○説明員(曾根徹君)
政令案の御説明を申上げます。この
政令案は
只今のところまだ総
司令部の正式の承認を得ておりません。飜訳して数回に亘りまして提出いたしまして、大体この線に落着くのではないかという見通しでございますが、まだ正式な承認は得ておらないことを御了承願います。読みながら御説明申上げます。
水産
協同組合の
財務処理の
基準を定める
政令(案)
内閣は、
水産業協同組合法(昭和二十三年
法律第二百四十二号)第五十七條の二の
規定に基き、この
政令を制定する。
(自己資本の
基準)
第一條
水産業協同組合法第十九條
第一項(同法第九十二條第二項において準用する場合を含む。)又は第九十五條(同法第百條第二項において準用する場合を含む。)の
規定により
組合員又は会員に
出資させる
水産業協同組合(以下「
組合」という。)の自己資本の額は、左の各号に掲げる金額の合計額以上でなければならない。
一、
当該組合の有する固定資産の価額
二、
当該組合の加入する
漁業協同組合連合会、水産加工業
協同組合連合会及び農林中央金庫への拂込済
出資金
2 前項の自己資本とは、拂込済
出資金及び準備金準備金、積立金その他名称のいかんを問わず、剰余金のうちから積立てられたものであ
つて資本勘定に属するものをいう。)の合計額(繰越損失金がある場合にはその額を控除した額)をいう。
この自己資本とは拂込済の
出資金と準備金とで、準備金は準備金、積立金でありまして、引当金のようなものを除きまして、資本勘定に属するような積立金、準備金のその合計額でありまして、繰越の損失金はこれを控除する。この自己資本に対しまして、
3 第一項第一号の固定資産の価格には、当該固定資産の取得又は拡充のためにした借入金の残額で返済期限の到来しないもの(借入期間が一年をこえるものであ
つて、数回にわた
つて定期に返済する契約のあるものに限る。)を除く。
この場合の固定資産の価格には、固定資産の取得の価格、又は拡充のためにした借入金でありますが、年賦償還のような形にな
つておりますもので、その返済期限がまだ到来していないものはこれを除くのであります。そのような
考え方による固定資産の価格と、系統
出資金の拂込済
出資金の合計額以上に見合うだけの自己資本を持たなければならないという
基準でございます。これにつきましては、
只今委員長からも御注意ございましたように、附則におきまして五年間の年次計画を一応立てまして、一挙にではなくこの五年間にこの
目標に向
つて少くとも自己資本額は固定資産と系統
出資金の合計額に見合うだけのものを充実することを
基準としたものであります。
(
経理の区分)
第二條
信用事業(貯金の受入及び資金の貸付ならびにこれらに附帯する専業をいう。)とその他の聖業をあわせ行う
組合は、
信用事業と
信用事業以外の難業とを区分して
経理しなければならない。
2 前項の
信用事業に係る勘定には、
信用事業に係る資産として現金、預け金、有価証券、貸出金及び信用卒業に関するその他の債権を、負債として貯金、
信用事業に関する借入金及びその他の債務を収入として貸付金利息、預け金利息、有価証券利息及び
信用事業に関するその他の収益を、支出として貯金利息
信用事業に関する借入金の利息及びその他の損費を含ましめ、
信用事業以外の
事業に係る勘定には
信用事業に係る勘定に属しない資産、負債、收入及び支出を含ましめなければなら。
この第二條は、
信用事業勘定についての勘定項目をはつきりと明示しまして、
信用事業とその他の
事業の
経理の区分の
基準にいたしたのであります。
(貯金の運用の
基準)
第三條 唇用卒業を行う
組合は、その貯金を定期的貯金の百分の六十の額に相当する金額をこえて、一年をこえる期間の貸付のために運用してはならない。
貯金の運用の
基準につきまして、
信用事業を行う
組合は定期的貯金の六〇%以上を一年以上の長期貸付にしてはいけないという、貯金運用の
基準を設けたのであります。これは申すまでもなく、先ほど
長官から御説明がございましたように、
組合員たる
預金者の
保護と併せて
組合の信用を高める目的でございます。
(貯金の拂戻準備の
基準)
第四條
信用事業を行う
組合は、貯金の拂いもどしに充てるために、左の各号に掲げる金額の合計額以上の金額を、
信用事業を行う
組合、農林中央金庫、銀行又は郵便局へ預け入れなければならない。
拂戻し準備預金の
規定であります。
一 要求拂貯金の百分の二十に相当する金額
二 前号の貯金以外の貯金の百分の十に相当する金額
要求拂貯金の二〇%と、そのほか定期的貯金の一〇%に相当するものは、拂戻し準備拠金として預け入れをして置かなければいけないという意味であります。
(余裕金の運用の
基準)
第五條
組合は、左の方法による以外に、その
業務上の余裕金を運用してはならない。
一
信用事業を行う
組合、農林中央金庫、銀行又は郵便局への預け金
二 国債証券、地方債証券又は農林中央金庫若しくはその他の金融機関の発行する債券の取得
余裕金の運用の
基準は右のように
規定したのであります。
以上が
協同組合の
財務を健全にする最低の
基準と
考えたのであります。併しながらこれを実施するにつきましては、なお現状は遠く離れておりますので、その
経過規定といたしまして附則を設けました。
1 この
政令は、公布の日から施行する。
2 この
政令施行の際現に自己資本の額が第一條の
基準に達しない
組合については、同條の
規定は、この
政令の施行の日から起算して五年間は、適用しない。
五年間の後にこれを適用する。
3 前項の
組合は、左表の上欄に掲げる期日までに、その自己資本の額の第一條の固定資産の価額と拂込済
出資金との合計額に対する比率がそれぞれ下欄に掲げる比率以上になるようにしなければならない。
第四項第二條の
規定は、この
政令の施行の日の属する
事業年度の次の
事業年度から適用し、第三條及び第四條の
規定は、この
政令の施行の際これらの
基準に達しない
組合については、この
政令施行の日から起算して一年を
経過した日から適用する。
第二條の
信用事業勘定の
経理の区分につきましては、翌年からはつきり実施する、貯金の運用の
基準、拂戻し準備預金の
基準等は次の年から実施する。
この
政令施行の際
組合が第五條第二号に掲げる有価証券以外の有価証券を
所有している場合には、
当該組合は、同條の
規定にかかわらず、余裕金をこれらの有価証券の
所有のために運用することができる。
すでに第二号に掲げる有価証券以外の有価証券を
所有しておる場合には、この
規定にかかわらず除外するというふうに
経過的な
規定を設けた次第でございます。
以上簡單でございますが、一応の御説明を申上げました。