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国務大臣(増田甲子七君) 非常に
赤木先輩がよく前々から御事情を御存じの上になほ御努力を拂
つて勉強されまして、地方の土木出張所における、現業所における書類作成、而もその書類の名前までずつと羅列されまして、今お読みになるのにも六分以上、而も表題を読むだけでそれだけかかつたぐらいで、おつしやる
通り現業所の定員を似てしては到底かかる書類を定期的に作成して報告する、而もこれは機械的に作成するばかりではございません、
相当の
調査もしないことには報告書は作成できないと思います。非常に煩雑な、事務官庁の見地から見れば面白くない事象が行われておる。この書類につきましても、私
建設省の事務当局といたしましても、今お読みに
なつた表題はよく存じておるということを
只今会計課長が申しましたら、よく検討いたしまして事務簡素化を図りたいと思
つております。併し現状での定員を以てしては到底書類の作成すらできないということはお説の
通りでございましようから、根本的の対策を講じたいと思
つております。それから例えば臨時雇なり或いは人夫というようなことも何か結局直轄
事業費のほうから出るだろう、恐らくいろいろな工夫をしておると思いまするが、直轄
事業費の中には
事務費もあるわけでありますから、その
事務費を食
つて、その残りの分が今度は本当の
事業費を食うということになれば、厳密に申せば例えば人夫賃といえ
どもそういうことのないよう工夫して参りたいと思
つております。
それからからあらゆる官庁が土木現業所なり出張所に検査に参る、その応接に暇がない、
赤木先輩が月に一回とか二月に一回必ず来ておるとおつしやいましたが、全く毎日来ておるような所もあります。大体専門の係官がいる、而も所長が中央その他地方の例えば東海地方とか或いは近畿地方というところの役所から来るのに、これに応接しないで
事業を專らにするということはできず、結局
事業のほらを放
つておいて応接の
方面に專ら力を注ぐ、これは能率からい
つても非常に不
経済なことだと思
つております。それから接待費に金がかかる、その接待費というものは
予算面からすれば殆んど名
目的な接待費しかないからして、結局何とかするであろう、過去の弊害は恐らく空人足を雇うだけで、或いは変な受取を書いて行
つてそれを実際は接待費に充てたんだというようなこともなきにしもあらずだと思
つております。常識的に社会通念から見まして中央官庁から来た、或いは地方のそれぞれのブロツクの中心の役所から検査に参る、そういう検査に参つた人の接待費などに
事務費を適当に調節して金を出すぐらいなことは、まあ常識上許されるかも知れません。頭が大分
建設大臣はルーズすぎるとい
つて赤木先輩に叱られるかも知れませんが、その範囲ぐらいは許されるかもわかりませんが、そういうことをしているうちにだんだん悪いことをほかのこと京でや
つて実際上年末手当の追加になるというようなことに
なつたらこれは大変でありまするから、結局そういうことなしを期する
ためには、実際要る接待費ならこれを
計上する、雑費も
計上する、そうして偽善的な行動をとらない。しまいには本当の悪が行われてしまうことになりますから、そういう方向へ
建設本省のみならずず山先
一般に及ぼして参りたい。
財政当局に明年度
予算を要求する場合には、実際要る
費用ならば出張等を最小限度に見積
つてみまして、それに対する接待費、雑費等を組んで参りたい。こう思
つておりますからどうか最も事情をよく知
つていらつしやる
赤木先輩も御協力を願いたいと、こう思う次第でございます。もとより我々は、不正な公共
事業をするということは一番悪いことであることは、
建設大臣に
なつて以来
一般民衆の尊い税金を乱用するという結果になることは、一番これは民衆に対して申訳ないことである、若し災害等が、不公正な公共
事業の原因として起きるというようなことがあれば、その申訳なさということは、これは言葉では盡せないという態度で臨んでいる次第でございまするが、私が
建設大臣に
なつて後にも不正公共
事業というようなことがしばしば検察庁等の問題に
なつておることを私非常に恐縮に存じております。私といたしましては今申しましたような
方針で現に臨んでおりますが、内閣に今度設置されましたいわゆる五人
委員会の審査報告を見ましても、不公正な公共
事業の剔抉ということはどうも辛いからいやだ、辛いという言葉を使うと少し悪いかも知れませんが、積極的に将来のこうやつたらよかろう、ああやつたらよかろうという勧告の面については我々働くけれ
ども、現在存在している公共専業が
計画書等から見て不公正であるか公正であるか、それを調べることはやめておこうというような態度であるということを私は拝見しました。こういうことは非常に面白くないので、たとい憎まれても何でも私は不公正なる公共
事業があるならこれを把羅剔抉して頂きたい、その
ために専門
委員をお願いしたつもりでございますが、私官房
長官のときに選考いたしましたかたがたがほかの方向に活動せられておるということは、私としては不本意に思
つております。併しながら皆様はこの
方面における最も高度の学識経験者でございますから、私は衆参両院における
建設常任
委員会のかたがたが国政
調査をどしどし展開して頂きまして、そうして不正、不適正なる土木
事業というものがないように、是非ともどうか強力な鞭撻、御協力を賜わらんことをひとえにお願い申上げる次第でございます。