○説明員(奧田孝君) それでは
臨時漁業災害復旧融資及び
損失補償法案の
内容につきまして簡単に御説明申上げます。
この法案で
考えておりますることは、
昭和三十五年中に起きましたキジアとかジェーンというようなああいう颱風によりまして、
漁業者が損害を受けました場合に、その損害復旧のため資金が要るわけでありますが、その資金を農林中央金庫又はその他の銀行から借りました際に、
政府が一定限度の融資の
損失補償を付けるということが
内容にな
つております。その補償の限度は、この法案の第五條にありますように、総額が三億円という限度を限りまして、
政府が金融機関と
損失補償を結ぶ、こういうことにな
つておるわけでざいます。
それでなおそれに附加えまして、都道府県も同じような
損失補償契約が金融機関と結び得るということが法案の
内容にな
つております。で三億円という限度を算出いたしました基礎につきましては、お手許に配りました資料の一番
最後にありますが、大体損害額の七割を要融資額、つまり融資を要する額といたしまして、その要融資額の
漁船につきましては一割、漁具その他の施設につきましては二割の
損失補償を付けるという計算をいたしますると、補償限度が約三億になりますので、三億を限度ということにいたしておるわけであります。結局この問題はもう過ぎ去りました災害による復旧のための融資を円滑にしようということで、少し時間がずれておるじやないかというような感じをお持ちになると思います。が、私
どものほうで現地を調べて見ますると、昨年二十五年中における災害で災害を受けました
漁業者の復旧
状態を調べて見ますと、正規の金融機関から融資を受けているのは誠に少ないのであります。でどうしているかと言いますと、例えば網にいたしますと網屋から掛け買いをしているとか、或いは
漁船の修理にいたしましても造船所に借りてや
つておる、或いは親類から借りたり、或いは高利貸から借りたり、そういうような非常に不健全な融資の受け
かたをして何とかや
つておるという実情でございますので、こういうような
措置を講じまして、銀行からの融資が円滑に行くようにするということは、
漁業者にとりまして誠に必要な
措置であるのではないかという工合に思
つておるわけであります。一応御説明を終ります。