○石川榮一君
建設大臣にお伺いいたします。見返資金による
建設省関係の
工事は一応打切られたようでありますが、
大臣の御建鬪によりまして相当額が次年度としての
予算を計上せられておるようであります。併しながらその
予算額が私
ども期待しておりますよりも相当減
つておりますので、只今まで三年乃至四年、或いは二年で
計画を完遂すべきものが相当ずれる見通しにな
つておるようでありますが、これは仮に三年間の、五十里ダムもそうでありましたが、三年間で完遂しようとしたものが、どの程度で仕上げ得るような御確信がありますかということを先ず
一つお願いいたします。
更に第二のお伺いしたい点は、このダムの建設
工事の見返資金中止によるこの状況を、何とかして緩和して、そうして所るべく速かにこの
工事が仕上るような方途の
一つの
考え方として申上げたいのでありますが、それは洪水調節を中心とするダム建設でありますから、どれもが立派な発電力を持つということは不可能とは思いますが、恐らく
計画の中には発電
工事もこれに含んでおるように私
ども承知しておるのであります。そうなりますと、見返資金は
公共事業費には出しませんが、発電
工事或いは造船というような民間企業として、今
日本が最も必要とする原動力になりますような
工事に対しましては、相当な幅を以て見返資金を使うことをその筋でも
考えておらるるように見受けらるるのであります。こういう点を
考えまして、只今残
つております見返資金の額が幾らあるかわかりませんが、我々が
考えても少くも一千億程度の見返資金が残存しておると、かように
考えます。この一千億程度の見返資金が仮に残存しておるならば、成るべく講和
会議前にできる限りこの見返資金を何とかして
日本の企業に投入せしむるような方途を
考えて欲しい。その
一つの手段として、ダムの
工事に随伴して
工事します発電
工事を速かに
計画されまして、その発電
工事に対して見返資金を速かに流用ができますような施設をして頂くことができるかどうか。若しこの発電
工事が私企業でなければならんというならば、急いで当該県等に御協議になりまして、或いは民間の電力会社に示唆を與えまして、そうしてダムの建設に伴う発電
工事の
計画を進められ、その
計画に対する見返資金の投入を速かならしめるふうにいたしまして、そうしてそれがきまりましたらば、国の
予算とその見返資金とを一緒にプールしまして、そうして
工事を進めて頂いたらば早くできるのではないか。又発電
工事も速かにその
目的を達し得るのじやないか。かように
考えるので、この点
一つお伺いいたします。
それからもう
一つお願いしたいのは、
日本開発銀行が設立するかのような新聞記事が最近よく出ております。私
どももこの
日本開発銀行の性格そのものをよく知りませんが、非常に結構な政府の意図であると、かように
考えるのでございます。御
承知のように農村
方面には長期資金の役割を演ずる金融機関は絶無であります。農工銀行がなし、勧業銀行はその機能を停止しておりますので、農村には殆んど長期資金の融通機関というものは絶無であります。こういう
観点から
日本開発銀行の設立に非常に期待を持つのでありますが、この開発銀行なるものの要するに狙いはどこにあるかわかりませんが、どうも新聞紙等から推察いたしますと、船或いはその他の紡績業であるとか、というようなものに投資するかのようにな
つておりまして、この開発銀行を通しまして、この
建設省の主管でありまするダムの
工事に伴う発電等に対しては、思い切
つてこの開発銀行から長期融資ができるような性格をもたせることができるかどうか。私
どもは
是非、かような立派な銀行ができるのであ
つたならば預金部資金或いは見返資金等をこれに流用する以外に、
全国的の蓄積費本をこれに投入してもらいまして、今荒れ果てておりますあらゆる
河川、あらゆる山等を速かにその改修の
目的或いは
治山の
目的が達しますように、この長期資金を
日本開発銀行から相当に出し得るような性格を、今意図されております
日本開発銀行にもたせることができるか、
是非これはもたしてもらいたいのですが、どうでありますか。それが非常にこの
建設省の主管しまする
仕事に非常な大きな役割を担う、こう
考えますので、まだできておるようでありませんが、恐らく閣議で問題になりますから、この点から
建設大臣の御所見を伺いたい。
それからもう
一つお願いいたしますが、先ほど
山林砂防について、
赤木先生の蘊蓄を拝聴いたしまして、私
ども非常に啓発されたのであります。特に
大臣は
使命感に徹するような施策に協力して行きたいというような、非常に卓見のある御見でこれ又敬服に堪えません。私
どももさように
大臣が徹していられますことを非常に喜ぶものであります。この
精神的ないわゆる
観点から指導されることは勿論重大でありますが、もう
一つ考えますことは、どうもダムの建設或いは
溪流砂防、
山腹砂防に従事するところの現場の
公務員のかた、このかたがたは大体二重生活をしておるはずであります。特に山の奥であるからして物価が安いかと申しますと都会よりも高いのであります。而も家族とは遠く離れて何らの楽しみがなく、ただ職域奉公という
使命感に徹することのみに期待することはどうかと
考えます。こういう奥地、僻地に而も楽しみなく自然と鬪
つているかたがたに対しては、地域給をできる限り飛躍的に
増額してせりまして、そうして済済的に後顧の憂いなからしめるような、私は施策が必要ではないかと思うのであります。さもありませんと、
使命感にばかり徹すればいいのでありますが、人間は生活しなければなりませんので、二重生活者而も奥地に住む、その奥地にいる人が非常に高い物価に悩み、非常に不便に歎いておる。而もそれは半年や一年で済むものではございません、ダムの建設は五年、十年を要する、長期間を要する、生命を打込んでやらなければならんものでありますから、こういう不便な職場に対しましては、地域給の支給
方法に更に加えまして、こういう職場を特に特別の地域給といたしまして、飛躍的な経済的の潤いのあるような御心配が願われるかどうか、以上お尋ねいたします。