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1951-03-09 第10回国会 参議院 厚生委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年三月九日(金曜日) 午後一時五十分開会 ———
—————
—————
本日の会議に付した事件 ○
委員
の辞任及び
補欠選任
の件 ○
厚生年金保険法特例案
(
長島銀藏
君 外五名発議) ———
—————
—————
河崎ナツ
1
○
委員長
(
河崎ナツ
君)
只今
から
厚生委員会
を開きます。
ちよ
つと
速記
をとどめて……。 午後一時五十一分
速記中止
—————
・
—————
午後三時十二分
速記開始
河崎ナツ
2
○
委員長
(
河崎ナツ
君)
速記
を始めて下さい。御
相談
に入ります前に、三月九日附で
厚生委員大谷瑩潤氏
が辞任されまして、同じ党派の
川村松助
氏が
補欠
として任命されましたから御報告申上げます。 ———
—————
—————
河崎ナツ
3
○
委員長
(
河崎ナツ
君) さて順序によりまして、
先づ厚生年金保険法特例案
を
議題
といたします。
提案者
から
提案理由
の御
説明
をお願いいたします。
提案者長島銀藏
氏よりどうか御
提案
の
理由
をお願いいたします。
長島銀藏
4
○
長島銀藏
君
只今
、
提案理由
の
説明
を申上げる前に一言関連して申上げたいと思うのであります。 このたび提出される
法案
のうち、
議員提出
の範囲が著しく拡大せられたのでありますが、今までは
政府
において立案せられ、そのことごとくが
政府提出
とな
つて
おり、
議員提出
というものが非常に少かつたように承知しております。今回諸外国の例に傚いまして、
立法技術
上多くの
法案
を
議員提出
によるところの
方法
が採用せられましたことは、一段の進歩であろうと存ずる次第であります。第十国会におきましては、
参衆両院
とも多くの
法案
がおのおのの
議員
によ
つて
提出せられんとしておりまするが、
厚生年金保険法特例
の
提案
に関しましては、
本国会
中参議院として先陣を承
わるゆえん
でありまするから、
法案
の
組立て方法
、
審議
の
方法
につきましては、これが将来の前例ともなり得る点を十分考慮いたしまして、
先輩諸賢
とも
相談
を重ね、慎重に研究いたしました結果、
各派共同提案
といたした次第であります。なお
担当者
としての私は
浅学非才
、殊に不慣れのために遺憾の点が多く生ずることと考えられます。この点についてもあらかじめ御理解頂き、御了承を得たいと存じておる次第であります。それでは
提案理由
を御
説明
いたします。
只今議題
となりました
厚生年金保険法特例案
につきまして、その
提案理由
を御
説明
申上げます。
厚生年金保険
におきましては、御承知のように
養老年金
、
障害年金
、
遺族年金
、か
婦年金
、
かん夫年金
及び
遺児年金
の六つの
年金
がございますが、このうち、
養老年金
は未だ給付の時期が到来いたしておりませず、か婦、
かん夫
、遣児の各
年金
につきましては、いずれも終戦後の
創設
にかかる新らしい
制度
でありますので、問題はないのでございます。 ところが、この
制度
の
創設
以来比較的早い時期からその
受給者
が発生しておりました
障害年金
及び
遺族年金
につきましては、その
年金支給
の
計算基礎
となりまする
標準報酬
の
月額
と
年金計算
の場合の
平均
の
とり方
とが、今日までに数回に亘
つて
改訂
されて参
つて
いるのであります。そのために新旧の
年金
の間に不
均衡
が生ずるようになり、
従前
の低い
標準報酬月額
によりまする
年金
は、
受給者
の
生活保障
という目的を達さることができない事態が生ずることとな
つて参つたの
でございます。この不
均衡
と
欠陷
を是正する
措置
として、過去において
昭和
二十三年と
昭和
二十四年の二回にわたり、
従前
の低額な
標準報酬月額
によりまする
年金額
を五倍に
引上げ
たのであります。然るにその後の
経済情勢
の変動に伴いまして、実際上の
給与水準
も相当高ま
つて
参り、五倍に
引上げ
た当時の被
保険者
全体の総
平均標準報酬
と今日の総
平均標準報酬
とを比較いたしますると、約二倍の開きを生じて参
つたの
であります。従いまして、その不
均衡
をもう一度是正する必要が生じて参りましたのと、先般の
措置
から多少漏れていたものでございましたので、本案におきましては、これらのものも併せて救済するように
措置
いたしました。 先ず
障害年金
及び遣
族年金
の
年金額
の
計算
が、
昭和
二十三年八月一日即ち
標準報酬月額
について大巾の
改訂
をいたしましたとき、以前の低い
標準報酬
のみを
基礎
としておりましたものにうきましては、すべてこれらを更に二倍に
引上げ
ることとし、さきに行いました五倍
引上げ
を合せると、当初の十倍に
引上げ
た
年金額
に
改訂
することといたしました。 次に
昭和
二十三年八月一日以後の高い
標準報酬
と、それ以前の低い
標準報酬
との双方が
年金額計算
の
基礎
にな
つて
おるものにつきましては、同日以前の低いものを切り捨てて、
改訂
後の高い
標準報酬
だけをと
つて
年金額
の
改訂
を行うこととし、そのうちで
標準報酬
の
平均
の
とり方
及び
年金額
の
算出基準
が
従前
の古い
制度
によ
つて
おつたものにつきましては、新らしい
制度
による
方法
に切り換えることとして、できるだけ不
均衡
を是正することといたしたのでございます。 右が本
法案
の
提案理由
でございますが、何とぞ御
審議
の
上速
かに可決せられんことをお願いする次第でございます。
河崎ナツ
5
○
委員長
(
河崎ナツ
君) 本
法案
に対しましては、本日は
提案理由
の御
説明
をお聞きいたしまする程度にとどめまして、質疑は次回に譲りたいと存じますが、御
異議
ございませんでしようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河崎ナツ
6
○
委員長
(
河崎ナツ
君) 御
異議
ないと認めます。それでは本日は……。
上條愛一
7
○
上條愛
一君
ちよ
つとお願いがあるのですが、それは癩、結核、
精神病関係
の職員のあの削減した
調整号俸
についてのことでありますが、この前の
委員会
で
厚生省
の当局から御
説明
がありまして、
特別昇給
の
措置
としてやりたいというお話がありましたが、これについて御質問いたしたいと思いまするが、次回に
厚生省
の
責任者
の御
出席
をお願いいたします。
河崎ナツ
8
○
委員長
(
河崎ナツ
君) 皆さん如何ですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河崎ナツ
9
○
委員長
(
河崎ナツ
君) それじやそういうふうに取計います。 本日はこれを以ちまして
委員会
を終ることにいたします。 午後三時十九分散会
出席者
は左の通り
委員長
河崎
ナツ
君 理事 有馬 英二君
委員
中山
壽彦君
長島
銀藏
君
上條
愛一君 藤原 道子君 藤森
眞治
君 松原 一彦君
政府委員
厚生省保険局長
安田 巖君
事務局側
常任委員会専門
員 草間 弘司君
常任委員会専門
員 多田 仁己君