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1951-02-02 第10回国会 参議院 大蔵委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年二月二日(金曜日) 午後一時三十八分開会 ————————————— 本日の会議に付した事件 ○
理事
の
辞任
及び
補欠
の件 ○
郵政事業特別会計
の
歳入不足
を補て んするための
一般会計
からする繰入 金に関する
法律案
(
内閣送付
) ○
厚生保險特別会計法
の一部を改正す る
法律案
(
内閣送付
) ○
食糧管理特別会計
の
歳入不足
を補て んするための
一般会計
からする繰入 金に関する
法律案
(
内閣送付
) ○
食糧配給公団
の
清算経費
の
財源
に充 てるための剩余金の
使用
に関する法
律案
(
内閣送付
) ○
アルコール
專売
事業
特別会計
からす る
一般会計
への
納付
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣
送付
) —————————————
小串清一
1
○
委員長
(
小串清一
君) それではこれより
大蔵委員会
を開催いたします。 先ず
理事
の
辞任
及び
補欠互選
の件についてお諮りをいたします。かねて
佐多理事
から都合によ
つて
本
委員会
の
理事
を
辞任
されたい旨のお申出がございますが、これを許可することに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小串清一
2
○
委員長
(
小串清一
君) 御
異議
なしと認めます。つきましてはその
補欠
を
互選
いたさねばなりませんが、
互選
の
方法
は、
成規
の
手続
を省略いたしまして、
委員長
にその
指名
を御一任願いたいと存じますが御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小串清一
3
○
委員長
(
小串清一
君) 御
異議
なしと認めます。それでは私から
佐多
君の後任として
森下委員
を
理事
に
指名
をいたします。 —————————————
小串清一
4
○
委員長
(
小串清一
君) これから先般大体の
説明
を聴きましたところの
郵政事業特別会計
の
歳入不足
を補てんするための
一般会計
からする
繰入金
に関する
法律案
、次に
厚生保險特別会計法
の一部を改正する
法律案
、
食糧管理特別会計
の
歳入不足
を補てんするための
一般会計
からする
繰入金
に関する
法律案
、
食糧配給公団
の
清算経費
の
財源
に充てるための
剰余金
の
使用
に関する
法律案
、もう
一つアルコール専売事業特別会計
から
一般会計
への
納付
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
、以上五案につきまして
只今主計局
の
法規課長佐藤
君が見えておりますから御
説明
を求めます。
佐藤一郎
5
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) すでに
提案趣旨
の
説明
によりまして大体のことがわか
つて
おりますが、なお各省に詳しい御質疑があります前に
概略
を申上げておきます。 最初に
アルコール専売事業特別会計
から
一般会計
への
納付
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
、これは御
承知
のように従来
アルコール等
、他の場合にもそうでございますが、
特別会計
が
固定資産等
を
増加
いたします場合には、
一般会計
がその必要な
経費
を繰入れて参
つた
のでございます。それは従来はどちらかと申しますと、
一般会計
から繰入れている場合が多か
つた
のでございますが、この
アルコール
の
特別会計
におきましては、最近になりまして
資産
を
減少
するような状態に
なつ
て参
つて
来たのであります。と申しますのは、御
承知
のように
原料事情
が緩和されまして、その
統制
が外されました。その結果、従来
甘藷
の
手持
を
相当
余計にしておらなければならなか
つた
のがその必要がなくなりまして、
従つて固定資産
においてはなお少しく
増加
をみておりますが、
手持
の
作業資産
が著しく
減少
して参りました。それで従来
資産
が殖えた際にその
資金
の必要なるものを
一般会計
から繰入れておりました、丁度その逆に、今度は
資産
の
減少
によりまして、資本に余裕を生じた分は従来と逆に
一般会計
にお返しをするという必要が起
つて
参
つた
わけであります。
昭和
二十五年度においてもその必要がございまして、昨年
法律
によ
つて
その御審議を願
つた
わけであります。その際は二十五年度限りというつもりでございましたが、二十六年度におきましても同様の
状況
が続いて参りますので、ここにその
法律
の延長をお願いいたしまして、二十六年度にも逆に
資産
の
減少額
を
一般会計
に
納付
し得るような途を開くということにいたしたわけでございます。御手許にございます
昭和
二十六年度のこの
特別会計
の十定
損益計算書
を御覧になりますとわかるのでありますが、
昭和
二十六年度におきましては
固定資産
におきまして二千四百万円の
増加
がございますが、逆に
只今
申上げましたような
事情
から
作業資産
の
価格
におきまして一億九千二百万円の
減少
になりまして、差引一億六千万円
余り
というものはこの
法律
に基きまして
只今
のところでは
一般会計
に
納付
する
予定
に相成
つて
おるわけであります。これが
アルコール特別会計
から
一般会計
に
納付
する
特例
に関する
法律
の一部改正の要点でございます。それから
厚生保險
について
簡單
に申上げます。
厚生保險特別会計
におきましては、
事業
の性質上、
療養施設
その他につきまして純粋の
保險以外
にそういう
福稲施設
に
資金
を支出する途がすでに開かれておるわけでございますか、最近
結核対策
を拡充いたしますにつきまして、従来この
保險関係
の
療養施設
というものは、いわば副業的というか、そういうような見地からなされておりましたために、必ずしも
一般
の水準に照して十分でございません。国の経営いたしております
病院
があまり貧弱ではというような点もございますし、併せて
結核病床
の
増加
を図る
意味
から、この
保險
といたしまして
福祉施設費
から支出をいたそうということになりました。それで直接
組合管掌
によりまして三千床、それから本
特別会計
の
福祉施設
によりまして四千床の
増加
を図る。独立のこのための
療養所
を設置するということになりますと
予算
の
関係
上
相当
の
経費
を要しますので、差当りまして大部分は既設の
病院等
に附設をいたしまして、四千床の
増加
を図ろう。その四千床の
増加
のために約六億の
経費
が必要でございまして、このうち三分の二の四億は
健康保險勘定
が持ちまして、三分の一の二億というものを
一般会計
からこの
会計
に補助的にいわば繰入れるわけでございます。それから次に
食糧管理特別会計
の
歳入不足
を補てんするための
一般会計
からする
繰入金
に関する
法律案
、これは毎国会、実は
金額
は違いますが、同じような
法律
を御審議願
つて
おるわけでございまして、すでに
皆さん
もこの
事情
ついては御了承願
つて
おるわけでありますが、御
承知
のように
米麦等
のペリテイが
上つて
参りますにつきまして、
保險
の反当
共済金額
というものもおのずから
上つて
来るわけであります。それに伴いまして
共済掛金
もおのずから
上つて
来る。併しながらこの
共済掛金
は当然本来であ
つた
ならば
消費者負担
になるという建前になるのでございますが、
只今
のような
価格政策
の
状況
におきましては、それを直ちに
消費者
に転嫁するということが不適当でございますので、
昭和
二十二年頃でしたか、それ以来ずつとそれを
一般会計
が
消費者
に代
つて負担
をし得るような
法律
的な
措置
を講じて参
つて
おります。その結果といたしまして、
消費者
が当然負担する
予定
に
なつ
てお
つた
ところの
共済掛金
の
上つた分
を
一般会計
からこの
会計
に繰入れるということに
なつ
ております。
昭和
二十六年度におきましては、
昭和
二十五年度において
水稻
の
共済金額
を反当三千五百円と見ておりましたのを、二十六年度においては五千三百円というふうに上げる
予定
に
なつ
ております。
陸稻
におきましても同様でございます。麦におきましては、
パリテイ
は上りましたが対
米価比率
が下りますために、二十五年度同様に二千百円ということで、変
つて
おりません。そういうように反当
共済金
が
上つて
おります。これは
昭和
二十五年度の
平均パリテイ
を一五六としたのに対しまして、
昭和
二十六年度におきましては
パリテイ
を一九五と、大体本年の九月の
パリテイ
をそう予想いたしまして、その結果としてこれだけの反当
共済金額
の
引上げ
が行われる、そのために必要といたします四十一億何がしの
金額
を本
会計
に
一般会計
から繰入れるいとうための
法律
でございます。 それから第四番目は、
食糧配給公団
の
清算経費
の
財源
に充てるための
剰余金
の
使用
に関する
法律
でございます。御
承知
のように、
食糧配給公団
は
昭和
二十六年四月に解散いたしまして
清算事務
に入るわけでございます。それで現在までのところ二十五年度における
剰余金
が約十四億ばかり見込まれるのでございます。これは
公団法
の規定に基きまして当然
一般会計
に
納付
すべきものでございますが、
昭和
二十六年度の
清算経費
が
相当
にかかりますので、この
歳入
の一部分と比較しましてこの十四億円を
財源
の引当にするために、特に国庫にこの際
納付
いたしませんで、
清算経費
に充てることができるという
措置
を構ずるためのものであります。 それから最後の
郵政事業特別会計
の
歳入不足
を補てんするための
一般会計
からする
繰入金
に関する
法律
でございますが、これもここのところずつと
郵政事業
は御
承知
のように料金が釘付けに
なつ
ておりまして、そのために一方において
ベースアップ
その他のために
相当
の
所要経費
の
増加
を見ておりますが、この赤字を
一般会計
から繰入れる必要がございまして、今般三十五億円の繰入れを
予算
に計上いたしております。そのための繰入れの権限を
法律
によ
つて
與えるための
法律
でございます。昨年は十二億八千万円の繰入れがございましたが、二十六年度におきましては、
ベースアップ
の結果三十五億八千万円、二十億以上の
増加
が見込まれております。大体旧
ベース
によりますと、この三十五億円のうち、旧
ベース
に、即ち昨年度の同じ
ベース
で考えますときは十五億円でよろしうございますが、先般の
ベース
の
引上げ
によりまして、なお
一般
の
給與
としまして十六億円、それから例の年末
手当
といたしまして約四億円というものを追加する必要が生じまして、その結果三十五億円という
金額
に
なつ
たわけでございます。大体
簡單
でございますが、
提出法案
の
概略説明
を終ります。
小串清一
6
○
委員長
(
小串清一
君) 今の
説明
のありました点についてそれぞれ
事務当局
の人が見えておりますから、御
質問
をや
つて
頂きたいと思います。
皆さん
のお
選びになつたどれでもようございます
。どれでも御
質問
してよろしうございます。
黒田英雄
7
○
黒田英雄
君
アルコール
の
専売
の問題につきましては、これは先年
民間
に
拂下げ
るとかいう問題が起
つて
おるのですが、今ここに書いてあるのを見ますというと、
工業用
に良質の
アルコール
を供給しなければならんということが書いてあるのですが、あれはもう
拂下げ
というようなことは取りやめに
なつ
たのですか。それともまだ幾分
拂下げよう
という
計画
はあるのですかどうですか。その点をお伺いいたします。
井上猛
8
○
説明員
(
井上猛
君) 今の問題につきましては、一応
政府
の
方針
といたしましては、なお一部残して
拂下げ
を続行するという
方針
に
なつ
ております。従いまして、今年の初めに
北海道
の二
工場
につきましては、そういうふうに
拂下げ
を
決定
いたしまして、
一般競争入札
ですでに
拂下げ
の
買受人
が
決定
しておる次第でございます。 それから二十六年度におきまして、どういうふうにして行くかという具体的な問題につきましては、まだ
決定
いたしておりません。ただ
拂下げ
を実行するという
方針
だけははつきりしておる
状況
でございます。
佐多忠隆
9
○
佐多忠隆
君 今の問題に関連して、
拂下げ
の
方針
といいますか、どういうものを
拂下げ
て、どういうものを残すというようなおつもりなんですか。その点をもう少し……。
井上猛
10
○
説明員
(
井上猛
君) どういうものを
拂下げ
いたしまして、どういうものを残すかという問題になりますと、
相当
具体的な問題でございますが、一応我々の方で考えておりますのは、できるだけ地理的に、或いは
能力
乃至
能率
のいい
工場
というものを一応残しまして、それ以外のものを順次
拂下げ
て行こう、こういうような
方針
であります。
従つて
どの
工場
がそれに該当するかは今のところまだしつかりと
決定
はいたしておりませんが、そういう
方針
でおります。
佐多忠隆
11
○
佐多忠隆
君 そうしますと、高
能率
のものは残されるでしようが、
低能率
のものを
拂下げ
て、それを
アルコール工場自体
として
民間
が
採算
がとれる
見込み
があるのか。或いは
アルコール工場自体
としてはないが、それをもつと、より総合的な経営にほかの
商品工業
その他をくつけて始めて
採算
がとれるように
なつ
て、そういう形で
民間
は
拂下げ
を要請しようとしておるのか。それらの
事情
はどうなんですか。
井上猛
12
○
説明員
(
井上猛
君) その問題は結局総合的に経営しなければ、恐らく
民間工場
としては
採算
上不利になるのではないかと考えておりますので、結局そうい
つた
ような恰好で
民間
の方は経営するように持
つて
行くと思われます。
油井賢太郎
13
○
油井賢太郎
君
アルコール工場
の内容を拝見しますと、同じような人間がいて
大変生産額
が多い所と少ない所とあるのですね。これは一体どういう
関係
なんです。
井上猛
14
○
説明員
(
井上猛
君) 大体、
政府アルコール工場
は規模も同じような
條件
でございますけれども、問題は
原料
の、大体産地の県に一応作られております。ただ我々の方として考えなければいけない問題は、更に
需要地
との
関係
がございまして、大体
生産計画
は、そういう
原料
の手に入り易い所と、
需要地
に対する回送の便のいい所、それに
コスト
の或る
程度
有利な所、こうい
つた
ものを選びまして今のところ
生産計画
をそういう
立地條件
なり種々の観点からみて優秀な
工場
に成るべく多く作らしておる。こういう
関係
に
なつ
ております。
従つて政府工場
におきましては
生産計画
におきまして或る
程度
そういうような差がついておる次第でございます。
油井賢太郎
15
○
油井賢太郎
君 その場合
コスト
はどういうふうに変
つて
来るのです。例えば一例を挙げると、
磐田
が
大変能率
が
上つて
、
帯広あたり
はこの十分の一しかとれない。而も人数においては
帯広
と
磐田
と比べてみても
余り違い
がないという形に
なつ
ておるんです。
井上猛
16
○
説明員
(
井上猛
君) その問題は一応
資料
は作
つて
おりますが、今日間に合いませんので、明日お届けいたしたいと思います。
油井賢太郎
17
○
油井賢太郎
君 これはあなたの方から配付に
なつ
た
従業員
の数の
調べ
と、それから
生産実績調べ
とみれば明白になるんです。こんなに十分の一近くも
能率
が上らない所があるというのはどう考えても常識上おかしいのじやないかと思うのですが……。
井上猛
18
○
説明員
(
井上猛
君)
コスト
の点については
資料
を作
つて
おりますが、丁度持合せがありませんので、
コスト
の各
工場別
の
状況
は後ほどお手許に配付したいと思います。
佐多忠隆
19
○
佐多忠隆
君
実績単位
は何ですか。
井上猛
20
○
説明員
(
井上猛
君)
キロリッター
です。
油井賢太郎
21
○
油井賢太郎
君 これは何ですか。
数量
がこういうふうに違うということは、
品質
のいいのと、それから
余り
まくないものとを表わすのですか。それとも
アルコール
というものはすべて同じ
基準
の
製品
を出してありますか。
井上猛
22
○
説明員
(
井上猛
君) 大体
製品
は同じ
品質
のものでございますが、特に薄いものを作るような場合には或る限られた
工場
しかできないような場合もありますので、その
工場
だけに作らしておる場合もございます。それから
糖蜜
の
生産
の
設備
も、全部が
糖蜜
の
生産
をするという
設備
を持
つて
おりませんので、そういう場合には
糖蜜
の
設備
を持
つて
おる
工場
だけに作らす、こういうふうな
状況
に
なつ
ております。
油井賢太郎
23
○
油井賢太郎
君
さつき黒田
さんから
質問
がありましたが、
アルコール専売事業
の
民営移管
というのは、もう既定の事由に
なつ
ていて着々進行しつつあるのですか。
井上猛
24
○
説明員
(
井上猛
君) 先ほど申上げましたように、
北海道
の北見、
帯広
の両
工場
につきましては、すでに
拂下
を実施いたしました。その他の
工場
につきましてはまだ具体的に今度はどの
工場
をやるかということは
決定
いたしておりません。
油井賢太郎
25
○
油井賢太郎
君 そういう際は余ほど
国有財産
としてのいわゆる
評価
と実際
売上
との間には開きがあると思うのですが、大体で結構ですが、どのくらいで売却なさるのですか。
井上猛
26
○
説明員
(
井上猛
君)
売上
というと、どういう
意味
でございますか。
油井賢太郎
27
○
油井賢太郎
君
工場
は
拂下
をするでしよう。
拂下
をするのですから、当然
売上代金
、つまり
工場
の
売却代金
が入るのです。そうすると
国有財産
としての
評価
と、それから実際に
拂下
をした
価格
との差というのはどのくらいの……。
井上猛
28
○
説明員
(
井上猛
君) 売抑
評価
の問題でございますが、御
承知
のように
国有財産
につきましては再
評価
しておりませんので、
帳簿価格
は非常に安いものでございます。これを現在の時価で如何に
評価
するかという問題につきましては、値
下げ
後のいろいろな点を考慮しなければならないと思いますので、必ずしも
物件価格
の
評価額
そのままでは行かないだろうと存ぜられます。従いまして今度の
北海道
の二
工場
の例を取りますというと、大体私どもで
評価
いたしましたのが七千五百万円見当でございます。
一般競争入札
で落札したものが八千百五十万円でございまして、結局六百万円ぐらいの差に
なつ
ております。
油井賢太郎
29
○
油井賢太郎
君 細かいことを聞くようですが、こういう
拂下げた代金
の
收入
の部ですね。ちよつと
予算
のほうのどういう所へ入
つて
来るのですか。
井上猛
30
○
説明員
(
井上猛
君) それはまだ
予算
には入
つて
おりません。実は
北海道
の
拂下
が実現いたしましたというか、入札いたしました日が一月の十三日でございまして、これが果してその日に落札するかどうかということも予想しておりませんし、そういう
関係
で
予算
の方には未だ入
つて
おりません。
油井賢太郎
31
○
油井賢太郎
君 いや二十六年度の
予算
には当然入るのじやないですか。
佐藤一郎
32
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これは私の直接のあれじやありませんが、こういうことなんですね。
アルコール
の
売佛
についてはすでに昨年
閣議決定
もございまして、できるだけそのためにいろいろな
方法
を講じてその促進を図るという
方針
が
政府
で
決定
したわけであります。ところが、これについては勿論
評価
の問題もございますし、それからその
従業員
をどうするかという問題もございますし、実際又
個々
の
処分
に当りますと、非常に高
能率
の所には註文が殺到する、
低能率
のところは見向きもされない、これを有効適切に
処分
するについては
通産省
としては
相当
頭を悩ましておられるようであります。それで、まあその結果として、一体
方針
としてはさま
つた
が、どの
程度
のものを一体
処分
できるか、又その実際
評価
というふうなものもあらかじめ存しているわけではございませんので、
個々
の
工場
を
問題ごと
に取上げて
評価
をして行く。
帳簿価格
によ
つて
考えるわけ に勿論行きません。そういうようなことから、まあ今後逐次これをできるだけや
つて
行くということなので、いわば完全な
意味
の
予定
がまだ立
つて
おらないわけであります。それで一応二十六年度の
予算
にはそういう
意味
合いから、
予算
としては計上しておらないということに
なつ
ております。今後この
売佛
いの
代金
は、当然
只今
の
北海道
の場合には、二十五年度の収入に入る。今後具体化するに
従つて
上十六年度に入
つて
来るから、
予算
には載
つて
おらないのです。
黒田英雄
33
○
黒田英雄
君 関連して……
拂下げ
されるときの
手続
ですが、
通産省
で、
アルコール工場
としてもうそれは必要でない、拂い
下げ
をしようということを
決定
されたらば、それは
大蔵省
の
管財局
の方に移るのですか。それとも
国有財産
として移して、そうして
管財局
がこれを売却するのが順序のように思うのですが、やはり
通産省
で直接拂い
下げ
る
措置
を取るのですか。
井上猛
34
○
説明員
(
井上猛
君)
只今
の
国有財産法
では
通産省
でずつとや
つて
おります。
管財局
には移さないことに
なつ
ております。
黒田英雄
35
○
黒田英雄
君 拂い
下げ
ると言えば、
専売
では不用の
財産
に
なつ
て来るのだから、これは
雑種財産
として
大蔵省
の
管財局
に移るのは当然のように思うのですが。
佐藤一郎
36
○
政府委員
(
佐藤一郎
君)
国有財産法
によりまして、そういう
企業財産
につきましては
特別会計
に特別の例を認めておるのです。そういう場合に、
特別会計
が従来のいきさつが十分分
つて
おるし、将来のことも併せ考えるという
意味
で、
特別会計自体
がその
処分
をし得るように
なつ
ております。
油井賢太郎
37
○
油井賢太郎
君 次にお伺いしたいのですが、
アルコール
は大体日本の
化学工業
の
基礎資材
として非常に必要なのです。そういう点からいうと、
専売事業
ではなく、
民間
に渡されるということもまあ結構だと思うのですけれども、
民間
では
専売
と
関係
なしにどんどん作
つて
行くということもできる制度に
なつ
ているのですか。
井上猛
38
○
説明員
(
井上猛
君)
アルコール分
九十度以上のものにつきましては一切
専売
でございますので、それにつきましてはどんどん作るというわけには参りません。
油井賢太郎
39
○
油井賢太郎
君 そこで非常に重要な物資として何故それでは作らせないか。
井上猛
40
○
説明員
(
井上猛
君) 現在のところではなお
需給関係
から申しますというと、
需要
に比べまして
能力
が遥かにオーバーしている。従いまして、その表にもありまするように、大体
操業率
が半分以下というような
状況
でございますので、現在すでに
民間
に対しましては大体九
工場
に
委託生産
をやらしておるわけでございますが、それ以上殖やすということも
合理化
の点から考えましてもどうかと考えられますので、現在のところはなお
民間
にやらして行くということは考えておりません。
油井賢太郎
41
○
油井賢太郎
君 もう一点、九十度までの分の
生産
というのも
相当
あると思うのですね。それはどんな
比率
に
なつ
ておりますか。
井上猛
42
○
説明員
(
井上猛
君) これはむしろ九十度以下の分につきましては、酒の方に
関係
がございまして、実は私のところに詳しい
資料
がないので申上げかねるのでございます。御了承願います。
山崎恒
43
○
山崎恒
君 二十四年度、二十五年度の
実績
から見て、無論各
工場
とも、
原料
の
甘藷
、
馬鈴薯
の地帯にあるようでありますが、最近の
甘藷事情
が非常に
統制
が解かれても、予想以上に高く売買されているというような
関係
で、各
工場
とも
甘藷
、
馬鈴薯
が殆んど入らずに、
糖蜜
によ
つて
生産
されているというようなことを聞くのでありますが、その現状の場合において
バランス関係
はどうなるか。その点を
一つ
お聞きしたい。
井上猛
44
○
説明員
(
井上猛
君) 全体の三割が
糖蜜
でございます。
佐多忠隆
45
○
佐多忠隆
君 全体の三〇%
糖蜜
があるというのですが、
馬鈴薯
と
甘藷
とどういう
比率
に
なつ
ておりますか。その
比率
と絶対
数量
がわかればそれを
一つ
教えて頂きたい。
井上猛
46
○
説明員
(
井上猛
君)
馬鈴薯
は現在使
つて
おりません。これは
北海道
の二
工場
で使う
予定
に
なつ
ておりますが、
北海道
の二
工場
は
生産
を止めておりますので、
馬鈴薯
は現在ございません。
佐多忠隆
47
○
佐多忠隆
君
北海道
が拂い
下げ
で問題に
なつ
ているのですが、二十四年度、二十五年度が非常に少いのですが、これはどういうのですか。初め
工場
をお
造り
になるときは、あそこで
相当
有利に
原料手当
の問題から見ても大体のお
見込み
があ
つて
お
造り
に
なつ
たものだと思うのですが、特に二十四年度、二十五年度
あたり
こういうふうに非常に少く
なつ
ている理由はどういうところにあるのですか。
井上猛
48
○
説明員
(
井上猛
君)
北海道
に二
工場
を作りますときは丁度戦時中でありまして、とにかく量を確保しなければいかん、こういう
状況
で、
馬鈴薯
を
原料
といたします
関係
から
北海道
に一応二
工場
を造
つた
わけでありますが、終戦後
燃料アルコール
がなくなりまして、要するに
需要
がずつと減
つた
わけであります。従いまして、ほかに最近
合理化
の点でできるだけ
コスト
を
下げ
ろということに
なつ
た次第でありますが、
馬鈴薯
を
原料
にしますというとどうしても
コスト
が高くつくわけでありまして、
従つて
両
工場
を使わすことによ
つてコスト
が上る、こういう
関係
もございます。又拂い
下げ
の問題もぼちぼちその頃から出ておりますので、私のほうといたしましては、両
工場
をとにかく
馬鈴薯
で作らせないということで一応
生産
を押えたわけでございまして、ここに僅かに残
つて
おりますのは、例の
澱粉滓
が多少安く入りまして、それで作らした分でございます。
佐多忠隆
49
○
佐多忠隆
君 全体の三〇%の
糖蜜
というのはどこから輸入されておられるのかという点と、
糖蜜
を
原料
にして
作つた
場合と、
甘藷
を
原料
にして
作つた
場合の
コスト
の差はどのくらいになりますか。
井上猛
50
○
説明員
(
井上猛
君)
糖蜜
は大体フイリツピンが主でございます。そのほかに台湾から多少入
つて
おります。それから
コスト
の点でございますが、これは
糖蜜
の
価格
が最近急騰しておりますので、現在の値では比較できませんので、二十五年度の
実績
から申しますというと、その頃、
糖蜜
が大体十七ドルから八ドルくらいで入
つた糖蜜
で作りまして、大体
コスト
が六万円台でございます。
甘藷
で作りましても、これも今年の「いも」の
事情
は非常に変調を来たしておりますので、これは
基準
に置くわけに参りませんが、大体二十五年度の
実績
から見ますと七万四、五千円台で作
つて
いると思います。
従つて
大体一万円内外というものが、そういう
原料
の
価格
を
基準
にいたしまして違
つて
いる。こういう状態に
なつ
ております。
佐多忠隆
51
○
佐多忠隆
君
アルコール
の
原料
としての
甘藷
の買入
価格
はどれくらいなんですか。
井上猛
52
○
説明員
(
井上猛
君) これは今期の生「いも」の買入
状況
は非常に日々急騰しておるような
状況
でありまして、最近では貫当り三十五円内外でなければ入らんそうでございます。
佐多忠隆
53
○
佐多忠隆
君 三十五円くらいで買入れて
コスト
はやはり七万五千円くらいであがりますか。
井上猛
54
○
説明員
(
井上猛
君) いささか自信はないのですが、どうにかや
つて
行けるか行けないかという境目くらいだと思います。
油井賢太郎
55
○
油井賢太郎
君
アルコール
専売
は
相当
益金があがるのですね。それで、そういうふうに益金のあがるのを
民間
に更に
工場
を移譲しなければならないという根拠はどういうことに
なつ
ておるのですか。
井上猛
56
○
説明員
(
井上猛
君) その問題は
政府
の方の問題も入りますので、一応我々としましては、
方針
が決りますれば、それでや
つて
行くわけでありますが、
事務当局
といたしましては、現在のところ、なお
工場
の
能力
が余
つて
おるので差支えないという、こういう見地で一応や
つて
おるわけであります。
山崎恒
57
○
山崎恒
君 今年度の
原料
甘藷
としての買入れた
数量
はどのくらいであるか。又この問題は
一般
食糧の問題との関連性も多いことであります。同時に
甘藷
、
馬鈴薯
の
統制
撤廃の問題とも相関連して、今後の食糧
事情
との勘案も
相当
研究しなければならんというような点もあるのですが、今年度の買入れた
数量
と、同時に
甘藷
を
原料
とした場合に
政府
の
工場
として最高何ぼくらいまで買上げられるかというような、
採算
の見当から、今年度どのくらいの見当をつけて買上げたか。その点を
一つ
お聞かせ願いたい。
井上猛
58
○
説明員
(
井上猛
君) 詳しい
資料
は今手許にございませんので、後ほどお届けいたしたいと思いますが、大体今のところ生
甘藷
が入る見込が二百万貫から三百万貫見当ではないかと思われます。
価格
の点は、できるだけ
コスト
を
下げ
るという
意味
から、
相当
最初の頃は抑えてお
つた
わけでありますが、最近では、先ほど申しましたように、貫当り三十五円でなければ入らない。それよりも多少我々のほうとしては下迴
つた
価格
で買
つて
おりますが、これも買入の時期によ
つて
まちまちなので、平均の点はあとで計算してみなければ、ここで申上げられないと思います。
佐多忠隆
59
○
佐多忠隆
君
昭和
二十五年度、二十六年度の需給の
関係
ですね、それはおわかりになりますか。と同時に、二十六年度以降どれくらいあれば
需要
を満たし得るとお考えに
なつ
ておるのか。それから今度の動乱その他の結果として
アルコール
事業
に対していろいろ根本的に再検討をしなければならない問題が出て来ておるのじやないか。特に
拂下げ
の問題に関連して、この間お決めに
なつ
たような
拂下げ
の
方針
で行
つて
、一体需給
状況
その他から見ていいのかどうか。その辺をお聞きしたいので、今の
資料
を数字的に
一つ
お示し願いたいと思います。
井上猛
60
○
説明員
(
井上猛
君)
アルコール
の供給
能力
の点は大体七万キロぐらいの
能力
でございます。それに対しまして
需要
の方は二十四年度の
実績
が大体二万五千キロでございます。従いまして
能力
の点は非常に過剰に
なつ
ておる。こういうふうな
状況
でございます。 それから朝鮮動乱による影響でございますが、最近のアメリカにおきまする
アルコール
の
事情
は、合成。コム工業の復活とともに非常に需給のバランスが崩れておる、
需要
が非常に多く
なつ
ておるという
関係
で、
相当
外国からも買入れるような態勢になると思いますが、現在のところアメリカの
価格
と日本の
アルコール
の
価格
と比較いたしますと、まだ日本の
アルコール
をアメリカに持
つて
行
つて
引き合うとこういうふうな
関係
には
なつ
ておりません。従いまして今すぐ、アメリカの
アルコール
が逼迫しておるから日本から買入れると、こういうような恰好には現在のところ
なつ
ておりません。従いまして、ここで
合理化
なり何なりを推進いたしまして
価格
を今少し切り
下げ
るということになりますと、
相当
厖大な
アルコール
の輸出というものが実現するかも知れませんが、その場合には
相当
の
アルコール
が出ると考えられますので、この余
つて
おる過剰の
能力
がフルに運転する、こういう恰好になると思います。ただ先程申しましたように、具体的に現在のところでは
価格
の点でそういう情勢に
なつ
ておりませんので、今のところまだ過剰の状態が続くのじやないかと、こういうふうに考えます。
佐多忠隆
61
○
佐多忠隆
君 国内の
需要
は
増加
しないのかどうか。
従つて
二十六年度の需給は数字的にどれくらいとお考えになりますか。
井上猛
62
○
説明員
(
井上猛
君) 国内の
需要
がふえるかどうかということも非常に微妙な点でございまして、
アルコール
を使う、例えばエーテルその他の産業がこの際発展するかどうかという問題にも当然からんで来る次第でございますが、一応、急激にそうい
つた
国内
需要
が殖えるとかいうことは我々は考えておりません。従いまして二十六年度は、少くとも上年期ぐらいは二十四年度の
実績
二万五六千、場合によ
つて
は三万キロまでは行くと思
つて
おりますが、それ以上になるとは現在のところまだ考えておりません。
佐多忠隆
63
○
佐多忠隆
君 二十五年度は、一万三千という数字はこれはどうなんですか。月別を集計した年度計で一万三千とい
つて
いますが。
井上猛
64
○
説明員
(
井上猛
君) これは
政府
工場
だけの
実績
でございます。この外に
民間
の九
工場
の委託の
生産
もございます。従いまして数字といたしましては二万五千キロ見当になります。
油井賢太郎
65
○
油井賢太郎
君 官営のこの
アルコール工場
で七万キロも
能力
があるのに、どういうわけで
民間
にまで委託をされなければならないのですか。
井上猛
66
○
説明員
(
井上猛
君) 七万キロの
能力
は
民間
、官営両方合せた
能力
でございます。従いまして官営
工場
だけですと、
北海道
の二
工場
が落ちますと大体三万五千キロ見当になります。
油井賢太郎
67
○
油井賢太郎
君 それでも
需要
をオーバーしておりますね。
井上猛
68
○
説明員
(
井上猛
君) この
民間
委託の問題につきましては、戦時中からのいろいろな経緯もございまして、これを止めるというわけには行きかねる
事情
もございますので、その点については今いろいろと考慮している次第でございますが、尚どういうふうにするかという
方針
はまだ現在のところ決
つて
おりません。
油井賢太郎
69
○
油井賢太郎
君 もう
一つ
伺いたいのは、これは酒類の方にも
相当
需要
があるのですね。併しさつきのお話によると、九〇%以内のものは別に
専売
でなくてや
つて
いる。その間のは、我々素人から考えると納得が行かないのですがね。九〇%以上のものも酒を作るし、九〇%以下のものは
専売
でなくてどんどん作
つて
もいいということになると、酒類の方と睨み合して、酒類の方にはどの
程度
これは使われているものか。
工業用
だけにはどの
程度
使われるか。その辺のところをちよつと
説明
して頂いたら……。
井上猛
70
○
説明員
(
井上猛
君) 現在の
専売
法では、先程申上げましたように、一応九十度以上の
アルコール
は全部
専売
に
なつ
ておりまして、
政府
、又は
政府
の免許
工場
、或いは委託
工場
でなければこれは作ることができないことに
なつ
ておりますが、そのほかに酒の酒造業者が作る場合には一応除外されております。
従つて
酒用に酒の業者が作る
アルコール
は、たとえ九十度であ
つて
も
専売
法にはかからない、こういうふうに
なつ
ております。
従つて
酒の業者が一応焼酎なり、合成酒なり、或いは清酒のもろみ添加に使う
アルコール
につきましては、一応
専売
法から除外されて、我々の
関係
ではないということになります。それから
専売
の
アルコール
、即ち我々の官営
工場
、或いは
民間工場
で作ります
アルコール
も、これは酒のもろ添用に一応遇しております。その数字は二十四年度の
実績
では大体六千八百キロばかり行
つて
おりましたが、二十五年はこれはいろいろな経緯がございまして、今のところ六千八百キロから大体千五六百キロくらいまで落ちることになると思います。
油井賢太郎
71
○
油井賢太郎
君 すると結局何ですか。この
一般会計
の
繰入金
額というのは、さつきの
説明
の七千五百万円
程度
なんですか。さつき
北海道
の二
工場
を取上げて……、そういう
意味
なんですか。
佐藤一郎
72
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) 売拂い代が七千五百万円です。
油井賢太郎
73
○
油井賢太郎
君 それだけですか。
佐藤一郎
74
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) いや、七千五百万円の
予定
でしたが、八千百万円で実際落したのです。
油井賢太郎
75
○
油井賢太郎
君 それだけですか。今回出された法案というのは……。
佐藤一郎
76
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) いや、全然それに
関係
がないのです。ちよつと……或いは御
説明
のときにお出でにならなか
つた
かも知れませんがですね。
油井賢太郎
77
○
油井賢太郎
君 ちよつと私も聞き違いましたが、利益金とこれと合せたものですか。
佐藤一郎
78
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) ちよつと御
説明
しますと、つまりこの
特別会計
で
固定資産
、
作業資産
を合せまして二十六年度の場合ですと、
固定資産
は殖えるのです。二千万円ばかり……。
作業資産
の方は二億円ばかり減るわけです。そうしますと差引き結局一億何千万というものが
資産
の減になるわけですから、
資産
減に……。そうすると、資本の上から行きますと、それだけキヤツシュとして余裕が出て来るわけです。で、この
特別会計
としましては、従来
固定資産
を拡張いたしますときには、
一般会計
から金を入れてや
つて
いたわけなんです。ですから、今度逆に
資産
を
処分
いたしまして、余裕ができたときには、当然
一般会計
に
納付
してやる。つまり利益金の形として当然それは出て来るわけですから、当然これを
納付
する、こういうための
法律
なんです。それで従来は
減少
ということは起らずに、むしろ
増加
で、
一般会計
で面倒を見てやる方が多か
つた
のが、昨年度から
作業資産
、これが
甘藷
の
手持
ち等が減りまして、逆に
特別会計
からお返しをする時期に変
つて
来た。こういうことで、昨年限りの
法律
のつもりであ
つた
のを一年間延ばすという
法律
でございます。
油井賢太郎
79
○
油井賢太郎
君 分りました。
山崎恒
80
○
山崎恒
君 いま
一つ
。
政府
は国内産の
甘藷
を全面的にこれを利用するという意思があるかどうか。同時に意思があるとするならば、やはり全国の農民より結成されておるところの協同組合等との特殊の契約等を結んで、干
甘藷
等の製造をやらして、藷の腐敗を防ぐなり、或いは
原料
の確保を図るというような
方法
があるかどうか。その点を
一つ
お聞きして置きたい。
井上猛
81
○
説明員
(
井上猛
君) 国内の資源を利用することについては、私の方といたしましても考えております。ただ農業
関係
の特殊な組合
関係
と契約を結ぶことができるかどうかは、
会計
法上できるかどうかという問題がございまして、原則といたしましては、
一般競争入札
でやるという原則でございまして、初めから或る特殊の人間なり団体と随意契約でや
つて
行くということは、ちよつと今のところ
会計
法上疑義がございますので、その点を解決しなければちよつとここで御返答申上げかねる次第でございます。
山崎恒
82
○
山崎恒
君
只今
の御答弁でよく基本
方針
は分るのですが、国際情勢の現状から鑑みて、果してその
糖蜜
等が従来通り円滑に輸入されるかどうかということが疑問視される場合なんですが、一方
アルコール
の
需要
関係
は
相当
進んでいる、向上して来るというような関連性から鑑みて、
只今
の国内産の資源は当局においても極力利用したいという場合に、例えば現状の国際情勢等の推移から鑑みて、やはり
甘藷
等の
生産
に入る前に、まず予約栽培的な
方法
をとるのが最も安全であり、又農民等の栽培意欲を増す上においても非常に好ましいじやなかろうかと、こう思われるのですが、そうした点についていま一歩前進して、
政府
の国策としてそうした点を基本的に取上げる要がありはせんかという点を考えるのですが……。
井上猛
83
○
説明員
(
井上猛
君) 今の問題は、実は今年から
統制
が外れましたので、我我としても関心を持
つて
おりまして、実はそういう
方法
も目下研究中でございます。ただ、まあ
統制
が続きましたので、どういうような具体的な
方法
でそれを実施して行くかという問題につきましては、
相当
いろいろな
資料
を集め、或いは研究するなりしませんと、はつきりした点が出て参りませんので、その問題については、非常に関心を持
つて
、一応研究はしているということだけお答え申上げます。
大矢半次郎
84
○大矢半次郎君 今後の
措置
は、
甘藷
の
統制
が解除に
なつ
た、
従つて
手持
品を減らしてもよいからというお話のようですが、
甘藷
の
統制
がある場合には、
手持
品を多く持たなければならんという
事情
はよく分り兼ねます。却
つて
統制
が解除に
なつ
た曉においては、むしろ情勢如何によ
つて
は、
手持
を多くするという必要が起
つて
来るのではないかと考えられますので、その点はどういうふうに
なつ
ておりますか。
佐藤一郎
85
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これはそういう面もあるのですが、
只今
の考え方といたしましては、最近の情勢といたしまして、
甘藷
以外の、今話に出ております
糖蜜
ですね、そういうような原材料も
相当
統制
の撤廃と併せて持つように実際
なつ
ておるのです。その結果、自由に
なつ
ておるので、一応
資産
を
手持
ちしないで済む、こういうような
通産省
の見解であります。
大矢半次郎
86
○大矢半次郎君 二十四年、二十五年度の特殊
事情
によ
つて
、この
手持
を沢山持
つた
ということがあるのじやありませんか。
佐藤一郎
87
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) 特別にないようであります。
大矢半次郎
88
○大矢半次郎君 どうも
甘藷
の代りに
糖蜜
が入
つて
来るから
資金
が少くて済むというのは、私らどうしても納得できませんが、その点、尚、詳しく御
説明
願いたい。
井上猛
89
○
説明員
(
井上猛
君) 現在の問題につきましては、一応
資金
の回転をできるだけ早くいたしまして、
資金
の面に一応支障のないようにいたしたいという考えでございますので、別にその問題については問題はないと考えられます。
佐多忠隆
90
○
佐多忠隆
君 今の問題は一度よくお
調べ
に
なつ
て、改めてお答えを願いたいと思います。
小串清一
91
○
委員長
(
小串清一
君)
資料
を要求します。
佐多忠隆
92
○
佐多忠隆
君 さつきのお話によりますと、官営で三万五千キロあるのですが、
能力
としてそれだけあるのですが、官営自体にそれだけの
能力
があるにも拘らず、民営に委託してや
つて
おられるというお話なんですが、一体委託しているものの方が官営より
コスト
が安いとか、その他有利な
事情
があるのかどうかという一点をお聞きしたいのです。と申上げますのは、私の出身の鹿児島県ですが、出水の
工場
と鹿屋の
工場
と両方
工場
が出ておりますが、その表にもありますように
実績
が非常に違
つて
おる。鹿屋の方は殆んど運転していないというような状態なんです。ところが鹿屋の
工場
でよく
事情
を聞きますと、
原料
の
手当
その他は非常に有利にできるつもりだし、それから
民間
でや
つて
おるものに比べても決して
コスト
が高いわけじやない、むしろ有利にできると思うにもかかわらず、どうも
原料
の買付その他に御支持がないので、できないで、こういうふうに遊休状態に
なつ
ておる。どうも自分達としては非常に心苦しいということを言
つて
おるのでありますが、先程も何か特別な
事情
があるので、
民間
に、今までや
つて
いたのをそのまま継続しておるというようなお話であ
つた
ので、その点をもう少しはつきり御
説明
を願いたいと思います。
井上猛
93
○
説明員
(
井上猛
君)
民間工場
に委託しておる
事業
も、いろいろ細かいことを申上げますと
事情
が違います。現在
民間
に委託しておりますのは六社
工場
でございますが、その中、国策パルプと王子醗酵、これは御
承知
のようにパルプ廃液で一応
アルコール
を作
つて
おります。これは非常に
コスト
が安く付いておる次第でございます。それから協和醗酵で一応
糖蜜
を委託しておりますが、これは防府に
工場
がございまして、
糖蜜
の輸送の
関係
から非常に
経費
が軽減されまして、これも
コスト
が官営
工場
よりも多少いいと、こういう
関係
に
なつ
ております。あと三楽、宝、それから常磐醗酵、この三
工場
につきましては、三楽の分はこれは
専売
法ができる前からや
つて
おりまして、一応特許
工場
に
なつ
ております。従いまして特許
工場
に
なつ
ておる
関係
で、これは現在のところどうしても或る
程度
やらせてか竹かなければならん、こういう恰好に
なつ
ております。それからあとの二
工場
につきましては、大体
コスト
の点で一応官営、民営まあとんとんぐらいに、同じくらいに行
つて
おると思うのであります。ただ長年こういうふうにや
つて
おりますので、先程も申上げましたようにこれを一挙にやめさすということになりましては、いろいろ問題が絡んで来るので、その点につきまして、なおどういうふうに今後するかということは考究中でございますが、今のところその
方針
はまだ
決定
してない。それについては非常に関心を持
つて
おりますが、まだ如何にこれを解決するかということは決
つて
おらない。かような
状況
でございます。
佐多忠隆
94
○
佐多忠隆
君 他の二
工場
の問題ですが、その辺り長年やらしておるのでというお話もありますが、官営の自分自身の
工場
は殆んど遊休状態に置いておいて、そこにはもつと不合理が行われておると思うのですが、そういう不合理をあえてしながら、そういうものを長年の堕性で、ただ或る
意味
では救済というか、何ですか、そういう形でそれを便々と続けていることは、
合理化
なのかどうか。その辺はもう少し根本的に
一つ
御検討を願いたいのであります。
井上猛
95
○
説明員
(
井上猛
君) その問題につきましては、丁度
合理化
の問題に鑑みまして検討しておるわけでございます。如何にしてこれを持
つて
行くかは先程申上げたようにまだ
決定
してないということでございます。
油井賢太郎
96
○
油井賢太郎
君
アルコール専売事業
の
特別会計
は現在のところ
政府
のいわゆる出資の残というのはどの
程度
になるのですか。
井上猛
97
○
説明員
(
井上猛
君) 出資の残というのはどういう
意味
ですか。
油井賢太郎
98
○
油井賢太郎
君
特別会計
ですね、現在まで
一般会計
からどんどん出しておるでしよう。そのいわゆる累積ですね。
佐藤一郎
99
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) おつしやる
意味
は多分こういう
意味
だろうと思いますが、
昭和
二十五年度の
一般
の
予定
貸借対照表を御覧願うと分りますが、自己資本として……。
油井賢太郎
100
○
油井賢太郎
君 その
資料
はあるのですか。
佐藤一郎
101
○
政府委員
(
佐藤一郎
君)
予算
書を
皆さん
お持ちであれば、この
予算
書にございます二十五年度
特別会計
予算
というものを各議員にお配りしてあるわけでございます。そこの二百七ページを御覧願いますと、
昭和
二十五年度の
予定
貸借対照表によりますと、自己貿本が六億一千四百万円になります。その中、固有資本五億八千万円、借入れ等もそこに出ております。その点を御
質問
なんですか。
油井賢太郎
102
○
油井賢太郎
君 ええ、そうです。これで毎年必ず今後
一般会計
の方へ
アルコール特別会計
からは繰入れられることになるのですか。今度の
法律
ではそういうふうなようですが、そういう
予定
なんですか。
佐藤一郎
103
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) 二十五年度だけそれを
予定
しておりましたのが、同じくそこのところを見て頂くと分りますが、結局同様な
状況
が続くものですから、二十六年度にもそうしたい。それで、まあ結局今後一応でき得るような形にしてございます。で、まあ又情勢によりまして適当に
法律
は変えて行く、こういうつもりでおります。
油井賢太郎
104
○
油井賢太郎
君 購入
原料
が非常に値上りした場合はこれと反対の場合が出ることが想像されますね。そういう場合にはどういうふうに処理しますか。
佐藤一郎
105
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) おつしやる通りでございます。逆に
一般会計
からその場合に繰入れるというような
法律
もございます。
油井賢太郎
106
○
油井賢太郎
君 両方あるのですか。
佐藤一郎
107
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) そうです。ですから、従来から繰入れられておる方が多いわけです。この
予定
貸借対照表の見込によると、
作業資産
が減
つて
行くということに
なつ
て来ますから逆に繰入れております。
大矢半次郎
108
○大矢半次郎君 この
工場
の
拂下げ
の問題、先程企業としてやるから
大蔵省
所管に移さないで
拂下げ
するのだというお話でしたが、
能力
の点から言
つて
も
相当
オーバーしております。
従つて
企業としてでなく、もう
工場
として廃止して
拂下げ
するというようなお考えはないのでございますか。
佐藤一郎
109
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これはまあ
工場
に
拂下げ
ますときに一定の
條件
を付けておるわけです。従来の
従業員
を引取るということと、なお酒の免許を併せて獲得できる見込でなければいかん、そういうことによ
つて
従来もその
工場
をできるだけ生かして行こうという趣旨の下に
拂下げ
を現在行
なつ
ておるわけなんです。そして現在の
法律
から見ますと、
国有財産法
におきまして、
企業財産
は行政
財産
の一種とされておりまして、その行政
財産
の
処分
につきましては、特に法令で謳
つて
おる約十幾つの
特別会計
につきましては、従来の
特別会計
の所管大臣が
処分
をなし得るように
なつ
ております。この
特別会計
の
会計
の中に本
アルコール
会計
も入
つて
おるのであります。まあこれは勿論
法律
を直してやれないことはないではないかということも言えるわけでありますが、他の
特別会計
等もそういう
方針
で今までや
つて
おります。
大矢半次郎
110
○大矢半次郎君 今のお話は、
専売
法による
アルコール
の仕事をやる場合には当て嵌るけれども、酒税の適用を受ける
アルコール
の製造については当て篏らんではなかろうかという気持がいたしますが、その点は如何でしようか。
佐藤一郎
111
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) これはまあ考え方かと思いますが、現在のところは現行法の通りや
つて
、特にそれを変える特殊の理由もないということで、従来の法令通りに
特別会計
についても所管大臣にやらせる、こういうことで臨んでおります。
大矢半次郎
112
○大矢半次郎君 私は考え方というのじやなく、
法律
の解釈の問題として、果して
専売
の
アルコール
の仕事をやめて酒造業の免許を受ける仕事をやらせる場合にもそういうふうな
手続
でや
つて
行けるかということを伺
つて
おるのです。
佐藤一郎
113
○
政府委員
(
佐藤一郎
君) この点は実は
国有財産法
ではつきりしております。それで従来の所管大臣がやるようにはつきり規定が
なつ
ております。
小串清一
114
○
委員長
(
小串清一
君) 如何ですか。今日は、
皆さん
、当局者に
資料
を御要求に
なつ
て、そして更に御研究に
なつ
てからにして、この辺で止めたらどうですか。
佐多忠隆
115
○
佐多忠隆
君 さつきちよつと申上げました二十五年度の
アルコール
の需給
実績
、これを官営分と民営分について、それから二十六年度の需給の見込、それから
原料
の買入
数量
、それの
価格
、それから精密、
甘藷
両方に亘
つて
お願いいたします。
小串清一
116
○
委員長
(
小串清一
君) ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
小串清一
117
○
委員長
(
小串清一
君) 速記を始めて下さい。 本日はこの
程度
におきまして散会いたします。 午後二時五十四分散会 出席者は左の通り。
委員長
小串 清一君
理事
大矢半次郎君 森下 政一君 山崎 恒君 委員 黒田 英雄君
佐多
忠隆君 小宮山常吉君 小林 政夫君
油井賢太郎
君 森 八三一君
政府委員
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵省
主計局法 規課長 佐藤 一郎君 郵政省経理局主 計課長 佐方 信博君
説明員
通商産業省通商 化学局アルコー ル課長 井上 猛君