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1951-03-30 第10回国会 参議院 建設委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月三十日(金曜日)    午前十一時十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公共土木施設災害復旧事業費国庫負  担法案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 小川久義

    ○理事(小川久義君) それでは只今から委員会を開会いたします。  昨日は質疑に入るか、入らんかということが議題になつておりましたが、すでに質疑に入つたように思いますので、これから続行したいと思います。御質問がありましたならば、順次御発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 昨日お願いして置きました二十五年度全額負担に決定された経緯ですね、理由を先ず御説明願いたいと思います。
  4. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) シヤウプ使節団勧告でございまするが、この一昨年の勧告は非常に厖大なものでございまして、それを申上げることもできませんし、又それを申上げる必要もこの場合ございませんので、災害関係いたしましたる部分につきまして、抜き書にいたしました部分を大体申上げて見たいと、こう存ずるわけでございます。なお拔き書のために、若干前後の連絡からわからない点も出るかと存じまするが、大体その意向はわかるかと存じまするので、これで御了承願いたいと、こう存ずるわけでございます。それではその、大体私のほうで関係あると思う部分抜き書した部分一つ朗読させて頂きたいと思います。   第一編、第二章国家財政地方財政との関係   B補助金、(特定の交付金)   本年度地方公共事業補助金総額は、三百五十億円になんなんとしているが、災害復旧事業費をすべて政府に移管するほかは現状を維持するほうがよかろう。   こうすると地方財政支出は二百乃至三百億円がた減少するであろう。災害復旧を依然として地方団体の所管とするなら、それは全額補助金によつて賄わるべきである。   D地方財政委員会市町村   都道府県、国にはそれぞれ如何なる行政機能を行なわせるのが最も適当であるか又、その二つ又はそれ以上を連合して行うべき機能は何であるかということを勧告させるためには、即時臨時地方行政組織調査委員会を組織すべきである。この委員会は、この研究の過程において本報告書勧告する全額補助金制度に関する改革の具体的事項を定めるべきである。  結局地方行政調査委員会というものを作つて、これで研究させるべきであるということを勧告しておるのです。   附録AD節職務の分掌、地方財政合理化への途   3中央政府災害復旧に対する財政上の全責任を引受けてよいであろう。併し地方で統制している施設関係した実際の仕事地方団体が行うことができるようにする。現在は、中央政府はこの負担の一部を引受けているが、都道府県及び市町村も又負担を負うている。天災は予知できず、緊急、莫大の費用を必要とさせるものであるから、天災の勃発は罹災地方団体財政を破綻させることにたる。その結果、地方団体起債非常予備金の設定、高率課税及び経常費の節減を余儀なくされる。この問題は中央政府だけが満足に処理できるものである。  G補助金  災害補助金、第三種の補助金、即ち公共事業費は一九四九年度より五十年度において約三百三十億円と見積られており、そのうち百八十五億円が災害復旧費で、百四十五億円がその他の公共事業費である。  災害復旧補助費は現在では大きな災害に基く事業費の三分の二の割合で支給されている。この補助金を受ける資格のある事業は、主として堤防道路港湾及び灌漑施設等で、通常建造物補修費は含まない。我々は災害補助費に関してその金額所要費用金額に引上げ、あらゆる種類の復旧事業を含むように勧告する。中央政府は毎年最近五カ年間の災害費平均見積額に相当する金額予算を立てて、この基金を洪水、台風、地震その他類似の災害に基く全公共費を支弁するに利用すべきである。成る一年間にこの予算全額が費消せられなかつたときには、その年度末の残金は公債償却に用いられるであろう。この勧告は、若し実行されれば、災害に対する国家保証制度を設けることになろう。この計画の実際運営に際し、「災害」の定義は自由であるが、罹災地域予算の僅かの部分、例えば任意の一年度の五%又は一〇%、その部分しか占めないような軽微な被害を含めてはならない。  要するに、災害定義政府がきめる。それから五%乃至一〇%程度地方で持つというところを骨子に入れておるのでございます。それに対しまして昨年度又参りました場合におきましては、若干その災害全額負担につきまして、その修正を述べておるのでありまするが、細かい附属の書類が出なくて、ただ新聞などに公表された部分を若干抜き書きしますと、  昨年までは、国は、天然の災害により被害をこうむつた財産復旧するに当つて地方団体を援助するため、一定負担区分により、公共事業補助金を交付していた。大規模な公共財産に対しては、この補助金は、復旧費の三分の二であつた。これは、比較的富裕な地方団体には充分すぎるものであつたが、一方比較的貧弱な地方団体は、依然として、財政的に甚しく窮迫したままとなつていたのである。我々の報告書は、この補助金復旧費金額に増大すべきことを勧告した。一個所十五万円以下の災害を除いては、このことは実行された。互いの間隔が二十メートル以内の被害は一個所とみなされている。この新計画は、一年限りの特例法であつた。何らかの措置がとられないならば、災害復旧費補助金は、来年度富裕な地方団体も、貧弱な地方団体におしなべて、従来からの古い制度に戻ることになろう。そうして、改正地方団制の成果は、多くの府県市町村で危殆に瀕することになろう。昨年来、更に考えた結果、もつといい解決方法があるということを確信するに至つた全額国庫負担制度復旧費が過大にふくらませられないようにするため、政府に不当に大きな行政事務を課するとになり、更にそれは、地方団体をして、復旧費最小限度にとどめることを怠らしめる誘因となり、且つ、地方団体は、災害にかかつたものよりも立派な橋梁、堤防等を建設するための余分の費用をすべて支払わなければならないから、将来の災害防除になるように復旧するという意欲を喪失せしめることになる。それからの何がちよつと私らもはつきりわからないのですが、このような勧告が若干前の勧告について修正が加えられたようなかつこうでございまして、それから最後の附録の、どういうことをやるかという問題については、地方行政調査委員会におきまして案が練られまして、それがすでに実は国会方面にも報告なつて現われたわけでございます。それに対しまして、政府におきまして原案を検討いたしました結果、災害に関しましてはこの災害復旧の法に盛つたような大体の方針で進むこととなつた、これが大体の経過でございます。
  5. 田中一

    田中一君 そうしますと、二十五年度特例を設けたということは、シヤウプ使節団勧告によつた地方行政負担が、二十四年度に起つた災害に対する負担に堪えられないから全額国庫負担にするというような考え方であつたのですね。
  6. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 一昨年来られました時、災害状況と都府県財政状況とを調べられまして、災害というものが不測に起るものである、地方財政というものに負担が非常に強くなるという点からいたしまして、災害は国で全額負担して見たらどうか、その一定の部合というものはやはり地方で持つべきである、それは軽微なものであるべきであるというような勧告であつたと存じます。
  7. 田中一

    田中一君 二十四年度災害総額は幾らになつておりますか。
  8. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 二十四年度発生災害につきましては、建設省河川局におきましては大体三百八十億、全部を加えて大体四百億程度じやないかと存じます。
  9. 田中一

    田中一君 これは河川局だけで三百八十億ですか。
  10. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 河川局府県災害分が三百八十九億。
  11. 田中一

    田中一君 河川局外のものはどうなつておりますか。それから農林関係ですね。
  12. 石田政夫

    説明員石田政夫君) 二十四年度発生災害の各主務省査定総額を集計いたしますると七百八十六億二千八百五万六千円でございます、査定総額は……。
  13. 田中一

    田中一君 二十五年度発生災害をお伺いいたします。
  14. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 府県災害建設省河川局関係といたしまして四百七十億程度……。
  15. 田中一

    田中一君 次に総額一つ……。
  16. 石田政夫

    説明員石田政夫君) 二十五年度発生災害の各主務省査定総額、総事業費が一千百三十億五千七百六十八万八千円でございます。これは査定事業費でございます。
  17. 田中一

    田中一君 二十四年度地方行政の各地方公共団体財政状況ですね。歳入といいますか、收入状態支出、それから二十五年度の同様のもの、こういうものの資料はないものでしようか。今申上げました質問のうちですね、こういうふうに御説明願いたいと思うのですが、平衡交付金を受けない都市府県歳入歳出状態、それから受けておる都市、それから例えば歳入の少ということ、この昨日頂戴した資料の中にも税の問題が関係ありますから、その意味で金がたくさん入る所、ない所というような区別をつけて二十四年度、二十五年度をお示し願いたいと思います。
  18. 首藤堯

    説明員首藤堯君) 二十四年度決算見込額におきます地方公共団体收入は、総計四千六百五十三億九千八百万円でございます、税收入は一千百十億円でございます。二十五年度税收入が千九百八億四千九百万円でございまして、歳入総計は四千八百八十五億八千九百万円と推計されております。
  19. 石川榮一

    石川榮一君 昨日私参りませんでしたが、昨日の様子も大体伺いました。公共土木施設平均国庫負担のほうは昨日の論議をよく存じませんが、大体におきましてこの前も御指摘申上げたように、都県財政が非常に窮迫しておることはお認みが願える。特にこの前伺いますると、二十五年度発生災害に対するいわゆる全額国庫負担でなすべき工事は一一%しかしておらないというお話でおります。残つたものが八九%残つておるわけです。その後本年度に持越されまして、三分の一以上の……三分の一を最高限とはいたしますが、都県にその負担をさせようというのでありますから、二十四年度災害もまだ少くとも四〇%くらいは残つておるはずであります。二十三年度も残つておるので、それに本年度災害が加わつて来るわけです。昨年の災害も一千億を突破し、一昨年も八百億出ておるということから考えまして、都県財政がこの法案によるような負担に堪えられるか、堪えられても、国が認定をし、事業をしようとするものがスムースに財政的にできるであろうかということを憂える。要はこの法案の主体も私どもはこれで打切るのではなくて、この法案の狙うところに災害を一年も早く仕上げたいという御希望で事業量を昇やそうという見込みがあると思うのですが、現在の都県財政から考えますると、事業量を殖やそうとしたこの法案狙いが、むしろ非常に事業量を激減することになるのじやないかと思うのです。どうしてもこれをやらなければならんといたしますならば、私どもは何とか大蔵当局からこの都県財政難をでも、この法案狙いとする事業が遂行できるような財政的な措置が講じてもらえるかどうか、かかつて問題はそこにあると思う。借金もさせない、税收入もない、負担は大きくするのだということでは、都県はとてもこの負担に堪えられないで、建設省の折角の事業量を拡大して早く災害復旧を敢行しようというところの狙いと反する傾向になりはせんか、これを心配する。これに対する地方財政委員会のお見通しをお聞きしたい。
  20. 首藤堯

    説明員首藤堯君) 本制度におきます公共土木施設平均国庫負担額は昨日も御説明がございましたように、大体七六%平均程度になるものと存じております。この平均率を以ちまして来年度、御議決を頂きました国の予算四百億の災害復旧費につきまして、どの程度地方負担がありますかということにつきまして推計いたして見ますと、大体地方負担の総合計は百二十五億円程度であろうというように存じております。この地方負担全額法律が失効いたしまして、旧三分の二の平均補助率に戻りました場合に比べますると、三分の二の場合が大体百六十七億円程度になるものと考えられますので、四十二億円程度地方負担の減になつて参るというふうに存じております。来年度公共事業費地方負担も相当程度増加しておりますし、災害復旧負担も先ほど申上げました額に達しまするので、地方財政收支のバランスを合せますためには、    〔理事小川久義君退席、委員長着席〕 前に地方財政委員会から平衡交付金、そのほかに関します勧告によりましてお願い申上げました程度平衡交付金乃至は地方債の額を必要とするというように存じておるのでございまするが、当時の推計に比べまして大体その程度地方負担の減が見込まれて来るわけでございます。これに対しまする財源措置といたしましては、要すれば地方債発行を許可いたしますと共に、これがために生じまするところの債務償還費につきましては、地方財政平衡交付金算定基礎に加えるというような措置を以ちまして、地方財政負担の軽減を図りたいと考えておりますが、ただ御承知のように二十六年度地方債発行総額は四百億程度に限られるものというふうに考えられておりますので、大体災害復旧事業費に充当し得ます地方債の額も、その充当率といたしましては昨年度と同程度、せいぜい同程度が充当されるに過ぎないのではないかというように考えられております。この点地方債発行総額の拡大、そのほかの面につきましては、なお御協力を頂きまして大いに努力を重ねて参りたいというように存じておるわけでございます。
  21. 石川榮一

    石川榮一君 一応わかりましたが、もう一度お伺いします。今地方財政委員会のほうで勧告しております交付金の額は、千二百九億でしたかになつておるようでありますが、国の予算は千百億、その千二百九億のなかにこの法案によつて県負担するであろうことの予算額も加えてありますかどうかということをお伺いいたします。いわゆる平衡交付金要求勧告をされましてその費額のなかにこの法案によつて起る、起り得る県負担が加算してあるかどうか、これを見込んであるかどうかということをお伺いいたします。
  22. 首藤堯

    説明員首藤堯君) 只今の御質問でございまするが、当時の地方財政委員会勧告のなかには、災害国庫負担制度が旧三分の二の制度に立返りました場合を予想いたしまして、蔵出推計が立ててございますのでその増加分、昨年度の二十五年度当初との増加分平衡交付金基礎乃至は地方債増額基礎に見込まれて推計してあるはずでございます。
  23. 石川榮一

    石川榮一君 そうなりますと、この法案を通しました場合、地方財政が非常に困難しておりまして、例の交付金増額の問題が熾烈に各地方長官から唱えられており、議会でもこの問題が大きく取上げられております。それに加えまして、この法案によつて起る県負担というものはどうしたらいいかということも考えて見なければならんと思います。そこでこれは建設省でありませんが、私ども大蔵大臣から率直にこの法案によつて起る県負担が堪えられないことが地方財政委員会で折衝ができるか。現に千二百九億のなかにはこれを見込んでおらない。要するに金額負担の予定で以てあの交付金の百九億を絶対必要だとしておるわけでありますが、起債の枠にいたしましてもやはり平衡交付金で増加できなかつたら、起債の枠だけでもこれに充てはまるものを将来必ず善処をするという答弁がなければ、この法案を通した意味がないのじやないか。結局工事ができないのじやないか。三分の二に減じて事業量を殖やそうという狙いは大外れをしまして、どの県もどの県も災害の多い県ほど財政が困難しております。困難しておりますから一層災害が殖えるということになりますので、貧弱な県ほど災害に追い廻されまして、その県は非常に躊躇をするということになりますので、こういう点から考えまして、この法案を通しますのには、少くとも大蔵大臣から責任ある答弁を私はお願いしたいと思うのですが、如何でしようか。
  24. 首藤堯

    説明員首藤堯君) 只今私申上げましたことにつきまして、申上げ方がまずかつたのかと存ずるのでございますが、地方財政委員会の例の勧告のうちには三分の二に戻りました場合の地方負担推計に上げてあつたわけでございますので、只今お説のように全額の場合を基礎として推計いたしておりません。それであの勧告の場合よりは若干地方歳出むしろ減つて来るということでございます。御説明がまずかつた点をお詫び申上げます。
  25. 石川榮一

    石川榮一君 そうなりますと、あの平衡交付金が仮に勧告通りに補正されるという見通しがつきますれば、この法案によつて起る国の負担というものは堪えられるわけですか。県のほうは堪えられるわけですか。
  26. 首藤堯

    説明員首藤堯君) さようでございます。
  27. 石川榮一

    石川榮一君 それだつたら私はなお変だと思うのですが、更にでございます。そうなつたらば、それは延いてこの法案が通るのだつたらば、この法案を通すが、平衡交付金で金をくれるというならば同じわけなんです。国から出す金も、平衡交付金で出す金も、全額負担で出す金も私は同じだと思う。そうだとすると、この災害復旧費を、この際負担法案を変えて都県負担をさせることが、それは平衡交付金によつて国家は別に支給するということになりますか。これでは変りがないわけですから、そうすると、この法案を結局通しましても、先ほど伊藤次長さんの御説明にありましたいわゆる県が災害を甘く見て災害を誘発するような行動すら考えられるというようなことが言われておりますようですが、同じことじやないかと思う。平衡交付金のほうで全額国庫負担に当はまるだけ金をくれるという、その金をくれるならばこの法案と矛盾するのじやないか。平衡交付金の問題は未知数ですから恐らく殖やしてもらえるかどうかわかりません。若しこれが通してもらえなければ結局困難は同じだということに考えられる。要するに平衡交付金増額に対して将来善処をしてもらえるかどうか、これが百九億からありますうちの四十二億だそうですから、四十二億だけでも廻せるものかどうか。これに負担に当てはめるものとして、そういうような点も一つ見通しとして聞いて見たいのです。
  28. 小林英三

    委員長小林英三君) 石川委員にお伺いいたしますが、今建設大臣はおりますが、一応呼んで聞いて見ましようか。そういう問題に、つきまして…。
  29. 小川久義

    小川久義君 建設大臣よりも大蔵大臣のほうがいいと思いますが、午後大蔵委員会大蔵大臣がお見えになるように聞いておりますので、その際こちらにも御出席願つて御所信の披瀝を願つたらと思いますので、さようお取計らい願いたいと思います。
  30. 小林英三

    委員長小林英三君) では委員長におきましてそういうようにお取計らいいたします。
  31. 田中一

    田中一君 そのほかに農林関係にも関連があるわけでありますから、農林大臣、それから安本長官にも来て欲しいと思うのです。
  32. 小林英三

    委員長小林英三君) それでは午後の委員会大蔵農林安本三相を呼ぶことに取計らいます。
  33. 赤木正雄

    赤木正雄君 簡単に一つお伺いします。公共土木施設、この土木施設というのはどういう範囲ですか、承わりたいと思います。
  34. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 第三條にも若干そのことを謳つておるわけでありますが、この法律公共土木施設というものは、地方公共団体維持管理しその工事を施行しておる、こういうような公共物をいうものと考えております。
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 第三條にあることは承知しております。土木施設というのは、単にこれに限定されるものではない。而も公共土木施設の問題でありますが、農林省でやつている公共土木施設もたくさん土木施設として認め得ると思いますが、その農林省関係土木施設は、これは土木施設としてお考えになつていないのか、或いはなぜこの法案からそういう農林省関係の、まあこの中に一部ありますが、そういう土木施設は入つていないのか。
  36. 石田政夫

    説明員石田政夫君) この新立法対象といたします公共的土木施設範囲につきましては、只今までもいろいろと意見を伺い検討されたのでございますが、大体趣旨といたしましては、全額国庫負担の二十五年度特別法対象といたしておりました公共的土木施設を、一応そのままとろうではないか、その際に建設省関係土木施設関係以外には農林省関係といたしましては御承知漁港と、それから林地荒廃防止施設、この二つにつきましては一応全額国庫負担と同じように公共的土木施設範疇に入れようという考え方をとつたわけでございます。なお農林省関係でほかに土木的な施設もいろいろございまするが、一応この法律の建前が前の特例法を改廃いたしまして根本的な恒久立法たらしめるという趣旨を貫きました関係で、対象を合致させるというところにあるのであります。
  37. 赤木正雄

    赤木正雄君 よくわかりました。では農林省関係のこれに盛られていない土木施設補助関係は、この法案で決定される補助との関係にどういうふうの相違がありますか。
  38. 石田政夫

    説明員石田政夫君) 農林省関係災害に対します補助といたしましては、御承知農林水産暫定措置に関する法律、あれがございます。で一応この災害土木立法と並行いたしまして合理的な御検討を遂げたわけでございます。そういたしまして特に農林水産暫定措置に関する法律のうち一部を検討いたしました結果、若干矛盾の点を是正いたしまして、この前に国会に御提案申上げましてあの暫定措置改正案を御審議願つたと存ずるのでございます。その差異的な内容は御質問によりお答え申上げます。
  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 私手許に今お話暫定措置法案は持つていませんが、大体でも結構ですが、今後しようとするこの法案農林省関係のそういう法案補助関係は、どういう仕事に対してはどれほど補助が違うか、或いは同じことになりますか。それをはつきりさして置きたい。補助率です。
  40. 石田政夫

    説明員石田政夫君) 農林水産暫定措置に関する法律によりまして、それぞれこの事業対象に対しまする種目別補助率を規定いたしております。その具体的な内容を申上げますと、農地につきましては災害復旧事業費の十分の五、それから農業用施設、井堰、溜池、こういつたものにつきましては十分の六・五、それから林業用施設にかかるものにつきましては、この林地荒廃防止施設、このうち既存の施設のあるものにつきまして、特に公共団体並びにその機関維持管理の責に任ずるものにつきましては、災害土木の新立法範疇に考えて想定いたしておるのでございまするが、組合等の場合の施設のある林地荒廃防止施設につきましては、それに対しまして十分の六・五の補助率農林水産暫定措置のほうに規定してございます、それから林道につきましては、前の暫定措置法律によります補助率を若干改正によりまして訂正いたしまして、奥地幹線林道に関しまするものは十分の六・五、その他の林道に関しまするものは十分の五というふうに規定しております。それから漁港施設につきましては、漁港のうち公共団体並びにその機関維持管理にかかるものにつきましては、この公共土木施設の新立法と同率に考えておりますが、それ以外の組合等漁港につきましては、補助率はこの暫定措置法律によりまして事業費の十分の六・五を想定しておるのでございます。
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 第三條に一河川、二海岸、五道路、六港湾、七漁港とありまして、三は砂防設備、四は林地荒廃防止施設、こういうふうになつておりますが、これは若しも一様にするならば、河川施設海岸施設或いは道路施設施設でも設備でもいいのですが、特にこういうふうにお分けになつ趣旨はどこにあるのですか。
  42. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 河川だとか、海岸道路港湾漁港、実はこういうものは、その一つ公共物として生きるのでありまするが、砂防公共物として取扱えるのでありますけれども、実は砂防……、荒廃防止というようなことはちよつとこれが一つ公共物として維持、管理しておるというように、ちよつと言葉が熟さないので、施設いたしましたものとして、一つ公共物として取扱つて行きたい。こういう意味で、特に書き分けるために、特に意識して分けたというよりも、そういうように書き抜いた。要するに砂防というだけではどうも一つ公共物と言えない。砂防のために設けられたものがこれが一つ公共物、こう考えて行きたい。それの意味でこう書き分けたのであります。なお河川につきましても、その他につきましても一応堤防とか、或いは水制とかいうものを拾い上げて書いて行きたい。こう思つてはおります。
  43. 赤木正雄

    赤木正雄君 北海道の災害はどういうふうになつておるか。災害復旧に対する補助関係は……。
  44. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 北海道につきましては、従来からいろいろの沿革がございまして、国費支弁の河川道路というものがございまして、これは改良費につきましても全額を出しておるのであります。こういうものにつきましては、全額補助を従来通り取つて行く。それから補助関係の北海道の関係につきましては、北海道の後進性という点を重く見まして、なお従来の取扱の八割という点を尊重いたしまして、当分の間それを継続したい。いわゆる北海道の補助につきましては五分の四に達しないものにつきましては五分の四まで持つて行く。そうしてそれ以上に行くときにはそれ以上の率を適用する。どこまでもこれは実は北海道の後進性という点を一つ強く見て行く。併しこれはいつまでも続けるというのではなく、適当な時期においてこれを改正したい、こう存じておる次第でございます。
  45. 赤木正雄

    赤木正雄君 北海道が特に災害復旧補助に対して優遇されておるようなことに思われますが、例えて申しますと鳥取県のごときも実に貧弱な県で又災害も非常に多い。こういう北海道以外の所においても、これは平衡交付金関係もありましようが、非常に困つている県もある。そういうことを考えますと、特に北海道だけにそういうふうに特殊扱を今以てなさる必要があるか、まだ納得しがたい。この点をもう少しよくわかるように……。
  46. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 北海道開発長官を兼務しておりますからちよつと私から申上げにくいのでございますが、赤木さんもよく御承知の通り前から……、この昭和二十五年度は別でございまするが、これは全国一様に全額負担なつております。併しながら二十四年までは行政上の扱いといたしまして、八割補助をいたして参つた次第であります。そこで本年度に限り暫定措置法が効力を失いますと、若しこの法案が御議決願えなければ従来の例に帰るわけでありますが、従来の例となりますというと八割、これは期待もいたしておりまするし、一種の既得の権益ということにも相成りまするし、又次長から御説明申上げました通り北海道はまだ未開発後進地域でございまして、全体としては成るほど四百二十万の人口がございますが、各市町村ごとにこれを見ますと、単級複式学校が至る所にあるというような状況でございまして、結局その密度においては内地の市町村の力に遙かに及ばない、こういうふうに我々考えておる次第でございます。そこで暫定的に、そう長いこととは申しませんが、当分の間北海道が立派に開発されるまで、即ち大人になるまでの間、従来の通りの扱いでやつて参りたい、こう考えております。なお内地が税額の二倍以上の災害がある場合に、その部分について全額国庫負担があるという場合は、いわゆる最惠国の待遇を北海道に与えてやつてもよろしいのではないか。但し北海道というものが、自治団体たる北海道自身が税額の二倍以上の災害を受けて、そうして全額国庫負担を受けないというような場合は、従来と殆んど同じであります。北海道の中の市町村は年々きまつたよう災害がございまして、而もそれは融雪災害、而も河川等が放つてある関係で、橋梁等が定期的に流されるのである、こういうような悲惨な状況にございます。でありまするから五分の四といつたような従来の扱いは皆様の御協力を頂いて継続いたしたい、こう考えておりますが、市町村について全額国庫負担をする場合が、従来三カ年平均の統計をとつて見ますと多少ございまして、金額にいたしますと、四百五十万円くらいの負担を国庫で出すということに相成つて参る次第であります。要するに全額国庫負担の場合には内地と同様の待遇を受ける、それからそうでない場合は従来通りの待遇を受ける、こういう二本建の枠で参るわけであります。
  47. 赤木正雄

    赤木正雄君 北海道は馬鹿に大臣は可愛がつておられますが、(笑声)もう相当一人前に成長したように思うのですが、併し大臣よく御承知ですからその点もありましようが、何年くらい今のこの規定を適用なさるお考えでしようか。
  48. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 当分の間……。(笑声)
  49. 赤木正雄

    赤木正雄君 何とも言いようがない、当分では……。  次に一カ所の工事費用が十五万円に充たない場合は災害対象にならなくなつておりますが、成るほど今の貨幣価値にいたしますと、十五万円というのは誠に僅かなものでありますし、私が昨日のこの委員会でも申しました通りに維持修繕か非常に大事なときである。むしろ維持修繕さえ完全にやつて置くならば今日の災害は半分以上は私は防ぎ得る現状にありはせんかと思います。而もその維持修繕費を今日の府県財政では出しがたい。そういう情勢でありますからして、十五万円に限定しますと、それ以下のものはこれはその次の水害でこれが十五万円或いはそれ以上になるまで放置して置く。これは多分恐らくいずれの府県、いずれの災害個所に当つてもその通りと思います。でありますからしてこれをもつと下げる、もつと一カ所の工事費が小さくても、災害補助対象にする、そういうお考えはなぜ最初に御研究なさらなかつたのでしようか。或いは御研究なさつてそこに行かなかつた事情を承わりたい。
  50. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) この問題につきましては、昨日も中田次官から実は率直なお話があつたわけでございまして、一カ所の工事というものをどう切るかという問題につきましては、各省の間におきましてもいろいろと議論があつたのでございます。或いはこれを十万円にしたらばどうか、或いは県は十五万円、町村は十方円、或いは県は三十万円、市町村十五万円といろいろな議論が百出いたしましたのでありますが、国の財政というような点から、現在の災害の現実の状況から照らしまして、むしろ小さいのをやるというよりも、重点的に実際の金の面からして大きなものを速かに片付けて、小さいものについては誠に苦しい中であるが、地方において負担してこれを実行して行く。両々相待つて早く災害復旧を促進したい。こういうような観点から、実は十五万円という点に落ちついたのでございます。
  51. 赤木正雄

    赤木正雄君 実際問題といたしまして、仮に二十四年でもよし、或いは二十五年度でも結構ですが、十五万円以下の災害個所が全体の災害の個所の中にどれほどあつたでしようか。
  52. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 二十五年度につきまして、大体府県からいろいろ資料を取つて調べましたところによりますと、二十五年度災害については、一割程度であつたかと、こう存ずるのであります。
  53. 赤木正雄

    赤木正雄君 その十五万円に満たなかつたために災害対象とならなかつたもので、次年度に十五万円以上の大きな災害に拡大したものはどれほどあつたでのようか。
  54. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 実はそういうはつきりした調べを取つておりませんので、お答え申上げかねるのであります。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 私の質問は少し無理かとも存じますけれども、私の今質問しておる要点はそこなんです。十五万円に満たないために、これが対象にならないから放置しておる。そこで各町村が自力を以て全部それを復日するかといえば、恐らく復旧しないで放置して行く状態であります。それが次の年の水害でやる。いわゆる十五万円以上に進級する、やつと大きくなつてこれが災害対象になる、言い換えるならば今日の災害方針というものは災害規定がそこに欠陥がありますからして、法規の上からして災害を助長するようになつておる、こういうふうな考え方も言い得るのであります。昨日も申した通りに、維持、修繕に対して、これは府県の責任でありますが、国が補助してないから、防災という名前で一部補助があるというように承わりましたが、大体維持、修繕を補助しない、それがために災害の大原因になる。従つて今申したと同じ理論で、つまり十五万円以下を放置して行く。そうして災害の大きな額に達するまで置くから、国はますます大災害として巨大の費用を投ずる。いわゆるこの法規の少し欠陥があるために、そこに災害を人為的と言つては少し誇大か知れませんが、拡大して何億、何百億という災害費なつて来ますから、そういう点も十五万円をおきめになるときに、十分検討されての上でしようか、どうでしようか。
  56. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 補助対象にならない部分につきましては、県の単独の起債もございまして、極力そういう問題の解決につきましては、側面から援助いたしておるようなわけでございまして、県に対しましても、財政的に苦しい中においても維持費というものを掲げるように、我々といたしては慫慂いたしておるようなわけでございます。  なおこれを十五万円以下を十万円にするということによつて、ここから災害発生を未然に防止しようというような点を十分考えて立てたか、こういうようなお話もございましたが、そういうような問題につきましても、はつきりそれを考えてというわけではございませんが、実は国におきましても、災害査定いたしましても、災害費支出におきまして、甚だ申訳ない話でありまするが、遅れておる。十五万以上の個所すらなかなか早く回復できない。こういうような点も考えまして、できるだけ大きい点は金を補助をいたして、早く出してそうして解決し、小さいものについては、お互いに責任を分担してやつて頂く、こういう点から立てたわけでございます。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 明らかに設計の不備又は工事施行の粗漏に基因しているものは、災害対象にならないように思いますが、明らかに設計の不備、これは非常にむずかしい、災害査定官のきめた設計によつて仕事した場合、それが又災害をこうむつた、そういう場合には一体どうなるものでしようか。
  58. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 四とか五という問題はなかなかこれは判断のむずかしい問題でございます。ただ我々のここに考えましたことは、一般人が見まして、常識を備えた一般人が見まして、如何にも不都合であるかないか、こう感ずる、こういうような問題のときにおいては、これは災害対象から除く。いわゆる重大なる義務の過怠であるとか、重大なる過失でもあるというような、一見誰が見てもというようなものは、補助対象外に置きたい、こう考えておるわけであります。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう少し具体的に申さんと私の意が通じないような気がいたしますが、要するのに、災害に対しては、災害査定官が査定することと思いますが、査定官の技能は全部が全部まで立派な人とも思わない、そういうときにまあ素人と言つては、半素人の私どもが見ましても、これは少し災害査定日のほうの査定が無理じやないか。要するのに査定官が、これは次長も御承知の通りに、以前には相当立派な技術の権威者が査定していた。最近は余り経験もない人が査定官として査定する、むしい府県の技術者の長年の経験のほうが遙かに役立つ、そういうものがたくさんある。併し査定官の査定したがために、府県の折角設計したものが葬られ、災害査定官の査定通りに処置する。そういう場合に設計の不備ということは確かに起り得るのでありますが、一体こういうときの問題はどうなりましようか。
  60. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 赤木先生などが旧内務省におられました時分と、現在の技術官との間に、或いは相当の開きがあるかも知れません。私技術官でございませんので、そこらの批判はちよつと私としては避けたいと存するのでございまするが、査定官としても全智全能を傾けて、そうしてその査定に当つてくれるものと存じます。そういうまじめに査定して来ましたものにつきまして、そこに過ちがあつたといたしました場合におきましては、もとよりこれは私がここに言う除外するという場合には入れたくないものと存ずる次第でございます。
  61. 赤木正雄

    赤木正雄君 維持管理の義務を怠つたことに基因したものは、これは災害補助対象にならないとありますが、先ほども、又昨日も申す通りに、各府県には今日十分な維持管理をするほどの義務があつても金がない、従つて維持管理をやつていない。恐らく今日の災害のうちで維持管理の義務を完全に遂行していないために、災害の原因となつておる、これが非常に多いのでございます。こういうものをやはり全部災害対象とはおとりにならないのですか。これを厳格に言うならば、果してこの法規通りにやるならば、実際どれほどが災害対象として取上げられるか、非常に疑問だと思いますが、これはその辺の川をちよつと見ても、すぐわかりますが。どうですか。
  62. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 赤木先生はもう全国の河川を十分御視察になつているので、甚だ私から一々それについて申上げる必要もございません。最近の府県財政が相当行詰つておるということは、昨日並びに本日も縷々と先生から承わつておるわけでございます。我々もその点については十分認めておるのでございます。併しまあ府県といたしましては、できるだけの責任は果してもらいたい、財政力と睨合せてできるだけの何は果してもらいたい。併しその財政力という点からも、いろいろな点は勿論です。その他いろいろな点から判断いたしまして、何人も、余りにもこれは義務を怠つておるじやないか、大体一般人が認容できないような義務違反をしておるというような問題については。これは一つ、県としても誠意を以てこれに当つて頂くべきではないか。要するにこれも常識的に考えまして、そこに余りひどくないような、ゆとりある査定をいたして参りたい、こう存じております。
  63. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川港湾で埋塞した場合に、維持上又は公益上特に必要を認められるものは除くが、そのほかの埋塞に対して復旧の場合、補助は認めないことになつておりますが、これはやはり従前もそうでしようが、維持上又は公益上特に必要を認める、これを嚴格に言いますと、どの程度か非常にあいまいなんです。これはどういうふうの程度までお考えになつておるのでありましようか。
  64. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 実は河川港湾漁港の埋塞については、適用除外とする。普通の程度の若干の土砂が出て、川に少しくらい土砂が堆積した、航路に若干の土砂が堆積したというような程度のものは除くのであります。川の埋塞のために結局川の水が流れず、そのために両岸にちよつと水が出れば氾濫してしまう。又航路に土砂が堆積いたしまして船がどうしても通れないというような、そういう公益上の問題には、大きなようなものをとつて参りたい、こう存じておるわけであります。
  65. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の問題はそのくらいにして置きましよう。次に天然の河岸及び海岸の決壊にかかるもので、但し維持上又は公益上特に必要と認めるものに対しては補助する。天然の河岸、これを強く押し進めて行きますと、工作物等のない場合でも、全部災害対象になるように思いますが、これはどういうところまでお考えになつておりますか。
  66. 賀屋茂一

    説明員(賀屋茂一君) これは今まで、従来もこういう取扱をやつていたのでございますが、これは河川で申しますと、河川で除外例が九にございますが、直高一メートル未満の小堤、こういうものは除外をいたしておるのでございますが、相当河岸も施設と同じような河岸になつておりまして、これがどんどん侵蝕されまして、そのために下流の河に非常に影響し、又、それから下流の工作物が維持できないというような状態になる個所がございますので、そういう所は放置して置きましては、下流に重大な影響がありますので、そこを食い止める程度のものでございまして、天然のものでございますが、施設同様に考えられるようなものでございまして、こういう特別なものを採択するという方針でございます。
  67. 赤木正雄

    赤木正雄君 やはり天然の川、その上流で土砂がたくさん押し出て、それに今は工作物はないが、すぐ堰堤でも作つて行かないと、すぐその土砂が下流に押し出して、下流の維持上、或いは公益上非常に影響がある、こういうものもやはり災害対象になるのですか。
  68. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 先ほどのこれは六の問題として或る程度解決できるかと思うのでありますが、実は下流へ土砂が非常に堆積して、この土砂を除くことが維持上、又は公益上特に必要のある場合に土砂を除くか、或いは土砂を除かずに何かそれに代る方法として堰堤でもやるがいいかという問題と、若し比較して、そういう場合において特別な場合においてはこれを代りの施設として考えられるものと存ずるわけでございます。
  69. 赤木正雄

    赤木正雄君 前年の秋田県の大水害において非常に各谷川が割れた。これに堰堤を作つて行かない以上は、下流に土砂が押し出して、折角下流に作つた護岸、堤防の効果がない。無論その下流の堤防なり護岸は、これを災害対象としたのでありますが、そういう場合に砂防とて堰堤を作る、これは無論今まで工作物のなかつた場所、これはどういうふうにお取扱いなさるのですか。
  70. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 只今仰せになりましたような場合につきましては、これは今の私申上げましたような、代るべき施設として取扱えない場合、一般砂防でこれを考えて、一般公共事業費砂防で考えて行くという手が一つ、もう一つはその場合緊急差し措きがたき場合においてその年度内にどうしてもやらなければならん。そういうような問題につきましては、これはその年度につきましては何らか災害費或いは補正予算、何かそういう方法によつて一年度限りその問題を取りあえずやる。次年度においては一般砂防予算で考えて行く。こういうように行くべきではないかと存ずるわけであります。なおこの問題につきましては安本方面ともその取扱については今後十分折衝をして参りたいとこう思つております。
  71. 小林英三

    委員長小林英三君) 午前中はこの辺で休憩をいたしまして、午後は一時半から再開をいたします。    午後零時三十三分休憩    —————・—————    午後二時二十五分開会
  72. 小林英三

    委員長小林英三君) それでは只今から午前中に引続きまして委員会を続行いたします。
  73. 赤木正雄

    赤木正雄君 午前中に御質問いたしました天然河岸の欠壊に関して公益上その他から御質問を申上げたいと思います。この天然河岸ということを認めるならば、やはり今朝ちよつと申した通りに上流から多大の土砂を流して来てこれを防ぎとめない以上は下流の災害復旧にも効果はないと思うが、そういうふうなもののある場合には、これはどういうふうにして処理なさるのですか。
  74. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 只今の御質問の問題につきましては午前にちよつとお答えいたした次第でございますが、災害復旧といたしましてこの第二條の第三項のごときを活用いたしまして、今すぐ復旧するに困難だというような場合おいては、それに代るような措置といたしまして、或いは堰堤を設け、それから両岸の堰堤を造るというような場合もございます。従つてそういうような場合につきましては、土砂どめの砂防の堰堤を築くこともございます。なお崩壊地を防いで、下へ出るのをとめるために、どうしても差し置きがたいとこういう場合につきましては、予算上の、本法案においては、これを復旧するという條文がなかなか困難であるかとも存ずるのでありまするが、その問題につきましては、過日来安本からもお述べになつたこともあるかとも存じまするが、その年度におきましてそういう問題について補正の予算を計上して頂くか、或いは同年、災害のある中から、災害復旧の、災害費のうちからこれを出して頂きまして、差し置きがたきものを一応堰堤を作つてとめる。そして次年度におきましては一般の予算増額し、そういう点を重点的に見て行くとこういうふうにして行きたいとこう存じておる次第でございます。
  75. 赤木正雄

    赤木正雄君 災害復旧に対してこれを補助する場合に、地方公共団体の提出する資料、実地調査の結果勘度するとありますが、資料と実地調査の両方を勘度するのか、或いは資料かそれとも実地調査のほうかどつちか一つを勘度するのですか、どうですか。
  76. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 地方団体から提出しましたところの資料に基きまして、原則としては現地に参りまして実地の調査をした結果、これを決定して参るつもりでございまするが、なかなか全部の個所を全部実地調査するということが実際問題として困難な場合があるのでございます。従つてそういう場合におきましては、提出せられました資料につきまして十分な精査をすると共に、実際に調査いたしました結果とを睨み合せまして、そうして現実に調査せぬものも、その資料に基いて見て行くとこういうことにしたいとこう思つております。
  77. 赤木正雄

    赤木正雄君 今のお話によると、災害の如何によつて或いは実地調査のできない場合もある。実際そういうことがありましよう。又資料も十分に備わらん、こういうこともあると思います。そこで後に前年度災害に対して資料或い実地調査もなかつたために、立派な災害復旧として採用すべき個所が残つているとそういうものに対しては、言い換えるならば、その年度災害に採用すべき見落しとも言えますが、そういう個所に対してはどういうふうに処理なさるのですか。
  78. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 建設省といたしましては資料の提出を待つて大体実地検査に出ておりますのでありますが、県におかれましても、なかなかその資料の提出をするまでにはいろいろと調査その他の事務に追われまして、ときに、落ちるという場合もございましようと存じます。そういう場合におきましては、県といたされましてあとより提出されましたものにつきましても、我々のほうといたしましては、その年度内にこれを追加申請といたしまして更に調査決定いたして参りたいとこう存じております。
  79. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の問題はその年度内に見落した場所の追加によつてこれを認める……。では或いは前年度のものでも災害として、当然災害として採用すべきものを、県の事務多忙、或いはその他の関係災害に見落したと、そういうものに対してはどうなんですか。
  80. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) この法規の何から参りますると実は暦年というとり方をいたしまして災害総額の決定をいたしまするので、できれば県といたされましても十分現地を調査せられまして、洩れなくこれを調べられまして、そうして資料を提出して頂くのが最も結構であり、又そうあるべきものであると存じます。従つて調査洩れがあるというようなことのないようにお願いいたしたい、こう思うわけでありまするが、万一そういうような問題があります場合においては、十分法規の許す限りにおいて判断、決定いたして参りたいと、こう存ずるわけであります。
  81. 赤木正雄

    赤木正雄君 その法規の許す限りというところはどういうところにありますか。ちよつとはつきりして下さい。
  82. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) ちよつと速記をとめて頂きたいのですが……。
  83. 小林英三

    委員長小林英三君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  84. 小林英三

    委員長小林英三君) 速記を始めて下さい。
  85. 赤木正雄

    赤木正雄君 そこが問題なんで、例えて言うと山奥の砂防、堰堤とか護岸、これは私は先年静岡で見たし、それから岡山県で見ましたが、立派な明治年代の工作物で、それが災害対象とならないで破壊したままに放置してある。或いは二、三年前の災害か、四、五年の前の災害か知りませんが、立派な工作物がそのままに放置してある。そういうものに対して、これは無論県の係が非常に怠慢だと思います。併し何分不便な所にありますから一々そこまで調査しなかつた。そんな関係でこれを放置しておいた場合、折角作つた莫大な工作物で今災害復旧にかければ、とにかく相当なものになる。併しこれは前年度のものであるからこれは採用しないということになるとその間に非常に変なものが起る。それでそういうものに対してもやはり自然災害復旧対象になるべきだと思いますが、どうですか。
  86. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) そういう問題につきましては先ほど申上げましたような気持で温情を持つて取扱つて参りたい、こう存ずるわけであります。
  87. 赤木正雄

    赤木正雄君 温情主義じやなしに、はつきりとそういう災害対象にすべきものである。ただ温情によつては、災害によつて違いますから、そうでなしにそういうものを災害対象にしてもいい、ということをはつきり承わりたい。
  88. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 制度上の問題といたしましては、暦年制をとつておりまするので、その年度に出て来ないものにつきましては考えにくいのでありまするが、次年度災害にそれがかかつたということになりますれば、その次年度の何として提出になればその場合においてこれを採用して行きたい、こう考えるわけであります。
  89. 赤木正雄

    赤木正雄君 では私、もう一遍繰返して申しますが、仮に不便な所にあつた工作物で、それがその年の災害の国庫補助対象として、いろいろな関係で採用できなかつた、或いは県の不備のためにできなかつた。そういうものに対しては、次の年の災害対象として取上げられると、こういう御方針ですか。
  90. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 次の年度において発生した災害として御提出になりますれば、その事情を勘案いたしまして、十分考えて行きたい、こういうふうに思つておるわけであります。
  91. 赤木正雄

    赤木正雄君 次の年の災害として各地方庁がこれを提出した場合に、それは採用されるのですか。
  92. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) その場合の実情をよく勘案いたしまして、そうして採用して参りたいと思つております。
  93. 赤木正雄

    赤木正雄君 その実情勘案が私は非常に不満足なんです。それをはつきり言つて下さい。
  94. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 前年度災害であるが本年度提出したということがはつきいたしますれば、まあはつきりとした制限を以て出されたものといたしますれば、この法規から参りますれば、その点が採用は困難であると存ずる次第であります。
  95. 赤木正雄

    赤木正雄君 では大臣もおられますから、大臣の御答弁は要りませんけれども私はお聞き願いたいのです大臣に……。もう山のほうで仕事していましてもですね。それは堰堤とか護岸とかやつているのです。併し実際を申しますと、その県の当事者が何分不便な所でありますから、災害があつた当時に期間もなし、これを殆んど災害の国庫補助対象として、調査しないで放置している。それはたくさんあるのです。これは誠に遺憾と思うのです。我々はこれは如何なる專門家が見ても、これはなぜこれを放置しているか、これは山腹だけではありません、護岸工事、堰堤、たくさんあります。目下長野県でもあります。ほかの県にもたくさんあります。それをそのままに置いておくというのは、誠に私は遺憾だと思います。殊に最近はややもするとその山のほうの、そういう堰堤なんかを余りに軽視して行く弊がありますから、でありますから折角仕事したものであるならば、熱心な技術官があれば、それは無論出しますが、私どもほうぼうに参りましても、なぜこれを災害に出さなかつたのかと言うのがたくさんあります。から、このことを今後、或いは各県の土木部長会議のときに、特に大臣から御注意を願うように私はお願いして置きます。
  96. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 謹しんで拜聽いたしました。
  97. 赤木正雄

    赤木正雄君 次に第八條に、「当該災害復旧事業が施行される各年度」とありますが、一体災害は何年間くらいたつてこれを復旧なさる御方針ですか。私どもの知つている範囲では、災害は成るべく早く復旧すべきである。少くとも一、二カ年の間に、まあ最近は三カ年となつておりますが一、二カ年の間に、一番初めこれは当年度と思つております、それほど又その迅速に災害復旧をやるという方針に取扱つていたように思いますが、これに対してこの各年度とありますが、非常に長い間かかつて災害復旧すると、国家財政関係上そうあるかも知れませんが、これは早く災害復旧しなければ、ますます災害が、次年度災害に対して多くなるのでありますからして、これは各年度というのを何年くらいにお考えになりますか。初めの災害のときの規定のときより成るべくならばまあ二年間でやつてしまう。これは私はまあ災害復旧の原則のように考えておりますが如何でしようか。
  98. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) これらの点につきましては、もう赤木先生は、従来の旧内務省時分のことを十分御承知でございまするから、今更申上げるまでもありません。当初におきましてはその年度においてこれを施行し、むしろ金のほうが先に行つた金が繰越になつたというくらいに行つたものでありましたが、その後昭和九年におきましての大災害のときは非常に工事が多かつたというために、工事の施行能力と勘案して若干延ばした、こういうこともありました。ただ十三年以降事変が始まりましてから国家財政の、非常に行詰つたというか、非常に苦しくなつたというためもございまして、これを二年乃至三年に延ばして来たのであります。然るにその後戦争が勃発してからますますこの面に圧迫が加わりまして、五年、中には三年、五年というような長い年度に跨つて来たのであります。我々といたしましてはできるだけこれを早くやりたい。できれば一年でもやりたい、こう思うわけではございまするけれども、何しろ御承知の通りな財政状況でございまするので、せめて三年程度にはやりたい、この方針は我々といたしましては常に主張をして参つておるのでありまするけれども、なおまだ戦後の疲弊から回復いたしておりません我が国の財政事情といたしましては、どうしても三年にもやれない。参考資料を提出いたしました程度のものしか済まないで、お叱りを受けておるような実情でございまするので、非常に心苦しく思つておりまするが、できるだけ早くやりたい、こういう考え方には変りはないのでございます。
  99. 赤木正雄

    赤木正雄君 建設省といたしましてもそういうふうに成るべく早くやつたほうがよいというお考えであるならば、これは以前の災害復旧規定にはその年とはなかつたのですが、何か年限が書いてなかつたでしようか。
  100. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 年限は書いてなかつたと思います。
  101. 赤木正雄

    赤木正雄君 成るべく早くとか何とか、たしか書いてあつたように私は思いますが……。
  102. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) そういうように何年間に出すということは書いてなかつたのでありまするが、三年間たつてもやらんような場合においては、取消すことがある、こういう何があつたそうです。
  103. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ほど説明員お話の通り昭和九年の大水害以来この災害の規定が一部乱れてしまつたのです。毎年々々やつたものが、昭和九年大水害以後二カ年以上に跨つて復旧費を出す、国の補助を出す、それが今日のように非常に乱れて、今日はよほどよくなりましたがそういうふうでありますからして災害復旧はとにかく早くやらなければならん。そういう趣旨をお持ちならば少くとも二年間くらいにこれをやつてしまう、或いは最長年限三カ年限りにやつてしまう、そういうふうなことをここに織込みなさる必要はないのですか。
  104. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 現在の国家の財政状況から見まして、はつきりとそう確定することには、なおまだ困難な実情がございまするので、実際問題として財政の許す限り早くやるという方針で進むより今のところはいたし方ないと、こう存じたわけでございます。
  105. 赤木正雄

    赤木正雄君 それには結局災害復旧費に対する国の補助が多額になる。この多額に上つておるのには大きな原因がありはせんかと思うのです。それは以前のように災害復旧に対して嚴選主義を強く進めるときには、今日の災害復旧でもよほど金が減つて来りやせんか。併し少しルーズにこれを査定すると、莫大な金になつてしまう。これはもう一々御承知の通りであります。でありますからして、とにかく大事な災害復旧は早くやる。それがためには嚴選主義で臨む、そういう方針をはつきりしたほうが国全体として大きな災害を又招くということはないと思いますが、そういう点にはお考えにならなかつたのですか。
  106. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 建設省査定に当りましては、もとよりこの大きな災害で、而も被害の大きいというものを優先的に工事を施行させておるのでございまするが、査定に当りましても非常に経済的の価値の少ないようなものというものは後年廻しにいたしまして、一応査定から落す。そうし成るべくやらなければならん、やるが適当であるというようなものを一応とりまするわけでございます。而もとりました中におきましても、県と緊密な連絡をいたしまして、申訳けないような金ではありますが、その金の中で最も重点的な個所に向けるように、そうしてやらしておるようなわけでございます。
  107. 赤木正雄

    赤木正雄君 今大体わかりましたが、併しこれも災害査定に加える、その年々によつて多少手心はあつても、或いは厳選によつて、或いは勘案されておるような気分が多分にその現地にあるのです。でありますからして、とにかく年々によつて災害査定の方針が変るということは非常に私は面白くないと思う。これに対して今後はもうちやんとこういう法規が出たならば、その法規によつてどこまでも守つて行くと、そういうふうのお考えがあるのか。或いは又災害の場合に又内相談やつてその年によつていい加減に又これを勘案し、或いは手加減を加える、そういうような考えは今後お持ちかどうかそれをはつきり伺いたい。
  108. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) できるだけ合理的な査定方針を決定いたしまして、その方針に基いて今後はいろいろとその方針をぐらつかせないように進んで参りたいと、こう存じております。
  109. 赤木正雄

    赤木正雄君 来年度災害復旧の国庫の補助は、過年度これは幾らぐらいになつておるのですか。
  110. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 来年度災害復旧費事業費予算化したものでございます。予算化したものにつきましては、これは二十五年度の暫定法律が本年で切れますので、予算編成当時といたしましては、一応従来の法規によりました計算によつたわけでございまするので府県災害復旧といたしましては大体二百三十五、六億かと存ずる次第でございます。それによつてこの事業費ができるものと、こういう下に予算に計上されておりますが、ところがこの法規の適用によりまして、その点については若干比率が上昇いたします関係上、事業費におきましては、今申上げましたより少し、少くなるかとこう存ずるわけであります。
  111. 赤木正雄

    赤木正雄君 建設省でそういうようにおきめになりまして、安本はこの災害に対してはどういうふうのお考えがありますか。
  112. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 只今私が申上げましたのは、一応計算上そうなつておるということを申上げましたのでございますから、そこの点を御了承願いたいと思います。
  113. 石田政夫

    説明員石田政夫君) ちよつとお伺いいたしますが、只今赤木先生の御質問が、安本災害に対してどう考えておるかという御質問ですが具体的にどういう項目でございましようか。
  114. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ず第一に、承わりたいのは、安定本部は、建設省査定した災害に対して、これは又安定本部の内部で何んですか、建設省のきめた災害国庫補助に対して査定するとか何んとかいう、そういうことがあるのですか。
  115. 石田政夫

    説明員石田政夫君) 安定本部といたしましては、各主務省が、それぞれ詳細な内容を、災害内容を検討いたしました主務省査定を非常に尊重いたして、これをその基礎データーといたしまして、いろいろ具体的にその国費の配分に努めております。
  116. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、建設省として後年度、それから災害復旧には災害査定の結果、相当にきまつたものがあると思います。併しこの補助の率も変つたりなんかしますからして、これによつて今おきめになつておる建設省としてすべき災害復旧費用が、或いはもつと国費を要する、そういうような場合はどういうふうになさるのですか。
  117. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) 現在我々が考えておりますのは、前の率で考えておりますので、今度法律が通りますれば、各省の国費の割合が変るということはこれは当然でありまして、その場合には、何らかの方法によりましてこれを是正するということを考えております。
  118. 赤木正雄

    赤木正雄君 この法律の結果変る、そういうこともあり得ると思いますが、折角建設省といたしましても仕事をする場所、災害復旧として採用してすでにそれがどうしても復旧工事をやらなければならん、そういう場所を、金がきまつておる、又率が変つて来る、それがために仕事をする場所が減ずるというふうなことがあつても困るし、又実際、まあ二十五年度全額補助いたしましたが、これが今度補助が変りましたら、それを待つてその結果補助が非常に減つても困る。従つて十分災害復旧ができなくては困るというような実情でございますが、それに対しては或いは予算増額しても既定方針でなさる方針ですかどうですか。
  119. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) 只今質問なりました予算を増しても既定方針でやるつもりかどうかというお尋ねでございましたけれども、我々といたしましては、是正するということまでは考えておりませんが、それをどういう方法でやるということは、実は我々よりもむしろ大臣がおきめ願うということで、まあいろいろ検討中でございます。
  120. 赤木正雄

    赤木正雄君 無論これは閣議できまると思いますが、併しこの法案をお出しになる場合、そういうことは当然お考えになることと思います。それに対して安定本部としてはどういうお考えをお持ちになつておりますか。
  121. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) それは先ほど申上げましたように何らかの方法において各省間のバランスを保たせるというふうに考えておる次第でございます。
  122. 赤木正雄

    赤木正雄君 ではこの法案のためにとにかく、建設省或いは農林省もそうでしようが、折角地元としてはこういう災害復旧をしてもらうのだということを期待しておりますからして、そういう期待に裏切られては非常に困る。これは恐らくどの町村にしても同じだと思います。それがためには当然或いは災害の国庫補助額をお増しにならなければいけないということもあり得ると思います。これに対しては十分御考慮を願い得ると考えていいですか。或いはまだそういうことはそこまで考えをすることに達しないのですか、どうですか。
  123. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) これは只今研究中でございまして、今ここでどうということは申上げる段階に達しておりません。
  124. 赤木正雄

    赤木正雄君 それでその点は特にお伺いいたします。とにかく災害復旧の個所が減つても困りますし、又工事が非常に減つても府県では困りますから特に伺いたい。それからもう一つは、この前の委員会でたびたび問題にいたしましたのは、砂防災害復旧問題、つまり砂防に対しては農林省と非常に違つた考え方をしておられる。これに対しては今後どういうふうになさるのですか。
  125. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) この前赤木先生からいろいろ御指摘になりましたことにつきましても、我々といたしまして十分研究いたしまして、農林省関係、それから建設省関係といたしましてそれの齟齬のないようにいたしたいと考えております。
  126. 赤木正雄

    赤木正雄君 この前も申した通りに、砂防災害は長年これの復旧を停止していた。或いは殆んど顧みられなかつた。そういうふうな関係がたくさんあるので、これは当然今災害復旧対象として県が取上げて出しても不当のこととは私は考えられない。それに対してはどういうお考えでしようか。
  127. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) 県が御提出になりましたものにつきまして、先ほど伊藤次長が言われましたように、緊急のものに対しましては、やはり何らかの方法によつて処置をすべきだというふうに考えております。
  128. 赤木正雄

    赤木正雄君 緊急と緊急でないがために、随分災害復旧にはいろいろの考えがあつたことを恐らく局長も御承知だと思います。見方によつては非常に緊急だし、又見方によつてはそう緊急でない。実際これが十人が緊急とするものもあるし、或いはそのうちの過半数が緊急とするものがある。例えて申しますと、先年の秋田県の水害のごとき、やはりその山間部に堰堤を築いて行かない限りは、どの河川もすぐ土砂が流れて来て、折角作つたところの堤防も埋つてしまう。だからその当時岩沢次官も、それは災害対象として堰堤を築く、こういうことを言われた。併し事実何らされなかつた。それは少しも工作物がなかつたからという意味でされなかつた。又山腹工事は、ほうぼうに崩壊している山腹を全部仕事をしろとは言いません。自然に復旧するものは、これに金をかけるのは無駄だ、放つて置いても自然に復旧するものは放棄してもいい。併しだんだん崩壊するものはこれは一日も早く金をかけるべきだ。これは専門家の立場、或いは事実をよく認識するとしないとによつて非常に考えが違います。でありますから、緊急とおつしやいますが、私は脇ほど申しました通りに専門家、専門家によつて非常に違いわせんかと思う。でありますからそういうものに対して、つまり今まで災害対象とすべきものを取上げていなかつたというものに対して、府県が出した場合にはこれを取上げられる方針ですか、どうですかお伺いします。
  129. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) この法律に誰つてありますように、施設のないものはこの災害法規ではとりませんが、先ほど申上げましたように、つまり放つて置けないというようなものにつきましては他に措置をすべきだというふうに考えております。
  130. 赤木正雄

    赤木正雄君 私はこの災害復旧によつてそのすべての仕事ができることを好まない。むしろ根本的の施設があつて災害復旧は成るべく少くしたほうがいいという持論を持つております。併しこの前も崩した通り、農林省仕事は、山が崩壊してもすぐ災害の対策とする。併し建設省は今まであつたものさえも、例えば山腹工事災害復旧対象とならなかつた。こういう非常な差別があつた。それに対して今局長のお話では、今後或いは農林省のほうで山腹の崩壊したものを、それが施設物がなかつたら、全然取上げられない、こういう方針なんですか。
  131. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) それは只今説明申上げました砂防と同じ歩調をとりまして、やはり緊急止むを得ざるものは取上げるということです。
  132. 赤木正雄

    赤木正雄君 緊急とおつしやいますが、それじや工作物の有無は眼中にないのですか。
  133. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) 施設のあるものは災害復旧法律に規定してございますからそれによつてやる。それから施設のないものにつきましては只今申上げましたように、両者の矛盾のないように措置して行きたい。
  134. 赤木正雄

    赤木正雄君 この法案農林省にも重大な関係を持ちますが、これは農林省の人も了承しておりましようか。
  135. 小沢久太郎

    政府委員(小沢久太郎君) これは建設省におきまして一応提出されたものでございますけれども、これを作ります際には関係各省連合いたしまして了承しているところでございます。
  136. 小川久義

    小川久義君 この附則の第四項に、「災害復旧事業で昭和二十五年以前の災害に因るもののうち、主務大臣による事業費の決定があつて、国の負担金の全部又は一部の交付をまだ受けていないものについて準用する。」と、こうあるのですが、どうも内容がわかりにくいので……、まだ国の補助が未払の分は二十三年度にも四年度にもあると思う。無論二十五年度にはなお更にあると思うが。で、三年、四年の分に対しては補助率が違うわけですね。五年の分には全額だ。この率を如何ようにされるのか先ず承わりたいと思う。それから三年、四年、五年と未払の国庫補助というものは、各年度別に如何ほどずつあるか承わりたいと思う。
  137. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 二十五年度におきましては、全額支出いたしましたのは二十五年度予算で執行するものを全額といたしたいのでございます。そこでなお二十三年度、二十四年度、並びに二十五年度、この三年の間の災害復旧費の残がございますのであります。それを二十五年度につきましては、この二十三、二十四と、これの負担率をどうするかと、こういう問題を実は四條に規定いたしたのでございます。二十五年度につきましては、二十五年度財政収入見込み額と災害総額と比較いたしまして、負担率を出して行つているわけでございます。  それから二十三、二十四は実は標準税収入額というものが、税制の改正によりまして、比較のできないようなかつこうになつていて、二十五年度と均衡がとれないので、取りあえず二十五年度の標準税収入、こういうものと比較いたしまして、そうして四條の規定によりましてスライドを決定したわけであります。そうして二十三年度になお残つておりまする災害額は、大体府県災害といたしましては、河川局関係といたしましては二百五十億程度残つておるわけでございます。それから二十四年度災害といたしましても、大体二百五十億程度残つています。二十五年度の残りは、大体四百二十億程度残つておるわけであります。
  138. 小川久義

    小川久義君 この残つておるのは査定した金額だろうと思いますが、すでに工事を終えた分で、国庫補助が未だ府県に行つておらん円が相当あると思うのですが、それはどのくらいありますか。お伺いします。
  139. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 実は、補助はこちらで予算に合しまして、そうして認証いたしまして、執行して頂いておるわけでございます。従つて実はやり越しの部分というものにつきましては、これは二十六年度予算でスライドして行くよりいたしかたがないと、こう存ずるわけであります。
  140. 小川久義

    小川久義君 認証した工事で、工事の完了したものは、全部国の補助は支払い済みですか。又幸らか残つておりますか。
  141. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 認証いたしましたる部分は全部支払い済みでございます。
  142. 小川久義

    小川久義君 二十五年度においてもですか。
  143. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) さようでございます。
  144. 小川久義

    小川久義君 そこでこの二百五十億、二百五十億、四百二十億というものは、府県で勝手にやり過ごしたということになりますか、その点を……。
  145. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 残つておりまする事業を、県といたしましては若干やり越しをしておられるかと思いますが、実は大部分がまだ未施行だと存ずるわけでございます。
  146. 小川久義

    小川久義君 どうも実態と合わんように思いますが、あなたのほうの考え方からすると、勝手にやつたようなこととなつておりますが、府県の立場からすると、やらざるを得ないところの理由からやつた。川が切れた、それをとどめざるを得ない。予算がないからといつて川を切れつ放しにして置くわけに行かない。そこでやつたあとで認証を受けておりましようが、そういうものが僕は相当残つているのじやないかと思う。従つて行詰つた財政のうちから国庫の立替見込みでやつた工事の立替払いをしている分が相当ある。これは毎年残つているのに今年に限つて一文もないというのはどうも僕は納得ができないのですがその点どうなつておりましようか。
  147. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) 只今仰せになりましたように、県といたしましては国の予算に縛られて工事ができないということではなかなか現地においては困難でありまするから、相当やり越しましておられるかもわかりませんけれども、併しその問題につきましては、実は私のほうにいたしましても正確なる調べは取ることができませんのでありまして、次年度におきましてそういうのから優先的にいつも認証に出しておられるということでございます。これは速記をちよつと……。
  148. 小林英三

    委員長小林英三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  149. 小林英三

    委員長小林英三君) 速記を始めて。
  150. 小川久義

    小川久義君 いろいろそういうことも耳にしますのですね。成るべく早急にお調べを願つて善処をしてやつて頂かんと府県でも相当困つていると思いますので、善処方を深くお願いします。
  151. 小林英三

    委員長小林英三君) 別に御質問がなければ質疑を打切ることに……。
  152. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ほど私質問いたしました第六條の「一箇所の工事費用が十五万円」これについては私は非常に疑問があるのです。やはり災害土木費国庫補助関係法規、これは随分研究して作つた昔の法律でありますが、これのほうがよほど実情に適して、いい点がございます。その個所を申しますと、一個所の工費、府県工事にありては七百円未満、市町村その他のものにありては五百円未満の工事と、こうあるのです。これは私は非常に吟味すべき点だと思うのですが、つまりここに十五万円として、市町村府県も同じように十五万円未満の工事はこれを災害対象にしない。ここに不都合がありはせんかと思います。私はどうしてもこれを十五万円ということで、これは当然府県ならば、十五万円でいいと思います。町村の工事は少くとも最高十方円、そうしないと均衝がとれんのみならず、実際問題として困る。昨年私はほうぼう災害地を廻りました。災害地を廻りましても、因つている町村、貧弱町村、それは僅かな十万円どころか、十万円の工事費に対して国が取上げても、そういう町村は災害がたくさんあるから困つているというのでありますからして、やはりこの一個所の工事費の費用は「十五万円に満たないもの」と、こうなさつてあるのを、これをやはり昔の法規のように府県工事なら十五万円、町村工事ならせいぜい十万円、こういうふうに二つに分けたほうが妥当と思いますが如何です。
  153. 伊藤大三

    政府委員伊藤大三君) この問題につきましては率直に申上げまして相当の議論のあつたところでありまして、府県市町村上の間に少し区別をつけてはどうかというのも議論に出たのであります。ただその場合におきまして、県工事は三十万円乃至五十万円というような説も出ました。いろいろとその間に議論が盡きなかつたのでありますけれども、最低を十五万円までに抑えてこれできめて行くということに実は苦心いたしたわけであります。勿論市町村府県との間に相当の財政力の開きもあると思うので、町村としては非常に御困難なこととは存じますのでありますけれども、一応こう決定いたして参つたわけでございます。従つて十五万円の以下の問題につきましては、府県市町村でこれを施行せられるものについては、県債なり町村債なりを十分に見、そうしてその問題に対して特別の交付金とかいうような方面から若干考えて頂きたい、頂くというようにいたして参りたいとこう思つておるわけであります。
  154. 赤木正雄

    赤木正雄君 委員長ちよつと速記をやめて懇談したいのですが……。
  155. 小林英三

    委員長小林英三君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  156. 小林英三

    委員長小林英三君) 速記を始めて。
  157. 赤木正雄

    赤木正雄君 第六條に、「一箇所の工事費用は十五万円に満たないもの」これは災害対象とならんと言うのです。これは非常に大きな問題で以前の内務省時代の災害土木費国庫補助関係法規の中におきましても、その第三條に「一、一箇所ノ工費府県工事二在リテハ七百円未満、市町村其ノ他ノモノニ在リテハ五百円未満ノ工事」こういうふうにしてあります。これはよく実情に即して作つた法律と私は思つております。そういう関係府県工事も町村工事も同じように十五万円に満たない以上は、これを災害補助対象にしないということは、非常に不見識です。殊に貧弱町村におきましては、十五万円以下の工事、そういうものは非常に多く、成るほど貧弱町村が多い。山間の町村が貧弱でありますから、そういう所は十五万円に満たない災害の個所が多く、それが今申した通りに十五万円に満たない以上はこれを放置して行く、こういう貧弱町村では無論これを町村自体によつて復旧することはできません。又府県維持修繕費によつてこれを復旧することはできません。従つてそういう個所は次年の、次の年の災害によつてこれを拡大して、いわゆる十五万円以上の工事なつ災害対象になるのを待つ。言い換えるならば国の金がだんだん水に流れるのを待つ、こういうふうな結果になるのであります。これは国の財政から一文惜みの百知らずという結果になるのでありまして、非常に嘆かわしい。やはりこの点は前の法規のほうが私は完備してあると思います。実際に即しておると思う、そういう観点からしてこの十五万円に満たないものを仮に町村工事においてはこれを十万円に満たないものと、こういうふうに訂正なさる御意思はあるかないか、これを承わりたい。
  158. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 赤木さんの御質問御意見は誠に適切たる御質問御意見と私は考えます。府県市町村財政規模において非常な相違があるわけであります。又同じ府県であり、同じ市町村であつても、貧弱なる財政公共団体もあり、比較的有力たる財政を持つておる公共団体もあるわけであります。府県間、市町村間ですら実際の財政能力に適応した災害復旧費補助をなすべきものと私どもは考えておるくらいであります。いわんや直接何といいますか、市町村といつたような、府県も、又それに属する公共団体府県とはよほど財政規模が相違いたしておるのでありまするから、従来の法律のようにできれば差異を設くべきものと私は考えます。そういう考えであるならば、この法律の折角の改正の機会であるからして、それぞれ枠の違つた枠を法案として、織込んで提出すべきではないかという御意見が出るはずであります。御尤もであります。私ども法案作成過程においてはその点に関して極力努力いたしましたが、今回のところは一個所の工事費用が十五万円に満たないものという一つの枠を府県にも、又財政上極めて府県に比べて一般的に申して小さいところの市町村にも同様の枠を設定するということは常識から見て成る程度どうかと思われるのでございまして、併しながら止むを得なかつたというような事情もあるわけであります。将来できる限り努力をいたしまして、又でき得る限り近い機会においてこの枠については大きく分けまして、府県それからこれに比較いたしまして市町村、それぞれの財政規模が非常に一般論としては違うのでございまするから、違つた枠を設定するように極力努力いたすということをこの際お誓い申上げる次第でございます。
  159. 小川久義

    小川久義君 いろいろ審議期間が短かつたので、意見もあり又議論もあると思いますが、ここで質疑を打切りまして、討論採決に入るの動議を出します。
  160. 平井太郎

    ○平井太郎君 小川委員からの動議に賛成します。
  161. 小林英三

    委員長小林英三君) 小川委員からして質疑を打切つて討論に入るの動議がございました。これに対して平井君から賛成がございましたから、小川君の動議は成立いたしました。  小川君の動議に御異議のないかたは挙手を願います。    〔総員挙手〕
  162. 小林英三

    委員長小林英三君) 小川君の動議に御異議がないものと認めます。よつて討論に入りたいと思います。
  163. 小川久義

    小川久義君 不満足ながら賛成いたします。第六條のこの法律補助対象にならないと規定してある各項に対しましては、いろいろ疑問の点がありますが、被害のあるその地方民の実情をよく勘案されまして、適切にお取計らいを願いたいと思います。又この法律には維持修繕は除かれておりますが、これは維持修繕は、既防災であつて、未然に防ぐという考え方をもつといずれかの場合に張く織り込んで改正もしたいように思いますし、かような点を十分勘案願いたい。特にこの国の出す補助を、特例よりも減らして地方負担になるのですから、その地方負担の過重にならんように善処方をお願いして賛成いたします。
  164. 赤木正雄

    赤木正雄君 昨日たびたび申した通りに維持管理、これは府県の義務にかつてますが、今日府の県の実情ではなかなかそれはできやしない。而も維持管理を行わぬために災害を拡大して行く。これは争うことのできない事事であります。従つて昨日政府委員は、維持官理は防災費の一部を以てこれに当てる、こういうふうなことを言われましたが、防災費と維持管理とははつきり違つてます。でありますから、将来政府はここに維持管理に対して国の補助をどうするか。そこを是非とも研究してもらう、又研究してもらわねばならない、又我々も研究するということを考える。  次に又実地調査の問題です。最近の災害復旧について、これは無論災害復旧個所も殖えてますが、恐らく実地調査を災害地の何割しておられるか、これは非常に疑問と思う。ただ図上で災害個所を書き入れて、それを本省にも出したし、或いは府県に行つて、係官が行つても、現場に行かないで図上によつて調査する、こういう杜撰な災害復旧のやり方では困る。やはり災害復旧費として国がたくさんの補助を出すよりは、この実地調査を厳重にする、而も実地調査に当りましては、これも単に技術官だけの名前で行つては何ら意味がない。やはりその技術に堪能の人が行つて、或いは十分の工事の指導をして、はじめて災害復旧の効果があるのです。こういうことを恐らく建設省はよく御承知でありますからして、こういうことに実施調査を成るべく厳重にして、而も今までのように単に机上の調査でやらない、こういうことを希望して置いて、この法案に賛成します。
  165. 小林英三

    委員長小林英三君) ほかに御発言がなければ本法案の採決をいたしたいと思いますが、御異議がございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 小林英三

    委員長小林英三君) 公共土木施設災害復旧事業費国庫負法案について御賛成の諸君の起立を願います。    〔総員起立〕
  167. 小林英三

    委員長小林英三君) 全会一致でございます。よつて本法案は可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長報告内容等につきましては、すべて先例によつて行いたいと存じまするが、御異議がございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 小林英三

    委員長小林英三君) 御異議がないものと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名をお願いすることになつておりまするが、どうか順次御賛成の諸君は御署名をお願いいたします。  多数意見者署名     赤木 正雄  平井 太郎     深水 六郎  徳川 宗敬     小川 久義  島津 忠彦     門田 定藏
  169. 小林英三

    委員長小林英三君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            島津 忠彦君            平井 太郎君            深水 六郎君            門田 定藏君            田中  一君            徳川 宗敬君   国務大臣    建 設 大 臣 増田甲子七君   政府委員    建設大臣官房会    計課長     植田 俊雄君    建設省河川局次    長       伊藤 大三君    経済安定本部建    設交通局長   小沢久太郎君   説明員    建設省河川局防    災課長     賀屋 茂一君    総理府事務官    (地方財政委員    会事務局勤務) 首藤  堯君    経済安定事務官    (建設交通局公    共事務課勤務) 石田 政夫君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君