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1951-05-25 第10回国会 参議院 決算委員会公団等の経理に関する小委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十五日(金曜日)    午前十時五十七分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件特別会計政府関係機関及び終戰処  理費経理に関する調査の件  (昭和二十三年度会計検査院決算検  査報告批難事項第三百九十七号足利  工業株式会社に対する二重煙突代金  支拂及びこれに関連する事項の件)  (右件に関し証人の証言あり)   ―――――――――――――
  2. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 只今から決算委員会公団等経理に関する小委員会を開会いたします。  一昨日に引続き証人の出席を求めて質疑を続行いたします。最初宣誓をお願いいたしますから、御起立を願います。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 瀧野 好曉
  3. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでは瀧野証人に対して順次御質問を願います。……委員のかたに申上げますが、質問の要項をお手許に差上げでありますから、順序上成るべくこの順序でお願いいたしたいと思います。特に順番を変えて御質問の場合には、その上にある番号を言つて頂きまして、それについてお願いいたします。
  4. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 尋問のやり方は、先ず委員長のほうから質問されまして、それから補充的に委員はやつたらいいと思いますが……。
  5. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そういうことに一つお願いしたいと思います。
  6. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではそういうことにいたします。  証人は、昭和二十三年の末までの概略の経歴をお話願います。
  7. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 大学を卒業いたしましてからの概略を申上げます。昭和八年に大学を出まして、内務省社会局に入りまして、内務省社会局から地方に出まして、最初福岡県の水産課長を拜命いたしまして、福岡県から宮崎県の農務課長宮崎県から再び中央に戻りまして厚生省に入つたのであります。厚生省に暫くおりまして、又再び地方に出まして、兵庫県の議事課長を拜命いたしました。兵庫県の議事課長から東京都の書記官になりまして教育局課長を勤めまして、それから香川県の警察部長に転任いたしまして、香川県の警察部長から昭和二十一年のたしか夏頃だと思います。八月頃だつたと思います。戰災復興院特別建設部総務課長を拜命いたしたのであります。それから特別建設部が局に昇格いたしまして、業務部長の心得も拝命いたしております。それから翌年の二十二年の九月に特別調達庁というものが創設されまして、そこの庶務部長になりまして、昭和二十二年の九月から庶務部長を勤めております。昭和二十三年までずつと庶務部長を勤めております。
  8. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人戰災復興院に入つたときには、大橋武夫君はその役所に勤めておつたのですか。
  9. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 大橋氏は私が警察部長から特別建設部総務課長に転任いたしましたときには、戰災復興院計画局長つたと思つております。
  10. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 戰災復興院の……、
  11. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 計画局長つたと思つております。
  12. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それから証人特調に入つて庶務部長になつたときには、大橋武夫君はどうしておりましたか。
  13. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) たしか戰災復興院次長に昇格されたものと思つております。当時の次長重田氏でありまして、重田氏が次長をおやめになつて特別調達庁総裁になられたそのあとを直ぐ襲つて大橋氏が戰災復興院次長を拜命されましたから、私が特別調達庁に九月の初めに移りましたときは、殆んど同時に次長になられたと思つております。私は重田次長のお伴をして特別調達庁行つたのでありますから、そういうふうに記憶しております。
  14. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人特別調達庁のほうはいつやめられましたか。
  15. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 翌二十四年の四月だつたと思つております。
  16. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 二十四年……。
  17. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 二十三年の翌年、二十四年の四月に只今のほうへ転任したのでございます。
  18. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋氏はいつやめられたのですか。
  19. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 役所が離れましたのではつきり記憶しませんが、昭和二十二年の暮にはおやめになつたと思つております。早かつたですから……。
  20. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 大分長い時間で、尋問事項が多いのですから、そのままでお願いしたらどうですか。
  21. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ではそのままでどうぞ。そうすると証人戰災復興院に入つてから、大橋氏が二十二年の暮に特調やめるまでは、ずつと大橋氏が証人上役でおつたわけですか。
  22. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは直接の上役としては、特別建設局長になられてから、特別建設局長から次長になるまでの間です。
  23. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) つまりずつと同じ役所に勤めたわけですね。
  24. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 特別調達庁へ私が参りましてから一応役所とは縁が切れております。特別調達庁へ私が参りますし、大橋氏は戰災復興院に残られたのですから、私が特別調達庁に移りました年の暮には大橋氏は退官されましたから、戰災復興院から私が特別調達庁に移りますまでは上司つたわけです。八月の末までは……。大橋氏が建設局長を拝命されてから私が二十三年の九月に特別調達庁に移るまでは上司つたわけでございます。
  25. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 足利工業から二重煙突特別調達庁に納入する契約を結んだのに対して、証人関係されたのですね。
  26. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは私が戰災復興院特別建設局総務課長でありましたときに、たしか契約を締結いたしておりますから、契約担当官として最初関係しておると思つております。
  27. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはいつ頃のことですか。
  28. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) このことがあつたものですから実は調べたのですが、それまでは全然、殆んどこの件自体も存じませんでしたが、昭和二十一年の暮頃だつたと思います。日附は正確に覚えておりませんけれども……。
  29. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その契約方法のことはどういうことだつたのですか。最初契約は……。
  30. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは契約担当官として契約書に私の名前も出て……、当時私が契約担当官で非常にたくさんの契約をいたしておりますので、一つ一つ覚えておりませんが、要するに二重煙突を八軍の調達要件に基いて発注され、それに基いて契約を交しておりますので、何フイートであつたか、金額が何ぼであつたか、正確に記憶いたしておりません。書類を見ればはつきりわかると思います。
  31. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) はつきりした記憶はないわけなんですね。
  32. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) ありません。
  33. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人は、昭和二十三年の十一月頃ですね、大橋氏から二重煙突代金を至急拂つてくれるようにという運動をされたことがありますか。頼まれたことがありますか。
  34. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは記憶にはあります。それを附加えますと大橋氏から、ちよつと本人お出でになつたのか、或いは電話であつたか、名刺の紹介であつたかは存じませんが、足利工業責任者を紹介されて代金支拂いについて促進方口添えしてくれるようにという依頼記憶いたしております。
  35. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋本人があなたに今つてそういう話があつたのですか。
  36. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それが記憶が明瞭でないのですが、要するに名刺であつたか、電話であつたか、本人が、実は私に会いに来られたか、今以て記憶が明瞭でござません。何しろ大勢のかたが出入りしている役所でございましてほかの要件でも二、三お見えになつたことがありますので、その機会であつたのか、名刺をつけて寄こされたのか、私の記憶は明瞭でないのです。
  37. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 併し大橋さんは、とにかくあなたのずつと前から関係のある役所上司でもあり、それから全然御記憶がないということはないでしよう。
  38. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その要件であつたのか、あの役所ができました事情も、いろいろ当時あの役所を作るために法律を作つたり、いろいろ戰災復興院当時、いろいろ苦労しまたから、その後のことについても、一、二度見えたことがあるのであります。私のみではありません。ほかの人にもお出でになつたことがあるのでありまして、そのとき、その話が出たのか、別の方法で私に頼まれたのか記憶ございません。
  39. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それじや役所やめられてから、たびたびお会いになつたことがあるのですか。
  40. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 役所で……。
  41. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 役所をおやめになつてから、大橋がたびたびあなたにお会いになつたことがあるのですか。
  42. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 役所で会つたことはそうたびたびではございせん。せいぜい一、二度、二、三度ですか……。
  43. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ほかでは……。
  44. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) ほかでもまあ普通あり得る程度交際でありますので、わざわざ、しばしば会うということはございません。
  45. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) お会いになつたことはあるのですね。
  46. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 役所外ですか。
  47. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 役所外でも。
  48. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは会つております。
  49. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ずつと交際を続けてておられたわけですね。
  50. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) まあ先輩後輩普通あり得る程度のおつき合いをいたしております。
  51. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この二重煙突の最終の五万フイートというものに対して、代金請求は何回ぐらい、たびたび請求を受けられたのですか。
  52. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私が職務上その特別調達庁に入りましてから関係がございませんので、私に支拂いをどうこうという催促やら、依頼は何もないのです。ただ一度、今申しましたような庶務部長という別の立場仕事をしておるものですから、口をついでくれという依頼が一度だけあつたのであります。私に支拂いを、書類をどうこうしてくれと言われましても、職責上不可能でございますので、そういうことはございません。
  53. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういう依頼大橋氏から受けられてどういうふうに拒否されましたか。
  54. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私も別にいい智惠はありませんので、普通ありきたりのことですが、これも経理局ですか、当時経理局局長加藤氏だつたか、或いは課長をしておる横田課長であつた記憶ありませんが、両者のいずれかであつたと思いますが、こういうことで、まあ年末でもありましたので、非常に金詰りの当時でありますし、一般的状況もありますし、普通のありきたりの事案だと存じまして……。
  55. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何をですか。
  56. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 今の足利支拂いの件です。頼まれたものですから、口添えをした、一度口添えをした記憶があります。経理局のほうへ……。
  57. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 経理局の誰にお話になりましたか。
  58. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 今申しましたように、加藤局長であつたか、横田課長であつたか、記憶が薄らいではつきりしませんけれども、とにかく両者のうちどちらかに話した記憶があります。
  59. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どういうふうな話をなさつた
  60. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それも内容は、私も全然知らないことなんですから、ただ支拂えるものなら、手続を早くしてやつてくれということの抽象的な一語に過ぎません。内容は全然存じません。
  61. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この二重煙突の件は、これは庶務のほうでは直接関係はない仕事ですか。或いはどういうことでこれに関係があるわけなんですか。
  62. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私に関係があることを申上げますと、勿論これはあとでこの事案が問題になつてからのこと先ですが、私がそもそもこの契約担当官であつたということ、それから特別調達庁事案が移りまして、昭和二十三年に及んで、二十三年の暮だつたと思いますが、今の支拂い促進方の依願を一度受けて、口添えをしたというこの二つの点だけであります。この事案についての私のタツチする面は、そのほかにこれは一切存じません。
  63. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この代金請求が、その後足利工業のほうから請求書が出たということは御存じないですか。
  64. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それも請求書が出ていたのか、出ていなかつたのか、それも当然支拂いを言われる以上は、正規の手続によつて、間違いのない書類で全部揃つての上の話だろうと存じておつたわけでありまして、請求書がその後出たのか、すでに出ていたのか、そういうことも存じません。その後出たという話も聞いておりません。
  65. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 初めにあなたは、大橋氏から頼まれたときには、そういう請求会社からして出ておつたか、おらかつたか、そこのところはどうなんですか。
  66. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 請求がなければ支拂い促進する筋合でもないと思うのでありまして、いろいろな書類が全部揃つて請求書も出ているということは、常識として私も出ているだろうということは想像していたに過ぎません。書類を一々私見る立場ではありませんが、そこにどういう書類があるのが、ただ一般的に、その手続促進口添えしたに過ぎません。
  67. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 請求書か出ておればですね、特にあなたに女拂いを早くしてくれという依頼をするまでもをなく、部長として支拂うべきものですね。特にそういうことはあなたに依頼されたのは、まだこの請求書も出ておらんときじやなかつたのですか。
  68. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 御承知のように特別調達庁機構は、横に繋がる機構であつたので、そこでどう引つかかつてつたのか存じませんですが、要するに一番最後には経理局で扱うことになつておりましたので、口をついだに過ぎないので、請求書が出ておりましても、当時はもうこれはここで冷靜に考えると、そうでないけれども、当時の情勢というものは、特別調達庁の年末というものは火事場騒ぎのようなもので、非常に大きなたくさんのことがありまして、大勢のかたが廊下でひしめき合つているような状態でありまして、こと金融に関する限り、業者のほうでは一日、二日早くしてもらうか、遅くしてもらうかが大問題であつた時期でありますので、そういう状況の下におきましても、請求書が出ておりましても、山積する書類の早い遅いは非常に影響があるのでありまして、その意味において早くしてやつてくれるように口添えをしたのであります。請求書があれば当然拂わるべきでありますけれども、事務上遅れることもあるし、早くすれば早くなることもあるので、その意味において促進方口添えしたのであります。
  69. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何かそれまでの点について委員のかたから御質問はありませんか。
  70. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 証人総務課長時代にこの契約をしたということですが、当時の業務部長はどなたですか。
  71. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 当時と申されますと、恐らく契約日附のある日だろうと思うのですが、昭和二十一年の十二月、その頃は業務部長塩原有氏だつたと思います。
  72. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 その頃は大橋氏は特建局長でありましたか。
  73. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) いいえ、大橋氏が局長に就任されましたのは、私の記憶によりますれば、年が明けまして昭和二十二年の春頃じやなかつたかと思います。二月か三月頃、それまでは次長重田氏が初代の特別建設局長事務取扱をなさつていたように記憶いたします。
  74. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 そうすると、大橋氏はこの契約担当局長ではなかつたわけですね、実際の担当官ではなかつたわけですね。
  75. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうであります。
  76. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その他には御質問はありませんか。
  77. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 足利工業との関係においては、証人はこの二重煙突事件発注をする以前にも、足利工業としては関係があつたようですが、そういうことについての事情は、証人御存じないのですか。
  78. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 昭和二十一年の十二月に契約が交わされる以前から、足利工業を私が存じておつたかというお話だと思いますが、全然さようなことはございませんので、足利工業というものを知つたのは、二十三年の暮に大橋氏が紹介して来られて、ああこういう会社があつてこういう事柄があつたのか、大橋氏と足利工業との関係昭和二十三年の暮に紹介して来られて初めて存じたような次第であります。
  79. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 併し、あなたは二十一年の暮れにその契約を締結した当時には、二重煙突事件契約をしたときにすでに関係があつたのじやないのですか。
  80. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 会社とは私の名義で契約いたしておりますが、……。
  81. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 その間何の関心も持た上れなかつたのですか。
  82. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 関心範囲ではなくて、凡百の会社と同じように、いちいち記憶にとどまるようなものではありません。
  83. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 二重煙突発注をする前には、あなたとしては足利工業のことは全然知らなかつたのですか。
  84. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) まさにその通りであります。
  85. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 二十三年の、大橋氏から代金支拂についての依頼を受けるまでというものは、あなたの念頭には足利工業というものは全然なかつたわけですね。
  86. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) さようでございます。全然念頭にないことなのであります。
  87. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そのときには、二重煙突の注文があつたときには、誰が一番このことについて直接足利工業との関係を持たれておりましたか。
  88. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) この契約手続のコースも大体御存じだと思いますから余計なことは申しませんが、戰災復興院書類その他が終りましてからの手続上の扱い方は下僚がいたしておりますので、その辺から書類が廻つて参りまして、最後に私が決裁するのでありますが、非常にたくさんの書類でありまして当時事務官が四、五名おりましたが、それ以下に又係がおりますのでどの人間がどう扱つてどういう交渉をしたか、私全然存じません。記憶に残つておりません。併し書類を見れば責任者の印を捺しているから、それによつて記憶を迫るしかないと思つております。
  89. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 この足利工業関係する二重煙突事件というものがすでに問題になつておりますことによつて、その後この問題に対して遡つて御研究になつて、新らしくあなたが知識を得たことはありませんか。過去を辿つてあなたの知つた範囲において事情をご存じだつたら聞かせて頂きたい。
  90. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) お答えいたしたいのでありますけれど、特別に記憶を辿つて書類等もひつくり返して見たこともございませんのでありますが、ただ当時私の名前つている契約書の写を或る機会に見たことがあるのであります。そのくらいのもので、特別にそれを辿つて見りたことはございません。
  91. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 あなたは、二重煙突の問題に関して議会で取上げられて問題になつているときは、あなたはどこにおいででしたか。
  92. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 問題になつたとおつしやいますと……。
  93. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 この二重煙突の問題が議会で問題になつたときは、あなたはどこにおいでになつたか。
  94. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それが問題になつたのは、たしか二十四年の二月か三月頃ではないかと思つておりますが、その当時の特別調達庁庶務部長におりました。
  95. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そこで在職中にあなたが特別調達庁という下取も関係の深い一番当面の責任者でもあつたのですから、当時やはり庁内においては、その問題について特調としても顧みて調査をされるべきで、あなたは庶務部長におられるというならば、庁内において重要な地位にあるのだから、従つてつてその当時の事情は誰が一番知つておるか、或いは足利工業というものは、どういうことからその発注をするようになつたのかというようなことは、当然あなたがたの庁内の幹部級においてはそれを調査すべきことだと思う。
  96. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その翌年の二月か三月かに問題があつたというふうに記憶しておるのでありますが、契約者ではありますけれども、相当の年月も経つておりますし、それから特別調達庁に移りましてからの事後の経緯というものが相当あると思うのでありますが、その納入、その他の価格の変更等もあるように思うのでありますが、そういうことにノー・タツチでありますし、職務上私の関する限りでありませんので、又上司から、上司と申しますと、総裁総裁その他でありますが、特別な命令も注意もありませなんだし、私はその事後工作と申しますか、その善後措置につきましての相談は特にあずかつておりません。その職責におらん者が特にこれに介入してとやかく言う立場でもありませんので、特別に介入いたさなかつたのであります。
  97. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 あなたは併しそういうことを言われるけれども、普通やはり我々の常識から考えるならば、やはり同じ庁内におつて、あなたがたは高級の地位にあるのだから、殊にあなたは全然無関係ではなくて、その後若干ながらもこの問題には触れている。従つて当時の、過去を過つて、これは一体誰がやつてつたのだろう、或いは足利工業というものはどういう歴史を持つものであるかというくらいは、当然これは研究していなければならんと思うのですが、それがあなたの責任とかどうとかいうふうな問題ではないのです。我々は事の実相をつかみたいという趣旨において、あなたのおいで願つたのであります。ただ責任逃れの答えをせんで、やはり国家の大きいところの気持を以て事実を解明して頂くことに協力して頂きたい、その趣旨からあなたに伺つておるのです。当然これは問題になつておる限りにおいては、あなたは、その当時高級の地位にあつたのだから、無論遡つて一体足利工業とどういう関係でこういうことになつたのだろうかということを、当然御存じなければならんと思うのでありますが、ただ通り一遍のことだけでなく、裃を取外して、一つ事実相をこの際あなたから明らかにして頂きたい、こういうことであります。
  98. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 実相を、本当に私の気持としては、これは遺憾な事件でありますので、知つている限りは申上げたいと思うのでありますけれども、実際問題といたしまして、当時このことが問題になつた当時、それを耳にいたしておりますが……。
  99. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 その耳にしたことを聞きたいのです。あなたの責任を今どうというのではない。
  100. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは耳にいたしたことは、これは問題になつておるということを耳にしたのでありますが、先ほどから申しますように、この事実につきまして、私がそれ以上の介入をしなかつたということを申上げる以外にはないのであります。
  101. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうすると、私のこれまで委員会の調べによつて承知しておるところによると、二重煙突発注をする前に、やはり一重煙突発注もして、足利工業が納めておつた。而もそれを納めるに至つた経過というものは、特殊の人よりの依頼に基いて関係を持つに至つて、無から殆んど有の状態において事業を継続しておるようなふうな、最初極めて貧弱なものから出発したように聞いておりますが、あなたもそういうふうに聞いておられますか。
  102. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 全く存じませんのであります。
  103. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうですか。今日まで知らない、今日に至つても……。
  104. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 今日も今初めて……一重煙突というのは初めてなんです。
  105. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 二重煙突というものを決裁する時分には、やはりあなたがた発注によつてする前に決定をするときには、やはり相手方の大体閲歴、能力等はやはり決裁する責任において一応知るのじやないですか。そんな雲をつかむような話はない。
  106. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 余計なことになるかと思いますが、今お話せよというお話でありますので、若干附加えますと、契約担当宮である私の決裁も勿論でありますが、そこに至るまでは非常な経過を辿つて参るのでありまして、御承知かと思いますが、当時殆んど物資が統制でございますし、商工省におきまして、生産する資材割当もいたしますし、生産指示もいたしますので、先ずLDならLDというものが経連から商工省、それから戰災復興院に廻るのでありまして、商工省のほうで業者を選定し、然るべく生産指示をいたしまして、資材割当等もいたしまして、戰災復興院に廻す、戰災復興院がそれに応じで所要の手続をして契約を結ぶということになりますので、業者の選定につきましては、戰災復興院はとやかく言う立場ではないのでありまして、私の課のみならず、他の課におきましてもさようであります。私の勤めておりました総務課では、むしろそれよりも予算の振当て、それから予算とのつき合せ、或いは数量等の間違いのないか、あるかというような書類上の細かなことをいたしまして、価格の点、そういうものを吟味いたしまして、書類を作つて上司の決裁を得させる。業者の閲歴或いはその能力というふうな点、過去の実績等につきましての下調べは、特に戰災復興院におきましてはやらなかつたのであります。
  107. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 それはあなたが多数事務があられることもよく知つています。それから又あなたの手許に来るまでの間に幾多の手続を経て来るということも承知しております。それを一々記憶しておることは勿論容易ならんこともよく知つておりますが、併しすでに本件が問題になつてつて、あなたが契約当時の担当官であつたならば、当然のこととして、一体これはどういう経歴のものであつたかということを今日只今に至るまで、この足利工業というものを知らんなんということは、無責任だと思います。当然あなたとしては、その当時に調べられているはずである。であるからもう少し誠実な、我々の了解する、あなたの言々句句そのまま、もう少し我々が信用できるようなふうに、あなたとしては答弁しなければならんと思います。だから責任逃れの答弁でなくて、本当のことを一つ言つて頂きたい。それはなぜかというと、多数ある中でありましても、すでに問題になつておる限りにおいては、あなたが全然無関係立場でありませんで、契約担当官であつたとするならば、過去を遡つて一体これはどんなものであろうかということについては、当然あなたは調べて、それを知つておられるはずだと思います。さればこそ、二度も三度もここに来てもらわなければならん結果になる。もう少し本当に打ちとけて、やはり国家のために答弁してもらわなければならん。何もここで二重煙突の別には一切註文をしておらないということを言うのはおかしい。これは当然あなたは、そういうことを後に至つてもあなたは調べて、足利工業がどんなものであるかということをあなたは知らないはずはない。そういう責任逃れや、そんなことでなく、本当のことを伺えばいいのです。お調べになつてから後に、一体どういうふうなことであつたのだということを一つここで聞かして、我々に納得の行くように一つ協力してもらわなければならないと思います。
  108. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 調べなかつたのは、私の手落ちかとも存じますけれども、特別に昭和二十一年の契約以前の足利工業の正体なるものを、特に大分以前のことでありまするし、調べなければならんという切実の事情に立至りませなんだので、又職責上おのずから調べる必要のある人もありましようし、私その後間もなく役所を転じました関係もありますし、現在の職務も相当の事務を持つておりまするので、そこまで遡つて私個人としてそれを調べることはいたさなかつたのであります。
  109. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 あなたに大橋氏が代金請求促進方依頼されたというので、そこであなたはその依願に基いて、経理局のほうに取次いだのですが、大橋氏と一体足利工業というのはどういうふうな関係にあつたのですか。
  110. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 先ほど申しましたように、大橋氏と足利工業関係というものは、まあ私があのとき一年きりですか、先ほど申しましたようなことで口添え方を依頼されたときの記憶によりますと、大橋氏はあとから聞いたのですが、顧問をされておつたのだそうですが、顧問に就任されておつたかどうかということも私当時の記憶といたしましては明瞭でありません。ただその会社大橋氏が好意を以て世話しておるという立場であつたろうと、当時大橋氏は勿論浪人でありまするし、そういう口のきける立場でもあつたのでありまして、特に疑わなかつたのであります。その後これがだんだん進展して参りまして、大橋氏はまさにそのとき顧問をしておられたという話を聞きましてああそうだつたのかというふうに過ぎませんので、普通あり来たりの、会社に好意を寄せていろいろ世話なさるという立場であつたろうと推測したに過ぎません。
  111. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 足利工業大橋氏の経営にかかるものでないことはすでにあなた御承知ですね。
  112. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 勿論存じております。
  113. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうすると足利工業の政府より支拂いを受けるべき金の請求大橋氏が来るならば、大橋氏が一体何故にそういうふうな、ことに請求しなければならない立場ということをあなたに言うて、そしてあなたがそれを了承していなければ、あなたが動くはずかないと思います。それは通り一遍の路傍の人がよその節介をするということはないのでありますから、従つて人の依頼を受けて請求する場合に、あなたがそれを受諾するについては、受諾されるだけの理由がなければ、あなたがそう軽々しく動くはずがない。それを一体行くときに大橋氏と足利工業との関係というものをあなたが聞いておるはずだ。それを聞かずしてただ大橋氏が言つて来たから、自由の立場にあるから、依頼に基いてすぐ経理局のほうに拂うものは拂えということを言つたというが、非常にそれは余りあなたの行動としては、あなたの立場としては余りにもあつさり片付き過ぎておるのじやありませんか。
  114. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 今おつしやつたのは、大橋氏が支拂いの催促に来たとおつしやいましたが、そうでなくて足利工業というものを紹介されたのであります。私に……。
  115. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 なぜ御紹介するのですか。
  116. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それはまあ、その関係まで深く立入つては聞きませんが、要するに世話をしておるという立場であつたと、そういうふうに理解して私の今の行動をとつたわけであります。行動といつてもそれは……。
  117. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 いやちよつと待つて下さい。あなたがその二重煙突契約担当官であつたと同時に、大橋氏はそのときには正史に又やはり同じ町内におつた……。
  118. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 町内は同じです。
  119. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 あなたの担当官が同じ町内におつて、あなたより上級の地位にある人がそのいわゆる発注にかかわる品物の代金請求するには、それはあなたがどういうわけだということを聞かずして、あなたが軽々しく動くはずがない。だから当然大橋氏があなたに依頼されたならば、大橋氏と足利工業との比重はあなたは当然考えてこれは動くべきか、動くべからざるかというくらいのことは、あなたとしては判断しなければならない。そんなことを判断せずしてただ無用に動く気づかいはないと私は思う。だからそのときに大橋氏と足利工業との関係については一応あなたは聞かなければならんし、考えなければならん。そこであなたが納得して、成るほどそれなら一つ大橋氏のために、切角あなたが請求して来るならばこれは一つ請求趣旨に副うてやろうというような気持をあなたが持つて行くというのが通常の常識じやありませんか
  120. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その契約担当官であつた当時と、二年後に大橋氏が紹介して来られた当時と間隔が二年もありますし、それだからこうだということは絶対にございませんし、又私は当時そのものについて特別なる関心を拂つてつたわけじやありません。又当時の状況を申しますと、何も大橋氏だけが紹介して来たのではなくして、何しろ特別調達庁支拂いの遅延という問題は、社会問題まで、新聞まで載つて大騒ぎした当時でありますし、たくさんの先輩や友人や知己がいろいろ間接に頼みに来られて、一日も早く手続をしてやつてくれるようにという依頼は、明らかに大橋さんのみならずたくさんの先輩や、私記憶に一々とどめておりませんけれども、相当あつたように記憶しております。それを一々書類を持つて来てこうこういう内容だからどういうことを私が聞くだけの余裕もございませんし、たくさん私固有の事務も持つておりまるし、いろいろな会議等もございまするし、そんな暇はございません。
  121. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そんな通り一遍のことは聞いていない。
  122. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) いや状況をちよつと附加えさしてもらいますが、そういう時期でありますので、勿論紹介をされたかたが一々書類を持つて来て、ただ別の手続によつて請求支拂いが可能なものならば、早くやつてくれということを抽象的に依頼したに過ぎません。
  123. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうしますと一体戰災復興院なんというところは、曾つて自分の在任中に扱つたそうした発注、その他の取引について、退官後にあなたがたがそれに関連することにおいて動いていることが、これが常識なんですが、むしろあなたとしては、当然自分の、やはり曾つて在職中にあつてそういうふうなところと発注関係を結んでおるものであるのならば、それに対して関與すること自体について一応官吏というものに対する考えを持たなければならん。どういう関係で以て大橋氏は一体こういうことを言うのかというようなことは、これは当然あなたとしては一応判断しなければならない。それをただその通りに官吏はやめてから後よく来るのだから、それによつて拂うべきものは拂うべきだ、拂うべきものは拂うのにきまつておりますよ。あなたに特に依頼するゆえんのものは、あなたに頼めば、依頼趣旨は相当に聞いてもらえるという理由を述べていなければならんと思うのです。だからそこにおいてあなたがただ單にそんな通り一遍に聞かずに、大体大橋氏のその当時の動いた理由はどこにあるかということをあなたが知らないということは理解しがたい、どうですか。
  124. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは事後の想像であろうと思うのです。私もこれはそういう事情を当時推測する余地もなく、先ほど繰返しましたようなことをやつたに過ぎないのでありまして、事後においてそうだつたら、それはそういうこともしておつただろうとおつしやいますことも、一応ありましようけれども、特別にその書類を、特別な問題を取上げて、どうこうという当時の状況ならば、それは又そういうようなこともいたしましようけれども、それほどの傷のある、欠陷のある事件というふうなことも、もとより想像すべくもありませんし、特別に大橋氏が事情を話されたこともありません。ただこれこれという人物だから、引つかかつておるようだからということだつたに過ぎないのであります。
  125. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 先ほど証人は鬼丸委員質問に対して、今日までこの事件については何にも知らなかつたということを言いましたね。
  126. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) この事件ですか。
  127. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この事件について。
  128. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) この事件につきましては、先ほど申しましたように、それは若しそういうふうにお聞取りだつたら訂正いたしますけれども、翌二十四年のあれは……、話に出たのは二月頃か、三月頃かと記憶しておりますが、その当時のその問題があつたということは承知いたしております。それで若し……。
  129. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) じや今日まで知らなかつたわけじやないんでしよう。
  130. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) ええ、今日までこの問題があつたということを知らなかつたというわけではないのです。その点が若しお聞き間違いだつたら訂正いたします。
  131. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それからもう一つ聞きますが、大橋氏から昭和二十三年の十一月頃こういう依頼を受けて、加藤であつたか、横田であつたかに早くしてくれというふうに頼んだ、それ以外の何もしておらんと言いましたが、それは間違いないですか。
  132. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) この件についてですね、特別私は積極的な行動はとつておりません。
  133. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 間違いないですね。
  134. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) はい。
  135. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ここは知つておることを知らんと言つたり、それからわかつておることを、事実のあることを黙つてつたりそういうことをすると、ただでは済まんと思います。先ほどから証人の御答弁は非常に誠意がないと思う、それで若しこういう事実があつたにもかかわらず、そういうことはないとか、知らんとかいうことが明らかになつて来るとそのままでは済みませんが、今私がお聞きすることは、大橋からそういう依頼を受けたとぎ横田か、加藤つたかに早くしてくれと言つた以外に何もしておらんこう言われますが、それは間違いありませんか。
  136. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 積極的な行動をとつておりません。それだけだつたと思つております。
  137. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それは間違いないですか。
  138. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) はい。
  139. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それから聞きますが、昭和二十三年の暮も差し迫つた十二月の二十八日頃、証人はL・D三五が一遍キヤンセルされて改めて発注しなければならんときに、その手続ができておうんというので、横田課長と一緒に技術局長のところに行つて早くその発注手続をしてくれというふうに頼んだことがあるでしよう。
  140. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それはこういう事実なんです……。
  141. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういうことはありますか。
  142. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 頼んだ覚えはありませんが、事情は聞いたことがあります。
  143. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういうことがあるかないかということを一応お尋ねしておるのです。
  144. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 特別の依頼をしたのではありません。そのときに……事情を聞いたことはあります。技術局長の部屋で、而も会議をしておつたときに、ほかの用があつて、私が局長のところに参りましたときに、丁度経理局からも来ておりまして、技術局で多数の人間が集つて会議をしておつて、私も用事があつて、たしか私の担当しております人事関係のことで局長に会うために、局長の部屋に行つたら、そこで会合しておつて、そのときには私は何ら会議に特別な口も挾めませんし、而も私は途中で帰つております。
  145. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そのときは何か、あなた言つたじやないですか。
  146. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 特別な口は挾んでおりません。
  147. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 横田課長と連れだつて技術局長のところに行つたでしよう。
  148. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それはたしか、その打合せに行くからということで私も丁度廊下か何かで会つた。はつきりは覚えておりませんけれども……。
  149. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういう事実があつたじやないかということを聞いておるのです。事実があつたことをないと言つたら問題なんです。
  150. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) だから先ほど申しましたように積極的な行動はとつておりません。
  151. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 積極的な行動ということよりも……、積極的か、積極的でないかということは、あなたが解釈されることなんで、こつちのお尋ねしておることは、横田と一緒に技術局長のところに行つて、そのことについて話をしたことがあるかないかということなんです。
  152. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 話をしたことはあります。
  153. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) あなたの解釈を聞いたのではないのです。事実があつたかどうかということを聞いております。
  154. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 事実話したことはあります。
  155. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) あるでしよう。
  156. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) はい。
  157. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 積極的のことを何もしておらん、大橋からそういう依頼があつて横田だつたか、加藤つたかにそういうことを早くしてくれと言つた以外に何もしておうんと言われておる。ところがこういう事実が現にあるではないですか。そういうことをこの委員会に来て白々しく言つておられるということは、これは問題になるのじやないですか。どう思いますか。
  158. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それに関與しておられるとおつしやいますが、私はそう解釈しておらんのです。そう関與しておるというならば訂正いたします。打合せたということが関與ということであれば、そのことは訂正いたします。
  159. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 事実があるかないか、そういうことを依頼を受けて、それについて盡力した事実があるかないかということを聞いておるのです。
  160. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 技術局における話につきましては、特別の盡力はいたしておりません。
  161. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) こういう事実があるじやありませんか。
  162. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) これはたまたま、先ほども古いましたように、ほかの用件で行きましたとき、丁度横田君と一緒になつたので、どうしたのだと言つて、あの話で今から打合せに行くのだ、そういう事情を聞いたに過ぎません。とにかく私がそこに入つて特別に依頼をしたというようなことはいたしておりません。
  163. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その点はそれまでにして置きます。
  164. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 やはり公開の場所で、あなたの答えは大下が監視しておるところであります。で私が実際に先ほど申上げました通りただ我々無理なことを申上げて、あなたにどうというのではないのです。あなたの申すことが如何にも非常に責任逃れのようにとれることは、非常にあなたの証言自体に対する信憑力にも関係があります。だから一つそんなことを意識なさらないで、極めてあなたの記憶に基いて、そうしてそれもそうだというふうな態度でお答頂かなかつたならば、問題の上に又問題を生じて来ることになる。責任逃れなことを言われないで、本当にざつくばらんに事実を一つ我々に教えてもらいたい。こういうことで一つ進行願いたいと思います。  そこで伺いますが、あなたに大橋氏が代金支拂促進依頼したときに、大橋氏は当然足利工業大橋氏から依頼を受けて請求するに至る一つの経過というものを一応言わなければならないと思う。さもなくばあなたがそう軽軽と言つて来たから、言つてつたのだというようなものではなかろうと思うのですが、それはどうですか。
  165. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その点はあなたが、本当のことを、事実があつたら、ざつくばらんに言つて頂かないと徒らに時間がかかつて、そうしてあなたも御迷惑だと思います。だからしてすなおに御質問御存じのことは答弁して頂きたいと思います。
  166. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 委員長のおつしやるようにすなおに申上げますが、知らないことは言えないものですから、非常にお聞きのほうでは、ぶつきらぼうに聞こえるかも知れませんが、大橋氏から紹介してもらつて支拂促進方について口添えしてくれという依頼を受けたときに、大橋氏がどの程度足利工業関係があつたか、特別に私の記憶に残つておりません。又存じません。ただつておる会社で好意を持つて世話しておる会社であるということは、当然の了解として承知しておりますが、それ以上のとやかくの関係は、誠意を以てこまごまとお答えしたいのでありますが、存じないのであります。
  167. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 こういうことはあなたはその当時の公務員として、或いは官吏としてお考えにならなかつたのですか。自分の在職中に関與した会社のために、退官後その扱つた問題を解決することの斡旋に何かどういうことかは別として関與することは、あなたがたではこれはどうもおかしいじやないか……、在職中に自分が扱つておる事案に対して退職後関與して、そういうことを言つて来るのは、おかしいじやないかというようなことが、あなたがたの考えに至るような程度の嚴格さはないのですか、そんなことは通り一遍の当り前なことだと思うのですか。
  168. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 今お尋ねの点は、大橋氏が在職中責任者として取扱つてつたことについて聞かれるのですか。
  169. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 いやその責任者じやなくて……。
  170. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 大橋氏は先ほど申しますように、契約当時は何ら責任者じやなかつたということを先ほど申上げましたが、私の立場でございますか。
  171. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 いや、大橋氏は当面の担当責任者じやないといたしましても、大橋氏は相当の地位にある人である。その人が退職後においてその庁と会社との間においての問題に関與しておる。そうしてその会社のために盡力してやるというようなことは、官吏としては愼まなければならないことだと我々はそう思いますが、そんなことは当り前のことであつて、そういう縁故でいずれ大橋氏が動くに至るであろう。こういうようなことをあなたがた常識では考えるのですか。
  172. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと証人に聞きますが、大橋氏は、その契約の当時には役所責任者じやなかつたのですか。
  173. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 計画局長であつたのです。特別建設局長ではなかつたように記憶いたします。
  174. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 建設局長ですよ、昭和二十一年の十一月十三日に建設局長になつております。
  175. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは履歴をお調べ願えれば……契約の日付と間違つてはいけませんから、大橋氏の経歴書と契約の日付を照合されればはつきりすると思いますが、私丁度持つておりませんので、私の記憶では……。
  176. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 建設局長らしいですよ。
  177. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうですが、それは私の記憶違いで……、そんなはずはないと思つておりますが……、それはどういう前提でお話し……。
  178. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 私は国会でたしか証言されたことだと思います。  仮に建設局長でないにしましても、その次は次長になるのです。これは建設局長よりもう一つ上の地位です。どちらにしたところで、在職中に扱つた発注の問題に対するそれは事件には違いないのですよ。そのことに一体退職後に関與して、残られておるあなたの下に、下僚の人に依頼される場合には、恐らく一応その関係くらいは、あなたが聞かなければならんと思うのですがね。のみならずあなたの無関心でおるわけがないと思うのです。そんなことは幾らこの頃官吏が腐つておるといつても、幾ら何といつてもそんな腐り方はないと思うのです。
  179. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それはですね、できないことをしろというような依頼ならば、勿論これは誰が頼んで来たつて問題にすべきではありますまい。ただできることを少し早めてやつてくれというふうに私も理解しておりますので、又当時まさにそれであつたのであります。これは普通特に大橋氏でなくても、或いは知合とか友人とかいうものが来れば、一応の口添えはしてやる私の性質だつたものですから、特別にこの点について口添えすることによつて特別の疑惑とか特別な惡いことをしたというふうには思つておりません。
  180. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 なしてならないことをやつてくれと言われて、あなたがそれを覚悟してやつたならば、あなたそれは犯罪ですよ。冗談言つちやいけない、そんな馬鹿なことを……できることの範囲において誰しも行動するにきまつています。不正なことを一緒に仲間になつてつてくれ、そういう不正な泥棒仲間になつてくれというようなことを言つて来るわけはない。どんなことを仮に依頼するにいたしましても、やはり職務に関するあなたに対する依頼なんです。その時分に曾つて在職中に自分の担当した問題に関與して、後に今度はその発注者の相手方のほうのために動くについては、やはりあなたがた官吏の執務系統の上からいつたならば、それにはどういう事情があるかくらいのことは、あなたは当然聞かなければならんと思うのです。そういうようななして惡いことをすれば、それは深い関心を持つのが当然です。なしていいことをするに何の憚かることもないといわれるが、それは当り前のことです。例えば怠つたものを催促してそうして促進してやることも職務行為です。それは現に足利や何かの問題はそれじやありませんか。堂々と天下の職務だとしてやつて、嫌疑をこうむつて刑事訴追になつておるのです。だからそういうつまらんことにかまわなくてもいいでしよう。だからざつくばらんに本当のことを言つたらどうです。もう少し一般人が首肯のできるような……。
  181. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私は先ほど申上げました以外のことは、特別に申上げる記憶もなければ、何ら持つておりませんので申上げることはできないのです。
  182. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうすると、会社大橋氏との関係を知るに至つたのはいつですか。
  183. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それを知つたのは、勿論私が只今の国家消防庁に転任いたしてからでございます。ずつと後のことであります。
  184. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 どういうことをどういう程度知つたのですか。
  185. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 当時顧問をしておられたということを或る人から聞いたのであります。
  186. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうするというと、当時顧問をしておつたものだから、やはり顧問の立場からあなたに促進依頼されたのだということを後になつてあなたはうなずいた、こういうことですね。
  187. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そういうことです。
  188. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 初めあなたは契約担当官であつたというのですが、この契約をするときに、代金の中に物品税が織込まれておるわけなんですが、ところがその後物品税というものは拂つておらない。つやり不当にそれだけのものは足利工業において取つたことになるのですが、その物品税を、契約担当官として契約されるときにお調べにならなかつたのですか。
  189. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) まあ私契約担当官として契約した当時は、勿論物品税を加味して拂つて、普通のものなら物品税を拂うであろうと思うのでありまして、特別にその点について関心を持ち、或いは取調等のことはございませんでした。
  190. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) だが契約をされる場合に、今税金というものはなかなか金額としは莫大なものになるわけなんで、殊にこういう契約金額の多い場合には、税金を拂うといえば非常に多額になりますから、当然契約担当官としては、一応これは物品税を拂うものであるかどうかということは当つて御覽になつたと思うのですが、その点はどうだつたのですか。
  191. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 特別に当つておりません。
  192. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはどういうわけですか。契約をされる場合に、その責任者としてそういうことは当然されなければならん官吏として義務があると思いますが、それをしておられなかつたというのはどういうわけなんですか。
  193. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 特別な記憶はありませんが、そういう特別な措置はいたしておりません。
  194. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ですから、そうすると請求して来るだけの金額をすぐそのまま政府も調査をせずにずつと契約をされておつたのですか。
  195. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私が戰災復興院総務課長であつたときに契約をして、私は総務課長のときに支拂つたことがあるかないか、私も書類を調べなければわかりませんけれども、恐らく支拂関係が問題になつて、拂つたのは、戰災復興院から事務特別調達庁に二十二年の九月に移りまして以後のことだろうと思うのです。事務を移管いたしましたときは、事務移管の手続をちやんといたしておりますので、その後責任者は変つておりますので、いつの支拂のことをおつしやるのかおつしやつて頂ければ……。
  196. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 一番初めに契約をされたときを言つておるのです。昭和二十一年の十二月九日ですね。その当時あなたは契約担当官としておられたわけですね。
  197. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) おりました。
  198. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ところがその契約の一番重要な代金について、向うが契約代金として言つて来ておるものについて税金の点はどうであるか、或いは原価の点はどうであるというような一応の調査をされずに、ただ向うの言つて来たままそれをそうやられたわけですか。
  199. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 契約内容でございますか。
  200. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 金額です。
  201. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) これは係の者が単価なら単価を調べ、予算とのつき合せその他をやりまして書類を作成して参りますので、大体の内容はざつと見ますけれども、物品税についてのどうこうということは私に特別に当時の記憶としてありません。
  202. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはどうなんですか。契約担当官としてそういうことは手落ちではなかつたのですか。どう思われますか。
  203. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 書類を見まして、手続上そういう点に遺憾の点が若しありますれば、契約担当官である私の責任であります。ただ内容につきまして今つまびらかにいたしておりませんので、若しそういう点で重大な欠陷があれば、書類上の欠陷があれば勿論担当官としての責任であります。
  204. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ぞれからLD三五で契約になつてつたものが一遍キヤンセルされて、更にLD七八の追加ということで改めて契約されておりますね。そのことについてはあなたは御存じなんでしよう。
  205. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 存じません。
  206. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 全然知らないのですか。
  207. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 知りません。
  208. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 先ほど言うように、技術局長のところへ横田課長と一緒に行かれて、そうしてその話をされたんでしよう。
  209. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) キヤンセルされたという話はあのとき出たように記憶しておりますが、それをどう処理するかという話であつたと思うのであります。そのとき、私が立会つたときその話をちらつと聞いたのでありますが、そういう問題であつたという程度でありまして、特別に原価はどうなつたというようなことに私は関心を特に持つておりませんでしたから……。
  210. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それがどういうふうな手続で更に発注されることになつたかというようなことは御存じないわけですが。
  211. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) よく存じません。
  212. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) あとで聞かれましたか。
  213. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) あとで聞きました。
  214. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どういうふうなことをお聞きになりました。
  215. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それはキヤンセルされたものを、これは私の職務でありませんので、こういうことが起つたあとで聞いたのですが、キヤンセルされたものをそのままにしておつたというので、もとより会社側でも作つてつた。それについて納入されたのに代金を拂う筋があるかどうかというような問題であつたようにあとで聞いたわけです。それについて枠外発注というような処置をとられたとかいう話を聞いております程度であります。
  216. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その程度なんですか。
  217. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうです。それがどういう話合でそうなつたかというようなことについては聞き及んでおりません。
  218. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 初めに大橋からして代金支拂促進のことを依頼されましたね。
  219. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうです。
  220. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうして横田或いは加藤にその話をされたときに、この一遍キヤンセルになつておるからして、その手続をしなければ代金を拂うことができないのだというようなことを横田若しくは加藤から聞かれませんでしたか。
  221. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 特別に聞いておりません。
  222. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それについては何もそれでは御存じなかつたわけですね。
  223. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうです、そうです。
  224. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それから代金が、マル公が上つたということについて、更に契約代金を増額するという話について何か聞かれませんでしたか。
  225. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その点も聞いておりません。キヤンセルの話は当時何かちらつと聞いたのですが、価格の改訂ということは聞いておりません。
  226. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 価格の改訂については……。そういう問題について庁内で首悩者が会合をしたときに、あなたは出炭席しておられませんか。相談をしたり。
  227. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 参加いたしておりません。
  228. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 契約をした庶務部長というものは、そういうところへ立会わないものですか。
  229. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 立合わない……まあその契約が私の名で契約されたかどうかということが、私察しまするのに、問題ではなくて、その事後契約そのものがいい悪いということが問題ならば、私は当然当時参加しなければいけなかつたと思いますが、生産になり納入になり価格になりキヤンセルになるということは事後つたことであると思うので、その契約がそもそもあつたから事後の問題が起つたのでありましようけれども、事後の問題について私が関與者でないものですから、尤も私あの世帯を持つておりまして、当時非常に多忙であつた関係もありまして、首悩部の会合には一回も出ておりません。
  230. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) もう一遍、先ほどの一番初めの契約当時の模様をお聞きしたいと思いますが、そのときには足利工業では誰が来たのです。昭和二十一年の十二月九日の本件契約の当時ですね。
  231. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 誰が来た、かれが来たと申しましても、私は会社の者に会つた記憶もありませんし、この会社契約したことも後から思い出して書類があるから契約したのだなという記憶が残つておるだけでありまして、勿論当時誰とも会つた記憶がありませんし、会つておらんと思つております。
  232. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 併しあなたはその当時総務課長として契約決裁書類契約書に捺印をしておるのですがね。すつかり忘れてしまつたのですか。
  233. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは一々の契約の相手方を思い出せとおつしやつても、それは到底一日に恐らく何十件、年の暮なんか何百件という書類を扱うのでありまして、係の者の所へは来たかどうか存じませんけれども、恐らく係のところへも会社は来ておらんのじやないかと思います。むしろ業者を誰を選ぶかという問題ならば、当時の商工省の而も原局あたりへ交渉に行かれをなければきまらんのですから。
  234. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはたくさんの契約があつたでしようが、あの会社は初めからして証人としては多少の関係がないことはない会社である。なおその後これだけの事件になつておるわけなんですから、当時に遡つて記憶を喚び起されるということができると思うのですが、その当時のことはわかりませんか。
  235. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) ありません。全然記憶もありませんし、又事実もないと確信しております。
  236. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 足利工業の田中平吉というのは御存じですか。
  237. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 昭和二十三年ですか、先ほどの大橋からの依頼があつたというときに、田中社長も私顔も覚えておりませんが、田中社長というのと、高橋というのですが、あの専務という若い人が、一緒に来たか、別に来たか、田中社長には一度会つた記憶があります。そのとき紹介によつてですね。
  238. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 初てですか。
  239. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 初てです、そのとき。初めも後もそれきり一回きり会つたので、その後一度も会いませんから、どういう顔をしておられたか、もう記憶に残つておりません。
  240. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 高橋は……。
  241. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 高橋という専務はあのとき来て会つて、その件ではそれで一度会つて、その後は特別調達庁へその件でちよこちよこ来ておつたようでありますので、廊下あたりで会つたように思つております。
  242. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 高橋にはしばしば会つた……。
  243. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その件では併し一度きりです。その件で私には一度も来ません。
  244. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋依頼を受けたときに、田中は来たのですか。
  245. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 一度会つたように思います。それは口添えでですね。紹介で私の所へ来て、挨拶をして直ぐ帰つたように記憶しております。
  246. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そこまで覚えておられるのだつたら、その際大橋が来たかどうか御存じでしよう。先ほどはその点は忘れてしまつたということだつたのですか。(「電話で会つた」と呼ぶ者あり)電話で会つたか、名刺で……。
  247. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 名刺で会つたか、本人が来られたか、その点があいまいなのです。とにかく依頼を受けたことは事実であります。というのは、大橋氏に会つたのは、特別調達庁ができてからそうたびたびではありませんけれども、数回会つておりますので、ほかの用件でも、それでそのことで来られたかということがまぎらわしくなつて、その件で会つたかどうかということは明瞭でないのであります。
  248. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) もう一遍記憶を喚び起してもらわんといけませんが、大橋が田中を連れてあなたの所へ来て、そうして面会をしたということを、あなた言つておるんじやないですか。現にそういうことを聞いたという人もおるわけなんです。
  249. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 連れて来られたか、單独で来てあとから来たのか、先ほど申しますように紹介状である名刺を持つて来たのか、その点は……。
  250. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いや、大橋が自身で来てあなたに会つたということを、あなたはほかで言つているんじやないですか。
  251. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その点がどうしても記憶にはつきりいたさないのであります。繰返しますように。
  252. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そのとき言つてつたのは間違いですか。
  253. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 絶対間違いとも申しません。連れて来られたか、單独で来られたか、紹介状である名刺を持つて田中という社長が来たのか、電話で介して来たのか、その辺が実際明瞭でないのです。
  254. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋が田中と一緒に来たということを言つておられるのだが、今は田中には会つたが、大橋の点はわからない……。
  255. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 別に嘘を申上げておるわけではないのですが、それは大橋氏が一緒に連れて来て私に紹介したのか、先ほど申しましたような方法で会つたのか、とにかく田中という社長には一度会つているのですから、大橋氏の紹介で、そのことを申上げればいいんじやないかと思うのですが。
  256. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) こちらは、大橋にはそのとき会われたかどうかということが重点であるから、その点を聞いているのです。
  257. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その点が明瞭を欠くのであります。と申しますのは、相当古い話であります。時間の観念が、相当の期間に亘つて数回会つておりますので、その件でお会いしたのか、そうでなかつたかということが明瞭を欠くのであります。
  258. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではほかの委員のかたから何か御質問はありませんか。
  259. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 今のに関連しておりますから……。このあなたのほうで発注をしてからキヤンセル食つたというようなことはいつもあるのですか。
  260. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) ございます。相当ございます。
  261. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 相当ある。
  262. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) はあ。
  263. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 その処理はどういうふうにやつておるのです。その結末は……。
  264. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 勿論私がその調達物資の契約支拂をいたしておりました総務課長当時のことしか答えることはできませんけれども、当時といたしましてキヤンセルになつたら、大分以前のことですが、普通ならばキヤンセルの書面を直ちに伝達いたしまして生産停止をさせ、そうして事後の問題についてはできたものは納めさせる。又は非常にたくさんの物を作つていたら補償してやるとかいう手続に入るようになつてつたと思います。
  265. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうしますと、この足利工業の二重煙突発注にかかりまするものは、このキヤンセルになつたというのをそれをあなたが知つたのはいつです。
  266. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは調達庁の昭和二十四年の今申しましたような……。いやこれはちよつと訂正いたします。昭和二十三年度ですね。あの当時経理局とか、或いは契約局、或いは技術局こういうふうなところで相談していたようなことを耳にしたときに、この問題はキヤンセルになつていたということを仄聞したに過ぎないのです。
  267. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 大橋氏があなたに代金支拂促進依頼したときには、これはもうすでにキヤンセルになつていたのでしよう。この契約発注の品物よ……。
  268. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それはなつていたかも知れませんが、私が依頼されたときはそのことを承知しておらないのです。
  269. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 しておらない……。
  270. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうです。
  271. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうするとあなたはこの品物はやはりもうすでに完納したものと聞いておりましたか。
  272. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) いやその点が、そういうふうな事柄の内容を、こうこうこういう契約で、こうした内容で、こういう次第で、手続上こうなつているからこうしてくれというのでなくて、私が依頼を受けたというのは、紹介を受けたというときの話は、とにかく支拂がこう遅れているから頼んでくれという極く抽象的な、私の口添えといたしましてはなんら内容に触れておらんのであります。
  273. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 併しあなたは先ほど言われた通りに拂うべきものは拂う。拂うべからざるものは拂わん、勿論拂わんでいいんだと言われましたね。特にその発注を受けたものはすでにキヤンセルされておる。ところが本人の工場のほうではまだ品物ができておらんのです。完納どころの騒ぎじやなくて、できていない。そのできていないのに四千万というような大金を拂つたことについては、これはもう当然問題になるにきまつていますよ。だからそういうことをあなたが促進するについては、支拂の遅れたということもそれらに重大な関係があるのであるから、そこで大橋君という有力者を煩さなければならないというぐらいのことは、あなた方のほうでおわかりになつていなければならんと思うのですが、それを記憶がないないで以て責任逃れの答弁をしておるようなふうに私どものほうではとられてならないのですがね。而もあなたにしても、大橋君にしても、相当の地位にあられた人であつて、誠に国家の立場から言つたならば重要な問題に取上げて、庁内においては研究しなければならん課題の問題だと思うのです。そこなんですよ。だからもう少し我々のほうも成るほど然るべきだというようなふうに、あなたの記憶を一つ辿つて頂いてこの際明確にして頂きたいと思います。
  274. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) どんなにいたしましても、私の記憶にございまする限りさような事情があるということを承知の上で話したのではなく、全然そういうことはございませんです。あとからそういう問題があつたということを聞き及んだのであります。
  275. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうすると、大橋氏はあなたを騙したことになるのでありますか。大橋氏の依頼に基いてあなたが支拂促進をしたときには、国家に対しては非常な迷惑をかけたことになるのですが、そうするとあなたを騙して足利工業をして益せしめたことになるのでありますか。
  276. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 大橋氏が私を騙したのかどうか、それは別問題でございますが……。
  277. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そういうことになるでしよう。
  278. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは騙す意思があつておつしやつたならば、それはまさしく不当なことを私に依頼されたのだろうと思うのでありますが、その点は他人の意思に関することでありますので、とやかく私も申すことでありませんけれども、事実支拂うべきものであるということを前提において手続上やつてくれといつた頼みを口添えしたに過ぎませんので、それ以上の内容について私が存じておりましたら又別のことになつたと思いますけれども、その点を存じませんでした。
  279. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうしますと、発注をし完納をして支拂が遅れておるというようなことは、しばしばその当時あつたのですか。
  280. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 当時とおつしやいますと、当時は特別調達庁のときだと思いますが、私の職務外でありまして、如何ほどのものが何度あつたのか存じませんけれども、ままあつたように聞いております。
  281. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうするというと、支拂うべきものを支拂わんで、国のほうが却つて業者のほうに迷惑をかけている。何らのそれも理由がないものであるとこういうふうにあなたはおとりになつたのですか。
  282. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) ちよつともう一遍……。
  283. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 それは国のほうで以て拂うべき義務があるのだ。然るに理由なく国のほうはその支拂をしなかつたのだ、こういうふうにあなたはとつていらつしやつたのですか。
  284. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 本件ですか。当時……。
  285. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうです。
  286. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私の頭ではその書類の不備とか、手続上どうのこうのということで、或いは非常にたくさん書類があるから、あとから廻つて来たものは、随分何日も待たされるというようなことがたびたびあるので、遅れておるのだという推測に過ぎなかつたのであります。
  287. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうすると、そのあなたから依頼を、大橋氏の依頼に基いてあなたが経理局なりその他に促進方を申出たに対して、加藤局長とか、部課長なのかどうか知らんが、そういう人はどういうことを言つておりました。実は拂わなければならんやつが金がないから拂えないのだというようなことを言つておりましたか。何か併し携われなかつたけれども、こういうわけだからとあなたに言わなかつたのですか。
  288. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) その事情は特に私は聞いておりません。ただ私からも口添えというので、それは事務がどこでどう引かかつて、どこの局でどう折衝になつておるかということは、私は深く関與しないのでありますから……。
  289. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そこであなたのその答弁が非常にめちやくちやだと思う。いやしくも大橋氏があなたに頼まれた。それに基いて動き、そうして動いたならば、その結果についてはどういうふうな事情で遅れておるのかとか何とか、或いは遅れておるのはそれは俺のほうが悪いのだ、速かにやらなければならん。それとも遅れたのはこういうわけだからと、それぐらいなことは、あなたは子供じやあるまいし、それぐらいなことは当然なければうなずけないのじやないですか。
  290. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 大橋氏ぐらい有力なとおつしやいますけれども、特別に大橋氏が有力で将来面倒を見てもらわなければならんという人でもありませんし……。
  291. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そんな面倒……。
  292. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私としてはただ普通の先輩として、而も当時は浪人をしておられたような人ですし、特別に私が骨を折らなければならん理由はないのでありまして、その意味におきましても、私はそれほど頭を突込まなかつたのであります。
  293. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 そうすると、あなたが促進をして、そのときには金を結局拂わなかつたのですか。
  294. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) ……。
  295. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 あなたの促進に基いて、金を拂うべきなら拂つてくれというお申出をしたことによつて、拂つたのですよ。支拂つたのですよ。
  296. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私のほうの運動とおつしやいますけれども、運動といえば運動でございましようけれども、私の口添えしたことによつて、それが支拂われたとも特別に思つておりません。
  297. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 だが併し拂つたでしよう。
  298. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 拂つたことになつております。
  299. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 あいまいなことを合わんでもいいじやないですか、あつさり言つたらいいじやありませんか。そんなあなたは四千万円といわれた多額の金を拂つて、而も品物を一つも納めもしないで拂つたでしよう。それが普通の通り一遍の人の依頼くらいならば、そんな馬鹿げた管理をやるはずがないと思うのです。そこに我々の理解しがたいところがあるのです。その故にあなたの答弁が、さつきからどうもさつぱり、本当の通り一遍の、自動車で通つたぐらいのことを言われるけれども、そんなことはないと思うのです。そんなことに普通の人が頼んだぐらいで品物を納めもしつこないのに、金を、大枚四千万円というような金を拂うはずはないと思う。又一方キヤツシユで拂つて、品物は、はやすでに発注中止をしなければならないにもかかわらず、而も相手のほうは品物を作りつこないのに、金を拂つておるというのですから、而も金を拂つてくれじやなしに、拂つておるのですから、これは疑われるのは当然のことだから、あなたがた事務処理上から行けば、どうしてもどう考えても誠実なる行動ではないごとくに見えますぞ。思えませんか。証人どうお考えになります。
  300. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 直接事務担当者でありませんので、結果としては、特別調達庁事務としては非常に遺憾であつたとは思いますが、私自身として、非常に良心的に恥じる行為ではなかつたと思つております。
  301. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 併しあなたが支拂い担当官として、初めにこういう契約をされて、特に物品税などを課税されないものをこの代金のうちにこめて、そういう契約をされ、そのことのためにこういう事件が起つて来たのじやないのですか。そうして国損として何千万円という損害を国家に及ぼしておるわけで、あなたわ官吏としてどういうふうにお考えになります。
  302. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私契約担当官として、そういう事務上の、これは調べなければわかりませんけれども、事務上の疎漏があつて、そういう結果ができて来たという因果関係が明瞭ならば、担当官として非常に責任の重大なのを痛感いたす次第であります。その点は再調しなければわかりませんので、その点は保留させて頂きます。
  303. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 明瞭なことじやないですか。物品税を加えて、そうしてそれから言うがままにそういう契約をされたということは、契約担当官の落度じやないのですか、その点如何です。
  304. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは先ほど申しますように、事実について正確な調べができた上でならば、私の責に属すべきものであれば、明らかに私の責であります。
  305. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 発注当時の模様をちよつと聞きたいのですが、或いは先ほど私ちよつと退席した間に証言があつたかも知れませんけれども、特調から出された書類には、最初に「昭和二十一年九月二十日附LD三五により、二重煙突二十五万フイートの調達要求を受けたが、当時商工省業者を選定し、PO及びLDに基いて生産指示を行うこととなつており、云々」とありますが、「当時商工省業者の選定し」という、この業者を選定するということ、それから発注奬約を証人が当時総務課長として、その奬約担当官になつて契約を結んでいるのですが、それまでのこの経過が、商工省業者を選定するというのはどういう意味なのか。その当時の契約締結までのプロセスを一つはつきりして頂きたい。
  306. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 私の記憶しておりますことだけを申上げますが、当時調達要求というのはLDというような形体で八軍から出たと思つております。それが当時ありました終戰連絡事務局というところへ廻りまして、終戰連絡事務局のほうで一通は商工省の特別資材部というところへ廻つて行き、一通は戦災復興院の特別建設部あとから昇格しました、局に廻つて来たように思つております。そうしてそれに基きまして商工省の特別資材部というところで、鉄鋼なら鉄鋼、セメントならセメントというような原料が要りますので、勿論各原局、原局に折衝して、原局のほうで、当時は殆んど物が統制だつたものでありますから、割当をしませんと、資材業者の手に入らないので、原材料の引当てをいたします。そういう関係から原局に廻りますし、それから担当官といたしまして、生産業者というものの選定ということは商工省でするという了解が成立つてつたのであります。それで特別資材部というところで、原局にも相談して、まとまつた業者をそれぞれ指定いたしまして、その数量と業者を決定いたしまして、戰災復興院のほうに廻して来る、戰災復興院のほうでは、それを受付けまして、戰災復興院特別建設部なり、又は局でありますが、その中の資材を担当しております資材課のほうでそれを受取りまして、そうして、その資材をどこへ使う、使う場所はどこであるか、或いは輸送はどうするというようなことまで、そこで検討しまして、検討がつきましたならばその調査の結果、書類をまとめまして、支拂担当、契約担当課である総務課のほうへ廻つて来ます。私が当時課長であつた。その総務課のほうでこの書類をくつつけまして、選ばれた業者との契約、予算の突き合せ、総務課ではですね、或いは価格の点等を検討いたしまして、正式な書類として係が起案いたしまして、それを事務官が検討をし、私のところへ最後に廻つて来て、私が契約担当官として決裁をいたしておつたのであります。そういう大体のプロセスであります。
  307. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 そうすると、業者の選定というのは、商工省のほうでその業者にこれだけの生産指示をするということで、あなたのほうでは、その業者を、商工省のほうで選んだ業者を変えて契約をするということは当時再三行わせたのですか、それとも殆んど変えないのですか。
  308. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) それは当時といたしましては、その業者を、これはいけないからこれにしろというような折衝など全然殆んどなかつたように記憶しております。
  309. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 そうすると殆んどこの業者の選択、つまり契約の相手方というのは商工省のほうで実質的にはきめた。そういうふうに承知していいですか。
  310. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうであります。
  311. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 価格の点は、あなたのほうの当時どういうふうな課が担当してやつておるのです。
  312. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 戦災復興院といたしましては、当時特別建設部、或いは局、後ほど局になつたのですが、それのやはり総務課の係がつき合しておりました。
  313. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 当時そうするとこの物品税も加算してあるようですが、こういうことはあなたのほうの課の係員が調査してやるとこういうことになるのですか。
  314. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) そうです。
  315. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 で、この当時この物品税云々という問題について、何か疑問や何か持たれたかどうか。そういう点はどうですか。
  316. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 何の疑問も持つておりませんでした。
  317. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 この物品税の点について、そうすると最後まであなたがたは何も疑問を持たなかつたのですか。そうしてこの物品税が問題になるということがわかつたのはいつか、その点伺います。
  318. 瀧野好曉

    証人瀧野好曉君) 先ほども申しましたように、当時といたしまして物品税について特別な関心を持ちませんでしたし、その事後支拂いになつたとき、私がその物品税が納まつてなかつたという話を聞いたのは、問題がわかつて来出した二十四年の、たしか私が今の役所に転任をしてから以後だつたと思つております。
  319. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ほかに何か御質問はありませんか。別に御質問がないのでしたら、この証人に対する質問はこれで打切ります。御苦労でした。  それではちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  320. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 速記を始めて下さい。これで散会いたします。    午後一時二分散会  出席者は左の通り。    委員長     棚橋 小虎君    副委員長    溝口 三郎君    委員            高橋進太郎君            仁田 竹一君            長谷山行毅君            小林 亦治君            高田  寛君            常岡 一郎君            鬼丸 義齊君            森 八三一君   事務局側    常任委員会專門    員       森 莊三郎君    常任委員会專門    員       波江野 繁君   証人    元特別調達庁庶    務部長     瀧野 好曉君