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1951-06-05 第10回国会 参議院 人事委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月五日(火曜日)    午前十一時五十七分開会   —————————————   委員の異動 五月二十八日委員松本昇君及び大谷瑩 潤君辞任につき、その補欠として森田 豊壽君及び横尾龍君を議長において指 名した。 六月四日委員重盛壽治辞任につき、 その補欠として吉田法晴君を議長にお いて指名した。 本日委員横尾龍辞任につき、その補 欠として大谷瑩潤君議長において指 名した。   委員長補欠 六月四日木下源吾委員長辞任につ き、その補欠として吉田法晴君を議長 において委員長に指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員給與問題に関する調査  の件   —————————————
  2. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは委員会開会いたします。  本日の議題は、国家公務員給與に関する調査であります。人事院当局政府委員出席されておりますから、御質問のあるかたはお願いいたします。
  3. 千葉信

    千葉信君 官房長官出席を要求してあるのですが、官房長官はお見えになつておらないようですが、人事院のほうに御質問申上げることも、前提としては、官房長官の御答弁を承わつてからの問題になりますので、そちらのほうの手配を至急お願いしたいと思います。
  4. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 官房長官に連絡がしてございまして間もなく出席されると思いますが、それまで待たれますか。
  5. 千葉信

    千葉信君 それでは人事院当局にお尋ねいたします。御承知通りに第十国会会期中しばしば給與ベース引上げ勧告が問題になりましたけれども人事院からは到頭会期中に勧告がなされませんでしたが、現在の物価情勢から言いましても、又公務員諸君の非常に窮迫した生活状態から言つても、給與引上げはどうしても必要だという段階になつて来ておりますが、人事院当局としては、勧告に対する時期の見通しがどうなつているか。それともう一つは、一般労働賃金調査であるとか、それから又標準生計費調査等給與ペース勧告に必要な資料等の検討或いは調査がどういう段階に現在あるか、この点について御答弁を承わりたいと思います。
  6. 佐藤朝生

    政府委員佐藤朝生君) お答え申上げます。只今千葉委員から給與ベース引上げの問題につきまして御質問がございました。我々といたしましても現在のところいろいろの資料を集めまして目下研究中でございますが、お話通り一般経済情勢等によりましていろいろ物価が上つておりますことは事実でございます。併しながら我々のほうの現在の研究段階がまだ結論に達しておりませんので、まだいつこれを勧告するようになるのか目下のところちよつと申上げる段階に達しておりません。ただ調査がどの程度になつておりますか、今給與局長から申上げます。
  7. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) かねて人事院事務当局におきまして給與ベース引上げのための作業を進行中であるということは御報告申上げておつたのでありますが、我々のほうといたしましては現在のところこの標準生計費に関する調査というものは大体完了いたしておりまするし、それから本年の三月現在において行いました民間給與調査もほぼ完了いたしております。給與ベース引上勧告ということになりましても、これは軍に従来から申しまするならば、体系も何も動かさないで行くということでありまするならば、標準生計費民間給與調査で押えて行けばよろしいのでございますが、併し今回我々が人事院考えておりますものはそれだけではないのであります。例えば現業の職員に対してはやはり現業特殊性を重んじたような俸給表を作るというような研究むいたしておるわけでございますが、材料はほぼ整つておりまするけれども、今後やはりそういう問題を研究いたしまするのに大分時間がかかるのじやないかというふうに考えております。
  8. 千葉信

    千葉信君 重ねてお尋ねいたしますが、勿論人事院当局としては良心的な勧告をするためにはあらゆる角度から調査研究をされるというお考えなり態度については私も一応了解いたしまするけれども、併し何と言つて公務員法の第二十八條に上るところの情勢の変化というものが非常に明確に、而も極端な状態において現われて来ている段階の中で若し人事院当局調査研究に籍口して時期を遷延するということになりますと、非常にこれは公務員諸君にとつて不利な状態が出て来ると思うのですが、この点について一つ人事院当局としては至急調査研究を完了されんことを私から一応要望して置きます。  官房長官がお見えにたりましたので人事院に対する質問はあとで又いたすことにいたしまして、官房長官にお尋ねいたします。御承知のように到頭本日まではまだ地域給に関する法律案が提案されておりませんが、公務員諸君にとりましては非常に重要な問題でありまするし、又各地域給改訂される市町村等においてはこれ又当該地方としても非常に大きな問題だと思うのです。そこで政府としては一体地域給をこの際改訂するために団会会期延長するおつもりがあるかどうか、会期延長について申入をされるおつもりがあるかどうか、その点を先ず承わりたいと思います。
  9. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 政府只今のところ地域給の問題について会期延長を申入れる意思は持つておりません。
  10. 千葉信

    千葉信君 人事院から地域給に関する勧告がなされてからもう二十日を経過しております。そうして従来の政府答弁から行きますると、できるだけ早い機会に今国会中でも結論を出したいという明確な御答弁もございましたが、政府としてはどうしてこの国会閉会間際に追込んでしまつたのか、その点について具体的な経緯を承わりたいと思います。
  11. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 別に政府がそういうところへ追込んだというわけではないのでありますが、法案は御承知のように関係方面了解を得て出すことになつております。その了解がまだ得られないという状況でありますので、法案提出運びに至つておらないわけであります。
  12. 千葉信

    千葉信君 私どもも今長官から答弁がありましたように、関係筋との折衝が必要であるということは存じておりまするが、併し政府政府自体責任においてその折衝をできるだけ早く完了するなり、成功するなりすることが政府自身責任だと思うのですか、只今官房長官答弁では全く交渉がまとまらなかつたことについて政府責任がないかのような御答弁でございましたが、政府はこの点についてどうお考えになりますか。
  13. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 政府としては一般公務員期待考えまして、法案提出運びに至らなかつたことは誠に残念至極だと思つております。初めからこれは一方かけできめる問題でないのでありまして、交渉と言いますか折衝と言いますか、常に両方の意見が合つたときに成立するものでありまするから、常にそういうことができると限るわけでもございません。要するに相手のあることでありまするから、結論が出なくてもどうも止むを得ないと、こう考えるよりいたし方がないのであります。
  14. 千葉信

    千葉信君 責任ある政府として私は頗る不満に堪えない御答弁だと思うのですが、併しこの問題についてはこれ以上追及しても仕方がありませんから、次の御質問を申上げます。政府としては今後この問題をどういうふうに処理しようとして現在努力されておるかどうか、その点についてお伺いいたします。
  15. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) こうなりますと、政府としてはもうほかにいたし方がないのであつて、これは法律で以て公布する以外に方法はないと思つておりまするから、この次の国会にできるだけ早く、できれば開会と同時に提出し得るように準備をいたしておるわけでありますが、その準備が果して今までの状況から行きますと、政府の思うようになるかどうか、只今心配いたしておるような次第であります。
  16. 千葉信

    千葉信君 法律を以てきめるということになつておりまするが、当然法律を以てきめる事項として、而も人事院から非常に良心的なことを考えられる地域給支給区分はつきりと勧告されておるにかかわらず、政府としてはこの国会法律案として出すことができなかつた。この次の国会までに私どもはこの状態では政府努力の不足から恐らく又この次の国会でも提出が困難ではないか。そうなりますと、この問題についての政府の提案される法律というのは、給與法における地域給に関する條文通り措置と、それからもう一つ支給区分その他については法律を以てきめるというあの條項を変更する立法ということも問題になつて出て来るのではないかと思うのですが、この点については官房長官はどうお考えでございますか。
  17. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 目下のところは政府はこの次の国会地域給法律案提出いたしたいと思つて努力いたしておるのでありまして、法律自体を変更しようというような考えは今のところは持つておりません。又今まで気が付いておりません、そういう点は……。できるだけ努力をいたして見よう、こういうわけであります。
  18. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと速記を止めて下さい。    午後零時九分速記中止    ——————————    午後零時二十二分速記開始
  19. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記を始め  て。
  20. 千葉信

    千葉信君 佐藤さんにお尋ねいたします。今も官房長官との質疑の中にありましたように、給與ベース引上げを行うためにはどうしても我々としては今年度の補正予算を組んでもらう必要があるし、又それを早く組ませるような手を打たなければ、問題は又先にずれる虞れも相当濃厚になつて来ると思うのです。今官房長官からのお話で、私ども印象としては補正予算編成する以前に勧告が出されることが非常に情勢見通しとしてよくなつて来るというふうに私ども考えられるわけなのです。そこで人事院当局としては、是非とも給與ベース改訂に関する勧告補正予算編成の時期以前にやつてもらう必要があるのではないか。恐らく人事院当局としてもいろいろな作業関係もあるでしようし、又人事院会議結論というものもあるでしようが、何と言つて情勢が非常に悪化するというと、これは公務員諸君生活の問題ですが、そういう非常に公務員諸君にとつてはますます苦しい状態日ごとに濃厚になつてつて来ておりますというこの情勢見通しの上に立つて、できるだけ一つ人事院としては早期に勧告するという方向へお進み願いたいと思うのです。それからもう一つの問題ですが、今官房長官からもお話がありましたように、私どもも実は心底から納得できない部分をかなり含んでおる今度の勧告におけるいわゆる給與政策上とられた現在の支給されている暫定措置を保証するというあのやり方の勧告が、図らずもその筋との折衝の中でも一つの向うの改訂に反対する理由となつてしまつ九。まあこれは是非議論もあるとは思うのですが、これが障害となつたというこの事実を考えますと、私ども人事院当局としてはあえて今度の勧告した地域給はそのまま将来も実現しないままに継続されるということは、私はこれは考慮を要する問題ではないか。そうして又一方只今質疑の中にもありましたように、給與ベース改訂しなければならないという情勢があるということと、それから又その給與ベース改訂には人事院勧告が早く出されることが非常に情勢見通しとして有利になるという立場から、この際人事院では給與ベース引上げについて勧告を急ぐと同時に地域給の問題に関しても今度の給與ベース引上げのときには、一緒に本当に合理的な地域給に決定する、最初人事院事務当局がまじめに作られた地域給支給区分というようなものを尊重して、これを出しさえすれば恐らく、私はその勧告に対して是非議論をする者がいなくなるのじやないか。こういう立場から地域給支給区分について人事院としても少くとも直ちにこの問題の合理的な解決のために作業をどしどし進められる必要があると思うのですが、これに対しては総長としてはどうお考えになりますか。
  21. 佐藤朝生

    政府委員佐藤朝生君) 只今給與ベース改訂問題又地域給区分の問題についてお話がございましたが、給與ベース改訂問題につきましては、御希望の御意見よく承わりまして、我々といたしましても作業を成るべく早く済まして、結論を出したいと考えておる次第であります。それから又地域給区分の問題でございますが、只今我我の今回の勧告が上げるばかりで下げるところがなかつたというような点にお触れになり、又将来の地域給区分の問題についてもお話がございましたが、勿論我々といたしましても、給與法によりまして絶えずこの地域給区分について研究を進めなくてはなりませんし、現在の案が今までやつて来ました作業におきましては、勿論我々としては現在の段階においては最もよろしい案だと思つておりますが、これらの作業によりましていろいろと研究いたしまして、或いは今お話のような点も考慮いたしまして、研究を進めて行かなくてはならないかと考えております。上げるばかりで下げることがなかつたということにつきましては、これほ千葉委員の御想像の通りのいろいろな事情がございしまて、現在の給與ベースが非常に低いものでありますから、現在の物価事情と比べましてまだ上つておりませんので、この十二月のときに下げた以上に又下げることが、一般公務員にとつて非常に苦痛であるというような事情考えまして、そういうふうなことにいたした次第でございますが、将来の給與ベース上り工合等によりましてもつとこれを考え直すことができるかも知れないと思つております。
  22. 千葉信

    千葉信君 重ねてお尋ね申上げますが、只今官房長官質疑の中でも政府としても一応給與ベース引上げの問題について考えないわけじやない。併し何と言つても、給與ベース引上げの問題について大きな問題としては食糧価格の問題があり、それから税率の問題もあり、その他いろいろな條件を挙げられたようですが、そのうちの税率の問題については、自由党内閣公務員諸君の有利になるような税率の改正を行うということは、私ども殆んど期待が持てませんから、この点は私ども官房長官お話には眉に唾をつけて聞かなければならないと思いますが併し一方米価引上げ問題では相当これは明確に日程に上つて来ている問題だと思うのです。そこで人事院当局としては先ほど御希望申上げたように、補正予算編成を有利にベース改訂に作用させるような形においてやるには、補正予算編成前に勧告する必要がどうしても起つて来る、そうするとその補正予算編成する以前の時期に勧告をするということになれば、実際上米価引上げが行われる時期というものとズレがはつきりとある。從つてそういう立場から人事院当局として給與ベース引上げについては、米価の引上けその他のいろいろな條件というものが一応明確な見通しがつくとか、或いは最終結論が出たとか、そういう段階においてでなければ勧告されないというような態度をおとりになるとしたらこれは大変なことになると思うのです。私の御希望申上げることは、そうして私の意見として、この際人事院として米価引上げが行われた場合には、少くともその部分としては、この程度給與引上げを見込む必要がある、従つて現在未だ米価引上げが行われない段階においては、給與ベース引上げはこの程度、又そうして実際上米価引上げまでに給與ベースが解決されるかされないかわかりませんし、従つて人事院当局としては若しこの給與ベース引上げられ、若しくは又問題が解決されないでいた場合には、そのときには米価引上げその他の状況を考慮してはこの程度の金額に増大する必要がある。こういうことについても十分お考えになられて、そうして米価引上げ等が行われない以前に、補正予算編成以前にやる、という方針とつた二段構えの給與ペース勧告方針というものを人事院としては研究する必慶があるのではないか。この点について人事院はどう考えられておるか、この点を御答弁願いたいと思います。
  23. 佐藤朝生

    政府委員佐藤朝生君) 只今米価の問題につまして給與ベースと関連してのお尋ねがございました。我々今やつております作業は御承知通り過去のいろいろの生計費工合を調べましてやつております作業でございまして、一応これでその結論を出したいと思つております。米価等の問題につきましてはこれ又将来の問題でありまして、私から何とも申上けられませんが、それによりまして又非常に公務員生活費が上るということになれば、そのときに考えなくちやならんかと思つております。今のところ何ともちよつと申上げられないと思います。
  24. 千葉信

    千葉信君 了解了解
  25. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ほかに質問ございませんか。  それでは今日はこの程度にして委員会を散会いたします。    午後零時三十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     吉田 法晴君    理事            加藤 武徳君            千葉  信君    委員            大谷 瑩潤君            森崎  隆君            小野  哲君            紅露 みつ君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    人事院事務総長 佐藤 朝生君    人事院事務総局    給與局長    瀧本 忠男君    人事院事務総局    給與局次長   慶徳 庄意君   事務局側    常任委員会專門    員       川島 孝彦君