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1951-03-16 第10回国会 参議院 大蔵・郵政連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十六日(金曜日)    午前十一時二十三分開会   —————————————  委員氏名   大蔵委員    委員長     小串 清一君    理事      大矢半次郎君    理事      森下 政一君    理事      杉山 昌作君    理事      木内 四郎君            愛知 揆一君            岡崎 真一君            九鬼紋十郎君            黒田 英雄君            清澤 俊英君            佐多 忠隆君            野溝  勝君            松永 義雄君            小林 政夫君            小宮山常吉君            高橋龍太郎君            山崎  恒君            油井賢太郎君            森 八三一君            木村禧八郎君   郵政委員    委員長     大野 幸一君    理事      中川 幸平君    理事      柏木 庫治君           池田七郎兵衞君            石坂 豊一君            黒川 武雄君            城  義臣君            三木 治朗君            島村 軍次君            深川タマヱ君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○資金運用部資金法案内閣送付)   —————————————    〔小串清一委員長席に着く〕
  2. 小串清一

    委員長小串清一君) これより郵政大蔵連合委員会を開会いたします。  議事は資金運用部資金法案について予備審査を行うのであります。質疑通告順によつて申上げますが、まだ大臣が御出席になりませんから、任意、郵政簡易保險局長貯金局長が見えておりますから御質問をお願いいたしたいと思います。
  3. 松永義雄

    松永義雄君 郵政省のかたにお質問をいたしたいのですが、簡易保険積立金運用を再開した場合における收入はどういうふうになつて行きますか。その点について御説明願いたい。又お言葉の上に足りないところがありましたら、書面で以てあとで御提出をお願いいたします。
  4. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 積立金運用を自主的にいたしますれば、先ず第一に利子相当程度只今預金部より受けておるよりも相当高額になることが予想されます。  それから運用先が、保險事業に最も適切なる方面運用することによりまして、間接的に事業利益するところも多くなつて参ります。それらを合せまして契約者側相当の直接、間接の利益をもたらすことによりまして、契約募集なり、又既契約の維持なりに利益するところが大であります。又積立金地方に還元するという原則がとられまする故に、地方理事者側協力を得るためにも非常に大きな便益をもたらすこととなります。  なお詳細数字につきましては、後刻表を以て申上げようと思います。
  5. 松永義雄

    松永義雄君 私のお尋ねいたしたのは、再開した場合にどれくらい運用收入が増加するかという点だけについてのみ只今質問いたしたのでありまして、数字のことですから、一々細かく御説明になることもどうかと思うのですが、大体のところを御説明願いまして、後ほど又書面でその数字がどういうふうになつて行くかということを御提出願うということで、大体の点を一つ、再開された場合において、收入が増加して行くというその増加して行く数字進行状態について御説明願いたいと思います。
  6. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 只今進行中の二十王年度事業計画によりますると、本年度積立金が増加いたしますものが大体百七十億と予想いたしております。二十六年度予算におきましては、これを大体二百二億と予想し予算に組んでございます。かようにいたしまして本年度の百七十億、二十六年度の二百億を合せまするというと、三百七十億ばかりになるわけでありますが、これが五分五厘に抑えられました場合と六分五厘なり七分なりに運用いたしました場合におきましては、そこに利子の差額としておおよそ四、五億にもなりましよう、まあ七分と抑えまして、一分五厘の差がありますれば、五億前後のものの増収が予想されるわけであります。
  7. 松永義雄

    松永義雄君 只今の御説明によるとどうも非常に内輪の計算らしく私には聞えるのですが、大体利差は三分ぐらいで十億円ぐらいの利益になるのだというように考えておりますが、私の考え、間違いでしようか。
  8. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 国の方針が低金利政策をとります場合と、又高金利政策をとります場合とによりまして、これらの点につきましては数字の上に大きな影響をもたらすわけであります。非常に大事をふんで六分五厘なり七分と申上げましたのでございます。若し過去におきまして、地方債に廻しました九分なり或いは一割なりというような過去の実績を回想いたしまして、今後におきまして、さような高利に廻すことができるといたしますならば、その差は恐らく十億以上にもなろうとかように考える次第であります。
  9. 松永義雄

    松永義雄君 そういうことになると、どれくらいの利差があるかは別として利益が生ずれば、それだけ預金者簡易保險料納付者に対して利益になるということはこれは常識でしようが、そういうことになるわけですね。  それからこれは少し皮肉な質問かも知れませんが、預金部のほうへ廻つて、そうして民間事業のほうへ金が廻つて而もそれが長期だということは、私は学問がないからよくわからないのですが、長い間金を貸しておくというようなことは危險率が多いということを考えるのが妥当だと考えるのですが、これは大蔵大臣のことかも知れないが、あなたの御意見も聞いて置きたい。
  10. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 保險積立金は先ず第一に保険事業利益になる、言葉を換えて申しますれば、只今指摘になりましたように、契約者の成るべく利益になるような方向において有利に運用することが第一の要件かと心得ております。過去におきましても、そのような要件の下に運用をいたして参つたのであります。従いまして、過去の逓信省で直接自主的に運用いたしておりました時期におきましても、或いは地方債なり或いは国債なりというような方面に主として向けられました、若干産業債に廻した例もあるのでありまするが、金融債に直接廻したという例は私まだ記憶いたしておりません。有利確実、又保険事業の直接の利益という点からは金融債は少し遠ざかつておるものと考えるのであります。
  11. 松永義雄

    松永義雄君 そういたしますと、従来簡易保險のほうで直接やつておられたときは、地方債とか共団体への貸付とかいうようなことで、その中に社会政策的意味というものも多分に含んでおつたと思うのですが、そういう見方は間違つていないのでしようか、どうかその点を一つ
  12. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 本事業創始当時の提案理由その他を検討いたして見ましても、この事業社会政策的意味におきまして創始されましたことは事実であります。従いまして事業運営の各方面においてその事業創始の趣旨は尊重さるべきものと考えまして我我はその方針で従事いたしておりました。積立金運用におきましてもできるだけそのような方針をとるべきものと考えております。
  13. 松永義雄

    松永義雄君 今度は別の点でありますが、その運用者というものは戰争前、終戰後どういうふうに変化して来ましたか。つまり大蔵省或いは逓信省、いろいろな径路を経て運用者が変更になつて来ておると思うのですが、若しその点についておわかりでしたら。
  14. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 事業大正五年に始めまして、積立金運用を始めましたのは大正八年からであります。それ以来ずつと逓信省事業経営内容といたしまして運用をいたして参つたのであります。昭和十八年に時の戰時非常の時代に処するために、一部を大蔵省預金部に預けることになりました。戦時金融国策の遂行の一端を受持つたわけであります。それが昭和二十一年一月に終戰後のこれも特殊な金融政策上の事情かと心得えまするが、全部を大蔵省預金部に預け入れることになりまして今日に及んでおります。
  15. 松永義雄

    松永義雄君 ところが戰争終つたならば逓信省のほうに復元するのだという約束があつたわけなんですか、そういう約束があつたかどうか。
  16. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 先ほど申上げました十八年に一部を大蔵省に移管いたしまする場合におきましては、只今お話のございましたように、大蔵省逓信省両当局間に協定ができまして、戰争が終りました場合には速かに元の姿に返すということの約束ができております。
  17. 松永義雄

    松永義雄君 然らばまあいろいろ情勢も変つておるのでしようが、大蔵省運用していたという点は戰時経済の一役として行われておつたということですね。
  18. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) さように考えます。
  19. 松永義雄

    松永義雄君 然らばこれはまあ終戰後のことで何もかも戦争当時のことが整理されつつあるのですが、これも又当然整理さるべきものだと考えますが、如何でしようか。
  20. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) そのように考えまして終戦直後、大蔵省とも交渉いたしたのであります。交渉過程におきましてその筋よりの指令が参りまして、先刻申上げましたような事情に立至つたのであります。
  21. 松永義雄

    松永義雄君 念のため私は郵便局のほうに申上げて置きたいのですが、私は長い間農民運動をやつて来たのであります、余り金のほうには縁がないものですから、それでも農村恐慌の際に信用組合が破綻を生じて支払不能に陥つている、或いは銀行が、日本でおれこそ一番えらい金融資本家と称する連中が長い間過ちを犯した結果、金融恐慌を起して、丸の内街に、預金者銀行に挿しかけたその光景というものは今日なお目に映つているのでありまして、我々は郵便局こそ勤労階級預金し得る、安心して預け得る所であつて諸君は金があつた郵便局のほうへ先ず第一に預けなさい、そういつて長い間全国亘つて演説の端つぼではありますが、そういうことを農民に説いて来た事実があるのであります。我我個人ばかりでなく、農民運動に従つている者は、経験からまあ郵便局なら安心だから預けなさい、そういつて貯蓄奨励をしてつ参つているのであります。ところが最近御承知のように協同組合が文例によつてボロを出している。最近の銀行のやり口も誠に目に余るものがあるのであります。で、我々又再び郵便局へ預けなさいということを言いたいのですが、ここで、言うことに気魄を欠くような法律がここに現われているという状態なんであります。  そこであなたにお尋ねしたいのは、郵便局簡易保險なり貯金なり集まつたということは、蔭のあなたがたの知らない応援者があつたということ、及び只今あなたのお説の片言隻句の中に、地方公共団体なり地方団体が非常に協力して参つて来た結果、この貯金なり簡易保険が殖えて来た。それだけの理由ではないにしても大きな力を與えて来たということは、これは否定しがたいものがあるのであります。それをしも今日振切つて、そうして預金部のほうに集めて、而もそれがお世話をして来た地方公共団体を軽く見て、そうして一方に如何に金が必要だとはいえ、長期の権勢のある方面へたとえそれが一部であろうとも、金の廻つて行く途を開いて行くということは、提防に蟻の穴を一つ打込んだものになるかも知れんという私は虞れを持つているのですが、それに対してお考えはどうであるか、一つお聞きして置きたい。
  22. 金丸徳重

    政府委員金丸徳重君) 仰せの通り貯蓄奨励、特に保險募集なり或いは保險料集金なりの仕事は容易ならんものがありまして、郵便局員は朝な夕な普通の勤労をいたす以上に心を碎いて、夜来いと言われれば夜参りまするし、雨の降る日に来いと言われれば雨の降る日に伺うし、又日曜にもう一度来いと言われれば、一度ならず三度、五度参りまして保險募集をいたし、又集金もいたしておるのであります。この間の苦労は並大抵のものではございません。又こうした苦労をはたからいろいろ協力し激励して下さる他方のかたがたがあることも御指摘通りでございまして、私どもはかような苦労を眼のあたり見るにつけましても、又かような温かき御協力を眼のあたり受けておることを深く考えるにつきましても、この仕事ができるだけやりいいような方法において進められることを、ひとえに念願いたしておるのでありまして、この苦労やこのやり方に水の入るような、或いはもつと根抵が揺ぐようなことになりまするならば、これは将来に向つて重大だと考え憂慮に堪えないところであります。
  23. 小串清一

    委員長小串清一君) ちよつと皆さんにお諮りいたしますが、本日のこの連合委員会には両大臣出席を要求したのでありますが、大蔵大臣は来ることになつてつたのが、只今総理の所へ呼ばれて行つてどうしても出られない。田村さんは何か少し工合が悪いということでありますから、それで、然らば大蔵大臣は明日はどうかと言つたら明日なら必ず出ると、こういうことなんでありますが、然らば今日は院議を以て衆議院議長の御葬儀のため休会をきめておりますので、この際明日の午前に延ばして、そして大臣出席を求めてこの会議をお続けになつたら如何でございましよう。(「異議なし」と呼ぶ者あり)大臣には特に私から二度確めました、必ずお出でになるかどうかということを。
  24. 松永義雄

    松永義雄君 郵政大臣も御出席願いたいと思います。
  25. 小串清一

    委員長小串清一君) 郵政大臣にも言いましたがはつきりした、あれはありません。
  26. 松永義雄

    松永義雄君 是非出て頂かなければ。
  27. 小串清一

    委員長小串清一君) その御希望は伝えますがとにかく大蔵大臣だけはわかつたが、郵政大臣のほうはまだあいまいでありますから、その点は。
  28. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 大臣出席がなくとも事務的のことで今日は質疑はできませんか。
  29. 小串清一

    委員長小串清一君) もう十五分しかありません、途中で切れたらどうする、それより明日新たにおやりになつたほうがよくありませんか、質疑は十分や十五分では要領を得ないではないかと思いますが。
  30. 松永義雄

    松永義雄君 もう一点聞きたいのですが。
  31. 小串清一

    委員長小串清一君) それはどうぞ。
  32. 松永義雄

    松永義雄君 只今逓信従業員苦労のことをお話なつた。これは大蔵省のかたにも聞いておいて頂きたいと思う。貯蓄奨励委員会というものは、昔からそれに似たようなものが設けられておる。貯蓄奨励ということを盛んに地方に向つて勧奨せられておる。その際における郵便局従事員如何苦労をして貯蓄に従つて来たか、現在、昨日もお話をしたように私の所へも、あんた歳費をもらつたらその一部は是非貯金してもらわなければならんと言つて押しかけて来て、それが一人ならず二人もやつて来ておるのです。それはただそのこと一つでないので、しようちう我々のような所へ募集というか、或いは貯金をすすめにやつて来て、銀行みたようにあんな富くじの広告を出してでたらめな詐欺みたような預金をさしておるけれども、郵便局諸君は実際ある点まではそれは割戻しか何かあるのか知れません、それの点についても私は細かいから申上げません。申上げませんが併しそんなことでなく割当てられて来て、そうして如何に困つてそうして最後に松永の所へでも行つて一つ頼もうかと言つて行く、その苦労というものは我々としてもまあ見捨てるわけに行かないというところまで彼らは努力して来ておる。それが今度自分の自主権が奪われるということになる。私はそこで郵政大臣の御出席願つて郵政大臣の覚悟を聞きたいという点なんでありますが、実際その、余りに横車を押して金だけたまつた日本の国が幸福になるということではないということだけは一つよくお含みになつておいて頂きたい。郵政大臣、出るのをばかにおつくうがつておるようですけれども、無理に綱をつけて引張つて来ることはないと思う。どうしても出られないならあなたからお伝え願いたい。郵政委員長もおられますから。
  33. 大野幸一

    大野幸一君 大臣欠席問題について、只今閣議が十一時頃終つた按配で、十一時から十二時まで短時間ではあるけれども、我々は本国会、恐らくこの全国会の間に一番郵政委員会としては重大な問題だと思つて連合委員会を要求しましたところ、同意下さいましたことは感謝いたします。大臣総理大臣に呼ばれたからといつて委員会を欠席するというようなことで、どこに誠意があるのだろうと思います。自分與党委員長だからこれを甘く見るということでは困る。私は委員長に申しました通り、十七日から二十一日まで旅行するということをこの前も言つておる。その間は委員会は開かないようにということをお願いして置きました。併しこれは多数の便宜のためだから一日旅行を延期しまして明日は出席いたしますが、そういう関係で、私は與党のときであつても努めて大臣出席されるように、参議院としては努めて……、ところがこの委員長、こともなげに、今日は総理大臣の所に行つておるから出られないというようなことでは困るのですが、この点をよく明日は出てもらうように、のみならず常に心がけとして総理大臣より委員会を重く見よということをお伝え願います。
  34. 小串清一

    委員長小串清一君) それについては申上げますが、私は再三再四約束をして、どうして出ないかということを申上げたのですが、私どういう国政上の重大な問題があるかその内容は聞きませんが、急にどうしても会わなきやならない、司令部関係か何かで行かなければならんのだから悪しからず皆さんに言つてくれとこういうことでありますからどうぞ、明日は必ず出るということです、あなたにはお気の毒ですけれども。それでは本日はこの程度散会をいたします。    午前十一時四十七分散会  出席者は左の通り。   大蔵委員    委員長     小串 清一君    理事            大矢半次郎君            杉山 昌作君    委員            愛知 揆一君            岡崎 真一君            黒田 英雄君            佐多 忠隆君            松永 義雄君            小宮山常吉君            油井賢太郎君            木村禧八郎君   郵政委員    委員長     大野 幸一君    理事            中川 幸平君            柏木 庫治君    委員            石坂 豊一君            城  義臣君            三木 治朗君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    大蔵省銀行局長 舟山 正吉君    郵政事務次官  大野 勝三君    郵政省貯金局長 白根 玉喜君    郵政省簡易保險    局長      金丸 徳重君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君    常任委員会專門    員       生田 武夫君    常任委員会專門    員       勝矢 和三君