
手続が済んでおる、かような次第でありまして、これからはどちらかと申しますると、個人
営業者、それから農業者というような方面に、この
青色申告の
方式が伸びること
考えます。その点につきましては、各方面からいいろいろの御意見が出されておりまして、第一に記帳をなるべく中小
営業者或いは農家等に適合するように余り手数をかけないで負担にならないような帳簿
方式というのを
考えて、それを国税庁、国税局、税務署が認めて欲しいと、こういう要望が非常に強いと思います。こういう
観点につきましてはなお
調査を重ねました上で、できるだけその要望に副うということが必要だろうと
考えております。
それからなおもう
一つの
考え方といたしましては、帳簿記載の上において誤があれば
更正決定をいたすというようなことにな
つてもおりまするし、それから帳簿記載その他について不備欠点があれば
青色申告を取消すというような規定がございまして、この点
相当問題にな
つておるような次第でございますが、
税務当局の方針といたしましては、多少の不備欠点というようなものは、できるだけ好意的な指導によりまして訂正して正確なものに直してもら
つて参る、そういたしまして、
青色申告を簡單に取消すというようなことはいたさない、かような
行政の運営が
考えられておる次第でございます。
なおこの
青色申告の振わない
原因といたしましては、やはり現在の
納税負担が
相当強い、
青色申告をして正確な帳簿或いは
税額が
計算ができるということになりますると、
青色申告をしておらない者との
租税負担に対する釣合いの問題がうまく解決できるか。例えば帳簿を付けてないのでありまして、適当な
課税を受けることによ
つて負担が軽くなる、
相当の手数をかけ、費用をかけて帳簿を記載してお
つて、結局
納税面においてそれらの
努力をいたさない人々との間に却
つて不権衡が生ずる、この点が是正されない限りは、
青色申告制度を全面的に支持することは困難ではないかと、かような意見が巷間において
相当強く要望されておるような次第でございます。これらの問題につきまして、できるだけ現在現われておりまするところの不合理な点を取除いて、合理的な点を推し進めて行くと、こういうような点に
青色申告の将来があるものと
考えておる次第でございます。