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1951-05-10 第10回国会 参議院 決算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月十日(木曜日)    午後一時二十九分開会   —————————————   委員の異動 三月二十七日委員小杉繁安辞任につ き、その補欠として、高橋進太郎君を 議長において指名した。 五月七日委員高橋進太郎辞任につ き、その補欠として小杉繁安君を議長 において指名した。 本日委員寺尾豊辞任につき、その補 欠として高橋進太郎君を議長において 指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十四年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和二十四年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出) ○昭和二十三年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十三年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)   —————————————
  2. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 只今から決算委員会を開会いたします。  昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算言及び昭和二十四年度国有財産無償貸付状況計算書議題に供します。先ず最初政府の御説明をお願いいたします。
  3. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) 只今議題となりました昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況計算書について、御説明申上げます。  先ず、昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書について申上げます。  昭和二十四年度中に増加いたしました国有財産総額は、二千五十五億五千三百十八万余円であり、同年度事に減少いたしました国有財産総額は、七百八十四億一千五百八十一万余円でありまして差引一千二百七十一億三千七百三十六万余円の純増加なつております。而して前年度末現在額一千二百五十六億五千百六万余円に右純増加額も加算した二千五百二十七億八千八百四十三万余円が、昭和二十四年度末現在における国有財産総額ということになつております。この総額の内訳を申上げますと、行政財産は六百四十億一千四百七十六万余円、普通財産は、一千八百八十七億七千三百六十七万余円となつており、更にこれを区分別に申上げますと、土地百八億九千四百三十六万余円、立木竹百四十三億三千九十七万余円、建物二百六十六億一千四百六十三万余円、工作物三百六十四億八千三百五十五万余円、機械器具三十一億七千六百三十七万余円、船舶十三億九千三百七十万余円、地上権地役権鉱業権砂鉱権等三千七百七十四万余円、特許権著作権商標権実用新案権等三万余円、有価証券その他一千五百九十八億五千七百四万余円、計二千五百二十七億八千八百四十三万余円であります。  本年度における増減内容の主なるものを申げますと、増の部におきましては、政府出資千三百三十八億四千八百余万円、新規取得四百六十七億七千四百余万円、法令改正による所管換及び所属替百三十四億八千余万円、租税物納十八億六千六百余万円、其の他九十五億八千三百余万円、減の部におきましては、法令規定により日本国有鉄道及び専売公社への引継四百七十四億三千六百余万円、法令改正による所管換及び所属替百三十三億四千八百余万円、出資金回收五十億二百余万円、売払二十億九千二百余万円、共の他百五億三千六百余万円であります。  以上が、昭和二十四年度における国有財産増減及び現在額総計算書概要でありますが、なお、念のため申上げますと、この国有財産増減及び現在額総計算書には、道路、河川等公共物は、国有財産法第三十八條の規定によつて計上いたしておりません。又、普通財産のうちで、神社、寺院、教会用財産及び地方公共団体公園用財産につきましては、国有財産法施行細則第七條の規定によつて土地の面積のみを掲げ、その価格は計上いたしておりません。  次に、昭和二十四年度国有財産無償貸付状況計算書について御説明申上げます。  昭和二十四年度中に増加いたしました無償貸付財産総額は、二千四百三十一万余円でありまして、同年度中に減少いたしました総額は、六百十八万余円であり、差引一千八百十三万余円の純増加なつております。これを前年度末現在額一千二百三十五万余円に加算いたしますと、昭和二十四年度末における無償貸付国有財産の現在額の総額は、三千四十八万余円となつております。  なお、本年度において増加をいたしました主な原因は、生活困窮者收容施設又は公園等の公共的、社会的施設のために国が積極的援助をなす必要があつたこと及び旧軍用財産貸付及び讓渡特令等に関する法律第四條の規定により、都道府県に無償貸付した財産を、本年度において特に台帳に登載、整理したことによるものであります。  以上、御説明申上げました昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況計算書国有財産法第三十三條及び第三十六條の規定により調製いたしましたもので、同法の規定により会計検査院検査を経たものであります。  何とぞ御審議の上、速かに御承認あらんことを御願いいたします。
  4. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に会計検査院より検査の御報告をお願いいたします。
  5. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 昭和二十四年度国有財産検査報告の資料を出してございますが、これにつきまして概要を御説明いたします。昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書無償貸付状況計算書昭和三十五年十一月一日に本院において受領いたしました。その検査を終えまして昨年の十二月二十三日に内閣にお返しいたしました国有財産の二十四年度中の増減、それから二十四年度末の現在額につきましては、只今政府委員のほうから御説明がありましたので金額を省略いたします。なお二十四年度中の増の最も大きなものは、政府出資が非常に大きな額に上つたことが特徴と申しますか、際立つた大きなものであります。それから国有財産無償貸付状況につきましても、只今政府委員から金額説明がございましたのでこれを省略いたします。  次に国有財産取得処分、それから管理、これにつきさまして検査の結果不当と認めましたものは、昭和二十四年度決算検査報告に掲記してあります。これらの事項につきましては、いずれ二十四年度決算の御審議の際に御説明の機会があるかと思いますが、これらの事項を取りまとめて申上げて置きますと、国有財産取得に関するものが十三件、それから管理に関するものが十七件、処分に関するものが四十四、合計七十四件が不当事項といたしまして検査報告に掲記してお手許に差出してございます。なお七十四件のうち、大蔵省の分が六十五件になつております。それから終戰処理費支弁によりまして国が取得いたしました国有財産、それから財産税法戰時補償特別措置法によりまして物納された財産で、事務の処理が非常に遅れまして国有財産に計上されていなかつたものが、二十三年度末においては非常に大きな額に上つておりまして、二十三年度検査報告に掲げたのであります。その後連合国軍基地内の財産を除きまして、二十四年度中に当局者が大部分整理を了しておられますので、ここには特に掲記しなかつた次第であります。
  6. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に専門員のほうから調査の結果を御報告願います。
  7. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) 御提出のいろいろな書類を拜見いたしましたが、そこで気がつきましたことは、政務次官から御説明がありました二十四年度中における国有財産増加額主要部分政府出資千三億円、新規取得四百六十億円というふうにございますが、ちよつと御提出書類を見ましたのでは、はつきりいたしにくい点がありはしないかと思いますので、若しそれについて主なものはこんなものだというようなことが明らかになれば結構ではないかと気がついております。  それから第二に、公共福祉用財産及び皇室用財産増減報告に載つております。数字はこれではつきりいたしまするが、その内容が例えば宮城前広場であるとか新宿御苑であるとかというようなものの名前前がはつきりすれば、なお事情がよくわかるのではあるまいかということをちよつと感ずる次第でございます。  それから第三に、終戰によつて引継を受けた旧軍用財産等の中に民生の安定、産業の復興などを目的として、民間に一時使用の認可をしておりますものがありまするが、それはこの御提出国有財産調書の中に入つておりますか、如何ですか。それから又その数量はどのくらいのものであるか、これもちよつとそれを調べましたときにはつきりいたしませんでしたから……。それだけのことに気がついた次第でございます。
  8. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今専門員の気付かれた点について、一応政府から説明を願つたらどうかと思います。
  9. 小林英三

    説明員小林英三君) 只今質問の点についてお答えいたします。昭和二十四年度中の支出額でございますが、これは次のようになつております。一般会計からいたしまして、復興金融金庫に九百二十四億六千七百万円支出しております。それから船舶公団に五十三億九千七百万円、肥料配給公団に三十二億七千八百万円、油糧配給公団に二十五億一千六百万円、国民金融公庫に十八億、それから帝国石油株式会社一億四千四百万円、帝国鉱業開発株式会社千六百二十万円、東洋拓殖株式会社六十一万五千円、食料品配給公団五千万円、計一般会計といたしまして千五十六億六千八百八十二万五千円、このほかに日本国有鉄道に対しまして四十九億一千六百八十二万二千余円、端数があります。それから日本専売公社に対しまして二百三十二億五千九百七十九万二千円余あります。合計いたしまして、只今説明いたしましたが、千三百三十八億四千五百四十三万九千円ということになるわけであります。  それから新規取得でございますが、これは土地建物、それから工作物機械器具船舶有価証券その他に分れてございますが、概略申上げますと、土地におきまして新らしく買いましたのが約十四億七千六百余万円ということになつております。建物におきまして、新らしく買いましたものと増築いたしましたものを合せまして約百五十三億になつておりますそれから工作物におきまして、これも新設と増設で約二百三十八億円、なお機械器具におきまして、やはりこれも新設、購入だけでございますが、約十三億五千万円余になつております。船舶におきまして、新造とそれから購入しましたものが五億六千万円、有価証券その他におきまして、支出として先ほど申しましたような千三百三十八億円ということになつております。  それから只今の御質問公共福祉用財産皇室用財産増減の明細ということでございますが、先ず公共福祉用財産におきましては文部省所管厚生省所管、それから運輸省所管もございますが、これを申上げますと、先ず文部省所管におきましては、国立自然教育園というところで土地といたしまして約六万坪ございます。この価格が千百八十二万円になつております。それから厚生省所管におきましては皇居の外苑でございまして、坪数にいたしまして、二十九万五千八百四十三坪余となつております。この価格は約四千八百三十七万円、それからなお厚生省所管新宿御苑がありまして、これが十七万五千七百十九坪、金額にいたしまして二千二百十九万、それから京都御苑のほうで土地が十九万八千九百六十六坪、金額にいたしまして千七百五万円、大体只今申上げたような点でございまして、合計いたしまして、土地で約七十三万一千余坪になつております。金額にいたしまして九千九百四十二万五千円、これが公共福祉用財産の新たに増加した分であります。  それから皇室用財産におきましては増と減があるわけでありまして、建物のほうにおきまして増築移築、それから新築というのがございますが、増築のほうで二万九千円でございますが、移築その他を入れまして増が百三万四千円でございます。それに対しまして減のほうでは、移築したり燒失の関係におきまして六十九万七千円が減少しております。それからなお工作物のほうにおきましても、そうした増減があるのでございますが、これを簡單に申上げますと、財産工作物の増といたしまして百六十七万八千円、減としまして七万四千円でございます。建物工作物両方合せまして、皇室用財産といたしまして増が二百七十一万三千円、それに対しまして減が七十七万一千円ということになつております。  なお第三の御質問の点の旧軍用財産民間への一時使用というものはどうなつておるかという御質問でございますが、旧軍用財産はすべてこれは財産として今申上げたような財産に入つておるわけでありまして、ただこの貸付といたしましても、これは一時使用という形をとつておりますので、この報告の中には貸付の中に入れておりません。
  10. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ほかに御質疑はございませんか。
  11. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 非常に厖大なものでありまするし、なかなか今即席にというわけにもいかんように思うのですが、大体一、二点伺つておきたいと思うのは、報告書決算書に現われて来ておる数字ですが、例えば土地にしても、建物にしても、帳簿価額というものと、現在の実際の価値というものとの関係はどういうことになつておるのか。古く昔から帳簿の上にあるものを年々それを一定の償却を見て、それが転記されて来ておるだけであるのか、そうしてここに国会報告されておるのか、或いは年々それに修正を加えてやつておられるのか、当然新らしく買われたものと、今から十年前に買われて国がそのまま財産として持つて来ておるものとの関係というものは非常に実際においては変つておるのじやなかろうか、そういう点は我々はこれをどういう工合に見たらいいのかという点であります。先ずその点について政府から御答弁願いたい。
  12. 小林英三

    説明員小林英三君) お答え申上げます。この国有財産法のり施行令によりまして国有財産価格につきましては、五年ごとに三月三十一日現在で総合評価するということになつております。これはまだこの規定は発動されておりませんので、最初にやります評価は実は来年の、二十七年三月三十一日現在によつてやることになつておりまして、これまでにおきましてはやはり取得価格取得したときの価格評価しておつたわけであります。今度の五年ごとにやるという規定によりまして、来年からは新らしい評価ということになると思います。ただこの土地立木竹におきましては、苦の国有財産法規定によりまして、昭和二十二年三月三十一日現在におきまして大部分のものを再評価しております。それでその後の物価の値上りというものについてはどうするかということになりますが、物価指数と、それから処分した価格を逆算しまして大体その倍率を見まして、そうしてこの値段というものを付けておるようなわけであります。できるだけ実状に沿つたような価格にいたすように今後とも努力して行きたい、こう考えております。
  13. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういたしますると、現在の報告書による数字というものは必ずしも適正価格でない、国の財産価値というものが現在の標準に合わせてできておるものでないという結論になるのですか。
  14. 小林英三

    説明員小林英三君) 只今指摘のあつた通りでありまするが、ただ国有財産価格といたしましては、これまでその都度々々のいわゆる棚卸的な再評価を法的にしなかつたのであります。併しこれを処分するような場合におきましては、そのときの適正な価格を見て処分をするということになつているのでございまいす。
  15. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 適正な価格処分されておるというのですが、その場合に前の旧帳簿価額との差益は相当二十四年度中にあつたのですか。大体どのくらい出て参つたのですか、金額にいたしますと。
  16. 小林英三

    説明員小林英三君) 金額の点は今手許にございませんのではつきりしたことは申上げられませんが、国有財産のほうで売払いのときは今申上げたようなことでやるのでありまして、財産台帳価額から落すのは旧来価額として落すわけであります。従つて例えば旧来値段でついておるならば、その値段で落とす、その差額国有財産のほうの売払收入の増といいますか、売払收入として入る。ですから一般会計のほうの歳入に入るわけでございますが、ただその数字昭和二十四年度において幾らなつたかということを申上げられないので甚だ申し訳ないと思いますが、できるだけ調査することにいたします。
  17. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 私のほうから申上げるのは如何かと思いますが、ちよつと御参考に申上げておきます。  旧軍用財産終戰後二十四年度末までに処分いたしましたものは、国有財産としての価額でざつと十二億八千余万円になつております。ところがその売渡額総額で四十三億二千四百余万円になつているわけであります。この差額先ほどカニエさんが御指摘になりました評価増に相当するものとお考え願つていいのじやないかと思います。立ちましたついでにちよつと申上げておきますが、国有財産評価というものはカニエさんが先ほどから御疑問を、お持ちになつているように、誠に実は不合理なものなのであります。土地立木竹につきましては評価換をいたします。これは検査院からお出ししました検査報告を御覧になりますとわかりますが、全体の中で占める割合は非常に少いのであります。非常に少いというのは或いは少し言い過ぎかも知れませんが、大した金額ではございません。大部分建物工作物、これが大きいわけであります。ところが建物工作物、こういうものにつきましては取得価額で登録するというのが建前でございます。評価増減ということはしないのであります。これは昭和二十六年度末になりますと一斉にやることになつておりますが、今までのところやつておりません。従つて軍用財産のように、明治時代作つた大正時代買つた、こういうようなものが相当あるわけであります。こういうものは非常に安い価格でここに載つているわけでございます。その結果最近は毎年々々国有財産の現在額が倍、倍となつております。この表でもおわかりになりますが、二十四年度末の現在額は三千五百二十七億になつております。ところが二十四年度中の増が幾らかと申しますと、千二百七十一億であります。大体二千五百二十七億の半分は二十四年度中一年間の増、こういうことになるわけであります。二十三年度末の分で見ますと、やはり同じような関係にあります。等比級数的に上つて来る関係にあるのであります。ここに非常に国有財産の現在額整理というものに不合各理な点がございますが、併しなかなか全国の国有財産を毎年評価換するということは非常に困難であります。今度丁度整理を五年目に当ります二十六年度末で一斉に評価換をする。こういうことになつている次第であります。
  18. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ほかに何か御質疑がありますれば続行をいたします。
  19. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 立木竹の、ここに挙つております報告書数量、勿論価額もでありますが、数量というものは本当に正確な数であるかどうか、はつきりそれをつかんでおられるのか。大体どういう算定に基いてこの数字を出したのであるか。私はこの数字については必ずしも正確な数字でないように思うのですが、恐らく大蔵省といえども年々この数を、相当水害号或いは風害等によつて減少したものを修正しておるのかどうかということですが、そういう点ではどういうような算定方式によつておるか、又そういうような損失によるものを一々減じてここに挙げておるかどうか、こういう点についてお伺いします。
  20. 小林英三

    説明員小林英三君) 只今質問のありました点についてお答え申上げます。  私のほうといたしましては、台帳整理はできるだけ正確さを盡して計算して、それに基いてこうした報告を作るわけであります。併しこれが相当あるものでございますので、私のほうといたしましては、絶対にこれが一分一厘間違いないとまでは申上げることはできないと思いますが、できるだけ正確かさを盡してやつております。なお立木竹類につきましての計算につきましては、非常に技術的なものがありまして、或る場合においては、こういう場合にはこういうような推計でやれというような方法でやつておりますので、きちんとした、数学的には或いはお説のようなことになるかと思つておりますが、できるだけの正確さを盡してやつております。
  21. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 大体いろいろまだ御質問申上げたいことがあるのですが、先ほど会計検査院からも言われた通り、この計算書が單なる数字だけを羅列して挙げられておるというようなことであつたなれば、それだけいろいろな国費の濫費、或いは又売払等における不当な事項がそれだけ出る余地を與える結果になり得るので、これがやはり嚴密にされておれば、それだけ不当事項が少くなるのみならず、国の財産を国民が知る上においても、正確にこれを見ることができる。かような意味からして私は会計検査院並び大蔵省のほうでも、一段の一つ御研究を願い、できる限り正確なものを出してもらいたい。なおこれを正確にするためにはどういう点を改めれば一番いいかということ等について、大蔵省考え方、或いは会計検査院考え方を一応おまとめ下さいまして委員会にお示しを願いたい。かように委員長から御要求願つておきさたいと思います。
  22. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府のかた、わかりましたね。それでは続行いたしますか、何か別に御質疑がおありのようでしたら続行してもよろしいのですが、御質疑がなければ質疑を終局して御異議ございませんか。
  23. 小林政夫

    小林政夫君 今の会計検査院から指摘がありました総体的な指摘事項内容について、これと全体との関係審議の上においてどうなるのですか。
  24. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) その点は、私非常に疑義を持つておるのですが、従来別々な取扱をしておるようですね、私の考えとしてもやはりこれは並行してすべきものだと思うのです。ですけれども従来これは別に扱つておりました慣例なつておるようなので、まあ慣例従つてつておるわけなんです。私もあなたと同じ意見を持つております。
  25. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 その件では先ほど小林君ともここで私語で話をしておつたのですが、二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書というものが出て来ておる、或いは無償貸付状況報告書が出ておる。これを一括して委員会が認めるということは、会計検査院批難事項に、この中の分があるのでありますから、取扱い方としては一応これはこのままきめておいて別に決議を、しなくてもいいのじやないか。当然二十四年度決算が終了のときと同時に、私はやはり議決さるべきものではないかという考えを持つておるのですが、事務局のほうでどういうお考えか存じませんが、併し別に旧貴族院時代からの習慣だから、それをやらねばならないということはないので、不合理であればこの委員会で改めてそういう扱い方に直してもいいんじやないか、かようにまあ考えておる次第なんであります。
  26. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 専門員の御意見はどうですか。
  27. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) 別段只今までその問題につきまして特に研究いたしたことはございませんが、併し会計検査院の御報告によりますれば、不当事項不当事項として決算報告に出す。そうしてそれを除いていわば條件付の下にその検査を終了して内閣に回付したと記してありまするので、この書類会計検査院で御承認と言いますか、御確認と言いますか、そういうふうになつているのではないかというふうに了解して参つたわけであります。従つて今までの取扱では、まあこれはこれとして会計検査院がよく御検査の上御報告なつているものでありますから、それに信頼して、これだけを切離して審議するというような扱いなつていたのではあるまいかと思いますので、強いて申しますれば、先ほどからお話のような不当事項などにつきましてはそれを暗黙の條件としてこれだけが便宜上決議されておるのではないかと、こんなふうに考えます。甚だ咄嗟の考えで、或いは間違つておるかも知れませんが……。
  28. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の森専門員お話も尤もであると思うのです。併しながらこれは会計検査院会計検査院としての立場から出されておるのであつて国会はみずから国会の意思においてどう扱うかということをきめればいいんじやないか。勿論私はそう思つておるのです。そこで一応会計検査院の、一体今までの事情というか、又これを出しておられるこの検査報告批難事項との関係におけるいろいろな考え方、これを一応述べて頂いたらどうですか。
  29. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 只今の御意見でございますが、この国有財産の現在額及び増減というのは、いわば数量だけの確認、金額の確認、現在の台帳に載りました帳尻の確認、こういうふうに考えております。検査いたしまして台帳に載りましたものが計数等にも違いはない。こういうのを確認して検査終了した。実体的の当否というものは別に経費、收入のほうと一緒にいたしまして審査をして頂く。それで従来の田舎の、これは帝国議会の時代からのあれでございますが、ずつとやつておられる方法というものに対しては私どもとしては別に実は不審は抱いていなかつたのであります。今後ともその方法でおやり下さるものと思つてつたわけでございます。それで條件付というお言葉も先ほどつたようでありますが、或いはお考え方としてはそういう考え方も成り立つかと思います。殊にこの金額の中には管理なり、処分なりが政府の措置が妥当でなかつたものが入つておるわけであります。又この台帳に載せてないものもあるわけであります。二十四年に取得いたしました財産で、この中に載らないものもいろいろな関係で今年台帳整理が間に合わなかつたようなものも若干はあるのであります。終戰処理費で取得いたしましたもの、或いは軍用財産というようなものにつきましては、長い間それが載らないで、載せないことが不当であるということで、会計検査院でわざわざそういう断り書きまでしておつたわけでございます。そういうものが終戰処理費とか、軍用財産とか、まとまつた大きなものでなくともぼつぼつ実はあるわけであります。そういうような内容のものなのであります。これを探し出すことがなかなか容易でないので、私どもで尋ねあぐんでおるようなわけでありますが、これは一々今の不当事項ということを必ずしも関連しないものもあるわけであります。別に收入なり支出なりの面で、そういう事項がありましたからと言つて、これを台帳の最終金額の御決定を御留保になるというほどのことは私はないと思います。これは金額といたしまして数量といたしまして検査をし、会計検査院が確認をいたしました結果で直ちに御議決になつても、そう工合が悪い決算ではないのだろうかと、こう考えておる次第であります。
  30. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 会計検査院批難事項はどういうものが出ておるか。その批難事項のうちに、或いは帳尻に影響を及ぼすもの、或いは帳尻が狂つて来るということになれば、これを切離してやるということは、取扱としてこれは私のほうできめるのですが、あなたのほうの御意見としてはどうですか。帳尻は動かないのですか。批難事項には関係はないのですか。
  31. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 帳尻が動くと申しますか、例えば百万円の価値のある財産を九十万円で売つた。こういうようなものはお考え方によりましては九十万円で現に買つておりますからこれは百万円に……、軍用財産など台帳価格と売払価格と大変違いますから、そういうものを台帳価格三十万円のものを九十万円で売つた検査院が見るとそれが百万円に相当すると、それは増減共に十万円は変つて来るわけであります。併しそういうものも強いて台帳面が動くとお考えにならんでも、十万円だけ政府の收入に相違があつた。こうお考え願えば差支えないのじやないかと思いますが、台帳面として動く廃れがある。あとでこれを修正しなければいけない。必ず修正を要する。こういうものはないのじやないかと私どもは考える次第であります。
  32. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 犯罪などは批難事項の申にないのですか。
  33. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 国有財産は主として不動産でありますから、これを動圧のように考えるということは余りございません。モーターとか屋根のトタンを剥いだとか、こういう事態はありますが、これもそれだけで、犯罪になりますと性質上減には出るわけでありますが、それも取られてしまつた結果の現在の状況を確認する。こういう意味でしたらここにある金額で差支えないのでありますが、取られたという事実は別にこちらの物件と、国有物件としての批難の処理をしてございますから、そちらでお扱いになればいいのでありますが、取られた現在の状況を確認する金額なり、数量的に確認をして頂いて差支えないのじやないかと思います。
  34. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういうような意味であれば、大体ここで議決をしても差支えはないじやないかと思われます。併しながらこれの報告書に記載されておる。私が先ほど申しました数字が非常に不当に安いものもあれば、又値打のないものが非常に数字が高く上つておる。事実とこの報告書数字とは非常に相違があるということになり得れば、これ又この数字を認めるということについてはどうかと思うのです。その点の相違があれば……。ただこれが今まで記載されて来た台帳や、今帳に記載されておる数字と、これとが相一致しておるということのみでとどまるなら、私はそれでもいいのじやないかと、こういうまあ解釈をするのですが、そういう意味で我々は先ず承認するということなら異議はないと思う。
  35. 小林政夫

    小林政夫君 早く承認をしなければならないという何か理由があるのですか。
  36. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ないと思います。
  37. 小林政夫

    小林政夫君 ないのなら、今の検査院報告通りならば数字が動くかも知れないと思います。一緒にまとめて一括議決されては如何ですか。
  38. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) お諮りいたしますが、一応これは大分疑問のある案件だと思いますから、これは続行いたしまして御研究を正願うということにしたら如何です、今日でなくてもいいと思いますから。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) じやこれは、本日は審議を保留いたしまして続行いたします。   —————————————
  40. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、同度特別会計歳入歳出決算を議題といたします。  終戰処理費関係の分、三百五十三から三百九十六を先般議題にいたしまして、これと同時に会計検査院の大体の説明が済んでおります。なお、これに対する質疑も行われておりますが、完了いたしておりません。そこで一応専門員のかたから御調査になりました内容について御報告を願つて、本日更に御質疑を願いたいと思います。
  41. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) 検査報告の第三百五十三号から三百九十六号までは先般一括して議題に供されておりまして、当局のほうからは御説明がございました。それに対して議員のかたがたからそれぞれ御質問がございまして、大体問題は明らかになつたように思われますが、なお本日引続いて御審議頂きますにつきましては、私どもの気付きましたところを申上げまして、御参考に供したいと存じます。  第三百六十六号は「ガス供給契約に当り処置当を得ないもの」とありますが、これは東京瓦斯株式会社が代々木地区に向つてガスを供給したというあの事件であります。それにつきまして、前向にガスのメートルを取付けるということを、会社のほうで気が付いておつたかどうかというような点が、御質問なつておりまして、その後私どもが手に入れました書類によりますると、会社のほうからは軍のほうへ幾たびか申入れがしてあります。それに対して軍のほうからは返答が来ていないということがはつきりいたしましたから、そのことを御参考に申上げたいと思います。それからこれに関する契約書などを参考資料として提出を正願いたいということが、カニエ委員からお申入れになつております。これはまだ受取つていないということでございます。なお、これにつきましては一億九千万円ほどの支払超過のお金を今後毎月九百万円ずつ、言い換えれば二十七年二月までの間に返還させるということに扱われておる模様であります。  それからその次の三百六十七号及び三百六十八号は「電力料金の協定に当り処置当を得ないもの」、これにつきましても、三百六十七号につきましては前回の御審議の際に、軍の指示で何かしたというようなことがあるならば、それについての資料の提出を求めるということがカニエ委員から御発言がございましたが、この資料につきましてはまだ届いていないようであります。それから三百六十八号のほうにつきましてはまだ説明は開いておりません。内容は殆んど同じようなことかと思いますけれども、この問題は相当重要な問題じやないかと思いまするので、ちよつと御注意までに申上げたわけでございます。  その次の三百七十号は「バス借上使用料の支払に当り処置当を得ないもの」、これにつきましては前回御審議がございまして、当時の事情止むを得なかつたが、将来は改訂することにしたという説明でありました。その際に何か不正行為などが蔭に存在しはしないかというような話が出ておつたようでありまするが、私どもの手許にはそれに関する資料は何もございません。  その次の三百七十二号でありまするが、これは当局の説明では印刷したものでありまするが、それによりますると、適正なる実費を算出した金額を国の歳入に徴收すべきものと思料すると言つてはつきり当局がそのことを言つておられます。それならばそれをどういうふうに扱われたか、或いは思料すると言つておられるについては、何かその役所の管轄がどこか違うので、取扱い上多少の困難があるというような事情でもあるのではないかというふうにも思われまするので、その辺について少し事情を明らかにして置いたならば、将来のためによろしいかと思うのでございます。同様のことが、三百七十三号にございまする。それでこのガリ版の印刷物にも特に鉤でひつかけて置いたわけでございます。「機帆船運賃の支払に当り処置当を得ないもの」、これは前回御審議がございました。その際に当局からのお答えでは、海運局時代のことだから何ともいたし難いというような意味のお答えがあつたように記憶いたしまするが、そういうふうにお役所が何かこうお互いの間に連絡がうまくとれないというようなことでもあるのかどうか。これにつきましては、勿論当局のほうから御説明を願つたほうがよろしいとは思いまするが、同時に検査院の御意見も聞いて置いたならば、将来いろいろな事件について参考になるのではないかと、こう思いいまする。  その次の三百七十四号は「冷蔵倉庫の借上料の支払に当り処置当を得ないもの」というのでありまして、これに対する当局の御答弁では、今後は適正な料金にするということでありまするが、その意味は、過去のことはもういたし方がないとして眼をつぶつてしまうというような意味であるかどうかということが、ちよつと疑問に思われるのでございます。特にこの三百七十四号はたくさんな事件がずつと列挙されておりまするが、影響するところも範囲が広いと思いましたので、ちよつと特別に気がついたのでございます。  それから最後に、三百七十五号というのがございます。これは非常に事件が複雑いたしておりまして、ちよつと読んだだけではわかりにくいわけでありまするが、極く大づかみに申上げますと、普通の使用料を払うほかに、当局ではその業者が特別な施設をやつたり何かしたものでありまするから、それに対する償い、補償料の意味で若干高く払つたのだというような答弁が出ております。これに対して、検査院のほうではその問題をどういうふうに御覧になつておるのか、その辺の事情が余りよくわかりません。一応当局のかたに御説明を願つたらば、この事件がはつきりよくわかるのじやないか、こんなふうに思われたのであります。  以上が私どもの気付きましたことで、これ以外には、特にこの際御審議を願わなければならないと思うほどの事情の不明瞭なこととか、そういうことはないように思われるのでございます。ちよつと御参考までに申上げます。
  42. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 会計検査院検査の結果に対する御疑問も中にあつたようであります。この点だけ私から申上げます。  先ず三百七十五号の、最後に言われました山形県の事件でございますが、これは実はこの弁明書今森専門員の御説明がありましたようなことが書いてございます。これは弁明書になりまして、実は突如として出て来たのであります。私ども検査しておるときにはこういうことは一言もわなかつたのであります。そういう事情はございますが、弁明書に出て来たのでありますが、私どものほうとしては、あとの調査は勿論いたしました。その結果、結論としてはこれはちよつとおかしいのじやないだろうか、と申しますのは、或る設備をしたのかも知れませんが、その設備を三月で償却するというようなことに問題があるのであります。この特殊設備使用料というのは、三百七十五号の、検査院の批難のほうを御覧になりますとすぐわかりますが、四、五、六月分の使用料とあります。こういう固定設備の使用料を、全額三月で償却してしまうような使用料を払つてやるのはちよつとおかしいじやないか、そう考えておるのであります。これは業者のものであります。相当長期に、仮にどういう設備をいたしましても使えるわけであります。そうすると、長期間で償却すると言いますと、話はわかりますが、僅か三月でやつてしまうというのは、まるつきり筋が通らないじやないかと、こういうふうに考えております。繰返して申上げますが、当局者の御答弁は実は私どもあとになつてこういう事実があるのかと知つたようなわけでありまして、仮にこの事実があるといたしましても、今申上げたような関係になるかと考えております。  それからもう一点検査院に対する御疑問があつたようであります。それは機帆船の運賃、それからその前の三百七十二の「あけぼの丸」、これでありますが、三百七十二で当局者が国の歳入に徴收すべきものと思料する、こういつている点であります。これはほかの役所に関係がある事項じやないか。三百七十二は海運局に関する事項であつて、特調とは別な役所であります。こういう場合に、仮に歳入に入れるものがあるとすれば、検査院としてどういうふうにそれを支出するのが適当と考えるのか、こういう御趣旨であつたように拜聽いたしました。これは当然なことでありまして役所が違いましても歳入に取るべきだときまつたら、取る処置をするのが当然でありまして、その点でははつきりそこでそういうふうに申上げて差支えないのじやないかと思います。その二点であつたように思います。
  43. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御質疑ございますか。
  44. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 今のにちよつと補足いたしますが、三百七十三号の機帆船でありますが、この二つの役所に関係するという意味は、時期的に連続するという意味にお考え願つてよいわけであります。併行して二つの役所が関與しておるのではなくて、前は海運局がやつて、あとは特調がやつた、こういう事案であります。こういう場合には問題なく最後の役所があと始末をするほかないのでありまして、これはよくたくさん例がございます。例えば終戰処理費につきましては御承知のように最初は特調ができるまでは各県がやつてつたのでありまして、県自体の過払金というようなものを、特調が引継ぎをして、整理をしておるという面がございますし、当然これは一つの案件といたしまして特調で適当に御整理になるのが相当ではないかと考えております。
  45. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府委員のかたにお尋ねしますが、この前の委員会であなたのほうに資料の御提出をお願いしてあるのが一向出ないのです。審議の上に大分長くなるので……。
  46. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 何か事務上の行違いがあつたと見えまして、私のほうは提出したものがございます。今提出がないと御指摘があつたのでありますが……。
  47. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 何を御提出ですか。
  48. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) ガスの契約書を出したということになつております。その控えを持つております。それから電気の関係も軍の当時の指令書を出しまして……。
  49. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) いつ、どこで、誰に出したんですか。
  50. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) それは私今覚えておりませんが、当時御要求のありましたときに二、三日の御猶予を頂きまして、その御猶予のあつた三日目ぐらいに出しております。次の委員会でその電気のほうについては私が御説明というか、資料について答弁をしたことがあつたと思います。
  51. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは私のほうも調べますが、あなたのほうも調べて……。
  52. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) こちらには元があることでありますから、再製をすぐ出すことにいたします。
  53. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは一応こちらはどうかわからないが、明日でもそれを作つて出して下さい。それでは、三百六十六というのは、資料は向うは出した、こつちは受取らない、こういうわけでありますが、更に出して頂いて、資料が出てから御審議を願うということにいたしましようか。……三百六七六を除きましたその他について、御質疑がございましたならばお願いいたします。政府のほうから、三百七十二、三百七十三、三百七十四、三百七十五に対する政府委員のほうの御調査の結果をお聞きになつたと思いますが、それに対する御答弁をお願いしたいと思います。
  54. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 三百七十二は「あけぼの丸」につきましての、歳入に徴收すべきものである、その答弁を会計検査院に対しまして特別調達庁のほうから出してございます。今、検査院のほうの御説明によりますと、これは引継ぎを受けた官庁が歳入に徴收すべき従来からの仕来たりになつておる。一応御尤もでございます。私どもこれにつきまして若しできますことならば歳入徴收手続にいたしたいと存じますが、内容から申して、果して特別調達庁として歳入の決議を、することができるかどうかにつきましては、従来それができないので、海上保安庁によつてつて頂くべきものと、こう考えておりましたのであります。検査院の御見解がそうでありまするならば私のほうといたしましては、直ちにそのできる、できないをここで検討して頂くよりも、先ずやれるという前提の下にどういうようにやつたならばこの徴收決議が行われるかという点を研究いたしまして、今回のところとしては未処理のままではありますが、直ちにこの処理の実務に入つて行きたいと存じます。  三百七十三でございますが、三百七十三は特調といたしましても、この運航手数料の率を減率いたすのが至当と考えます。会計検査院の御見解と同じものでございますが、当時はその査定を海運局がしておりまして、その契約を締結した後、即ち国といたしまして債務を負いました後に特別調達庁に移しまして、従つてその後のものについて改訂をするという方法はとれたのでありますが、当時成立いたしました契約を改めるということができませんので、この点は御了承を願いたいと存じます。折角でき上りました民事上の債権債務を、あとから直すということが非常に困難であることば御推察下さることと存じます。成るべくはそうしたものでも直したいのでありますが、相手方が応じません場合にはどうにもいたしかねますので、今後のやり方をこの実例のように修正いたしましたもので進めて行く。現在それは改められてあるわけでありまして、御指摘事項といたしましてはやはり妥当ならざる処置ということは、私どもと同じ見解をとつておるのでございます。  三百七十四は、兵庫県の川西倉庫に関する問題でございますが、当時はマル公によつて契約いたしましたわけであります。二十三年度の当時といたしますと、マル公即ち最低価格であるというのが経済上の常識でございまして、ために当時の契約担当官といたしましてはこれをマル公でやつて、又契約の相手方といたしましては、もうそれが自分たちの契約に応じ得る最高限度ということであつたろうとは推察いたされます。併し内容は軍の管理であり、いわゆる間接費がそれだけ少くて済むものでございますので、当時の契約担当官といたしましては、マル公に安易に依存することなく、つまり契約に際しての当事者としての折衝をもつと強く、もつと納入者の利益を考えて対処すべきであろうとは存じます。ただ軍側から急がれた事情もございましよう、遂に今から判断いたしますと、安易に契約をしたということでありまして、私どももその処置が完璧でなかつたということは考えるのでございますが、又当時の事情といたしまして御酌量を願いたいという考えもある次第でございます。何とぞその点御了承を願いたいと存じます。  三百七十五につきましては会計検査院側の御説明がございましたが、それは四、五、六の三カ月に対して貫七円五十銭といういわゆる販売者価格の○公によりまして払つた。それは大体多くとも生産者価格貫三円の單価で払うというのが限度であるのに、販売者価格をとつておることは、先ずそれだけの客観的事実から申すと不当である、これは御尤もであります。又それが行われました内容として倉庫の建設費、そういう特殊な費用があつたとしても、それは四、五、六の三カ月間で償却されるべきものでない。従つてそれをよし理由として認めても、この支払は不相当である、この御見解は私御尤もだと存じます。ただ当時のやり方といたしまして空転の費用を考慮して、生産しておつたならば得られたであろう利益を補償する程度に限定いたしました。特殊な施設を要求されました費用は、それに相当する償却期間を見、損耗価格として手に残るべきものを差引きまして払うべきであつたと存じます。併し当時山形県といたしまして、これをいわゆる査定を受けます際に、やや粗雑な計算をいたしまして新潟鉄道局にその料率の査定を受けました。鉄道局もこれを認めました結果、こういうことになつたわけでありまして、担当官といたしまして十分な経理措置をとらなかつたということは認められますので、ただこれにつきましては、業者側は非常に強い要求を持つておりまして、未だにこの国の債務につきまして、国が相当なりと考えておるものにも承服しない。支払金を支出いたしましても受取らない、供託をしておるという事情にございます。    〔委員長退席、理事岩沢忠恭君委員長席に着く〕  併し今回御指摘なつております点につきましては、私どもは当時の経理措置が十分でなかつた。その後特調に引継がれましてからの積算から申しましても、七円五十銭は過大であつたのでありまして、今後こうした契約に当りましては十分その原価計算的経理を明細にいたしまして、こうした過誤を繰返さないように注意するつもりでございます。
  55. 岩沢忠恭

    ○理事(岩沢忠恭君) 別に御発言ございませんか。
  56. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三百七十号の「バス借上使用料の支払に当り処置当を得ないもの」という批難でありますが、それは会計検査院指摘されておるのは二十三年度一カ年の分であろうと思うのですが、二十二年、二十四年度も同様かようなことがやはりあつたのではなかろうか。そういうような方式でやつてつたのではなかろうかと思われるのですが、会計検査院は二十三年度に発見されておるのですが、その点について会計検査院からでも、或いはどちらからでも結構ですが……。
  57. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 三百七十号の帝産オートのバス代でありますが、これは検査院指摘によりましてその後確か二十四年度の当初から遡つたと思いますが、その後当局が会社側と折衝されまして改められたのであります。私どもは今申しましたことがその後是正されましたので、二十四年度としてはそれは批難してございません。それからその後非常にこれはガソリン税の関係などで帝産オートは経営状態が悪くなつております。現在では連合軍のバスはやつておりませんが、その後の経理状況はその当時よりも相当悪くなつておるようであります。ともかく二十四年度といたしましては当局も訂正されましたしいたしますので、私どもとしては批難しておりません。
  58. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 特調のほうでは、二十二年度には帝産オートに限らず、国際興業、或いは国際自動車、関西帝産、いろいろバスの料金を支払つておるのですが、二十二年度には総額どれだけ大体支払つておるかということ、二十三年度会計検査院が批難されておるのが総額であるかどうか、総額でないとすれば、そのほかにはどれだけ支払つておるかということですが、この二カ年に亘る支払総額を御説明願いたいと思います。
  59. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) バス使用料の昭和二十二年度の支払額といたしまして、只今調査しておりますものが、只今の帝産オート、その他の自動車事業者につきまして合計一億一千六百九十四万八千六十九円、これだけが昭和二十二年度のバス使用料の支払になつております。
  60. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 二十三年度総額は幾らになるのですか。
  61. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 二十三年度は恐縮でありますが、二十三年度決算検査報告の百八頁に二十三年度の支払額として載つておりますので、合計の額が出ておりませんが、只今集計いたします。
  62. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 私の申上げているのは、この会計検査院が批難されたのは帝産オートの分と一、一の分でありますが、そうでなく横浜、或いは名古屋、京都、広島、福岡等についての支払の年間総額を言つておるので、二十三年度の年間総額はバス代として幾ら支払つたか。
  63. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) ここには、検査報告の百八頁には本件と同様の計算で料金も支払つたものとなつておりまして、何か限定しておるようでありますが、これが全部の金額になると私ども見ております。集計いたしますと支払総額が出るという関係になります。
  64. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 私、先ほど川田政府委員と打合せして、川田政府委員からお答え願つたのでありますが、この検査報告の百八頁の……、全部とお答えがあつたと思いますが、これは実は私のほうの打合せがまずうございまして申訳ございませんが、呉と京都がこれ以外にございます。同じような事態が……。それから札幌、北海道がございますが、これはいろいろ特殊な施設をしておりましてちよつとこのほかのと例になりませんので、同一に扱えませんので、これはまあ全然考えておりません。当時呉と京都がちよつと調査が間に合いませんで、この表の中から削除しております。ここにございますが、これを集計いたしますと、三億六千八百万円になると思いますが、これ以外に呉と京都が若干あるとお考え願います。
  65. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 会計検査院のほうでは、一応これは支払の面ではこういうことになつておるのですが、これらの税金の收入の面では御調査になつておるのかどうか。国税庁のほうではどういうように一体その收益を見てとつたか。二十二年度並びに二十三年度のこれは私は国の歳出の面において不当があるということは勿論でありますが、歳入の面においてもやはり相当大きな関連を持つのだと思うのですが、その点について会計検査院ではどういうようなお考えですか。
  66. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 只今の税金との関連でありますが、これは国が払いました支払、逆に申しますと、会社の收入という点ではまあ非常に私ども見まして不当だつたと思のであります。ところが会社にこれに対応する経費があるわけです。その差額に対して課税になるわけでございます。当時会社というものは、えてしてその税金が高いものでありますから、たくさん入りますと、たくさん使う傾向がある。これはどこでもそうでありますが、こういうふうに收入が多いと経費も従つて多いという関係になると思います。税金のほうは実は私どもの管轄と違うものでございますから、そう細かく調べてございませんが、恐らく計算等も、そうたくさんの收益を挙げたようにして課税を受けていることはないのではなかろうかと思つております。現にこれは、この翌年の二十五年度は会社が左前に近くなつて参りまして、個人の会計の常識で申しますと、こういうようにうんと儲かりますと、溜めて置きそうなものでありますが、会社は残しておきますと税金を取られますので、そう積立、蓄積はなかつたと思います。蓄積があれば三十王年度なつて急に左前になることはないわけであります。二十五年度は相当経営状態が悪くなつておりますから、恐らくこの年の経費として使つてしまつたのではないかと思います。現に寮を買つたというような話も聞きましたので、課税対象になつた利益金というものは案外少つながつたのではないかと考えております。
  67. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この三百七十号に関しましては、一応国税庁の意見も併せて聞きたいと思つておるのであります。と申上げるのはこのバス業者というものは、大体進駐軍関係係のものを輸送するというだけで生れた会社であつてそれが最近のように徐々に少なくなつて来るということになりますれば、勢い用事のない会社なんでありますから、従つてこの会社が姿を変えて他の会社に変つてつておる。そういうところに国費の濫費が流れておるのじやないかという疑は十分に持てるわけであります。又その事実も私の調査によれば、各所に多々見受けられるのであります。ただそこまで国税庁が押して行つておるかどうかということ、それからもう一つは、ただその特調からもらつた金額のみが、この会社の收益のすべてになつておるのでないということ、当時は非常にガソリンにいたしましても、タイヤにいたしましても血の一滴と言われたほど貴重品であつた。それがマル公の何倍もやはり市場の価値がしておる。而も進駐軍の仕事をしておるからというので、十二分なる燃料なりタイヤなりを会社はもらつておるのであります。こういうものは他に当時相当巨額な金として流れておるということ、こういうようなことを考え合せ行きまするなれば、国費の濫費というもののほかに、歳入の面において非常に怠つておるのじやないか。こういうことも併せて考えて見て行くと、今会計検査院は表から恐らく私は眺めつて、おられるのじやなかろうか。或いは地方の路線バスに転換をしておるとか、或いは遊覧バスに姿を変えてするとか、或いは又トラツクの会社にそれが肩替りしておるとか、こういうものが全国至るところに伸びておる、形が変つておる。だからこそ本体であるところの……、そういう進駐軍関係で業務をやつてつたバス会社というものは赤字で、そして現在苦境に陷つておるというが、それは苦境に陷つておるのでなくしで、そういうところに皆持ち去つたがために、おのずからそこに物がなくなつたのである。これが現在の姿である。こういうものをもう少し掘り下げて明らかにしなければ、ただここで何億かの不当支払があつたというだけのことでは済まされないのじやないか。こういう意味からしてこの問題についてはもう少しやはり国税庁のとつた措置、又現在どういう考えをしつておるかということも、併せて質問をしたいと思うので、三百七十号は一応質問を留保して、次の機会にしたいと、かように思つております。
  68. 岩沢忠恭

    ○理事(岩沢忠恭君) 別に御質問がなければ如何でしようか。三百六十六、三百六十七、三百六十八、それから今の三百七十は相当問題もありますし、又参考資料も来ておりませんから、一応これだけは次回にもう一度審議することにいたしまして、三百七十二から三百七十五までは一応審議を終了したとしてよろしうございますか。
  69. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三百七十二号でありますが、ここに百十頁のところに「あけぼの丸の乗組員、燃料及び修繕等に要する経費は、一切国で負担しているのであるから、別途あけぼの丸の貸付料も徴收するか又は前記料金中」云々とあるのですが、ここで乗組員の人件費、燃料及び修繕代というものの経費がどれだけあつたかということをお聞きしたいのでありますが、その総額は大体分類別に総額で言つてもいいからお答え願いたい。
  70. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 只今これは判明しておりませんので、直ちに取調べまして後日お答えいたします。海運局に照会しないと判明しない点がございますので、少し時日がかかります。
  71. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この件についてはそういうことがやはりわからなければ、我々としては一体どれだけ国が損をしておるのかということも……。
  72. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 私どものほうで調べたものがございますが……。
  73. 岩沢忠恭

    ○理事(岩沢忠恭君) それならば今書類の未提出のために、三百七十二号も次回に譲ることにいたしましようか。
  74. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうして頂けば……、出してもらいましよう。
  75. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 出します。
  76. 岩沢忠恭

    ○理事(岩沢忠恭君) お諮りいたします。三百九十七以下全部を一括して議題といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 三百九十七以下の終戰処理費の物品に関する案件でありますが、これはこの前ざつと御説明したように思つておりますので、今日も重複する点がございますかも知れませんが、九十七と九十八、代表的な案件といたしましてここに全部で二十数件並んでおりますので、一つ一つ御説明するのも如何かと思います。同じようなものが多うございますから、代表的な意味で三百九十七、三百九十八、これを御説明申上げます。その前に終戰処理費物品の特性と申しますか、非常に特別な性質を持つておりますし、それからここに挙げました、挙げましてその特別の性質を持つておりますものをここに批難事項として挙げましたいきさつ、こういうものも大体御説明いたしますのが御参考になるかと思いまして簡單に申上げます。  昭和二十四年の八月末に連合国軍用物資といたしまして、日本内に保有しておりましたものが莫大な数になつていたのでありますが、それが解除になりまして、日本側で自由処分してもよろしい、こういう状態になつたわけであります。この宿舎建設用、維持管理用資材、これだけ見ましても約四十三万トンという大きなものであつたのであります。これが金額にいたしますと約七十六億円、一口に四十三万トンと申しますが、これは相当の量であります。四トン積みのトラツクで換算して頂きますとすぐおわりにたるわけでありますが、莫大な量であります。そのほかにも調達解除になりました物件二十五万トン、こういうようなものがございましてこれが日本側で自由に処分、売払いしてもよろしいと、こういう状態になつたのであります。それまでは一応日本側の自由処分は差しとめられていた状態であつたのであります。ところでこういうような大きな多量の物品がどうして一体余つたのであるか。本来御承知のように国の物品はこんなに余るわけはないのであります。要るものしか買わないはずであります。それで私どものほうとしても実は相当驚きまして、これの余りました原因というものを調査し始めたのであります。それでなかなかこの金額数量を当るのも容易ではないのでありますが、日本中の主なる倉庫を殆んど全部歩きまして買つた事情から、余つたいきさつ、或いは余計な輸送や無駄な輸送をやつておる事例も相当ございました。そういう関係を全部調べましてその余つたものの中から主として日本側の責任で余つたもの、言い換えますと、日本側のやり方がまずかつたためにこういう停帶を生じたもの、こういうようなものだけを拾い上げまして、ここに主なものを挙げましたのが、三百九十七号以下の二十件ほどになりますが、この案件であります。終戰処理費の物品は連合国軍側の意思が購入なりいろいろな面に多分に入つております。連合国側に責任のあるものもこれはあるわけでありまして、そういうものを私どもとしてとやかく言う筋でもございません。主として日本側に処理の責任がある、こう考えましたものをここに挙げたわけであります。いろいろ当局としても弁明もあると思いますが、結果から見まして、又当局の措置がもう少し妥当であつたならばこういう大きい余りを生ずるようなことはなかつたろう、こういう性質のものをここに掲げたわけであります。それで三百九十七号、三百九十八号の冒頭にございまするところの、この百二十五頁の終りから三行自になりますが、「不急不要又は不適格品を購入し在庫となつているもの」これが大部分でありますから、これの代表的な意見として前のほうに出したわけであります。  三百九十七は、これはいわゆる二重煙突事件として相当深く御審議になりました案件、私どもといたしましても、これつはまあ物品の購入、或いはその後の処理、こういうものにつきまして一番質のよくない案件というので、実はトツプに書いたわけであります。これに関連いたしましていろいろ調べておりますと、過払い、この百二十六頁の六行目のなお書きに書いてございますが、物が入らないのに入つたことりとして二千二百三十七万円というものを余計に払つた、こういうようないわば物品の管理という意味から申しますと、まあ第二義的に或いはなるかも知れませんが、国の経理といたしましては非常に重大な事実も調査中にわかりまして、こういうふうに書いた次第であります。    〔理事岩沢忠恭君退席、委員長着席〕  本件につきましては、当委員会でも非常に詳しくお調べでございますので、ここで細川かいことを申上げることもないかと思いますからそれだけにしておきます。  三百九十八でありますが、これはウオター・プルーフイング(セメント防水剤)であります。これをドラム罐に詰めまして五万個ほど買いましてそのうち四万数千個も余つております。実際に使つたのは七百数十罐に過ぎない、こういう案件であります。これが大阪で実地検査のときに見付けまして、まとめ上げてここに挙げた次第であります。この批難の趣旨はセメント防水剤が仮に必要であつたとしても、何も水に入れて買わんでもいいじやないか。中の薬品だけ買つて、必要なところに送つて水に溶かすなり、或いは溶剤に溶かすなりしたらいいじやないか。大阪で水にうめた、水に溶かしたものをドラム罐で買つて、わざわざ全国に配給する必要はないのじやないだろうか、こういうような点。それからその後の処理方法、買つて実は五万罐の中から七百罐ぐらいしか払出していないのでありまして、それ以外のものは停滯していたのでありますが、これの保管状況、罐が壊れ水が、中身が漏れ放し、こういうようなものも相当にあります。而もそれに対して完全品並の保管料を支払つておる。大体單価が二千円ぐらいのものでありますが、御承知のように保管料は価格と重量と、この両方のあれから参りますが、その基準が、一つの基準になります価格というものを、最初の購入したときの新品価格と同じ値で計算いたしまして、漏つてしまつたもの、空つぼになつたものもあつたようでありますが、そういうものに対して保管料を漫然と支払つていたという案件であります。いろいろな角度からこれは批難しております。  あと三百九十九と四百以下は説明を省略さして頂きます。御質問がありましたらお答えいたします。
  78. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三百九十七は今当委員会としては問題にして調査研究しておりますから、ここで質問を申上げておくようなこともないと思いますが、いずれこれは小委員会のほうの報告を当委員会が聞いてでないといたし方ないと思います。  次に三百九十八号でありますが、三百九十八号の案件は、今会計検査院が言われた通り昭和二十一年十月から二十二年の四月まででありますから、大体四年乃至五年も昔になりますが、それが最近まで倉庫に入れておいてそうして一千三百五十五万七百九十二円の保管料をそれに支払つてつた。その購入した価格八千七百四十九万七千九百九十四円であります。それを輸送した運賃が五百三十三万六百五十五円である。するとこれを総計いたしますと、一億六百八十二万九十四百四十一円という巨額な金になるのでありますが、それがその後どうなつたかということ、それから払下げたとしたら一体何罐を幾らで払下げ、そうしてそれを金を回收しておるかどうか。その払下げた総額は一体何ぼになつておるかということ、先ずこの点から説明を願いたいと思います。
  79. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 私のほうからお答え申上げます。売払状況、こういう御質問つたと承知しております。この解除になりましてから売払いました総数が四万一千五百数十罐であります。ここには全部、確か殆んど全部がその処分なつております。それが総額で百八十七万千二百六十円になつております。先ほどカニエさんおつしやいましたように一億円を超えておる支出であります。そうしてその買いましたときは昭和二十一年、二十二年物価の安い時代でありますからその時代に一億円使いましたものが、物価上つた最近になりまして僅か百八十七万円で売れた。こういう案件であります。御参考までにこれは実は私どものほうで二十四年度で売払い方が非常にまずいのもございまして、その分を別に批難しております。その資料として細かく調べたのでありますが、一番安く売りましたのは一本單価五円であります。大阪であります。これを実は批難したのであります。ほかは入札をいたしまして腐つたようなものもあります。漏つたものもありますから、入札の結果百二円から二百円くらいでよそで売れておるのであります。これはどうも売るときの状態から行くと或いは止むを得なかつたかと思います。随分併し馬鹿な話でございますが、売るときのあれから行けば止むを得なかつたのかと思いますが、こういう事実があるにかかわらず、一番大きなたくさん量を持つておりました大阪でざつと三万罐、一万九千六百罐、これを一本五円で売つておりますので、五円で売つた案件を捉えまして二十四年度のほうの検査報舎に載つております。一番安いのが五円、一番高いのが二百円であります。
  80. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 一億六百八十二万円かかつておるのですが、これは勿論今も言われた通り何年も昔の傘であつて、現在の金にこの一億六百万円を直すとどれだけになるかということは、常識を以てまあ大体これはわかるのでありますが、いずれにしても、当時あとから割つて見ますと、大体原価が二千円につくのじやないか。二千円ついたものを五円で、その物価が高くなつた今日売るという理窟がどこにあるのか。なぜこういうようなことになつたのか。これは私は非常に重要な事柄だと思うのです。いやしくも国民の血税がその当時出された金では随分これは国民は泣いておると思うのです。実際その子供を犠牲にし、そうして一家心中を、やつたりして出した金が、かように同質がなつてしまつておるということは、これは我々委員会としても單にそうであつたかと言つて済ますわけには行かないと思うのです。余ほど政府も納得の行く一つ御説明を願いたい、こう思うのであります。そこで先ず一体なぜ五円ぐらいに、何年も前に二千円も出したものが五円ぐらいになつたのか、又売つたのかということであります。その点から先ず……。
  81. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 大阪調達局において行いましたドラム罐の批難事項につきましては、只今カニエ議員からの御質問の点のほうを申上げます。二十四年度の四百十七号の批難事項に相当するものでございます。当時相当の価格で、只今カニエ議員の御計算によりますと、一個二千円もするドラム罐を物価上つた今日五円で売つたのは如何なる理由によるか。この点は先ず御了承を願いたいと存じますのは、五円という価格につきまして、その性質が二千円のものと同じではないということは一つ御了承願いたいと存じます。二千円はそのものの値段並びにその輸送費でございますが、五円はそれ自体、私どもこれは安過ぎるという感じは持ちますが、二千円に相当する価格からそれを一応計算いたしまして、大体高いもので三百二円、安いものは十何円という、非常に質の悪いものもございますが、それを平均いたしまして計算いたしますと、総額計算上は五万三千八百九十九円という計算が、当時の積算の担当者といたしましては出たのでございまして、それはこのドラム罐を一応仮に三百二十円と当時の物価計算いたしましても、潰しまして屑鉄にするというものもございます。又良質のものもドラム罐として利用するに至りますまでには一定の場所に運搬いたしまして、中身を抜かなければならない。これは私どもの調査いたしましたところではその中身を抜くために重い内容のものを輸送する計算はいたしておりません。つまり倉庫から極く近距離のところに動かしまして中身を抜く。それからこれを屑鉄に処理をいたします場所まで運搬いたします費用がございまして、この点は詳細な計算も出ておるのでございますが、私只今ここに用意してございませんのは恐縮ですが、結局そういうものを引きますと、五円という平均の値段になるのでありまして、当時のドラム罐、古物の値段として一応計算いたし、これを再使用し得る段階に持つて行く、又は屑鉄として商品化するまでの経費を差引きまして、それを計算いたしますと、総体の数量で五万四千円弱の計算なつたものを、売りましたときには九万八千円に売つておる。もう一つ、当時この買手がなかなかございませんでした。御指摘にあるように倉庫料が非常にかかりますので、いち早く売りたいというところから当時の担当者といたしましては、これを入札に付することなく売つた結果になつておりますが、入札をいたしましても、その申出者がなかつたという関係もありますし、又なかなか希聖者がなかつたので、こうした値段で売つた当時の売り方が、もつと広く公告をし、屑鉄の値段にいたしましても、大体常識で考えまして、ドラム罐というものが、結果において一つ五円だというようなことになるのは極力避けるべきではなかつたかと存じますが、十分にその間の取引上の熟練度がありませんために、こういう結果を招きましたので、私どもといたしましては、一応算術的な弁解はできるのでありますが、客観的に見まして、こういうことはなおよりよき処分方法があつたのではないかと考えます。ただ非常に国損をかけているという点につきましては、私ども当時もやはり計算上若干の有利な結果は得られたかもわかりませんが、莫大な国損をかけるという点についての、不注意があつたかどうか、無論故意はございません。不注意によつて莫大な国損をかけたとも言い切れないものがございますので、やはり契約技術の拙劣というふうに考えております。今後十分注意いたさせまして、こうした処分の機会が又あります場合には、よりよき方法でやりたいと、指導して行くつもりでございます。
  82. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今の答弁は、皆お聞きになつ通り、まあこれだけのものを、納得せしめるような答弁とは聞きとられません。ましてや、本問題は処分の問題というよりも、何を買つたか、又なぜこういう結果になつてしまつたのかということが問題であつて、而も一億六百八十二万という国費が、結局においては今日までの金利にもならなかつたというようなことでは、殆んど全部が国損と言わなければならない。だからその理由が、どうである、こうであるということよりも、現実ですね。国民に與えた損失を一体どうするかという問題と、それからそう至らしめたというところの経過については、もつと我々は掘下げて検討しなければならないので、委員長においても適当に一つ御取計らいを願いたい。
  83. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは三百九十七から四百十九までは、本日は審議を保留いたしまして、明後十二日午前十時から開会いたします。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後三時四十九分散会  出席者は左の通り。    委員長    前之園喜一郎君    理事            岩沢 忠恭君            長谷山行毅君            カニエ邦彦君            棚橋 小虎君            溝口 三郎君    委員            大矢半次郎君            楠瀬 常猪君            高橋進太郎君            西山 龜七君            栗山 良夫君            小林 亦治君            小林 政夫君            岩男 仁藏君            森 八三一君   政府委員    特別調達庁財務    部長      川田 三郎君    特別調達庁技術    監督部長    池口  凌君    大蔵政務次官  西川甚五郎君   事務局側    常任委員会專門    員       森 莊三郎君    常任委員会專門    員       波江野 繁君   説明員    大蔵省管財局総    務課長     小林 英三君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       小峰 保榮君