運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-02-20 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十日(火曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○所得税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○法人税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○通行税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○登録税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○相続税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○印紙税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○骨牌税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○租税特別措置法の一部を改正する  法律案内閣送付)   —————————————
  2. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) それではこれより本日の委員会を開会いたします。  公報でお示ししたように所得税法の一部を改正する法律案ほか七件の税制改正案について質疑を開始したいのでありますが、本日は午前中、主税局長並び主税局臨時税制調査室泉事務官の両名がGHQに出張しておりますので、主税局調査課長の忠君に説明してもらうつもりとなつております。それではどうぞ質疑を開始して頂きます。
  3. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 先般の臨時国会において、二十五年度補正予算が提出されまして、本年度税收入の組替えをいたしたのでございまするが、その後一、二カ月たつて、そうして又その歳入状況変更を来たしておるのではなかろうかと思いますが、最近の状況から見まして申告所得税、それから源泉所得税法人税及び酒税等の二十五年度の実際徴收見込はどういうふうになつておるか、伺いたいと思います。
  4. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 只今指摘がございましたように、大体におきまして昨年の八月水準というものを基礎にいたしまして、昭和二十五年度補正予算を組み直した次第でございます。従いまして九月以降におきまするところの経済状況の起伏がございまして、補正予算に計上いたしました税收が、各税別に見ますると、相当の出入が出ておるような状況でございます。でこの点につきましては、一月末日の收入実績が出ておりまして、あと二月、三月及び整理期間であります四月の收入額が加わりますことによつて、大体の想定ができる次第でございます。この点につきましては、申告納税所得税收入の帰結が一番問題と相成ります次第でございますが、何分にも確定申告の期限が二月になつておりまして、その確定申告がどの程度申告が出て参りますか。それから若し可能でありますれば、申告の一部につきまして更正決定手続が多少行われることを予想せられる次第でございますが、それらの結果によりまして、なお補正予算に盛られました申告納税所得税予算額が、相当額減少を来たすというような予想只今つておるような次第でございます。そしてこの申告納税所得税予算上の金額に対しまする減收額がどの程度であるかということにつきましては、まだ確実な見通しは付きかねておる次第でございますが、その半面法人税税收が非常に順調でございまして、これは最近におきまするところの経営の好転を反映いたしておるものと考えられますると同時に、会社申告面におきまする努力が、以前と違いまして非常に向上して参つておる。かような二つ原因からと思いますが、法人税相当増收考えられますること、それから源泉徴收所得税におきましても、これも相当増收考えられておる次第でございまして、結論といたしましては、補正予算に計上いたされました四千百五十億という数字は、全体といたしまして確実に收入見込まれておるような次第でございます。  なおその他の租税につきましても、多少の低減は免れませんのでございまするが、大勢といたしましては、只今のように考えておる次第でございます。
  5. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 先般他の機会におきまして国税長官から伺いましたところが、大体申告所得税において、補正予算に比べて百五十億程度の減を来たすのではなかろうか、その代り法人税において百億、源泉所得税において五十億ぐらいで、三者相待つて補正予算税收入が大体確保できるつもりだというようなお話がありましたが、今の説明を聞いても、大体そうなるかと思いいす。ただこの際私が疑問に思いますのは、そういたしますというと、申告所得税大分減になつておる。一千億の徴收が果してできるかできないかというような状態になつておるのでありまするが、明年度予算において、申告所得税、旧税法による收入見込額を千四百八十億見積つているというのは、どうも過大見積りではなかろうか。一方において補正予算は五百七十二億、然るに旧法適用の場合には六百六十六億となつて法人税過少見積りだ、源泉所得税も或いは過少見積りかも知れませんが、そういうふうな疑いがあるのでありますが、昭和二十六年度租税及び印紙收予算説明には、非常に詳細な根拠を示して計算しておられますけれども、最近の租税徴收状況から見まして、少くともこの三種目については相当出入りがある。結局これは基礎とつ数字が古いためにそうなつておるのではなかろうかという気がいしますが、その点は如何でございましよう。
  6. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 只今指摘もございましたように、昭和二十五年度申告納税所得税におきましては、予算額に対して相当額減收が余儀なくされるものと考えている次第でございますが、その中には、昭和二十四年度から繰越して参りました滞納額收入額を、予算におきましては二百七十五億円見積つておりますが、この予算見積りが果して可能であるかどうかという点について、私どもなお且つ疑問を持つております。従いまして昭和二十五年度課税せらるべき金額減收と相成つて参ります分はどの程度であるかということを考えますと、只今お話になりました国税長官お話数字は、一応予想と思われますですが、それよりは減つて参る、かようなことが予想される次第でございます。それで昨日この席で申上げましたのですが、昭和二十六年度予算につきましては、昭和二十五年の七月に行われました予定申告基礎とする、これは二十四年度実績をとるということと大体において同じ結果に相成ります。そこで昭和二十四年の実績に対して、昭和二十五年の経済状況を見た二十五年度所得金額がどの程度になるか、これにつきましては、一応補正予算における数字基礎といたしたということを申上げる次第でございます。さよういたしますれば、只今指摘になりましたように、昭和二十五年度補正予算基礎となりました数字基礎にいたしまして、更にそれを昭和二十六年度に延長いたした予算数字を見ておる。かような結果に相成ります次第でございますが、その場合におきまして、只今指摘がございましたように、二十五年度分について相当收入減見込まれておるのではないか、従つて昭和二十六年度において、見積りが適正であるかどうかという御疑念であろうと思われます。この点につきましては、昭和二十四年度実績は一応確定いたしておりまするので、それに対しまして昭和二十五年度経済実勢を如何に見るか、それから徴税能率如何ように見るかというような観点からいたしまして、昭和二十五年度補正予算における考え方といたしましては、大体においては私ども考えるところによりますれば、この計算はあるべき歳入額見積つたものとしては適当であろう、かように考えております。但しそれが申告となりまして、納税者から何如ほどの納税額申告がなされるか、これは一応仮定に立つ問題であろうと思います。そして只今国税庁努力をいたしておりますように、成るべく申告で十分の納税額に達し得るように、納税者の御協力を願いたいと、かような根本的な考え方を以ちましていろいろと納税者に対しまするところの関心を高めることを考えておる次第でございまするが、なおこのほかに、申告が正当の所得なり、税額を現わしておらない場合におきまして税務官庁更正決定という手続によりまして、不足税額の追徴という手段が考えられると思います。従いまして出て参ります納税者申告程度と、それからそれに対しまする正当納税額を捕捉いたしまする税務官庁行政と、時期的にも結合いたしまして、問題を見て行く大要があろうと存じます。  従いまして、今年のように一応申告の時期を一月から二月に繰下げましてそうして出納閉鎖をいたしまして、会計年度は三月で終る、かような情勢の下におきまして、申告更正決定とが三月に終りまするところの昭和二十五年度内に一〇〇%のものとして全部が包含し得るかという問題がございます。従いまして昭和二十五年度予算において私ども計算いたしましたのは、一応二十六年度全部の所得について適正な課税が行われたならば、年額としてどの程度に相成るかということを基礎にいたしましてそれから年度内に入つて参りまする税額予定したわけでございまするが、この課税の一〇〇%になりまするものが時期的に多少ずれるということに相成りますと、昭和二十五年度におきましては、多少の歳入減少を来たすということに相成ると思います。従いましてかような観点からいたしまして予算基礎といたしまして数字には私ども相当自信を持つておりまするが、時期的にそれが十分に現われないという面が出て参りまして、減收という結果が出て参るのではないか、かような考え方を以ちまして、昭和二十六年度見積りは一応二十五年度補正予算基礎とはいたしておりまするが、一一十六年は一年の期間が全体的にずれまして、一年分が相当遅れる見込になる、かような観点におきまして、予算基礎といたしまして数字並びに、時期的な計数、收入となります数字の取上げ方につきましては、方法といたしましては間違いはないものと、このように考えておる次第でございます。  非常に細かしいことで御理解を得られますような筋の運び方でなかつたかも知れませんですが、大体の考え方はさように思つておる次第でございます。
  7. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 政府においては、今後国税徴收法改正案を出すようなお考えに伺つておるのでありますが、それによりますということ、古い滞納のものについては相当手加減と申しますか、別途経理にして、三年ぐらいの余裕を以て、その間に無理のない徴税方法をする、三年たつてもどうしても納まらぬようなものは欠損処分にしよう、こういうようなお考のようでありますが、その適用を受けるのは、やはり申告所得税に一番多いじやないかと思います。そういたしまするというと、従来に比して、二十六年度以降は更に申告所得税減收というものが見積られるのではなかろうか。それこれを総合勘案して見るというと、どうも申告所得歳入見積りはやや過大に失しておるのではなかろうかと私は思いますが、その点は如何でありましようか。尤も従来の例から言いましても、例えば申告所得税につきましては、二十四年度から繰越した滞納額誤謬訂正が三百八十億以上もあつて、二十五年につきましても、二百八十億誤謬訂正減をやつておる。非常に課税面においても大きな何と申しましようか、隙がありますから、正確なる見積りはむつかしいとは思いますが、概数的に見てどうも申告所得見積りは常に私は過大だと、法人税見積りは過小だ、それは二十六年度予算においてもなお依然として現われておる。こういうような感じを強くするのでありまするが、如何でありますか。
  8. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 只今指摘ございましたように、国税徴收法改正によりまして、無理のない徴收についての制度化を図る、そのようなことにつきましていずれ追つて審議をお願い申上げることに考えておる次第でございますが、この点につきましては、大体二つ方法がございまして、相当程度徴税について努力をいたしました結果、或いは納税者において、納税について努力をいたしました結果、これ以上強行する場合は無理だというようなことが考えられまする場合において、暫らく納税所得が回復するまで、その徴收についての嚴格な法規の執行というものについて考慮する、これが一つであろうと思います。  それからもう一つは、特別に一時的に納税を困難とする事情がありまする場合において、分納を図る。まあかような点ありまして、分納要素をどの程度に定めるか、それから分納期間をどの程度に定めるか、まあこの問題が御審議を煩わす中心問題になると思います。このような問題は一応考慮に入れまして本年の予算を立てました次第でございまして、昨日も申上げましたように、従来は徴税能率化というような点を相当重視して予算の彈き出しをいたした次第でございまするが、本年はその考え方を変えまして、能率化という言葉に変えて適正化という言葉を使う、従いましてできるだけ無理のない徴税方法をして而も公平な課税となるようにという点から計算をいたして置いた次第でございます。で、御指摘ございました申告所得税法人税との関連の問題でございますが、最近におきまする一つの傾向といたしましては、個人企業法人企業形態を変えるという問題でございます。これに伴いまして税の面で起りまする問題は、申告納税所得税が減るという問題でございます。これは現状における企業形態基礎にして予算を組んで置きますると、個人企業でなくなりまして法人企業になる。そういたしますと所得税の面がそれだけ減つて参ります。それから半面法人税増加するという点と、源泉徴收所得税が殖えるという面がございます。これは個人企業法人企業になりまして、企業主法人企業の役員或いは職員として給與を受けるという、かような関係から出て参ります税の形態変更でございます。このような問題が非常に最近大きな影響を持つておる次第でございまして、法人税見積りが足りませんので、而も源泉徴收所得税收入が殖えて申告が減るというような問題の一端がここから起つておると考えております。  なお法人税につきましては、従来予算見積り方が臆病であつたということはこれは事実が示しております。この点につきましては、本年の予算におきましては、最近におきまする法人決算状況を見まして、而もその法人決算面に現われておりまするところの利益と、それが税務当局において税法通り計算した場合の利益と比較して見まして、なお現に現れておる会社決算利益に対して相当の割増しをして増收見積つて然るべきだ、かような検討を加えました上、投下資本金拂込資本金と、それから積立金の合計でございまするが、この運用積立金に対して平均五二%程度利益率見込むことができるであろう、かような観点から計算をいたしまして法人税を彈いております。但し従来の税務官庁考え方によりますと五二%に相成りまするが、この点につきましては、一面において資本蓄積を適正ならしめるという立場から、固定資産減価償却についてこの際考え直す必要がある、かような考えに基きまして、一つ固定資産耐用年数を全面的に改訂をいたす。この過程において今まで多少無理であつた部分が改善ざれる次第でございますが、そのほかになお発明或いは新規の考案等によりまする陳腐化に対して特別償却をいたす。かような点で相当大きな金額利益面から姿を消す、こういうような要素を織込みまして計算いたしておりますので、税法改正という形をとりませんで、政令その他の改正でございますので、減收額も現われておりませんが、その面の減收相当金額に達する、かような次第でございまして、申告納税所得税税牧考え方については、先ほど申上げましたように、昭和二十四年度実績基礎にいたしまして、二十五年度の趨勢を本年度補正予算額程度考える。そういたしまして、昭和二十五年度昭和二十六年度実勢を、昭和二十五年度は大体九月までが実績で、十月以降三カ月間を予想いたしまして、一カ年の平均を見ております。それから二十六年度につきましては、予算編成の技術的な関係もございまして、昭和二十五年度十月を水準といたしまして計算いたします。昭和二十五年十月の水準昭和二十六年の平均になる、かような考え増加歩合を求めまして、あるべき納税の額というのを計算いたした次第でございまして、これが申告を通じて納税者努力により、それから納税者申告不足の点、税務官庁更正決定等行政措置により実施するその面でどれだけの能率が挙がるかという問題になつて参ると思います。この点につきましては、昭和二十五年度補正予算におきましては、若干の差額増と申しますか、申告増加の面の更正決定によりまする税務官庁努力の面の増加見込んでおりましたのですが、昭和二十六年度におきましては、この徴税能率或いは申告納税能率増加というような面を見込んでおらないのでございまして、差当り予算編成当時におきますところの現状基礎といたします限りにおきましては、これらの計算方式については正当であるように考えておる次第でございます。
  9. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 いろいろ御説明がありましたが、余り数字の細かいことに亘つて論議するのは避けたいと思いますが、ただ一つ法人税について申上げまするというと、二十五年度の当初予算は三百八十六億、それは補正予算において五百七十二億になつておるが、もう十一月末には五百九十二億というようになつておりまして、恐らく本年度内收入は、当初の三百八十六億の倍ぐらいになるのではなかろうかというように思う次第であります。従いまして明年度收入は六百六十六億というのはどうも過少ではなかろうかという気が私はいたします。  次に酒の税でございますが、目下いもの入手が非常にむずかしいので焼酎とか、合成酒の製造は思うように行かないというように伺つておりまするが、本年度酒税收入及び来年度收入はこの見積り通り果して行きますかどうか、伺います。
  10. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 只今酒税につきまして正確な計算をいたしました資料を持つて参りませんのでありますが、今年度につきましては多少増收と相成るというような数字を持つております。  それから問題は昭和二十六年度でございまするが、これは一に原料にかかつておると思います。ただその原料と申しましても、米とそれから麦とにつきましては、大体確信を持つていいと思います。なぜかと申しますと、米はすでに入つておりまするし、麦も本年の夏の收穫になりまするが、大体において従来の実績から考えまして確信付けられると思います。ただ問題は甘藷でございまして、昨年暮におきまするところの甘藷需給状況から見まして、多少この点については懸念がございます。併し澱粉原料等に廻りました甘藷につきまして、澱粉粕アロールートというような雑原料と称せられておるものが相当確保し得る予定が立つておりまするのと、なおその他原料努力は今後一カ年間は続け得る次第でございまして、原料につきましてはこれは努力如何にかかる、まあかような考えでおります。  従いましてその次に参ります問題は、国民の購買力の問題と、それから密造酒駆逐努力の問題、かような問題が更に残されるわけでございまするが、見通しといたしまして、この收入は不可能ではなく実現し得るものと考えられておる次第でございます。
  11. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 それからこれは問題は小さくなりますけれども相続税におきまして、この頂いた資料によりまするというと、昭和二十六年度税法による收入見込額が、二十五年度補正予算よりも却つて減るようになつておるが、これはちよつと腑に落ちないようですが、その原因はどこにありますか。
  12. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 誠に御尤もなお尋ねでございまして、私どももこの点につきましていろいろともう問題をつき詰めて見ましたのでございまするが、これは相続税課税につきましては、相続開始原因となりました被相続人財産状態によりまして、年々波動があると思います。そこでこの点につきましては何年平均かというような移動平均方法をとつておりますると誤差が割合少くて済んだかと思いまするが、最込の状況から見まして、例えば二十三年度基礎にする、或いは二十年度基礎にする、こういうような計算をとつて参りましたので、基礎が違いますために結果が違つて参つたというように私ども考えておる次第でございます。従いいまして相続税考え方にきましては、なお過去の実績というようなもりにつきまして再検討を加えまして、できるだけ的確なものにいたしたいと考えておる次第でございまするが、差当り相続財産と申しまするのが、毎年平均的に出て参りませんので相当波動がある、そこで見積り基礎といたしましては、本年はこの方式が正確ではなかろうかと、まあかように考えたような次第でございます。
  13. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 相続開始状況如何によつては、如何にも相続財産年度によつて違うかも知れませんけれども年賦延納関係平均されて行くのではなかろうか。従つてこういうふうな波動というのはちよつと想像がつきませんですが、どういうふうな関係なんですか。
  14. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 最近は、お導ねのその年賦延納の分によりまする計算が、非常な精密さを以つて計算いたすというほどの重要性を持たなくなつたような気がいたしまして、年賦延納計算は、いたしてはおりまするのですが、税收といたしましては余り全体を左右する要素でないというように考えております。問題はそのとしどしにおいた開始されまするところの相続について現われる課税財産額が幾らであるか、これが相続者財産構成或いは財産の高さによりまして違つて参る、それをできるだけ正確に把握することが、予算を立てまする場合の重要性が強いと、かように考えた次第でございます。なお相続税收入といたしますれば、予算のほうといたしまして二十数億円、三十数億円というような数字でございまして、これは現在ありまするところの税体系全体といたしますれば、ウエイトが非常に低過ぎるというような気がいたします。この点はなお農地価格、或いは不動産価格等価格統制関係によりまして正常の状態に戻つておらない、それから有価証券がまだあるべき実価を反映しておらない、こういうような点が非常に大きな点だと考えておりますのですが、これらが正常の軌道に乗ります場合においては、相続税税收相当期待すべき国庫財源一つでありまするし、予算見積り方式につきましてももつと合理的な方式考えて参りたい、かように考えておる次第であります。
  15. 九鬼紋十郎

    九鬼紋十郎君 青色申告についてちよつと伺いたいのですが、青色申告が、都会は知りませんが、地方におきましては随分これが実施に協力しておるのですが、実際問題としてなかなか青色申告ができないので、予定申告者数の三割程度申告しかないということを聞いておるのですが、この青色申告については、一層検討されなければならないところが相当あると思うので、例えばまだまだ一般の中小商工業者については、その申告が厄介だというような声も聞くのでありますし、なおそれから税務署のほうで青色申告をした者については、鵜呑みにでもしてもらうのだつたらこれはすぐにでも相当出て来ると思いますが、そういうわけじやなくて、やはり見込額をかけられるというようなことになつて参りますと、恐らく青色申告というものの実施は非常に困難なことになつて、恐らくあつあいうものがあつて有名無実のようなことになるのじやないかと、こう考えるのであります。それだから一つ政府のほうは、青色申告についてどういう見解を持つておるのか、全国的に言つてどのくらいのパーセンテージになつておるか、その点を一つお伺いしたいと思います。
  16. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 只今お尋ねのございました青色申告の数でございまするが、大体パーセンテージを申上げますると、昨年の十一月の調査でございまするが、営業者につきましては、全体の納税者の約六%九、それから農業所得者につきましては二%九ということになつておりまして、その他の所得者を合せまして、納税人員に対しまする割合が四%二という程度でございます。このパーセンテージを弾き出しました基礎が実は問題でございまするが、基礎は、本年度補正予算考えております納税者よりは多少多うめの数字をとつておりますので、実際の本年の予算に現われております程度納税者でありますれば、この数字は多少上るかと思いますが、大した差違はないわけでございます。  それから法人につきましては、平均いたしまして五一%が青色申告をいたしております。なお御承知のように、資本金が三百万円以上というような法人は、国税局の調査課所管、それ以下の法人は税務署所管、なお所得金額によりまする区別はございますが、大体においてそういうことになつておりますが、その系統に分けて調査をいたした結果は、大法人でありますところの調査課所管の分は八一%が青色申告をしておる。それから税務署所管は五〇%ということになつております。
  17. 九鬼紋十郎

    九鬼紋十郎君 今農業とか或いは全体から見たパーセンテージから見ますと、非常に低い率になつておりますが、どうもこういう低い率のものを、今ここにもつとその青色申告を作つた意味を十分に活かす考えからして、何とか政府として手を打たれる必要があると思うのですがこれについて何故こういうふうに少いか、或いはもつと一層徹底を欠いているのか、その点について御意見を承わりたいと思います。
  18. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) この問題につきましは、実は国税庁から、国税庁が現に持つておりまする考え方お話申上げさせて頂いたほうがよいと思いますのですが、なお只今御質問の点につきまして、要点を申上げさして頂きますれば、青色申告という制度は、税制を正常な軌道に持ち上げますところの一つの大きな刺戟であると考えておる次第でございます。この青色申告が適正に運営されさえいたしますれば、税の計算方法、それから税額の決定の仕方というものが合理的になつて参りまするばかわでなく、争いを杜絶するという効果を持つているものと考えております。従いましてこのような制度を我が国でできるだけ早く育成、普及することが必要であろうと思いまするのですが、何分にもこれらに対する準備が今までそう進んでおりませんので、一朝一夕にその全的な効果を望むことは困難と考えられますので、漸進的にこのような方法に持つて参りまして、而も青色申告について相当努力をいたしておりまする納税者につきましては、その努力に報いるだけの税務行政上の対策を考えて参る、かような点で只今進んでおる次第でございます。その点につきましては、只今パーセンテージについてお話申上げましたように、記帳関係に現われておりますところの調査課所管の法人につきましては、八一%というような高い数字を示しておりますばかりでなく、税務署所管の法人につきましても、五〇%まで青色申告手続が済んでおる、かような次第でありまして、これからはどちらかと申しますると、個人営業者、それから農業者というような方面に、この青色申告方式が伸びること考えます。その点につきましては、各方面からいいろいろの御意見が出されておりまして、第一に記帳をなるべく中小営業者或いは農家等に適合するように余り手数をかけないで負担にならないような帳簿方式というのを考えて、それを国税庁、国税局、税務署が認めて欲しいと、こういう要望が非常に強いと思います。こういう観点につきましてはなお調査を重ねました上で、できるだけその要望に副うということが必要だろうと考えております。  それからなおもう一つ考え方といたしましては、帳簿記載の上において誤があれば更正決定をいたすというようなことになつてもおりまするし、それから帳簿記載その他について不備欠点があれば青色申告を取消すというような規定がございまして、この点相当問題になつておるような次第でございますが、税務当局の方針といたしましては、多少の不備欠点というようなものは、できるだけ好意的な指導によりまして訂正して正確なものに直してもらつて参る、そういたしまして、青色申告を簡單に取消すというようなことはいたさない、かような行政の運営が考えられておる次第でございます。  なおこの青色申告の振わない原因といたしましては、やはり現在の納税負担が相当強い、青色申告をして正確な帳簿或いは税額計算ができるということになりますると、青色申告をしておらない者との租税負担に対する釣合いの問題がうまく解決できるか。例えば帳簿を付けてないのでありまして、適当な課税を受けることによつて負担が軽くなる、相当の手数をかけ、費用をかけて帳簿を記載しておつて、結局納税面においてそれらの努力をいたさない人々との間に却つて不権衡が生ずる、この点が是正されない限りは、青色申告制度を全面的に支持することは困難ではないかと、かような意見が巷間において相当強く要望されておるような次第でございます。これらの問題につきまして、できるだけ現在現われておりまするところの不合理な点を取除いて、合理的な点を推し進めて行くと、こういうような点に青色申告の将来があるものと考えておる次第でございます。
  19. 九鬼紋十郎

    九鬼紋十郎君 今大蔵当局の言われた税金の非常に過重であるということが、この青色申告パーセンテージの少い原因だと思いますが、その点につきましては、十分認めておられることはよくわかりましたので、その点生活費とか或は経費というものを十分見てもらうような方法で、相当程度その経費を認められるというような方法で以て、是非考慮を拂つてつて頂くように切望いたしたいと思います。  なおもう一つ、昨日の御説明にありました、法人利益が五二%を大体予想しておる、そういう基礎によつて計算したのだということでありますが、その点まだ十分に私説明がわからなかつたので、もう一度法人全体の資本金をどのくらいに見積つておられるのかといつたような点を、もう少し基礎的な御説明を願いたいと思います。
  20. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 先ず利益率計算いたしまする場合には、前提となります資本の額を考える必要があると思います。従いましてその数字を私どもは税の関係において総計を各税務署に命じて作成させているのでございますが、これを会社表といつております。会社表には拂込資本金額、それから昔の言葉で言います公称資本金ももとより入ります。それから利益金額、欠損金額積立金というようなものを二月三十一日現在によつて作成させております。従いまして現在私どもの手許に持つておりますのは、昭和二十五年の三月三十一日末の資本金その他でございます。そういたしまと昭和二十六年分法人税計算いたします場合は、昭和二十六年四月から二十七年三月までの資本金を計算する、かようなことなことに相成るわけですが、二十五年の三月から二十七年の三月までに至る拂込資本金というのを今度は推定して加える必要がございます。それと同時に二十五年三月の積立金はわかりますが、それから二十七年三月までの積立金は幾らあるかということを又これも推定する必要がございます。それで佛込資本金のほうは証券取引所におきまして、百万円以上の増資、新設等に関する調査をとつております。そこでそれを一つの材料にいたしますと同時に、証券取引所の調査に漏れている部分を何らか補う必要もございますので、それは私ども過去三年来の拂込資本金の増加の趨勢を一応考えまして、天体達観で拂込資本金というものを加えております。なお積立金利益の何割くらいが通常利用されているかというような点を過去の実績に見まして加える。かような計算をいたしました結果二十六年の四月から五月、六月、毎月の只今申上げました運用資本金が計算されて、それが加重平均平均されるということを考えますと、その平均を一応三千九日十六億と考えた次第でございます。実数について申上げますと、昭和二十五年三月三十一日現在におきますところの拂込金額は、一応税務統計によりますと、二千二百五十一億円と現われております。それに対しまして積立金が三百五十八億円ということに相なります。これに対して只今のような、二十五年の四月以降の拂込と積立金増加を加えまして三千九百十六億というような数字を弾き出した次第でございます。  それからその次の利益率の五二%でございますが、これは最近におきまする総資本金の高くなる会社を約三百程度選定いたしまして、その運用資本金に対しまする利益率計算いたしました。これは昨日申上げましたように、会社決算面に現われます利益は、これはよりもつと低うございます。ところが税務官庁において調査をいたしましたら幾らの取得になるかということを別途計算いたしまして、その税務官庁において調査した取得を基礎にして計算いたしましたのがこの五二%という数字でございます。なおモデルに挙りました三百程度法人は運用資本金の関つ係から申しますと、全体の法人の約八割程度に匹敵するものでございます。これで大体の趨勢は考えられ得るという前提に立ちまして、なおこの三百程度会社によつて計算された直接の数字を多少全体の傾向から推して、引くるめまして五二%といたした次第でありますが、この詳細の点につきましては、なお私ども只今検討を続けておりまするので、整理をいたしました上で申上げさして頂きたいと、かように考えておるのでございます。
  21. 森下政一

    ○森下政一君 所得税の税率か、今度前国会に提案された一—三月の臨時措置そのままに改正されることになつておりますが、私は資料として、一遍計算したものを要求したいのは、大体率の刻み方が百分の五ずつ一段階ごとに殖えて行くことになつておりますが、五万以下の金額を百分の十として、それから五分ずつ上つて行くと、こういう段階の刻み方をいたしますると一体どれくらいの減收になるか。これを一遍計算をして資料として配付をして頂きたい、こう思うのです。  それからもう一つ、税につきましては、いろいろな質問を持つておるわけですが、根本的に一つの明示してもらいたいと思うのは、今回の税法改正について、先般政務次官が説明をいたしました中に、基本的な方針として減税を断行した、これが第一項です。減税を断行寿と言われるのは、いろいろに税率も下つておると思うのですからこれはおおむね了承できますが、第二には、負担の一層の公平化と合理化を図るために必要な若干の補正を行う、こういうことがあるのです。どれとどれとが今度提案されておられる中で負担の公平化と合理化を狙つたところの措置であるのかということを、あなたのほうから一遍聞かしてもらいたい。  それから第三として、説明されるところはは朝鮮動乱後国際情勢に対処して、我が国の経済自立を達成しなければならん、その緊急度が増しておるので急速に資本の蓄積が要望望されるから税制上、資本蓄積に資するために各般の措置を講じたとあるが、その各般の措置とは一体どれとどれがそれに該当するのか。この要綱で私どもが見まするとき大体了承できるのですが、要綱のに盛られていないいろいろなものが含まれておると、こう思えるのです。それを一つ、これとこれをがそれだということを漏れなく説明をしてもらうことが肝要だ、こう思うのです。私とも新旧税法を対照して一々捨い出すべきであると思うけれども、これはなかなか大変です。だからもつと懇切に、要綱でこれ肝要なところだという、だけではなく、もつと漏れておるところがあると思いますので、そればみんなにわかるように、あなたのほうから説明を一遍願いたいと思う。伺し私、昨日の委員会も所用のため欠席いたしますので、説明が済んでおれば速記録で拜見いたします。
  22. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 只今御要求になりました資料は、これはできるだけ早くお手許に差上げたいと思います。  それから二番と三番の問題でございますが、これは今度の税制改正の根本的な問題でもございますので、いずれ主税局長から総論的にお話を願つたほうがいいと思いまするが、なお要点を、表のようなものにして差上げたほうがよければ、らかじめ準備をして置きたいと思います。
  23. 森下政一

    ○森下政一君 只今おつしやつたように、どれが一体負担の公平化と合現化に該当する分だ、どれが資本蓄積に資する各般の措置なんだと、これは表のようなものにして、個條書でもよろしいから、私どもがすでにもらつておる要綱以外にもあると思いますから、漏れなく一つ羅列して、私どもに示してもらいたいと思うのです。例えば一つ例を挙げますると、法人税法改正の中にも、プレミアムを付けて発行した株のプレミアムというものを、全体益金に計算されないということになつておる。これは要綱には何にもないのです。頂いております要綱にはそういうことはないように思うのですが、やはり資本蓄積に資する目的の措置じやないかと思うが、すべてを一つ網羅して、羅列した一覧表のようなものを作つて頂ければ大変便利だと思います。お願いして置きます。
  24. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の大矢さん等の質問の基礎をなすと思うのですが、安定本部で作業をしておる国民所得計算について、いろいろ具体的に明細を聞きたいと思うのですが、その手続をしてもらいたいと思います。いろいろここに法人税計算とか所得税計算等についてもらつておる資料で、今も一応の御説明がありましたが、そういうことは安本の作業とはどういうふうな関係になつておりますか。
  25. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 問題は二つございますように考えます。一つ所得税の問題でございますが、所得税の問題にいたしますれば、私ども考え方といたしましては、過去の課税実績というものを一応基礎にいたしまして、それに対して昭和二十五年、六年というような将来の経済情勢を、一定の経済指標について推計して参る、かような方式考えておる次第でございます。従いましてこの私どもの過去の実績に対しまする適用割合と、国民所得の増減の傾向というものとが、これはできる限り一致すべきものであるかように私ども考えておりまして、できるだけその間達連絡を図つております。で昨年の補正予算におきましては、その関係が非常に緊密に参つておりおりまして結果も大体同一になつておりますることに、すでに御審議の結果明らかになつておると思いますが、昭和二十六年度におきましては、予算はすでに昨年の暮に提案いたしまする予定で準備を進めておりましたような関係で、大体において昨年の十月が水準になつております。ところが国民所得のほうは時々刻々情勢の変転に伴いまして改訂し得る性格を備えておりまするので、原則的には十月水準といたしまして、国民所得の推計と所得税基礎といたしました数字とはお互いに連絡がとれて、多少の差違につきましては、全部御説明ができるというように私ども考えておる次第でございます。  それからもう一つ法人税につきましては、やはり国民所得関係からいたしまして、法人所得というものを推計いたしまして、国民所得の内容に取入れるようにいたしてありまするが、只今の段階におきましては、個人の所得としては、国民所得計算考え方につきましても、相当精密な考え方がとられておると思いますですが、法人所得額の計算につきましては、なお研究の道程にあるように私ども考えられます。そうして大体におきまして国民所得計算が、法人につきましては、税の資料を基本的な材料に使つておる。まあ将来別な基礎資料が出て参りますまでは、法人税課税資料相当有力な基礎資料になつておる次第でありまして、この点につきましては、原則的な差違が起らない、かような結果になつておると思います。国民所得の詳細なことにつきましては、経済安定本部の担当の向からお話申上げる筋だと思いますですが、私ども税との関連において、只今さような点は明らかに申上げることができると思います。
  26. 小林政夫

    ○小林政夫君 特に安本から説明を求める場合に、先般発表された自立経済審議会の自立経済、二十六年度からと思うのですが、それとの関連がはつきりするような資料を以て説明されたいと思います。  次に生命保険の控除ですが、この二千円及び相続税の場合の十万円、この算出の基礎は、どういう点でそういう金額が出たわけですか。
  27. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 先ず所得税の方面におきましては、保險料の佛込金額が年間二千円以下のものに限つて控除とするというような提案をいたしておるような次第でございます。この二千円ということにつきましては、大体において保険金が平均五万円程度になるのではあるまいか、この程度の保険でございますと、簡易保険というようなものとも考え併せまして、国民の何人もが一応は関係のある保険の限度である。いろいろと考えますれば、この保險料控除というものについて本際限のない問題でございまするが、保険料の佛込金額が一応金融機関の手に入りまして、これが産業方面に活躍するという点におきましては、まあ資本蓄積という観点から、控除の問題をこの際取上げたい。而も国民の大多数に関係のあるというようなものである点と、それから財政面で考えられまするところの、大体における負担軽減の限度というものを考えまして、保険金が大体五万円というところを狙いまして、佛込保險料で二千円というような御提案を申上げた次第でございます。  それから相続税におきましては、又同じような基礎におきまして、まあ資本蓄積に資するという面を相当重要視して、改正を御提案申上げた次第でございまするが、御承知のように昨年の改正以来相続税は、相続人の取得いたしました相続財産に対して課税されるということになりまして、例えば被相続人が五十万円の現金を受取りましても、相続人が多くなりますと、それが分割されて、一人々々の相続人課税されるというようなことに相成ります。そこで平均相続人の構成を考えまして、なお最近行われておりまするところの保險契約の大体の平均額から見た大衆的と思われる保険の契約高というようなところを考えまして、御提案申上げたような金額を一応提案さして頂いた次第でございます。平均の家族構成が大体四人ということに相成りますれば、四十万円程度の保険金につきましては課税を受けないかようなことにも相成ろうかという数字でございます。
  28. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 今のに関連しまして、そうしますと、保險料、そういう庶民的な大衆的な保険料につきまして減税をするという、控除するということになつているので、そうだとすると、健康保険その他の社会保險についてもそれを考えて然るべきだと思いますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
  29. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 御尤もな御質問だと考えておりまして、実はその点只今いろいろ研究を進めておる次第でございます。そこでただ一つ考えられまするところは、所得税に限つて申上げますると、所得税におきまするところの大体の考え方と申しまするのは、一応経済的な犠牲、或いは投資というものを行いまして、それに対しまして、或る一定の超過收益が上ると、それが大体所得の根本思想をなしておるように考えられておる次第であります。従いまして保険金を佛込んで置きますると、それが将来保險金になつてつて参るというようなことになりますると、保險料を合計いたしまして、そこで投資額というようになります。なお一面におきまして、保險金が入つて参りました場合、その差額が出て来ます。これは一応所得というような観念に相成るのではないか。現に養老保険におきましては、そのような見解をとつておりまして、養老年金を受取りました場合、保險金と佛込保険料の合計額との差額は、これは保険金を取つた年の所得になるこのように見ておるような次第であります。それでそのような考え方をとります場合と、只今の健康保険料のように、健康保険給付というものが所得にならないかという面から考えまして、給付が所得になるものであれば、経費というような考え方で、保険料が所得から落ちるというようなことを考えるべきか、それとも又、給付が全然所得の範囲から漏れているものとすれば、それに対して佛込保険料というものが、所得とは別な範疇にあるものとして、控除するという問題を引き起さないように考えるか。まあこういうような基本的な問題が横たわつておると考えられまするので、只今研究中でございます。
  30. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その基本的な問題の検討は、成るほどいろいろありましようし、非常にむずかしい問題ではあると思うのですが、それをどういうふうに理由付けるか、どう考えられるかということはあとでもいいんじやないかと思うのですが、ただ負担の公平なり、平等を考えれば、この際どうしてもやはり生命保険の保険料を控除されるならば、それと合して是非大衆的な保險料は控除に入れて頂きたいと、それで理由付けば、あとでどうにでも理由付けて頂いて結構なんじやないかというふうな気がするのですがこれはもし当局のほうでそういうふうに決定すれば、何らの改正その他を必要とすることなしに運用として実施できるのかどうか。
  31. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) この問題につきましては、今回御提案申上げました法文の表現から申上げますれば、解釈或いは取扱では困難であろう、かように考えております。
  32. 野溝勝

    ○野溝勝君 簡單に忠さんにちよつと伺いますが、先ほど大矢さんの御質問の際に、酒税のことですが、私の聞き間違いかどうか示りませんが、忠さんのお話では、米はもう確実に入つて来る、それから麦も大体予想がついたということでありますが、それは確実なのですか、どうですか、この点をはつきり聞いて置きたいと思います。
  33. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 米は昨年の暮から本年にかけまして順調に入つております。それから麦は今年の夏の收穫でございまして、この收穫状況によりましては、多少問題としては残されておるはずでございますが、契約栽培等の実績等が、ございまして、過去の実情から申上げますれば、この点について心配は少いであろう、かような推測を申上げた次第であります。
  34. 野溝勝

    ○野溝勝君 その点がですね、今農林省は麦を統制から外そうという意図を持つておるわけです。そうするとね、具体的なものはちよとつかみにくいと思うのですが、その間における農林省とあなたのほうとの話合いはどういうふうになつておるのですか。
  35. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 実は甚だ申訳ございませんが、その点について私余り関係いたしておりませんので、いずれ担当のほうから申上げさして頂くことにいたします。但し御承知のように、ビールの麦につきましては、各地に契約栽培の多年の実績と申しまするようなものを持つておることは事実でございまして、大体においてこの点は釀造業について相当強味であると考えておる次第であります。
  36. 野溝勝

    ○野溝勝君 その点はですね、十分一つ係のかたと……、係というとどなたが係ですか。
  37. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) 国税庁間税課になります。
  38. 野溝勝

    ○野溝勝君 そこで私は非常に不安があると思つておる。そういう点から見ると、先ほどの税收予想ども減收になる見込はないというお話でありますが、この表の上から見てもですね、すでに減收になつておるわけです。いわんや麦の問題が今度自由枠になるということになりますれば、それで国際関係の食糧輸入の問題なども睨み合せれば、そこに私い一抹の不安があると思う。更に結果的には税收方面にも影響を来たして来ると思うのであります。こういう点に対する感想は、どういうふうに思つておりますか。
  39. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) その点につきまして、どうも私不勉強で申訳ございませんが、なお実情を詳しく調べて見まして、できるだけそういう不安がないように努力いたしたい、かように考える次第であります。
  40. 野溝勝

    ○野溝勝君 そこで最後ですが、忠さんね、済みまんが、その点に対して今一応農林省のほうと特に折衝してここで又御答弁といいますか、願いたいと思います。
  41. 忠佐市

    政府委員忠佐市君) かしこまりました。
  42. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 さつきの保險料控除の問題に関連するのですが、この問題は厚生省の健康保險を扱つておる方面でも相当問題だと思いますので、一つ委員長にお諮り願つて、然るべく保險局長ですか、どなたかの御出席を求めて、その意見も聞くように御提案を申上げたい。それからもう一つ、若しそういう社会保険を控除の対象としたら、どのくらい一体それを控除に入れるために減收になるかという見積りがおできになるならば、それも一つ資料として御提出願いたいと思います。
  43. 野溝勝

    ○野溝勝君 その際に私のほうも関連がありますから、いつの機会にでもよろしゆうございますから、食糧庁長官を一つこの席へ招致願います。
  44. 小串清一

    ○委員長(小串清一君) 今日の会議ほ、大体この辺で終りたいと思ますが、本日は重要なお申出でが森下君、小林君、それから只今野溝君、佐多君から出ておりますが、それぞれこれらのうち資料を成るべく懇切に政府のほうで調製してもらいたいと思います。  なお今御要求のあつた食糧庁長官安本方面の関係のかたはいずれこの席に出て皆さんの質問に答えられるように取計らいますから、さよう御了承願います。  それではこの程度で本日は散会をいたします。    午後零時十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            杉山 昌作君            森下 政一君    委員            愛知 揆一君            岡崎 真一君            九鬼紋十郎君            清澤 俊英君            佐多 忠隆君            野溝  勝君            松永 義雄君            小宮山常吉君            小林 政夫君            高橋龍太郎君   政府委員    大蔵省主税局調    査課長     忠  佐市君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君