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政府委員(
舟山正吉君) 御配付申上げました
大蔵省関係法律案調というものによりまして、
銀行局所管の
法律案についてその
審議の
経過過程或いは御
審議を願う
見込等につきまして御
説明申上げます。
復興金融金庫法の一部を
改正する
法律案ここからが
所管でございます。これは
回收金を
納付した場合に、一億円未満のため切捨てられた
金額が一億円以上になりました場合はこの
減資に充てることにいたしまして極力
減資を速かにする、その他の技術的な
改正でございます。
次は
銀行法案でございますが、これは草案についての御内覧を得ておるわけでありますが、この
扱いにつきましては、今
国会に御
審議を願うかどうかまだ最終的な態度を
決定いたしておりません。と申しますのは、いろいろ内外の情勢によりまして、金融
制度、或いは金融政策というものにつきましても、もう一度
考え直して見る必要がありはしないかという問題と
関連いたすのでございます。こういう際に恒久的に亘るところの
制度の
改正が適当であるかどうかということについて若干の再検討を要すると
考えておるのでございます。ただこの
法案の中にあります信用調整的な分、預金準備制とかマージン・リクワイアメント、或いは金利に関します問題、こういうようなものは今後の情勢の進展、或いは銀行法と切離して何らか立法
措置を講ずるときが来るかも知れんというふうには
考えておりますが、ここでお目にかけました
銀行法案自体を
提案することにつきましてはまだ態度をはつきりきめておらない次第であります。
それから次の国民金融公庫法の一部を
改正する
法律案、これは二十六
年度におきまして先般も十億の増資に引続きまして二十億の増資をするということを言つておりますが、次の相互
銀行法案と信用金庫
法案、これは銀行法における
制度を
改正いたしますと共に、これらの現在の無盡会社及び信用協同組合につきましても
制度を整える必要があるという
趣旨でこれらの
法案を用意したのでありますが、
銀行法案を
提出しないということはなりますればこれら二
法案につきましても
提出されるか否かは再検討を要することと
考えております。或いは衆議院
方面におきましては議員
提出の
法律案としてこれを
提案したいというお
考えもあるようであります。
次の農林漁業資金融通
法案、これは二十六
年度の
予算、
一般会計から二十億、見返資金から四十億、農林漁業
関係に長期資金として、且つ低利を以て供給するという
考えであります。農林省と大蔵省の共同
提案として御
審議を願う
予定に
なつております。
それから次の二
法案、農林中金法と商工中金法でありますが、これは現在従来の特殊銀行も普通銀行に改組せられたのであります。商工中金とか、農林中金とかいう特殊銀行を依然残して置くことは適当でない。特に役員の選任
方法等も
政府任命と
なつておりますが、これらについて再検討を要するのではないかという意見もありまして、なおその他銀行
制度の
改正と見合せまして、これらの金庫法の
内容にも
改正を加えたらどらかという
予定をして参つたのでありますが、まあ
制度について、余りこの際手を着けることは適当でないといたしますれば、これらの
法案につきましても見送りになるものかと
考えております。
それから次の資金運用部資金
法案、これは例の預金部
制度の
改正に関するものでございまして、
制度を
改正することによつて預金部資金を金融債にも運用して差支えないという
司令部からの書面もございまするので、これは是非とも今
国会に
提案して
制度の
改正を行いたいと
考えておるのでございます。この大きな筋道につきましては、従来の預金部資金、預金部の
制度と大した変りはないのでありますが、先ず資金の受入面につきましては、
政府の国庫余裕金或いは
特別会計の
積立金及び余裕金等を受けるのでありますが、これは定期預託金のみといたすのであります。そうしてこの預託金の
條件は、預託期間三カ月以上一年未満のもの、或いは一年以上三年未満のもの、三年以上五年未満のもの、五年以上のもの、こういうふうに分けまして、最低年三分五厘から最高年五分五厘までの利率をそれぞれつける
予定にいたすつもりでございます。それからこの資金運用部資金の運用は、やはりこれが国庫に預託された資金だという
建前から、国債、地方債等を中心に運用するのでありますが、なお、あとで申上げますように、金融債にもその運用を認めるのでございます。運用は国債又は国に対する貸付金、次は
政府機関等
国会の議決又は承認により
予算を定めなければならない
法人の債券、又はこれらに対する貸付、公社
公団等が入るわけでございます。それから地方債又は地方公共団体に対する貸付、それから従来公
法人と言つておりました、土地改良、水害予防組合等私人の出資のない公
法人的な
法人でありまして、特別の
法律によつて債券発行の能力を與えられているものの発行する債券の引受又は貸付、これらに運用する。そうしてその後に金融債に運用するということになるのであります。金融債に対する運用は、
政府資金の本質から
考えまして制限がございます。即ち総額においては資金運用部資金の総額の三分の一を超えてはいけない。それから金融債を発行いたします金融機関別には、発行残高の五割を超えてはいけない。且つ債券発行の各回号別には一回の発行額の六割を超えてはいけないという制限をつける
見込であります。それから資金運用部の損益は資金運用部
特別会計で処理いたすのでありますが、この資金運用部
特別会計に赤字を生じたときには
一般会計で補てんするということが大きな相違になるかと思います。その半面、資金運用部
特別会計に決算上剰余を生じましたときには、二分の一を積立て、残余を
一般会計へ繰入れるのを原則といたしますから、この預金部資金
特別会計といたしましては、従来
一般会計から借りがございますので、当分の間は剰余の全部を
一般会計へ繰入れるものとする
予定であります。それから別途預託の側におきましては、郵便貯金について郵便貯金
特別会計を設けまして、郵便貯金業務の收支採算を独立せしむる
見込でございます。それからなお郵便貯金、簡易生命保険及び郵便年金の支拂は
政府が保証するということを法制化する
予定でございます。
以上が預金部
制度改正に伴います重要なる諸点でございます。
それから次の保険業法の一部を
改正する
法律案につきましては、先ず、
改正商法が施行せられまするので、これに歩調を合せまするところの
改正、これは先ほど申し落しました銀行法その他につきましても、同様でございまして、或いは
金融関係法規の新商法に対する
関係を
一つの
法律として、技術的な
法律として御
審議を願うことになるかと
考えております。保険業法につきましては、これは又銀行法等と同様に
根本的改正も一時企画いたしたのでありますが、併し他の
制度に関しまする
法律が見送りになりますので、保險業法につきましても、全面的
改正はこれをいたしません。一部
改正にとどまるのでありますが、それにつきましてはなお当面必要とされておりまするところの若干の諸点について
改正をいたしたいと
考えております。一二例示いたしますと、損害保險の種類を殖やしまして、保証保險というものを追加するという案、それから現在保險会社が大きな保險を引受けるというようなときに、各社共同して引受けますと、独禁法或いは
事業者団体法に抵触するというような問題があつて、非常に不便を感じますので、これが独禁法、
事業者団体法との
関係において、その適用を解除して保險会社の仕事をより容易にするという点を
改正いたしたいと
考えておるのでございます。
それから更に
生命保險につきましては、募集についていろいろの弊害がございます。そこで募集人とか、保險の募集人の取締につきまして、
法律を適当に
改正いたしたいということを
考えておるわけでございます。その他一二の点を研究いたしております。ここに書いてございます
法律案は以上の通わでありますが、そのほかに日本開発銀行とも申すべき
制度につきまして研究し、
関係方面とも折衝いたしております。この開発銀行の構想は、この日本の現在の
産業経済界において必要とせられておりまする長期の資金を特殊の金融機関の手によつて供給するということを目途とするのでございます。即ち
政府出資によりまして、或いは
一般会計或いは見返資金から出資をいたしまして、この資金を長期の特殊の方向に流すのでございます。これは
関係方面との折衝が十分進んでおりません、又当方と
関係方面との意見の間には相当の食い違いもございましてまだ解決いたしておりません。その大きな点といたしましては、私どもといたしましては、やはり
資本金の何倍かに相当する債券を発行いたしまして、預金部でこれを引受けてもらつて銀行の資金量を増強するという
措置が必要ではないかと
考えておるのでありますが、
関係方面ではそれに未だ同意はしておらないのであります。それからもう
一つの点は、私どもはこの銀行を拵えた以上、相当積極的に活動せしめたいと
考えておるのでありますが、まだ
関係方面の意向といたしましては、市中銀行がすでに短期融資の形で金融しておるが、実際上それが固定化して長期貸付と
なつている、それをリイファイナンスするという
程度にとどめたらどうかという意向が強いのであります。まあ肩替りと申しますか、そのことによりまして市中銀行は今後は短期流動資金のみを
取扱う銀行となる、こういう構想であります。私どもはもう一歩進めて積極的な金融業務を営めるようにしたい。その他につきましては大体日本輸出銀行の例に倣うべきではないかという構想を持つております。更にこの開発銀行ができますれば、従来の復金の回收事務の調整も適当に
考えなければならないのではないかという
考えを持つておりまして、それらの諸点については
目下研究中でございます。
銀行局
関係の
法案の大要を御
説明申上げました。