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国務大臣(
田村文吉君) 先刻
ちよつと私設
郵便の
お話がありましたので、これを申上げますが、私設
郵便は戦後から交通が非常に不便になりましたので、まあ初めの内は会社がみずから本支店の間に人を走らすというようなことをや
つておつたが、これがだんだん職業的になりまして、ではここの会社が引受けようというようなことがだんだんひどく
なつて参つた。併し御
承知のように
郵便はだんだん
状態が戦争前の
状態に近いまで今日配達期間が短縮しておる。そういうような
関係でだんだん減る傾向に
なつたが、一度やつたものがずつと
相当に繁昌してや
つて行けるというようなことは、こちらの
施設状態がよく
なつて来ておるにもかかわらず、それが残
つておるということはいつまでも許すべきでないということから、先般検挙いたしました。併し一面には官のほうの
郵便事業自体にも不完全なところがあるからそういう商売が成立つのだと、こういう点に反省をいたしまして、例えば夕方出した
郵便を朝までに届けるというようなことにサービスをいたすべくそのほうの
努力をしておるわけであります。
それから今の電話のスキャンダルにつきましては、私も
ちよい
ちよいそういう報告を受けておるのでありまして、誠に遺憾なことでありますので、こういうことをなくするようにいたしたいのでありまするが、現在来
年度においてすでに申込まれておる数が累計およそ七十万個と
考えられます。なお隠れた需要というものもまだ百万や百五十万あるのではないか。この国民の満足をするような投資をするということになれば、少くともこの一両年の間に千五百億くらいの金を入れませんとできないのでありまして、そういう金を全部
政府で以て出してやるというようなことも事実できない
状態でもありまするし、財政の
状態等を睨み合せまして、今年は百三十五億の預金部資金のほかに、みずからの償却費によ
つて得ました八十億を加えました二百二十億で今
年度の建設
勘定はいたすということに
なつておるのでありますが、なおそれだけでは行けませんので、さつき申しましたように、もう少し需要家の利益する人が或る
程度金を出すというようなことを
考えるのが実は一番手取早いのであります。と申しますのは、戦争前には、電話は高いときには一月二千円くらいの負担金を拂つたのであります。まあ少いときでも五百円くらいの負担金は出したのであります。そういたしますと、今日この物価の倍数で申しますると、十万円とか、或いは多い場合には七、八十万円の金に該当するのであります。だから、昔はそういう金でやつたのであります。今はそうでなくて何もかも国家でやるということに
なつておりますことは、如何にまあ
予算の獲得が技術的に上手であ
つても、これは到底私はいかんと
思いまするので、一面において工事のやり方についても、できるだけ経済的なやり方をするということが
一つと、もう
一つは、もう少し民間の資金を入れる
方法についてあちら方面の御了解を得たいと思
つて努力いたしておりましたが、先刻
お話のありました、二年も三年も引かれないというような電話は、いわゆる不可能
地域として、全然電話の線がその近所に
行つていないところは、一個や二個の電話のために莫大な費用をかけるわけには行かないから、不可能
地域として置いたのでありますが、今度これに対してあちら側の了解を得て、これに対しては特別な経費を負担してやるということになりまして、それはすぐ実行に移したいと思
つております。そういうようないわゆる
政府の企業としてやる場合には、徹底的に、或いは民間の金を借りたりしないで、全部国家の
資本でやるべきであるというような在来のGHQの御
方針があつたのでありますか、まあ日本の現在の
実情から言うと、そうばかりにはとても行かんというよなことから、今のような
方法を次から次と了解を得て進んでおるわけであります。まあ今後も各方面について、そういうようないわゆる受益者のかたがたから或る
程度負担してもらうというような
方針で進んで行きたいと、こう
考えております。