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1951-03-08 第10回国会 参議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月八日(木曜日)    午後一時四十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○河川道路都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (建設省関係公共事業費行政部費  及び建築資材に関する件)   —————————————
  2. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは只今から委員会を開会いたします。  本国会中の本委員会調査事項でありまする、建設関係各種事業並びに諸計画につきましての調査の続行をいたします。本日は建設大臣河川局次長会計課長、それから主計局長衆議院のほうの予算委員会行つておりますので、大蔵省から佐竹主計官が来ております。
  3. 赤木正雄

    赤木正雄君 大臣にお伺いと申しますか、お願いしたい。それはこの前の委員会の席上で大臣に私お話したのですが、技監政府委員に関する問題であります。御承知通りに以前におきまして初代の技監沖野博士、又二代の技監原田博士、ともに政府委員として立派に国会にお盡しなされ、又国会議員も非常に便宜を得たのです。三代目の市瀬技監からして技監政府委員になることはやめられたのです。それにつきましては、私の仄聞しているところにおいては、技監はその当時臨機出張で、別に局長の許可も得る必要なしにいつでも出張できた。そんな関係国会中にややもすると東京におらない、又その結果は国会にこと欠くというふうな関係で、技監政府委員になることを市瀬さんのときからおやめになつたとそう聞いております。又一面におきましてはそれはいわゆる技術者に対する扱い方の少しく偏見と申しますか、技術関係は何も大臣の下で仕事するのじやないから議会の政府委員になる必要はないと、こういう簡単な考え技術者を軽視されたと、そういうふうなことを長年聞いていたのであります。そこで御承知通り国会も参議院、衆議院と改まりましたし、又建設省の機構も昔とは根本的に変つているのであります。殊に国の総合計画、こういうことが論議される場合に、単に河川関係技術者、或いは道路関係、或いは都市計画関係、そういうことだけの技術者だけでは我々は十分審議しがたい点があるのです。その観点からいたしまして、技術の全体をよく監督し、又指導して行く技監政府委員として出るということは、議員といたしましても非常に必要に感ずるのであります。実際こちらは必要ならば説明員としていつでも来させるという、こういうふうな御答弁があるかも知れませんが、いつでも政府委員としてここに来て欲しいと、又来て我々の質問に答えて欲しい、そういう機会が非常に多いのであります。その点私はこの前の大臣にお願いいたしましたら直ぐ善処するというお話を伺いましたが、その後未だに技監政府委員のことは実現されておりません。そういう関係でありますからして、これは一日も早く技監政府委員としていわゆる技術全般に関することをよく従来のこと、又今後のあり方について国会において技術観点から建設省の抱かれる意思をはつきりしたいと、こう思うのでありますが、技監政府委員にさせることについて、何か支障があるのでありましようか。若しなければこれを一日も早く実現して頂きたいと思います。
  4. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 赤木委員のおつしやることは誠に御尤なことでございます。そこで建設省といたしましては、内閣に対して建設技監政府委員に任命するの件について申出を文書を以ていたしております。然るところ内閣においては、或いは通信監とか運商監とかというものと同じ振合いにしようと目下研究中であるということで、今日まだ実施の運びに至つていないことを非常に遺憾といたします。而して私といたしましては、従来から建設省といたしましては、努力をいたしておりまするが、努力を倍加いたしまして、早急に建設技監政府委員の実現を見るために飽くまで努力を継続いたしまして御期待に副いたいと、こう存じておる次第であります。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の大臣お話で非常に心強く思います。どうか内閣のことは万事御承知大臣のことでありますから、一日も早くこれは実現するようにこの上とも御盡力願いたいと思います。  次にお伺いしたいことは、御承知通り森林法改正になりまして、これと最も不可分の関係にある砂防工事についてお伺いしたいと思います。御承知通り砂防法明治三十年にできましたが、あの法律があつたために今日まで砂防事業を遂行して来たことは大臣よく御承知のことであります。この砂防法の第一條によりまして、建設大臣治水砂防のために必要と認められるならば、如何なる土地でも砂防設備をなすことができます。又砂防法の第二條によりましてもやはり建設大臣治水砂防のために砂防設備を要する土地、又は一定の行為る禁止制限する、つまり砂防設備地禁止制限地、これをなすことのできることは御承知通りであります。明治三十年に砂防法が発布されまして、大臣の御承知長野県のごときは、一字全部砂防禁止制限地になつておりまして、その中には字も入つてしまう、部落も入つてしまう。これでは非常に困るというので、昭和三年頃この禁止制限地になつている区域を再検討いたしまして、その中で本当砂防のために禁止制限地にしておいたほうがいいというところだけを禁止制限地にいたしまして、その他の等院とか或いは墓地とか或いは一般の民家、そういうものは禁止制限地から解いてしまつておる。これは私は実際その処理に当つておりましたからよく存じております。そういう所はひとり長野県に限らず全国到る所にあります。とにかくあの砂防法によりまして、山の如何なる所でもこれが治水上必要とあれば伐採禁止制限して、本当治水のために立派な効果をもたらして来たのであります。一つの例を申しますと、三重県に行きますと砂防のために、禁止制限地が非常に多いと、併しあそこにおりました砂防の係官がこの禁止制限を非常に厳重に守つて参りましたために、隣の奈良県に来ますと同じ砂防地でも禁止制限を十分にやつていないと、従つて山の奥まで伐採をやつておりますが、一歩隣の三重県は少しも伐採をみだりにやつていない。たまたま島ケ原の方面陶土採掘地でありますが、陶土採掘した場合に跡はよくすると言つていながら事業者は逃げてしまう。その観点からして若しも陶土採掘する際には、あらかじめそれを元の土地に直すのにはどれほどの金が要るか、その金を県庁に委託しまして、そうしていよいよ採掘が済んでしまつたら、その金で元通り砂防設備をする。そこまでしてよく禁止制限を実行して来たのであります。そういうふうな場所全国各地にあるので、ひとり砂防を要する土地をいわゆる要施工地として設備するのみならず、この禁止制限があるために非常にいい結果を今まで得て来たのであります。ところが最近はこの禁止制限について殆んど行われていない。今まで禁止制限地にありながら、その取締までこれは無論各府県庁責任でありますが、その取締まで十分にやつていないと。以前には元の内務省には全国禁止制限地をはつきり参謀本部の図面に現わしまして、この土地明治何年に禁止制限地に入つた。それまで一目瞭然であつたのであります。然るに最近はその書類さえ府県がよこしてない。誠に取締のみならずそういうふうの整備が欠けているのであります。これでは単に砂防工事を施すだけでは本当治水目的は達せません。従つて今まで通りあの砂防法に謳つてある通りに或る範囲の山林禁止制限はこれは絶対必要と思うのであります。併しこれと同じようなことがやはり森林法保安林においても行われています。そこで保安林としてこれを土砂監視にするか或いは砂防観点から禁止制限するかこれは随分今までも問題がありました。併し愛媛県の重信川流域に行きますと右岸のほうはこれは砂防法による禁止制限地である、左岸のほうは保安林による土砂監視をやつている。併し実態を見ますと、右岸のほうは濫伐をされてない、左岸は随分濫伐されているこれは我々が実際現地で見た事実であります。そういうふうで砂防観点から今までやつて来た取締と、それから保安林観点からやつて来た取締は、実際問題においては大分甲乙がありまして、ひいき目かも存じませんが、私ども砂防観点からこれをやつて来たほうが遥かによい効果を来たして来たのであります。それが先ほど申した通りに、最近はほとんど禁止制限地というものがこれは建設省でやつているかどうか知らんと言わんばかりの形に各府県が眺めています。これでは折角大臣治山治水努力をお拂いになりましても本当治水目的は達しがたいと思います。その観点でやはり以前にあつたいい習慣は又これ守る、殊にこれはもう法律があることでありますからして、その法律をやはり厳重に守つて禁止制限地を今後十分各府県をして取締るようになされるお考えでしようか、どうでしようか、先ずこれからお伺いいたします。
  6. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 赤木委員の御質問につきましては私どもは非常に示唆を受けた次第でございます。御承知のごとく各府県におきましてはそれぞれの府県取扱を異にしておるというような事情も多々過去においてはあるようでございまするし、又一面府県知事がこういうような禁止制限をするということは、当該地方民から見ますと、一種の不利益を甘んじて受けなくてはならんという立場から、申請をすることを近来怠つておると申しては語弊がございまするが、少いようでございます。これは是非とも現行法でございまするし、将来立法しなくてはならんという問題ではございませんから、すでに存在しておる現行法建設大臣といたしましては立派に生かして参りたい。ついては府県によつて取扱が異になる、違うというようなことは面白くございませんから、一般的なこういうような禁止制限についての各河川ごとについて調査をいたしたい、こう考えておるのでございます。
  7. 赤木正雄

    赤木正雄君 昨年でありましたか、私は衆議院建設委員のかたに会いまして、やはり砂防工事もいいが、濫伐をしないように山を取締らないといかない、併しこれは一年一回あるあの森林会議にかけて保安林に編入しないことにはできないから困る。こういう質問を受けましたから、それはとんでもないことだ別に保安林にしなくても大臣が今日でも禁止制限地にしようと思えば砂防法でできるというと、そういう結構な法律があるとは私は知らなかつた、それならばすぐそれを実行したいというふうなことを言われたのであります。そういうふうなこともありますから、今大臣の御説明通りにこれは日本の今後の治水のために是非ともそれを実行をお願いしたい。  次にこれに関連いたしまするが、禁止制限地砂防設備地、この砂防設備地に対して、もう少し私の考えを申しますると、御承知通り砂防法で初めてこれが世間でやかましく言われて、そうして工事を起した当時の砂防工事は大部分山腹工事がだんだん発達して来ますと今日のような溪流工事に及んで来ておる、これは大臣の御承知通りであります。そこで昭和四年の閣議におきまして溪流を主とする工事及びこれに関連する山腹工事内務省、今日の建設省所管造林目的とする植林工事、及びこれに関連する溪流工事農林省所管、こういうふうに大体の進みが行われております、併しこの進みは実にはつきりいたしませんがとにかく溪流工事に関連いたしまして、是非ともやらねばいかない、そういう小腹工事がたくさんあることはこれはもう大臣も御承知のことと思います。然るに最近の府県仕事、又直轄仕事を見ますと、但し直轄と申しましても淀川流域はこれを除外いたします、その他の所轄仕事を見ますと、山腹工事というのは殆んど自分所轄以外、こういうふうな考えを持つておられはせんか、というのは山腹工事仕事に実際現われておるところはないのであります。全部溪流工事にいたしまして仮にここに十メートルの堰堤を作り、十メートルの堰堤を作らなくても、僅かに三メートルの堰堤作つてすぐそれに関連しておる山復工事に、同時に仕事しない以上は意味がない、こういう場所はたくさんありましても、そこに崩壊地があつてもその崩壊地を放置して単に堰堤ばかりを作る、こういうような堰堤の一方に偏しているのです。これでは砂防目的はできるはずがない。一体御承知通り砂防は非常に不便でありますからして、これは建設省直轄工事におきましても、又府県土木においてもそうですが、先ずあれは老人になつてしまつたから、又技術が劣つているから河川でも道路でも使いものにならん、だから砂防にやろうというのが今までの一般習慣というかそういう弊害があつたのです。従つて砂防に行く人は山の奥までも行つてどこまでも、而もまじめに仕事をする、少くとも誠心誠意仕事に当る、こういう精神でやつて来たと私は記憶していますが、そういうふうに山の奥の仕事はだんだんもう放棄して、山腹工事のごときはこれは自分所管ではないのみならず、今果して各府県山腹工事を知つている人が何人あるか私は疑問に思うのです。恐らく山腹工事をよう設計のできん人が大部分じやないかと思うのです。これでは折角大臣治山治水にやかましくおつしやつてくれましても、その目的が達せない、こう思うのであります。私はこのことは非常にいつもそう思いますから、せめて建設省でもう一度再教育なすつたらどうか、そんな考えは私はもとから考えていたのです。そういう観点でありますからして今は砂防に非常に喜んで行く人は、なぜ喜んで行く人があるかと申しますと、先ほど申した通りに、本当に山の奥まで入つて山と取組んで仕事をする、そういうことなしに、もう下流のほうにどんどん行つて仕事をして、殆んど砂防本体を忘れて仕事をする、こういうふうな関係でありますから一般土木の人も喜んで砂防へ行く、併しそれでも長くいますと、やはり砂防は不便であるというので又皆一般道路なり河川に帰りたい、こういうふうな傾向のあることは私はよく存じております。とにかく砂防実態を忘れて仕事するような気分は、これは私現地国会の休みの間にほうぼう廻つてそう見ましたので、これは大臣精神一つ入れまして、本当砂防に入るようにお願いしたい。  もう一つは、やはり砂防に関連いしまして流路工事であります。堰堤工事は結構でありますが、併しこれと関連いたしまして場所々々によつて流路工事だけをやつたらその目的を達するのでございますが、昨年御覧の通りにあの養老流域のごとく流路工事をやりましたが、或る程度やつてその先はやつていない、その先をやつていないために仕事の終つたところから災害を起しておる、これは養老方面十分大臣も御視察なさつたと思います。その必要な流路工事を、これは又砂防の行過ぎというような観点からして流路工事は余りさせたくない、こういうふうな事情府県で聞いておるのであります。これも又私は非常に行過ぎておると思つております。一体堰堤で溜まる土砂の量というのはこれはもう僅かの量でありますからして、堰堤でどれだけ土砂を溜めるから、それで堰堤がいいというふうな考えを持つならばこれは砂防本体を忘れておると思います。でありますから折角今まで砂防の工法はその場所々々によつて適所適材方法を編んで来たのでありますから、その編んで来た今までの長い経験、今までの方法の実績に徴しまして、いいところの仕事はどこまでもこれは主張して行く、単に一方的に偏するというふうなことのないように特に大臣からして、これは建設省仕事は無論、合府組の砂防事業に対しましては特別のお考えを願いたい。これは私は希望と申しますか、大臣のお考えも同時に承わりたいと思います。
  8. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) このうちの最も高度の学識経験を持つていらつしやる赤木委員の御質問は一々御尤もでありまして、我々非常に参考にいたしておる次第であります。  そこで従来は溪流工事伴つて必要なる山腹工事というものは、もとより建設省所管でございましたが、この頃は余り山腹工事というものは、溪流工事牽連関係のある山腹工事を実施しておる具体的の数は御指摘のごとく非常に少いのであります。併しながらこういう方面造林工事に伴う山腹工事として農林省がやらないならばこちらが進んでやるべきであるが、その調和のとれた関係でやらないことには治水目的を達せない。治山と申しましても、もとより営林関係を除きますと、やはり治水のための治山でございますから、営林を一応度外視いたしますとすべて治水と言うてもよろしいのでございますから、治水という目的を達するために農林関係におきましても山腹工事営林関係から採算のとれないところでもどしどしやつてもらいたいと思つております。  そこで山林関係公共事業費増額につきまして不肖私は廣川農林大臣を特にお助けいたしまして、この問題は是非ともやつて欲しい、予算もうんと君のほうにもらつたつてこちらは別に羨望も何もしないから殖やして欲しいということで実は協力いたしまして、相当山林関係公共事業費も殖えております。即ち治水目的とする治山関係費用が殖えておるわけであります。でありますから山腹砂防営林関係から採算のとれない所もどんどんやつてもらいたい。これは一つ赤木委員におかれましても農林省関係を御督励願いたい。私どももとより協力いたしまして、併しながら溪流工事伴つてどうしても農林関係でやれない山腹工事のごときは、従来若し遠慮しているような形があつたといたしますと、これから後は遠慮せずにどしどし溪流砂防に伴う山腹砂防はやるようにいたしたいと思つております。  聞くところによりますと、この建設委員会の非常に有益なる御意見質問等が出ておりまするが、速記録等地方建設局の、殊に出先砂防事務所或いは府県土木部出先砂防事務所等では余り見ていないようでありますからして、これから後は国会等においても御心配を願いまして御論議の点は、殊に私が承知いたしました、その方針でやりますと言えば私の方針になるわけでありますから、これは是非とも速記録等はそれぞれ日本全体の出先事務所に読んでもらいましてその方針で進んで参りたい、こう思つております。  繰返して申上げまするが、要するに営林関係を除いた、木をたくさん生産して、そうしてパルプなり或いは木材建築なりの用途に供するという以外の治山はすべて治水のための治山であると、こう私は考えております。でありまするから営林関係から採算がとれなくても、山腹砂防は大いにやつてもらわなければ国土の保全は期しがたい、治水目的は達しない。治水目的を達するために治水をやつてほしい、そういう見地から林野関係公共事業費増額を特に私が要求したような次第でございます。そういう意味合からの山林砂防は特にやつてもらいたいということが一つ、又赤木委員その他各委員におかれましては農林関係も御督励願いたいということが一つであります。  もう一つ溪流砂防伴つて山腹砂防予算関係もございましようが、どしどし遠慮せずに、こちらでは是非とも、溪流砂防目的を達するために山腹砂防をやらなくちやならん。そうでないと御承知のように今おつくやつた通り、十メートルの砂防堰堤を作らないでも三メートルの砂防堰堤を作れば山腹砂防が立派にできているならば、それで砂防目的は達すると、費用は全体としては却つて安くつくというようなこともあり得ると思います。  それからもう一つ山腹砂防について土木部関係、或いは建設省出先関係砂防技術官が、砂防関係のデザインを作る能力のある人もだんだん乏しくなつて来るようなきらいがあるというお話でございましたが、私は特に抜本塞源という方面に力を入れなければ治水目的は達しないというのが、私の見解でございまして、この点は赤木委員と全然一致いたしておりまするから、今後は特に気をつけて参りたい。三十三億、即ち十八億から八三%も砂防が殖えたというのも、私の考えが一応多少ではございまするが具体化されたいというふうに御了承を願いたいのでございます。つきましては山腹砂防についても相当識見を持つた立派な計画書等は作り得る人が殖えるように注意して参りたいと思つております。  それからなお溪流砂防にいたしましても、溪流砂防堰堤ばかり作つている、溪流というのは結局一般の世の中、人文関係に縁故が深い所であるからして住み易い、山の上はどうも嫌われるというような御意見愼しんで拝聴いたしておきます。やはり山も愛し溪流も愛しませんと治水目的を達しませんから、社会生活上多少不便でございましても、山そのものを愛する、溪流そのものを愛するという心持で水を治めるような使命感に燃えて自分職務に沒頭するような、而も仕事に面白さを発見して沒頭するような方向に向けて参りたい、こう思つております。その面白さを発見する根本といたしましてはやはり建設大臣建設委員はもとよりでございますが、我々が砂防に最も力を入れているということが徹底すれば、官吏諸君は別に営利を目的として官吏なつ諸君はないのでございますから、仕事をすることが面白くて使命感に燃えて仕事をしているわけでありますから、建設大臣以下が砂防、殊に社会生活上の不便な所でも砂防には特に力を入れてやつておるということがわかれば、社会生活の便利、不便利は二の次にして、出先の官憲も使命感に燃えて、自分職務に沒頭するであろう。こういうふうに私考える次第でございますから、その点は赤木さんの御意見を体して、特に気をつけて参りたいと思つております。  それから最後流路溝でございますが、これは一般河川改修との連絡で、一般河川改修方向に、もう近付きつつあるのですから、そこで遠慮するであろうというような意見赤木さんお持ちのようでございまするが、もとよりそういうことがあるかも知れませんから私は注意して参ります。併し一面、例えば養老のごときは親しく拝見して参りましたが、これは結局折角たくさん作つた砂防堰堤が有終の美をなしておりません。流路溝が完成していないから途中へ来てかえつて災害を起す。最後の未端が立派にできることが必要であることは全然御同感でございます。これは予算関係流路溝ができない一つの原因になつておるようでございまするから、いやしくも一文憎みの百知らずというようなことをしないように、折角九千九百万円かけたところ、あと百万円を惜しむために一億円が百万円くらいしか効用を発揮しないというようなことがないように、気を付けて参りたいと思つておる次第でございます。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 今大臣お話通りに、公務員が職に奉ずる、これは現在の公務員で最も大事なところでございます。そこで私は、大臣承知通りに、内務省の当時にはあらゆる各官庁よりも、むしろ内務省法律そのものには非常に厳重によく研究され、又立派な法律をお出しになりました。土木局もその内務省の一局として、土木局法律も随分立派なものが出ております。ところがこれが以前と変りまして、最近は局長技術官が大部分おられる。こういうことが影響しておるのかどうか私はわかりませんが、どうも法律に対する考えが最近は昔の土木局、昔の内務省当時のあの立派な考えが抜けておるような気が多分にするのです。一つの例を申しましても、農地法を作る場合にも、私その当時河川局にときどき呼ばれまして、農地法を作る場合に河川との関係はどうか、砂防関係はどうか、都市計画関係はどうかということを聞かれもし相当意見も言いました。併し農地法土地法律でございますが、あの法律を作るときに内務省考えは割に採用せられなかつたということは事実に明らかでございます。  それで今度の森林法改正に対しましても、今大臣のお考え治山治水、少くとも治水関係に対しては建設省が重大なる責任がありますからして、この点を十分に、無論この森林法改正のほうはこれは議員立法でありますけれども建設省としても十分これについて御関心をお持ちになるように、特に私は又この前のようにあとから後悔のないように特にお願いする次第であります。  もう一つ実情方面から申しまして大臣或いは御承知ないかも知れませんが、私過日大井川の寸又の堰堤を見ました。寸又の堰堤作つてから余り年限は経つておりません。これは殆んど埋沒しております。而も地積は昔の御料林ですからして先ず森林としてはそう悪いと言えないのです。それでいてああいうふうに埋沒するのです。これを天然資源局のGHQのほうの人が見ましてたまげておる。日本でこういうふうに堰堤作つても埋まつてしまうのなら、一体堰堤の生命は何年か、十五年ぐらいに考えなければならん。そんなことでは日本の水力電気は考えものだ、これは私も同感でございます。こういう観点からも砂防の必要性をこの上とも大臣がよくお考え下さるようにこれはお願いする次第です、これを以て私の質問を終ります。
  10. 小林英三

    委員長(小林英三君) ちよつと皆さんにお諮りいたします。皆さんの御要求によりまして、安本建設交通局の中尾公共事業課長も来ておりますから。
  11. 石川榮一

    ○石川榮一君 建設大臣にお伺いいたします。見返資金による建設省関係工事は一応打切られたようでありますが、大臣の御建鬪によりまして相当額が次年度としての予算を計上せられておるようであります。併しながらその予算額が私ども期待しておりますよりも相当減つておりますので、只今まで三年乃至四年、或いは二年で計画を完遂すべきものが相当ずれる見通しになつておるようでありますが、これは仮に三年間の、五十里ダムもそうでありましたが、三年間で完遂しようとしたものが、どの程度で仕上げ得るような御確信がありますかということを先ず一つお願いいたします。  更に第二のお伺いしたい点は、このダムの建設工事の見返資金中止によるこの状況を、何とかして緩和して、そうして所るべく速かにこの工事が仕上るような方途の一つ考え方として申上げたいのでありますが、それは洪水調節を中心とするダム建設でありますから、どれもが立派な発電力を持つということは不可能とは思いますが、恐らく計画の中には発電工事もこれに含んでおるように私ども承知しておるのであります。そうなりますと、見返資金は公共事業費には出しませんが、発電工事或いは造船というような民間企業として、今日本が最も必要とする原動力になりますような工事に対しましては、相当な幅を以て見返資金を使うことをその筋でも考えておらるるように見受けらるるのであります。こういう点を考えまして、只今残つております見返資金の額が幾らあるかわかりませんが、我々が考えても少くも一千億程度の見返資金が残存しておると、かように考えます。この一千億程度の見返資金が仮に残存しておるならば、成るべく講和会議前にできる限りこの見返資金を何とかして日本の企業に投入せしむるような方途を考えて欲しい。その一つの手段として、ダムの工事に随伴して工事します発電工事を速かに計画されまして、その発電工事に対して見返資金を速かに流用ができますような施設をして頂くことができるかどうか。若しこの発電工事が私企業でなければならんというならば、急いで当該県等に御協議になりまして、或いは民間の電力会社に示唆を與えまして、そうしてダムの建設に伴う発電工事計画を進められ、その計画に対する見返資金の投入を速かならしめるふうにいたしまして、そうしてそれがきまりましたらば、国の予算とその見返資金とを一緒にプールしまして、そうして工事を進めて頂いたらば早くできるのではないか。又発電工事も速かにその目的を達し得るのじやないか。かように考えるので、この点一つお伺いいたします。  それからもう一つお願いしたいのは、日本開発銀行が設立するかのような新聞記事が最近よく出ております。私どももこの日本開発銀行の性格そのものをよく知りませんが、非常に結構な政府の意図であると、かように考えるのでございます。御承知のように農村方面には長期資金の役割を演ずる金融機関は絶無であります。農工銀行がなし、勧業銀行はその機能を停止しておりますので、農村には殆んど長期資金の融通機関というものは絶無であります。こういう観点から日本開発銀行の設立に非常に期待を持つのでありますが、この開発銀行なるものの要するに狙いはどこにあるかわかりませんが、どうも新聞紙等から推察いたしますと、船或いはその他の紡績業であるとか、というようなものに投資するかのようになつておりまして、この開発銀行を通しまして、この建設省の主管でありまするダムの工事に伴う発電等に対しては、思い切つてこの開発銀行から長期融資ができるような性格をもたせることができるかどうか。私ども是非、かような立派な銀行ができるのであつたならば預金部資金或いは見返資金等をこれに流用する以外に、全国的の蓄積費本をこれに投入してもらいまして、今荒れ果てておりますあらゆる河川、あらゆる山等を速かにその改修の目的或いは治山目的が達しますように、この長期資金を日本開発銀行から相当に出し得るような性格を、今意図されております日本開発銀行にもたせることができるか、是非これはもたしてもらいたいのですが、どうでありますか。それが非常にこの建設省の主管しまする仕事に非常な大きな役割を担う、こう考えますので、まだできておるようでありませんが、恐らく閣議で問題になりますから、この点から建設大臣の御所見を伺いたい。  それからもう一つお願いいたしますが、先ほど山林砂防について、赤木先生の蘊蓄を拝聴いたしまして、私ども非常に啓発されたのであります。特に大臣使命感に徹するような施策に協力して行きたいというような、非常に卓見のある御見でこれ又敬服に堪えません。私どももさように大臣が徹していられますことを非常に喜ぶものであります。この精神的ないわゆる観点から指導されることは勿論重大でありますが、もう一つ考えますことは、どうもダムの建設或いは溪流砂防山腹砂防に従事するところの現場の公務員のかた、このかたがたは大体二重生活をしておるはずであります。特に山の奥であるからして物価が安いかと申しますと都会よりも高いのであります。而も家族とは遠く離れて何らの楽しみがなく、ただ職域奉公という使命感に徹することのみに期待することはどうかと考えます。こういう奥地、僻地に而も楽しみなく自然と鬪つているかたがたに対しては、地域給をできる限り飛躍的に増額してせりまして、そうして済済的に後顧の憂いなからしめるような、私は施策が必要ではないかと思うのであります。さもありませんと、使命感にばかり徹すればいいのでありますが、人間は生活しなければなりませんので、二重生活者而も奥地に住む、その奥地にいる人が非常に高い物価に悩み、非常に不便に歎いておる。而もそれは半年や一年で済むものではございません、ダムの建設は五年、十年を要する、長期間を要する、生命を打込んでやらなければならんものでありますから、こういう不便な職場に対しましては、地域給の支給方法に更に加えまして、こういう職場を特に特別の地域給といたしまして、飛躍的な経済的の潤いのあるような御心配が願われるかどうか、以上お尋ねいたします。
  12. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 石川さんにお答え申上げます。先ず第一に五十里ダムは何年くらいで完成するかという御質問にお答え申上げます。見返資金が出ておつたときでも実は五年くらいはかかるであろう、約二十億前後の治水ダムでございますから約五年くらいどうしてもかかる、こういう計算でおつたのでありますが、そこで明年度は約四億前後の金を支出いたしたい。本年は見返資金が零になりましたから打切るということも、通常のただ予算技術的見地からのみ見れば打切るという問題も出て来るのでありますが、それでは非常識でございますので、非常な不経済でもありますから、断じてそういうことはよろしくない。見返資金で返した事業にして打切りがたいものは飽くまでこれを継続するという方針を先ず建設省として私きめた次第であります。そこで見返資金で始めた事業のうち、河川関係で明年度是非とも継続しなければ不経済であるということのために出す費用が約二十数億円、二十三、四億円であります。見返資金で始めたのは三十数億でありましたが、三十数億はやれませんから二十数億だけは出すことに……、訂正いたします、十八億五千万円だそうであります。そのうち五十里ダムは四億前後であるというふうに御承知を願いたいのであります。それからこの治水ダムに伴つて水力電気を起したらよろしい。その水力電気を起すためには相当の費用が要るはずである。これはもとよりその通りであります。二十数億の治水関係の洪水調節のダムの費用のほかに、恐らく十数億は要ることですからその費用を見返資金から出すようにというお話でございます。これは公共事業は見返資金から出すことを明年は認められておりません。即ち零になりましたが、産業資金といたしましては電力関係について本年は百億でございましたが、明年度は百五十億認められております。そのうちから新らしく編成せらるべき東京電気その他の会社がこの見返資金を使つて有効に水力資源の開発をするであろうということを申上げ得るような次第でございます。なお見返資金が産業資金として使えなくなつた場合はどうするか、これは結局内地にある資金を集める。内地にある資金が足りない場合は外国から資金を受ける。即ちクレジットの導入でございます。その面につきましては或いは通産省、或いは公益事業委員会等においては努力をするはずでございます。もとより私どもも横から協力をいたすつもりであります。  それから開発銀行というものを、性質は実はまだ私よくわかつておりません。閣議にもかかつておりませんが、こういうような長期資金を供給する目的でできるらしいのでございます。やはり長期金融を目的とする銀行が開発目的のために供されるというのが開発銀行であろうと思つております。従いまして開発銀行を通じて電力資源の開発をするということも恐らく想像できますし、御意見方向に副つて私も力を入れて参りたいこう思つております。ただ併しながら開発銀行を通じないで直接外国人が日本の電力会社に投資したいという場合もあるかも知れません。そうなればその電力会社にアメリカの例えばデイロンリード会社が直接投資するということになつてつても差支えないと思つておりますが、要するに開発銀行が電力資源開発というような目的も達する、開発といえば従来やはり総合開発について特に力を入れなければ意味が乏しいわけでありますが、そういう御意見のような方向に向つて私も努力いたして参るつもりでございます。  それからその次に僻地におる砂防工事関係の官公吏が、使命感に徹して職務に沒頭するためには、種々社会生活上の不便があるから、その不便特に経済生活の点について考慮せよという御質問は誠に有難い御質問でございまして、僻地にある砂防関係の職員も非常に感激するであろうと思つております。ところでお説は非常に御尤でございます。本年から実は僻地関係砂防工事に従事する官公吏、その他職員、公務員に対しまして、一日百四十円ずつの僻地手当を支出いたすことに皆さんの御議決を得て相成つた次第でございまするが、将来もこれらの公務員諸君の勤務條件の維持改善については、特に力を入れて参りたいと思つておる次第でございます。
  13. 小林英三

    委員長(小林英三君) 大臣に対する御質問ございますか。大蔵省からは佐竹主計官が見えております。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 ちよつと大臣にも聞いて頂きたいわけです、お忙しくなければ。
  15. 小林英三

    委員長(小林英三君) なお皆さんにお諮りいたします。私ちよつと二時半から余儀ない用件がございますので、理事のかたに代つて委員長の職をとつて頂きたいのですが、赤木さんは大分御質問もあるようですからして、委員長より適当に御指名申上げてよろしうございますか。
  16. 赤木正雄

    赤木正雄君 どうぞ。
  17. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは島津君に一つお願いいたしたいと思います。    〔委員長退席、理事島津忠彦君委員長席に着く〕
  18. 赤木正雄

    赤木正雄君 大蔵省のかたにちよつと承わりたいと思います。建設省関係で食糧費というのをほうぼうに計上されておりますが、これはどういう費目でしようか。
  19. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) 予算科目上食糧費という目がございますが、これの使途は委員会会議その他いろいろ会議がございますが、そのときのお茶代というような使途に大体使われておるようであります。
  20. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、一回についてどれほど、或いはその一人について何ほどとそういうふうの単価でもあるのでしようか。
  21. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) 一人当り一日幾らという単価の積算でございます。
  22. 赤木正雄

    赤木正雄君 一人当りに幾らほどなんです。
  23. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) 二十六年度予算におきましては、一人一日と申しますか、一回と申しますか、五十円という単価でございます。
  24. 赤木正雄

    赤木正雄君 五十円の金ではちよつと弁当も食べかねるような少額のように思いますが、実際これでいいのでしようか。ただこれでは名前ばかりで、五十円仮に一回で弁当にいたしましても百円はとられるでしようが、御承知通り公務員は非常に困つているときでありますからして、これは私は口に出すのは好みませんが、最近の新聞にもある通りに随分その土木関係の不正事実も起るのです。これはいわゆるどこかに無理がありはせんか、こういうように私は思うのです。でありますからちよつとこれを聞きましても、会議のときに折角大蔵省がそういう食糧費をおとりになつておるが、五十円で弁当をとれといつてもちよつと普通では弁当をとれませんが、これについてはもう少しお考えになつて、実際に適するようにお取計らいになる、そういうようなお考えは実際にあるものでしようか、どうでしようか。これを一つして下さらんと、私どもこの委員会に口がすつぱくなるほど大臣その他にいやな文句を言つているのです。不正行為があつては困る。国民として困る、困ると。不正行為の起らないように、大蔵省としてももう少し、これは当然拂つてもいいものだというものをお出しになつて、あらかじめ不正行為が起らないように私はして欲しいのです。これを見ましても交際費が百二十万円とありましたが、一体百二十万円で何に使うのか、こればかりの金ではしようがないというような気もするのです。どこをとつてこういうような基準になさるのか。
  25. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) 誠に御親切に、一人五十円では弁当も食べられないというのは御尤もでございますが、只今申上げました、食糧費の単位は主としていわゆる行政部費の系統といいますか、即ち事業費というものを用いないで、一般の官庁の行政部費の系統の食糧費の積算の基礎に五十円というものを布いておりますが、いわゆる先ほど御指摘のございました公共事業の系統の食糧費の算定につきまして、勿論一人一日五十円という積算の基礎は原則的には布いておりますけれども、なかなかそれだけでは実情に副いがたいという点もございますので、予算の数字を御覧になつて頂くとわかるわけでございますが、その間に若干の調整を加えまして、極力無理のないということに実は努力いたしております。勿論これは赤木先生のおつしやるほど十分なことは或いは言えないかも知れませんけれども、その点若干の調整を加えておるのであります。
  26. 赤木正雄

    赤木正雄君 次に旅費ですが、旅費はやはり一日に陸路がなんぼとかそういうふうな計算になつているのみですか。或いはこれは最近は概算拂いで清算でないとも承わりますが、実はどうなんでしようか。
  27. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) 旅費につきましてはやはり積算の基礎がはつきりいたしておりまして、例えば年何回ブロツク会議をやるとか、例えば全国を六ブロツクに分けまして六回、ブロツク会議を年二回なら二回やるという場合に、そこに例えば人が何人地方から行くということがわかりますと、それに基いて現在の旅費規則に従つて計算をした額を出すわけです。更に公共事業の系統でございますと、そういうブロツク会議とか何とかいうことでなしに、例えば災害現地査定ということもございますし、乃至は本省から地建への連絡、或いは地方建設局から直轄工事事務所への連絡というようないろいろな種類がございます。それに応じて件数、人数というものを調整いたしまして、それで積上げて計算をしておるわけでございます。  なお旅費は概算があつて清算がないのではないかというお話がございましたが、今日やはり清算はいたしております。
  28. 赤木正雄

    赤木正雄君 事業の性質によりまして行く場所も違いましようし、従つて一日でも陸路をたくさん必要とする旅行もありましようし、或いは陸路はなしに殆んど汽車だけで行く、私ども内務省にいたときには、港湾関係の視察は一番旅費が少かつたのです。御承知通り港湾のあるところは、大体そこまで汽車が行く、陸路は殆んどない。港湾の関係技術者その他の人々はいつも旅費が少かつた。それに反して他のほうは多かつた。併し実際要るだけのものはとつてつたのです。例えて申しますと、河川のごときは場合によりますと、一日に二十里も三十里も行くことがあります。そのときも以前には十五里以上行きますと、それは一日では歩けないのです。そのときに自動車で行つたものは、恐らく県庁の自動車を使つたのだろう、それは旅費は出すわけにはいかん、そういう小言を頂いたことも随分ありましたが、今日ではそういうことは、どういうふうにしておられますか。
  29. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 只今の問題は建設省としての問題に関連するわけでありますから私からお答え申上げます。実は予算と申しますか、旅費の計算が非常に陸路が入りますと面倒なものになるのです。陸路を廻るといたしましても、或いは官用自動車で廻るような場合もあります。余り不均衡があつてもいけないものでございますから、特に陸路を必要とした、又特に陸路の予算を付けなければ気の毒だ、こういうような場合には陸路を認めますが、あとは計算の便宜上できるだけ簡便な旅費の計賛をしているのでありまして、陸路のとりかた如何によつてできるだけ不公平のないように実際は扱つております。ちよつと御趣旨に外れるようなことになるのですが。
  30. 赤木正雄

    赤木正雄君 これはなかなかむずかしい問題で、会計課長の今のお話によりますと、無論自分で出された場合に不正な要求をする人もないでしよう。併し場合によりましては、自動車を借りても、県庁の車を使わないで自分で自動車を借りても行かないと、この場所に行けんこともあります。そういう場合にはいわゆる当然陸路として請求して、それをお拂いになつておるのですか、どうでしようか。仮に一日に二十里、二十五里の陸路を行つた、そういう場合はどうでしようか。
  31. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 旅費も厳密に申しますれば、どういう乗物で行こうと陸路で旅行いたしますれば、当然陸路は出すべきなのでございます。だから私のほうから申しますと、余り陸路が遠いために他の出張者と余りに均衡を失するようなことがあると困るのでありますから、従いましてそういうかたには、陸路の長い場合には陸路のほうを遠慮してもらうというような扱いをしておるわけでありまして、特に陸路を要し、又陸路の旅費まで差上げなければ当人に対して気の毒だ、こういうような場合におきましては、それを制限するというふうな扱いをいたしておりません。或いは取扱の間違いでときにはそういうこともあつたかも知れんと存じますが、そういう点で旅費は只今のところは御承知のような事情でございまして、やはり或る程度旅費の扱いや支拂についての均衡を考えなければならん。そういう範囲におきましては制限いたしておりますけれども、実際要るべきものを抑えて行くというようなことはないと考えております。
  32. 赤木正雄

    赤木正雄君 先に大臣のおつしやつた通りに、まあ砂防工事に例を取りますが、ほかのものでも同じことですが、やはり山のところまで行つてみなければならん、そのときには勢い陸路も嵩むと思います。併しそれを制限されてはこれは余り行き過ぎる、だから行つたものに陸路は拂わんということになりますと、奥の奥まで行つて徹底的にものを見る、そういうことは勢いできなくなる。それでは本当目的に徹しませんから、実はこれは私の古い例を申しますが、私は内務省におりましたときに、予算を作るときには一般の陸路は一日に十里とする、併し砂防のごときは十里ではとてもこれは駄目だといつて、一日平均十五里とこうしたのです。ところが十五里を出したときに、大蔵省では随分初めに文句があつたのです。一般は十里でありながら、砂防には十五里出してはおかしいじやないか、いや、そんなことはないのだ、そういうことをおつしやるならば実地に大蔵省のかたも一緒に行つてみましようといつてつたところが、成るほど山を越してみればこれは十五里になる、無理がない。それから同じ内務省におきましても、普通の人は一般予算を作る場合に陸路は十里、砂防に関しては十五里、そういうふうになつてつたのです。  それから先ほど石川委員お話のときに、不便な人に対しては相当考慮して然るべきであるということで、非常に山奥におる人にはこれは月額を特によくしたのです。そういうことにして山の奥でも気持よく仕事ができるように、私はそうしないと立派な仕事はできないと思うのです。それに対しましてこれが単に地域給とか何とかで片付けられては、非常に幸、不幸がありまして、実際同じ人間としても楽な仕事をすることが好きであるから、これに対しては大蔵省や建設省ではどういうお考えでしようか。
  33. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 先ほど大臣からお話がありました百四十円の僻地手当というのが実質僻地手当でございますが、名目は日額旅費として支給しておるわけであります。日額旅費の支給をいたしますところでは、これは砂防にもいろいろ場所がございまして、先ほども申しましたように、非常に人里近くなつておる所もございますから、これは河川との均衡上高くするわけにも参りません。特に僻地の旅費につきましては、日額旅費百四十円を認めております。管内の工事現場を巡廻する日数を見まして、それに百四十をかけた金額を毎月支拂つております。これも私どもが大蔵省にお願いしまして、大蔵省もその実情をよく考えて非常に快く、普通の平坦地でございますと八十円、五十円でありますものを、特殊な地域につきましては百四十円と殆んど倍額近いものを認めてもらつております。実際に合うような日額旅費になつておるわけであります。  それから先ほどの一般旅費の問題にいたしましても、いろいろ精算いたします場合におきましては、陸路で幾らというような計算にはなつておりませんけれども、特に御指摘のような場合に陸路を拂うのが妥当であり、又そうしなければ当人に対して非常にお気の毒だという場合には決してそれを抑えるようなことはございません。ただ旅費が技術関係のかたでも事務のほうでも同様でございますが、現地に参りまして、それから川を見たり道路を見たりしまして、一日官用自動車であつちこつち飛び廻つておりますと、それを旅費の計算ですつかりやられますと、原局で旅費の額を計算する係も大変でございますが、会計課へ参りますと、その係の者が毎日真夜中までい残つて計算しなければ旅費を出せないというようなこともありまして、そういうような係員の過労を防ぐという意味でこういう扱いをしておるのだ、そういうふうに御承知願いたいと思います。
  34. 赤木正雄

    赤木正雄君 今会計課長お話によりますと、大蔵省御当局も特にその点をお考えになりまして、格別の御高配を願つた点は、私も本当にうれしいと思います。ただこの上は先ほど申しました通りに、一日五十円の食糧費はこれは非常に事実無理なんです。なお申しますと、これは大蔵省も御承知通りと思いますが、仮に現場で会議をやる、或いは地建で会議をやる、その場合に金の出どこがない。個人から金を出せとおつしやつても、今日の状況として出せません。何か無理しないと実際会議もできない、これは実情でございます。でありますからして、これをこの上ともよく把握なさつてその上に不正行為があつたらびしびしやつて頂きたい。併し不正行為ができない程度まで大蔵省も何とか考えて頂きたい。そうしないと、本当に正しい仕事もできませんし、勢い公務員としても公務員らしい仕事はできない。今日の給料の安いことは御承知通りにお互いに困つています。国家の財政、経済情勢でそれも十分できない。できないまでもできる途があればできる途で、とにかく不正行為を防ぎ得る程度にまで、成るべくこれを是正して欲しい。これは今私がここにお願いしてもすぐできぬか知れませんが、これは恐らくこの委員会全体の皆さまのお考えだと私は思います。実地に私どもほうぼうへ行つて見ると、実際に現場の人は困つておる。本省で会議をなさつてもこの食糧費ではどうにもできはせん。これは私よく存じております。これは特にお考え願いたい。これをお願いし、又これに対して多少のお考えがあるかどうかお伺いしたい。
  35. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) 只今の赤木委員お話誠に御尤もであります。一面におきましては、おつしやるように事実非常に経費を要して、それに対して予算が不足するという面もございますが、ただ食糧費という科目は御承知のように物品費でありますとか、役務費でありますとかいう科目と違いまして、比較的使途の制限が楽な科目でございます。いわば使い易いものでございますので、とかく濫に流れる虞れもなきにしもあらずということで、従来大蔵省といたしましては、食糧費の科目についての制限は特にやかましく言つてつたのでございます。併し当然要るものに、而も正当な理由で出すということのためにどうしても足りないということになりますと、これは予算目的を達しませんわけでございますから、その辺は十分実情に副うように改めて参りたいと考えます。
  36. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう一つお伺いしたいのですが、定員の問題でございます。御承知通りに成るべく公務員は定員を減らす、これは政府の方針にあるように私も大賛成です。併し今非常に因つていますのは、認証とかその他で出す書類が非常に多いのでございます。今日の定員では、とてもあの規則によつて出す書類を整理するのに、それこそ徹夜してやつてもできない、これは実情なんです。だから止むを得ずそれはもう出ずらでその費途を整理して、これの書類を作らせる。現場の人は自分の事業を監督するより書類を整理する、これが実際どこの現場に行つてもあるのでありますからして、その点をよく御了承願いまして、直にあなたがたのお考え通りにうまくこの人員で行くならそれで結構でありますが、今のようにあの現場から出す書類だけでもとてもこれはできやしないのです。これをよくお考えになりましてこれは私は大臣にもこの前お願いしたのですが、今日のあの整理方法を改めるか、そうしてそういう複雑な書類は廃止してしまうとか、何とかこの際根本的のお考えを願わんと、とてもこれではできやしない。その点も特にお考えになつて、今後の定員とかその他については実際に即する点をよくお考えになつて、大蔵省で以てやかましく言われる、定員を減ぜられますと、そのかげで何をするかわからん。実際これは何でもできるのです。そういうふうに整理をすればそういうことはでき得る途は幾らでもあります。併しそういうことはしてはいけないのですから、成るべく実際に適する方法が、我々から見ましても又大蔵省から御覧になりましても、あなた方のかげでいろいろな費途を引かれたら困りますから、そんなことのないように、実際に正しい道を行い得るように一つお願いしたい、これは本当のことをよく考えてお願いしたいと思います。
  37. 田中一

    ○田中一君 会計課長に伺いたいのですが、建設業法が施行されてから相当になりますけれども、又御承知のように建設業法は基本法であつて、運営は事ごとにやつておる。併しながらこれに対しまする経過といいますか、実態に対する報告は前国会から再三要求しておるのですが、未だにお示し願えない。これに対して今後国会委員会と密接な関係を持たれるような方式をとつて頂くことはできないでしようか。場合によりますれば、せめて中央審議会といいましたが、あの会議にでも委員会と直接関係を持たすような方法をお考え願えるかどうか、お伺いしたいと思います。
  38. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 先日田中委員から大臣に対しましてそういう御質問がございましたときに、私も同席いたしておりましたので、そのときの大臣の答弁も承知いたしておりますが、大臣から監理局のほうにお話があつたものと思いまして、その後の経過を私存じておりませんが、私も建設業法の制定当初には関係いたしましたので、田中委員の仰せの点は全く尤もでございますが、あの審議会と国会委員会との正式の関連ということになりますと、いろいろ法律上のむずかしい問題があると思います。併し私この二、三年国会に参つておりますが、建設業法がどういうふうに運営されているかということについて、国会で御説明する機会も比較的少なかつたと思いまして、御意見のあることは御尤もと思います。御承知通り建設業法が発足いたしましてから大分いろいろな研究成果も挙げ、又実際上の処分もいたしておりますので、そういう問題につきましては、これは国会のほうで御質問がなくても自発的にも報告すべき事項であつたかと思うのであります。これは大臣のほうから係のほうには御要望があつたことと思いますが、私も重ねて係員に申付けまして、御要望に副へようにさせて行きたいと思います。併しながら何分今監理局長も建設課長もアメリカへ行つておりますので、或いは係の事務官でその点を計らいかねておるのじやないかと思います。私もできるだけ監督をいたしまして、何らかの措置を考えるようにいたしたいと思います。
  39. 田中一

    ○田中一君 安永の資材の生産のほうに関係するかたがお見えになつておれば質問したいと思いますが……。
  40. 島津忠彦

    ○理事(島津忠彦君) まだ見えておりません。
  41. 石川榮一

    ○石川榮一君 田中先生の御質問の最中ですが、大蔵省の主計官がお急ぎでお帰りになりたいような様子ですが、若しお差支えがなければ先に主計官のほうに御資問したいと思いますが、よろしうございますか。
  42. 田中一

    ○田中一君 どうぞ。
  43. 石川榮一

    ○石川榮一君 この前の建設委員会に小川委員から問題を提起されており、以前も我々から指摘したこともあるのですが、建設省関係に限らずですが、例えば建設省関係にいたしましても、現場に関する検査、本局に関する検査等が非常に多数になつておりまして、特に現場の当局はこのために非常な業務の差支えを来しておる、特に出水直前に構えまして非常に多忙なときに、非常に長い検査を際々政府のほうでやつておるというので、工事上に非常な支障を来しておることが各地で見受けられまして、非常に私ども遺憾に考えます。この点に関して処分をしなければ現場が本当に安心して工事ができないのであります。これは由々しい大事だと考えます。その点を何とか簡素化することができるかできないかを先ず丁度今日は佐竹主計官がいらつしやるときでございますから、お伺いしたいのでありますが、その簡素化させるための御相談であります。試みに私が調べたところによりますと、或る一つの地建だけで調べて見たのですが、会計検査院が昭和二十五年度に現場を検査しましたのが十日間で延べ百二十人、大蔵省の会計監査といいますか、それが二十五日間に五百三十六人、経済安定本部が十八日間で六十一人、人事院が九日間で二十七人、通産省が三月間で三十二人、建設省予算査定の検査が八十七日間で四百五十五人、労働省が六日で八人、その他が二十二日で百三十九人、これは最寄りの労働基準局並びに最寄りの税務署関係の検査は別にしております。この数が大体におきまして十回であります。この延べの日数は現場だけで二百二日間検査に沒頭しております。大体におきまして約七カ月間程度を現場ではしよつちゆう検査しております。こういうような検査はどうかといいますれば、法規の命ずるところによつてやるのでありますから止むを得ませんが、併し現場におきまして、もう差し迫つて災害を防止しようと思つて血みどろに現場員は徹宵でやつておるような場合にも、所管官署からかくのごとく際々現場にいらつしやる。これに対して或いは文書の説明、その文書の作成、そのかたがたに対する待遇等に関して非常に所労するわけであります。先ほど赤木先生からも指摘されたようなわけで、現場のかたがたは殆んど十回にも亘りますこの検査に、二百二日にも亘る検査に禍いされまして仕事が非常に遅滞をするというような結果を生んでおるのであります。これを何とか簡素化することが最も大事ではないかと思います。会計検査院の検査はこれは私ども止むを得んと思いますが、幸いに主計官がいらつしやいますが、大蔵省関係は会計法第四十六條の会計監査をなさる、まあ財務局関係の検査のようであります。これはその年度の、二十五年度でしたら二十五年度中においでになりまして、その年度の事業の途中にその事業の施行方法、実施中の会計の監査をなさる、まだ仕上げておらん途中なんです。そのときに延べにいたしまして二十五日間もおいでになるということは何をこれはやられるのか、結局まだ途中でありまするから、書類を調べてノートして帰るくらいの程度にしか私どもは聞いておられないと思うのです。結論は得られない。会計検査院の検査は、これは勿論厳重になすつておるのでありますから、ここでくくりが付くのでありますが、仕事の最中に出張されて、而も相当の人員が行かれて長く、滞留されて、そうして帳面と照していろいろ記録を眺めるというに過ぎないのです。この数が現場において五百三十日間に亘る。これは一地建であります。全国に七地建ありますから、総計いたしますと少くも四千人以上はこれに動員されておると思う。これは建設省ばかりでない、農林省もその通り、その他の各省でもこの通りだと思うのであります。これほどに財務の監査をしなければ不都合が行われるような公務員であつたならば、私どもは本質的にその公務員を変えたらいいと、こう思うのであります。できるならば成るべく簡潔にして頂くような検査監査をして頂くことができないものであろうか。私ども希望いたしますれば、会計検査院の検査は仕方がない、ほかのものは各省の本省に厳重な監査機関といつたものを置きまして、これに一任されてはどうか、そうして一度に見て下すつたらどうか、十二もあるあらゆる検査或いは監査機関が日を変え、或いは同時に、しよつちゆう入りびたりにお調べになるということは甚だ不都合であると、かように考えるのでありますが、この点に関する総括的な主計官の御意見を伺いたいと思います。
  44. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) お答えいたします。只今の石川委員の御指摘になりました事業監査につきましては、お話のごとく、会計検査院の監査なり、安定本部の監査、更に主計局の監査、そのほかにそれぞれの施工責任官庁の内部における監査ということで、いろいろの種類があるわけでありますが、私ども関係いたしておりますのは、財政法第四十六條に基くこの予算の支出が適正であるか不適正であるかという点の監査であります。この点について申上げますと、これはその本来の狙いといたしまするところは、非違の摘発でありますとか、そういうことじやございませんので、むしろ予算の編成に当つて、これを実態に即して編成させるために現場の実情の把握でありますとか、乃至は現場の実際の担当のお方々の意向を反映するとか、乃至は予算の作成に当つてのいろいろの相談に応ずるとかいうことで、できるだけ予算というものを実情に即して作りたいということが、実は大きな狙いでありまして、まあそういう狙いで行います関係で、現場の作業にいやしくも支障を與えるということでありましては、本来の目的に全く反するわけであります。それで、若しも御指摘のような実際の事業の施工に著しい支障を與えておるというような実情がございましたならば、これは即刻改めなければならないと存ずるのでありますが、ただ何分にも私はたまたま本日説明員として参りましたが、実は予算の担当でございまして、監査の、責任者は主計局に司計課長というものがございまして、私は責任者でございませんので、直接責任のある答弁を申上げられないのは誠に遺憾でございますが、司計課長の下におきましても、従来ともこの監査については非常にいろいろの意見が各方面からございますために、これの改善について目下いろいろ検討をいたしておるというふうに私も聞いております。なお全般的に各種検査、監査の総括的な意見を申せというお話でございましたが、この点はちよつと私から申上げるのもいささかどうかと思いますので、一応私の御弁答申上げ得る範囲でお答えいたしますと、大体今のようなことでございます。御了承願いたいと思います。
  45. 石川榮一

    ○石川榮一君 只今佐竹主計官のお立場の状況を伺いましたから、これは以上お伺いいたしませんが、今日私が申上げましたことにつきまして、一応上司にお伝え願いまして、この煩雑な検査、監査を如何にして合理的に公正な検査ができるような、而も一体化するようなような方法が講ぜられるかどうか、講ぜられるならばそういうような御検討をして頂きまして、大蔵省の狙いとするところ、各省の狙いとするところが幸い一緒になりまして、できるならば農林省にしましても建設省にしましても、厳然たる検査、監査機関と存置し、各省との連絡をとりまして、その機関が一度行けば一切のものがわかるというような、いわゆる総合的な検査ができて、そうして日にちも成るべく短く行きますように、改正するような御心配をお願いしたいということを申上げて、私の質問は打切ります。
  46. 島津忠彦

    ○理事(島津忠彦君) 石川委員に申上げますが、更にこの監査に関する係官をお呼びする必要がありますか。
  47. 石川榮一

    ○石川榮一君 お伝え願いまして、若しお差支えなければ、この次の委員会に御回答を得たいと思います。
  48. 島津忠彦

    ○理事(島津忠彦君) それではこの次の委員会に係官から御回答願うようにお願いします。ちよつと速記をやめて。    〔速記中止〕
  49. 島津忠彦

    ○理事(島津忠彦君) 速記を始めて。
  50. 石川榮一

    ○石川榮一君 安本のほうがよろしうございましようが、この前もこの点はお願いしたのですが、河川改修に関する費用予算の編成の組み方です。出水期から出水期までに亘るように年度の予算を、技術的にできるならして頂いたらどうか、その理由は、現在予算を上程しておるこの国会は五月一ぱいかかるでしよう。五月の十日から十五日頃これが終りましても、その予算の現金化は七月、八月、九月ということになりまして出水期になつてしまう。実際は現在各省とも出水期前に大いに能率を挙げまして、災害の復旧なり、或いは補修工事なりを盛んにしなくちやならんときには、もうすでに昨年度の予算を使いきつて、今は手ぶらでおるわけです。最も能率の上る三、四、五、六、この四カ月には予算なくして、国会予算の通るのを眺めておるというのが現状なんです。この予算通りまして、現実に金が入りますときには、もう出水期に入つてしまう、七、八、九は出水で追い廻され、手が着いていませんから、災害が大きくなる、そうして明年に災害後における工事に対して十月から一、二月の頃までにやつてしまうということになつておるのです。そうなりますと一番大事な仕事するときに、金がないということになります。こういう予算の組み方は、水を考えない予算の組み方である、こう私は考える。河川改修は水を征服する改修費でありますから、水の出る前に最高の能率を上げて出水に対すべきであるという立場でなくてはならない。にもかかわらずこの予算の年度が四月から三月三十一日ということになつておりますので、そこに真空、いわゆる今言う真空期間に手を拱いて涙をふるつて眺めておる期間が三、四、五、六の四カ月である。この四カ月の間に十分予算を効率化して使うべきときに無いのです。この予算は七月、八月、九月にならなければ参らんということのジレンマに陷る、このときの損害が非常に大きいのです。災害及び損害が非常に大きいと思う。この一年間だけそうすればいいのでありますから、十五カ月予算を組むようなことを一応やつて頂きますれば、逐次できると思いますが、こういう水に対応するような予算の組み方を願いたいと思いますが、これに対する安本でもようございますし、大蔵省でもようございますが、一つ意見を伺いたい。
  51. 佐竹浩

    説明員(佐竹浩君) 予算の年度の問題に触れますので、主計局からお答えいたします。誠に只今の御指摘の点御尤もでございますが、私どもといたしましても、この欠陷を除くための制度をいろいろ実はかねてから考えておりまして、そこでもうこれが合理的に解決されます途は、やはり継續費制度というものがございますが、この継續費制度の復活ということではなかろうかと存じます。御承知のごとく、戰前には勿論この制度があつたわけでございますが、終戰後これが廃止になりまして、まあその関係でいろいろと不合理が出て参つております。何とかしてこれを二十六年度からでもやりたいと研究を進めたのであります。いろいろな関係もございまして、二十六年度からの実現の運びには遺憾ながら至りませんでした。遅くも二十七年度以降には何とかこれは一日も早く実現いたしたい、こう思つて実は研究を進めておるのでございます。  なお、継續費制度以外に、おつしやるような年度の当初において予算がなかなか着かないという点は今日の支出負担行為その他の制度の関係で、手續上金の支出が遅れて来るという面も若干はあるわけでございますが、この点につきましては、支出負担行為計画の手續その他の改正をいたしまして、予算が三月中に国会において成立いたしましならば、四月初のめにおいてこの支出ができるということにして行きたいと、この方面も只今研究をいたしております。これは二十六年度からは、従来に比べて相当早く金が出るのではないかと、こう思つております。
  52. 中尾博之

    説明員(中尾博之君) 関連いたしまして安定本部のほうから説明を補足いたしたいと思います。  只今大蔵省のほうから御説明がございましたので大体盡きるのでございますが、大体会計年度の問題、それから支出負担行為計画の問題というような、問題によりましても考えられるのでありますが、そのほかに安本といたしましては例の認証をやつておるのであります。認証につきましては、これが年に四回或いは二回に分れておりまして手續が煩瑣であり、これの書類の作成等のために相当な時間を食つておる。従つて年度初めに金が届くのが遅いということは、各方面で相当見られる事実でありまして、これにつきましては或いは外で御説明つたかと存じますが、来年度は認証をいたしまするが、年に一回、而もそれも成るべく年度開始前に大体の分を済ませたい、こういう方針でやつております。従いまして年間を通じまするところの計画は、年度開始前にきまる、それによつて予算の配分もきまつて参ります。年間全体の計画もそれで立つわけでございまして、そこへもつて参りましてあと大蔵省のほうと協力いたしまして、支出負担行為計画の策定もこれと併せてやる、同時に資金の配分も急いでやるということにいたしたいと考えております。幸いにしまして予算の御可決を得ますれば、早速その手續きをとりますように目下私ども事務的な作業を進めておる次第であります。二十六年度におきましては、そのような方法で成るべくそういつたような弊害を除いて行きたいということで努力いたしておる次第でございます。
  53. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の石川さんの御質問に関連しまして……、成るほど今度は年度は切れてもまだ金が入つて来ない。それがために折角仕事をするのに一番大事な四月、五月、六月はどうかという空白状態になる。これは誠に遺憾なことです。実は私ども関係しておりましたときは、今の主計局長は丁度内務省関係土木を見ておりました。そのときに私は折角一生懸命に取つた予算、又大蔵省で折角お出しになつ予算を一文でも年度を越して私は残すようなことがあつてはいかん、こういう方針を持つてつた。大体十二月頃ならまあ来年の予算はどれほど食うと見当が付きますから、十二月頃に各府県にこれこれの仕事をやらせようと、これは内務省のほうではわかります、それによつて十二月には簡易なペンシル・ワークによつて設計をしてしまつた、そうしていよいよ予算がこの国会に出る頃には、二月、三月にはもうすでにこれは大蔵省も安本も御承知通りに、予算もきまつておりますし、大体どの方面にはどれほど行くべきものだ、どの河川にはどれほどの道路にはどれほどとわかりますから、少くとも三月頃までにはもう予算の内示を各部が持つたのです。そういう観点から四月になつたらもう直ぐに仕事にかからした、こういうのです。無論そのときに国の支出はありませんから困りますけれども、地元は喜んで一月、二月の金は出してくれたんです。そういう観点から赤木、こういうふうに急に予算を殖やすが果してそれを消化し得るかどうかというようなことを今の主計局長からも言われました。一文も残さずやつちまつたのです。全部私は数年間一文も残さずやつちまつた、恐らく今日の公共事業を残さなかつたものは私だけです。一時東條さんが内務大臣をやつたときに、私の部屋に妙なグラフがあるのです。それは各府県についてグラフにしまして、一月に二回ずつ十五日と三十日に工程をとるのです、各仕事について。そうしてとつた工程を、若しもこの仕事が年度内にできんときには、ひとりお前の県の不名誉でない、国全体としての不名誉だと、だからしてとつた工程を先ず全国の各県にずつとやるのです。そうしてお前の県はこういうふうにできていないとすぐそれはわかるのです。そうしてお互いに自粛させて仕事をさせたのです。その結果を申しますと、大蔵省のほう、安本のほう、建設省の実際の仕事をなさるほう、この三者が一体になつてやれば、今安本がおつしやつた認証の点さえはつきりして下されば、これは仕事のやり方一つでできると思う。殊に大蔵省方面は、継続費用をやるというのは必要ですが、そういう方向に行けば四月、五月、六月の一番大事な時を遊ばさずにできるという考えを持つております。御参考までに申上げます。
  54. 島津忠彦

    ○理事(島津忠彦君) 只今安本部の産業局機械金属課長が見えております。それに関して御質問がありましたら。
  55. 田中一

    ○田中一君 最近の鉄鋼とセメントなどの生産状況を大体先ず第一に御説明願いたいと思うのですが、鉄鋼とセメントは建設資材の主要なるものですが、これに対する今日の生産状況について。
  56. 日高準之介

    説明員(日高準之介君) 金属課長の日高であります。セメントのほうはちよつと産業局長がほかの用事があつて出ておりますので、鉄鋼につきまして私から御説明申上げます。  鉄鋼につきましては、大体本年度の当初の生産予定といたしましては、おおむね昨年の初めには二百六十万トン程度というふうに鋼材で予想いたしておりましたが、最近の状況で申しますと、非常に増産を見まして百四十万以上の数字を挙げるというような状況になつております。特に土木、建築関係につきましては、最近十月頃から非常に需要が旺盛でありまして、只今のところの推定数量でございますが、大体本年度といたしましては約二十万トンぐらいは土木、建築合わせまして使用されるのではないかというふうに、極く大ざつぱな推計をいたしております。  来年度の予想でございますが、来年度につきましては、只今まだはつきりとした生産計画というところまでは参つておりませんが、非常な鉱石なり、鉄屑なり不安な條件がございますが、大体四百万トン内外の生産は可能ではないかというふうに考えられるわけであります。それに対しまして、大体内需といたしましては約三百万トン程度を予想いたしております。この三百万トンのうちで、土木、建築といたしまして、大体四十万トン程度は土木、建築に廻り得るのではないかというふうに考えております。そうしますと、本年に対して約倍近くの供給ができるということに数字的にはなるわけです。ただ最近の情勢といたしまして、品種的な生産コストが非常に不安でございまして、戦前の計算の内容を見ますと、全体の生産の中で土木、建築に使われます棒鋼でありますとか、型鋼、いわゆる條鋼類、これが約三〇%、軌條を除きまして工型で約三〇%占めております。ところが終戦後非常に輸出や何かの関係で生産のバランスが変つて参りまして、二十五年度の最近の状況で申しますと約一四・六%に上つております。そういつた関係で、最近土木、建築が盛んになつて参りましたが、それに合うような需要品種がかなり窮屈な状態を示しておるような状況でございます。その点逆に鉄筋建築には比較的需要が少い薄板でございますが、これは戦前よりも非常に増産をいたしております。ところがこの増産分が鉄鋼の輸出の大宗をなしている、国内に廻ります亜鉛鉄板の材料としては非常に少いというようなことで、品種的な問題でかなり、一応数字としては来年度四十万トンというものが残るといたしましても、品種的に相当貧困が起つて来るということが予想されます。これにつきましては、今統制も行なわれておりませんので、鉄鋼業者なり、鉄鋼の商社というふうなところでこういつた情勢は十分検討いたしておりまして、私どもといたしましても只今申上げましたような趨勢をできるだけ詳細に調査いたしまして、各供給者側がその材料を提供いたしまして、できるだけ自発的な生産の品種を需要に合わせるように十分に要請をいたしておるようなわけであります。大体来年の極く大ざつぱな見通しとしてはそういうふうなわけであります。
  57. 田中一

    ○田中一君 公共事業費一千億以上のものを今度遂行するに当つて、先ずその予算を使えない今日の段階において、もはや昨年の今頃と比べますと、大体倍近くなつているのではないかと考えられるのです。従つてこの予算の編成を公共事業費に対していつ頃なすつたかどうか。恐らく今日の状態で進むならば、到底政府の予算では事業の量において半分しかできないのじやないかというような危険が多分にあるのです。殊に先ほど石川委員からお話のようなダムの建設において、そうした予算上の問題から工事が中止になるようなことも想像される点が多々あるのです。殊にこの資材が今鉄鋼に限つて申しますが、外地からどの方面に向つておるか。私自身速記録に書いていいものか、悪いものか分りませんが、若し悪ければあとで消して頂きますが、沖繩、並びに朝鮮のほうに鉄鋼が相当流れておるのではないか。こういう点なども朝鮮問題をきつかけとして、今日ますますそうした上昇の気構えが見えているのです。この点について根本的な二十六年度予算のこれが公共事業を、あらゆる産業面において安本としては十分な検討をしてやつているものか、或いは確信があるものか。今いらつしやつている説明員のかたでお答えできなければ、主要なる材料であるセメントと一緒に、この次の委員会にでも詳細に御説明を願いたいと思います。  次に会計課長に申上げたいのは、そうした資材の値上りの趨向にある今日、自信を持つて一千億以上の公共事業を遂行し得ることができるかどうか。この点について我々建設委員として各所を廻り、又いろいろな公共事業を見ているのですが、できなければ何にもならない、又できなくなるのではないかと思うのです。それについて、実施する面で課長の御意見なり見通しを伺いたい。
  58. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 昨年の朝鮮事変以後における物価の騰貴と、それから二十六年度予算との関連というふうな問題につきまして、私参議院の予算委員会におきましても大分質問を受けたのでありまして、この点は非常にまあむずかしい問題でございまして、事務の職員としてはお答えできない範囲も相当あるのでございますが、先ず事務的に御説明申上げますと、公共事業費の現在の組み方が、安本で一括して公共事業費千億なら千億、こういうふうに組まれておりまして、後のほうの割振りというような恰好になつて参るわけであります。従いまして昨年八月頃予算の編成に着手いたしますときにおいては、河川事業費何百億ほしいというようなときには、当時の物価を頭に入れましてどういう工事をやりたいということになるわけでございます。十月になりますれば、十月の物価を尺度といたしましてどの程度の工事ができる、こういう判断になるわけでございます。これは打明けた話でございます。従いまして、私どもは十二月の公共事業費の配分がきまりました際におきましては、決して朝鮮事変以前における物価を頭に入れましてその工事量ができるものとは考えていたわけではございませんので、十二月当時における物価の趨勢を考えまして、それで大体どの程度の工事はできそうだというので、あの予算が組まれているわけでございます。従いまして、私どもは形式的には予算の公共事業につきましては、特に公共事業費のわくがきまりました、又内訳のきまりました十二月当時の物価によつて工事をやりますと、いうことを言つているわけでございますが、それではどういう工事をどれだけやるかということは、只今のところ出していないわけでありまして、打明けて言えば、役人の肚の中にあるわけじやないかと言われればそれまででございますが、ところが係官の話としましては、物価が朝鮮事変以後上つたということは存じておりますし、又十二月の予算を組みました当時においては、私もその点は考えておつたつもりでございます。従つて十二月以降現在まで上りつつあるのはどうか、又今後上つたらどうするか、こういう問題になつて参ろうかと思うのであります。これは補正予算というふうな問題につきましては私どもから申出ることでございませんで、補正予算という点でこの問題が解決しないといたしますれば、或る程度の事業量の縮小ということもあろうかと思うのでございます。事業量の縮小が物価騰貴によつて起ります一番大きなものは、公共事業費ではございませんけれども、官庁営繕的な、建物的なものが多いのであります。亜鉛鉄板等は昨年事変の前とは倍ぐらいに上つておりますが、これは上つておりますが、十二月では或る程度まで織込んでおりますけれども、今後上るといたしますれば、事業量の縮小するのはこれは止むを得ないのじやないかと、かように考えております。  それから一般土木の問題になりますと、これは資材の使い方がそれぞれ違うものでございますから一律に申すわけにも参りませんが、盛土の点だけをとつて見ますと、これはまだラクな数字でございますが朝鮮事変以前と十二月頃では一五%近い値上りになつていやしないか、この程度の値上りでございますれば、或いはいろいろ工事実施の面で工夫いたしますれば、物価の今後相当大きな変動がない限りは何とか間に合わして所定の工事はできるのじやないかとかように考えておりますが、これも今後の物価騰貴の如何でございまして、大した資材の要らない盛土工事でさえ相当影響を及ぼすことがないとも只今のところでは保証ができないわけでございます。ダム等の問題になりますと、これはセメント、鉄材に関係するわけでございます。情勢如何によりましては相当な工事量の変動になつて行くかも知れん、この点は私どもとしましても非常に心配はいたしております。問題は補正予算で行くか、工事量の縮減で行くかと、こういう問題でございます。御承知通り工事量というものは單に予算がないから小さくできるというものじやございません。特にダム等につきましては、附帯的な準備施設というものは年間の工事量で合せまして準備をしなければならん。コンクリート打ちを余計やるということでありますれば、必要なセメントの運搬施設なり、その倉庫なり、砂利の採取施設それの運搬施設、それぞれ規模を変えて行かなければならない。その点はよほど愼重に考えて参らねばいかんとかように考えております。
  59. 田中一

    ○田中一君 安本のほうに伺いたいのですが、これはもう今日御返事を得ることはできんと思いますけれどもそうした重要なる資材について統制をするような気構えが巷間伝えられております。これに対しても軽々に統制問題を言うべきじやないと考えまするが、できるなら大臣の伝言で結構ですから、意思表示を願いたいとこう考えております。
  60. 日高準之介

    説明員(日高準之介君) 先ほどお話がございました輸出問題の点ちよつとお答えします。輸出につきましては今年、先ほど申上げました三百四十万トンの中で、鉄鋼材として出ます数字が大体特需を込めまして約七十八万トン、約八十万トン、その程度のものが大体輸出に出るような見通しでございます。それでその内容でございますが、その向先といたしましては、アルゼンチンとオーストラリアが一番多くなつております。朝鮮、沖繩あたりは数量といたしましてはそう大きな数字ではございません。それから品種的な内容でございますが、これもその七十八万トンの中の約二十万トンが亜鉛鉄板でございます。その残りは板類とか鋼塊類等、非常に雑多な品種でございまして、特に建築材料というような面から見まして、一番影響の深いのは亜鉛鉄板でございます。そういつた関係で特にこの土建材としての需給関係に影響いたしますのは、先ほどちよつと申上げました内需の生産の、生産構成の問題、棒鋼そのものの生産が落ちている。それから薄板のほうは増産されながら輸出が非常に多いというところがむしろ大きな原因じやないかと思つております。大体明年度の輸出につきましては、只今の見通しでは素材にいたしまして八、九十万トン予想いたしております。従つて本年の生産と来年の生産とを比べますと、内需が代り得る数字というものは約一割五分くらい殖えるわけであります。なおこの間自立経済審議会で答申されました場合の工業生産の伸びという面から見ますと、今の一割五分くらいの増加であれば全体としての増加率にも大体マッチするということでありまして、特に内需の面から見て窮屈になるということは、特需の需要がない限り、余り予想されない。  なお公共事業費につきましては、本年度の今御審議になつておりつまするところの公共事業費と二十五年度の公共事業費という面から見ますと、只今申上げました程度の伸びが余りないわけでありまして、先ほどの四十万トンという土木建築材の中にはこの新らしい予算に対応する予想数字は一応その中に含めて考えております。  それから只今のその需給関係の問題でございますが、そういうふうな全般的な情勢でございますので、私ども担当省といたしましては、只今のところではこういつた情勢を業界に全部徹底することによりまして、おのおのそれぞれがその情勢に合うような生産の増強をやつて行くというように向けて参りたいと考えております。
  61. 田中一

    ○田中一君 生産量において非常に安心し得る見通しにあるようですが、一つこれを各産業界に徹底するような方法を講じて頂きたいのです。若し今のあなたのおつしやることは嘘だとは思いませんが、これが可能ならば、こうした形で又近々三割、四割値上するということを新聞で発表がありましたが、どこに値上しなければならないかということをよく究明いたしまして、安本として鉄鋼並びにセメント等の主要材料の、バランスの問題は適当な機関を通じて正式に発表して頂きたい。こう考えております。無論これは今日本は戦争をしておらないので、そうした意味の秘密があり得るものでないと思いますが、そうすれば或いはこの統制が、値上りの機運が或る程度で止められることの、その一つ方法ではないかとこう考えておりますので、そのような御措置を願いたいと考えております。
  62. 日高準之介

    説明員(日高準之介君) ちよつと只今申落しましたので、只今非常に安心のように申上げたのでありますが、なお只今申落しました現在の需要の実情でございますが、土建需要が非常に殖えておりますが、その内容を見ますと、実際の産業設備というよりも最近ではやはり一般事務所でございますとか、そういつたふうの点に金が非常に廻つているようなふうに見受けられますので、その辺の買気が非常に強い。それから各重要産業といたしましても、先行きが非常に上るというような傾向がありますために、非常に或る程度思惑的な需要があることが、一—三月にかけて非常に強く感ぜられます。そういつた面で本当に産業なり、いろいろな治山治水という面にもその通り流れるかどうかということになりますと実際の資金の流れ方というふうな面からかなり変つた形になるのではないかということが必ずしも予想されないではないように感じられます。  それからり価格の問題でございますが、これにつきましては、特殊な市価というのはございますが、これは全体の取引の中では比較的割合が低いようでございまして、全体としてこの大きな製鉄業者から出しております建値は、この生産のコストから極端に上つて、需給関係だけに引ずられた値上をやつているということではございませんので、或る程度生産コストにべースを持ちました値段でやつております。そういうことでございます。
  63. 島津忠彦

    ○理事(島津忠彦君) ほかに御質問がありますか……では本日はこの程度で散会いたします。    午後三時五十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            赤木 正雄君    委員            石川 榮一君            島津 忠彦君            深水 六郎君            田中  一君            徳川 宗敬君            東   隆君   国務大臣    建 設 大 臣 増田甲子七君   政府委員    建設大臣官房会    計課長     植田 俊雄君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君   説明員    大蔵省主計局主    計官      佐竹  浩君    経済安定本部産    業局機械金属課    長       日高準之介君    経済安定本部建    設交通局公共事    業課長     中尾 博之君