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衆議院議員(田中角榮君) では御要請によりまして
官庁営繕法案につきまして逐条的に大略申上げます。
第
一条は、目的についてであります。
この
法律は、国家機関の
建築物の位置、
構造、営繕
計画等について
規定して、その災害を防除し、公衆の利便と公務の能率増進とを図ることを目的とする。(
用語の意義)
第二条 この
法律において「
官庁営繕」とは、国家機関の
建築物の新築、増築、改築、移築、
修繕又は
模様替をいう。
2 この
法律において「庁舎」とは、国家機関がその事務を処理するために使用する
建築物をいい、
学校病院、刑務所、工場、倉庫及び車庫を除く。
3 この
法律において「各省各庁の長」とは、
衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、会計検査院長並びに内閣総理大臣、法務総裁、各省大臣及び経済安定本部総裁をいう。
4 この
法律において「建物」、「
建築設備」、「
主要構造物」、「耐火
構造」、「防火
構造」、「不燃材料」、「
建築」及び「特定行政庁」の意義は、それぞれ
建築基準法(
昭和二十五年
法律第二百一号)第二条に定めるところによる。(
建築基準法との
関係)
第三条 国家機関の
建築物については、この
法律で定めるものの外、
建築基準法の定めるところによる。(
建築方針)
第四条 庁舎は、国民の公共施設として、親しみやすく、便利で、且つ、安全なものでなければならない。(庁舎の位置)
第五条 庁舎は、それぞれの
用途に応じて、公衆の利便と公務の能率上適当な場所に
建築しなければならない。
2 各省各庁の長は、その所管の庁舎について、
前項の目的を達するため、他の各省各庁の長の所管に属する国有の
土地を敷地に供することを
相当と認めるときは、その旨を
当該各省各庁の長及び大蔵大臣に申し出ることができる。この場合において
当該各省各庁の長及び大蔵大臣は、その
土地を敷地に供するよう協力しなければならない。
3 各省各庁の長は、その所管の庁舎について、第一項の目的を達するため、国有以外の
土地を敷地に供することを
相当と認めるときは、その旨をその
土地の所在地の市町村の長に申し出ることができる。この場合において
当該市町村の長は、その敷地の取得又は借受のあつ旋に努めなければならない。(合同庁舎)
第六条 庁舎は、
土地を高度に利用し、
建築経費を節減し、あわせて公衆の利便と公務の能率増進とを図るために、特に支障がない限りは、合同して
建築しなければならない。(庁舎の
構造)
第七条 左の各号の一に該当する庁舎を
建築するときは、その
主要構造部を耐火
構造としなければならない。
一
建築共進法第六十条第一項の準
防火地域内で延べた
面積が三百平方メートルをこえる庁舎
二
延べ面積が千平方メートルをこえる庁舎
2
前項に掲げる以外の庁舎を
建築するときは、その外壁及び軒裏を防火
構造とし、その屋根を不燃材料で造り、又ふかなければならない。
3
建築基準法第六十条第一項の
防火地域又は準
防火地域以外の地に庁舎を
建築する場合において、その周囲に公園、広場、道路その他の空地又は防火上有効な施設があ
つて、特定行政庁が延焼のおそれがないと認めるときは、前二項の
規定によらないことができる。4
建築基準法第八十五条第二項に
規定する
建築物に該当する庁舎については、前三項の
規定にかかわらず同条第二項及び第三項の
規定の適用があるものとする。(保安上又は防火上危険である庁舎に対する措置)第八条
建設大臣は、庁舎が
建築基準法又はこれに基く命令若しくは
条例、又
前条第一項若しくは第二項の
規定に適合せず、且つ、保安上又は防火上危険であると認める場合においては、各省川各庁の長に対して、
方法及び期間を定めて、改築、移築、
修繕、
模様替その他必要な措置をすることを勧告することができる。2 各省各庁の長は、
前項の
規定による勧告を受けたときは、遅滞なく、
建設大臣に対して、これに対する措置の方針を通知し、且つ、その措置をしたときはその結果を通知しなければならない。(営繕
計画書)第九条 各省各庁の長は、毎会計年度、その所掌に係る国家機関の
建築物の営繕
計画書を前年度の七号三十一日までに大蔵大臣及び
建設大臣に送付しなければならない。但し、一件につき総額百万円をこえない
修繕又は
模様替については、この限りでない。2
前項の営繕
計画書には、
当該建築物の位置、
規模、
構造、
建築設備、工期及び
工事費を記載するものとする。3 第一項の
規定により営繕
計画書の送付を受けたときは、
建設大臣は、これに関する意見書を八月二十日までに
当該各省各庁の長及び大蔵大臣に送付しなければならない。(
官庁営繕審議会の設置及び権限)第十条
建設大臣の諮問に応じて
官庁営繕に関する重要事項を調査審議させるために、建設省に、
官庁営繕審議会(以下「審議会」という。)を置く。2 審議会は、
官庁営繕に関する重要事項について、
関係国家機関に対して、意見を述べることができる。3 審議会は、国家機関の
建築物の位置、
規模、
構造及び
建築設備並びに合同庁舎について基準を定め、その実施に関し
関係国家機関に対して、勧告することができる。4 審議会は、
官庁営繕に関し必要な事項について、
関係国家機関に対して、資料の提出又は
報告を求めることができる。(審議会の組織等)第十
一条 審議会は、
委員二十人以内で組織する。2
委員は、
関係国家機関の職員及び
建築に関し学識経験のある者のうちから、
建設大臣が任命する。3
委員は、非常勤とする。4 学識経験のある者のうちから任命された
委員の任期は、二年とする。但し、補欠
委員の任期は、前任者の残任期間とする。5
前項の
委員は、再任されることができる。6 前各項に定めるものを除く外、審議会の事務をつかさどる機関及び審議会の議事の運営その他審議会に関し必要な事項は、政令で定める。(
官庁営繕に関する
報告)第十二条
建設大臣は、
関係国家機関に対して、この
法律の
施行に関して必要な
報告又は統計の資料の提出を求めることができる。附則、(
施行期日)1 この
法律は公布の日から起算して三月をこえない期間内において政令で定める日から
施行する。但し、第七条の
規定は、
昭和二十七年四月一日から
施行する。(建設省設置法の改正)2建設省設置法(
昭和二十三年
法律第百十三号)の一部を次のように改正する。第三条第二十六号の二の次に次の一号を加える。二十六の三
官庁営繕法(
昭和二十六年
法律第 号)の
施行に関する事務を行うこと。第四条第四項中「同条第二十六号の二に
規定する事務(他の局及び地理調査所の所掌に属するものを除く。)」の下に「、同条第二十六号の三に
規定する事務」を加える。第四条第五項中「第二十六号の二に
規定する事務で建物の建設に関するもの」の下に「並びに第二十六号の三に
規定する事務」を加える。第十条第一項の表中
一級建築士試験
委員の項の次に次の一項を加える。
官庁営繕審議会
建設大臣の諮問に応じて
官庁営繕に関する重要事項を調査審議し、
当該事項について
関係国家機関に勧告し、その他
官庁営繕法に基く権限を行うこと。
理由
国家機関の
建築物について、その災害を防除し、公衆の利便と公務の能率増進とを図るため、その位置、
構造、営繕
計画等に関して規整する必要がある。これが、この
法律案を提出する理由である。以上であります。